JP4705766B2 - 流量センサ - Google Patents

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本発明は、流路中を流れる流体の流量を測定する流量センサに関し、特に微少流量の測定に優れた流量センサに関する。
流体の流量を測定する流量センサとして、流体によりヒータの熱が奪われることによる電力の変化や抵抗の変化を検出して流体の流量を検出する熱式流量センサが公知である。そして、このような熱式流量センサであって腐食性の被測定流体の流量を測定するのに適した特別な構造の流量センサも知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる特許文献1に記載の流量センサは、図8及び図9に示すように、ベース90と、ベース上に被着されかつ流路の一部をなす凹み部100aを有したセンサチップ100を備えている。そして、この流量センサ9のベース90にはセンサチップ100の凹み部100aと協働して被測定流体の流路をなす第1流路91と第2流路92がセンサチップ100の凹み部底面100bに対して垂直に形成されている。なお、センサチップ100は例えば板厚が20μm〜150μm程度の薄肉部を形成する凹み部を備えた板厚0.2〜3mm程度のステンレス板でできており、薄肉部の流路側と反対側面に電気絶縁膜を形成し、その上に流体の流量測定用の上流側温度センサ111及び下流側温度センサ112が形成されるとともに、これらの温度センサ111,112に挟まれた位置にヒータ113が形成されている。また、電極パッドや配線用金属薄膜(図8及び図9では図示せず)がこれらの温度センサ111,112やヒータ113の適所に形成されている。
そして、かかる流量センサ9においては、ヒータ113の発熱が主にセンサチップ100の薄肉部を伝わってセンサチップ100の上流側温度センサ形成領域と下流側温度センサ形成領域に熱伝導されるが、被測定流体が流路を流れることで流量に応じて上流側温度センサ111と下流側温度センサ112との間に温度差が生じ、この温度差を出力感度として取り出し、流量を測定するようになっている。なお、このようにセンサチップ100に薄肉部を形成する凹み部を備えたステンレス板を用いるとともにセンサ形成面の反対側を流路とすることで、被測定流体が腐食性流体であっても長期間にわたって流量測定ができるようにしている。
特開2002−122454号公報(3−4頁、図1)
特許文献1に記載された流量センサでは、図8及び図9に示すように、センサチップ100の上流側温度センサ111よりもさらに上流側に第1流路91のセンサチップ側開口部91aが形成されるとともに、センサチップ100の下流側温度センサ112よりもさらに下流側に第2流路92のセンサチップ側開口部92aが形成されている。そして、流路の一部をなすセンサチップ100の凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分から下流側温度センサ裏側部分においては、被測定流体がセンサチップ凹み部底面(図中凹み部上面)100bに沿って平行に流れるようになっている(図8中、中央の矢印参照)。
しかしながら、このように被測定流体が流路のセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ111と下流側温度センサ112が形成された裏側部分に沿って平行に流れていると、上流側温度センサ111の温度が比較的低下しにくい一方、下流側温度センサの温度は一旦上昇するが再び低下しやすい傾向にある。すなわち、上流側温度センサ111の温度が流量の増減に応じて変化しにくく、下流側温度センサ112の温度も後述する極大温度に達しやすい。そのため、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112との間に温度差が生じにくい。特に、被測定流体が微少流量の場合、このような流路構造では、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112との温度差が生じにくく、正確な流量測定を行いにくい問題がある。
本発明の目的は、流路中を流れる流体の流量を正確に測定する流量センサであって、特に微少流量の測定を正確に行うのに適した流量センサを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明による流量センサは、
ベースと、前記ベース上に被着され一面に凹み部を有したセンサチップであって、前記センサチップの凹み部によって当該センサチップに薄肉部が形成され、前記センサチップの前記凹み部と反対側面にヒータを備えるとともに上流側温度センサと下流側温度センサを備えたセンサチップとを有し、前記センサチップの凹み部と協働して被測定流体の上流側流路をなす第1流路と下流側流路をなす第2流路が前記ベースに形成された流量センサにおいて、前記第2流路のセンサチップ側開口部の上流側端面が前記下流側温度センサの形成領域よりも上流側となるように前記ベースに形成され
前記ヒータの発熱による熱が熱伝導によって前記センサチップの薄肉部を介して前記各温度センサに伝わり、前記被測定流体の流れに伴う熱伝達による各温度センサにおける熱バランスが崩れに基づいて前記被測定流体の流量を検出するようになったことを特徴としている。
被測定流体の下流側流路をなす第2流路のセンサチップ側開口部がこのように形成されていることで、被測定流体の流速がセンサチップ凹み部底面の下流側温度センサ裏側部分やその近傍領域において急激に低下し、流量が増えてもセンサチップの下流側温度センサが冷やされにくくなる。これによって、下流側温度センサの形成領域が極大温度に達しにくくなるとともに、上流側温度センサと下流側温度センサの温度差が流量に応じて変化しやすくなり、流量に応じた出力感度を高め、たとえ微少流量であっても正確な流量測定を行えるようになる。
本発明の流量センサによると、流路中を流れる流体の流量を正確に測定でき、特に微少流量の測定を正確に行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態にかかる流量センサについて図面に基づいて説明する。本発明の一実施形態にかかる流量センサ1は、図1及び図2に示すようにベース10と、ベース上にレーザー溶接等によって被着されかつ流路の一部をなす凹み部100aを有したセンサチップ100を備えている。そして、ベース10にはセンサチップ100の凹み部100aと協働して被測定流体の流路をなす第1流路11と第2流路12がセンサチップの凹み部底面100b(図1においては凹み部上面)に対して垂直に形成されている。すなわち、センサチップ100をベース10に被着させることで、ベース10の第1流路11、センサチップ100の凹み部100a、ベース10の第2流路12の順に被測定流体が流れるようになっている(図1中、矢印参照)。なお、本実施形態及びその変形例においては、流量センサの流路を流れる被測定流体は、例えば半導体製造プロセスに使用するプロセスガスなどの気体とする。
センサチップ100は板厚が20μm〜150μm程度の薄肉部を形成する凹み部を備えたステンレス板でできており、薄肉部の流路側とは反対側の面に電気絶縁膜を形成し、その上に流量測定用の上流側温度センサ111、下流側温度センサ112が形成されるとともに、これらの温度センサ111,112に挟まれた位置にヒータ113が形成されている。また、これらの温度センサ111,112やヒータ113の適所に電極パッド及び配線用金属薄膜(図示せず)が形成されている。
センサチップ100の凹み部100aは図2に示すように、上面視で両端が半円弧状をなすいわゆるトラック形状を有しており、例えばフォトリソグラフィー技術とエッチング技術、エンドミルまたその複合技術によって形成されている。フォトリソグラフィー技術とエッチング技術による場合、まず、ステンレス製のウエハの裏面全体にレジストをスピンコートなどによって塗布するか、ドライフィルムレジストを貼り付け、紫外線又は、電子線を照射してレジストにマスクパターンを転写露光する。次いで、露光されたレジストを現像液で現像し、レジストの不要部分を除去する。そして、露光された部分を残すか除去するかでネガ型レジスト又はポジ型レジストを選択する。レジストが除去された部分はウエハが露出しており、この露出している部分をウエットエッチング又はドライエッチングによって厚さが20μm〜150μm程度になるまで除去する。そして、残ったレジストを剥離、除去して洗浄し、凹み部100aを形成する。ウエットエッチングの場合は、エッチング液に浸漬又はスプレーして少しずつ溶解させる。ドライエッチングの場合は、スパッタ、プラズマ等によってイオンや電子をウエハの裏面に照射し、少しずつ削っていくことで形成する。
一方、凹み部100aの被測定流体と接しない反対側面(図1中、センサチップ100の上面)は鏡面研磨され、図示しない電気絶縁膜が所定の領域に形成されている。電気絶縁膜は、例えば厚さが数千オングストロームから数μm程度の薄い酸化シリコン(SiO)膜、窒化シリコン膜、アルミナ、ポリイミド膜等によって形成される。酸化シリコン膜は、例えばスパッタリング、CVDあるいはSOG(スピンオングラス)等により形成される。また、窒化シリコン膜は、スパッタリングやCVD等によって形成される。
また、電気絶縁膜の表面には、複数の電極パット及び配線用金属薄膜を含む上流側温度センサ111、下流側温度センサ112、ヒータ113に加えて周囲温度センサ(図示せず)がセンサデバイス110として周知の薄膜成型技術によって形成されている。センサデバイス110は、例えば、白金等の材料を電気絶縁膜の表面に蒸着し、所定のパターンにエッチングすることにより形成される。また、上流側温度センサ111、下流側温度センサ112、ヒータ113及び周囲温度センサは、配線用金属薄膜を介して電極パットにそれぞれ電気的に接続されている。なお、各電極パットは、ここでは詳細には図示しないが、センサチップ100とベース10との当接部周囲を例えばレーザーなどで溶接した後、センサチップ100の近傍に設けたプリント配線板の電極端子にボンディングワイヤを介して接続されるようになっている。
ヒータ113は(周知の制御回路により)周囲温度センサで検出された温度よりも、ある一定温度高く制御されるようになっている。上流側温度センサ111及び下流側温度センサ112はブリッジ回路をなし、ヒータ113の発熱による熱が熱伝導によってセンサチップ100の薄肉部を介して温度センサ111,112に伝わり、被測定流体の流れに伴う強制対流(熱伝達)によって上流側温度センサ111の形成領域と下流側温度センサ112の形成領域とで両温度センサ111,112における熱バランスが崩れ、各温度センサ111,112の抵抗値が互いに異なって変化することで、この抵抗値変化量の差を上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差すなわち被測定流体の流量として検出するようになっている。
一方、ベース10は、センサチップ100と同様にステンレスでできており、図1及び図2に示すように、厚さが例えば5mmの細長い上面視矩形の板体からなる。そして、上述したように流路の一部をなす2つの貫通孔である第1流路11及び第2流路12がセンサチップ凹み部裏面100bに垂直な向きで並行して穿設されている。なお、第1流路11及び第2流路12は、例えばドリルなどを用いた機械加工によって形成されている。また、第1流路11のセンサチップ側開口部11aはセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分101b(図1参照)に対応する位置に形成されている。そして、第1流路11のセンサチップ側開口部11aは上面視で円形を有し(図2参照)、上流側温度センサ111及びその近傍領域を含む開口面積を有している。一方、第2流路12のセンサチップ側開口部12aは上面視で楕円に近いトラック形状をなし、その開口面積は第1流路11のセンサチップ側開口部11aの開口面積よりもかなり大きくなっている。そして、第2流路12のセンサチップ側開口部12aの上流側端面12b(図2参照)は下流側温度センサ112の形成領域よりも上流側に形成され、かつそのセンサチップ側開口部12aの下流側端面12c(図2参照)は下流側温度センサ112の形成領域よりもかなり下流側に形成されている。これによって、被測定流体は第1流路11のセンサチップ側開口部11aから上流側温度センサ111に向かって噴流となって勢い良く吹き出し、このセンサチップ側開口部11aからの噴流がセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分101b又はその近傍領域に吹き付けられ、センサチップ凹み部100aのヒータ裏側部分103b(図1参照)に沿って流れ、一部が下流側温度センサ裏側部分102b(図1参照)に達するととともに、残りが第2流路12のセンサチップ側開口部12aから第2流路内に流れ込む。その結果、被測定流体の流れが下流側温度センサ裏側部分102bにおいて緩流となる。
第1流路11のセンサチップ側開口部11aがこのように形成されていることで、被測定流体の流量が増えるに応じて上流側温度センサ111への噴流の吹き付け作用によって上流側温度センサ111を効率的に冷やすことができるようになる。
また、第2流路12のセンサチップ側開口部12aがこのように形成されていることで、センサチップ凹み部100aの下流側温度センサ裏側部分102bにおける被測定流体の流速が低下し、流量が増えても下流側温度センサ112が冷やされにくくなる。その結果、下流側温度センサ112の形成部分が極大温度に達しにくくなり、測定可能な流量域が従来に比べて広くなる。なお、ここでいう極大温度とは以下の温度、すなわち流量の増加に応じて下流側温度センサ112の温度はいったん上昇するが、さらに流量が増加することで、下流側温度センサ112も上流側温度センサと同様に被測定流体によって冷やされて温度上昇しなくなり、下降に転じる温度である。
これによって、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差が流量に応じて変化しやすくなり、流量に応じた出力感度を高め、たとえ微少流量であっても流量に応じた正確な測定が可能となる。
続いて、上述した実施形態の様々な変形例について説明する。まず、上述した実施形態の第1の変形例について図3に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
第1の変形例にかかる流量センサ2は、上述の実施形態とは異なり、第1流路21にステンレスでできた細長円筒体25を圧入し、細長円筒体25のセンサチップ側端部をセンサチップ側開口部21aから若干突出させて突き出し部25aを形成させている。そして、突き出し部25aの先端はセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分101bに当接することなくわずかな隙間をあけて位置している。なお、この突き出し部25aを、ベース20の第1流路21に細長円筒体25をそのセンサチップ側端面を上述した位置まで圧入することによって形成する代わりに、ベース20のセンサチップ側接合面を例えばエンドミルなどを用いて機械加工により円筒状の突き出し部のみを残すように形成しても良い。
このような構造を有することによって、第1流路21から流れ出る噴流をセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分101bに効率的に吹き付けることができ、流量の増加に応じて上流側温度センサ111を効果的に冷やすことができるようになる。その結果、流量の増加に応じて上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差を大きくすることができ、これによってたとえ微少流量であっても正確な流量測定を可能とする。
続いて、上述した本実施形態の第2の変形例について図4に基づいて説明する。第2の変形例にかかる流量センサ3は第1流路31が当該第1流路31の開口部31aより上流側に向けてセンサチップ凹み部100aの流路上流方向に対して鋭角をなすように形成されるとともに(図4中、90°より小さい鋭角である角度α参照)、第1流路31の中心軸線がセンサチップ100の上流側温度センサ111の形成位置(上流側温度センサ裏側部分101b)と交差するように形成されている(図4中の中心軸線CL参照)。
第1流路31がこのように形成されていることで、第1流路31のセンサチップ側開口部31aから流れ出る被測定流体がセンサチップ凹み部底面100bの上流側温度センサ裏側部分101bにあたった後にその場にとどまることなく下流側に円滑に流れていく。これによって、センサチップの凹み部100aの上流側に被測定流体の滞留が生じることがなくなる。その結果、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差が流量に応じて変化しやすくなり、流量に応じた出力感度を高め、たとえ微少流量であっても正確な流量測定を行えるようになる。
続いて、上述した実施形態の第3の変形例について図5に基づいて説明する。第3の変形例にかかる流量センサ4は、ベース40に形成された第2流路42が、上述の実施形態及びその変形例とは異なりセンサチップ100の凹み部底面100bに沿って延在形成されている。そして、下流側温度センサ112とヒータ113との間に段部42sを設けることによって、この第2流路42の流路断面積が段部42sから下流側に急激に大きくなっている。これによって、被測定流体が同一流量であってもその流速がこの段部から下流側において急激に低下し、センサチップ凹み部底面100bの下流側温度センサ裏側部分102bにおける被測定流体の流速も低下し、下流側温度センサ112が冷やされにくくなる。また、ベース40の第1流路41は上述の実施形態と同様にそのセンサチップ側開口部41aの開口面積が上流側温度センサ111の形成面積とほぼ同等の大きさに形成されているので、第1流路41のセンサチップ側開口部41aから流れ出る被測定流体が噴流となってセンサチップ凹み部底面100bの上流側温度センサ裏側部分101bに吹き付けられ、上流側温度センサ111を効果的に冷やすことができる。これらによって、下流側温度センサ112の形成部分が極大温度に達しにくくなるとともに、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差が流量に応じて変化しやすくなり、流量に応じた出力感度を高め、たとえ微少流量であっても正確な流量測定を行えるようになる。
上述した図1に示す実施形態にかかる流量センサ1と従来例として記載した流量センサとの流量検出特性を比較する評価試験シミュレーションを行ったので、このシミュレーション結果について説明する。図6はかかるシミュレーション結果を示した流量検出特性図であり、この検出特性図において横軸は各流量センサの流路を流れる流量を示し、縦軸は下流側温度センサの測定温度と上流側温度センサの測定温度の温度差を示している。なお、この温度差が全流量域において大きければ大きいほど、流量の増減に応じた検出感度が優れていることを表している。
かかるシミュレーション結果から明らかなように、従来例の流量センサに較べて本実施形態にかかる流量センサの方が全ての流量域において2倍以上の検出感度を有することが分かった。そして、特に微少流量においては両者の間でこの検出感度が大きく異なり、被測定流体が微少流量の場合には、本実施形態における流量センサを用いれば極めて高感度な測定が可能であることが分かった。
なお、上述の実施形態及びその変形例においては、第1流路のセンサチップ側開口面積がセンサチップの上流側温度センサの形成面積より若干大きい程度となる構成であったが、必ずしもこのように限定されず、第1流路のセンサチップ側開口面積が例えば上流側温度センサの形成面積と同等の開口面積を有するようにしても良く、若しくは図7に示すようにセンサチップ100の上流側温度センサ111及びその近傍領域を十分含む程度まで大きくても良い。このような構成であっても、第1流路51のセンサチップ側開口部51aから流れ出る被測定流体がセンサチップ凹み部100aの上流側温度センサ裏側部分101b及びその近傍領域に吹き付けられ、図8及び図9に示す従来の流量センサ9よりも上流側温度センサ111をより冷やすことが可能となる。これによって、上流側温度センサ111と下流側温度センサ112の温度差をいかなる流量域においても十分に生じさせることができ、正確な流量測定を可能とする。
なお、図7に示す構成は、第1流路51と第2流路52がセンサチップ100のヒータ形成部に関して図中左右対称に形成されている。また、センサチップ上の上流側温度センサ111と下流側温度センサ112もセンサチップ100のヒータ形成部に関して図中左右対称に形成されている。このような対称構造を有することで、被測定流体が逆流した場合(図中矢印の逆方向から被測定流体が流れた場合)であっても、逆流した被測定流体の流量を測定可能である。
以上説明したように、本発明にかかる流量センサの基本原理はセンサチップの上流側温度センサ形成領域に対応するセンサチップ凹み部底面に被測定流体の流れを積極的にあてるとともに、下流側温度センサ形成領域に対応するセンサチップ凹み部底面では流速を低くしたことにある。また、ベースの流路断面積を変えることで、センサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分にあたる被測定流体の流速をセンサチップ凹み部の下流側温度センサ裏側部分における流速よりも高くした。このように上流側温度センサにおける流速が高くなることで上流側温度センサにおける強制対流伝達が大きくなり、下流側温度センサにおける流速が低くなることで下流側温度センサにおける強制対流伝達が小さくなる。
これによって、上流側温度センサは冷やされやすく、下流側温度センサが冷やされにくくなり、下流側温度センサの形成領域が極大温度に達しにくくするとともに、上流側温度センサと下流側温度センサとの流量に応じた検出温度差を大きくとれるようになった。
また、その変形例として、薄肉部を形成する凹み部を備えたセンサチップにヒータや温度センサを備え、上流側温度センサに流速の高い被測定流体が直接あたるようにベースのセンサチップ側開口部を細く絞り、この開口部をセンサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分に対応するように配置した。
また、更なる変形例としてセンサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分に被測定流体をあてるために、ベースの第1流路のセンサチップ側開口部に突き出し部を備え、被測定流体の流出部を温度センサにより接近させた形状にすることで、上流側温度センサの強制対流による熱伝達を促進するようにした。
また、ベースの下流側流路である第2流路の流路構造を変えることで、下流側温度センサ近傍の被測定流体の流速を低くするようにした。
これらの変形例によってもセンサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分における強制対流による熱伝達が促進されるとともに、センサチップ凹み部の下流側温度センサ裏側部分における強制対流による熱伝達が低減され、上流側温度センサと下流側温度センサの流量変化に対する温度差を大きくして出力感度を向上できるようになった。
なお、上述した実施形態及びその第1の変形例、第3の変形例においては、第1流路をセンサチップ凹み部や第2流路に比べて全体的に絞った構成となっていたが、このように第1流路を全体的に絞る代わりに、センサチップ側開口部である吹き出し口のみを絞っても良い。いずれの絞り方でもセンサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分やその近傍領域に噴流を吹き付けることができる。
また、ベースやセンサチップの材質はステンレスには限定されず、サファイア、セラミックスなどの耐腐食性材料、流体が非腐食性の場合であればシリコン、ガラスなど、いずれの材質でも良い。
また、センサチップ上に形成されたヒータ(発熱部)は、白金薄膜部等の金属薄膜抵抗体に限定されるものではなく、ポリシリコンやサーミスタ等の発熱が可能な素子であれば何れでもかまわない。また、上流側温度センサや下流側温度センサ、周囲温度センサをなす温度センサも白金薄膜抵抗体限定されるものではなく、ポリシリコン、サーミスタ、サーモパイル、表面弾性波デバイス(Surface Acoustic Wave Device)等の電気的に温度情報を出力できる感温体であればどのようなものでもかまわない。
また、センサチップに形成されるヒータと温度センサとは、上述のように3エレメントタイプの代わりに2エレメントタイプであっても良い。具体的には、上述のように、ヒータを上流側温度センサと下流側温度センサとの間に3エレメントタイプとして独立して形成しても良く、2つの温度センサをそれぞれヒータとして自己発熱させる2エレメントタイプとして形成しても良い。
また、センサチップの凹み部の形状は、細長矩形形状であっても良く、又は上述したようにいわゆるトラック形状と呼ばれる両端が半円状をなす異形楕円形状であっても良い。
また、上述の実施形態及びその変形例において被測定流体は気体として記載したが、必ずしもこれに限定されず、液体であってもかまわない。被測定流体が液体であっても、センサチップ凹み部の上流側温度センサ裏側部分やその近傍領域に液体を積極的にあてることでこの部分を十分に冷やすことができるととともに、ベースの第2流路の形状や配置を工夫することでセンサチップ凹み部の下流側温度センサ裏側部分が冷やされにくくでき、上述した本発明の作用を十分発揮することが可能となる。
本実施形態に関するフローセンサは、上述のとおり、微少流量の測定に優れるが、必ずしもこれに限定されることなく様々な流量域の流量測定が可能である。また、その構造上腐食性流体の流量測定に適するが、必ずしもこのような流体の流量測定に限定されるものではない。
本発明の一実施形態にかかる流量センサの部分的断面図である。 図1に示した流量センサをセンサチップ上面側から見た平面図である。 図1に示した流量センサの第1の変形例を示す部分的断面図である。 図1に示した流量センサの第2の変形例を示す部分的断面図である。 図1に示した流量センサの第3の変形例を示す部分的断面図である。 本発明の実施例において本実施形態の流量センサと従来の流量センサとの検出特性をシミュレーションによって比較した流量検出特性図である。 本発明の範囲に含まれる流量センサの部分的断面図である。 従来の流量センサを示した部分的断面図である。 図8に示した従来の流量センサをセンサチップ上面側から見た平面図である。
符号の説明
1,2,3,4 流量センサ
9 流量センサ
10 ベース
11 第1流路
11a センサチップ側開口部
12 第2流路
12a センサチップ側開口部
12b 上流側端面
12c 下流側端面
20 ベース
21 第1流路
21a センサチップ側開口部
25 細長円筒体
25a 突き出し部
31 第1流路
31a 開口部
40 ベース
41 第1流路
41a センサチップ側開口部
42 第2流路
42s 段部
51 第1流路
51a センサチップ側開口部
52 第2流路
52a センサチップ側開口部
90 ベース
91 第1流路
91a センサチップ側開口部
92 第2流路
92a センサチップ側開口部
100 センサチップ
100a (センサチップ)凹み部
100b (センサチップ)凹み部底面
101b 上流側温度センサ裏側部分
102b 下流側温度センサ裏側部分
103b ヒータ裏側部分
110 センサデバイス
111 上流側温度センサ
112 下流側温度センサ
113 ヒータ

Claims (1)

  1. ベースと、
    前記ベース上に被着され一面に凹み部を有したセンサチップであって、前記センサチップの凹み部によって当該センサチップに薄肉部が形成され、前記センサチップの前記凹み部と反対側面にヒータを備えるとともに上流側温度センサと下流側温度センサを備えたセンサチップとを有し、
    前記センサチップの凹み部と協働して被測定流体の上流側流路をなす第1流路と下流側流路をなす第2流路が前記ベースに形成された流量センサにおいて、
    前記第2流路のセンサチップ側開口部の上流側端面が前記下流側温度センサの形成領域よりも上流側となるように前記ベースに形成され
    前記ヒータの発熱による熱が熱伝導によって前記センサチップの薄肉部を介して前記各温度センサに伝わり、前記被測定流体の流れに伴う熱伝達による各温度センサにおける熱バランスが崩れに基づいて前記被測定流体の流量を検出するようになったことを特徴とする流量センサ。
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