JP4856458B2 - 高速動的周波数分周器 - Google Patents
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Description
従来のFD(conv. FD1)は、マスタ−スレーブバッファ素子を使用するが、最高動作周波数は限定されている。他の従来のFD(conv. FD2)は、アナログミキサ(あるいは、アナログ乗算器)を使用するが、回路構成は、標準のCMOSプロセスを使った場合、高速に動作することができない。
fo=fc−fo・・・・・式(1)
であらわされる。
fo=fc/2・・・・・・式(2)
を示し、周波数分周器の機能を示している(上記回路は、ある論文では、「ミラー分周器」と呼ばれる)。
本発明のFD回路は、出力値の有効性を確保するため、連続的なCK信号が入力されなければならない動的周波数分周器であるが、「スタンバイ」モード中に出力値をモニタし、制御する論理回路が実装されれば、電力節約「スタンバイ」モードも可能である。
図5(a)及び5(b)は、(i)1つだけバッファ30を使っており、(ii)機能セレクタ(スイッチあるいはMOSFETトランジスタ)31が、バッファへの入力(図5(a)の「m」、図5(b)の「j」)のための信号経路を変えるために使用される本発明の実施形態の周波数分周器(新FD1及び新FD2)を示す。
(t_inv+t_sw)<T(CK=0)<(t_inv+t_sw+t_buf)・・・・式(3)
ここで、t_inv=インバータの伝搬遅延
t_sw=スイッチの伝搬遅延
t_buf=バッファの伝搬遅延
である。
1/(2*(t_inv+t_sw+t_buf))<f<1/(2*(t_inv+t_sw))・・・・式(4)
ここで、f=クロック信号CKの周波数
である。
Vm=Vout+Vsw1・・・式(5)
で与えられ、これは、
Vout=Vm−Vsw1・・・式(6)
を示す。ここで、
Vmは、ノード「m」での電圧
Vout=ノード「out」での電圧
Vsw1=sw1の両端子における電圧差
である。
を仮定すると、従来のマスタ−スレーブFDの遅延は、略(5*t_inv)であり、提案しているFDのそれは、約(3*t_inv)である。図1において、2つのバッファ、2つのスイッチ、1つのインバータがあるので、従来のマスタ−スレーブFDの遅延は、5*t_invである。更に、図5に示される本発明の実施形態においては、1つのバッファ、1つのインバータ及び1つのスイッチのみがあるので、遅延は、3*t_invである。クロック周期の40%の圧縮が可能であることを示し、これは、最大動作周波数の速度の1.7倍の増加に等しい。
図12(a)は、本発明の実施形態の周波数分周器(新FD)と、従来のマスタ−スレーブ周波数分周器(M−S FD)の、T(CK=0)=T(CK=1)=2/fの条件の下での理論的動作範囲の比較を示したものである。x軸は、電力供給電圧(Vdd)を示し、y軸は、入力クロック周波数(f)を示す。Vthは、インバータの閾値電圧を示している。両タイプの回路は、供給電圧がVthより大きい場合にのみ動作する。しかし、インバータの遅延は、VddがちょっとVthより大きい場合には、比較的大きい。通常、インバータは、VddがVthの約2倍より大きい時に、より速い速度で動作を開始する。
数学的には、f(M−S FD)、M−S FDの動作周波数範囲、が、
0<f(M−S FD)<1/(2*(t_inv+t_sw+t_buf))・・・式(7)
他方、本発明のFD回路の動作範囲には、上限と下限があるものの、全体の周波数は、従来のM−S FD回路より高い。
図14は、本発明の他の実施形態に従った周波数分周器の構成を示す。
図15(a)の可調整インバータにおいては、可変抵抗器40が、pMOSFETとnMOSFETトランジスタ41と42の間に挿入されており、インバータの伝搬遅延を調整する。図15(b)の可調整インバータにおいては、可変抵抗器40はその伝搬遅延を調整するためのnMOSインバータのアクティブロードとして使用される。
「VH」と「VL」は、それぞれ、「high」レベル、「low」レベル電圧を示すものとする。式(3)が満たされていると、全遅延は、動作範囲に入っており、正常な周波数分周が実行される。出力「out」が、50%デューディサイクルであり、DC電圧が略「VH/2」、論理的「high」レベル電圧の半分、に等しい。調整ユニットは、正常な動作が続くように、V_adjの値を維持する。
図17のタイミング図に示されるように、T(CK=0)は、以下の式によって拘束される。
t_sw+t_buf<T(CK=0)<t_inv2+t_sw+t_buf・・・式(8)
ここで、t_inv2=可調整インバータの伝搬遅延
t_sw=スイッチの伝搬遅延
t_buf=バッファの伝搬遅延
である。
1/[2*(t_inv2+t_sw+t_buf)]<f<1/[2*(t_sw+t_buf)]・・・式(9)
他方、可調整インバータの遅延「t_inv2」が大きいとき、(t_inv2+t_sw+t_buf)の全伝搬遅延が、クロック周期Tよりも大きい可能性がある。したがって、T=T(CK=0)+T(CK=1)のとき、回路は、以下の式によって拘束される。
t_inv2+t_sw+t_buf<T(CK=0)+T(CK=1)<2*(t_inv2+t_sw+t_buf)・・・式(10)
周波数fであらわすと、
1/[2*(t_inv2+t_sw+t_buf)]<f<1/(t_inv2+t_sw+t_buf)・・・式(11)
式(9)と式(11)を組み合わせると、
1/(2*(t_inv2+t_sw+t_buf))<f<UB、・・・式(12)
ここで、UB=min{1/(2*(t_sw+t_buf))、1/(t_inv2+t_sw+t_buf)}。
1/(2*(t_inv2+t_sw+t_buf))<f<1/(2*(t_sw+t_buf))・・・式(13)
図18は、本発明の実施形態に従ったDCレベルモニタを有する周波数分周器の理論的動作範囲を示す図である。
本発明の実施形態によれば、以下の特徴が得られる。
(1)提案する周波数分周器(新FD1及び新FD2)では、1ステージのみのバッファが用いられてる。
(2)信号経路を切り替えるのに、機能セレクタ(スイッチの組み合わせ)を使っている。
(3)短いスイッチング周期、これは、高い動作周波数を示す。
(4)FD回路により少ない素子しか使っていない。
(5)小型。高い動作周波数範囲を有している一方、実施形態の回路は、従来の周波数分周器より小型である。
(6)より少ない数の論理ゲートしか使っていないので、実施形態の回路は、電力消費が少ない。
(7)DCレベルモニタと調整ユニットが本発明のFDに実装されれば、より広い動作周波数範囲が実現できる。
(8)FETトランジスタと「スタンバイ」モード制御信号が追加されると、リーク電流を小さくすることができる。
(9)「スタンバイ」モードの間に出力値をモニタし、制御するように論理回路を実装すれば、電力を節約する「スタンバイ」モードが可能である。換言すると、FDは、半静的周波数分周器(図19において記載したように)にアップグレード可能である。
図21は、3つのマルチプレクサ(51、52、53)、1つの1/2周波数分周器「Div/2」43、及び、1つの1/n周波数分周器「Div/n」44(ここで、nは整数)を含む、高速マルチプレキシング(MUX)システムを示す。2n個の「低データレート」の、「高データレート」信号に多重されるために、3つの連なったマルチプレクサ(MUX1(51)、MUX2(52)、MUX3(53))を介してマルチプレクサMUX1に入力される入力信号がある(ここで、2nは、偶数である)。MUX1、MUX2、MUX3へのクロック信号は、それぞれ、Ck(f/2n)、Ck(f/2)、及び、Ck(f)であり、Ck(f)は、VCOあるいはクロック生成器(CkGen)あるいは、基準クロック(CkRef)であり、最大の周波数fを有している。Ck(f/2)は、1/2クロック信号であり、周波数は、f/2である。Ck(f/2n)は、1/2nクロック信号であり、周波数は、f/2nである。「Div/2」及び「Div/n」周波数分周器が、それぞれ、Ck(f/2)及びCk(f/2n)を生成するのに使用される。本発明の周波数分周器は、Ck(f/2)を生成するのに利用でき、また、ほとんどの場合、nは、2のべき乗であるので、周波数分周器を直列に接続することにより、Ck(f/2)からCk(f/2n)を生成するのにも利用できる。
再び、図22は、n=4のときの、図23のPLLシステムのタイミング図を示している。説明は、図21の時と同様であるので、省略する。
図24(a)において、クロック生成器は、1つのインバータ65と、2つの「Div/2」周波数分周器63及び64を有している。Iはインフェーズクロック、Qは、直交クロックであり、両クロック信号は、PLL、プロセッサ、データリタイマ(いくつかの論文では、合成器あるいはCDRと呼ばれる)などに使用することができる。この例では、IとQの位相差は、90度である。
Ckbは、Ck(f)の反転クロックである。つまり、Ck(f)とCkbの位相差は、180度であることを示している。Ck(f)とCkbの周波数を2で分周すると、IとQクロックが、それぞれ生成され、IとQのクロックの位相差は、90度、180度の半分となる。この回路とその変形は、有線及び無線の通信回路に広く使われる。
基本構成は、上記例のものと同様である。しかし、インバータの変わりに、この例では、「位相シフタ」66が使われている。「位相シフタ」は、Ck(f)を180度シフトし、「Ckb」信号を生成する。この「位相シフタ」は、遅延ユニットあるいは、位相補間器でよい。2つの「Div/2」FD及び信号{I、Q}の説明は、図24(a)のものと同様であり、したがって、省略する。
図26(a)は、1つの位相シフタ、2つの「Div/2」周波数分周器、2つのインバータが4位相クロックを生成するのに使用される他の高速多位相クロック生成器を示す。図26(a)において、位相シフタ59は、Ck(f)の位相を180度シフトし、Ckbを生成する。Ck(f)は、「Div/2」56によって、2で分周され、Ck1を生成する。Ck1は、インバータ57に入力され、Ck1に対して、位相が180度シフトしたCk3を生成する。Ckbは、「Div/2」55によって2で分周されCk1に対し、位相が90度シフトしたCk2を生成する。Ck2は、インバータ58に入力され、Ck1に対し、位相が270度シフトしたCk4を生成する。
図27は、1/2m周波数分周器の構成を示している。通常使われる1/n分周期においては、nは、mを整数として、2mに等しい。換言すると、図21、23の「Div/n」ブロックは、「2m分周」あるいは、「1/2m」周波数分周器とも呼ばれる。「1/2m」周波数分周器は、図27(a)に示されるように、「2分周」(Div/2)周波数分周器を数個カスケード接続することにより、構成される。「1/2m」周波数分周器への入力は、通常、最大周波数を有しているので、第1の「Div/2」ブロック68は、本発明の周波数分周器であるべきである。最初の周波数分周の後、Ck(f/2)のクロック周波数は、半分になる。「Div/2」ブロック69による2番目の周波数分周の後、Ck(f/4)のクロック周波数は、4分の1、などである。ある応用においては、従来のマスタ−スレーブ周波数分周器は、分周されたクロック信号を扱うことができる。回路設計者は、速度と電力消費の条件にしたがって、従来と、提案している周波数分周器から選択することができる。換言すると、「Div/2」ブロック69、70、71は、提案の、あるいは、従来の分周器とすることができる。
2つのフィードバック経路の1つの選択された信号がバッファユニットに主として入力されるように、所定の条件を満たす周波数を持つクロック信号に同期して、信号を選択する機能セレクタユニットと、
該機能セレクタユニットから入力される信号をバッファリングし、バッファリングされた信号を出力するバッファユニットと、
該バッファユニットの出力信号を該バッファユニットの入力にフィードバックする2つのフィードバック経路と、
信号値を反転する、2つのフィードバック経路の1つに設けられたインバータユニットと、
を備えることを特徴とする周波数分周器。
前記機能セレクタは、
2つのフィードバック経路の1つに設けられ、2つのフィードバック経路の1つを開いたり閉じたりするために、前記クロック信号に同期して、オン、オフする第1のスイッチユニットと、
2つのフィードバック経路の他方に設けられ、2つのフィードバック経路の他方を開いたり閉じたりするために、第1のスイッチユニットとは反対のタイミングでオン、オフする第2のスイッチユニットと、
を備えることを特徴とする付記1に記載の周波数分周器。
前記機能セレクタは、
前記クロック信号に同期してオン、オフするスイッチユニットを備え、
前記2つのフィードバック経路の1つがスイッチユニットによって開閉され、前記2つのフィードバック経路のインバータユニットを含む他方は、常に閉じられていることを特徴とする付記1に記載の周波数分周器。
第1のスイッチユニット、第2のスイッチユニット及びスイッチユニットは、トランジスタで構成されていることを特徴とする付記2または3に記載の周波数分周器。
前記インバータユニットの動作遅延は、調整可能であることを特徴とする付記1に記載の周波数分周器。
前記インバータユニットは、可変抵抗器を備え、該インバータユニットの動作遅延は、該可変抵抗器の抵抗値を帰ることにより調整することを特徴とする付記5に記載の周波数分周器。
前記周波数分周器が動作していないときには、前記インバータユニットをオフにするオフユニットを更に備えることを特徴とする付記1に記載の周波数分周器。
前記所定の条件は、
t_invを前記インバータユニットの遅延時間とし、t_swを前記機能セレクタユニットの遅延時間と子、t_bufを前記バッファユニットの遅延時間とし、min{A、B}がAとBの小さいほうを意味するとしたとき、
1/{2*(t_inv+t_sw+t_buf)}<クロック信号の周波数<min{1/{2*(t_sw+t_buf)}、1/(t_inv+t_sw+t_buf)}
と表されることを特徴とする付記1に記載の周波数分周器。
付記1に記載の周波数分周器を使ったマルチプレキシングシステム。
(付記10)
付記1に記載の周波数分周器を使ったフェーズロックトループシステム。
付記1に記載の周波数分周器を使ったクロック生成器。
12、32、48、57、58、65 インバータ
15 ミキサ/乗算器
16 ローパスフィルタ
17、23 増幅器
20、21 抵抗器
22 Gilbert乗算器
31 機能セレクタ
33 可調整インバータ
35 DCレベルモニタ
36 調整ユニット
37、38、39 電界効果型トランジスタ(FET)
40 可変抵抗器
41 p型電界効果型トランジスタ(FET)
42 n型電界効果型トランジスタ(FET)
43、45、46、55、56、63、64 「2分周」周波数分周器
44 「n分周」周波数分周器
47、59、66 位相シフタ
49、50 位相補間器
51 2nビットツー4ビットマルチプレクサ
52 4ビットツー2ビットマルチプレクサ
53 2ビットツー1ビットマルチプレクサ
54 クロック逓倍ユニット(CMU)
60 位相検出器
61 チャージポンプあるいは、ローパスフィルタあるいは、両方
62 電圧制御振動子(VCO)
68、69、70、71 「2分周}周波数分周器
72 「2m分周」周波数分周器
Claims (7)
- 2つのフィードバック経路の1つの選択された信号がバッファユニットに主として入力されるように、所定の条件を満たす周波数を持つクロック信号に同期して、信号を選択する機能セレクタユニットと、
該機能セレクタユニットから入力される信号をバッファリングし、バッファリングされた信号を出力するバッファユニットと、
該バッファユニットの出力信号を該バッファユニットの入力にフィードバックする2つのフィードバック経路と、
信号値を反転する、2つのフィードバック経路の1つに設けられたインバータユニットと、
を備えることを特徴とする周波数分周器。 - 前記機能セレクタは、
2つのフィードバック経路の1つに設けられ、2つのフィードバック経路の1つを開いたり閉じたりするために、前記クロック信号に同期して、オン、オフする第1のスイッチユニットと、
2つのフィードバック経路の他方に設けられ、2つのフィードバック経路の他方を開いたり閉じたりするために、第1のスイッチユニットとは反対のタイミングでオン、オフする第2のスイッチユニットと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の周波数分周器。 - 前記機能セレクタは、
前記クロック信号に同期してオン、オフするスイッチユニットを備え、
前記2つのフィードバック経路の1つがスイッチユニットによって開閉され、前記2つのフィードバック経路のインバータユニットを含む他方は、常に閉じられていることを特徴とする請求項1に記載の周波数分周器。 - 前記インバータユニットの動作遅延は、調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の周波数分周器。
- 前記周波数分周器が動作していないときには、前記インバータユニットをオフにするオフユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の周波数分周器。
- 前記周波数分周器の出力の電圧レベルを検出するDCレベルモニタと、
前記可調整インバータの遅延を制御する調整ユニットと、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の周波数分周器。 - 前記周波数分周器の出力の電圧レベルを検出するDCレベルモニタと、
前記可調整インバータの遅延を制御する調整ユニットと、
を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の周波数分周器。
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