JP4855567B2 - シリカ系被膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカ系被膜の製造方法およびこれを利用する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MCM−41(1次元細孔)やMCM−48(3次元細孔)は界面活性剤の集合体を構造規定剤(structure-directing agent, 以下SDA)として用いて合成されるメソポーラスシリカである。これらのメソポーラスシリカは細孔サイズが均一で、大きな空隙率を持つ点に特徴がある。MCM−41やMCM−48はこのような構造の特徴を活かして、低誘電率の絶縁材料(以下low-k材料)への応用が検討されている。
【0003】
通常SDAは、シリカ骨格を形成後、焼成(通常450℃以上)により取り除き、空孔が形成される。これにならって、low-k材料としての応用においても、LSI上で直接製膜後、450℃以上で焼成を行い、表面処理を行うことが検討されている。表面処理とはlow-kを実現するためには、振動数の大きい、内部の表面水酸基(Si-O-H)を低振動の官能基に置換する操作で、気相法および液相法が検討されている。
【0004】
しかしながら、このようなプロセスを用いると、焼成時や改質時の熱処理でlow-k膜自身の構造が変化(即ち、破壊や収縮)してしまったり、改質に用いる試薬や焼成や表面処理により生成する化学種がlow-k膜を含めたLSIにダメージを与えたり、焼成によりLSIに熱的なダメージが与えられる等の問題が不可避である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、LSI本体に熱的及び化学的ダメージを与えずに、low-k膜を形成するための新規な層間絶縁膜の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリカ源と界面活性剤を用いてメソポーラスシリカの超微粒子を合成後、抽出により界面活性剤を除去し、分散状態での表面処理後に媒質に分散させることによって製造した塗布液を用いてシリカ系被膜を製造した結果、優れた皮膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)シリカ源と界面活性剤を用いてメソポーラスシリカの超微粒子を合成後、トリアルキルクロロシランを含む含塩素表面処理剤を用いて抽出により界面活性剤を除去し、メソポーラスシリカの超微粒子の表面処理後に媒質に分散させることを特徴とする、シリカ系被膜用塗布液の製造方法。
(2)シリカ源が、シリコンアルコキサイド類、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ又は水ガラスである、(1)に記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
(3)界面活性剤が、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤又はトリブロックコポリマーである、(1)又は(2)に記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
【0008】
(4) 合成されたメソポーラスシリカの超微粒子を溶媒に分散させた後に分散媒中に抽出剤を添加して抽出を行うことにより界面活性剤を除去する、(1)から(3)の何れかに記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
(5) 界面活性剤を除去したメソポーラスシリカの超微粒子を有機溶媒中で末端修飾剤で処理することにより表面処理を行う、(1)から(4)の何れかに記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
【0009】
(6) (1)に記載の製造方法により得られる塗布液を基板に塗布して製膜し、乾燥することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法。
(7) 乾燥を100〜300℃で行うことを特徴とする、(6)に記載のシリカ系被膜の製造方法。
【0010】
(8) (6)又は(7)に記載の方法で得られるシリカ系被膜。
(9) (6)又は(7)に記載のシリカ系被膜の製造方法により層間絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造法。
(10) (6)又は(7)に記載の方法で得られるシリカ系被膜を層間絶縁膜として含む、半導体装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施方法及び実施態様について詳細に説明する。
(1)メソポーラスシリカの超微粒子を合成
本発明では、シリカ源と界面活性剤を用いてメソポーラスシリカの超微粒子を合成を行う。
本明細書で言うメソポーラスシリカとは、一般的には、多孔質組織が平均細孔径が2〜50nmのメソポアサイズの多孔質シリカを意味する。
【0012】
メソポーラスシリカの製造方法は公知であり、例えば、Yanagisawaらの報文、Bull.Chem.Soc.Jpn., 63, 988 - 992 (1990)には、カネマイトと呼ばれる単層ポリシリケートとアルキルトリメチルアンモニウムとを反応させて、有機的インターカレーションにより三次元状のシリカネットワークが形成された複合体を形成し、これを焼成することにより高比表面積のシリカを製造することが報告されている。また、J.Am. Chem. Soc.1992, 114,10834-10843 にも、非晶質シリカやケイ酸アルカリ等のシリカ系原料を使用して、同様のメソポーラスシリカを製造することが報告されている。その他にも、多くの報告があり、例えば、特開平8−34607号公報には、ケイ酸ソーダ水溶液をカチオン交換樹脂と接触させて活性シリカを調製する第1工程、次いで活性シリカとカチオン系界面活性剤をアルカリ性領域で混合反応させてシリカとカチオン系界面活性剤との複合体を生成させる第2工程、前記複合体を焼成処理する第3工程を順次施すことを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法が、また、特開平10−17319号公報には、シリカ源と有機物とを酸性条件下において混合してゲル化した後、これに続く晶析反応により有機物を含有するケイ酸高分子を合成し、この高分子に残留する有機物を除去してメソポーラスシリカを得ることを特徴とするメソポーラスシリカの調製方法が記載されている。更に、特開平10−36109号公報には、無機のSi化合物からなるシリカ源の水溶液と有機物の水溶液を温度20〜100℃の条件下に混合し、pH0〜12、温度20〜100℃の条件下でかき混ぜて晶析反応を行わせた後、固形物を濾過水洗、乾燥し、得られた有機物を含有するケイ酸高分子から有機物を除去することを特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方法が記載されている。
【0013】
本発明では上記したような製造方法に準じてシリカ源と界面活性剤を用いてメソポーラスシリカの超微粒子を合成する。
本発明で用いる原料として用いるシリカ源としては、シリコンアルコキサイド(TEOS, TMOS, TPOSなど)、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、水ガラスなどが好ましい。
【0014】
本発明で用いる界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、トリブロックコポリマーの何れでもよいが、好ましくはカチオン系界面活性剤である。
カチオン系界面活性剤としては、特に制限されないが、第4級アンモニウム塩又はアルキルアミン塩等が挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、一般式(1):〔R1 n (CH3 )4-n N〕+ 〔X〕- (式中、R1 は直鎖状アルキル基を示し、nは1〜3の整数、Xはハロゲン原子または水酸基を示す。)で表わされる第4級アンモニウム塩が挙げられ、特に、置換数nが1である一般式〔R1 (CH3 )3 N〕+ 〔X〕- で表される第4級アルキルトリメチルアンモニウムのハライドまたは水酸化物がシリカの均一なメソポーラスを形成するため好ましい。前記一般式(1)中、直鎖状アルキル基R1 の炭素数としては8〜24が好ましく、特に8〜17が好ましい。炭素数が25以上では不溶性で扱い難い。また、Xのハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が好ましい。また、第4級アルキルトリメチルアンモニウム塩の具体的な化合物としては、例えばオクチルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、水酸化デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、水酸化オクタデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、これらアンモニウム塩の1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
また、アルキルアミン塩としては、一般式(2);
〔R2 NH3 〕+ 〔X〕-
(式中、R2 は直鎖状アルキル基を示し、Xはハロゲン原子または水酸基を示す。)で表されるアルキルアミン塩が挙げられる。一般式(2)中、直鎖状アルキル基R1 の炭素数としては8〜24が好ましく、特に8〜17が好ましい。炭素数が25以上では不溶性で扱い難い。また、Xのハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
【0016】
特に好ましいメソポーラスシリカの超微粒子としては、MCM−41(Microporous and Mesoporous Materials 27 (1999) 207-216)、及びMCM−48(Microporous and Mesoporous Materials 27 (1999) 201-206)が挙げられる。これらの文献に記載の内容は引用により本明細書に取り込む。
MCM−41の合成は、n-hexadecyltrimethylammonium bromide (C16TMABr)を蒸留水に溶解後、アンモニア水とエタノールを加え、一定時間攪拌後、TEOSを加える。混合物はゲル化するが、更に攪拌を継続すると2時間ほどで沈殿が得られるので、これを濾過により回収し、水洗する。
【0017】
また、MCM−48の合成は、n-hexadecyltrimethylammonium bromide (C16TMABr)を蒸留水とエタノールの混合液に溶解後、アンモニア水を加え、一定時間攪拌後、TEOSを加える。混合物はゲル化するが、更に攪拌を継続すると2時間ほどで沈殿が得られるので、これを濾過により回収し、水洗する。
なお、上記操作では攪拌により、最終生成物を得ているが、超音波を照射することにより、よりサイズの小さい粒子が得られるものと考えられる。
【0018】
なお、MCM−41及びMCM−48のようなメソポーラスシリカの合成の際の溶媒は通常、水、アルコール(エタノール、イソプロパノール等)またはこれらの混合物である。また、添加物としてアンモニアを加える理由はTEOSの加水分解の触媒のためである。
【0019】
(2)抽出処理並びに表面処理
上記した方法で合成されたメソポーラスシリカの超微粒子は、濾過あるいは遠心分離で回収後、水などの溶媒に再分散させる。その後、分散媒中に抽出剤(例えば、酢酸、塩酸、塩酸−エタノールなど)を添加し、界面活性剤を抽出により取り除く。抽出操作は室温で行うことができるが、加熱を施して行ってもよい。
また以下に述べる表面処理のための試薬として含塩素表面処理剤(例えば trialkylchlorosilane)を用いる場合には、抽出処理と表面処理を同時に行うことができる。
【0020】
抽出した試料は、末端修飾剤を用いて表面処理を行う。即ち、上記で合成したメソポーラスシリカ化合物の末端を、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基(アルキル基としては炭素数1〜3のものが好ましい)、または炭素数1〜6のアルキル基で修飾することにより誘電率を低下させ、分散性を高めて保存安定性に優れた、すなわち分子量及び粘度の経時変化の少ない化合物とすることができる。
【0021】
末端修飾剤としては、トリアルキルシリル基を有する化合物及び1級又は2級アルキルアミンが用いられる。トリアルキルシリル基を有する化合物としては、N,N′−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルアミド、ビストリメチルシリルウレア、へキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルシリルジメチルアミンなどがある。1級又は2級アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、へキシルアミン、ジヘキシルアミン等がある。この末端修飾剤の使用量は、ポリシラザン化合物量に対し、0.1〜50重量%とすることが好ましい。
【0022】
上記した表面処理の反応条件は特に制限されず、反応温度、反応時間などは適宜設定することができ、例えば、室温又は還流下で行うことができる。
また、上記の表面処理は溶媒中または無溶媒中で行う。溶媒中で行う場合、溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、へキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭素類が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。溶媒の使用量は、上記の反応で得られるメソポーラスシリカの量が5〜80重量%となる量とされることが好ましい。
処理後は、遠心分離またはろ過により表面処理されたメソポーラスシリカを回収し、洗浄する。
【0023】
(3)塗布液の調製
上記で得られた表面処理したメソポーラスシリカを、揮発性を有する溶媒あるいは水との混合液に分散させることによりシリカ系被膜用塗布液を調製することができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、へキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭素類が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、また、2種以上を組み合わせて用いても良い
塗布液の調製の際に、SOGに用いるゾルーゲル法により調製したシリカゾルや界面活性剤を加えることができる。
【0024】
(4)製膜並びに乾燥
上記の塗布液を所望の固体表面に塗布して製膜、乾燥することによって、シリカ系被膜を形成することができる。
固体表面に形成するシリカ系被膜の厚さは、その固体表面の用途によっても異なるが、通常、0.01〜5μm、好ましくは0.01〜1μmである。特に、半導体の層間絶縁膜として用いる場合には、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.1μmである。
【0025】
固体表面の種類は特に限定されず、目的の用途に応じて適宜選択でき、例えば、シリコンウエハなどの基板、ガラス、セラミック、金属などを用いることもできる。
固体表面に対する塗布液の塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、転写法等が挙げられる。
塗布液を固体表面上に塗布した後、加熱することにより乾燥する。このような乾燥によりクラックが生じず、機械的な強度が保てるように、昇温および降温速度を制御することが好ましい。
被膜の加熱焼成は、各種雰囲気中で実施することができ、例えば、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥ヘリウム等の水蒸気を殆ど含まない雰囲気や、大気、加湿大気等の水蒸気を含む雰囲気の下で実施することができる。加熱焼成温度は一般的には100〜300℃であり、焼成時間は例えば、5分〜10時間である。
【0026】
(5)本発明のシリカ系被膜の半導体装置への応用
本発明のシリカ系被膜は半導体装置(LSI(集積回路)などを含む)の層間絶縁膜として用いることが好ましい。半導体装置の層間絶縁膜は、半導体装置上の配線間に本発明のシリカ系被膜を形成することによって調製することができる。
【0027】
回路素子を有するシリコンウエハー、ガラス板、金属板などの半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜で被覆され、露出した回路素子上に導体層が形成されている。該半導体基板上に、本発明のシリカ系被膜塗布液を上述したような適当な方法で塗布し、乾燥及び焼成することによりメソポーラスシリカからなる層間絶縁膜を形成することができる。
【0028】
次に、塩化ゴム系またはフェノールノボラック系等の感光性樹脂層を前記層間絶縁膜上に適当な塗布法によって形成し、所定部分の層間絶縁膜が露出するように窓が設けられる。
上記窓の層間絶縁膜は、四フッ化炭素等のフッ素系ガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓が開けられる。次いでこの窓から露出した導体層を腐食することなく感光樹脂層のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層が完全に除去される。
【0029】
さらに、金属膜形成法及び写真食刻技術を用いて第2導体層を形成し、第1導体層との電気的接続を行う。3層以上の多層配線構造体を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成する。このようにして作製される多層配線構造体の表面には、通常、ポリイミド樹脂等の有機材料または窒化ケイ素等の無機材料からなる表面保護層には場合により所定部分に上記窓と同様の窓を開けても良い。半導体装置全体は、通常、エポキシ樹脂等を含む封止材により封止される。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【0030】
【実施例】
実施例1:メソポーラスシリカの合成
(1)MCM−41の合成
2.5gのn-hexadecyltrimethylammonium bromide (C16TMABr)を50gの蒸留水に溶解後、13.2gのアンモニア水(32重量%)と60.0gのエタノールを加える。15分間攪拌後、4.7gのTEOSを加える。ゲル化するが、更に攪拌を継続すると2時間ほどで沈殿が得られるので、これを濾過により回収し、水洗する。
(2)MCM−48
2.4gのn-hexadecyltrimethylammonium bromide (C16TMABr)を50gの蒸留水と50mlのエタノールの混合液に溶解後、12mlのアンモニア水(32重量%)を加える。10分間攪拌後、3.4gのTEOSを加える。ゲル化するが、更に攪拌を継続すると2時間ほどで沈殿が得られるので、これを濾過により回収し、水洗する。
【0031】
実施例2:抽出処理及び表面処理
実施例1で得られたメソポーラスシリカ0.2gをtrimethylchlorosilane 10mlに分散させ、36時間還流した。更にピリジン5mlを加えて、18時間還流した後、ろ過により回収した。回収物はエタノール、エタノール/n-ヘプタン(50:50)混合物、n-ヘプタンで洗浄した。
【0032】
実施例3:塗布液の調製
実施例2で得られた表面処理したメソポーラスシリカ0.3gを10mlの1-プロパノール、2-ブタノールを溶媒として分散させた。この際に超音波照射により、分散度を高めた。また必要に応じて、通常のゾルーゲル法により調製したシリカゾルSOG液や界面活性剤を添加した。
【0033】
実施例4:製膜及び乾燥
2000〜3000rpmでスピンコーティングを行った。生成物を180℃で乾燥することで最終生成物を得た。この温度では表面処理により導入された官能基は分解しない。乾燥によりクラックが生じず、機械的な強度が保てるように、昇温および降温速度を制御した。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、LSI本体に熱的及び化学的ダメージを与えずに、low-k膜を形成するための新規な層間絶縁膜の製造方法を提供することが可能になった。
本発明のシリカ系被膜は低導電率を有するため、半導体における層間絶縁膜として好適のものである。本発明のシリカ質膜は、好ましくは半導体の層間絶縁膜として使用できる他、液晶ガラスのアンダーコート膜(絶縁平坦化膜)、フィルム液晶のガスバリア膜等の電気・電子分野における絶縁膜としても利用可能である。
Claims (6)
- シリカ源と界面活性剤を用いてメソポーラスシリカの超微粒子を合成後、トリアルキルクロロシランを含む含塩素表面処理剤を用いて抽出により界面活性剤を除去し、メソポーラスシリカの超微粒子の表面処理後に媒質に分散させることを特徴とする、シリカ系被膜用塗布液の製造方法。
- シリカ源が、シリコンアルコキサイド類、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ又は水ガラスである、請求項1に記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
- 界面活性剤が、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、又はトリブロックコポリマーである、請求項1又は2に記載のシリカ系被膜用塗布液の製造方法。
- 請求項1から3の何れか一項に記載の製造方法により得られる塗布液を基板に塗布して製膜し、乾燥することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法。
- 乾燥を100〜300℃で行うことを特徴とする、請求項4に記載のシリカ系被膜の製造方法。
- 請求項4又は5に記載のシリカ系被膜の製造方法により層間絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造法。
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