JP3751801B2 - 熱型センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、フローセンサ等の熱型センサに関し、特に、薄膜ヒータの熱衝撃及び熱応力破壊耐性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェハを基板としたセンサは、薄膜製作技術や半導体微細加工技術を応用して作製されるため、比較的低コストで小型化でき、しかも大量生産が可能である。
【0003】
このようなシリコンウェハを用いたセンサのうち、フローセンサ、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ等のセンサでは、検出の機構上、検出部を加熱する必要がある。このような加熱が必要な熱型センサでは検出部付近に薄膜ヒータ(マイクロヒータ)が設けられている。この薄膜ヒータは通常、耐久性(耐酸化性)、性能安定性などの性能から白金で作製される。
【0004】
また、前記検出部は、通常、シリコン酸化膜/あるいはシリコン窒化膜から形成され、かつ、ヒータ加熱される部分の熱容量を小さくし、同時に他の部分への熱伝導を少なくするために、厚さが薄くなった部分(ダイアフラム)に形成される。
【0005】
図9(a)にこのような白金からなる薄膜ヒータを有する熱型センサの一例(可燃ガスセンサ)についてその断面図を示す。シリコン基板1の一部に空間を設けて薄肉状に形成されたダイアフラム8上にはシリコン酸化膜等の酸化膜2、シリコン窒化膜等の窒化膜3、さらにシリコン酸化膜等の酸化膜2´が形成され、また、検出部として白金ヒータ5a及びガス感応膜6が形成されている。
【0006】
また、図9(b)には他の熱型センサの例(可燃性ガスセンサ)の断面図を示す。この熱型センサは図9(a)に示すセンサから酸化膜2´を省いたものである。なお、これらのセンサの上面図はともに図9(c)にモデル的に示したようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の熱型センサにあっては、ヒータの駆動温度が高い場合に薄膜ヒータの剥離が生ずる、あるいは、ヒータのパルス駆動(間歇駆動)時にダイアフラムの破壊(割れ、ひび等の発生)が生ずる等の問題がある。また、このような破壊に至らない場合でも、ヒータの動作に起因すると考えられるセンサ特性の経時変化(ヒータの電気抵抗の変化、あるいはセンサ出力の変動)があった。
【0008】
本発明は、高温でのヒータ駆動やパルス駆動や直流駆動を行ってもヒータの剥離やダイアフラムの破壊がなく、経時変化の少ない安定した熱型センサを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明は、基板と、この基板の一部に空間を設けて薄肉状に形成されたダイアフラムと、このダイアフラム上に形成された白金ヒータと、前記ダイアフラム上で且つ前記ダイアフラムと前記基板との境界部分に形成されたダイアフラム保護部と、前記ダイアフラム上にダイアフラムに接触した状態で形成された窒化膜と、この窒化膜上に窒化膜と前記白金ヒータと前記ダイアフラム保護部とに接触した状態で形成され且つ前記窒化膜と前記白金ヒータと前記ダイアフラム保護部とを密着させる酸化ハフニウムとを有することを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、高温でのヒータ駆動またはパルス駆動または直流駆動した場合に、白金ヒータの熱応力がダイアフラムと基板との境界部分に集中するが、ダイアフラム上で且つダイアフラムと基板との境界部分にはダイアフラム保護部が形成されているので、ダイアフラム保護部が境界部分に集中した白金ヒータの熱応力を吸収する。このため、ダイアフラムの破壊が極めて少なくなる。また、窒化膜と白金ヒータとダイアフラム保護部とを密着させる酸化ハフニウムが形成されているので、白金ヒータと窒化膜との密着性、ダイアフラム保護部と窒化膜との密着性が向上し、白金ヒータをパルス駆動や直流駆動させても、白金ヒータ及びダイアフラム保護部の剥離やダイアフラムの破壊がなく、経時変化の少ない安定した熱型センサを提供できる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の熱型センサにおいて、前記ダイアフラム保護部は、前記白金ヒータの熱応力を吸収するパターンからなることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明によれば、ダイアフラム保護部が白金ヒータの熱応力を吸収するパターンからなるので、該パターンが境界部分に集中したヒータの熱応力を吸収する。このため、ダイアフラムの破壊が極めて少なくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱型センサのいくつかの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の熱型センサは、白金ヒータとこの下地膜である窒化膜との密着性を改善することにより、高温での使用やパルス駆動を行ってもヒータの剥離やダイアフラムの破壊がなく、経時変化の少ない安定した熱型センサを提供することを特徴とする。
【0025】
図1(a)は第1の実施の形態の熱型センサの上面図、図1(b)は第1の実施の形態の熱型センサの断面図である。第1の実施の形態の熱型センサは、接触燃焼式ガスセンサであり、図1(a)に示すように、シリコン基板1、このシリコン基板1の表面に接触して形成された酸化膜2、この酸化膜2上で酸化膜2に接触して形成された窒化膜3、この窒化膜3上で窒化膜3に接触して形成された酸化ハフニウム膜4、この酸化ハフニウム膜4上で酸化ハフニウム膜4に接触して形成された白金ヒータ5a、この白金ヒータ5a上で白金ヒータ5aに接触した状態で形成され且つ白金ヒータ5aに対して触媒層として作用するガス感応膜6、シリコン基板1の裏面にエッチングにより形成されたダイアフラム8を備えて構成される。また、白金ヒータ5aは、ダイアフラム8上に形成され、白金ヒータ5aには白金パッド7aが接続されている。ガス感応膜6としては、パラジウム等の白金族触媒を担持したアルミナ等の担体を用いることができる。
【0026】
酸化膜2は、シリコン基板1の表面を熱酸化処理することにより得られた酸化シリコンであり、厚みが例えば約6000Åである。窒化膜3は、シリコン窒化膜等であり、窒化膜厚みが例えば約2500Åであり、酸化ハフニウム膜4は、厚みが例えば約500Åである。
【0027】
このような構成の接触燃焼式ガスセンサによれば、白金ヒータ5aと窒化膜3との間に、酸化ハフニウム膜4を形成したので、高温における白金ヒータ5aと下地膜である窒化膜3との密着性が向上し、白金ヒータ5aの白金の剥離をなくすことができるとともに、センサの経時劣化特性及びセンサの破壊耐久特性を向上することができる。
【0028】
また、酸化ハフニウムの熱膨張率は、白金ヒータ5aの熱膨張率と下地膜である窒化膜3の熱膨張率との中間的な値であり、ヒータによる加熱温度が高い場合、あるいはヒートサイクル等で生ずる熱応力を緩和し、その結果、ヒータの剥離やダイアフラム8の破壊が生じない、経時変化の少ない安定した熱型センサを得ることができる。
【0029】
さらに、酸化ハフニウム膜4の膜応力は小さいため、薄膜からなるダイアフラム8の残留応力を小さくできるから、センサを製造するときの歩留まりを向上することができる。
【0030】
また、酸化ハフニウム膜4の熱伝導率は、非常に小さいため、熱拡散を抑制し、白金ヒータ5aの消費電力を小さくすることができる。さらに、酸化ハフニウムは、水、強酸、強アルカリにはほとんど溶解しないため、製造工程中の他の膜やSi基板のウェットエッチングプロセスに強い耐性を示すことができる。また、酸化ハフニウムは、10−14(Ω−1・cm−1)以上と導電率が小さいため、白金ヒータからの電流リークがほとんどなくなる。このため、正確な測定が可能となる。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態の熱型センサを説明する。第1の実施の形態の熱型センサでは、ダイアフラム8の周辺部(すなわち、ダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分)に、白金ヒータ5aの熱膨張による応力が集中する。このため、高温でのヒータ駆動やヒータをパルス駆動した場合、低温(室温)と高温との繰り返しによる熱衝撃により、ダイアフラム8の周辺部からクラックが入り、ダイアフラム8が破壊する。また、パルス駆動を用いずに、ヒータを直流駆動(DC駆動)した場合、高温になるほど白金ヒータ5aがダイアフラム8に与える熱応力が大きくなり、ダイアフラム8が歪んで破壊する。
【0032】
そこで、第2の実施の形態の熱型センサは、第1の実施の形態の熱型センサに対して、ヒータの熱衝撃及び熱応力破壊耐性を向上させることによりダイアフラムの破壊を極めて少なくしたことを特徴とする。図2(a)は第2の実施の形態の熱型センサの上面図、図2(b)は第2の実施の形態の熱型センサの断面図である。
【0033】
図2に示す熱型センサは、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、フローセンサ等であり、図2(b)に示すように、シリコン基板1、このシリコン基板1の表面に接触して形成された酸化膜2、この酸化膜2上で酸化膜2に接触して形成された窒化膜3、この窒化膜3上で窒化膜3に接触して形成された酸化ハフニウム膜4、この酸化ハフニウム膜4上で酸化ハフニウム膜4に接触して形成された白金ヒータ5、シリコン基板1の裏面にエッチングにより形成されたダイアフラム8、ダイアフラム8上で且つダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分に形成されたダイアフラム保護部9を備えて構成される。
【0034】
また、白金ヒータ5は、ダイアフラム8上に形成され、互いに略平行且つジグザグ状に配設された複数のパターンからなる。ダイアフラム8は、正方形をなし、ダイアフラム保護部9は、ダイアフラム8の四つの角部分に形成されてなり、白金ヒータ5と同一材料の白金からなる三角形状の保護パターンである(図2(b))。
【0035】
また、白金ヒータ5には白金パッド7が接続され、この2つの白金パッド7には、DC電圧またはパルス電圧が印加されるようになっていて、DC駆動またはパルス駆動により白金ヒータ5が発熱するようになっている。
【0036】
酸化膜2及び窒化膜3のそれぞれは、絶縁膜を構成する。酸化膜2は、シリコン基板1の表面を熱酸化処理することにより得られた酸化シリコンであり、厚みが例えば約6000Åである。窒化膜3は、厚みが例えば約2500Åであり、酸化ハフニウム膜4は、厚みが例えば約500Åである。
【0037】
白金ヒータ5は、厚さが例えば約5000Åである。この白金ヒータ5は、白金の他に、抵抗温度係数が大きく、高温まで熱的に安定な金属または化合物であれば良く、例えば、ニッケル、タングステン、モリブデン等を用いることもできる。
【0038】
次に、熱型センサの製造方法を説明する。まず、シリコンウェハを熱酸化し、その表面に酸化ケイ素層(厚さ:100〜10000Å(通常)、本例では6000Å)を形成する(図3(a))。
【0039】
次に、減圧CVDにより窒化膜3(厚さ:100〜5000Å(通常)、本例では2500Å)を形成し(図3(b))、検出部裏側のダイアフラム形成部の酸化膜2及び窒化膜3とを、フォトリソグラフィ工程とウェットエッチング法とを組み合わせ、あるいはドライエッチング法により、所定のパターンにエッチングする(図3(c))。
【0040】
さらに、検出部形成側の窒化膜3上に酸化ハフニウム層(厚さ:100〜5000Å(通常)、本例では500Å)を形成し(図3(d))、この酸化ハフニウム層の上に、薄膜の白金ヒータ(厚さ:100〜10000Å(通常)、本例では5000Å)及びダイアフラム保護部9をスパッタリング、電子ビーム蒸着等の真空応用技術により成膜する(図3(e))。
【0041】
最後に裏面からシリコン基板1をTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等でエッチングしてダイアフラム8を形成する(図3(f)。
【0042】
このように構成された第2の実施の形態の熱型センサによれば、高温でのヒータ駆動またはパルス駆動またはDC駆動した場合には、ヒータの熱応力がダイアフラム8の周辺やダイアフラムの4つの角に集中する。第2の実施の形態の熱型センサでは、ダイアフラム8上で且つダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分のうち、ダイアフラム8の四つの角部分に、ダイアフラム保護部9が形成されているので、弾性に富む白金からなるダイアフラム保護部9が、ダイアフラムの4つの角に集中したヒータの熱応力を吸収する。このため、第1の実施の形態の熱型センサよりもさらに、ダイアフラム8の破壊が極めて少なくなる。
【0043】
また、ダイアフラム保護部9は、白金ヒータ5と同一材料からなるので、図3(e)に示すように、1回のパターニングによりヒータ部とダイアフラム保護部とを同時に形成できる。これによって、熱型センサの製造工数を低減することができる。
【0044】
なお、ダイアフラム保護部9は、白金以外に、弾性に富む金属材料であればその他の材料、例えば真鍮、銅等を用いても良い。
【0045】
また、ダイアフラム保護部9の形状は、図2に示す三角形状に限定されることなく、例えば、L字状(図4(a))、四角形状(図4(b))、円状(図4(c))、扇状(図4(d))のいずれかであっても、同様な効果を得ることができる。
【0046】
また、熱型センサは、図2に示す熱型センサの構成に加え、図5に示すように、白金ヒータ5に接触した状態で白金ヒータ5上に形成され且つ白金ヒータ5の発熱量に応じて発熱して可燃性ガスの燃焼に対して触媒として作用する触媒層としてのガス感応膜6を設けて接触燃焼式ガスセンサを構成することもできる。
【0047】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態の熱型センサを説明する。図6(a)は第3の実施の形態の熱型センサの上面図、図6(b)は第3の実施の形態の熱型センサの断面図である。
【0048】
第3の実施の形態の熱型センサは、図2に示す第2の実施の形態の熱型センサのダイアフラム保護部9に代えて、ダイアフラム保護部10を設けた点が異なる。ダイアフラム保護部10は、白金からなる2つの保護パターンからなり、それぞれの保護パターンがコの字状をなしており、白金ヒータ5を挟んで、ダイアフラム8上で且つダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分を覆うように形成されている。
【0049】
なお、その他の構成は、第2の実施の形態の熱型センサの構成と同一構成であるので、同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0050】
このように構成された第3の実施の形態の熱型センサによれば、白金ヒータ5を挟んで、ダイアフラム8上で且つダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分を覆うように2つのダイアフラム保護部10が形成されているので、弾性に富むダイアフラム保護部10が、ダイアフラムの周辺部に集中したヒータの熱応力を吸収する。このため、第2の実施の形態の熱型センサよりもさらに、ダイアフラム8の破壊が極めて少なくなる。
【0051】
次に、本出願人は第1の実施の形態の熱型センサ(保護パターンなし)と第3の実施の形態の熱型センサ(保護パターンあり)とを準備し、以下の検討を行った。なお、第3の実施の形態の熱型センサの代わりに、第2の実施の形態の熱型センサを用いても良い。
【0052】
図7に保護パターンありの熱型センサ及び保護パターンなしの熱型センサを同一条件でパルス駆動したときのヒータの抵抗の経時変化の結果を示す。なお、ヒータは、1秒毎に1回だけ100msオンするパルス駆動で使用され、ヒータの駆動温度が例えば600℃である。
【0053】
実線で示す保護パターンなしの熱型センサでは、実験開始からわずか10分〜20分後にダイアフラム8が破壊した。破線で示す保護パターンありの熱型センサでは、実験開始から1000時間までヒータの抵抗に変化が見られず、ダイアフラム8が破壊することなく駆動できた。すなわち、第3の実施の形態の熱型センサは、繰り返して入力されるパルスの熱衝撃に対して強くなった。
【0054】
また、図8に保護パターンありの熱型センサ及び保護パターンなしの熱型センサを同一条件でDC駆動したときのダイアフラムの耐温度特性を示す。図8において横軸は直流電源の電圧を表し、縦軸はダイアフラムの耐久温度を表す。
【0055】
前記電圧を上昇させることによりヒータの温度を徐々に上げていくと、保護パターンなしの熱型センサでは、約900℃でダイアフラム8が破壊した。また、保護パターンありの熱型センサでは、約1200℃までダイアフラム8が破壊することなく駆動できた。すなわち、DC駆動した場合、ヒータ及びダイアフラムが破壊する温度が向上した。
【0056】
これらの実験結果から第2及び第3の実施の形態の熱型センサでは、ダイアフラム8とシリコン基板1との境界部分にダイアフラム保護部を設けたので、第1の実施の形態の熱型センサよりもさらにヒータの熱衝撃及び熱応力破壊耐性を向上することができる。これによって、高温でのヒータ駆動またはパルス駆動またはDC駆動時のダイアフラムの破壊も極めて少なくなる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、高温でのヒータ駆動またはパルス駆動または直流駆動した場合に、白金ヒータの熱応力がダイアフラムと基板との境界部分に集中するが、ダイアフラム上で且つダイアフラムと基板との境界部分にはダイアフラム保護部が形成されているので、ダイアフラム保護部が境界部分に集中した白金ヒータの熱応力を吸収する。このため、ダイアフラムの破壊が極めて少なくなる。また、窒化膜と白金ヒータとダイアフラム保護部とを密着させる酸化ハフニウムが形成されているので、白金ヒータと窒化膜との密着性、ダイアフラム保護部と窒化膜との密着性が向上し、白金ヒータをパルス駆動や直流駆動させても、白金ヒータ及びダイアフラム保護部の剥離やダイアフラムの破壊がなく、経時変化の少ない安定した熱型センサを提供できる。
【0059】
請求項2の発明によれば、ダイアフラム保護部が白金ヒータの熱応力を吸収するパターンからなるので、該パターンが境界部分に集中したヒータの熱応力を吸収する。このため、ダイアフラムの破壊が極めて少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施の形態の熱型センサの上面図、(b)は第1の実施の形態の熱型センサの断面図である。
【図2】(a)は第2の実施の形態の熱型センサの上面図、(b)は第2の実施の形態の熱型センサの断面図である。
【図3】第2の実施の形態の熱型センサの製造方法を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の熱型センサに設けられたダイアフラム保護部のその他の例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の熱型センサの一例である接触燃焼式ガスセンサの断面図である。
【図6】(a)は第3の実施の形態の熱型センサの上面図、(b)は第3の実施の形態の熱型センサの断面図である。
【図7】保護パターンありの熱型センサ及び保護パターンなしの熱型センサを同一条件でパルス駆動したときのヒータの抵抗の経時変化の結果を示す図である。
【図8】保護パターンありの熱型センサ及び保護パターンなしの熱型センサを同一条件でDC駆動したときのダイアフラムの耐温度特性を示す図である。
【図9】(a)は従来の熱型センサの断面図、(b)は従来のその他の熱型センサの断面図、(c)は従来の熱型センサの上面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 酸化膜
3 窒化膜
4 酸化ハフニウム膜
5 白金ヒータ
6 ガス感応膜
7 白金パッド
8 ダイアフラム
9,10 ダイアフラム保護部
Claims (2)
- 基板と、この基板の一部に空間を設けて薄肉状に形成されたダイアフラムと、このダイアフラム上に形成された白金ヒータと、前記ダイアフラム上で且つ前記ダイアフラムと前記基板との境界部分に形成されたダイアフラム保護部と、前記ダイアフラム上にダイアフラムに接触した状態で形成された窒化膜と、この窒化膜上に窒化膜と前記白金ヒータと前記ダイアフラム保護部とに接触した状態で形成され且つ前記窒化膜と前記白金ヒータと前記ダイアフラム保護部とを密着させる酸化ハフニウムとを有することを特徴とする熱型センサ。
- 前記ダイアフラム保護部は、前記白金ヒータの熱応力を吸収するパターンからなることを特徴とする請求項1記載の熱型センサ。
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