JP4404297B2 - フローセンサ - Google Patents

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    • G01F1/684Structural arrangements; Mounting of elements, e.g. in relation to fluid flow
    • G01F1/6845Micromachined devices

Description

本発明は、流路中を流れる流体の流速又は流量を計測するためのフローセンサであって特に熱式のフローセンサに関する。
流体の流量や流速を計測する熱式のフローセンサとしては2つのタイプがある。すなわち、発熱体であるヒータの発熱による流体の空間的温度分布に流体の流れを介して偏りを生じさせ、これを温度センサで検出するタイプ(傍熱タイプ)と、流体により発熱体の熱が奪われることによる電力の変化や抵抗の変化を検出し、流速又は流量を検出するタイプ(自己発熱タイプ)が知られている。そして、前者の従来型フローセンサにはシリコンの表面にセンサをパターン化し、このセンサパターンに被測定流体が直接流されるタイプのものがある。しかし、シリコンを利用したセンサチップは感度や応答性の点では優れているが、腐食性ガスに対して腐食しやすいという欠点がある。そのため、被測定流体がガスの場合、特に化学的にシリコンを侵さないものしか流せなかった。
しかしながら、このように非腐食性の気体に対してのみ用いられるフローセンサに加えて、最近では液体や腐食性の気体にも使用可能な構造を有する傍熱型のフローセンサが用いられるようになってきた(例えば、特許文献1参照。)。
かかるフローセンサ3は、図4に示すように、表面側が被測定流体の流路201に面する基板310と、基板310を挟んで対向するように配設された流路形成部材220及びプレート230を備えた構造を有している。そして、基板310はステンレスでできており、板厚が50〜150μm程度の板状に形成され、流路側とは反対側の面に電気絶縁膜を形成し、その上に流体の流速(流量)計測用の温度検出手段、周囲温度センサ、電極パッド及び配線用金属薄膜が形成されている。このように、基板310に薄い板厚のステンレス板を用いると共にセンサ形成面の反対側を流路とすることで、被測定流体が腐食性流体の場合に対応できるようになっている。
かかるステンレス板の電極絶縁膜としては、例えば厚さが数千オングストロームから数μm程度の薄い酸化シリコン(SiO)膜、窒化シリコン膜、アルミナ、ポリイミド膜等によって形成されている。なお、酸化シリコン膜は、例えばスパッタリング、CVDあるいはSOG(スピンオングラス)等により形成することができる。一方、窒化シリコン膜は、スパッタリングやCVD等によって形成することができる。
また、この電気絶縁膜の表面には、複数の電極パット及び配線用金属薄膜を含む流速検出手段と周囲温度検出手段が周知の薄膜成型技術によって形成されている。具体的には、流速検出手段と周囲温度検出手段は、例えば、白金等の材料を電気絶縁膜の表面に蒸着し、所定のパターンにエッチングすることにより形成されている。そして、流速検出手段と周囲温度検出手段は電極パットに配線用金属薄膜を介してそれぞれ電気的に接続されている。さらに各電極パットは、センサチップの上方にスペーサを介して設けたプリント配線板の電極端子に図示を省略したボンディングワイヤを介して接続されている。
特開2002−122454号公報(第3−6頁、図1)
ステンレスやハステロイ、インコネルなどの耐食性金属でセンサチップを構成した場合、絶縁膜(酸化膜)が形成される表面を研磨により平坦に仕上げる必要がある。しかしながら、このような金属は半導体のように単結晶ではない。すなわち、シリコンは単結晶で表面が厳密に面一となっているが、ステンレスは金属であるため、研磨していくと表面上にどうしても僅かな傷がついてしまい、研磨による表面仕上げをいくら丁寧に行っても表面上にある程度の面粗さが生じてしまう。
そして、ステンレス表面のある程度の面粗度を構成する極めて細かい凸凹に起因して、ダイヤフラムとセンサの絶縁を確保するために10μm以上の絶縁膜を形成する必要がある。
このようにベースがステンレスのダイヤフラムでその表面上に上述の厚さを有する絶縁膜を形成して絶縁膜上に歪みゲージを形成したものを圧力センサ用ダイヤフラムとして使用した場合、このようなセンサダイヤフラムは伝熱特性上特に問題が生じない。従って、かかる金属ダイヤフラムを圧力センサの検出部に使用することは可能である。しかしながら、これと同様の構造の酸化膜及びセンサデバイスを備えたダイヤフラムをフローセンサに応用した場合には熱伝導率など熱的な特性が悪くなるので実際の使用上好ましくない。
具体的には、かかる圧力センサのダイヤフラム構造を熱式のフローセンサに転用すると、熱伝導率の低い絶縁膜がセンサの感度及び応答特性に悪影響を及ぼしてしまう。一般的な絶縁膜であるSiOは熱伝導率が1.4[W/mk]、オーステナイト系ステンレスが16[W/mk]である。よって絶縁膜の厚さ1μmがオーステナイト系ステンレスの厚さ約11μmに相当するため、絶縁膜が厚くなるとダイヤフラムの厚み部及び絶縁膜の厚み部を介したセンサデバイスと被測定流体との熱伝導による熱のやり取りが極度に妨げられてしまう。
一方、マルテンサイト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、及び絶縁膜として使用される酸化シリコンの線膨張係数は以下の通りである。
(1)マルテンサイト系ステンレスの線膨張係数(SUS400番台)
・・・10×10−6/°C前後
(2)オーステナイト系ステンレスの線膨張係数(SUS300番台)
・・・16×10−6/°C前後
(3)酸化シリコンの線膨張係数
・・・0.8×10−6/°C前後
このようなマルテンサイト系ステンレスとオーステナイト系ステンレスの線膨張係数の違いから分かるように、ステンレスの表面に単一の絶縁膜を形成する場合、温度の上昇や下降による熱応力を緩和するために、ダイヤフラムに適用できるステンレスがマルテンサイト系のステンレスに限定されてしまい、材料選択上の自由度が限定される。すなわち、本来、より耐食性の高いオーステナイト系ステンレス表面に酸化シリコンなどの絶縁膜を形成するのが好ましいが、このような構成によると、上述の両者の線膨張係数の違いから熱応力によって絶縁膜にクラックが入るなどの不具合が発生してしまう。従って、現状ではオーステナイトステンレスはフローセンサの金属ダイヤフラムには使用できない。
以上のように、ステンレス等の耐食性金属でできたダイヤフラムの一方の面に絶縁膜を介してセンサパターンを形成し、他方の面を被測定流体に接しさせた構造のフローセンサに関しては、絶縁膜が一層しかない場合、100V以上の耐電圧に耐える絶縁膜の厚みが必要であるのに対して、フローセンサの特性上、熱伝導を向上させるために絶縁膜の厚みをできるだけ薄くしなければならないという相矛盾する要求を満たす必要がある。そして、双方の要求を満たす厚さの絶縁膜が一層だけ形成されている構成では、ステンレス基板との熱膨脹係数の差を緩和することができず、高温環境で絶縁膜にクラックが入って絶縁膜上のセンサパターンが断線してしまうという問題が生じていた。
すなわち、ステンレスなどの耐食性金属材でダイヤフラムをつくった場合、この際に必要不可欠とされる10μm程度の絶縁膜が感度及び応答性の良い熱式フローセンサを作る上での支障となっていた。
本発明の目的は、感度及び応答性を向上させ、かつ腐食性流体の流量を測定するのに特に適したフローセンサを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明にかかるフローセンサは、
耐食性の金属ダイヤフラムと、前記金属ダイヤフラムの一方の面に形成された絶縁膜と、当該絶縁膜上に形成された流量測定用のセンサとを備え、前記金属ダイヤフラムの他方の面が流量を測定すべき被測定流体の流路の一部をなして当該被測定流体に接するようになったフローセンサにおいて、
前記センサは、発熱体を備え、前記発熱体の発する熱を前記被測定流体に伝えると共に、当該被測定流体の流れに応じて奪われた熱に基づいて流量を測定するようになっており、
前記センサが形成された絶縁膜と前記金属ダイヤフラムとの間に当該絶縁膜の線膨張係数と耐食性金属の線膨張係数との中間の線膨張係数を有する緩衝部材を介在させ、前記発熱体の発する熱が、前記絶縁膜、緩衝部材、金属ダイアフラムを介して前記被測定流体に伝えられるようになっている。
かかる線膨張係数を有する緩衝部材を絶縁膜と金属ダイヤフラムとの間に介在させることで、センサパターンが形成されている絶縁膜とステンレス基板との熱膨脹係数の差を緩和させることができる。これによって、高温環境でも絶縁膜にクラックが入ることなく、長期にわたって安定したセンサ検出出力特性を得ることが可能となる。
また、本発明の請求項2に記載のフローセンサは、請求項1に記載のフローセンサにおいて、絶縁膜が液体ソースからなる。
絶縁膜が液体ソースからなることで、金属ダイヤフラムの表面上の面粗さが必然的にある程度存在するにも係わらず、絶縁膜表面を平坦にすることができ、絶縁膜上にセンサパターンを最適な状態で形成することができる。その結果、センサパターンの出力特性が安定する。
本発明によると、応答性及び感度をさらに向上させ、耐久性に優れかつ腐食性流体の流量を測定するのに特に適したフローセンサを得ることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるフローセンサについて説明する。
本発明の一実施形態にかかるフローセンサ1は、図1及び図2に示すように、裏面に流路形成用の凹み部112を有し、表面に緩衝層(緩衝部材)121及び絶縁膜122(図2にのみ図示)を介して流量測定用のセンサデバイス125が形成された金属製のセンサチップ110と、センサチップ110の裏面と一体化して流路を形成する金属製の流路形成部材130とを備えている。
そして、かかるフローセンサ1は、従来とは異なる構成のセンサチップ110を流路形成部材に溶接することを特徴としている。
具体的には、センサチップ110は、(特にSUS316Lなどの)ステンレスからなる薄くて細長い矩形の板状に形成されると共に、その一方の面(図1中、上面)全体にわたって図2に示すように緩衝層121及び絶縁膜122がこの順に積層状態で形成されている。
また、センサチップ110の裏面側中央部には、長円形の凹み部112が形成されている。そして、この凹み部112によってセンサチップ110に薄肉部113を形成している。これによって、センサチップ110の他方の面には被測定流体が接するようになっている。なお、薄肉部113は、肉厚が50μmから150μm程度で、ダイヤフラム構造のセンサ部を形成している。また、薄肉部の流れの方向と直交方向の長さは(幅)は強度確保の点で1mmから3mm程度が好ましい。また、センサチップ110の厚肉部111は、本実施形態の場合、板厚が0.6mm程度の厚さを有している。
センサチップ110の凹み部112、及びその周囲の厚肉部111はフォトリソグラフィー技術とエッチング技術、エンドミルまたその複合技術によって形成される。フォトリソグラフィー技術とエッチング技術による場合は、まず、ステンレス製のウエハの裏面全体にレジストをスピンコートなどによって塗布するか、ドライフィルムレジストを貼り付け、紫外線(又は、電子線)を照射してレジストにマスクパターンを転写露光する。次に露光されたレジストを現像液で現像し、レジストの不要部分を除去する。露光された部分を残すか除去するかによってネガ型レジスト又はポジ型レジストを選択する。レジストが除去された部分はウエハが露出しており、この導出している部分をウエットエッチング又はドライエッチングによって厚さが50μm〜150μm程度になるまで除去する。そして、残っているレジストを剥離、除去して洗浄すると、薄肉部113と凹み部112が形成される。ウエットエッチングの場合は、エッチング液に浸漬又はスプレーして少しずつ溶解させる。ドライエッチングの場合は、スパッタ、プラズマ等によってイオンや電子をウエハの裏面に照射し、少しずつ削っていくことで形成することができる。
センサチップ110の薄肉部113の被測定流体と接しない反対側面は、上述したように鏡面研磨され、図2に示すように、緩衝層121を介して絶縁膜122が全面にわたって形成されている。そして、その上に白金のセンサデバイス125がパターン化されている。
この点をより詳細に説明すると、ステンレス基板の薄肉部上には本実施形態においては絶縁膜としての機能も有する緩衝層121が形成され、その上に液体ソースを原料とする酸化シリコンなどの絶縁膜122が形成されている。すなわち、絶縁性を有する緩衝層121の上にさらに絶縁膜122が形成され、かつその上に1つ以上の測温抵抗体用白金パターンが形成された二層の絶縁膜層構造を有している。
絶縁膜122としては、例えば厚さが数千オングストロームから数μm程度の薄い酸化シリコン(SiO)膜、窒化シリコン膜、アルミナ、ポリイミドなどの材質からなる。絶縁膜である酸化シリコン膜は、例えばスパッタリング、CVD或いはSOG(スピンオングラス)等により形成することができる。また、絶縁膜を窒化シリコン膜とした場合、スパッタリングやCVD等によって形成することもできる。また、絶縁膜を例えばポリシラザンなどの液体ソースからなる絶縁膜としてスピンコーティングやスプレー法などで形成しても良い。このような液体ソースからなる絶縁膜とすることで、ステンレス表面の表面研磨に伴う不可避的な細かい凹凸に対する被覆性に優れた緻密な膜を安価に形成することが可能となる。
また、緩衝層121は、線膨張係数がステンレスと絶縁膜122の間に位置する窒化シリコン(線膨張係数3〜4[×10−6/°C])、アルミナ(線膨張係数5〜9[×10−6/°C])などの材質からなる。緩衝層はCVDやスパッタなどで形成されているが、当該緩衝層は複数の層から形成されていても良い。
すなわち、絶縁膜122と緩衝層121はステンレスからなる薄肉部113の線膨張係数、緩衝層121の線膨張係数、絶縁膜122の線膨張係数の順に小さくなるように上述した材料から適宜選択される。このように、緩衝層の線膨張係数を流量測定用のセンサデバイスが形成された絶縁膜の線膨張係数と耐食性金属からなる薄肉部の線膨張係数との中間の線膨張係数を有するようにしたことが本発明の本質的部分である。
一方、この絶縁膜122の表面には、複数の電極パット及び配線用金属薄膜を含む流速検出手段と周囲温度検出手段からなるセンサデバイス125が周知の薄膜成型技術によって形成されている。センサデバイス125は、例えば、白金等の材料を電気絶縁膜の表面に蒸着し、所定のパターンにエッチングすることにより形成されている。そして、センサデバイス125を構成する流速検出手段と周囲温度検出手段は電極パットに配線用金属薄膜を介してそれぞれ電気的に接続されている。さらに各電極パットは、図1に示すように、センサチップ110の上方にスペーサ140を介して設けたプリント配線板150の電極端子に図示を省略したボンディングワイヤを介して接続されている。
センサデバイス125を構成する流速検出手段と周囲温度検出手段は、図3に示すように、1つの発熱体HTを用いたセンサデバイス125において、定温度差回路を用いることによって流速を電圧信号に変換することができるようになっている。この定温度差回路は、同図に示すように、抵抗R1,R2,発熱体(抵抗ヒータ)HT,抵抗R3及び周囲温度センサTSから構成されたブリッジ回路と、抵抗R1と発熱体HTの中点電圧を反転入力とするとともに抵抗R2と抵抗R3の中点電圧を非反転入力するオペアンプOP1とを備え、このオペアンプOP1の出力がブリッジ回路を構成する抵抗R1,R2の一端に共通に接続されている。ここで、抵抗R1,R2,R3は、周囲温度センサTSよりも発熱体HTが常にある一定温度高くなるように抵抗値が設定されている。
この状態で流体を所定方向に流すと、発熱体HTは流体によって熱が奪われて発熱体HTの抵抗値が下がってブリッジ回路の平衡状態が失われるが、オペアンプOP1によってその反転入力・非反転入力間に生じる電圧に応じた電圧がブリッジ回路に加えられるので、流体によって奪われた熱を補償するように発熱体HTの発熱量が増加する。その結果、発熱体HTの抵抗値が上昇することにより、ブリッジ回路は平衡状態に戻る。したがって、平衡状態にあるブリッジ回路にはその流速に応じた電圧が加えられていることになる。図3の定温度差回路は、このときブリッジ回路に加えられている電圧のうち、発熱体HTの端子間電圧を電圧出力として出力するようになっている。
このように発熱体HTの温度が周囲温度センサTSで計測される周囲温度よりある一定温度高くなるように定温度差回路が電流又は電圧を制御して温度差を一定に保ち、その電圧、電流あるいは電力変化を検出することにより流体の流速又は流量が計測できるようになっている。
一方、流路形成部材130は、図1に示すように、センサチップ110と同様にステンレス製の細長い金属板からなり、表面中央に突設されかつ外形がセンサチップ110の外縁とほぼ一致する凸部135と、凸部135の上面に一方の開口部を有し、互いに平行に穿設された2つの貫通孔131,132とを有している。
そして、流路形成部材の凸部135にセンサチップ110の外縁が合致するように、すなわち凸部135の側壁とセンサチップ110の側壁とが全周にわたって面一となるように流路形成部材上にセンサチップを位置決めし、この状態でセンサチップ110と流路形成部材130をレーザービーム溶接等の適当な溶接手段によって接合することでフローセンサ1が作られている
続いて、以上のように構成されたフローセンサ1の作用について以下に説明する。
本実施形態にかかるフローセンサ1は、絶縁膜としても作用する緩衝層121と、ステンレス表面の凹凸に対する被覆性を有する絶縁膜122の二層構造をセンサチップ110の一方の面に備え、かつ緩衝層121の線膨張係数をセンサデバイス125が形成された絶縁膜122の線膨張係数とステンレスからなる薄肉部113の線膨張係数との中間の線膨張係数を有するようにしたことで、フローセンサの耐電圧を維持しつつ絶縁膜122の厚さを例えば1μm〜5μm程度と薄くすることができるようになっている。そのため、センサデバイス125のヒータHTからの発熱を厚みの薄い絶縁膜122及び緩衝層121を介して被測定流体側に効率良く伝えることができる。その結果、フローセンサの感度及び応答性が向上する。
また、加熱時に発生する熱膨脹係数差をある程度緩和することができるので、耐食性の高いオーステナイト系ステンレスをセンサチップ110の金属部分の材質として適用することが可能となる。これによって、従来の構造では困難であったセンサチップ110の金属部分の材料選択の自由度を高めることが可能となる。また、高温になっても線膨張係数の違いによる絶縁膜へのクラック発生が起こりにくいので、耐熱性を500°C近辺まで向上させることが可能となり、耐環境性に優れたフローセンサを提供できるようになる。
また、絶縁膜122を液体ソースで形成しているので、ステンレス表面の表面研磨に伴う不可避的な細かい凹凸に対する被覆性に優れる。これによって、金属ダイヤフラムの表面上の面粗さが必然的にある程度存在するにも係わらず絶縁膜表面を平坦にすることができる。その結果、絶縁膜上にセンサパターンを最適な状態で形成することができ、センサパターンの出力特性を安定させることが可能となる。
なお、上述の実施形態にかかるフローセンサ1のセンサチップ110に関する緩衝層と酸化膜の二層構造を従来技術で説明したフローセンサ3に適用しても良い。具体的には、フローセンサ3に備わった従来の基板の代わりに緩衝層と酸化膜の二層構造を備えた基板を用いて新たなフローセンサ2としても良い。このフローセンサ2は、図4に示すように、表面側が被測定流体の流路に面する基板210と、基板210を挟んで対向するように配設された流路形成部材230及びプレート250を備えた構造を有している。そして、基板210はステンレスでできており、板厚が50〜150μm程度の板状に形成され、流路側とは反対側の面に電気絶縁膜を形成し、その上に流体の流速(流量)計測用の温度検出手段、周囲温度センサ、電極パッド及び配線用金属薄膜が形成されている。
そして、基板210は本実施形態にかかるセンサチップ110と同等の緩衝層及び酸化膜からなる二層構造を有している。すなわち、図2に示すように、ステンレスの薄肉上に緩衝層(緩衝部材)221を介して絶縁膜222を形成し、当該絶縁膜上にセンサパターン225が形成された基板を使用している。
より詳細には、ステンレスからなる基板210の表面は鏡面研磨され、基板上には本実施形態においては絶縁膜としての機能も有する緩衝層221が形成され、その上に液体ソースを原料とする酸化シリコンなどの絶縁膜222が形成されている。そして、絶縁膜222の表面には、複数の電極パット及び配線用金属薄膜を含む流速検出手段と周囲温度検出手段からなるセンサデバイス225が上述した周知の薄膜成型技術によって形成されている。なお、センサデバイス225を構成する流速検出手段と周囲温度検出手段には電極パットが備わっている。さらに、各電極パットは、センサチップの上方にスペーサを介して設けたプリント配線板の電極端子に図示を省略したボンディングワイヤを介して接続されている。
絶縁膜222としては、例えば厚さが数千オングストロームから数μm程度の薄い酸化シリコン(SiO)膜、窒化シリコン膜、アルミナ、ポリイミド膜等によって形成されている。また、緩衝層221は、上述した実施形態と同様に、センサデバイス225が形成された絶縁膜222の線膨張係数と基板(ダイヤフラム)210の線膨張係数との中間の線膨張係数を有している。すなわち、緩衝層221は、線膨張係数がステンレスと絶縁膜222の間に位置する窒化シリコン(3〜4[×10−6/°C])、アルミナ(5〜9[×10−6/°C])などの材質からなる。
かかる基板を有することで上述の実施形態の場合と同様にフローセンサ2の耐電圧を十分確保しつつ絶縁膜の厚さを1μm〜5μm程度に薄くすることができる。そのため、基板210の一方の面に形成されるヒータから基板210の他方の面に接した被測定流体まで効率良く伝熱することができ、フローセンサ2の感度及び応答性が向上する。また、従来の構造では困難であったセンサチップの金属材料をオーステナイト系ステンレスにすることができ、金属材料選択の自由度を高めることができる。これに加えて、高温になっても線膨張係数の違いによる絶縁膜へのクラック発生が起こりにくいので、耐熱性を500°C近辺まで向上させることができる。
なお、ステンレス以外の耐食性金属としては一般に、ハステロイ、インコネル、ニッケルが挙げられる。インコネルの線膨張係数は、13〜16[×10−6/°C])、熱伝導率は10.4[Wm/k]、ハステロイの線膨張係数は、14〜16[×10−6/°C])、熱伝導率は10.6[Wm/k]、ニッケルの線膨張係数は、13.3[×10−6/°C])、熱伝導率は70.4[Wm/k]である。
従って、基板210の金属部分に使用する材質は上述のようにステンレスに限定されず、ハステロイ、インコネル、ニッケルなどの耐食性金属であっても同様の効果を奏することが可能である。
本実施形態に関するフローセンサは、流路中を流れる腐食性流体の流速又は流量を計測するのに特に適している。
本発明の一実施形態にかかるフローセンサの構造を示した断面図である。 図1に示したフローセンサのセンサチップの部分的な断面図である。 本発明の一実施形態にかかるフローセンサのセンサデバイスを示した回路図である。 従来のフローセンサの構造及びこれを本発明に転用したフローセンサの構造を示した断面図である。
符号の説明
1,2,3 フローセンサ
110 センサチップ
111 厚肉部
112 凹み部
113 薄肉部
120 絶縁層
121 緩衝層
122 絶縁膜
130 流路形成部材
131,132 貫通孔
135 凸部
210 基板
221 緩衝層
222 絶縁膜
230 流路形成部材
250 プレート

Claims (2)

  1. 耐食性の金属ダイヤフラムと、前記金属ダイヤフラムの一方の面に形成された絶縁膜と、当該絶縁膜上に形成された流量測定用のセンサとを備え、前記金属ダイヤフラムの他方の面が流量を測定すべき被測定流体の流路の一部をなして当該被測定流体に接するようになったフローセンサにおいて、
    前記センサは、発熱体を備え、前記発熱体の発する熱を前記被測定流体に伝えると共に、当該被測定流体の流れに応じて奪われた熱に基づいて流量を測定するようになっており、
    前記センサが形成された絶縁膜と前記金属ダイヤフラムとの間に当該絶縁膜の線膨張係数と耐食性金属の線膨張係数との中間の線膨張係数を有する緩衝部材を介在させ、前記発熱体の発する熱が、前記絶縁膜、緩衝部材、金属ダイアフラムを介して前記被測定流体に伝えられるようになったことを特徴とするフローセンサ。
  2. 前記絶縁膜が液体ソースからなることを特徴とする、請求項1に記載のフローセンサ。
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