JP4845469B2 - 薄膜ガスセンサ - Google Patents
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Description
この従来技術の薄膜ガスセンサ10は、シリコン基板(以下Si基板)11、熱絶縁支持層12、ヒーター層13、電気絶縁層14、ガス感知層15を備える。熱絶縁支持層12は、詳しくは、SiO2層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO2層12cの三層構造となっている。また、ガス感知層15は、詳しくは、感知電極層15a、感知層15b、ガス選択燃焼層15cを備える。この感知層15bは二酸化スズ層(以下、SnO2感知層)であり、ガス選択燃焼層15cはパラジウム(Pd)、白金(Pt)の少なくとも一つを触媒として担持したアルミナ焼結材(以下、触媒担持Al2O3焼結材)である。
またoff時間にセンサ表面に付着する水分その他の吸着物を脱離させSnO2感知層の表面をクリーニングすることが、電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサの経時安定性を向上する上で重要であり、検出前に一旦センサ温度を〜450℃に加熱(時間から100msec)し、その直後に、それぞれのガスの検出温度でガス検知を行っている。
薄膜ガスセンサはこのようなものである。
さらにまた、感知層15b(SnO2感知層)の下地である電気絶縁層14(SiO2絶縁層)からの剥離部の一部は必ずマイクロクラックで終端していることも判明している。
また純Ptは比較的柔らかい金属でありSnO2−Pt間の線膨張係数の差異をある程度吸収できるなどを考慮した場合、Pt⇔450℃の熱衝撃で、感知電極層15a(Pt/Ta層)上の感知層15b(SnO2感知層)は、純Ptが変形することで線膨張係数の差異を吸収しているためマイクロクラックが発生しないと推定される。
これらの点を考慮して、マイクロクラックが電気絶縁層14(SiO2絶縁層)上の感知層15b(SnO2感知層)に発生するメカニズムを以下のように推定した。
(2)両者の熱膨張率の差異による応力に伴い、SnO2感知層/SiO2絶縁層界面の最も弱い部分の結合が切れる。
(3)その部分を起点としてSnO2感知層/SiO2絶縁層界面の剥離が伝播し、剥離部分が拡大する。
(4)剥離部分の拡大により膜の上下方向のせん断力でマイクロクラックに発展する。
このように従来技術ではマイクロクラック対策が十分ではない状態であった。
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられ、立方晶である安定化ジルコニア中に正方晶である部分安定化ジルコニアが混在する部分安定化ジルコニア薄膜中間層であって結晶構造として一部に正方晶が含まれる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を、安定化層中の一部の正方晶である部分安定化ジルコニアが斜方晶に移転することにより吸収することを特徴とする。
このうちガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)および/またはPt(白金)を触媒として担持したAl2O3焼結材による層であることが好ましい。また、感知層は、二酸化スズ層であることが好ましい。
請求項1に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層は、厚みが50nm〜500nmであることを特徴とする。
請求項1または請求項2に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層には、安定化剤としてY 2 O 3 、MgO、CaOの少なくとも一つが添加されていることを特徴とする。
請求項3に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層は、ジルコニアに対して安定化剤の濃度を1mol%から5mol%まで添加して形成した層であることを特徴とする。
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられ、セラミックス中に正方晶である正方晶ジルコニアが混在するジルコニア高靭化セラミックス(Zirconia Toughened Ceramics)薄膜中間層であって結晶構造として一部に正方晶が含まれる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を、安定化層中の一部の正方晶である正方晶ジルコニアが単斜晶に移転することにより吸収することを特徴とする。
このうちガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)および/またはPt(白金)を触媒として担持したAl 2 O 3 焼結材による層であることが好ましい。また、感知層は、二酸化スズ層であることが好ましい。
請求項5に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化セラミックス薄膜中間層は、アルミナマトリックス中へ正方晶ジルコニアを分散したジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層であることを特徴とする。
請求項6に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層における正方晶ジルコニアは、正方ジルコニア多結晶体(Tetoragonal Zirconia Polycrystals)であることを特徴とする。
請求項6または請求項7に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層は、厚みが10nm〜1000nmであることを特徴とする。
請求項6〜請求項8の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層は、アルミナに対する正方晶ジルコニアの濃度を0.1mol%から5mol%として形成した層であることを特徴とする。
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる安定化層と、
安定化層を挟んで設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
感知電極層と同じ材質の物質を含むとともに一対の感知電極層間で絶縁が確保された安定化層を、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との間に密着結合させることにより、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を回避することを特徴とする。
このうちガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)および/またはPt(白金)を触媒として担持したAl 2 O 3 焼結材による層であることが好ましい。また、感知層は、二酸化スズ層であることが好ましい。
請求項10に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知電極層は、Ptにより形成され、
前記安定化層は、島状PtからなるPt薄膜中間層であることを特徴とする。
請求項11に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記Pt薄膜中間層である島状のPtは粒径5nm以下のPtを用いて形成された層であることを特徴とする。
請求項10に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知電極層は、Ptにより形成され、
前記安定化層は、Ptを添加したSnO 2 からなるPt薄膜中間層であることを特徴とする。
請求項13に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記Pt薄膜中間層は、膜厚10nm以下であることを特徴とする。
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
電気絶縁層と同じ材料および感知層と同じ材料を含む安定化層を、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との間に密着結合させることにより、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を回避することを特徴とする薄膜ガスセンサ。
このうちガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)および/またはPt(白金)を触媒として担持したAl 2 O 3 焼結材による層であることが好ましい。また、感知層は、二酸化スズ層であることが好ましい。
請求項15に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知層はSnOを含み、
前記電気絶縁層はSiO 2 を含み、
前記安定化層は、SnO−SiO 2 ガラス薄膜層中間層であることを特徴とする。
請求項16に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記SnO−SiO 2 ガラス薄膜中間層は、厚みが10nm〜1000nmであることを特徴とする。
請求項16または請求項17に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記SnO−SiO 2 ガラス薄膜中間層は、SiO 2 に対してSnOの濃度が20〜80wt%として形成した層であることを特徴とする。
ガス感知層15は、一対の感知電極層15a,15aの一部、SnO2感知層である感知層15bの表面全体を、ガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。
Si基板11は、シリコン(Si)により、貫通孔を有するように形成される。
熱絶縁支持層12は、この貫通孔の開口部に張られてダイアフラム様に形成されており、Si基板11の上に設けられる。
SiO2層12aは熱絶縁層として形成され、ヒーター層13で発生する熱をSi基板11側へ熱伝導しないようにして熱容量を小さくする機能を有する。また、このSiO2層12aはプラズマエッチングに対して高い抵抗力を示し、後述するがプラズマエッチングによるSi基板11への貫通孔の形成を容易にする。
CVD−SiN層12bは、SiO2層12aの上側に形成される。
CVD−SiO2層12cは、ヒーター層13との密着性を向上させるとともに電気的絶縁を確保する。CVD(化学気相成長法)によるSiO2層は内部応力が小さい。
電気絶縁層14は、電気的に絶縁を確保するSiO2絶縁層からなり、熱絶縁支持層12およびヒーター層13を覆うように設けられる。ヒーター層13と感知電極層15aとの間に電気的な絶縁を確保する。
なお、図1では感知電極層15aの下側にも安定化層16を設けているが、感知電極層15aの下側は安定化層16がなく直接に電気絶縁層14(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
このような薄膜ガスセンサ1はダイアフラム構造により高断熱,低熱容量の構造としている。薄膜ガスセンサ1の構成はこのようなものである。
まず、板状のシリコンウェハー(図示せず)に対して熱酸化法により表裏両面に熱酸化を施して厚さ0.3μmの熱酸化膜を形成する。一方の面はSiO2層12aとなる。
そして、SiO2層12aを形成した面にCVD−SiN膜をプラズマCVD法にて堆積して厚さ0.15μmのCVD−SiN層12bを形成する。そして、このCVD−SiN層12bの上面にCVD−SiO2膜をプラズマCVD法にて堆積して厚さ1μmのCVD−SiO2層12cを形成する。これらSiO2層12a、CVD−SiN層12b、CVD−SiO2層12cは、ダイアフラム構造の支持層となる。
ヒーター層13の形成についてであるが、まず、CVD−SiO2層12cの上に接合層としてTaを0.05μm形成する。次に、ヒーター層13となるPtW(Pt+4Wt%W)膜を0.5μm形成する。さらに、上側の面にも接合層としてTaを0.05μm形成する。このような、Ta/PtW/Ta層に対して微細加工によりヒータパターンを形成することとなる。ヒータパターンの形成では、ウェットエッチングのエッチャントとしてTaには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液を、また、Ptには王水を、それぞれ90℃に加熱して用いた。
まず、電気絶縁層14上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層15bや感知電極層15a,15a(あるいは感知層15bのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次に部分安定化ジルコニア薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットには安定化剤としてMgOを3mol%添加されたZrO2を用いた。なおMgOに変えてY2O3、あるいはCaOを安定化剤として用いてもよい。部分安定化ジルコニア薄膜の成膜条件はパワー200W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は300nmである。スパッタされた部分の安定化ジルコニア薄膜中のMgO濃度は2.4mol%であった。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストとともに不要な部分安定化ジルコニア薄膜が剥離し、電気絶縁層14に直接成膜されていた箇所の部分安定化ジルコニア薄膜のみ残り、これが部分安定化ジルコニア薄膜中間層となる。
安定化剤の濃度は<1mol%ではマトリックスの立方晶濃度が低すぎるため、また、>5mol%では立方晶濃度が高すぎるため、いずれも十分な効果が得られない。また膜厚が<50nmでは応力緩和が薄すぎるため2000万回の昇降温回数に耐えきれない薄膜ガスセンサが発生し、また、>500nmでは安定化ジルコニア薄膜の熱伝導による放熱が無視できなくなり電池駆動するには適さなくなる。結論としてジルコニアへの混合比率は1〜5mol%、また、膜厚は50nm〜500nmがよい。
さらに微細加工により検出線パターンを形成する。ウエットエッチングのエッチャントとしてPtには王水をTaには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液、それぞれ90℃に加熱して用いた。
SnO2感知層は安定化ジルコニア薄膜と同様にレジストリフトオフ法により形成する。具体的には以下のような工程で形成する。
次に微細加工で一対の感知電極層15a,15a上およびその一対の感知電極層15a,15a間の感知層15bを形成する部分のレジストを除去/開口する。
次にスパッタ成膜で感知層15b(SnO2感知層)をスパッタ成膜により形成する。SnO2感知層の成膜条件は100W、1Pa、Ar+O2中、成膜温度100℃である。成膜後レジストのリフトオフを行う。リフトオフ後は図2で示すような状態である。
薄膜ガスセンサ1の製造方法はこのようになる。
一方、素子B(従来技術)の感知層電極の素子においては、センサの抵抗値の変化が大きい素子(素子B4,素子B5など)が発生した。2000万回のon−offを繰り返した後でも、部分安定化ジルコニア薄膜中間層を設けた素子Aではセンサ抵抗変化がほとんどなく高い信頼性を有することがわかる。
ガス感知層15は、一対の感知電極層15a,15aの一部、感知層15bの表面全体を、ガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。
以下、ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層について重点的に説明するとともに、これ以外は図1〜図3で説明した薄膜ガスセンサ1の構成と同じであるため、他の構成は同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
なお、図4では感知電極層15aの下側にも安定化層17を設けているが、感知電極層15aの下側は安定化層17がなく直接に電気絶縁層14(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
薄膜ガスセンサ1では下地となる電気絶縁層14(SiO2絶縁層)との線膨張係数の差異が大きい安定化層17(ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層)を介して感知層15b(SnO2感知層)が積層された構造となる。
まず、電気絶縁層14上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層15bや感知電極層15a,15a(あるいは感知層15bのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次にジルコニア高靭化アルミナ薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットにはZrO2微粒子を3mol%含むAl2O3(ジルコニア高靭化アルミナ)を用いた。ジルコニア高靭化アルミナ薄膜の成膜条件はパワー300W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は500nmである。スパッタ成膜したジルコニア高靭化アルミナ中のZrO2濃度は2.8mol%であり、微粒子としてアルミナマトリックス中へ分散していることがSEM−EDXで確認できている。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストとともに不要なジルコニア高靭化アルミナ薄膜が剥離し、電気絶縁層14に直接成膜されていた箇所のジルコニア高靭化アルミナ薄膜が、ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層となる。
そして、安定化層17上に一対の感知電極層15a,15a、感知層15bが形成されて図5で示すような状態となる(あるいは安定化層17上に感知層15bのみ形成される)。
ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中の正方晶ZrO2濃度は<0.1mol%では高靭化効果が低すぎるため、また、>10mol%ではアルミナマトリックスの強度が低下するため十分な効果が得られない。また膜厚が<10nmでは応力緩和層が薄すぎるため2000万回の昇降温回数に耐えられない素子が発生し、また、>1000nmではジルコニア高靭化アルミナ薄膜の熱伝導による放熱が無視できなくなり、電池駆動するには適さなくなる。結論として0.1〜5mol%、また、膜厚は10nm〜1000nmがよい。
以下、ガス感知層15は先に説明した方法と同じ方法で形成されることとなる。
繰り返し応力が発生すると更に正方晶の一部が単斜晶に転移し応力緩和がなされる。発生したマイクロクラックのジルコニア薄膜全体への伝播は単斜晶/正方晶界面のマイクロクラックでブロックされる。
ガス感知層15は、一対の感知電極層15a,15aの一部、感知層15bの表面全体を、ガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。
第一形態として、島状のPtによる安定化層18について説明する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング方法によって行う。成膜条件はAr+O2ガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー0.2W/cm2、膜厚は2nmである。Ptを島状に形成するために、RFパワーを抑え、低い成膜レートでスパッタリングする。膜厚(=粒径)が5nm未満では、Pt層はそれぞれが独立した島状組織であるが、膜厚が5nm以上になると、それぞれの島がつながった連続膜となり、感知電極層15aに導通が生じてしまいセンサ感度がなくなる。したがって、島状のPtの膜厚(=粒径)は0.1nmを超えて5nm未満である必要がある。
このように電気絶縁層14(SiO2絶縁層)と感知層15b(SnO2感知層)との間に、島状のPtあるいはptを添加したSnO2層による安定化層18を設けることで、SiO2絶縁層上でのSnO2感知層の剥離を防止し、2000万回程度のヒートサイクルでも抵抗値変化のない、安定な薄膜ガスセンサを得ることができる。
ガス感知層15は、一対の感知電極層15a,15aの一部、感知層15bの表面全体を、ガス選択燃焼層15cが覆う構造としている。
SiO2へのSnO2の密着性は、両者が酸化物同士であるため比較的よいと推定できるが、マイクロスクラッチ試験などで調べるとSiO2−SnO2の接合強度は比較的低く、しかも面内で接合強度に大きなばらつきがあることが判明した。そこで比較のため、SiO2上へSiO2を成膜し同様の試験を行いSiO2(基板)−SiO2(成膜)の密着性を評価すると、接合強度はSiO2−SnO2よりはるかに高くなる。SiO2(基板)−SiO2(成膜)界面ではSi−O−Siの結合であり、SiO2−SnO2界面ではSi−O−Snの結合で結合している。両者の差異は、SiO2(基板)−SiO2(成膜)では同種の元素(Si)間の酸素原子を介しての接合であり、SiO2−SnO2では異種の元素(SiとSn)間の酸素原子を介しての接合である。原因は明確ではないが、異種の異種カチオンの影響が大きいと推定される。
なお、図9では感知電極層15aの下側にも安定化層19を設けているが、感知電極層15aの下側は安定化層19がなくて直接電気絶縁層14(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
電気絶縁層14上にSnO−SiO2ガラス薄膜中間層をスパッタして安定化層19を形成する。具体的には電気絶縁層14(SiO2絶縁層)と感知層15b(SnO2感知層)の間に厚みが10nm〜1000nmのSnO−SiO2ガラス薄膜中間層を設けることで達成される。
薄膜ガスセンサ1では下地となる電気絶縁層14(SiO2絶縁層)との線膨張係数の差異が大きいSnO−SiO2ガラス薄膜中間層を介して感知層15b(SnO2感知層)が積層された構造となる。
まず、電気絶縁層14上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層15bや感知電極層15a,15a(あるいは感知層15bのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次にSnO−SiO2ガラス薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットにはSnOを50wt%含むSnO−SiO2ガラスターゲットを用いた。SnO−SiO2ガラス薄膜の成膜条件はパワー300W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は500nmである。スパッタ成膜したSnO−SiO2ガラス薄膜中のSnO濃度は55wt%であった。
次にチャンバーからウェハーを取り出し、レジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストとともに不要なSnO−SiO2ガラス薄膜中間層が剥離し、電気絶縁層14に直接成膜されていた箇所のSnO−SiO2ガラス薄膜のみ残り、これがSnO−SiO2ガラス薄膜中間層となる。
そして、安定化層19上に一対の感知電極層15a,15a、感知層15bが形成されて図10で示すような状態となる(あるいは安定化層19上に感知層15bのみ形成される)。
本形態の薄膜ガスセンサは、シリコン基板(以下Si基板)21、熱絶縁支持層22、ヒーター層23、電気絶縁層24、ガス感知層25、安定化層26を備える。熱絶縁支持層22は、詳しくは、熱酸化SiO2層22a、CVD−Si3N4層22b、CVD−SiO2層22cの三層構造となっている。また、ガス感知層25は、詳しくは、接合層25a、感知電極層25b、感知層25c、ガス選択燃焼層25dを備える。この感知層25cはアンチモンが添加された二酸化スズ層(以下、Sb−doped SnO2層)であり、ガス選択燃焼層25dはパラジウム(Pd)または白金(Pt)の少なくとも一つを触媒として担持したアルミナ焼結材(以下、触媒担持Al2O3焼結材)である。
Si基板21はシリコン(Si)により形成され、貫通孔を有するように形成される。
熱絶縁支持層22はこの貫通孔の開口部に張られてダイアフラム様に形成されており、Si基板21の上に設けられる。
熱酸化SiO2層22aは熱絶縁層として形成され、ヒーター層23で発生する熱をSi基板21側へ熱伝導しないようにして熱容量を小さくする機能を有する。また、この熱酸化SiO2層22aはプラズマエッチングに対して高い抵抗力を示し、後述するがプラズマエッチングによるSi基板21への貫通孔の形成を容易にする。
CVD−Si3N4層22bは、熱酸化SiO2層22aの上側に形成される。
CVD−SiO2層22cは、ヒーター層23との密着性を向上させるとともに電気的絶縁を確保する。CVD(化学気相成長法)によるSiO2層は内部応力が小さい。
電気絶縁層24は、電気的に絶縁を確保するスパッタSiO2層からなり、熱絶縁支持層22およびヒーター層23を覆うように設けられる。ヒーター層23と感知電極層25bとの間に電気的な絶縁を確保し、また、電気絶縁層24は感知層25cとの密着性を向上させる。
なお、図11では接合層25a,感知電極層25bの下側にも安定化層26を設けているが、接合層25a,感知電極層25bの下側は安定化層26がなく直接電気絶縁層24(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
感知電極層25bは、例えば、Pt膜(白金膜)またはAu膜(金膜)からなり、感知層25cの感知電極となるように左右一対に設けられる。本形態ではPt膜(白金膜)であるものとして説明する。
ガス感知層25cは、Sb−doped SnO2層からなり、一対の感知電極層25b,25bを渡されるように電気絶縁層24の上に形成される。
そして、ガス選択燃焼層25dは、電気絶縁層24、接合層25a、一対の感知電極層25b,25b、感知層25cおよび安定化層26の表面を覆うように設けられる。
そして駆動・処理部(図示せず)は、ヒーター層23と電気的に通電可能に接続され、また、ガス感知電極層25bを介して感知層25cと電気的に通信可能に接続される。
このような薄膜ガスセンサはダイアフラム構造により高断熱、低熱容量の構造としている。薄膜ガスセンサ2の構成はこのようなものである。
まず、板状のシリコンウェハー(図示せず)に対して熱酸化法によりその片面(または表裏両面)に熱酸化を施して熱酸化SiO2膜たる熱酸化SiO2層22aを形成する。
そして、熱酸化SiO2層22aを形成した面にCVD−Si3N4膜をプラズマCVD法にて堆積してCVD−Si3N4層22bを形成する。そして、このCVD−Si3N4層22bの上面にCVD−SiO2膜をプラズマCVD法にて堆積してCVD−SiO2層22cを形成する。
まず、電気絶縁層24上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO2感知層である感知層25cや接合層25a,25a、感知電極層25b,25b(あるいは感知層25cのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次に部分安定化ジルコニア薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットには安定化剤としてMgOを3mol%添加されたZrO2を用いた。なおMgOに変えてY2O3、あるいはCaOを安定化剤として用いてもよい。部分安定化ジルコニア薄膜の成膜条件はパワー200W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は300nmである。スパッタされた部分の安定化ジルコニア薄膜中のMgO濃度は2.4mol%であった。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストが剥離し、電気絶縁層24に直接成膜されていた箇所の部分安定化ジルコニア薄膜のみ残り、これが部分安定化ジルコニア薄膜中間層となる。
安定化剤の濃度は<1mol%ではマトリックスの立方晶濃度が低すぎるため、また、>5mol%では立方晶濃度が高すぎるため十分な効果が得られない。さらに膜厚が<50nmでは応力緩和が薄すぎるため2000万回の昇降温回数に耐えきれない素子が発生し、また、>500nmでは安定化ジルコニア薄膜の熱伝導による放熱が無視できなくなり、電池駆動するには適さなくなる。結論としてジルコニアへの混合比率は1〜5mol%、また、膜厚は50nm〜500nmがよい。
成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、反応性スパッタリング法によって行う。ターゲットにはSbを0.5wt%含有するSnO2を用いる。成膜条件はAr+O2ガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー2W/cm2である。感知層25cの大きさは、50ないし200μm角程度、厚さは0.2ないし1.6μm程度が望ましい。
薄膜ガスセンサ2の製造方法はこのようになる。
本形態の薄膜ガスセンサは、図12で示すように、シリコン基板(以下Si基板)21、熱絶縁支持層22、ヒーター層23、電気絶縁層24、ガス感知層25、安定化層27を備える。熱絶縁支持層22は、詳しくは、熱酸化SiO2層22a、CVD−Si3N4層22b、CVD−SiO2層22cの三層構造となっている。また、ガス感知層25は、詳しくは、接合層25a、感知電極層25b、感知層25c、ガス選択燃焼層25dを備える。この感知層25cはSb−doped SnO2層であり、ガス選択燃焼層25dは触媒担持Al2O3焼結材である。
以下、ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層について重点的に説明するとともに、これ以外は図11で説明した薄膜ガスセンサ2の構成と同じであるため、他の構成は同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
なお、図12では接合層25a、感知電極層25bの下側にも安定化層27を設けているが、接合層25a,感知電極層25bの下側は安定化層27がなく直接電気絶縁層24(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
薄膜ガスセンサ2では下地となるSiO2絶縁層との線膨張係数の差異が大きいジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層を介してSnO2感知層が積層された構造となる。
まず、電気絶縁層24上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層25cや接合層25a,25a、感知電極層25b,25b(あるいは感知層25cのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次に、ジルコニア高靭化アルミナ薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットにはZrO2微粒子を3mol%含むAl2O3(ジルコニア高靭化アルミナ)を用いた。ジルコニア高靭化アルミナ薄膜の成膜条件はパワー300W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は500nmである。スパッタ成膜したジルコニア高靭化アルミナ中のZrO2濃度は2.8mol%であり、微粒子としてアルミナマトリックス中へ分散していることがSEM−EDXで確認できている。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストが剥離し、電気絶縁層24に直接成膜されていた箇所のジルコニア高靭化アルミナ薄膜が、ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層となる。
ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中の正方晶ZrO2濃度は<0.1mol%では高靭化効果が低すぎるため、また、>10mol%ではアルミナマトリックスの強度が低下するため十分な効果が得られない。さらに膜厚が<10nmでは応力緩和層が薄すぎるため2000万回の昇降温回数に耐えられない素子が発生し、また、>1000nmではジルコニア高靭化アルミナ薄膜の熱伝導による放熱が無視できなくなり、電池駆動するには適さなくなる。結論として0.1〜5mol%、また、膜厚は10nm〜1000nmがよい。
以下、ガス感知層25は先に説明した方法と同じ方法で形成されることとなる。
本形態の薄膜ガスセンサ2は、図13で示すように、シリコン基板(以下Si基板)21、熱絶縁支持層22、ヒーター層23、電気絶縁層24、ガス感知層25、安定化層28を備える。熱絶縁支持層22は、詳しくは、熱酸化SiO2層22a、CVD−Si3N4層22b、CVD−SiO2層22cの三層構造となっている。また、ガス感知層25は、詳しくは、接合層25a、感知電極層25b、感知層25c、ガス選択燃焼層25dを備える。この感知層25cはSb−doped SnO2層であり、ガス選択燃焼層25dは触媒担持Al2O3焼結材である。
第一形態として、島状のPtによる安定化層28について説明する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング方法によって行う。成膜条件はAr+O2ガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー0.2W/cm2、膜厚は2nmである。Ptを島状に形成するために、RFパワーを抑え、低い成膜レートでスパッタリングする。膜厚(=粒径)が5nm未満では、Pt層はそれぞれが独立した島状組織であるが、これ以上になると、それぞれの島がつながった連続膜となり、感知電極層25bに導通が生じてしまいセンサ感度がなくなる。したがって、島状のPtの膜厚(=粒径)は0.1nmを超えて5nm未満である必要がある。
次表に、実施例および比較例の2000万回ヒートサイクル後のセンサ抵抗値変化を示す。
このように電気絶縁層24(SiO2絶縁層)と感知層25c(SnO2感知層)との間に、島状のPtあるいはptを添加したSnO2層よる安定化層28を密着層として設けることで、SiO2絶縁層上でのSnO2感知層の剥離を防止し、2000万回程度のヒートサイクルでも抵抗値変化のない、安定な薄膜ガスセンサを得ることができる。
本形態の薄膜ガスセンサは、図14で示すように、シリコン基板(以下Si基板)21、熱絶縁支持層22、ヒーター層23、電気絶縁層24、ガス感知層25、安定化層29を備える。熱絶縁支持層22は、詳しくは、熱酸化SiO2層22a、CVD−Si3N4層22b、CVD−SiO2層22cの三層構造となっている。また、ガス感知層25は、詳しくは、接合層25a、感知電極層25b、感知層25c、ガス選択燃焼層25dを備える。この感知層25cはSb−doped SnO2層であり、ガス選択燃焼層25dは触媒担持Al2O3焼結材である。
なお、図14では接合層25a、感知電極層25bの下側にも安定化層29を設けているが、接合層25a、感知電極層25bの下側は安定化層29がなく直接電気絶縁層24(SiO2絶縁層)と接するようにしてもかまわない。
電気絶縁層24上にSnO−SiO2ガラス薄膜中間層をスパッタ蒸着して安定化層29を形成する。具体的には電気絶縁層24(SiO2絶縁層)と感知層25c(SnO2感知層)の間に厚みが10nm〜1000nmのSnO−SiO2ガラス薄膜中間層を設けることで達成される。
薄膜ガスセンサ2では下地となる電気絶縁層24(SiO2絶縁層)との線膨張係数の差異が大きいSnO−SiO2ガラス薄膜中間層を介して感知層25c(SnO2感知層)が積層された構造となる。
まず、電気絶縁層24上にレジストを塗布する。
次に、微細加工でSnO感知層である感知層25cや接合層25a,25a、感知電極層25b,25b(あるいは感知層25cのみ)を形成する部分のレジストを除去/開口させる。
次に、SnO−SiO2ガラス薄膜をスパッタ成膜により形成する。ターゲットにはSnOを50wt%含むSnO−SiO2ガラスターゲットを用いた。SnO−SiO2ガラス薄膜の成膜条件はパワー300W、圧力1Pa、Ar+O2中、温度100℃であり膜厚は500nmである。スパッタ成膜したSnO−SiO2ガラス薄膜中のSnO濃度は55wt%であった。
次にチャンバーからウェハーを取り出しレジスト剥離液を用いてレジストのリフトオフを行った。これによりレジストが剥離し、電気絶縁層24に直接成膜されていた箇所のSnO−SiO2ガラス薄膜のみ残り、これがSnO−SiO2ガラス薄膜中間層となる。
そして、安定化層29上に、接合層25a、感知電極層25b、感知層25c(あるいは感知層25cのみ)が形成されて図14で示すような状態となる。
11:Si基板
12:絶縁支持層
12a:SiO2層
12b:CVD−SiN層
12c:CVD−SiO2層
13:ヒーター層(Ta/PtW/Taヒータ)
14:電気絶縁層(SiO2絶縁層)
15:ガス感知層
15a:感知電極層(Pt/Ta層)
15b:感知層(SnO2感知層)
15c:ガス選択燃焼層(触媒担持Al2O3焼結材)
16:安定化層(部分安定化ジルコニア薄膜中間層)
17:安定化層(ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層)
18:安定化層(Pt薄膜中間層)
19:安定化層(SnO−SiO2ガラス薄膜中間層)
2:薄膜ガスセンサ
21:Si基板
22:絶縁支持層
22a:熱酸化SiO2層
22b:CVD−Si3N4層
22c:CVD−SiO2層
23:ヒーター層
24:電気絶縁層
25:ガス感知層
25a:接合層
25b:感知電極層
25c:感知層(Sb−doped SnO2層)
25d:ガス選択燃焼層(触媒担持Al2O3焼結材)
26:安定化層(部分安定化ジルコニア薄膜中間層)
27:安定化層(ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層)
28:安定化層(Pt薄膜中間層)
29:安定化層(SnO−SiO2ガラス薄膜中間層)
Claims (18)
- 貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられ、立方晶である安定化ジルコニア中に正方晶である部分安定化ジルコニアが混在する部分安定化ジルコニア薄膜中間層であって結晶構造として一部に正方晶が含まれる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を、安定化層中の一部の正方晶である部分安定化ジルコニアが斜方晶に移転することにより吸収することを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項1に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層は、厚みが50nm〜500nmであることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項1または請求項2に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層には、安定化剤としてY 2 O 3 、MgO、CaOの少なくとも一つが添加されていることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項3に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記部分安定化ジルコニア薄膜中間層は、ジルコニアに対して安定化剤の濃度を1mol%から5mol%まで添加して形成した層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられ、セラミックス中に正方晶である正方晶ジルコニアが混在するジルコニア高靭化セラミックス(Zirconia Toughened Ceramics)薄膜中間層であって結晶構造として一部に正方晶が含まれる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を、安定化層中の一部の正方晶である正方晶ジルコニアが単斜晶に移転することにより吸収することを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項5に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化セラミックス薄膜中間層は、アルミナマトリックス中へ正方晶ジルコニアを分散したジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項6に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層における正方晶ジルコニアは、正方ジルコニア多結晶体(Tetoragonal Zirconia Polycrystals)であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項6または請求項7に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層は、厚みが10nm〜1000nmであることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記ジルコニア高靭化アルミナ薄膜中間層は、アルミナに対する正方晶ジルコニアの濃度を0.1mol%から5mol%として形成した層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる安定化層と、
安定化層を挟んで設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
感知電極層と同じ材質の物質を含むとともに一対の感知電極層間で絶縁が確保された安定化層を、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との間に密着結合させることにより、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を回避することを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項10に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知電極層は、Ptにより形成され、
前記安定化層は、島状PtからなるPt薄膜中間層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項11に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記Pt薄膜中間層である島状のPtは粒径5nm以下のPtを用いて形成された層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項10に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知電極層は、Ptにより形成され、
前記安定化層は、Ptを添加したSnO 2 からなるPt薄膜中間層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項13に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記Pt薄膜中間層は、膜厚10nm以下であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイアフラム様の熱絶縁支持層と、
熱絶縁支持層上に設けられるヒーター層と、
熱絶縁支持層およびヒーター層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる安定化層と、
安定化層上に設けられる一対の感知電極層と、一対の感知電極層を渡されるように安定化層上に設けられる感知層と、感知層の表面に設けられ、触媒を担持した焼結材のガス選択燃焼層と、を有するガス感知層と、
を備え、
電気絶縁層と同じ材料および感知層と同じ材料を含む安定化層を、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との間に密着結合させることにより、ガス感知層の感知層と電気絶縁層との応力変化を回避することを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項15に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記感知層はSnOを含み、
前記電気絶縁層はSiO 2 を含み、
前記安定化層は、SnO−SiO 2 ガラス薄膜層中間層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項16に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記SnO−SiO 2 ガラス薄膜中間層は、厚みが10nm〜1000nmであることを特徴とする薄膜ガスセンサ。 - 請求項16または請求項17に記載の薄膜ガスセンサにおいて、
前記SnO−SiO 2 ガラス薄膜中間層は、SiO 2 に対してSnOの濃度が20〜80wt%として形成した層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
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