JP2009270930A - 熱式流量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】流量検出部の封止樹脂による汚損を抑制しつつ、流量検出信頼性の低下が抑制された熱式流量センサを提供する。
【解決手段】基板の一面上に流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、該センサチップと、パッドと電気的に接続されたリードの一部とを搭載するベース部材と、センサチップとリードとの電気的な接続部を被覆するようにベース部材上に塗布された封止樹脂と、流量検出部の形成領域とパッドの形成領域とを分けるように、基板の一面上に配置され、封止樹脂の流動を抑制するダムと、を有する熱式流量センサであって、封止樹脂に作用するダムと封止樹脂との間の界面張力が、封止樹脂自体に掛かる重力によって封止樹脂が流動しようとする力よりも大きく、基板の一面からの高さは、封止樹脂よりもダムのほうが低く構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば内燃機関の吸入空気流量の測定に用いられる熱式流量センサに関するものである。
熱式流量センサは、一般的に、流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドを有するセンサチップと、パッドにワイヤを介して接続されるリードと、センサチップとリードとを固定するベース部材とを有している。そして、流量検出部が被検出流体にさらされるように流路内に設置される。したがって、センサチップのパッド、ワイヤ、及びリードにおけるワイヤとの接続部(以下、これらを接続部と示す)が被検出流体にさらされると、ワイヤが切れたり、ワイヤのボンディング部分が剥がれるなどの問題が生じ、センサチップとリードとの接続信頼性が低下する虞がある。
そこで、従来は、例えば特許文献1に開示されているように、センサ素子(流量検出部)を露出させつつ、接続部を樹脂によって封止するようにしている。
特開平7−174599号公報
しかしながら、特許文献1に示される熱式流量センサは、上型と下型を型閉めしてなるキャビティ(空間)内に接続部を配置し、このキャビティ内に樹脂を注入することにより、センサ素子を露出させつつ、接続部を樹脂によって封止している。したがって、センサチップの小型化に応じた最小寸法の金型を成形しなければならないため、コストがかさむ。
これに対し、例えばディスペンサを用いて、液状の封止樹脂を接続部に塗布することにより、接続部を樹脂によって封止する方法も考えられる。この方法は金型を必要としないので、特許文献1に示される接続部を封止する方法に比べて、コストを削減することができる。しかしながら、上記したように、流量検出部を外部に露出させつつ、接続部を樹脂によって被覆しなければならないので、塗布した封止樹脂が流量検出部に流動するのを防止するダムを、センサチップにおけるパッドと流量検出部との間に設けなくてはならない。このダムは、基板からの高さが、接続部を被覆すべく封止樹脂の高さよりも高く設定されており、これにより、封止樹脂をせき止めるようになっている。そのため、封止樹脂の基板からの高さが高くなると、それに応じてダムの基板からの高さも高く設定されることとなる。すると、ダムによって被検出流体に乱流が生じ易くなり、流量検出部の流量検出信頼性が低下する虞がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、流量検出部の封止樹脂による汚損を抑制しつつ、流量検出信頼性の低下が抑制された熱式流量センサを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板の一面上に流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、該センサチップと、パッドと電気的に接続された外部接続用端子としてのリードの一部とを搭載するベース部材と、センサチップとリードとの電気的な接続部を被覆するようにベース部材上に塗布された封止樹脂と、流量検出部の形成領域とパッドの形成領域とを分けるように、基板の一面上に配置され、封止樹脂の流動を抑制するダムと、を有する熱式流量センサであって、封止樹脂に作用するダムと封止樹脂との間の界面張力が、封止樹脂自体が流動しようとする力よりも大きく、基板の一面からの高さは、封止樹脂よりもダムのほうが低いことを特徴する。
このように本発明によれば、流量検出部の形成領域とパッドの形成領域とを分けるように、基板の一面上にダムが配置されており、封止樹脂に作用するダムと封止樹脂との間の界面張力が、封止樹脂自体が流動しようとする力よりも大きい構成となっている。すなわち、ダム上において封止樹脂が濡れ広がりにくくなっている。これにより、封止樹脂の塗布時において、封止樹脂の流動がダムによって抑制されるので、流量検出部の封止樹脂による汚損が抑制される。また、上記効果により、基板の一面からの高さは、封止樹脂よりもダムのほうが低い構成となっている。したがって、ダムによる被検出流体の乱流の発生が抑制される。これにより、流量検出部への乱流の影響が抑制され、流量検出信頼性の低下が抑制される。以上により、流量検出部の封止樹脂による汚損を抑制しつつ、流量検出信頼性の低下が抑制された熱式流量センサとなっている。
請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載のように、封止樹脂として、エポキシ系樹脂が用いられており、ダムとして、シリコン系樹脂が用いられているのが好ましい。
請求項1又は請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載のように、基板が平面略矩形状であり、ダムが基板における平面略矩形状の相対する2辺に対して略垂直に配置されると共に、2辺とそれぞれ対向するベース部材の端部まで延設されているのが好ましい。
これによれば、ベース部材を伝って、流量検出部近傍に封止樹脂が回りこむのを防ぐことができる。すなわち、ベース部材上の封止樹脂によって被検出流体に乱流が生じることを抑制し、流量検出信頼性の低下を抑制することができる。
請求項1〜3いずれかに記載の発明は、例えば請求項4に記載のように、流量検出部の入出力を制御する回路を有する回路チップがベース部材上に固定されており、該回路チップを介して、センサチップがリードと電気的に接続されており、センサチップとリードとの接続部として、センサチップと回路チップとの接続部、回路チップ、及び回路チップとリードとの接続部が、封止樹脂によって被覆されている構成を採用することもできる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、図1においては、便宜上、後述する封止樹脂を省略している。
図1及び図2に示すように、熱式流量センサ100は、要部として、流体の流量を検出する流量検出部13が形成されたセンサチップ10と、センサチップ10と電気的に接続された外部接続用端子としてのリード35と、センサチップ10とリード35とを搭載するベース部材50と、センサチップ10とリード35との接続部を被覆し、流量検出部13が露出されるように配置される封止樹脂70と、塗布時における液状の封止樹脂70の流動を抑制するダム90とを備えている。
なお、本実施形態においては、上記した主とする構成要素以外にも、図1及び図2に示すように、ベース部材50上に搭載され、センサチップ10と電気的に接続される回路チップ30を有している。
センサチップ10は、シリコンからなる平板状の基板11を有しており、基板11の表面11aには窒化シリコンよりなる絶縁性の支持膜12が形成されている。そして、支持膜12上には、白金等の感熱抵抗膜よりなる流量検出部13が形成され、流量検出部13の表面上には、流量検出部13を保護するための窒化シリコンよりなる絶縁性の保護膜(図示略)が形成されている。
流量検出部13は、発熱素子14と感温素子15とを有しており、この発熱素子14及び感温素子15は、白金等の感熱抵抗膜を蒸着やスパッタ等の方法で支持膜12上に成膜し、フォトリソグラフィー、ウェット、あるいはドライエッチングなどの方法を用いて、該感熱抵抗膜をパターニングすることにより、電流路16の一部として形成されている。そして、電流路16の端部には、電極としてのパッド17が形成されている。詳しくは、図1に示すように、平面略長方形の基板11の支持膜12上において、その長手方向における一端側に流量検出部13が形成され、他端側にパッド17が形成されている。すなわち、流量検出部13とパッド17が、基板11の長手方向において互いに離れて形成されている。また、基板11の長手方向は、通常時における流体(被検出流体)の流れ方向(図1に示す白抜き矢印)に対して略垂直となっている。なお、基板11における発熱素子14の形成領域下部にはキャビティ18が形成されており、いわゆるダイヤフラム構造となっている。これにより、発熱素子14の形成領域が、基板11における発熱素子14の形成領域以外の他部位と、熱的に絶縁される構成となっている。
発熱素子14は、図1に示すように、流体の流れ方向に対して上流側に配置された発熱素子14aと、下流側に配置された発熱素子14bとを有しており、それぞれ電流の供給量に応じて発熱する機能と、それ自身の抵抗値の変化に基づいて、自身の温度を感知する機能とを有している。したがって、上流側と下流側の各発熱素子14a,14bで生じる熱のうち、流体によって奪われる熱に基づき、流体の流量が検出される。また、上流側の発熱素子14aと下流側の発熱素子14bとのそれぞれに生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流れ方向が検出される。また、感温素子15は、流体の流れ方向に対して上流側に配置された感温素子15aと、下流側に配置された感温素子15bとを有しており、それ自身の抵抗値の変化に基づいて、自身の温度を感知する機能を有している。そして、上流側の発熱素子14aと上流側の感温素子15aとの温度差、及び、下流側の発熱素子14bと下流側の感温素子15bとの温度差に基づき、各発熱素子14a,14bに供給される電流量が制御されるようになっている。なお、上記した流量検出部13は公知であり、詳細については、本出願人による例えば特開2004−205498号公報を参照されたい。
回路チップ30は、基板31にMOSトランジスタやダイオードなどの素子や配線(図示略)を形成することで、流量検出部13の入出力を制御する回路が構成されたものである。回路チップ30を構成する基板31の一面上には、回路の配線端部にパッド32が形成されており、このパッド32の一部が、AlやAuなどのワイヤ33を介して、電流路16の端部に形成されたパッド17と電気的に接続されている。また、パッド32の一部が、ワイヤ34を介して、樹脂からなるベース部材50に固定されて一体化されたリード35の端部と電気的に接続されている。なお、リード35の一部は、外部に露出されており、このリード35を介して、センサチップ10が外部(例えば外部ECU)と電気的に接続可能な構成となっている。このように、本実施形態においては、センサチップ10が、センサチップ10上のパッド17、ワイヤ33、回路チップ30上のパッド32、及びワイヤ34を介して、リード35と電気的に接続された構成となっている。
ベース部材50は、電気絶縁性を有する樹脂を用いて形成されており、底部51と、底部51上面の周縁部に設けられた環状の壁部52を有する箱状となっている。図2に示すように、底部51は、その上面が平坦となっており、センサチップ10とリード35との電気的な接続部が固定された平面略矩形状の固定部53と、流量検出部13を含むセンサチップ10の流体に晒される部位が配置された平面略矩形状の舌部54を有している。本実施形態では、固定部53のほうが舌部54よりも、上面の面積が大きくなっている。
壁部52は、固定部53の上面における周縁部に設けられた平面略C字状の固定側壁部55と、舌部54の上面における周縁部に設けられた平面略コの字状の舌側壁部56を有している。そして、図1に示すように、平面略C字状の固定側壁部55の端部外面に、平面略コの字状の舌側壁部56の端部が連結されている。舌側壁部56の内壁面及び固定側壁部55のC字状先端面は、センサチップ10を構成する平面略長方形の基板11の側面との間に、所定の僅かな隙間をなすように設けられている。これにより、この隙間を介して、キャビティ18が外部雰囲気と連通されている。また、舌側壁部56は、底部51の上面からの高さが、センサチップ10が接着剤57を介して固定部53に接着固定された状態で、その上面58とセンサチップ10の表面が略面一となるように設定されている。これにより、流体の流れ方向において、舌側壁部56の端部から流量検出部13までの平坦な部分の距離を稼ぎ、流量検出部13上での流体の乱れを低減する(換言すれば、整流する)ようになっている。さらに、固定側壁部55は、底部51上面からの高さが舌側壁部56よりも高い高さとされることで、センサチップ10とリード35との電気的な接続部を被覆保護すべく封止樹脂70の高さを確保するようになっている。
このようなベース部材50に対し、舌部54から固定部53にかけてセンサチップ10が配置されている。詳しくは、図1及び図2に示すように、舌部54上に、平面略長方形の基板11における流量検出部13を含んだ長手方向の一端側が配置され、固定部53上に、パッド17の形成領域(封止樹脂70によって被覆される領域)を含んだ長手方向の一端側が配置されている。なお、流量検出部13は、固定部53の固定側壁部55によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けないように(流量検出部13の検出精度に影響が生じないように)、固定部53から所定距離離れて配置されている。また、固定部53の上面には、リード35とともにリードフレームを構成した金属製のアイランド(図示略)が固定され、回路チップ30はこのアイランド上に搭載されて固定されている。そして、固定部53上において、センサチップ10のパッド17と回路チップ30の対応するパッド32とが、ワイヤ33を介して電気的に接続されている。さらには、固定側壁部55を貫通して固定部53上に露出された複数のリード35の各端部が、回路チップ30の対応するパッド32とワイヤ34を介して電気的に接続されている。このようにパッド17、ワイヤ33,34、パッド32を含む回路チップ30、リード35におけるワイヤ34との接続部位(これらは、センサチップ10とリード35とを電気的に接続する接続部であり、以下、単に接続部71と示す)が、ベース部材50の底部51のうち、固定部53上に配置されている。
封止樹脂70は、本実施形態においては、エポキシ系樹脂によって形成されており、図2に示すように、固定部53の上面における固定側壁部55と後述するダム90によって囲まれた領域59(以下、この領域を封止領域59と示す)内に配置されている。これにより、接続部71が封止樹脂70によって被覆されている。なお、上記したように、流量検出部13は、固定側壁部55によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けないように、固定部53から所定距離離れて配置されている。したがって、封止樹脂70によって、流量検出部13の検出精度に影響が生じない構成となっている。
ダム90は、塗布時における、液状の封止樹脂70に作用するダム90と封止樹脂70との間の界面張力が、封止樹脂70自体が流動しようとする力よりも大きくなるような材料を用いて形成されている。すなわち、ダム90は、封止樹脂70との濡れ性が悪い材料によって形成されている。本実施形態においては、封止樹脂70として、上記したように、エポキシ系樹脂を採用し、ダム90の形成材料として、エポキシ系樹脂との濡れ性が悪いシリコーン樹脂を採用している。このようなシリコーン樹脂としては、例えば、撥水制、撥油性、及び防汚性に優れた信越化学社のX−24−7890を採用することができる。ダム90は、図1及び図2に示すように、センサチップ10上における固定部53と舌部54との境界60近傍に、パッド17と流量検出部13とを分けるように(基板11の長手方向とは略垂直な方向に)設けられている。上記したように、ダム90は、封止樹脂70との濡れ性が悪い材料によって形成されているので、液状の封止樹脂70の流動は、ダム90によって抑制される。これにより、図2に示すように、基板11の表面11aからの高さが、封止樹脂70よりもダム90のほうが低い構成となっている。なお、濡れ性の判断は、接触角の大小で行われ、接触角が大きければ、濡れ性が悪い(濡れにくい)と判断される。接触角とは、図3に示すように、水平面上に静止した液状の樹脂表面が水平面と接する点における仮想接面を考えたときに、その仮想接面が水平面となす角を言う。図3は、接触角を説明するための模式図である。
次に、熱式流量センサの製造工程を説明する。先ず、センサチップ10と、リード35やアイランド(図示略)がインサート成形により一体化されたベース部材50をそれぞれ準備する。次に、固定部53におけるアイランド上に回路チップ30を固定し、固定部53上にセンサチップ10を接着固定する。そして、センサチップ10のパッド17と回路チップ30の対応するパッド32とをワイヤ33を介して電気的に接続し、リード35と対応するパッド32とをワイヤ34を介して電気的に接続する。次に、センサチップ10上における境界60近傍に、パッド17と流量検出部13とを分けるように、ディスペンサ若しくはインクジェットディスペンサによって、ダム90を形成する材料を塗布する。以上が準備工程である。なお、ダム90は、センサチップ10を1枚のウェハから切り離す前の段階で、予め、スピンコータによってウェハ上に薄膜を形成し、フォトリソグラフィーによってパターニングすることにより、センサチップ10上の所定位置(パッド17と流量検出部13との間)に形成していても良い。
準備工程終了後、封止樹脂70を、固定部53上に配置されたディスペンサによって、封止領域59内に塗布(注入)する。液状の封止樹脂70は、ディスペンサによる噴出圧、固定部53の上面とディスペンサの吐出口との落差によって生じる運動エネルギー(以下、これらを付勢力と示す)、及び封止樹脂70に掛かる重力により、固定部53の上面、パッド32を含む回路チップ30の上面全体、ワイヤ33,34、及びパッド17を含むセンサチップ10上に濡れ広がり、接続部71を被覆する。
封止樹脂70の流動は、固定側壁部55の高さ及び封止樹脂70に作用するダム90と封止樹脂70との間に生じる界面張力によって抑制される。本実施形態では、上記したように、基板11の表面11aからの高さが、封止樹脂70よりもダム90のほうが低い構成となっており、ダム90の高さによって、封止樹脂70をせき止めることはできない。しかしながら、封止樹脂70がダム90と接触すると、封止樹脂70におけるダム90との接触部位に、封止樹脂70が流動する方向(濡れ広がろうとする方向)とは反対の方向に、界面張力が作用する。この界面張力の大きさは、封止樹脂70自体が流動しようとする力(封止樹脂70に掛かる重力のみによる力、若しくは、付勢力と封止樹脂70に掛かる重力による力)よりも大きい(ダム90上において、封止樹脂70が濡れ広がりにくい)構成となっているので、パッド17側から流量検出部13側への封止樹脂70の流動は、ダム90との接触により抑制される。これにより、封止樹脂70は、封止領域59内に配置(貯留)される構成となる。
次に、封止樹脂70を加熱処理することにより封止樹脂70を硬化させる。以上の工程を経ることにより、熱式流量センサ100が形成される。なお、封止樹脂70は、硬化する前の段階において、温度の上昇とともに粘性が低くなる性質を有している。したがって、加熱処理において、熱の印加により封止樹脂70が流動し易くなる状態が生じる。しかしながら、封止樹脂70に作用する封止樹脂70とダム90との間の界面張力が、封止樹脂70自体が流動しようとする力よりも大きくなるように構成されているので、この加熱処理においても、パッド17側から流量検出部13側(固定部53側から舌部54側)に流れ込む液状の封止樹脂70の流動が抑制される。
次に、上記した熱式流量センサ100の効果を説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態では、センサチップ10上における固定部53と舌部54との境界60近傍に、パッド17と流量検出部13とを分けるように(基板11の長手方向とは略垂直な方向に)、ダム90が設けられている。ダム90は、封止樹脂70に作用するダム90と封止樹脂70との間の界面張力が、封止樹脂70自体が流動しようとする力(封止樹脂70に掛かる重力のみによる力、若しくは、付勢力と封止樹脂70に掛かる重力による力)よりも大きくなるような材料を用いて形成されている。したがって、例えば塗布時において、液状の封止樹脂70の流動は、封止樹脂70におけるダム90との接触部位に、封止樹脂70が流動する方向(濡れ広がろうとする方向)とは反対の方向に作用する界面張力によって抑制される。すなわち、封止樹脂70がダム90上で濡れにくい構成となっている。これにより、流量検出部13の封止樹脂70による汚損が抑制される。また、このように、封止樹脂70の流動をダム90の高さではなく、ダム90と封止樹脂70との間の界面張力によって抑制することができるので、基板11の表面11aからの高さが、封止樹脂70よりもダム90のほうが低い構成となっている。したがって、ダム90による被検出流体の乱流の発生が抑制される。これにより、流量検出部13への乱流の影響が抑制され、流量検出信頼性の低下が抑制される。以上により、流量検出部13の封止樹脂70による汚損を抑制しつつ、流量検出信頼性の低下が抑制された熱式流量センサ100となっている。
また、本実施形態においては、センサチップ10上における、固定部53と舌部54との境界60近傍に、ダム90が設けられており、これにより、封止樹脂70が封止領域59内に配置される構成となっている。上記したように、流量検出部13は、固定側壁部55によって被検出流体の乱流が生じたとしても、その影響を受けないように、固定部53から所定距離離れて配置されている。したがって、流量検出部13は、封止樹脂70によって被検出流体に乱流が生じたとしても、その影響を受けない構成となっている。これにより、流量検出信頼性の低下が抑制された構成となっている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
なお、本実施形態においては、封止樹脂70としてエポキシ系樹脂が用いられており、ダム90としてシリコーン系樹脂が用いられている例を示した。しかしながら、封止樹脂70及びダム90としては、上記例に限定されず、封止樹脂70に作用するダム90と封止樹脂70との間の界面張力が、封止樹脂70自体が流動しようとする力よりも大きくなるような材料の組み合わせ(ダム90と封止樹脂70との濡れ性が悪い材料の組み合わせ)であれば、適宜採用することができる。
本実施形態においては、センサチップ10上における、固定部53と舌部54との境界60近傍に、ダム90が設けられた例を示した。しかしながら、ダム90の設置位置としては、封止樹脂70による流量検出部13の汚損を防止することができればよく、上記例に限定されない。しかしながら、ダム90を流量検出部13の近傍に設けた場合、ダム90及びダム90により流動が抑制された封止樹脂70によって被検出流体に乱流が生じ、発生した乱流により流量検出部13の流量検出信頼性が低下する虞がある。したがって、ダム90の設置位置としては、ダム90及びダム90により流動が抑制された封止樹脂70によって生じる被検出流体の乱流の影響を流量検出部13が受けない位置が好ましい。
本実施形態においては、センサチップ10上に、パッド17と流量検出部13とを分けるように(基板11の長手方向とは略垂直な方向に)、ダム90を設ける例を示した。しかしながら、図4に示すように、ダム90を、基板11の長手方向とは略垂直な方向に、舌側壁部56の内壁面と基板11の側面との間に設けられた隙間を跨いで、舌側壁部56の上面58における外周側端部まで延設される構成としても良い。これにより、固定側壁部55を伝って、舌側壁部56の上面58に回り込む封止樹脂70の流動を抑制することができる。これにより、舌側壁部56の上面58上で硬化した封止樹脂70(流量検出部13近傍で硬化した封止樹脂70)によって、被検出流体に乱流が生じるのを抑制することができる。すなわち、流量検出信頼性の低下を抑制することができる。なお、図4は、熱式流量センサの変形例を示す平面図である。
本実施形態においては、センサチップ10が、ワイヤ33、回路チップ30、及びワイヤ34を介して、リード35と電気的に接続された例を示した。しかしながら、センサチップ10が、回路チップ30を介さずに、リード35と電気的に接続された構成としても良い。なお、この構成の場合、パッド17とリード35との接続部が、封止樹脂70によって被覆される構成となる。
本実施形態においては、ベース部材50の形状が、底部51と、底部51上面の周縁部に設けられた環状の壁部52を有する箱状である例を示した。しかしながら、ベース部材50の形状としては、センサチップ10、及びセンサチップ10のパッド17と電気的に接続されたリード35の一部を固定することができる形状であれば上記例に限定されない。また、本実施形態においては、底部51として、センサチップ10とリード35との電気的な接続部が固定された平面略矩形状の固定部53と、流量検出部13を含むセンサチップ10の流体に晒される部位が配置された平面略矩形状の舌部54を有している例を示した。しかしながら、底部51としては、舌部54がなくとも良い。
第1実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 接触角を説明するための模式図である。 熱式流量センサの変形例を示す平面図である。
符号の説明
10・・・センサチップ
13・・・流量検出部
14・・・発熱素子
15・・・感温素子
17・・・パッド
30・・・回路チップ
33,34・・・ワイヤ
35・・・リード
50・・・ベース部材
51・・・底部
52・・・壁部
70・・・封止樹脂
90・・・ダム
100・・・熱式流量センサ

Claims (4)

  1. 基板の一面上に流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、
    該センサチップと、前記パッドと電気的に接続された外部接続用端子としてのリードの一部とを搭載するベース部材と、
    前記センサチップと前記リードとの電気的な接続部を被覆するように前記ベース部材上に塗布された封止樹脂と、
    前記流量検出部の形成領域と前記パッドの形成領域とを分けるように、前記基板の一面上に配置され、前記封止樹脂の流動を抑制するダムと、を有する熱式流量センサであって、
    前記封止樹脂に作用する前記ダムと前記封止樹脂との間の界面張力が、前記封止樹脂自体が流動しようとする力よりも大きく、
    前記基板の一面からの高さは、前記封止樹脂よりも前記ダムのほうが低いことを特徴とする熱式流量センサ。
  2. 前記封止樹脂として、エポキシ系樹脂が用いられており、
    前記ダムとして、シリコン系樹脂が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量センサ。
  3. 前記基板は平面略矩形状であり、
    前記ダムは、前記基板における平面略矩形状の相対する2辺に対して略垂直に配置されると共に、前記2辺とそれぞれ対向する前記ベース部材の端部まで延設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱式流量センサ。
  4. 前記流量検出部の入出力を制御する回路を有する回路チップが前記ベース部材上に固定されており、
    該回路チップを介して、前記センサチップが前記リードと電気的に接続され、
    前記センサチップと前記回路チップとの接続部、前記回路チップ、及び前記回路チップと前記リードとの接続部が、前記封止樹脂によって被覆されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の熱式流量センサ。
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