JP2010286393A - 流量検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体の平板状基材に発熱体と吸気温検出体とが形成されたセンサ素子、このセンサ素子が配置される組込み部を有し被計測流体が流通する管路に設置される支持体を備え、支持体の組込み部に配置されたセンサ素子と支持体間で形成された間隙(隙間)に、被計測流体(底流)が流入するのを防止する充填剤(底流防止剤)を充填すると共に、充填剤が間隙(隙間)からはみ出すのを防止する溜まり部を設けたものである。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1に記載されているように、半導体の平板状基材裏面にこの平板状基材を部分的に除去して形成された空洞部と、この空洞部の上部に検出素子が形成された薄膜部とを有するセンサ素子を備え、センサ素子の片側のみを支持体組込み部に接着する浮動的支持構造(片持ち支持構造)を持つ流量検出装置が公知である。
例えば、図17(a)に示すように支持体組込み部2の側面に底流防止剤3を塗布した後、図17(b)に示すようにセンサ素子1を支持体組込み部2に組込むことによって、センサ素子1と支持体組込み部2との隙間に底流防止剤3を充填し、底流の発生を防止しようとするものである。
底流防止剤3がセンサ素子1表面にはみ出すと、センサ素子1表面の被計測流体の流れ15に乱れが生じ、流量検出装置の出力にばらつきが生じる。また、底流防止剤3がセンサ素子1裏面の空洞部4にはみ出すと、はみ出した底流防止剤3が薄膜部23に付着し、薄膜部23を損傷させる危険性がある。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、生産性が高く、流量検出精度および感度の良い流量検出装置を得ることを目的としている。
同時に余分な底流防止剤の空洞部へのはみ出しも防止でき、薄膜部を損傷させることがなく生産性を向上できる。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
この実施の形態1にかかる流量検出装置は、半導体の平板状基材の裏面に、平板状基材を部分的に除去して空洞部が形成され、空洞部の上部に検出素子が形成された薄膜部を有するセンサ素子と、センサ素子が配置組込まれる組込み部を有し、被計測流体が流通する管路に設置される支持体を備えた流量検出装置であって、センサ素子は支持体組込み部にダイボンド剤で接着され、センサ素子と支持体組込み部との隙間(間隙)は、被計測流体が流れ込む、いわゆる底流の流れ込みを防ぐ底流防止剤で充填され、さらにこの隙間には底流防止剤のはみ出しを防止する溜まり部を設けたものである。
図4において、センサ素子1は、半導体の平板状基材6の裏面に、この平板状基材6を部分的に除去して空洞部4が形成され、空洞部4の上部に検出素子(被計測流体の流量を検出する感熱抵抗)が形成された薄膜部23を有している。また、平板状基材6の裏面の長手両端縁部には、後述する機能を持つ切欠き7a、7bを有し、実施の形態1における切欠き7a、7b7は、センサ素子1の両端まで達するものである。
図1、図6において、シリコンの平板状基材(基板)6の表面に、窒化シリコン等よりなる絶縁性の支持膜がスパッタまたはCVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法で成膜され、その上に白金等の感熱抵抗膜よりなる発熱体5が蒸着やスパッタ等の方法で着膜される。
発熱体5には写真製版、ウェットあるいはドライエッチング等の方法を用いて電流路であるパターンが形成される。また、白金等の感熱抵抗膜よりなる吸気温検出体8も同様の方法で形成される。さらに、発熱体5の上には窒化シリコン等よりなる絶縁性の保護膜(図示せず)がスパッタまたはCVD等の方法で成膜される。
さらに、平板状基材6の支持膜が形成されている面とは反対に形成された裏面保護膜にエッチングホールを形成後、ウェットエッチングを行い図5及び図6(b)に示すように空洞部4及び切欠き7を同時に形成する。
このとき、空洞部4は発熱体5の下部に形成し,また、切欠き7は、図6(b)に示すように、その頂点位置29がセンサ素子の境界28と重なるように形成する。
このようにしてシリコンの平板状基材(基板)6に複数のセンサ素子を形成する。
その後、図6(c)に示す領域(以下「ダイシング領域」という)21をダイシングソーで切断することにより、図6(d)に示すようなセンサ素子1が得られる。さらに、図5、図6(d)のセンサ素子をダイシングソーで碁盤状に分割することにより図7に示すチップ(方形)状のセンサ素子1が得られる。なお、平板状基材6の長手両端縁部に形成された切欠き7は、図6(d)に示すように、それぞれ上流側切欠き7aと下流側切欠き7bを形成し、上流側となる切欠き7aは、後述するように溜まり部14の一部として機能する。
支持体組込み部2は、センサ素子1が完全に収容される形状である。また、支持体組込み部2の上流側底面には後述する溜まり部の一部を形成する例えば長溝13が設けられる(図2参照)。
センサ素子1は、支持体組込み部2にダイボンド剤11で接着される(図3参照)。
ダイボンド剤11は、支持体組込み部2の底面にあらかじめ塗布しておき、その塗布領域は、センサ素子1の電極10a,10bの裏側と接触する領域(支持体組込み部2の底面で電極10a、10bが真下に位置するセンサ素子1の領域)である。
センサ素子1を支持体組込み部2へ組込んだ時、底流防止剤3は、図8(c)に示すようにセンサ素子1と支持体組込み部2の隙間(間隙)Gを移動し支持体12表面と同じ高さまで充填された状態となる。このとき、ダイボンド剤11には熱硬化型の接着剤を、底流防止剤3には常温硬化型の接着剤を用いる。
常温硬化型の接着剤は、熱硬化型に比べ硬化時に広がりにくく、底流防止剤3に用いることで硬化時のセンサ素子1の表面や空洞部4へのはみ出しを防止できる。
次に図9及び図10に基づいて実施の形態2を説明する。
この実施の形態2におけるセンサ素子1の製造プロセスは、実施の形態1と同様である。複数のセンサ素子からなる平板状基材(基板)6を分割するとき、実施の形態1と同様にセンサ素子1裏面の長手両端縁部に、切欠き7(7a、7b)が同時に形成されるが、図10に示すように、一方の切欠きすなわち下流側切欠き7bを他方の切欠きすなわち上流側切欠き7aに対し小さく作製する方法が採用されている。
図10(a)に示した平板状基材6に空洞部4及び切欠き7を形成するまでのセンサ素子1の製造プロセスは、実施の形態1と同様である。すなわち図10(b)に示すように、空洞部4は実施の形態1と同様、発熱体下部に形成する。なお、28はセンサ素子を分割する際の境界を示すものである。
このとき、切欠き7は、図10(e)に示すようにその頂点位置29をセンサ素子の境界28から矢印24の方向にオフセットさせた位置にエッチングにより形成する。
その後、図10(c)に示すように、センサ素子の境界28を中心とするダイシング領域21を、ダイシングソーで切断することにより図10(d)のように下流側切欠き7bを上流側切欠き7aより小さく作製する。
センサ素子1と支持体組込み部2との上流側の隙間を底流防止剤3で充填することにより、底流を防止することができる。しかし、下流側の隙間を大きくすると下流側の隙間より底流が回り込みやすくなり、流量検出精度の低下を招く危険性がある。また、切欠き7を作製することでセンサ素子1の強度が低下するため、下流側の不要な切欠き7bは作製しないことが望ましい。この実施の形態2によれば、下流側切欠き7bを上流側切欠き7aより小さく作製するため、流量検出精度の低下を防止し、センサ素子1の強度の低下を抑制することができる。
図11及び図12に基づいて実施の形態3を説明する。
実施の形態3では、図11、図12に示すように、実施の形態2におけるセンサ素子1の上流側及び下流側切欠き7a、7bを、流量検出に寄与する領域にのみ設けたものである。ここで、流量検出に寄与する領域とは、発熱体5及び吸気温検出体8の存在する、被計測流体に晒される領域27のことである。
図13及び図14に基づいて実施の形態2を説明する。
この実施の形態4は、実施の形態2におけるセンサ素子1裏面端部の上流側切欠き7aを、チップ分割直前に図14に示すように平板状基材6裏面からダイシングソー19で削ることにより作製したものである。なお、この実施の形態4では下流側切欠き7bは作製しない。
図15及び図16に基づいて実施の形態2を説明する。
この実施の形態5では、隙間(間隙)Gを拡幅して支持体組込み部2の上流側側面に凹部(拡幅部)16を設け、底流防止剤3の溜まり部14としたものである。さらにこの凹部(拡幅部)16は、図16に示すように、上流側切欠き7a及び長溝13と共に溜まり部14を構成する。
3 底流防止剤 4 空洞部
5 発熱体 6 平板状基材(基板)
7 切欠き
7a 上流側切欠き 7b 下流側切欠き
8 吸気温検出体
9a、9b リード部
10a、10b 電極
11 ダイボンド剤 12 支持体
13 長溝 14 溜まり部
15 被計測流体の流れ 16 凹部(拡幅部)
17 ワイヤ 18 底流防止剤の流れ
19 ダイシングソー 21 ダイシング領域
23 薄膜部 24 オフセット方向
26 被計測流体に晒されない領域
27 被計測流体に晒される領域
28 センサ素子の境界
29 切欠き7の頂点位置。
Claims (13)
- 平板状の半導体基板の裏面を部分的に除去した空洞部を有しこの空洞部の上部に被計測流体の流量を検出する感熱抵抗が形成された薄膜部を有するセンサ素子と、上記センサ素子が配置される組込み部を有し上記被計測流体が流通する管路に設置される支持体とを備え、上記センサ素子と上記組込み部との間に形成された間隙に、上記被計測流体が上記空洞部に流入するのを防ぐ底流防止剤が充填されると共に、上記底流防止剤を滞留させる溜まり部を設けたことを特徴とする流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記センサ素子裏面の端部に形成された切欠きであることを特徴とする請求項1記載の流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記組込み部の底面に設けた溝であることを特徴とする請求項1記載の流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記組込み部の側面に上記間隙を拡幅して設けた凹部であることを特徴とする請求項1記載の流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記センサ素子裏面の端部に形成された切欠き、上記組込み部の底面に設けた溝、上記組込み部の側面に上記間隙を拡幅して設けた凹部のうち二種類以上の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1記載の流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記管路の上流側の間隙にのみ設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の流量検出装置。
- 上記溜まり部は、上記被計測流体の流量検出に寄与する感熱抵抗の位置に対応した部分にのみ設けたことを特徴とする請求項1から6にいずれか一項に記載の流量検出装置。
- 上記空洞部と上記切欠きとは、上記半導体基板を同時にエッチングすることで形成されることを特徴とする請求項2記載の流量検出装置。
- 上記センサ素子は、複数のセンサ素子からなる基板をダイシングソーで切断することにより得られるものであって、上記切欠きは、上記基板を切断する際に上記ダイシングソーで形成されることを特徴とする請求項2に記載の流量検出装置。
- 上記切欠きは、上記管路の上流側及び下流側に設け、上流側に設けた切欠きより下流側に設けた切欠きの方が小さいことを特徴とする請求項2に記載の流量検出装置。
- 上記センサ素子は、エッチングによって上記管路の上流側及び下流側に上記切欠きが形成された複数のセンサ素子からなる基板を上記切欠きの位置で切断することにより得られるものであって、下流側に設けた上記切欠きが上流側に設けた上記切欠きより小さくなるように、上記複数のセンサ素子の切断位置に対してエッチングする領域をオフセットさせてエッチングしたことを特徴とする請求項10記載の流量検出装置。
- 上記底流防止剤は常温硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1から11にいずれか一項に記載の流量検出装置。
- 上記底流防止剤は上記支持体の表面と同じ高さまで充填されていることを特徴とする請求項1から12にいずれか一項に記載の流量検出装置。
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