JP2009264741A - 熱式流量センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流量検出信頼性を確保しつつ、体格の増大を抑制することができる熱式流量センサの製造方法を提供する。
【解決手段】基板の一面上に、流体の流量を検出する流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、該センサチップのパッドと電気的に接続されたリードの一部とをベース部材上に配置し、ベース部材上において、センサチップとリードとの接続部を、封止樹脂によって被覆する被覆工程を備えた熱式流量センサの製造方法であって、被覆工程として、光の照射によって硬化される液状の封止樹脂を、接続部に対して塗布する塗布工程と、封止樹脂における少なくとも流量検出部側の端部に光を照射し、封止樹脂における光照射部位を硬化させる光照射工程と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば内燃機関の吸入空気流量の測定に用いられる熱式流量センサの製造方法に関するものである。
熱式流量センサは、流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドを有するセンサチップと、パッドにワイヤを介して接続されるリードと、センサチップとリードとを固定するベース部材とを有するものである。熱式流量センサは、流量検出部が被検出流体にさらされるように、流路内に設置される。流量検出部は、発熱素子と感温素子とを有しており、加熱した発熱素子から周囲の被検出流体に伝達される熱量の変化を検出することにより、流量の測定が行われる。
ところで、熱式流量センサは流路内に設置されるため、センサチップのパッド、ワイヤ、及びワイヤとリードとの接続部(以下、これらを接続部と示す)が被検出流体にさらされることとなる。これにより、ワイヤが切れたり、ワイヤのボンディング部分が剥がれるなどの問題が生じ、センサチップとリードとの接続信頼性が低下する虞がある。そこで、従来、センサ素子(流量検出部)を露出させつつ、接続部を樹脂によって封止する半導体センサ装置の製造方法が、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている半導体センサ装置の製造方法では、センサ素子を露出させつつ、上型と下型を型閉めしてなるキャビティ(空間)内に接続部を配置し、このキャビティ内に樹脂を注入することにより、接続部を樹脂によって封止している。
特開平7−174599号公報
しかしながら、特許文献1に示される半導体センサ装置の製造方法では、センサチップの小型化に応じた最小寸法の金型を成形しなくてはならないために、コストがかさむ。
これに対し、液状の封止樹脂を、例えばディスペンサーを用いて接続部に塗布するコーティング方法も考えられる。この方法は金型を必要としないので、特許文献1に示される半導体センサ装置の製造方法に比べて、コストを削減することができる。しかしながら、上記したように、流量検出部を外部に露出させつつ、接続部を樹脂によって被覆しなければならないので、塗布した封止樹脂が流量検出部に流動するのを防ぐダム材を、センサチップにおけるパッドと流量検出部との間に設けなくてはならない。このダム材がセンサチップ上に設けられていると、ダム材によって被検出流体に乱流が生じ、ダム材近傍に設けられている流量検出部の流量検出信頼性が低下する虞がある。また、ダム材を、流量検出部から所定距離離してセンサチップ上に設置することにより、流量検出部へのダム材によって生じる乱流の影響を抑制する構成も考えられるが、この構成では、センサチップの体格が大きくなり、ひいては、熱式流量センサの体格が大きくなってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、流量検出信頼性を確保しつつ、体格の増大を抑制することができる熱式流量センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板の一面上に、流体の流量を検出する流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、該センサチップのパッドと電気的に接続された外部接続用端子としてのリードの一部とをベース部材上に配置し、ベース部材上において、センサチップとリードとの接続部を、封止樹脂によって被覆する被覆工程を備えた熱式流量センサの製造方法であって、被覆工程として、光の照射によって硬化される液状の封止樹脂を、接続部に対して塗布する塗布工程と、封止樹脂における少なくとも流量検出部側の端部に光を照射し、封止樹脂における光照射部位を硬化させる光照射工程と、を有することを特徴する。
このように本発明によれば、光の照射によって硬化される液状の封止樹脂を接続部に塗布し、封止樹脂における少なくとも流量検出部側の端部に光を照射して、封止樹脂における光照射部位を硬化させる。これにより、封止樹脂のうち、光照射によって硬化された部位が、流量検出部側へ流れ込む封止樹脂をせき止めるダムとしての機能を果たす。したがって、センサチップ上に、流量検出部側へ流れ込む封止樹脂をせき止めるダム材を別途設けなくとも良い。また、センサチップ上において、封止樹脂の流量検出部側の端部の位置は、センサチップにおけるセンサチップとリードとの電気的な接続部を保護し、且つ、流量検出部の検出精度に影響が生じない所定の位置とされる。したがって、封止樹脂自身をダム材として用いることで、流量検出信頼性を確保しつつ、体格の増大を抑制することができる。
請求項1に記載の発明は、例えば請求項2に記載のように、流量検出部の入出力を制御する回路を有する回路チップがベース部材上に配置され、該回路チップを介して、センサチップがリードと電気的に接続された構成にも適用することができる。この場合、被覆工程では、センサチップとリードとの接続部として、センサチップと回路チップとの接続部、回路チップ、及び回路チップとリードとの接続部を、封止樹脂によって被覆すれば良い。
請求項1又は請求項2に記載の発明では、請求項3に記載のように、被覆工程において、基板の一面に対し、流量検出部の形成領域とパッドの形成領域とを分けるように光を照射し、この光が照射された状態で、接続部に対して液状の封止樹脂を塗布することが好ましい。
これによれば、封止樹脂を塗布する工程と、光を照射する工程を同時に行うので、製造工程のタクトタイムを短縮することができる。また、例えば塗布性の向上や、センサチップとリードとの接続部(以下、単に接続部と示す)と封止樹脂との密着性を高めるために、低粘度の封止樹脂を採用する場合であっても、光が照射された状態で封止樹脂を塗布するので、パッドから流量検出部側に封止樹脂が流れ込む前に、基板上の封止樹脂を硬化させることができる。これにより、封止樹脂による流量検出部の汚損を抑制することができる。
請求項3に記載の発明においては、請求項4に記載のように、被覆工程では、ベース部材における、基板の光照射部位の周辺部位にも、光を照射することが好ましい。
これによれば、センサチップ(基板)だけでなく、ベース部材にも光を照射するので、ベース部材上の封止樹脂も硬化させることができる。この硬化した封止樹脂によって、ベース部材を伝って、基板における流量検出部近傍に封止樹脂が回りこむのを防ぐことができる。すなわち、ベース部材上の封止樹脂によって被検出流体に乱流が生じるのを抑制し、流量検出信頼性の低下を抑制することができる。
請求項1〜4いずれか1項に記載の発明においては、請求項5に記載のように、封止樹脂は熱硬化性を有しており、被覆工程後、封止樹脂を熱によって硬化させる熱硬化工程を行うことが好ましい。
これによれば、封止樹脂における光が照射されていない部位を熱によって硬化させることができる。なお、封止樹脂は、硬化する前の段階において、温度の上昇とともに粘性が低くなる性質を有しているので、熱の印加により封止樹脂が流動し易くなる。しかしながら、上記した請求項1〜4いずれかの発明では、封止樹脂における少なくとも流量検出部側の端部を光によって硬化させる。したがって、封止樹脂のうち、光照射によって硬化された部位が、流量検出部へ流れ込む封止樹脂の流動をせき止めるダムとしての機能を果たすので、熱によって軟化した封止樹脂による流量検出部の汚損を抑制することができる。
請求項1〜5いずれか1項に記載の発明においては、請求項6に記載のように、封止樹脂は、紫外線硬化性を有する材料からなり、光は、紫外線であるのが好ましい。
これによれば、紫外線による光重合反応によって、封止樹脂を液体から固体に相変化させるので、熱によって封止樹脂を硬化させる方法に比べ、早く封止樹脂を硬化させることができる。
請求項1〜6いずれか1項に記載の発明においては、請求項7に記載のように、光として、レーザ光を採用することもできる。レーザ光は、エネルギー密度が強く、指向性が良いので、封止樹脂の表面だけでなく、封止樹脂の内部も硬化させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、図1においては、便宜上、後述する封止樹脂を省略している。
図1及び図2に示すように、熱式流量センサ100は、要部として、流体の流量を検出する流量検出部13が形成されたセンサチップ10と、センサチップ10と電気的に接続された外部接続用端子としてのリード35と、センサチップ10とリード35とを搭載するベース部材50と、センサチップ10とリード35との電気的な接続部を被覆し、流量検出部13が露出されるように配置される封止樹脂70と、を備えている。すなわち、流量検出部13を有するセンサチップ10が、リード35と電気的に接続され、その接続部が封止樹脂70によって被覆されている。
なお、本実施形態においては、上述した主とする構成要素以外にも、図1及び図2に示すように、ベース部材50上に搭載され、センサチップ10と電気的に接続される回路チップ30を有している。
センサチップ10は、シリコンからなる平板状の基板11を有しており、基板11の表面には窒化シリコンよりなる絶縁性の支持膜12が形成されている。そして、支持膜12上には、白金等の感熱抵抗膜よりなる流量検出部13が形成され、流量検出部13の表面上には、流量検出部13を保護するための窒化シリコンよりなる絶縁性の保護膜(図示略)が形成されている。
流量検出部13は、発熱素子14と感温素子15とを有しており、この発熱素子14及び感温素子15は、白金等の感熱抵抗膜を蒸着やスパッタ等の方法で支持膜12上に成膜し、フォトリソグラフィー、ウェット、あるいはドライエッチングなどの方法を用いて、該感熱抵抗膜をパターニングすることにより、電流路16の一部として形成されている。そして、電流路16の端部には、電極としてのパッド17が形成されている。詳しくは、図1に示すように、平面略長方形の基板11の上面において、その長手方向における一端側に流量検出部13が形成され、他端側にパッド17が形成されている。すなわち、流量検出部13とパッド17が、基板11の長手方向において互いに離れて形成されている。また、基板11の長手方向は、通常時における流体(被検出流体)の流れ方向(図1に示す白抜き矢印)に対して略垂直となっている。なお、基板11における発熱素子14形成領域の下部にはキャビティ18が形成されており、いわゆるダイヤフラム構造が形成されている。これにより、発熱素子14形成領域が、基板11における発熱素子14形成領域以外の他部位と、熱的に絶縁される構成となっている。
発熱素子14は、図1に示すように、流体の流れ方向に対して上流側に配置された発熱素子14aと、下流側に配置された発熱素子14bとを有しており、それぞれ電流の供給量に応じて発熱する機能と、それ自身の抵抗値の変化に基づいて、自身の温度を感知する機能とを有している。したがって、上流側と下流側の各発熱素子14a,14bで生じる熱のうち、流体によって奪われる熱に基づき、流体の流量が検出される。また、上流側の発熱素子14aと下流側の発熱素子14bとのそれぞれに生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流れ方向が検出される。また、感温素子15は、流体の流れ方向に対して上流側に配置された感温素子15aと、下流側に配置された感温素子15bとを有しており、それ自身の抵抗値の変化に基づいて、自身の温度を感知する機能を有している。そして、上流側の発熱素子14aと上流側の感温素子15aとの温度差、及び、下流側の発熱素子14bと下流側の感温素子15bとの温度差に基づき、各発熱素子14a,14bに供給される電流量が制御されるようになっている。なお、上記した流量検出部13は公知であり、詳細については、本出願人による例えば特開2004−205498号公報を参照されたい。
回路チップ30は、基板31にMOSトランジスタやダイオードなどの素子や配線(図示略)を形成することで、流量検出部13の入出力を制御する回路が構成されたものである。回路チップ30を構成する基板31の一面上には、回路の配線端部にパッド32が形成されており、このパッド32の一部が、AlやAuなどのワイヤ33を介して、電流路16の端部に形成されたパッド17と電気的に接続されている。また、パッド32の一部が、ワイヤ34を介して、樹脂からなるベース部材50に固定されて一体化されたリード35の端部と電気的に接続されている。なお、リード35の一部は、外部に露出されており、このリード35を介して、センサチップ10が外部(例えば外部ECU)と電気的に接続可能な構成となっている。このように、本実施形態においては、センサチップ10が、センサチップ10上のパッド17、ワイヤ33、回路チップ30上のパッド32、及びワイヤ34を介して、リード35と電気的に接続された構成となっている。
ベース部材50は、電気絶縁性を有する樹脂を用いて形成されており、底部51と、底部51上面の周縁部に設けられた環状の壁部52を有する箱状となっている。底部51は、その上面が平坦となっており、センサチップ10とリード35との電気的な接続部が固定された平面略矩形状の固定部53と、流量検出部13を含むセンサチップ10の流体に晒される部位が配置された平面略矩形状の舌部54を有している。本実施形態では、固定部53のほうが舌部54よりも、上面の面積が大きくなっている。
壁部52は、固定部53の上面における周縁部に設けられた平面略C字状の固定側壁部55と、舌部54の上面における周縁部に設けられた平面略コの字状の舌側壁部56を有している。そして、図1に示すように、平面略C字状の固定側壁部55の端部外面に、平面略コの字状の舌側壁部56の端部が連結されている。舌側壁部56の内壁面及び固定側壁部55のC字状先端面は、センサチップ10を構成する平面略長方形の基板11の側面との間に、所定の僅かな隙間をなすように設けられている。これにより、この隙間を介して、キャビティ18が外部雰囲気と連通されている。また、舌側壁部56は、底部51の上面からの高さが、センサチップ10が接着剤57を介して固定部53に接着固定された状態で、その上面58とセンサチップ10の表面が略面一となるように設定されている。これにより、流体の流れ方向において、舌側壁部56の端部から流量検出部13までの平坦な部分の距離を稼ぎ、流量検出部13上での流体の乱れを低減する(換言すれば、整流する)ようになっている。さらに、固定側壁部55は、底部51上面からの高さが舌側壁部56よりも高い高さとされることで、センサチップ10とリード35との電気的な接続部を被覆保護すべく封止樹脂70の高さを確保するようになっている。
このようなベース部材50に対し、舌部54から固定部53にかけてセンサチップ10が配置されている。詳しくは、図1及び図2に示すように、舌部54上に、平面略長方形の基板11における流量検出部13を含んだ長手方向の一端側が配置され、固定部53上に、パッド17の形成領域(封止樹脂70によって被覆される領域)を含んだ長手方向の一端側が配置されている。なお、流量検出部13は、固定部53の固定側壁部55によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けないように(流量検出部13の検出精度に影響が生じないように)、固定部53から所定距離離れて配置されている。また、固定部53の上面には、リード35とともにリードフレームを構成した金属製のアイランド(図示略)が固定され、回路チップ30はこのアイランド上に搭載されて固定されている。そして、固定部53上において、センサチップ10のパッド17と回路チップ30の対応するパッド32とが、ワイヤ33を介して電気的に接続されている。さらには、固定側壁部55を貫通して固定部53上に露出された複数のリード35の各端部が、回路チップの対応するパッド32とワイヤ34を介して電気的に接続されている。このようにパッド17、ワイヤ33,34、パッド32を含む回路チップ30、リード35におけるワイヤ34との接続部位(これらは、センサチップ10とリード35とを電気的に接続する接続部であり、以下、単に接続部71と示す)が、ベース部材50の底部51のうち、固定部53上に配置されている。
封止樹脂70は、光の照射によって硬化される液状の樹脂であり、本実施形態においては、紫外線硬化性と熱硬化性を有するエポキシ系樹脂を採用している。この封止樹脂70は、図2に示すように、固定部53の上面における固定側壁部55によって囲まれた領域59(以下、この領域を封止領域59と示す)内に配置されており、これにより、接続部71が封止樹脂70によって被覆されている。
次に、本実施形態の特徴部分である接続部71を封止樹脂70によって被覆する被覆工程を図3〜図5に基づいて説明する。図3は、塗布工程のうち初期段階を示す断面図である。図4は、塗布工程が終了した段階を示す断面図である。図5は、光照射工程を示す断面図である。
封止領域59内に封止樹脂70を塗布するに当たり、先ず、センサチップ10と、リード35やアイランド(図示略)がインサート成形により一体化されたベース部材50をそれぞれ準備する。次に、固定部53におけるアイランド上に回路チップ30を固定し、固定部53上にセンサチップ10を接着固定する。そして、センサチップ10のパッド17と回路チップ30の対応するパッド32とをワイヤ33を介して電気的に接続し、リード35と対応するパッド32とをワイヤ34を介して電気的に接続する。以上が準備工程である。
次に、図3に示すように、液状の封止樹脂70を、固定部53上に配置されたディスペンサ72によって、封止領域59内に塗布(注入)する。液状の封止樹脂70は、ディスペンサ72による噴出圧、固定部53の上面と吐出口73との落差によって生じる運動エネルギー、及び封止樹脂70自体に掛かる重力により、固定部53の上面、パッド32を含む回路チップ30の上面全体、ワイヤ33,34、及びパッド17を含むセンサチップ10上に濡れ広がり、接続部71を被覆する。そして、ディスペンサ72からの樹脂の供給が停止すると、封止樹脂70は、図4に示すように、封止樹脂70自体に掛かる重力により、センサチップ10上の固定部53と舌部54との境界60近傍まで濡れ広がる。このように、封止樹脂70は、封止領域59内(固定側壁部55内)のみに配置される構成となる。なお、上記したように、流量検出部13は、固定側壁部55によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けないように、固定部53から所定距離離れて配置されている。したがって、封止樹脂70によって、流量検出部13の検出精度に影響が生じない構成となっている。ここまでが、特許請求の範囲に記載の塗布工程に相当する。
次に、図5に示すように、センサチップ10上における境界60近傍の封止樹脂70(封止樹脂70における流量検出部13側の端部)に、紫外線照射装置74により紫外線75を照射する。これにより、封止樹脂70における紫外線が照射された部位を液体から固体に相変化させる。封止樹脂70のうち、この紫外線75によって相変化された光硬化部76が、パッド17側から流量検出部13側(固定部53側から舌部54側)に流れ込む封止樹脂70をせき止めるダムとしての役割を果たす。ここまでが、特許請求の範囲に記載の光照射工程である。
そして、照射工程終了後、封止樹脂70を加熱処理することにより、光硬化部76以外の液状の封止樹脂70を硬化させる。ここまでが、特許請求の範囲に記載の熱硬化工程である。以上の工程を経ることにより、熱式流量センサ100が形成される。なお、封止樹脂70は、硬化する前の段階において、温度の上昇とともに粘性が低くなる性質を有している。したがって、熱硬化工程において、熱の印加により封止樹脂70が流動し易くなる状態が生じる。しかしながら、紫外線75の照射によって相変化された光硬化部76により、パッド17から流量検出部13側(固定部53側から舌部54側)に流れ込む液状の封止樹脂70の流動が抑制される。
次に、本実施形態に係る熱式流量センサ100の製造方法の効果を説明する。上記したように、紫外線硬化性と熱硬化性を有する液状の封止樹脂70を、ディスペンサ72によって、封止領域59内に塗布する。すると、封止樹脂70は、固定部53の上面、パッド32を含む回路チップ30の上面全体、ワイヤ33,34、及びパッド17を含むセンサチップ10上に濡れ広がり、接続部71を被覆する。そして、封止樹脂70は、封止樹脂70自体に掛かる重力により、センサチップ10上における境界60近傍まで濡れ広がる。次に、センサチップ10上における境界60近傍の封止樹脂70(封止樹脂70における流量検出部13側の端部)に、紫外線照射装置74により紫外線75を照射する。これにより、センサチップ10における固定部53側の境界60近傍の封止樹脂70を液体から固体に相変化させ、この紫外線75によって相変化された光硬化部76により、パッド17側から流量検出部13側(固定部53側から舌部54側)に流れ込む液状の封止樹脂70の流動をせき止めることができる。したがって、センサチップ10上に、パッド17側から流量検出部13側へ流れ込む封止樹脂70をせき止めるダム材を別途設けなくとも良い。また、上記したように、流量検出部13は、固定側壁部55によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けないように、固定部53から所定距離離れて配置されており、封止樹脂70は、封止領域59内(固定側壁部55内)のみに配置される構成となっている。したがって、流量検出部13は、封止樹脂70によって生じる被検出流体の乱流の影響を受けない構成となっている。このように、封止樹脂70自身をダム材として用いることで、流量検出信頼性を確保しつつ、体格の増大を抑制することができる。
また、封止樹脂70が紫外線硬化性を有しており、封止樹脂70を硬化させる光として、紫外線75を採用している。これにより、紫外線75による光重合反応によって、封止樹脂70を液体から固体に相変化させているので、熱のみによって封止樹脂70を硬化させる方法に比べて、早く封止樹脂70を硬化させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、塗布工程後に、光照射工程を行う例を示した。しかしながら、図6に示すように、塗布工程と、光照射工程を、同時に行っても良い。すなわちセンサチップ10上における境界60近傍の領域に、パッド17と流量検出部13(固定部53と舌部54)とを分けるように(基板11の長手辺に略垂直な方向に)、紫外線照射装置74により紫外線75を照射している状態で、封止領域59内に封止樹脂70を塗布(注入)しても良い。このように、塗布工程と光照射工程を同時に行うと、熱式流量センサ100の製造工程のタクトタイムを短縮することができる。また、例えば塗布性の向上や、接続部71と封止樹脂70との密着性を高めるために、低粘度の封止樹脂70を採用する場合であっても、紫外線75を照射した状態で封止樹脂70を塗布するので、パッド17側から流量検出部13側(固定部53側から舌部54側)に封止樹脂70が流れ込む前に、封止樹脂70を相変化(硬化)させることができる。これにより、封止樹脂70による流量検出部13の汚損を抑制することができる。さらに、境界60近傍に流動してくる封止樹脂70を紫外線75によって逐次硬化させることができるので、光硬化部76におけるセンサチップ10の表面からの高さを確保することができる。なお、図6は、塗布工程と光照射工程を同時に行っている状態を示す断面図である。
なお、センサチップ10上における境界60近傍の領域だけでなく、境界60近傍における固定部53及び固定側壁部55の表面にも、基板11の長手辺に略垂直な方向に、紫外線照射装置74により紫外線75を照射しても良い。これにより、紫外線75による相変化によって硬化されずに、固定側壁部55を伝って舌側壁部56に回り込む封止樹脂70を硬化させることができる。これにより、舌側壁部56に封止樹脂70が流動するのを抑制し、舌側壁部56の上面58上で硬化した封止樹脂70(流量検出部13近傍で硬化した封止樹脂70)によって、被検出流体に乱流が生じるのを抑制することができる。すなわち、流量検出信頼性の低下を抑制することができる。また、境界60近傍におけるセンサチップ10上の領域、固定部53、及び固定側壁部55の表面だけでなく、境界60近傍における舌部54及び舌側壁部56の上面58にも、基板11の長手辺に略垂直な方向に、紫外線照射装置74により紫外線75を照射しても良い。これにより、紫外線75による相変化によって硬化されずに、固定側壁部55を伝って舌側壁部56の上面58に回り込んだ封止樹脂70を硬化させることができる。
本実施形態においては、光として、紫外線75を採用した例を示した。しかしながら、光としては、上記例に限定されず、例えばレーザ光を採用することができる。これによれば、レーザ光は、エネルギー密度が強く、指向性が良いので、封止樹脂70の表面だけでなく、封止樹脂70の内部も硬化させることができる。なお、レーザ光としては、固体レーザやArレーザなどを採用することができる。
本実施形態においては、紫外線硬化性と熱硬化性を有する封止樹脂70を採用した例を示した。しかしながら、封止樹脂70としては、光の照射によって硬化される液状の樹脂であれば、採用することができる。なお、本実施形態では、紫外線硬化性と熱硬化性を有する樹脂の具体例として、エポキシ系樹脂を採用した例を示した。しかしながら、紫外線硬化性と熱硬化性を有する樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を採用することもできる。
本実施形態においては、センサチップ10が、ワイヤ33、回路チップ30、及びワイヤ34を介して、リード35と電気的に接続された例を示した。しかしながら、センサチップ10が、回路チップ30を介さずに、リード35と電気的に接続された構成としても良い。なお、この構成の場合、パッド17とリード35との接続部が、封止樹脂70によって被覆される構成となる。
本実施形態においては、ベース部材50の形状が、底部51と、底部51上面の周縁部に設けられた環状の壁部52を有する箱状である例を示した。しかしながら、ベース部材50の形状としては、センサチップ10、及びセンサチップ10のパッド17と電気的に接続されたリード35の一部を固定することができる形状であれば上記例に限定されない。また、本実施形態においては、底部51として、センサチップ10とリード35との電気的な接続部が固定された平面略矩形状の固定部53と、流量検出部13を含むセンサチップ10の流体に晒される部位が配置された平面略矩形状の舌部54を有している例を示した。しかしながら、底部51としては、舌部54がなくとも良い。
第1実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 塗布工程のうち初期段階を示す断面図である。 塗布工程が終了した段階を示す断面図である。 光照射工程を示す断面図である。 塗布工程と光照射工程を同時に行っている状態を示す断面図である。
符号の説明
10・・・センサチップ
13・・・流量検出部
14・・・発熱素子
15・・・感温素子
17・・・パッド
30・・・回路チップ
50・・・ベース部材
51・・・底部
52・・・壁部
33,34・・・ワイヤ
35・・・リード
70・・・封止樹脂
75・・・紫外線

Claims (7)

  1. 基板の一面上に、流体の流量を検出する流量検出部及び該流量検出部と電気的に接続されたパッドが形成されたセンサチップと、該センサチップのパッドと電気的に接続された外部接続用端子としてのリードの一部とをベース部材上に配置し、前記ベース部材上において、前記センサチップと前記リードとの電気的な接続部を、封止樹脂によって被覆する被覆工程を備えた熱式流量センサの製造方法であって、
    前記被覆工程として、光の照射によって硬化される液状の前記封止樹脂を、前記接続部に対して塗布する塗布工程と、前記封止樹脂における少なくとも前記流量検出部側の端部に光を照射し、前記封止樹脂における光照射部位を硬化させる光照射工程と、を有することを特徴とする熱式流量センサの製造方法。
  2. 前記流量検出部の入出力を制御する回路を有する回路チップが前記ベース部材上に配置されており、
    該回路チップを介して、前記センサチップが前記リードと電気的に接続され、
    前記被覆工程では、前記センサチップと前記回路チップとの接続部、前記回路チップ、及び前記回路チップと前記リードとの接続部を、前記封止樹脂によって被覆することを特徴とする請求項1に記載の熱式流量センサの製造方法。
  3. 前記被覆工程では、前記基板の一面に向けて、前記流量検出部の形成領域と前記パッドの形成領域とを分けるように光を照射し、
    この光が照射された状態で、前記接続部に対して液状の前記封止樹脂を塗布することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱式流量センサの製造方法。
  4. 前記被覆工程では、前記ベース部材における、前記基板の光照射部位の周辺部位にも、光を照射することを特徴とする請求項3に記載の熱式流量センサの製造方法。
  5. 前記封止樹脂は、熱硬化性を有しており、
    前記被覆工程後、前記封止樹脂を熱によって硬化させる熱硬化工程を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の熱式流量センサの製造方法。
  6. 前記封止樹脂は、紫外線硬化性を有する材料からなり、
    前記光は、紫外線であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の熱式流量センサの製造方法。
  7. 前記光は、レーザ光であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の熱式流量センサの製造方法。
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