JP2010048657A - センサ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサ装置の歩留まりを高めることのできるセンサ装置およびその製造方法を実現する。
【解決手段】 センサチップ20と凹部42との間には隙間43が形成されており、隙間43は第2の収容部44の側に開口している。その開口部の周囲は壁50によって閉塞されている。このため、回路チップ30を封止する低粘度の封止材90は壁50に阻まれ、隙間43に漏れない。したがって、従来のように隙間43を埋める微小な緩衝部材を高精度で配置する必要がないため、センサ装置の歩留まりを高めることができる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、上記の各目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(20a)と、前記基板の基板面に配置されたセンシング部(21)と、前記基板の基板面に配置されており、前記センシング部からの信号を外部に取出すための端子(22)と、前記端子の近傍に前記基板と離れて配置された回路(30)と、前記端子および回路を電気的に接続してなる導電部材(60)と、前記基板および回路が搭載された搭載部材(40)と、前記回路を封止してなる第1の封止材(90)と、を備えており、前記搭載部材には、前記基板の側面(20b)との間に隙間(43)を形成して前記基板が搭載された凹部(42)が備えられたセンサ装置(10)において、前記回路と、前記回路側に開口された前記隙間の開口部(43a)との間に、前記第1の封止材が前記開口部へ流入するのを阻止する壁(50)が配置されてなるという技術的手段を用いる。
したがって、従来のように回路を封止する前に緩衝部材を組付ける必要がないため、センサ装置の歩留まりを高めることができる。また、センサ装置の製造効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項に記載のセンサ装置(10)において、前記回路は前記搭載部材に搭載された回路チップ(30)に設けられており、前記回路チップは前記第1の封止材(90)によって封止されており、前記壁(50)は、前記搭載部材(40)の底面(44a)から少なくとも前記回路チップの高さ以上に立設されてなるという技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のセンサ装置(10)において、前記壁(50)の上端と前記基板(20a)の表面との間に形成された隙間(47)が、第2の封止材(80)によって封止されてなるという技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のセンサ装置(10)において、前記第2の封止材(80)の上端が前記壁(50)の上端よりも高いという技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明では、請求項3または請求項4に記載のセンサ装置(10)において、前記基板(20a)の裏面が、接着剤(70)によって前記搭載部材(40)に接着されており、前記隙間(47)の下方(48)において前記第2の封止材(80)と前記接着剤とが接触していないという技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明では、請求項3ないし請求項5のいずれか1つに記載のセンサ装置(10)において、さらに、前記端子(22)および導電部材(60)の接続領域が、前記第2の封止材(80)によって封止されてなるという技術的手段を用いる。
この発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下の各実施形態では、この発明に係るセンサ装置として熱式流量センサ装置を例に挙げて説明する。図1は、熱式流量センサ装置の概略説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。図2は、図1に示す熱式流量センサ装置に備えられたセンサチップと搭載部材との配置関係を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。図3は、図1に示す熱式流量センサ装置に封止材が配置された状態を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は封止部材近傍の拡大図、(d)は隙間の説明図である。
最初に、この実施形態に係る熱式流量センサ装置の主要構成について図1を参照して説明する。なお、以下の説明では、図面右側を先端とし、図面左側を後端とする。
熱式流量センサ装置10は、気体の流量を検出するセンサチップ20と、このセンサチップ20と電気的に接続された回路チップ30と、センサチップ20および回路チップ30を収容する搭載部材40とを備える。熱式流量センサ装置10は、たとえば、車両に備えられたインテークマニホルド内に配置され、内燃機関のシリンダ内に取り込まれる空気の流量検出に用いられる。
つまり、壁50は、封止材90が隙間43に流入しないように隙間43の開口部43aを閉塞するものである。
次に、センサチップ20の構成について図4を参照して説明する。図4は、センサチップ20の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図である。
センシング部21の裏面には、空洞部27が形成されており、その空洞部27の基板表面には、薄い絶縁膜から構成される薄肉部(メンブレン)23が形成されている。
ヒータ21a,21bは、回路チップ30に内臓された図示しない制御回路によって駆動され、たとえば、測温抵抗24によって測定される環境温度よりも200℃高い温度となるように制御される。具体的には、制御回路からパッド22および配線層26を通じてヒータ21a,21bに電流が流される。これにより、所定の線幅で構成された各ヒータ21a,21bが加熱され、これに伴ってヒータ21a,21bの温度が上昇する。
従って、制御回路は、ヒータ21a,21bへの通電量に基づいて、気体の流量および流れの方向を検出することが可能となる。
次に、上記構成の熱式流量センサ装置10の製造方法について図を参照して説明する。図5は、製造工程の流れを示す工程図である。
したがって、封止材90が開口部43aを介して隙間43に流入し、センサチップ20の表面に流出することがない。また、高粘度の封止材80の上端が壁50の上端よりも高いため、低粘度の封止材90が壁50の上端を超えてセンサチップ20の表面に流出することもない。
以上のように、第1実施形態の熱式流量センサ装置10を実施すれば、従来のように回路チップを封止する前に緩衝部材を組付ける必要がないため、熱式流量センサ装置の歩留まりを高めることができる。また、熱式流量センサ装置の製造効率を向上させることができる。
(1)壁50は、センサチップ20または回路チップ30よりも低く形成してもよい。この構造の場合でも、高粘度の封止材80によって開口部43aおよび隙間47を封止することができるため、低粘度の封止材90が開口部43aまたは隙間47からセンサチップ20の方へ流出するおそれがない。
次に、この発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は、この実施形態に係る熱式流量センサ装置の縦断面図である。この実施形態に係る熱式流量センサ装置は、放熱部材の一部を壁に利用したことを特徴とする。
次に、この発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。図7は、この実施形態に係る熱式流量センサ装置の説明図であり、(a)は接着剤の説明図、(b)は接着剤によって形成された壁の説明図である。この実施形態に係る熱式流量センサ装置は、センサチップ20を接着する接着剤の一部を壁に利用したことを特徴とする。
次に、この発明の第4実施形態について図8を参照して説明する。図8は、この実施形態に係る熱式流量センサ装置の説明図であり、(a)はリードフレームの縦断面図、(b)は熱式流量センサ装置の縦断面図である。この実施形態に係る熱式流量センサ装置は、リードフレームの一部を壁に利用したことを特徴とする。
リードフレーム としては、通常の電子装置の分野で用いられるCuや42アロイなどからなるリードフレーム 材料を採用することができる。
(1)壁50は、開口部43aを閉塞できれば良いため、図2(a)に示すように、屈曲部52,52をそれぞれ切欠部45cの壁面と面一にする必要はない。したがって、図2(a)に示す直線部51を延長形成して壁50をさらに縦長に形成し、開口部43aを余裕をもって囲むようにしても良い。
したがって、高い位置決め精度が要求される従来の方法よりも熱式流量センサ装置の歩留まりを高めることができるし、製造効率を向上させることができる。
22・・パッド(端子)、21・・センシング部、30・・回路チップ(回路)、
40・・搭載部材、42・・凹部、43・・隙間、43a・・開口部、50・・壁、
60・・ボンディングワイヤ(導電部材)、80・・封止材(第2の封止材)、
90・・封止材(第1の封止材)。
Claims (12)
- 基板と、
前記基板の基板面に配置されたセンシング部と、
前記基板の基板面に配置されており、前記センシング部からの信号を外部に取出すための端子と、
前記端子の近傍に前記基板と離れて配置された回路と、
前記端子および回路を電気的に接続してなる導電部材と、
前記基板および回路が搭載された搭載部材と、
前記回路を封止してなる第1の封止材と、を備えており、
前記搭載部材には、前記基板の側面との間に隙間を形成して前記基板が搭載された凹部が備えられたセンサ装置において、
前記回路と、前記回路側に開口された前記隙間の開口部との間に、前記第1の封止材が前記開口部へ流入するのを阻止する壁が配置されてなることを特徴とするセンサ装置。 - 前記回路は前記搭載部材に搭載された回路チップに設けられており、
前記回路チップは前記第1の封止材によって封止されており、
前記壁は、前記搭載部材の底面から少なくとも前記回路チップの高さ以上に立設されてなることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記壁の上端と前記基板の表面との間に形成された隙間が、第2の封止材によって封止されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ装置。
- 前記第2の封止材の上端が前記壁の上端よりも高いことを特徴とする請求項3に記載のセンサ装置。
- 前記基板の裏面が、接着剤によって前記搭載部材に接着されており、
前記隙間の下方において前記第2の封止材と前記接着剤とが接触していないことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセンサ装置。 - さらに、前記端子および導電部材の接続領域が、前記第2の封止材によって封止されてなることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
- 基板と、
前記基板の基板面に配置されたセンシング部と、
前記基板の基板面に配置されており、前記センシング部からの信号を外部に取出すための端子と、
前記端子の近傍に前記基板と離れて配置された回路と、
前記端子および回路を電気的に接続してなる導電部材と、
前記基板および回路が搭載された搭載部材と、
前記回路を封止してなる第1の封止材と、を備えており、
前記搭載部材には、前記基板の側面との間に隙間を形成して前記基板が搭載された凹部が備えられたセンサ装置の製造方法において、
前記回路と、前記回路側に開口された前記隙間の開口部との間に、前記第1の封止材が前記開口部へ流入するのを阻止する壁が配置され、前記基板および回路が搭載された前記搭載部材と、前記第1の封止材とを用意し、前記第1の封止材により前記回路を封止することを特徴とするセンサ装置の製造方法。 - 前記回路は前記搭載部材に搭載された回路チップに設けられており、かつ、前記壁は、前記搭載部材の底面から少なくとも前記回路チップの高さ以上に立設されてなることを特徴とする請求項7に記載のセンサ装置の製造方法。
- さらに第2の封止材を用意し、
前記端子および導電部材の接続領域と、前記壁の上端と前記基板の表面との間に形成された隙間とが封止されるように前記第2の封止部材を配置する第1工程と、
前記第1の封止材により、前記第2の封止材との間に隙間が形成されないように前記回路を封止する第2工程と、
を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のセンサ装置の製造方法。 - 前記第1工程では、前記第2の封止材を、その上端が前記壁の上端よりも高くなるように配置することを特徴とする請求項9に記載のセンサ装置の製造方法。
- 前記基板の裏面が、接着剤によって前記搭載部材に接着されており、
前記第1工程では、前記隙間が封止され、かつ、前記隙間の下方において前記第2の封止材と前記接着剤とが接触しないように前記第2の封止材を配置することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のセンサ装置の製造方法。 - 前記第1工程では、前記第2の封止材によって、さらに前記端子および導電部材の接続領域をも封止することを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1つに記載のセンサ装置の製造方法。
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