JP5065097B2 - ガス検知装置及びガス検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及びガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子と、ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させる通電駆動手段と、ガス検知層の温度が高温状態に変化したときのガス検知層の電気抵抗値に基づいて、検出対象ガスを検出するガス検出手段とを備えたガス検知装置及びそのガス検知装置において実行されるガス検知方法に関する。
上記のようなガス検知装置においては、ヒータ層に通電することによりガス検知層を検出対象ガスの種類に応じた適切な温度にまで加熱し、この加熱されたガス検知層の電気抵抗値に基づいて被検出対象ガス中に含まれる検出対象ガスの有無及び濃度を検出する。
ヒータ層に通電する際には、電力消費を軽減する等のためパルス状に通電して、ガス検知層を低温状態と高温状態との間で変化させることが行われるが、低温状態と高温状態とを、例えば、30秒周期で繰り返すと、ガス検知層に隣接して設けられる絶縁層(SiO2など)などが経年劣化により絶縁破壊・絶縁不良を起こし、ヒータ層からガス検知層への熱伝導が良好に行われないなど、ガス検知層等からなるセンサ素子に異常を発生させることがある。このような異常が発生すると、ガス検知層の電気抵抗値が、正常な状態での電気抵抗値からずれてしまい本来の検出対象ガスの有無及び濃度を示すものではなくなって、正確な検出対象ガスの濃度等を検出することができないこととなる。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、上記のようなガス検知装置において、ヒータ層とガス検知層との間の絶縁抵抗を測定し、さらに、ヒータ層によりガス検知層を加熱した状態でこのガス検知層の電気抵抗値の高周波成分を測定することで、これら絶縁抵抗の値が所定の値以下である場合や高周波成分の値が所定値以上である場合に、上記ヒータ層とガス検知層との間に設けられた絶縁層の絶縁破壊・絶縁不良が生じているものと判定する発明が開示されている。これにより、ガス検知層を低温状態と高温状態との間で周期的に変化させた場合において、経年劣化により生じた絶縁破壊の異常をある程度容易に検出することができる。
特開平9−138206号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の発明では、経年劣化により生じた絶縁破壊や絶縁不良などの異常を、検出対象ガスの検出に加えてその検出結果を利用する比較的複雑な手法とを併用することで、ある程度検出することができるものの、当該異常を検出するためには、上記絶縁抵抗と高周波成分とを共に測定する必要があり、異常検出が複雑かつ手間のかかるものとなる。
また、検出することができる異常としては、絶縁破壊や絶縁不良による異常に留まり、その他の原因で生じる異常を実質的に検出することができない。
従って、本発明は、上記の課題に鑑みて、簡便かつ容易にセンサ素子の異常を判定することができるとともに、精度よく正確に検出対象ガスの有無及び濃度を検出することができる技術の提供を目的とする。
〔構成1〕
上記の目的を達成するための本発明に係るガス検知装置は、
支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及び前記ガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子と、
前記ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、前記ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させる通電駆動手段と、
前記ガス検知層の温度が前記高温状態に変化したときの前記ガス検知層の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスを検出するガス検出手段とを備えたガス検知装置であって、
その特徴構成は、
前記通電駆動手段による前記ヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態に基づいて、前記ガス検知層が異常状態であると判定する異常状態検出手段を備えた点にある。
また、上記の目的を達成するための本発明に係るガス検知方法は、上記特徴構成を有するガス検知装置により好適に実行されるものであり、支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及び前記ガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子を用いて、
通電駆動手段が、前記ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、前記ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させ、
ガス検出手段が、前記ガス検知層の温度が前記高温状態に変化したときの前記ガス検知層の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスを検出するガス検知方法であって、その特徴手段は、
異常状態検出手段が、前記通電駆動手段による前記ヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態に基づいて、前記ガス検知層が異常状態であると判定する点にある。
本願発明者らは、低熱容量の薄膜型センサ素子において、薄膜状のガス検知層を設け、ヒータ層への通電駆動によりガス検知層が低温である低温状態から高温である高温状態へと加熱される際において、ヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態が、センサ素子(ガス検知層)が正常状態の場合と異常状態の場合とで異なることを見出し、この新知見により、当該電気抵抗値の低下状態に基づいて、センサ素子(ガス検知層)の異常状態の判定を行うこととして、本発明を完成するに至ったものである。
ここで、電気抵抗値の低下状態とは、ガス検知層を検出対象ガスの有無や濃度の検出に対応した高温状態にすべくヒータ層への通電駆動を開始することにより、検出対象ガスの存在下、高温状態に近づくに従ってガス検知層の電気抵抗値が低下し、検出対象ガスの有無や濃度を安定的に検出可能な程度に漸近的に安定化するまでの電気抵抗値の低下状態をいう。
すなわち、上記構成1のガス検知装置及びガス検知方法によれば、異常状態検出手段において、通電駆動手段によるヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態、即ち、ガス検知層が高温状態に変化して電気抵抗値が検出対象ガスの有無や濃度を安定的に検出可能な程度の電気抵抗値に漸近的に安定化するまでの電気抵抗値の低下状態に基づいて、前記ガス検知層が異常状態であると判定することができる。例えば、当該低下状態が、予め設定しておいた正常状態における電気抵抗値の低下状態と比較して、一致していない場合や所定の閾値以上ずれている場合などに異常状態であると判定することができる。
この際には、従来と同様に、ガス検知層が高温状態に変化して、検出対象ガスの有無や濃度を安定的に検出可能な程度に漸近的に安定化した電気抵抗値を用いて、検出対象ガスの有無及び濃度の少なくとも一方を検出することも当然に可能である。
従って、被検出対象ガス中に検出対象ガスが存在する場合において、ガス検知層の電気抵抗値が漸近的に安定化した際の電気抵抗値を用いて、検出対象ガスの有無及び濃度の少なくとも一方を検出することができるとともに、当該ガス検知層の電気抵抗値が低下して漸近的に安定化するまでの電気抵抗値の低下状態を用いて、センサ素子(ガス検知層)の異常状態を判定することができる。
よって、簡便かつ容易にセンサ素子の異常を判定することができるとともに、異常状態のセンサ素子を用いてしまうことを防止して、精度よく正確に検出対象ガスの有無及び濃度を検出することができる。
なお、断続的に繰り返されるヒータ層への通電駆動のうち、例えば、低温状態から高温状態へと変化させる1周期において、検出対象ガスの有無や濃度を検出することができるとともに、センサ素子(ガス検知層)の異常状態をも判定することができ、異常状態を判定するために別途ヒータ層によりガス検知層を加熱する必要が無く、消費電力を低減することもできる。
〔構成2〕
本発明に係るガス検知装置は、上記構成1のガス検知装置の構成に加えて、その特徴構成は、前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を前記低下状態の代表指標として用い、前記安定化必要時間が予め設定した安定化標準時間よりも遅延した場合に、前記ガス検知層が異常状態であると判定する点にある。
また、本発明に係るガス検知方法は、上記特徴構成を有するガス検知装置により好適に実行されるものであり、上記構成1のガス検知方法の構成に加えて、前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を前記低下状態の代表指標として用い、前記安定化必要時間が予め設定した安定化標準時間よりも遅延した場合に、前記ガス検知層が異常状態であると判定する点にある。
上記構成2のガス検知装置及びガス検知方法によれば、安定化必要時間が、予め設定した正常状態におけるガス検知層の電気抵抗値が安定化するまでの安定化標準時間よりも遅延した場合に、ガス検知層が異常状態であると判定することができる。
すなわち、センサ素子(ガス検知層)が経年劣化等により正常状態から異常状態に変化すると、ヒータ層への通電駆動を開始してからガス検知層の電気抵抗値が検出対象ガスを検出可能な程度に安定化した所定の電気抵抗値となるまでの安定化必要時間が、正常状態においてガス検知層の電気抵抗値が安定化した所定の電気抵抗値となるまでの安定化標準時間よりも遅延する。従って、このことを利用して、当該遅延が発生するとセンサ素子(ガス検知層)が異常状態にあると判定することとしたものである。ここで、所定の電気抵抗値としては、センサ素子(ガス検知層)の組成や検出対象ガスによって異なる電気抵抗値を適宜選択することができるが、例えば、低温状態から高温状態へ加熱される時間の経過とともに漸近的に安定化して、検出対象ガスの有無や濃度を安定的に検出可能な程度の電気抵抗値をいう。
これにより、安定化必要時間を設定して、正常状態における安定化標準時間と比較することのみにより、簡便かつ容易に異常状態を判定することができる。
〔構成3〕
本発明に係るガス検知装置は、上記構成1のガス検知装置の構成に加えて、その特徴構成は、前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が安定化するまでの複数の時点における前記電気抵抗値を用い、前記異常状態においては前記電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する第1経過時点と、前記異常状態及び正常状態において共に前記電気抵抗値が安定化する第2経過時点とにおけるそれぞれの前記電気抵抗値の差分を前記低下状態の代表指標として用いて、当該差分の絶対値が予め設定した標準差分よりも大きい場合に前記ガス検知層が異常状態であると判定する点にある。
また、本発明に係るガス検知方法は、上記特徴構成を有するガス検知装置により好適に実行されるものであり、上記構成1のガス検知方法の構成に加えて、前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が安定化するまでの複数の時点における前記電気抵抗値を用い、前記異常状態においては前記電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する第1経過時点と、前記異常状態及び正常状態において共に前記電気抵抗値が安定化する第2経過時点とにおけるそれぞれの電気抵抗値の差分を前記低下状態の代表指標として用いて、当該差分の絶対値が予め設定した標準差分よりも大きい場合に前記ガス検知層が異常状態であると判定する点にある。
上記構成3のガス検知装置及びガス検知方法によれば、ヒータ層への通電駆動の開始からガス検知層の電気抵抗値が安定化するまでの複数の時点における電気抵抗値を用いて、これら電気抵抗値の差分の絶対値が、正常状態における上記複数の時点に対応するガス検知層の電気抵抗値の標準差分よりも大きい場合に、異常状態と判定することができる。
上記複数の時点として、異常状態においては電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては電気抵抗値が安定化する第1経過時点と、異常状態及び正常状態において共に電気抵抗値が安定化する第2経過時点とを用いて異常状態にあるかを判定することができる。第1経過時点では、異常状態においては電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては電気抵抗値が安定化するので、異常状態の場合と正常状態の場合とでは電気抵抗値が大きく遷移する箇所(時点)である。また、第2経過時点では、異常状態及び正常状態において共に電気抵抗値は安定化するので、異常状態と正常状態とで電気抵抗値がほぼ同程度の値を示す箇所(時点)である。したがって、このような第1経過時点と第2経過時点との差分の絶対値は、電気抵抗値の低下状態をより大きな変化を示す状態で表すものとなって、正確に当該電気抵抗値の低下状態を表すことができ、当該差分を正常状態における上記第1経過時点と第2経過時点とに対応する各時点における電気抵抗値の差分とを比較することのみにより、簡便かつ容易に異常状態を判定することができる。
〔構成4〕
本発明に係るガス検知装置は、上記構成1から3の何れかのガス検知装置の構成に加えて、その特徴構成は、前記異常状態検出手段により前記ガス検知層が異常状態であると判定された場合に、当該異常状態の発生を報知する警報手段を備えた点にある。
上記構成4のガス検知装置によれば、異常状態検出手段によりガス検知層が異常状態であると判定された場合に、異常状態の発生を報知する警報手段を備えるので、異常状態の発生に伴って当該警報手段がガス検知装置の周辺に存在する人等に警報を報知することができる。これにより、異常状態の報知を受けた人等は、センサ素子(ガス検知層)の点検・交換等のメンテナンスを適切な時期に行うことが可能となる。
〔構成5〕
本発明に係るガス検知装置は、上記構成1から4の何れかのガス検知装置の構成に加えて、その特徴構成は、前記ガス検知層が、SnO2を主成分とする材料からなる点にある。
上記構成5のガス検知装置によれば、ガス検知層がSnO2を主成分とする材料から構成されているので、ヒータ層により適切な温度、例えば、350℃〜450℃程度の高温状態に加熱して用いることにより、検出対象ガスとしてのメタンガスを良好に検出することができる。この際、メタンガスへの選択性を向上させるため、PtやPdからなる選択触媒層をガス検知層の上面を覆うように設けることもできる。
〔構成6〕
本発明に係るガス検知装置は、上記構成1から5の何れかのガス検知装置の構成に加えて、その特徴構成は、内蔵された電池からの電力供給により駆動する点にある。
上記構成6のガス検知装置によれば、ガス検知装置は、内蔵された電池からの電力供給により駆動するので、固定の電源の近傍に設置する必要が無くなり、設置性が向上する。
また、上記ガス検知装置においては、ヒータ層への通電駆動はパルス通電として断続的に行われ、この断続的な1周期、すなわち、ガス検知層が低温状態から高温状態へと変化する1周期において、検出対象ガスの有無及び濃度、さらにはセンサ素子(ガス検知層)の異常状態をも判定できる。したがって、センサ素子(ガス検知層)の異常状態を判定するために別途ヒータ層によりガス検知層を加熱する必要が無く、消費電力が低減されていることから、内蔵する電池を用いた場合であっても、所定の期間充分に稼動を続けることができるガス検知装置を構成することができる。
以下、本発明に係るガス検知装置100の実施形態について詳細を説明する。
ガス検知装置100は、薄膜状のセンサ素子20と、ヒータ層6への通電駆動を行って、ガス検知層10を加熱させる通電駆動手段12と、ガス検知層10の電気抵抗値に基づいて検出対象ガスの有無及び濃度の少なくとも一方を検出するガス検出手段13と、ガス検知層10の異常状態か否かを判定する異常状態検出手段14と、これらに電力供給するリチウム電池(図示せず)、異常状態を報知する警報手段16とを備えて構成される。
〔センサ素子〕
図1に本発明の実施形態に用いた薄膜状のセンサ素子20の構造を示す。
センサ素子20は、薄膜状の支持層5の外周部又は両端部がSi基板1により支持されたダイアフラム構造の支持基板上に、被検出対象ガスに含まれる検出対象ガスの有無及び濃度の少なくとも一方により電気抵抗値が変化するガス検知層10、及びガス検知層10を加熱するためのヒータ層6を形成して構成されている。
次に、センサ素子20の詳細な構造及び製造方法を説明する。
センサ素子20は、Si基板1上に、支持層5、ヒータ層6及び絶縁層7、一対の電極9及びガス検知層10、選択触媒層11が、半導体プロセスにより順次積層されて製造される薄膜状のセンサ素子20であり、その各々の層厚は0.1〜50μm程度のものである。そして、センサ素子20による一回のガス検出のために必要な期間の消費電力量が8.0mJ未満とされ、通電駆動を開始してからガス検知層10の温度が所定の高温状態となるまでのセンサ素子20の応答時間は、50〜100msとなる。
より詳しくは、センサ素子20は、熱酸化膜2、Si34膜3、SiO2膜4が順次積層された支持層5の上にヒータ層6を設けて構成され、当該ヒータ層6の上側に全体を覆う状態でSiO2膜からなる絶縁層7を設けるとともに、当該絶縁層7の上に一対の電極層9を設け、当該一対の電極層9上及びこれら電極層9に渡ってガス検知層10を設けて構成される。さらに、図1に示す例の場合は、一対の電極層9およびガス検知層10の全体を覆う形態で、選択触媒層11が設けられている。
ガス検知層10は、例えば酸化スズ(SnO2)のn型半導体を、スパッタリング法などにより形成したものである。
選択触媒層11は、金属酸化物からなる担体上に触媒を担持して構成されるものであり、触媒を担持した金属酸化物をバインダーを介して互いに結合させて層状に構成するものである。
触媒としては、検出対象ガスに対して妨害ガスともなる還元性ガスを酸化除去できる、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)等を使用する。
担体を構成する金属酸化物としては、例えばアルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジュウム(In23)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化銅(CuO)あるいはこれらの混合物等を使用できる。
また、上記の金属酸化物(触媒を担持する金属酸化物)同士を結合させるバインダーとしては、例えばアルミナ微粉末、アルミナゾル、シリカ微粉末、シリカゾル、マグネシアを使用することができる。
ここで、上記のような触媒、金属酸化物、バインダーはいずれも、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできるが、選択触媒層11全体に対してシリカ(SiO2)の量は5質量%以下とすることが好ましい。5質量%を超える場合、消費電力を抑えるべく(節電を図るべく)、後述するように、ヒータ層によるガス検知層10の温度設定を、ヒータ層への通電駆動をしない期間を挿入した場合において、湿度依存性の問題が生じ、雰囲気湿度毎に電気抵抗値が大きくばらつくといった問題が生じる場合がある。
センサ素子20は、以下のように製造される。
図1に示すように、両面に熱酸化膜2が付いたSi基板1上に、ダイアフラム構成の支持層5として、Si34膜3、SiO2膜4を、順次プラズマCVD法にて形成する。次にダイアフラム構造の中央部分にヒータ層6、このヒータ層6を覆うようにSiO2絶縁層7を、順にスパッタ法で形成する。その上に一対の接合層8、この接合層8の上に一対の電極層9を形成する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行なう。成膜条件は接合層8(TaまたはTi)、電極層9(PtまたはAu)とも同じで、Arガス圧力1Pa、基板温度300℃、RFパワー2W/cm2、膜厚は、例えば接合層8/電極層9=500Å/2000Åとする。
次に、前記一対の電極層9上及びこれら電極層9に渡ってガス検知層10であるSnO2膜を成膜する。成膜にはRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、反応性スパッタリング法によって行なう。ターゲットにはSbを0.5質量%有するSnO2を用いる。成膜条件はArガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー2W/cm2である。ガス検知層10の大きさは50〜200μm角程度、厚さは、例えば、0.2〜1.6μm程度が望ましい。
ガス検知層10の上にはAl23、Cr23などの多孔質金属酸化物からなる担体にPdまたはPtなどの貴金属酸化触媒を担持し、無機バインダーと溶剤でペースト状にした選択触媒層材料をスクリーン印刷法により塗布し、500℃で1時間以上焼成することによって、ガス検知層10の全体を覆うように選択触媒層11を形成する。選択触媒層11は、ガス検知層10の全体を十分に覆いきる大きさに形成する必要がある。最後に、Si基板1の裏面よりエッチングによりSi(シリコン)を除去し、ダイアフラム構造とする。
選択触媒層11の役割は、検出対象ガスであるメタンガス、一酸化炭素ガス以外の水素ガス、アルコールガスなどの還元性(妨害)ガスを燃焼してガス検知層10に到達しないようにし、薄膜状のセンサ素子20にガス選択性を持たせることにある。さらに、ガス検知層10の表面に酸素を供給することにより、感度を向上する役割をも果たしていると考えられる。
この選択触媒層11に含まれるPdまたはPtなどの貴金属酸化触媒の担持量は、5〜9質量%(触媒質量/(触媒+担体)質量×100)とする。
〔通電駆動手段〕
次に、通電駆動手段12は、ヒータ層6への通電駆動を断続的に行って、ガス検知層10の温度を低温状態と高温状態との間で変化させることができるように構成されている。すなわち、この通電駆動手段12は、パルス通電を行って通電駆動を断続的に行い、ヒータ層6への通電駆動を停止してガス検知層10を室温(低温)とする低温状態と、ヒータ層6への通電駆動を開始してガス検知層10を所定の温度に加熱する高温状態との間で繰り返し変化させるように構成されている。ここで、所定の温度は、センサ素子の組成や検出対象ガスの種類等によって異なるが、上記したセンサ素子20の場合は、例えば、所定の温度を350℃〜450℃とすることによりメタンガスを良好に検知することができ、50℃〜150℃とすることにより一酸化炭素ガスを良好に検知することができる。なお、通電駆動手段12がヒータ層6を所定の温度にまで加熱する際には、センサ素子20の周囲温度を検出して、この周囲温度に応じて補正を行った上で、ヒータ層6への通電駆動を制御することが好ましい。これにより、適切な通電駆動により、ヒータ層6の温度を所定の温度に正確に加熱することができる。
〔ガス検出手段〕
ガス検出手段13は、ガス検知層10の温度が検出対象ガスを良好に検出可能な上記所定の温度(高温状態)になった状態での、ガス検知層10の電気抵抗値に基づいて、検出対象ガスの有無や濃度を検出することができるように構成されている。すなわち、検出対象ガス存在下でガス検知層10が高温状態となるに従い、このガス検知層10の電気抵抗値が低下し、所定の電気抵抗値に近づいて安定化した時点の電気抵抗値を用いることにより、検出対象ガスの有無や濃度を正確かつ精度の高い状態で検出することができる。この際には、図3に示すように、被検出対象ガス中における検出対象ガスが存在する場合と存在しない場合の電気抵抗値や、被検出対象ガス中に特定の濃度の検出対象ガスが存在する場合の正常状態における電気抵抗値を予めガス検知装置(センサ素子)ごとに設定しておき、この設定結果と上記ガス検知層10の電気抵抗値とを比較することにより、検出対象ガスの有無や濃度を検出することができる。
以下、異常状態検出手段の第1構成と第2構成についてそれぞれ説明する。
〔第1構成の異常状態検出手段〕
第1構成の異常状態検出手段14は、ヒータ層6への通電駆動の開始からガス検知層10の電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの、ガス検知層10の電気抵抗値の低下状態に基づいて、ガス検知層10の異常状態を判定することができるように構成されている。すなわち、ヒータ層6への通電駆動が開始されると、ガス検知層10の温度は上昇し、低温状態から所定の高温状態に変化する。この高温状態への変化過程においては、ガス検知層10の電気抵抗値が時間とともに低下し、所定の電気抵抗値に漸近的に収束して安定化する。この所定の電気抵抗値に安定化するまでの低下状態は、ガス検知層10が正常状態である場合と異常状態である場合とで異なるものとなる。例えば、図2に矢印で示すように、電気抵抗値が全体的に上昇し、異常状態の場合にはヒータ層6への通電駆動の開始からガス検知層10の電気抵抗値が所定の電気抵抗値となって安定化するまでの時間が、正常状態よりも遅延することとなる。具体的に、図2では、ガス検知層10の電気抵抗値が所定の電気抵抗値となって安定化した場合における、正常状態での安定化標準時間よりも、異常状態での安定化必要時間は20ms程度遅延しており、異常状態検出手段14はガス検知層10が異常状態にあると判定することができる。
ここで、所定の電気抵抗値は、メタンガスを良好に検出可能な安定化した状態の電気抵抗値を適宜選択して用いるが、正常状態と異常状態とでは漸近的に安定化する所定の電気抵抗値は異なる値をとっているため、電気抵抗値の時間微分値が略0である場合の電気抵抗値を、所定の電気抵抗値として用いることができる。これにより、当該所定の電気抵抗値を用いて、良好に上記安定化標準時間からの安定化必要時間の遅延を検出することができる。なお、図2においては、正常状態における所定の電気抵抗値として、電気抵抗値の微分値が略0である60msの時点(安定化標準時間経過時点)での電気抵抗値(0.4E+4程度)を用い、異常状態における所定の電気抵抗値として、電気抵抗値の微分値が略0である80msの時点(安定化必要時間経過時点)での電気抵抗値(0.2E+5程度)を用いており、両経過時点を比較すると、上記のように、正常状態での安定化標準時間よりも、異常状態での安定化必要時間は20ms程度遅延していることがわかる。
以下、上記構成のガス検知装置100において、第1構成の異常状態検出手段14を使用して、被検出対象ガス(空気)中に含まれる検出対象ガスとしてのメタンガスを検知する場合における、メタンガスの検知と異常状態の判定に関して説明する。
空気中に含まれるメタンガスを検知する場合は、通電駆動手段12によりヒータ層6にパルス通電を行って所定の高温状態とし、このパルス通電の通電終了間際のガス検知層10が安定化した状態の電気抵抗値を用いる。そして、ガス検出手段13が、センサ素子20について予め設定しておいた正常状態における、空気中にメタンガスが存在する場合と存在しない場合の電気抵抗値や空気中に特定の濃度のメタンガスが存在する場合の電気抵抗値を、上記安定化した電気抵抗値と比較することにより、メタンガスの有無や濃度を検出する。具体的には、図3に示すような、正常状態における予め設定した、空気中にメタンガスが所定の各濃度で含有されている場合の各電気抵抗値を利用して、当該各電気抵抗値と上記安定化した電気抵抗値とを比較することにより、メタンガスの有無や濃度を検出することができる。
この際、通電駆動手段12は、ガス検知層10の温度をメタンガスが良好に検知できる所定の温度(高温状態)となるように通電駆動を行う。この所定の温度は、350℃〜450℃程度であり、この例では、400℃としている。
なお、パルス通電は、例えば、パルス通電から次のパルス通電が行われるまでの間隔を30s(秒)周期とし、その30sのうち、通電を50msの間実施し、29.95sの間実施しないように、断続的に(繰り返し)行うことができる。
一方、異常状態検出手段14は、ヒータ層6への通電駆動が開始されてから、ガス検知層10が上記所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を計測し、正常状態においてガス検知層10が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化標準時間と比較して異常状態かどうかを判定する。具体的には、所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間が80msであって(図2参照)、正常状態における所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化標準時間である60msよりも遅延しているときは(図2参照)、ガス検知層10は異常状態であると判断する。一方、安定化必要時間が60msであり、安定化標準時間が60msで、同一である場合には、ガス検知層10は正常状態であると判断する。なお、安定化標準時間からの安定化必要時間の遅延が、所定の時間(短時間)以内であれば、例えば、0〜10msの遅延の場合には異常状態ではない(正常状態)と判定することもできる。
このように異常状態が発生しているものと判定された場合には、例えば、警報手段16(図示せず)としてのスピーカからの発生や液晶ディスプレイでの表示などにより、異常状態の発生を人に報知することができる。
なお、異常状態検出手段14が、安定化標準時間より安定化必要時間が遅延していることにより、ガス検知層10の異常状態の判定を行う点について詳述したが、同様に、安定化標準時間より安定化必要時間が短縮していることにより、ガス検知層10の異常状態の判定を行う構成とすることもできる。すなわち、安定化必要時間が、安定化標準時間よりも所定の時間よりも時間的にずれている場合に、ガス検知層10が異常状態であると判定することにより、簡便かつ容易に異常状態の判定を行うことができるものである。
これにより、ヒータ層6への通電駆動の開始から、ガス検知層10の電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を安定化標準時間と比較することのみにより、ガス検知層10の異常状態の判定を行うことができ、簡便かつ容易に経年劣化や物理的損傷などにより生じた種々の異常状態の判定を行うことができる。
なお、上記では、安定化必要時間を、電気抵抗値の微分値が略0になる時点を基準として設定したが、安定化したときの電気抵抗値よりも若干高い電気抵抗値を閾値として、ヒータ層6への加熱開始から電気抵抗値がその閾値に到達するまでの時間を安定化必要時間としても構わない。
〔第2構成の異常状態検出手段〕
次に、第2構成の異常状態検出手段14を用いて、異常状態の判定を行う手法について説明する。
すなわち、第1構成の異常状態検出手段では電気抵抗値の低下状態として安定化必要時間を用いて異常状態の判定を行ったが、異常状態を簡便かつ容易に判定することができる構成であれば、特にこれに限定されずその他の構成を採用することもでき、第2構成の異常状態検出手段14により、複数の時点における電気抵抗値の差分の絶対値を用いて異常状態の判定を行うこともできる。
この異常状態検出手段14にあっては、予め、正常状態のセンサ素子20について、図3に示すように、空気中でのメタンガスの有無や濃度に応じたガス検知層10の電気抵抗値を計測し、当該電気抵抗値が安定化している複数の時点として、第1経過時点と第2経過時点とを設定し、これら時点における電気抵抗値の差分を標準差分として設定しておく。
次に、実際に異常状態か否かを判定したい場合には、ガス検知層10における上記第1経過時点と第2経過時点の電気抵抗値を計測し、これら差分の絶対値を導出する。
そして、当該差分の絶対値と正常状態における標準差分とを比較して、差分の絶対値が標準差分よりも大きい場合には、ガス検知層10が異常状態にあると判断し、差分の絶対値と標準差分とが同じ値、若しくは所定の閾値よりも小さい場合は正常状態にあるものと判断することができる。
ここでは、同一のセンサ素子20に関する例を示したが、複数のセンサ素子20について、第1経過時点、第2経過時点及び標準差分を求め、それらデータの平均値をそれぞれ基準として予め登録しておくことで、第1経過時点、第2経過時点及び標準差分を使用した異常状態検出手段14による異常状態の判定を行うことができる。
以下、この判定手法の的確性に関して説明する。説明は、図3および図4を使用して行うが、図3は先にも説明したように正常状態のセンサ素子20におけるガス検知層10の電気抵抗値の変化を示し、図4は異常状態のセンサ素子20におけるガス検知層10の電気抵抗値の変化を示している。各図には、異なった濃度での出力も示した。
これまでも説明したように、本願にあっては、第1経過時点は、異常状態においては電気抵抗値が安定化していないが、異常状態ではない正常状態においては電気抵抗値が安定化している時点とされ、図3、図4上では、例えば、ヒータ加熱開始から60msの時点(Xで示す)とできる。第2経過時点は、異常状態と正常状態において共に電気抵抗値が安定している時点であり、図3、図4上、例えば、ヒータ加熱開始から100msの時点(Yで示す)とできる。したがって、実際に異常状態か否かを判定したいセンサ素子20のガス検知層10における上記第1経過時点(60msの時点)と第2経過時点(100msの時点)の電気抵抗値を計測し、これら電気抵抗値の差分の絶対値を正常状態における上記第1経過時点と第2経過時点とに対応する各時点における電気抵抗値の標準差分と比較することのみにより、簡便かつ容易に、更には、より正確に異常状態を判定することができる。
このような判断手法を採用することができるのは、センサ素子20の劣化に伴って、その出力である電気抵抗値が、漸近値に単調減少する低下傾向が変化し、さらに安定化に要する時間が延びることから、正常状態にあっては共に安定化しており、かつ異常状態にあっては短い時間では安定化せず、当該時間よりも長い時間が経過した後に安定化する複数の時点が存在するため、このような時点を第1経過時点、第2経過時点とすると電気抵抗値の差分が大きくなるためである。
なお、図3、図4に示す例の場合は、正常状態におけるガス検知層10の電気抵抗値は60msから1000msまでの間で安定化しており、異常状態におけるガス検知層10の電気抵抗値は100msから1000msまでの間で安定化しているものとして、上記異常状態の判定を行っている。ここで、電気抵抗値が安定化している状態では、電気抵抗値の時間微分値が略0である場合といえるが、第1経過時点と第2経過時点における微分値は、略0であると共に、第1経過時点における微分値は第2経過時点における微分値よりも大きい値とされている。
なお、上記では2つの時点として60msと100msとを用いたが、これに限らず、適当な時点(40msと100msなど)における電気抵抗値の差分を用いて異常状態の判定を行うこともでき、また、複数の時点として2つの時点を用いたが、3つ以上の時点(40msと60msと100msなど)同士の電気抵抗値の差分を用いて異常状態の判定を行うこともできる。さらに、電気抵抗値の差分ではなく、電気抵抗値の比を用いて異常状態の判定を行うこともできる。
[別実施形態]
(1) 上記実施形態においては、ガス検知層10を酸化スズ(SnO2)を主成分とする材料からなるものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、このような主成分材料としては、検出対象ガスに応じ、酸化インジウム(In23)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(Fe23)等も採用できる。
(2) 上記実施形態においては、内蔵された電池からの電力供給により駆動するように構成したが、特にこれに限定されるものではなく、ガス検知装置の設置箇所の近傍に固定電源が存在するのであれば、この固定電源から電力供給を受ける構成としてもよい。
(3) 上記実施形態においては、図1に示したように、支持層5の上に設けられたヒータ層6の全体を覆う状態でSiO2膜からなる絶縁層7が設けられ、当該絶縁層7の上に一対の電極層9が設けられる構成を例示した。しかし、絶縁層7が設けられることなく、ヒータ層の上に電極層が設けられる構成であってもよい。また、電極層とヒータ層とが独立して設けられず、兼用される構成であってもよい。
ガス検知装置の構造を示す概略図 正常状態と異常状態での電気抵抗値と経過時間との関係を示すグラフ図 メタンガスの濃度を変化させた場合の正常状態における電気抵抗値と経過時間の関係を示すグラフ図 メタンガスの濃度を変化させた場合の異常状態における電気抵抗値と経過時間の関係を示すグラフ図
符号の説明
1: Si基板(支持基板)
5: 支持層
6: ヒータ層
7: 絶縁層(SiO2
10: ガス検知層
11: 選択触媒層
12: 通電駆動手段
13: ガス検出手段
14: 異常状態検出手段
16: 警報手段
20: センサ素子
100:ガス検知装置

Claims (9)

  1. 支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及び前記ガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子と、
    前記ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、前記ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させる通電駆動手段と、
    前記ガス検知層の温度が前記高温状態に変化したときの前記ガス検知層の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスを検出するガス検出手段とを備えたガス検知装置であって、
    前記通電駆動手段による前記ヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態に基づいて、前記ガス検知層が異常状態であると判定する異常状態検出手段を備えたガス検知装置。
  2. 前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を前記低下状態の代表指標として用い、前記安定化必要時間が予め設定した安定化標準時間よりも遅延した場合に、前記ガス検知層が異常状態であると判定する請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が安定化するまでの複数の時点における前記電気抵抗値を用い、前記異常状態においては前記電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する第1経過時点と、前記異常状態及び正常状態において共に前記電気抵抗値が安定化する第2経過時点とにおけるそれぞれの前記電気抵抗値の差分を前記低下状態の代表指標として用いて、当該差分の絶対値が予め設定した標準差分よりも大きい場合に前記ガス検知層が異常状態であると判定する請求項1に記載のガス検知装置。
  4. 前記異常状態検出手段により前記ガス検知層が異常状態であると判定された場合に、当該異常状態の発生を報知する警報手段を備えた請求項1から3の何れか一項に記載のガス検知装置。
  5. 前記ガス検知層が、SnO2を主成分とする材料からなる請求項1から4の何れか一項
    に記載のガス検知装置。
  6. 内蔵された電池からの電力供給により駆動する請求項1から5の何れか一項に記載のガス検知装置
  7. 支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及び前記ガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子を用いて、
    通電駆動手段が、前記ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、前記ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させ、
    ガス検出手段が、前記ガス検知層の温度が前記高温状態に変化したときの前記ガス検知層の電気抵抗値に基づいて、前記検出対象ガスを検出するガス検知方法であって、
    異常状態検出手段が、前記通電駆動手段による前記ヒータ層への通電駆動開始した後で、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する判定時点以後の電気抵抗値の低下状態に基づいて、前記ガス検知層が異常状態であると判定するガス検知方法。
  8. 前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が所定の電気抵抗値に安定化するまでの安定化必要時間を前記低下状態の代表指標として用い、前記安定化必要時間が予め設定した安定化標準時間よりも遅延した場合に、前記ガス検知層が異常状態であると判定する請求項7に記載のガス検知方法。
  9. 前記異常状態検出手段が、前記ヒータ層への通電駆動の開始から前記電気抵抗値が安定化するまでの複数の時点における前記電気抵抗値を用い、前記異常状態においては前記電気抵抗値が安定化しないが、正常状態においては前記電気抵抗値が安定化する第1経過時点と、前記異常状態及び正常状態において共に前記電気抵抗値が安定化する第2経過時点とにおけるそれぞれの電気抵抗値の差分を前記低下状態の代表指標として用いて、当該差分の絶対値が予め設定した標準差分よりも大きい場合に前記ガス検知層が異常状態であると判定する請求項7に記載のガス検知方法。
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