以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<流量センサの回路構成>
まず、流量センサの回路構成を説明する。図1は、本実施の形態1における流量センサの回路構成を示す回路ブロック図である。図1において、本実施の形態1における流量センサは、まず、流量センサを制御するためのCPU(Central Processing Unit)1を有し、さらに、このCPU1に入力信号を入力するための入力回路2、および、CPU1からの出力信号を出力するための出力回路3を有している。そして、流量センサにはデータを記憶するメモリ4が設けられており、CPU1は、メモリ4にアクセスして、メモリ4に記憶されているデータを参照できるようになっている。
次に、CPU1は、出力回路3を介して、トランジスタTrのベース電極と接続されている。そして、このトランジスタTrのコレクタ電極は電源PSに接続され、トランジスタTrのエミッタ電極は発熱抵抗体HRを介してグランド(GND)に接続されている。したがって、トランジスタTrは、CPU1によって制御されるようになっている。すなわち、トランジスタTrのベース電極は、出力回路3を介してCPU1に接続されているので、CPU1からの出力信号がトランジスタTrのベース電極に入力される。
この結果、CPU1からの出力信号(制御信号)によって、トランジスタTrを流れる電流が制御されるように構成されている。CPU1からの出力信号によってトランジスタTrを流れる電流が大きくなると、電源PSから発熱抵抗体HRに供給される電流が大きくなり、発熱抵抗体HRの加熱量が大きくなる。
一方、CPU1からの出力信号によってトランジスタTrを流れる電流が少なくなると、発熱抵抗体HRへ供給される電流が少なくなり、発熱抵抗体HRの加熱量は減少する。
このように本実施の形態1における流量センサでは、CPU1によって発熱抵抗体HRを流れる電流量が制御され、これによって、発熱抵抗体HRからの発熱量がCPU1によって制御されるように構成されていることがわかる。
続いて、本実施の形態1における流量センサでは、CPU1によって発熱抵抗体HRを流れる電流を制御するため、ヒータ制御ブリッジHCBが設けられている。このヒータ制御ブリッジHCBは、発熱抵抗体HRから放散される発熱量を検知し、この検知結果を入力回路2へ出力するように構成されている。この結果、CPU1は、ヒータ制御ブリッジHCBからの検知結果を入力することができ、これに基づいて、トランジスタTrを流れる電流を制御する。
具体的に、ヒータ制御ブリッジHCBは、図1に示すように、参照電圧Vref1とグランド(GND)との間にブリッジを構成する抵抗体R1〜抵抗体R4を有している。このように構成されているヒータ制御ブリッジHCBでは、発熱抵抗体HRで加熱された気体が吸気温度よりもある一定温度(ΔT、例えば、100℃)だけ高い場合に、ノードAの電位とノードBの電位の電位差が0Vとなるように、抵抗体R1〜抵抗体R4の抵抗値が設定されている。つまり、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1〜抵抗体R4は、抵抗体R1と抵抗体R3を直列接続した構成要素と、抵抗体R2と抵抗体R4を直列接続した構成要素とが、参照電圧Vref1とグランド(GND)との間に並列接続されるようにしてブリッジが構成されている。そして、抵抗体R1と抵抗体R3の接続点がノードAとなっており、抵抗体R2と抵抗体R4の接続点がノードBとなっている。
このとき、発熱抵抗体HRで加熱された気体は、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1に接触するようになっている。したがって、発熱抵抗体HRからの発熱量によって、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1の抵抗値が主に変化することになる。このように抵抗体R1の抵抗値が変化すると、ノードAとノードBとの間の電位差が変化する。このノードAとノードBとの電位差は、入力回路2を介してCPU1に入力されるので、CPU1は、ノードAとノードBとの電位差に基づいて、トランジスタTrを流れる電流を制御する。
具体的に、CPU1は、ノードAとノードBとの電位差が0VとなるようにトランジスタTrを流れる電流を制御して、発熱抵抗体HRからの発熱量を制御するようになっている。すなわち、本実施の形態1における流量センサでは、CPU1がヒータ制御ブリッジHCBの出力に基づいて、発熱抵抗体HRで加熱された気体が吸気温度よりもある一定温度(ΔT、例えば、100℃)だけ高い一定値に保持するようにフィードバック制御するように構成されていることがわかる。
続いて、本実施の形態1における流量センサは、気体の流量を検知するための温度センサブリッジTSBを有している。この温度センサブリッジTSBは、参照電圧Vref2とグランド(GND)との間にブリッジを構成する4つの測温抵抗体から構成されている。この4つの測温抵抗体は、2つの上流測温抵抗体UR1、UR2と、2つの下流測温抵抗体BR1、BR2から構成されている。
つまり、図1の矢印の方向は、気体が流れる方向を示しており、この気体が流れる方向の上流側に上流測温抵抗体UR1、UR2が設けられ、下流側に下流測温抵抗体BR1、BR2が設けられている。これらの上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRまでの距離が同じになるように配置されている。
温度センサブリッジTSBでは、参照電圧Vref2とグランド(GND)の間に上流測温抵抗体UR1と下流測温抵抗体BR1が直列接続されており、この上流測温抵抗体UR1と下流測温抵抗体BR1の接続点がノードCとなっている。
一方、グランド(GND)と参照電圧Vref2の間に上流測温抵抗体UR2と下流測温抵抗体BR2が直列接続されており、この上流測温抵抗体UR2と下流測温抵抗体BR2の接続点がノードDとなっている。そして、ノードCの電位とノードDの電位は、入力回路2を介してCPU1に入力されるように構成されている。そして、矢印方向に流れる気体の流量が零である無風状態のとき、ノードCの電位とノードDの電位との差電位が0Vとなるように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2の各抵抗値が設定されている。
具体的に、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRからの距離が等しく、かつ、抵抗値も等しくなるように構成されている。このため、温度センサブリッジTSBでは、発熱抵抗体HRの発熱量にかかわらず、無風状態であれば、ノードCとノードDの差電位は0Vとなるように構成されていることがわかる。
<流量センサの動作>
本実施の形態1における流量センサは上記のように構成されており、以下に、その動作について図1を参照しながら説明する。まず、CPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に出力信号(制御信号)を出力することにより、トランジスタTrに電流を流す。すると、トランジスタTrのコレクタ電極に接続されている電源PSから、トランジスタTrのエミッタ電極に接続されている発熱抵抗体HRに電流が流れる。このため、発熱抵抗体HRは発熱する。そして、発熱抵抗体HRからの発熱で暖められた気体がヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1を加熱する。
このとき、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)だけ高くなっている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBの差電位が0Vとなるように、抵抗体R1〜R4の各抵抗値が設定されている。このため、例えば、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)だけ高くなっている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間の差電位は0Vとなり、この差電位(0V)が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、ヒータ制御ブリッジHCBからの差電位が0Vであることを認識したCPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に、現状の電流量を維持するための出力信号(制御信号)を出力する。
一方、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)からずれている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間に0Vではない差電位が発生し、この差電位が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、ヒータ制御ブリッジHCBからの差電位が発生していることを認識したCPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に、差電位が0Vになるような出力信号(制御信号)を出力する。
例えば、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)よりも高くなる方向の差電位が発生している場合、CPU1は、トランジスタTrを流れる電流が減少するような制御信号(出力信号)を、トランジスタTrのベース電極へ出力する。これに対し、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)よりも低くなる方向の差電位が発生している場合、CPU1は、トランジスタTrを流れる電流が増加するような制御信号(出力信号)を、トランジスタTrのベース電極へ出力する。
以上のようにして、CPU1は、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間の差電位が0V(平衡状態)になるように、ヒータ制御ブリッジHCBからの出力信号に基づいて、フィードバック制御する。このことから、本実施の形態1における流量センサでは、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度となるように制御されることがわかる。
次に、本実施の形態1における流量センサでの気体の流量を測定する動作について説明する。まず、無風状態の場合について説明する。矢印方向に流れる気体の流量が零である無風状態のとき、温度センサブリッジTSBのノードCの電位とノードDの電位との差電位が0Vとなるように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2の各抵抗値が設定されている。
具体的に、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRからの距離が等しく、かつ、抵抗値も等しくなるように構成されている。このため、温度センサブリッジTSBでは、発熱抵抗体HRの発熱量にかかわらず、無風状態であれば、ノードCとノードDの差電位は0Vとなり、この差電位(0V)が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、温度センサブリッジTSBからの差電位が0Vであることを認識したCPU1は、矢印方向に流れる気体の流量が零であると認識し、出力回路3を介して気体流量Qが零であることを示す出力信号が本実施の形態1における流量センサから出力される。
続いて、図1の矢印方向に気体が流れている場合を考える。この場合、図1に示すように、気体の流れる方向の上流側に配置されている上流測温抵抗体UR1、UR2は、矢印方向に流れる気体によって冷却される。このため、上流測温抵抗体UR1、UR2の温度は低下する。これに対し、気体の流れる方向の下流側に配置されている下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRで暖められた気体が下流測温抵抗体BR1、BR2に流れてくるので温度が上昇する。この結果、温度センサブリッジTSBのバランスが崩れ、温度センサブリッジTSBのノードCとノードDとの間に零ではない差電位が発生する。
この差電位が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、温度センサブリッジTSBからの差電位が零ではないことを認識したCPU1は、矢印方向に流れる気体の流量が零ではないことを認識する。その後、CPU1はメモリ4にアクセスする。メモリ4には、差電位と気体流量を対応づけた対比表(テーブル)が記憶されているので、メモリ4にアクセスしたCPU1は、メモリ4に記憶されている対比表から気体流量Qを算出する。このようにして、CPU1で算出された気体流量Qは出力回路3を介して、本実施の形態1における流量センサから出力される。以上のようにして、本実施の形態1における流量センサによれば、気体の流量を求めることができることがわかる。
<流量センサのレイアウト構成>
次に、本実施の形態1における流量センサのレイアウト構成について説明する。例えば、図1に示す本実施の形態1における流量センサは、2つの半導体チップに形成される。具体的には、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBが1つの半導体チップに形成され、CPU1、入力回路2、出力回路3およびメモリ4などが別の半導体チップに形成される。以下では、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBが形成されている半導体チップのレイアウト構成について説明する。
図2は、本実施の形態1における流量センサの一部を構成した半導体チップCHP1のレイアウト構成を示す平面図である。まず、図2に示すように、半導体チップCHP1が矩形形状をしており、この半導体チップCHP1の左側から右側に向って(矢印方向)、気体が流れるようになっている。そして、図2に示すように、矩形形状をした半導体チップCHP1の裏面側に矩形形状のダイヤフラムDFが形成されている。ダイヤフラムDFとは、半導体チップCHP1の厚さを薄くした薄板領域のことを示している。つまり、ダイヤフラムDFが形成されている領域の厚さは、その他の半導体チップCHP1の領域の厚さよりも薄くなっている。
このようにダイヤフラムDFが形成されている裏面領域に相対する半導体チップCHP1の表面領域には、図2に示すように、流量検出部FDUが形成されている。具体的に、この流量検出部FDUの中央部には、発熱抵抗体HRが形成されており、この発熱抵抗体HRの周囲にヒータ制御ブリッジを構成する抵抗体R1が形成されている。そして、流量検出部FDUの外側にヒータ制御ブリッジを構成する抵抗体R2〜R4が形成されている。このように形成された抵抗体R1〜R4によってヒータ制御ブリッジが構成される。
特に、ヒータ制御ブリッジを構成する抵抗体R1は、発熱抵抗体HRの近傍に形成されているので、発熱抵抗体HRからの発熱で暖められた気体の温度を抵抗体R1に精度良く反映させることができる。
一方、ヒータ制御ブリッジを構成する抵抗体R2〜R4は、発熱抵抗体HRから離れて配置されているので、発熱抵抗体HRからの発熱の影響を受けにくくすることができる。
したがって、抵抗体R1は発熱抵抗体HRで暖められた気体の温度に敏感に反応するように構成することができるとともに、抵抗体R2〜R4は発熱抵抗体HRの影響を受けにくく抵抗値を一定値に維持しやすく構成することができる。このため、ヒータ制御ブリッジの検出精度を高めることができる。
さらに、流量検出部FDUに形成されている発熱抵抗体HRを挟むように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2が配置されている。具体的に、気体が流れる矢印方向の上流側に上流測温抵抗体UR1、UR2が形成され、気体が流れる矢印方向の下流側に下流測温抵抗体BR1、BR2が形成されている。
このように構成することにより、気体が矢印方向に流れる場合、上流測温抵抗体UR1、UR2の温度を低下させることができるとともに、下流測温抵抗体BR1、BR2の温度を上昇させることができる。このように流量検出部FDUに配置されている上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2により温度センサブリッジが形成される。
上述した発熱抵抗体HR、上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2は、例えば、白金(プラチナ)などの金属膜やポリシリコン(多結晶シリコン)などの半導体薄膜をスパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法で形成した後、イオンエッチングなどの方法でパターニングすることにより形成することができる。
このように構成されている発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジを構成する抵抗体R1〜R4、および、温度センサブリッジを構成する上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、それぞれ、配線WL1と接続されて、半導体チップCHP1の下辺に沿って配置されているパッドPD1に引き出されている。
以上のようにして、本実施の形態1における流量センサの一部を構成する半導体チップCHP1がレイアウト構成されている。実際の流量センサは、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBが形成された1つの半導体チップと、CPU1、入力回路2、出力回路3およびメモリ4などが形成されたもう1つの半導体チップとを有し、これらの半導体チップを基板上に実装した構造をしている。
以下では、まず、流量センサの実装構成に関する関連技術について説明し、その後、この関連技術が有する改善の必要性について説明する。その次に、関連技術が有する改善の余地を克服する工夫を施した本実施の形態1における流量センサの実装構成について説明する。
<関連技術の説明>
図3は、関連技術における流量センサFSPの実装構成を示す図であり、樹脂で封止した後の構成を示す図である。特に、図3(a)は、関連技術における流量センサFSPの実装構成を示す平面図である。図3(b)は、図3(a)のA−A線で切断した断面図であり、図3(c)は図3(a)のB−B線で切断した断面図である。
関連技術における流量センサFSPは、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、チップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1を有しており、この半導体チップCHP1は、チップ搭載部TAB1に接着材ADH1で接着されている。また、半導体チップCHP1の主面(上面、表面)には、流量検出部FDUが形成されており、半導体チップCHP1の裏面のうち、流量検出部FDUと相対する位置にダイヤフラム(薄板部)DFが形成されている。
そして、図3(a)〜(c)に示すように、関連技術における流量センサFSPでは、半導体チップCHP2が樹脂MRを含む封止体で封止されているとともに、半導体チップCHP1の一部およびチップ搭載部TAB1の一部が樹脂MRを含む封止体で封止されている。具体的に、関連技術における流量センサFSPでは、半導体チップCHP1の上面に形成されている流量検出部FDUを露出させながら、半導体チップCHP1の側面および上面の一部を覆うように樹脂MRが形成されている。なお、図3に示すように、樹脂MRから露出している半導体チップCHP1の表面の一部には、例えば、「A001」のような半導体チップCHP1を識別する識別番号NUMが形成されている。
このように構成されている関連技術における流量センサFSPは、例えば、図4に示す製造工程によって樹脂封止される。図4は、関連技術における流量センサFSPを樹脂封止する工程を示す断面図である。
図4に示すように、リードフレームLFに形成されているチップ搭載部TAB1上に接着材ADH1で半導体チップCHP1が固定されている。そして、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMで第2空間を介して挟み込む。その後、加熱下において、この第2空間に樹脂MRを流し込むことにより、半導体チップCHP1の一部を樹脂MRで封止する。
このとき、図4に示すように、ダイヤフラムDFの内部空間は、接着材ADH1によって、上述した第2空間と隔離されているので、第2空間を樹脂MRで充填する際にも、ダイヤフラムDFの内部空間へ樹脂MRが浸入することを防止できる。
また、上金型UMには、半導体チップCHP1の上面に形成されている流量検出部FDUを囲む第1空間SP1(密閉空間)を確保するように凹み部が形成されている。このことから、上金型UMを半導体チップCHP1上に押し当てると、上金型UMに形成されている凹み部によって、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUおよびその近傍領域を囲む第1空間SP1(密閉空間)が確保されつつ、例えば、半導体チップCHP1の側面および上面の一部を封止することができる。すなわち、関連技術によれば、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUおよびその近傍領域を露出させつつ、半導体チップCHP1の一部を封止することができる。
具体的に、図4は、製造方法として、下金型BMと、弾性体フィルムLAFを設置した上金型UMとによって、リードフレームLFのチップ搭載部TAB1上に搭載された半導体チップCHP1などの部品をクランプした状態で、上金型UMと下金型BMとの間に形成される第2空間に樹脂MRを注入する工程を示す断面図である。特に、図4は、流量センサの空気(気体)の流れ方向の断面図が示されている。図4に示すように、半導体チップCHP1は、弾性体フィルムLAFを介して上金型UMで押し付けられており、これによって、半導体チップCHP1が上金型UMで固定される。
関連技術では、流量検出部FDUが形成されている半導体チップCHP1を、金型で固定した状態で樹脂封止を行なうことができるので、半導体チップCHP1の位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部を樹脂MRで封止することができる。このことは、関連技術における流量センサFSPの製造方法によれば、各流量センサの位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部を樹脂MRで封止できることを意味し、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUの位置のバラツキを抑制できることを意味する。この結果、関連技術によれば、気体の流量を検出する流量検出部FDUの位置を各流量センサで一致させることができるため、各流量センサにおいて気体流量を検出する性能バラツキを抑制できる。つまり、金型で固定しながら半導体チップCHP1の一部を封止する関連技術によれば、ポッティング樹脂を使用する技術に比べて、流量センサFSPごとの性能バラツキを抑制することができる。
なお、樹脂封止工程を採用する流量センサFSPの製造工程では、樹脂MRを含む封止体を下金型BMからスムーズに離型する必要がある。そこで、図4には図示していないが、下金型BMには、上下動が可能な突き出しピン(イジェクタピン)が挿入されており、この突き出しピンを使用することにより、樹脂封止後の封止体を下金型BMから離型することができる。
ここで、樹脂封止前のリードフレームLFの下端部から半導体チップCHP1の上端部までの実装高さの寸法にはバラツキが生じる場合がある。この実装高さのバラツキは、各部品(リードフレームLF、接着材ADH1、半導体チップCHP1)の肉厚寸法のバラツキに起因する。この実装高さ寸法のバラツキによって生じる半導体チップの破断、もしくは半導体チップCHP1上への樹脂漏れを防止するために、例えば、関連技術では、図4に示すように、半導体チップCHP1と上金型UMとの間に弾性体フィルムLAFを介在させている。
これにより、例えば、半導体チップCHP1の厚さが平均的な厚さよりも薄い場合、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMで挟み込む際、隙間が生じるが、この隙間を弾性体フィルムLAFで充填できるため、半導体チップCHP1上への樹脂漏れを防止できる。
一方、半導体チップCHP1の厚さが平均的な厚さよりも厚い場合、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMで挟み込む際、弾性体フィルムLAFは、半導体チップCHP1よりも弾性率が低いため、半導体チップCHP1の厚さを吸収するように弾性体フィルムLAFの厚さ方向の寸法が変化する。これにより、半導体チップCHP1の厚さが平均的な厚さよりも厚くても、必要以上に半導体チップCHP1へ力が加わることを防止することができ、この結果、半導体チップCHP1の破断を防止することができる。
つまり、関連技術における流量センサFSPの製造方法によれば、弾性体フィルムLAFを介して半導体チップCHP1が上金型UMで押さえ付けられている。このため、半導体チップCHP1、接着材ADH1、リードフレームLFの厚さバラツキに起因する部品の実装バラツキを弾性体フィルムLAFの厚さ変化により吸収することができるのである。このように関連技術によれば、半導体チップCHP1に加わるクランプ力を緩和することができる。この結果、半導体チップCHP1の割れ、欠け、あるいは、ひび割れなどに代表される破損を防止することができる。すなわち、関連技術における流量センサFSPの製造方法によれば、部品の実装バラツキに起因したクランプ力の増大に伴う半導体チップCHP1の割れ、欠け、あるいは、ひび割れなどに代表される破損から半導体チップCHP1を保護することができる。
<関連技術における改善の余地>
半導体チップCHP1の流量検出部FDUおよびその近傍領域を含む樹脂MRで被覆されていない露出部分は、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出することになる。このシリコン材料は、脆性材料であるため、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、破断しやすい。このため、半導体チップCHP1の流量検出部FDUおよびその近傍領域を含む露出部分を極力小さくする必要がある。
ただし、図4に示すように、流量検出部FDUへ樹脂MRが流入することを防ぐために、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1が接する接触部分SELの寸法は、流量検出部FDUへの樹脂漏れを防止するシール性を確保のために、一定値以上とする必要がある。したがって、半導体チップCHP1の露出領域を小さくするために、上述した接触部分SELの寸法(幅)を小さくすることは困難となる。すなわち、上述した接触部分SELは、最終的に、半導体チップCHP1の表面が露出する部分となるが、半導体チップCHP1の露出領域を小さくするために、この接触部分SELの寸法を小さくすることはできないのである。なぜなら、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの寸法を小さくすると、流量検出部FDUへの樹脂漏れを防止する充分なシール性を確保することが困難になるからである。
そこで、半導体チップCHP1の流量検出部FDUおよびその近傍領域を含む樹脂MRで被覆されていない露出部分を小さくするために、半導体チップCHP1の上面に形成されている流量検出部FDUを囲む第1空間SP1(密閉空間)の寸法SLを小さくすることが考えられる。この場合、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの寸法を小さくしなくても、第1空間SP1自体の寸法SLが小さくなるため、結果的に、半導体チップCHP1の露出部分(露出領域)を小さくすることができると考えられる。
一方、図4に示すように、半導体チップCHP1の裏面には、ダイヤフラムDFが形成されている、このダイヤフラムDFを半導体チップCHP1の裏面に形成するためには、半導体チップCHP1を薄板化加工する必要がある。一般的に、ダイヤフラムDFは、半導体チップCHP1に用いられている[100]方位の単結晶シリコンを、水酸化カリウム(KOH)によるエッチングにより、54.7°の角度を有する傾斜形状に加工することにより形成される。
ここで、図5は、第1空間SP1自体の寸法を小さくした状態で、関連技術における流量センサFSPを樹脂封止する工程を示す断面図である。このとき、図5に示すように、第1空間SP1自体の寸法SLを小さくすると、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの直下領域にダイヤフラムDFの傾斜部が位置することになる。この場合、接触部分SELによる荷重が、ダイヤフラムDFの傾斜部に直接加わることになるため、半導体チップCHP1に割れCLKが発生しやすくなる。このことから、関連技術で半導体チップCHP1の露出部分を小さくする構成を考えると、その副作用として、半導体チップCHP1に割れCLKが発生しやすくなるという改善の余地が存在することがわかる。
また、ダイヤフラムDFをエッチングで形成する場合と同様に、サンドブラスト法などでダイヤフラムDFを角溝状に形成する場合にも、半導体チップCHP1の露出部分を極力小さくするためには、第1空間SP1の寸法SLを小さく必要がある。このことから、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELと、ダイヤフラムDFとの距離が近くなり、半導体チップCHP1に割れCLKが発生しやすくなる。
さらに、例えば、図3に示すように、半導体チップCHP1上には、ロット番号などの識別番号NUM(例えば、図3の「A001」)が形成されており、この識別番号が製品管理などに活用されている。このため、半導体チップCHP1の上面における露出部分が小さくなると、半導体チップCHP1上の識別番号NUMが樹脂MRで覆われてしまい、識別番号NUMを認識できなくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態1における技術的思想では、上述した改善の余地に対する工夫を施している。以下に、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について説明する。
<実施の形態1における流量センサの樹脂封止前の構造>
図6は、本実施の形態1における流量センサFS1の実装構成を示す図であり、樹脂で封止する前の構成を示す図である。特に、図6(a)は、本実施の形態1における流量センサFS1の実装構成を示す平面図である。図6(b)は、図6(a)のA−A線で切断した断面図である。また、図6(c)は、半導体チップの裏面を示す平面図である。
まず、図6(a)に示すように、本実施の形態1における流量センサFS1は、例えば、銅材からなるリードフレームLFを有している。このリードフレームLFは、外枠体を構成するダムバーDMで囲まれた内部にチップ搭載部TAB1とチップ搭載部TAB2を有している。そして、チップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1が搭載され、チップ搭載部TAB2上に半導体チップCHP2が搭載されている。
半導体チップCHP1は、矩形形状をしており、ほぼ中央部に流量検出部FDUが形成されている。そして、流量検出部FDUと接続する配線WL1が半導体チップCHP1上に形成されており、この配線WL1は、半導体チップCHP1の一辺に沿って形成された複数のパッドPD1と接続されている。すなわち、流量検出部FDUと複数のパッドPD1とは配線WL1で接続されていることになる。これらのパッドPD1は、リードフレームLFに形成されているリードLD1と、例えば、金線からなるワイヤW1を介して接続されている。リードフレームLFに形成されているリードLD1は、さらに、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2と、例えば、金線からなるワイヤW2を介して接続されている。
半導体チップCHP2には、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体素子や配線からなる集積回路が形成されている。具体的には、図1に示すCPU1、入力回路2、出力回路3、あるいは、メモリ4などを構成する集積回路が形成されている。これらの集積回路は、外部接続端子として機能するパッドPD2やパッドPD3と接続されている。そして、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3は、リードフレームLFに形成されているリードLD2と、例えば、金線からなるワイヤW3を介して接続されている。このようにして、流量検出部FDUが形成されている半導体チップCHP1と、制御回路が形成されている半導体チップCHP2は、リードフレームLFに形成されているリードLD1を介して接続されていることがわかる。
ここで、図示はしていないが、半導体チップCHP1の最外表面には、接着する樹脂との応力緩衝、表面保護、絶縁などを目的としてポリイミド膜が形成されていてもよい。
なお、図6(a)に示すダムバーDMは、後述する樹脂封止工程における樹脂漏れを防止する機能を有しており、樹脂封止工程後に、ダムバーDMは切断除去される。
続いて、図6(b)に示すように、リードフレームLFにはチップ搭載部TAB1が形成されており、このチップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1が搭載されている。この半導体チップCHP1は、接着材ADH1によってチップ搭載部TAB1と接着している。半導体チップCHP1の裏面には、ダイヤフラムDF(薄板部)が形成されており、ダイヤフラムDFと相対する半導体チップCHP1の表面には、流量検出部FDUが形成されている。
一方、ダイヤフラムDFの下方に存在するチップ搭載部TAB1の底部には開口部OP1が形成されている。ここでは、ダイヤフラムDFの下方に存在するチップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1が形成されている例を示したが、本実施の形態1における技術的思想は、これに限定されるものではなく、開口部OP1が形成されていないリードフレームLFを使用することもできる。
さらに、図6(b)に示すように、半導体チップCHP1の表面(上面)には、流量検出部FDUの他に、流量検出部FDUと接続されたパッドPD1が形成されており、このパッドPD1は、リードフレームLFに形成されたリードLD1とワイヤW1を介して接続されている。そして、リードフレームLFには、半導体チップCHP1の他に半導体チップCHP2も搭載されており、半導体チップCHP2は、接着材ADH1によってチップ搭載部TAB2に接着している。
さらに、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2と、リードフレームLFに形成されているリードLD1がワイヤW2を介して接続されている。また、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3と、リードフレームLFに形成されているリードLD2は、ワイヤW3を介して電気的に接続されている。
なお、第1半導体チップCHP1のパッドPD1と第2半導体チップCHP2のパッドPD2は、金線で直接接続することもできる。
半導体チップCHP1とチップ搭載部TAB1とを接着している接着材ADH1や、半導体チップCHP2とチップ搭載部TAB2とを接着している接着材ADH1は、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を成分とした接着材、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を成分とした接着材を使用することができる。
また、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分として、金、銀、銅、すずなどの金属材料、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどを成分として含む無機材料を混入することによって、導電性を持たせたり、線膨張係数を制御できるものとする。
ここで、半導体チップCHP1とチップ搭載部TAB1の接着は、接着材ADH1を塗布することや、シート状の接着材により行うことができる。例えば、図6(c)に示すように、半導体チップCHP1の裏面には、シート状の接着材ADH1が貼り付けられている。また、接着材ADH1は、これに限らず、例えば、ダイヤフラムDFを4角形状、円形状、楕円形状などの任意の形状で囲むようにシート状の接着材を加工しても接着材を塗布してもよい。
<実施の形態1における流量センサの樹脂封止後の構造>
続いて、樹脂で封止した後の本実施の形態1における流量センサFS1の実装構成について説明する。図7は、本実施の形態1における流量センサFS1の実装構成を示す図であり、樹脂で封止した後の構成を示す図である。特に、図7(a)は、本実施の形態1における流量センサFS1の実装構成を示す平面図である。図7(b)は、図7(a)のA−A線で切断した断面図であり、図7(c)は、図7(a)のB−B線で切断した断面図である。
本実施の形態1における流量センサFS1では、図7(a)に示すように、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUを露出した状態で、半導体チップCHP1の一部および半導体チップCHP2の全体が樹脂MRで覆われた構造をしている。つまり、本実施の形態1では、流量検出部FDUが形成されている領域を露出させながら、半導体チップCHP1のパッド形成領域および半導体チップCHP2の全領域を一括して樹脂MRで封止している。
ここで、本実施の形態1では、例えば、半導体チップCHP1に形成されているパッドPDと電気的に接続するワイヤW1を覆うように、樹脂MRから成る凸部を設けてもよい。すなわち、ループ高さが高い金線(ワイヤ)などの部品を確実に封止するため、樹脂MR(封止体)に凸部を形成することができる。ただし、図7(a)および図7(b)に示すように、本実施の形態1において、凸部は必須構成要件ではない。つまり、凸部を設けなくても、半導体チップCHP1に形成されているパッドPD1とリードLD1とを電気的に接続する金線(ワイヤ)を樹脂MRで封止することができれば、樹脂MR(封止体)に凸部を設ける必要はない。
なお、上述した樹脂MRは、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ボリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。さらに、樹脂MRには、金、銀、銅、すずなどの金属材料、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどを成分として含む無機材料を混入することによって、導電性を持たせたり、線膨張係数を制御するようにしてもよい。
本実施の形態1によれば、この樹脂MRによる封止は、流量検出部FDUが形成されている半導体チップCHP1を金型で固定した状態で行なうことができる。この結果、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1の位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部および半導体チップCHP2を樹脂MRで封止することができる。このことは、本実施の形態1における流量センサFS1によれば、各流量センサFS1の位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部および半導体チップCHP2の全領域を樹脂MRで封止できることを意味し、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUの位置のバラツキを抑制できることを意味する。
このことから、本実施の形態1によれば、気体の流量を検出する流量検出部FDUの位置を各流量センサFS1で一致させることができるため、各流量センサFS1において気体流量を検出する性能バラツキを抑制できる顕著な効果を得ることができる。
ここで、本実施の形態1では、樹脂MRがダイヤフラムDFの内部空間へ浸入することを防止するために、例えば、半導体チップCHP1の裏面に形成されているダイヤフラムDFを囲むように接着材ADH1を塗布する構成を取ることを前提としている。そして、図7(b)および図7(c)に示すように、半導体チップCHP1の裏面に形成されたダイヤフラムDFの下方にあるチップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1を形成し、さらに、チップ搭載部TAB1の裏面を覆う樹脂MRに開口部OP2を設けている。
これにより、本実施の形態1による流量センサFS1によれば、ダイヤフラムDFの内部空間は、チップ搭載部TAB1の底部に形成された開口部OP1および樹脂MRに形成された開口部OP2を介して流量センサFS1の外部空間と連通することになる。この結果、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力と、流量センサFS1の外部空間の圧力とを等しくすることができ、ダイヤフラムDF上に応力が加わることを抑制できる。
<本実施の形態1の特徴>
ここで、本実施の形態1の特徴は、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成されている点にある。これにより、本実施の形態1によれば、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。すなわち、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出する領域を小さくすることができる。この結果、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、半導体チップCHP1が破断することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRあるいは樹脂MR2で覆われている領域の面積を大きくすることができる。このことから、半導体チップCHP1と、樹脂MRあるいは樹脂MR2との接触面積が大きくなることになり、半導体チップCHP1と樹脂MR、あるいは、半導体チップCHP1と樹脂MR2との剥離を防止できる。したがって、本実施の形態1における流量センサFS1によれば、信頼性の向上を図ることができる。
このとき、本実施の形態1における流量センサFS1においては、樹脂MRの成分と、樹脂MR2の成分とは異なっている。すなわち、樹脂MRおよび樹脂MR2は、ともに、例えば、エポキシ樹脂などからなる樹脂と、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどからなるフィラーと、着色材と、を含んでいるが、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量とは相違する。さらに詳細に言えば、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっている。これは、後述する本実施の形態1における流量センサFS1の製造方法を採用するために生じるものであり、この詳細な説明は、製造方法の項目で説明することにする。
このように本実施の形態1における流量センサFS1では、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量が、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっているため、樹脂MR2は、例えば、透明となっている。このことから、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MR2で覆われる領域が存在しても、半導体チップCHP1に形成されている識別番号NUMを識別することができる。
ここで、本実施の形態1でいう「透明」とは、可視光に対して透光性を有していることをいい、例えば、透過光が発生する状態を含む広い概念で使用している。すなわち、本明細書でいう「透明」とは、透過光の光量は問わず、透過光が発生する状態を「透明」ということにする。したがって、少なくとも、透過光の光量が多い状態だけでなく、透過光の光量が半分程度の「半透明」状態や、透過光の光量が少ない状態であっても、透過光が存在する状態は、本明細書での「透明」に含まれるものとする。さらに、本明細書でいう「可視光」とは、波長が400nm〜760nm程度の電磁波のことをいうものとする。
本実施の形態1では、例えば、図7(a)に示すように、樹脂MRから露出している半導体チップCHP1の表面領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に樹脂MR2が形成されている。言い換えれば、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRで覆われていない樹脂MRの内側領域に樹脂MR2が形成されている。つまり、本実施の形態1において、樹脂MR2は、少なくとも、半導体チップCHP1の表面領域の一部上に形成されている。特に、図7(a)に示すように、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRで覆われている領域を第1領域と呼び、平面視において、この第1領域の内側領域を第2領域と呼ぶことにすると、樹脂MR2は、半導体チップCHP1の表面領域のうち、平面視において、第1領域よりも内側の第2領域に形成されているということができる。
この場合、上述した第2領域に形成されている樹脂MR2は、透明であることが望ましい。なぜなら、半導体チップCHP1の第1領域の内側領域である第2領域には、半導体チップCHP1を識別する識別番号NUMが形成されている場合があるからである。例えば、第2領域に透明でない樹脂MR2が形成されている場合には、透明でない樹脂MR2によって識別番号NUMが覆われてしまい、半導体チップCHP1に形成された識別番号NUMを認識することができなくなるからである。これに対し、第2領域に透明である樹脂MR2が形成されている場合には、樹脂MR2で識別番号NUMが覆われても、識別番号NUMを認識することができる。この結果、半導体チップCHP1の第2領域に形成されている識別番号NUMを製品管理などに有効活用することができる。
このように、本実施の形態1における技術的思想は、第2領域に形成される樹脂MR2が透明であることが望ましいが、これに限らず、本実施の形態1における技術的思想は、第2領域に透明でない樹脂MR2を形成する場合にも適用することができる。この場合も、半導体チップCHP1の被覆領域が増加することから、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出して、このシリコン材料に衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷が加わることに起因する半導体チップCHP1の破断を抑制することができるからである。さらには、半導体チップCHP1と樹脂MRとの接触面積が大きくなることには変わりがないため、半導体チップCHP1と樹脂MRとの密着性の向上を図ることができるからである。これらの効果は、樹脂MR2が透明であるか、透明でないかに関係なく得ることができるものである。
さらに言えば、樹脂MR2と樹脂MRとは同一の成分から構成される場合であっても、上述した効果を得ることができると考えられる。ただし、本実施の形態1における技術的思想においては、第2領域に形成される樹脂MR2の成分と、第1領域に形成される樹脂MRの成分が異なることになる。具体的に、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっている。
例えば、樹脂MR2と樹脂MRとを同一の成分から構成するということは、第1領域だけでなく、第2領域も樹脂MRで被覆するという関連技術における流量センサの製造方法を適用することに他ならない。ところが、関連技術における流量センサの製造方法では、上述したように、半導体チップCHP1の露出領域を小さくすると、その副作用として、半導体チップCHP1に割れが発生しやすくなるという改善の余地が存在するのである。
そこで、本実施の形態1では、上述した関連技術に存在する改善の余地に対する工夫を施しているのである。この結果、本実施の形態1では、関連技術と異なる流量センサの製造方法を採用することになり、この製造方法を採用する場合には、第2領域に形成される樹脂MR2の成分と、第1領域に形成される樹脂MRの成分が異なることになるのである。したがって、本実施の形態1の技術的思想は、樹脂MR2が透明であるか、透明でないかには関係がないが、少なくとも、第1成分の樹脂MRと、第1成分と異なる第2成分の樹脂MR2によって封止体が構成されている必要があるといえる。以下では、本実施の形態1における流量センサFS1の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1における流量センサの製造方法>
まず、図7(a)のB−B線で切断した断面図を使用して、本実施の形態1における特徴工程が明確化される観点で説明することにする(図8〜図13)。その後、本実施の形態1における流量センサFS1が半導体チップCHP1と半導体チップCHP2を有する2チップ構造であることが明確化される観点で説明する(図14〜図18)。
図8に示すように、例えば、銅材からなるリードフレームLFを用意する。このリードフレームLFには、チップ搭載部TAB1が形成されており、チップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1が形成されている。
次に、図9に示すように、チップ搭載部TAB1上に接着材ADH1を形成する。この接着材ADH1は、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を成分とした接着材、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を成分とした接着材を使用することができる。また、接着材ADH1は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分として、金、銀、銅、すずなどの金属材料、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどを成分として含む無機材料を混入することによって、導電性を持たせたり、線膨張係数を制御するようにしてもよい。
続いて、図10に示すように、チップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1を搭載する。具体的には、リードフレームLFに形成されたチップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1を接着材ADH1で接続する。
なお、半導体チップCHP1には、通常の半導体製造プロセスによって流量検出部FDU、配線(図示されず)およびパッド(図示されず)が形成される。そして、例えば、異方性エッチングにより、半導体チップCHP1の表面に形成された流量検出部FDUと相対する裏面の位置にダイヤフラムDFが形成されることになる。例えば、ダイヤフラムDFは、半導体チップCHP1に用いられている[100]方位の単結晶シリコンを、水酸化カリウム(KOH)によるエッチングにより、54.7°の角度を有する傾斜形状に加工することにより形成することができる。
その後、図面には示されていないが、半導体チップCHP1に形成されているパッドと、リードフレームLFに形成されているリードとをワイヤで接続する(ワイヤボンディング)。このワイヤは、例えば、金線から形成される。
次に、半導体チップCHP1の一部を樹脂MRで封止する(モールド工程)。つまり、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUを露出させつつ、半導体チップCHP1の一部を封止体で封止する。
具体的には、図11に示すように、底面に弾性体フィルムLAFを貼り付けた上金型UMと、下金型BMとを用意する。そして、半導体チップCHP1の上面に、弾性体フィルムLAFを介して、上金型UMの一部を密着させ、かつ、上金型UMと半導体チップCHP1の間に流量検出部FDUを囲む第1空間SP1を形成しながら、上金型UMと下金型BMとで、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを、第2空間SP2を介して挟み込む。
このとき、本実施の形態1では、図11に示すように、第1空間SP1自体の寸法SLがダイヤフラムDFの寸法よりも大きくなっており、平面視において、第1空間SP1にダイヤフラムDFが内包されるように、弾性体フィルムLAFを貼り付けた上金型UMが配置される。言い換えれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが、平面視において、ダイヤフラムDFと重ならないように配置される。この結果、本実施の形態1によれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの直下領域に、厚さの薄いダイヤフラムDFが配置されない構成となる。このため、上金型UMに加えられる圧力が、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELを介して、直接、厚さの薄いダイヤフラムDFに印加されることを防止できるため、半導体チップCHP1の破損を抑制することができる。
その後、図12に示すように、加熱下において、プランジャによって第2空間に樹脂MRを流し込む。この樹脂MRは、例えば、エポキシ樹脂からなる樹脂と、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどからなるフィラーと、着色材と、を含んでいる。
ここで、本実施の形態1の特徴は、第2空間に樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MRと成分の異なる樹脂MR2が浸み込む点にある。つまり、本実施の形態1では、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して、半導体チップCHP1に加える圧力が弱くなっている。具体的には、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELにおいて、弾性体フィルムLAFが変形して隙間が生じる程度に、上金型UMに加える圧力が弱められている。このように、本実施の形態1では、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して半導体チップCHP1を押さえ付ける圧力が弱くなっていることからも、半導体チップCHP1の破損を防止する効果を高めることができる。
上述したように、本実施の形態1では、第2空間に樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MR2が浸み込むことになる。このとき、接触部分SELの隙間に浸み込む樹脂MR2の成分が樹脂MRの成分と異なることになる。以下に、樹脂MRの成分と樹脂MR2の成分が相違するメカニズムについて説明する。
図13は、第2空間に樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じる状態を示す拡大図である。図13において、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELにおいて、弾性体フィルムLAFに変形が生じる結果、この接触部分SELに隙間が形成される。このとき、隙間は、弾性体フィルムLAFが注入圧力で変形した寸法程度しかない。一方、樹脂MR中に充填されている着色材CLSやフィラーFULなどは、通常凝集によりクラスター状態で存在している。このため、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間の生じる隙間に流入することができるのは、エポキシ樹脂EPなどの透明な樹脂成分だけであり、クラスター状態の着色材CLSやフィラーFULは隙間に流入しにくくなっているのである。例えば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに形成される隙間は、数μm程度であり、クラスター状態の着色材CLSやフィラーFULのサイズは、数十μm程度であるため、クラスター状態の着色材CLSやフィラーFULは隙間に流入しにくくなっている。
この結果、本実施の形態1によれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に浸み込む樹脂MR2の成分と、樹脂MRの成分が異なることになる。具体的に、樹脂MR2に含まれる着色剤CLSやフィラーFULの量は、樹脂MRに含まれる着色材CLSやフィラーFULの量よりも少なくなる。したがって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に浸み込んだ樹脂MR2は、着色剤CLSやフィラーFULの含有量が少なくなるため、例えば、可視光に対して透明となる。
なお、本実施の形態1では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間を形成して、この隙間に樹脂MR2を浸み込ませているが、この浸み込んだ樹脂MR2が、流量検出部FDUを覆う第1空間SP1に漏れ出るおそれが考えられる。この点に関し、本実施の形態1では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに形成される隙間が極めて小さいため、隙間に浸み込んだ樹脂MR2が流量検出部FDUを覆う第1空間SP1に漏れ出る可能性は極めて低い。特に、本発明者の検討によると、実際に、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間を形成して、この隙間に樹脂MR2を浸み込ませても、樹脂MR2が流量検出部FDUまで達することはないことを確認している。
その後、樹脂MRおよび樹脂MR2が硬化した段階で、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMから取り外す。具体的には、まず、樹脂MRを含む封止体から上金型UMを取り外した後、例えば、突き出しピンによる突き出しによって、半導体チップCHP1の一部を封止した封止体が下金型BMから離型する。以上のようにして、成分の異なる樹脂MRと樹脂MR2からなる封止体で半導体チップCHP1の一部を封止した流量センサFS1を製造することができる。
なお、本実施の形態1における樹脂封止工程(モールド工程)では、80℃以上の高温度の上金型UMと下金型BMを使用しているため、加熱された上金型UMと下金型BMから第2空間に注入された樹脂MRに短時間で熱が伝わる。この結果、本実施の形態1における流量センサFS1の製造方法によれば、樹脂MRの加熱・硬化時間を短縮することができる。
例えば、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、ポッティング樹脂による金線(ワイヤ)の固定だけを行なう場合、ポッティング樹脂は、加熱による硬化の促進を行っていないので、ポッティング樹脂が硬化するまでの時間が長くなり、流量センサの製造工程におけるスループットが低下してしまう問題点が顕在化する。
これに対し、本実施の形態1における樹脂封止工程では、上述したように、加熱された上金型UMと下金型BMを使用しているため、加熱された上金型UMと下金型BMから樹脂MRへの短時間での熱伝導が可能となり、樹脂MRの加熱・硬化時間を短縮することができる。この結果、本実施の形態1によれば、流量センサFS1の製造工程におけるスループットを向上させることができる。
続いて、本実施の形態1における流量センサFS1が半導体チップCHP1と半導体チップCHP2を有する2チップ構造であることが明確化される観点で、本実施の形態1における流量センサFS1の製造方法について説明する(図14〜図18)。
まず、図14に示すように、例えば、銅材からなるリードフレームLFを用意する。このリードフレームLFには、チップ搭載部TAB1、チップ搭載部TAB2、リードLD1およびリードLD2が一体的に形成されており、チップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1が形成されている。
次に、図15に示すように、チップ搭載部TAB1上およびチップ搭載部TAB2上に接着材ADH1を形成する。そして、図16に示すように、チップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1を搭載し、チップ搭載部TAB2上に半導体チップCHP2を搭載する。具体的には、リードフレームLFに形成されたチップ搭載部TAB1上に半導体チップCHP1を接着材ADH1で接続する。このとき、半導体チップCHP1に形成されているダイヤフラムDFが、チップ搭載部TAB1の底部に形成されている開口部OP1と連通するように、半導体チップCHP1がチップ搭載部TAB1上に搭載される。
なお、半導体チップCHP1には、通常の半導体製造プロセスによって流量検出部FDU、配線(図示せず)およびパッドPD1が形成される。そして、例えば、異方性エッチングにより、半導体チップCHP1の表面に形成された流量検出部FDUと相対する裏面の位置にダイヤフラムDFが形成されている。また、リードフレームLFに形成されているチップ搭載部TAB2上に、接着材ADH1によって半導体チップCHP2も搭載されている。この半導体チップCHP2には、予め、通常の半導体製造プロセスによって、MISFETなどの半導体素子(図示せず)や配線(図示せず)、パッドPD2、パッドPD3が形成されている。
次に、図17に示すように、半導体チップCHP1に形成されているパッドPD1と、リードフレームLFに形成されているリードLD1とをワイヤW1で接続する(ワイヤボンディング)。同様に、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD2をリードLD1とワイヤW2で接続し、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD3をリードLD2とワイヤW3で接続する。ワイヤW1〜W3は、例えば、金線から形成される。
その後、図18に示すように、流量検出部FDUおよびその近傍を除く半導体チップCHP1の表面、ワイヤW1、リードLD1、ワイヤW2、半導体チップCHP2の主面全面、ワイヤW3およびリードLD2の一部を樹脂MRで封止する(モールド工程)。
具体的には、半導体チップCHP1の上面に上金型UMの一部を密着させ、かつ、上金型UMと半導体チップCHP1の間に流量検出部FDUを囲む第1空間SP1を形成しながら、上金型UMと下金型BMとで、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2を搭載したリードフレームLFを、第2空間を介して挟み込む。つまり、図18に示すように、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMで第2空間(密閉空間)を介して挟み込む。その後、加熱下において、この第2空間(密閉空間)に樹脂MRを流し込むことにより、流量検出部FDUおよびその近傍を除く半導体チップCHP1の表面、ワイヤW1、リードLD1、ワイヤW2、半導体チップCHP2の主面全面、ワイヤW3およびリードLD2の一部を樹脂MRで封止する。
このとき、本実施の形態1では、第2空間に樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分に隙間が生じ、この隙間に、樹脂MRと成分の異なる樹脂MR2が浸み込む。つまり、本実施の形態1では、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して、半導体チップCHP1に加える圧力が弱くなっている。具体的には、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分において、弾性体フィルムLAFが変形して隙間が生じる程度に、上金型UMに加える圧力が弱められている。
この隙間は、弾性体フィルムLAFが注入圧力で変形した寸法程度しかない。一方、樹脂MR中に充填されている着色材やフィラーなどは、通常凝集によりクラスター状態で存在している。このため、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に流入することができるのは、エポキシ樹脂などの透明な樹脂成分だけであり、クラスター状態の着色材やフィラーは隙間に流入しにくくなっている。
この結果、本実施の形態1によれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に浸み込む樹脂MR2の成分と、樹脂MRの成分が異なることになる。具体的に、樹脂MR2に含まれる着色剤やフィラーの量は、樹脂MRに含まれる着色材やフィラーの量よりも少なくなる。したがって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に浸み込んだ樹脂MR2は、着色剤やフィラーの含有量が少なくなるため、例えば、可視光に対して透明となる。
なお、本実施の形態1においては、例えば、図18に示すように、ダイヤフラムDFの内部空間は、接着材ADH1によって、上述した第2空間と隔離されているので、第2空間を樹脂MRで充填する際にも、ダイヤフラムDFの内部空間へ樹脂MRが浸入することを防止できる。
さらに、本実施の形態1では、流量検出部FDUが形成されている半導体チップCHP1を金型で固定した状態で樹脂封止を行なうことができるので、半導体チップCHP1の位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部および半導体チップCHP2を樹脂MRおよび樹脂MR2で封止することができる。このことは、本実施の形態1における流量センサの製造方法によれば、各流量センサの位置ずれを抑制しながら、半導体チップCHP1の一部および半導体チップCHP2の全領域を樹脂MRおよび樹脂MR2で封止できることを意味し、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUの位置のバラツキを抑制できることを意味する。
この結果、本実施の形態1によれば、気体の流量を検出する流量検出部FDUの位置が各流量センサで一致させることができるため、各流量センサにおいて気体流量を検出する性能バラツキを抑制できる顕著な効果を得ることができる。
ここで、本実施の形態1における流量センサの製造方法では、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUを第2空間とは隔離された第1空間SP1で囲まれるように、下金型BMと上金型UMで、半導体チップCHP1を搭載したリードフレームLFを挟み込んでいる。これにより、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUおよびその近傍領域を露出させつつ、それ以外の半導体チップCHP1の表面領域を封止することができる。
また、図18に示すように、本実施の形態1では、リードフレームLFの裏面側にも樹脂MRが流れ込む。したがって、本実施の形態1では、チップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1が形成されているため、この開口部OP1からダイヤフラムDFの内部空間へ樹脂MRが流れ込むことが懸念される。
そこで、本実施の形態1では、リードフレームLFを挟み込む下金型BMの形状に工夫を施している。具体的には、図18に示すように、下金型BMに突起状の入れ駒IP1を形成し、上金型UMと下金型BMでリードフレームLFを挟み込む際、下金型BMに形成されている突起状の入れ駒IP1が、チップ搭載部TAB1の底部に形成された開口部OP1に挿入されるように構成している。これにより、開口部OP1に入れ駒IP1が隙間無く挿入されるので、開口部OP1からダイヤフラムDFの内部空間への樹脂MRの浸入を防止することができる。つまり、本実施の形態1では、下金型BMに突起状の入れ駒IP1を形成し、樹脂封止の際、この入れ駒IP1をチップ搭載部TAB1の底部に形成された開口部OP1に挿入している。
さらに、本実施の形態1では、入れ駒IP1の形状に工夫を施している。具体的に、本実施の形態1において、入れ駒IP1は、開口部OP1に挿入する挿入部と、この挿入部を支持する台座部から構成されており、挿入部の断面積よりも台座部の断面積が大きくなっている。これにより、入れ駒IP1は、挿入部と台座部の間に段差部が設けられる構造となり、この段差部がチップ搭載部TAB1の底面に密着することになる。
このように入れ駒IP1を構成することにより、以下に示す効果が得られる。例えば、入れ駒IP1の形状を上述した挿入部だけから構成する場合、挿入部は開口部OP1に挿入されるため、入れ駒IP1の挿入部の径は、開口部OP1の径よりもわずかに小さくなっている。したがって、入れ駒IP1を挿入部だけから構成する場合、入れ駒IP1の挿入部を開口部OP1に挿入した場合であっても、挿入した挿入部と開口部OP1の間にわずかな隙間が存在すると考えられる。この場合、隙間から樹脂MRがダイヤフラムDFの内部空間へ浸入するおそれがある。
そこで、本実施の形態1において、入れ駒IP1を挿入部よりも断面積の大きな台座部上に挿入部を形成する構成をとっている。この場合、図18に示すように、開口部OP1の内部に入れ駒IP1の挿入部が挿入されるとともに、入れ駒IP1の台座部がチップ搭載部TAB1の底面に密着するようになる。この結果、入れ駒IP1の挿入部と開口部OP1の間にわずかな隙間が生じても、台座部がチップ搭載部TAB1の裏面にしっかり押し付けられているので、樹脂MRが開口部OP1内へ浸入することを防止できるのである。つまり、本実施の形態1では、入れ駒IP1を挿入部よりも断面積の大きな台座部上に挿入部を設けるように構成しているので、台座部によって、樹脂MRが開口部OP1にまで達することはないという点と、台座部と挿入部との間に形成される段差部がチップ搭載部TAB1に押し付けられるという点との組み合わせにより、樹脂MRが開口部OP1を介してダイヤフラムDFの内部空間へ浸入することを効果的に防止することができるのである。
その後、樹脂MRが硬化した段階で、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2を搭載したリードフレームLFを上金型UMと下金型BMから取り外す。これにより、本実施の形態1における流量センサFS1を製造することができる。
このとき製造される流量センサFS1においては、樹脂封止工程で入れ駒IP1を形成した下金型BMを使用する結果、例えば、図7(b)に示すように、チップ搭載部TAB1の底面に開口部OP1が形成され、この開口部OP1と連通する開口部OP2が樹脂MRに形成される。この開口部OP2は、入れ駒IP1に台座部を形成した結果として生じるものであり、この開口部OP2の断面積は、開口部OP1の断面積よりも大きくなっている。これにより、本実施の形態1による流量センサFS1によれば、ダイヤフラムDFの内部空間は、チップ搭載部TAB1の底部に形成された開口部OP1および樹脂MRに形成された開口部OP2を介して流量センサFS1の外部空間と連通することになる。この結果、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力と、流量センサFS1の外部空間の圧力とを等しくすることができ、ダイヤフラムDF上に応力が加わることを抑制できる。
<実施の形態1における代表的な効果>
本実施の形態1における流量センサFS1によれば、以下に示す代表的な効果を得ることができる。
(1)本実施の形態1では、例えば、図12に示すように、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MR2が浸み込むことになる。この結果、本実施の形態1によれば、例えば、図7(a)〜(c)に示すように、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成される。これにより、本実施の形態1によれば、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。すなわち、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出する領域を小さくすることができる。この結果、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、半導体チップCHP1が破断することを抑制することができる。
(2)また、本実施の形態1によれば、例えば、図7(a)〜(c)に示すように、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRあるいは樹脂MR2で覆われている領域の面積を大きくすることができる。このことから、半導体チップCHP1と、樹脂MRあるいは樹脂MR2との接触面積が大きくなることになり、半導体チップCHP1と樹脂MR、あるいは、半導体チップCHP1と樹脂MR2との剥離を防止できる。したがって、本実施の形態1における流量センサFS1によれば、信頼性の向上を図ることができる。
(3)さらに、本実施の形態1では、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MRとは成分の異なる樹脂MR2が浸み込むことになる。具体的に、本実施の形態1によれば、樹脂MR2に含まれる着色剤やフィラーの量は、樹脂MRに含まれる着色材やフィラーの量よりも少なくなる。したがって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1間に生じる隙間に浸み込んだ樹脂MR2は、着色剤やフィラーの含有量が少なくなるため、例えば、可視光に対して透明とすることができる。この結果、本実施の形態1によれば、例えば、図7(a)に示すように、樹脂MR2で識別番号NUMが覆われても、樹脂MR2が透明であるため、樹脂MR2で覆われている識別番号NUMを認識することができる。これにより、本実施の形態1によれば、半導体チップCHP1に形成されている識別番号NUMを製品管理などに有効活用することができる。
(4)本実施の形態1によれば、例えば、図11に示すように、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが、平面視において、ダイヤフラムDFと重ならないように配置される。この結果、本実施の形態1によれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの直下領域に、厚さの薄いダイヤフラムDFが配置されない構成となる。このため、上金型UMに加えられる圧力が、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELを介して、直接、厚さの薄いダイヤフラムDFに印加されることを防止できるため、半導体チップCHP1の破損を抑制することができる。
(5)本実施の形態1によれば、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間を生じさせて、この隙間に、樹脂MR2を浸み込ませている。したがって、本実施の形態1では、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して、半導体チップCHP1に加える圧力が弱くなっている。具体的には、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELにおいて、弾性体フィルムLAFが変形して隙間が生じる程度に、上金型UMに加える圧力が弱められている。このように、本実施の形態1では、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して半導体チップCHP1を押さえ付ける圧力が弱くなっていることからも、半導体チップCHP1の破損を防止する効果を得ることができる。
(6)以上のことから、本実施の形態1における基本思想は、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間を生じさせて、この隙間に、樹脂MR2を浸み込ませることにある。この基本思想は、関連技術の思想とは、まったく異なる斬新な思想である。つまり、例えば、関連技術では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに、通常、樹脂漏れに対するシール性を充分に確保することを要求している。この場合、上述した接触部分SELは、樹脂MRで覆われないため、モールド工程後、半導体チップCHP1が露出する領域となってしまう。これに対し、本実施の形態1の基本思想は、従来の常識を覆し、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに、あえて、樹脂MRを注入する圧力によって、隙間が生じるように構成し、この隙間に樹脂MR2を浸み込ませている。この結果、本実施の形態1によれば、上述した接触部分SELも樹脂MRで覆われることになるため、モールド工程後、半導体チップCHP1の露出領域を小さくすることができ、これによって、半導体チップCHP1の破損を効果的に抑制することができるのである。
<変形例1>
本変形例1では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが、平面視において、ダイヤフラムDFと重なる領域に配置されている例について説明する。
図19は、本変形例1における流量センサの樹脂封止工程を示す断面図である。図19において、流量検出部FDUを覆う第1空間SP1自体の寸法SLがダイヤフラムDFの寸法よりも小さくなっており、平面視において、ダイヤフラムDFに第1空間SP1が内包されるように、弾性体フィルムLAFを貼り付けた上金型UMが配置される。言い換えれば、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが、平面視において、ダイヤフラムDFと重なるように配置される。
このとき、本変形例1においても、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MR2が浸み込むように構成されている。
この結果、本変形例1によれば、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成されるとともに、流量検出部FDUを覆う第1空間SP1の寸法SLを小さくすることができる。これにより、本変形例1によれば、前記実施の形態1よりも、第1空間SP1の寸法SLを小さくできるため、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を、さらに小さくすることができる。
ここで、本変形例1では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの直下領域に、厚さの薄いダイヤフラムDFが配置される構成となる。このため、上金型UMに加えられる圧力が、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELを介して、直接、厚さの薄いダイヤフラムDFに印加されることになるため、半導体チップCHP1の破損を充分に抑制することができないことが考えられる。しかしながら、この点に関し、本変形例1でも、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して、半導体チップCHP1に加える圧力が弱くなっている。具体的には、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELにおいて、弾性体フィルムLAFが変形して隙間が生じる程度に、上金型UMに加える圧力が弱められている。したがって、本変形例1でも前記実施の形態1と同様に、上金型UMから弾性体フィルムLAFを介して半導体チップCHP1を押さえ付ける圧力が弱くなっていることから、たとえ、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELの直下領域に、厚さの薄いダイヤフラムDFが配置される構成を採用する場合であっても、半導体チップCHP1の破損を防止することができる。
<変形例2>
本変形例2では、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く、半導体チップCHP1の表面領域を樹脂MR2だけで覆う例について説明する。
図20は、本変形例2における流量センサの樹脂封止工程を示す断面図である。図20において、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが半導体チップCHP1の端部にまで形成されている。このとき、本変形例2においても、樹脂MRを注入する圧力によって、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELに隙間が生じ、この隙間に、樹脂MR2が浸み込むように構成されている。この結果、本変形例2では、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く、半導体チップCHP1の表面領域を樹脂MR2だけで覆うように構成されることになる。この場合であっても、樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができるため、半導体チップCHP1の破損を抑制することができる。
<変形例3>
本変形例3では、流量センサの樹脂封止工程において、弾性体フィルムを使用しない例について説明する。
図21は、本変形例3における流量センサの樹脂封止工程を示す断面図である。図21において、本変形例3における流量センサの樹脂封止工程においては、上金型UMの底面に弾性体フィルムが貼り付けられていない。この場合、図21に示すように、上金型UMと半導体チップCHP1とは接触せずに隙間が設けられている。
つまり、前記実施の形態1では、弾性体フィルムLAFと半導体チップCHP1とが接する接触部分SELが形成され、樹脂MRを注入する圧力によって、この接触部分SELの弾性体フィルムLAFが変形して隙間が生じ、この隙間に、樹脂MR2が浸み込むように構成されていた。
これに対し、本変形例3では、予め、上金型UMと半導体チップCHP1とを接触させずに、上金型UMと半導体チップCHP1との間に隙間が設けられるように、上金型UMを配置する点が前記実施の形態1と相違する。
このように構成される本変形例3においても、上述した隙間に、樹脂MR2が入り込むことになる。この結果、本変形例3によっても、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成される。これにより、本変形例3によっても、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。
特に、本変形例3においても、上述した隙間は、例えば、クラスター状態で存在している着色材やフィラーが流入しにくい寸法に調整されることが望ましい。この場合、本変形例3においても、樹脂MR2に含まれる着色剤やフィラーの量は、樹脂MRに含まれる着色材やフィラーの量よりも少なくなる。したがって、上金型UMと半導体チップCHP1間に生じる隙間に入り込んだ樹脂MR2は、着色剤やフィラーの含有量が少なくなるため、例えば、可視光に対して透明とすることができる。
なお、本変形例3においては、上金型UMと半導体チップCHP1が接触しないことになる。このことから、上金型UMと半導体チップCHP1の間に設けられる隙間の配置位置は、例えば、平面視において、ダイヤフラムDFと重ならない位置に配置する場合だけでなく、ダイヤフラムDFと重なる位置に配置する場合であっても、半導体チップCHP1が割れやすくなるという問題は生じることはない。なぜなら、そもそも、本変形例3では、上金型UMと半導体チップCHP1が接触してないことから、上金型UMからの圧力が半導体チップCHP1に加わることがないからである。このため、本変形例3では、流量検出部FDUを覆う第1空間SP1のサイズを小さくして、上金型UMと半導体チップCHP1の間に設けられる隙間が、例えば、平面視において、ダイヤフラムDFと重なる位置に配置される場合であっても、上金型UMからの圧力に関係なく、樹脂MRあるいは樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、エッチング技術を使用することにより、半導体チップCHP1の裏面にダイヤフラムDFを形成する例について説明したが、本実施の形態2では、例えば、サンドブラスト法を使用することにより、半導体チップCHP1の裏面にダイヤフラムDFを形成する例について説明する。
図22は、本実施の形態2における流量センサFS1の実装構成を示す図であり、樹脂で封止した後の構成を示す図である。特に、図22(a)は、本実施の形態2における流量センサFS1の実装構成を示す平面図である。図22(b)は、図22(a)のA−A線で切断した断面図であり、図22(c)は、図22(a)のB−B線で切断した断面図である。
図22(a)〜(c)に示す本実施の形態2における流量センサFS1の実装構成は、図7(a)〜(c)に示す前記実施の形態1における流量センサFS1の実装構成とほぼ同様である。相違する点は、前記実施の形態1では、ダイヤフラムDFをエッチング技術形成するため、傾斜状のダイヤフラムDFが形成されるのに対し、本実施の形態2では、ダイヤフラムDFをサンドブラスト法で形成するため、角溝状のダイヤフラムDFが形成される点である。
このように構成されている本実施の形態2における流量センサFS1においても、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成されている。これにより、本実施の形態2によっても、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。すなわち、本実施の形態2によれば、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出する領域を小さくすることができる。この結果、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、半導体チップCHP1が破断することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態2によっても、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRあるいは樹脂MR2で覆われている領域の面積を大きくすることができる。このことから、半導体チップCHP1と、樹脂MRあるいは樹脂MR2との接触面積が大きくなることになり、半導体チップCHP1と樹脂MR、あるいは、半導体チップCHP1と樹脂MR2との剥離を防止できる。したがって、本実施の形態2における流量センサFS1によれば、信頼性の向上を図ることができる。
このとき、本実施の形態2における流量センサFS1においては、樹脂MRの成分と、樹脂MR2の成分とは異なっている。すなわち、樹脂MRおよび樹脂MR2は、ともに、例えば、エポキシ樹脂などからなる樹脂と、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどからなるフィラーと、着色材と、を含んでいるが、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量とは相違する。さらに詳細に言えば、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっている。
このように本実施の形態2における流量センサFS1では、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量が、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっているため、樹脂MR2は、例えば、透明となっている。このことから、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MR2で覆われる領域が存在しても、半導体チップCHP1に形成されている識別番号NUMを識別することができる。以上のように、本実施の形態2における流量センサFS1においても、前記実施の形態1における流量センサFS1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3における流量センサFS1について説明する。前記実施の形態1では、例えば、図7(b)や図7(c)に示すように、チップ搭載部TAB1上に接着材ADH1を介して半導体チップCHP1を配置する例について説明した。本実施の形態3では、例えば、図23に示すように、半導体チップCHP1とチップ搭載部TAB1の間に板状構造体PLTを挿入する例について説明する。
図23は、本実施の形態3において、樹脂封止後の流量センサFS1の構造を示す図である。図23(a)は、樹脂封止後の流量センサFS1の構造を示す平面図である。また、図23(b)は、図23(a)のA−A線で切断した断面図であり、図23(c)は、図23(a)のB−B線で切断した断面図である。
図23(b)や図23(c)に示すように、本実施の形態3における流量センサFS1は、半導体チップCHP1の下層および半導体チップCHP2の下層にわたって板状構造体PLTが形成されていることがわかる。この板状構造体PLTは、例えば、矩形形状をしており、平面視において、半導体チップCHP1および半導体チップCHP2を内包するような外形寸法を有している。すなわち、本実施の形態3では、チップ搭載部TAB1およびチップ搭載部TAB2上に接着材ADH2を介して板状構造体PLTが搭載され、この板状構造体PLT上に接着材ADH1によって半導体チップCHP1および半導体チップCHP2が搭載されていることになる。
また、板状構造体PLTには溝DPLTが形成されており、この溝DPLTによって、半導体チップCHP1に形成されているダイヤフラムDFの内部空間と樹脂MRに形成されている開口部OP3が接続されている。この結果、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力と、流量センサFS1の外部空間の圧力とを等しくすることができ、ダイヤフラムDF上に応力が加わることを抑制できる。
ここで、本実施の形態3では、樹脂MRに形成されている開口部OP3がダイヤフラムDFと平面的に重ならない領域に形成されているが、この利点について説明する。例えば、図7(b)に示す前記実施の形態1では、ダイヤフラムDFと平面的に重なる直下領域に開口部OP2が形成されている。この場合もダイヤフラムDFの内部空間と流量センサFS1の外部空間とは、開口部OP1および開口部OP2を介して連通することになり、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力と、流量センサFS1の外部空間の圧力とを等しくすることができる。
ただし、このような構成の場合、開口部OP2は、気体が流れる位置に配置されることになる。つまり、開口部OP2の近傍の外部空間では気体が流れることにより、外部空間の圧力が不安定となる。つまり、ダイヤフラムDFの直下領域に形成されている開口部OP2によって、ダイヤフラムDFの内部空間と外部空間とを連通させると、外部空間に流れる気体の流れに起因して、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力が不安定となるおそれがある。
そこで、本実施の形態3では、例えば、図23(b)に示すように、樹脂MRに形成される開口部OP3を、気体の流れる位置から離れるように、平面的にダイヤフラムDFと重ならない領域に配置している。これにより、本実施の形態3によれば、気体の流れに影響を受けることなく、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力を安定化させることができる。つまり、本実施の形態3によれば、気体の流れの影響を受けにくい場所に開口部OP3を設けることにより、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力を流量センサFS1の外部空間の圧力と等しくしつつ、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力を安定化させることができる。
次に、本実施の形態3では、例えば、図23(b)に示すように、チップ搭載部TAB1およびチップ搭載部TAB2上に板状構造体PLTが配置されている。この板状構造体PLTは、例えば、接着材ADH2を用いて、チップ搭載部TAB1やチップ搭載部TAB2と接着されているが、ペースト材料を使用して接合することもできる。
そして、この板状構造体PLT上には、接着材ADH1を介して半導体チップCHP1が搭載されているとともに、接着材ADH1を介して半導体チップCHP2が搭載されている。このとき、板状構造体PLTが金属材料から形成されている場合には、半導体チップCHP1とワイヤで接続することができるとともに、半導体チップCHP2とワイヤで接続することもできる。
上述した板状構造体PLTは、主に、流量センサFS1の剛性向上や外部からの衝撃に対する緩衝材として機能する。さらに、図23(b)では、半導体チップCHP1のパッドPD1と半導体チップCHP2のパッドPD2を金線で直接接続する例を示している。ただし、板状構造体PLTが導電材料から構成される場合には、半導体チップCHP1(パッドPD1)や半導体チップCHP2(パッドPD2)と電気的に接続し、グランド電位(基準電位)の供給に使用することもできるし、グランド電位の安定化を図ることもできる。例えば、板状構造体PLTは、金属材料などの剛性の高い材料を使用する場合、流量センサFS1の剛性向上を図ることができる。一方、樹脂材料などの剛性が低い材料を使用する場合には、樹脂封止工程において、上金型UMと下金型BMの間にクランプした部品の実装高さの寸法バラツキを板状構造体PLTの変形によっても吸収することができる。
板状構造体PLTは、例えば、PBT樹脂、ABS樹脂、PC樹脂、ナイロン樹脂、PS樹脂、PP樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂から構成することができる。この場合、板状構造体PLTは、主に、外部の衝撃から半導体チップCHP1や半導体チップCHP2を保護する緩衝材として機能させることができる。
一方、板状構造体PLTは、鉄合金、アルミニウム合金、あるいは、銅合金などの金属材料をプレス加工することにより形成することもできるし、ガラス材料から形成することもできる。特に、板状構造体PLTを金属材料から形成する場合には、流量センサFS1の剛性を高めることができる。さらには、板状構造体PLTを半導体チップCHP1や半導体チップCHP2と電気的に接続し、板状構造体PLTをグランド電位の供給やグランド電位の安定化に利用することもできる。
なお、板状構造体PLTを熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂から構成する場合、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂には、ガラス、タルク、シリカ、マイカなどの無機フィラー、カーボンなどの有機フィラーを充填することができる。そして、板状構造体PLTは、トランスファ成形法により金型内に樹脂を充填してモールド成形することもできるし、ロール加工によってシート形状品を任意に積層して形成することもできる。
また、半導体チップCHP1や半導体チップCHP2と板状構造体PLTとを接着している接着材ADH1や、板状構造体PLTとチップ搭載部TAB1およびチップ搭載部TAB2とを接着している接着材ADH2は、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を成分とした接着材、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を成分とした接着材を使用することができる。また、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分として、金、銀、銅、すずなどの金属材料、シリカ、石英、カーボン、マイカ、タルクなどの無機材料を混入することによって、導電性を持たせたり、線膨張係数を制御することができる。
このように構成されている本実施の形態3における流量センサFS1においても、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成されている。これにより、本実施の形態3によっても、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。すなわち、本実施の形態3によれば、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出する領域を小さくすることができる。この結果、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、半導体チップCHP1が破断することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態3によっても、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRあるいは樹脂MR2で覆われている領域の面積を大きくすることができる。このことから、半導体チップCHP1と、樹脂MRあるいは樹脂MR2との接触面積が大きくなることになり、半導体チップCHP1と樹脂MR、あるいは、半導体チップCHP1と樹脂MR2との剥離を防止できる。したがって、本実施の形態3における流量センサFS1によれば、信頼性の向上を図ることができる。
このとき、本実施の形態3における流量センサFS1においては、樹脂MRの成分と、樹脂MR2の成分とは異なっている。すなわち、樹脂MRおよび樹脂MR2は、ともに、例えば、エポキシ樹脂などからなる樹脂と、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどからなるフィラーと、着色材と、を含んでいるが、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量とは相違する。さらに詳細に言えば、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっている。
このように本実施の形態3における流量センサFS1では、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量が、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっているため、樹脂MR2は、例えば、透明となっている。このことから、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MR2で覆われる領域が存在しても、半導体チップCHP1に形成されている識別番号NUMを識別することができる。以上のように、本実施の形態3における流量センサFS1においても、前記実施の形態1における流量センサFS1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
前記実施の形態1では、例えば、図7(b)に示すように、半導体チップCHP1と半導体チップCHP2を備える2チップ構造の流量センサFS1を例に挙げて説明した。本発明の技術的思想は、これに限らず、例えば、流量検出部と制御部(制御回路)を一体的に形成した1つの半導体チップを備える1チップ構造の流量センサにも適用することができる。本実施の形態4では、本発明の技術的思想を1チップ構造の流量センサに適用する場合を例に挙げて説明する。
<実施の形態4における流量センサの実装構成>
図24は、本実施の形態4における流量センサFS2の実装構成を示す図であり、樹脂で封止した後の構成を示す図である。特に、図24(a)は、本実施の形態4における流量センサFS2の実装構成を示す平面図である。図24(b)は、図24(a)のA−A線で切断した断面図であり、図24(c)は、図24(a)のB−B線で切断した断面図である。特に、図24(b)は、露出している流量検出部FDU上を流れる気体の進行方向と並行する一断面を示しており、図24(b)において、気体は、例えば、X軸を左側から右側に向って流れるものとする。
まず、図24(a)に示すように、本実施の形態4における流量センサFS2は、矩形形状をした樹脂MRを含む封止体を有し、樹脂MRからリードLD2が突き出ている。そして、樹脂MRの上面(表面)から半導体チップCHP1の一部が露出している。特に、半導体チップCHP1には、流量検出部FDUと、この流量検出部FDUを制御する制御部が形成されている。具体的に、半導体チップCHP1に形成されている流量検出部FDUは、配線WL1によって、制御部と電気的に接続されている。この制御部は、図24(a)においては、樹脂MRに覆われているため、図示されていないが、樹脂MRの内部に配置されている。つまり、本実施の形態4における流量センサFS2においては、流量検出部FDUと制御部が一体的に形成された半導体チップCHP1を有し、樹脂MRから流量検出部FDUが露出する構成をしていることになる。
次に、図24(b)に示すように、本実施の形態4における流量センサFS2は、チップ搭載部TAB1上に接着材ADH1を介して半導体チップCHP1が搭載されていることがわかる。このとき、半導体チップCHP1の上面(表面、主面)には、流量検出部FDUが形成されており、この流量検出部FDUと相対する半導体チップCHP1の裏面にダイヤフラムDF(薄板部)が形成されている。一方、ダイヤフラムDFの下方に存在するチップ搭載部TAB1の底部には開口部OP1が形成されている。
なお、半導体チップCHP1とチップ搭載部TAB1とを接着している接着材ADH1は、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を成分とした接着材、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を成分とした接着材を使用することができる。また、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分として、金、銀、銅、すずなどの金属材料、シリカ、石英、カーボン、マイカ、タルクなどの無機材料を混入することによって、導電性を持たせたり、線膨張係数を制御することができる。
ここで、図24(b)に示すように、本実施の形態4における流量センサFS2では、半導体チップCHP1の側面および上面の一部およびチップ搭載部TAB1の一部を覆うように樹脂MRが形成されている。
このとき、本実施の形態4では、半導体チップCHP1の裏面に形成されたダイヤフラムDFの下方にあるチップ搭載部TAB1の底部に開口部OP1を形成し、さらに、チップ搭載部TAB1の裏面を覆う樹脂MRに開口部OP2を設けている。
これにより、本実施の形態4による流量センサFS2によれば、ダイヤフラムDFの内部空間は、チップ搭載部TAB1の底部に形成された開口部OP1および樹脂MRに形成された開口部OP2を介して流量センサFS2の外部空間と連通することになる。この結果、ダイヤフラムDFの内部空間の圧力と、流量センサFS2の外部空間の圧力とを等しくすることができ、ダイヤフラムDF上に応力が加わることを抑制できる。
なお、図24(c)に示すように、チップ搭載部TAB1上に接着材ADH1を介して半導体チップCHP1が搭載されているが、この半導体チップCHP1の上面に流量検出部FDUおよび制御部CUが形成されていることがわかる。つまり、本実施の形態4では、半導体チップCHP1に流量検出部FDUと制御部CUが一体的に形成されていることがわかる。さらに、半導体チップCHP1の上面にパッドPDが形成されており、このパッドPDとリードLD2がワイヤWによって電気的に接続されている。そして、半導体チップCHP1の上面に形成されている制御部CUおよびパッドPDと、ワイヤWは、樹脂MRで封止されている。
このように構成されている本実施の形態4における流量センサFS2においても、樹脂MRから露出する半導体チップCHP1の領域のうち、流量検出部FDUおよびその近傍領域を除く領域に、樹脂MR2が形成されている。これにより、本実施の形態4によっても、樹脂MRおよび樹脂MR2から露出する半導体チップCHP1の領域を小さくすることができる。すなわち、本実施の形態4によれば、半導体チップCHP1の主成分であるシリコン材料が露出する領域を小さくすることができる。この結果、衝撃や温度変化で生じる熱応力などの外力負荷によって、半導体チップCHP1が破断することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態4によっても、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MRあるいは樹脂MR2で覆われている領域の面積を大きくすることができる。このことから、半導体チップCHP1と、樹脂MRあるいは樹脂MR2との接触面積が大きくなることになり、半導体チップCHP1と樹脂MR、あるいは、半導体チップCHP1と樹脂MR2との剥離を防止できる。したがって、本実施の形態4における流量センサFS2によれば、信頼性の向上を図ることができる。
このとき、本実施の形態4における流量センサFS2においては、樹脂MRの成分と、樹脂MR2の成分とは異なっている。すなわち、樹脂MRおよび樹脂MR2は、ともに、例えば、エポキシ樹脂などからなる樹脂と、シリカ、ガラス、カーボン、マイカ、タルクなどからなるフィラーと、着色材と、を含んでいるが、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量とは相違する。さらに詳細に言えば、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量は、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっている。
このように本実施の形態4における流量センサFS2では、樹脂MR2に含まれるフィラーおよび着色材の量が、樹脂MRに含まれるフィラーおよび着色材の量よりも少なくなっているため、樹脂MR2は、例えば、透明となっている。このことから、半導体チップCHP1の表面領域のうち、樹脂MR2で覆われる領域が存在しても、半導体チップCHP1に形成されている識別番号NUMを識別することができる。以上のように、本実施の形態4における流量センサFS2においても、前記実施の形態1における流量センサFS1と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、半導体チップCHP1に形成されているダイヤフラムDFの直下領域に設置したチップ搭載部TAB1の開口部OP1や板状構造体PLTの溝DPLTは、設置しなくてもよいものとする。また、リードフレームLF上には、コンデンサ、サーミスタ、制御回路、メモリ、トランジスタ、抵抗体、ヒータなどの部品を搭載することもできる。
上述した前記実施の形態で説明した流量センサは、気体の流量を測定するデバイスであるが、具体的な気体の種類は限定されるものではなく、空気、LPガス、炭酸ガス(CO2ガス)、フロンガスなどの任意の気体の流量を測定するデバイスに幅広く適用することができる。
また、上述した前記実施の形態では、気体の流量を測定する流量センサについて説明したが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではなく、湿度センサなどの半導体素子の一部を露出させた状態で樹脂封止する半導体装置にも幅広く適用することができる。