JP4843614B2 - アシル化ノナデプシペプチドii - Google Patents

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Description

本発明は、ノナデプシペプチドおよびそれらの製造方法、並びに疾患、特に細菌感染疾患の処置および/または予防用の医薬の製造を目的とするそれらの使用に関するものである。
細菌細胞壁は、若干の酵素により合成され(細胞壁生合成)、微生物の生存および繁殖には不可欠である。この高分子の構造、およびその合成に関与するタンパク質は、細菌内で高度に保存されている。その本質的性質および均一性故に、細胞壁生合成は、新規抗生物質についての理想的な攻撃ポイントである(D.W.Green、The bacterial cell wall as a source of antibacterial targets、Expert Opin.Ther.Targets、2002、6、1−19)。
バンコマイシンおよびペニシリンは、細菌細胞壁生合成の阻害剤であり、この作用原理の抗菌効能の有効な例を代表している。それらは、特にグラム陽性病原菌による細菌感染症の処置に数十年間臨床的に使用されてきた。耐性菌、例えばメチシリン耐性スタフィロコッカス(ブドウ球菌、Staphlococci)、ペニシリン耐性ニューモコッカス(肺炎球菌、pneumococci)およびバンコマイシン耐性エンテロコッカス(腸球菌、enterococci)(F.Baquero、Gram-positive resistance : challenge for the development of new antibiotics、J.Antimicrob.Chemother.、1997、39、補遺A:1−6; A.P.Johnson、D.M.Livermore、G.S.Tillotson、Antimicrobial susceptibility of Gram-positive bacteria: what's current, what's anticipated ?、J.Hosp.Infect.、2001、(49)、補遺A:3−11)、さらにまた最近では初めてのバンコマイシン耐性スタフィロコッカス(ブドウ球菌、staphylococci)(B.Goldrick、First reported case of VRSA in the United States, Am.J.Nurs.、2002、102、17)の発生が増大しているため、これらの物質は治療効力をますます失いつつある。
本発明は、既知種類の抗生物質との交差耐性を伴わない新規種類の細胞壁生合成阻害剤について報告している。
天然産物リソバクチンおよび若干の誘導体は、米国特許第4754018号において抗菌活性を有するものとして報告されている。また、リソバクチンの単離および抗菌活性は、EP−A−196042号およびJP01132600号にも記載されている。国際公開第04/099239号は、抗菌活性を有するリソバクチンの誘導体について報告している。
リソバクチンおよびカタノシンAの抗菌活性は、さらに O'Sullivan,J. et al.、J.Antibiot.1988、41、1740−1744、Bonner,D.P. et al.、J.Antibiot.1988、41、1745−1751、Shoji,J. et al.、J.Antibiot.1988、41、713−718および Tymiak,A.A. et al., J.Org.Chem.1989、54、1149−1157に記載されている。
ヒトおよび動物における細菌性疾患の処置について、同等または改善された抗菌活性およびより良好な耐容性、例えば低い神経傷害性、およびより良好な生体内分布、すなわちより良好な薬物動態特性、例えば非結合型分率(f)の増加を示す代替化合物を提供することが、本発明の一目的である。
本発明は、式
Figure 0004843614
[式中、
は水素を表し、
は、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イル、2,2−ジメチルペンタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すか、または
はトリフルオロメチルを表し、
は、2,2−ジメチルプロパ−1−イル、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イル、2,2−ジメチルペンタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表す]
で示される化合物およびそれらの塩、それらの溶媒和物またはそれらの塩の溶媒和物に関するものである。
本発明化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物、塩およびプロドラッグの溶媒和物、式(I)により包含され、下記に挙げられている化合物が、既に塩、溶媒和物、塩およびプロドラッグの溶媒和物ではない限り、式(I)により包含され、下記で挙げられている式で示される化合物、およびそれらの塩、溶媒和物、塩およびプロドラッグの溶媒和物、並びに、式(I)により包含され、実施態様として下記で挙げられている化合物、およびそれらの塩、溶媒和物、塩およびプロドラッグの溶媒和物である。
本発明化合物は、その構造によっては立体異性体形態(鏡像体、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、鏡像体またはジアステレオマーおよびそれらの各混合物に関するものである。立体異性体的に純粋な構成成分は、鏡像体および/またはジアステレオマーの上記混合物から公知方法で分離され得る。
本発明化合物が互変異性体形態で存在し得る場合、本発明は互変異性体形態を全て包含する。
本発明の目的に好適な塩は、本発明化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、その物自体医薬適用に適切ではないが、例えば本発明化合物または混合塩の分離または精製に使用され得る塩も包含される。混合塩は、本発明の目的の場合、2種またはそれ以上の異なる酸または塩基を含む付加塩を意味し、例えばトリフルオロ酢酸−メシル酸塩がある。
本発明化合物の生理学的に許容される塩は、無機酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩を包含する。
本発明化合物の生理学的に許容される塩はまた、通常塩基の塩、例えば例を挙げると、そして好ましくはアルカリ金属塩(例、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1〜16個のC原子を有する有機アミン、例えば、そして好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンから誘導されたアンモニウム塩を包含する。
本発明の目的に適う溶媒和物は、溶媒分子との配位結合を通して固体または液体状態で錯体を形成する本発明化合物の形態をいう。水和物は、配位結合が水と行なわれている溶媒和物の一特殊形態である。
好ましいのは、式(I)において、
が水素を表し、
が、2,2−ジメチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すか、または
がトリフルオロメチルを表し、
が、2,2−ジメチルプロパ−1−イル、2,2−ジメチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表す
場合の化合物およびそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
また、好ましいのは、式(I)において、
が水素を表し、
が、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表す
場合の化合物およびそれらの塩、それらの溶媒和物またはそれらの塩の溶媒和物である。
また、好ましいのは、式(I)において、
が水素を表し、
が、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イル、2,2−ジメチルペンタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表す
場合の化合物である。
特に好ましいのは、化合物3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)−リソバクチン
Figure 0004843614
またはその塩、その溶媒和物またはその塩の溶媒和物のうちの一つである。
さらに本発明は、式
Figure 0004843614
で示される化合物を、式
Figure 0004843614
[式中、
およびRは前記の意味を有し、Xは、ハロゲン、好ましくは臭素、塩素またはフッ素、またはヒドロキシを表す]
で示される化合物と反応させる、式(I)の化合物の製造方法に関するものである。
がハロゲンである場合、反応は、一般的に、不活性溶媒中、適切な場合塩基の存在下、好ましくは大気圧下−30℃〜50℃の温度範囲で行なわれる。
不活性溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、メチレンクロリド、ピリジン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドであり、メチレンクロリドまたはジメチルホルムアミドが好ましい。
塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンであり、ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
がヒドロキシである場合、反応は、一般的に不活性溶媒中、適切な場合塩基の存在下における、脱水試薬の存在下、好ましくは大気圧下−30℃〜50℃の温度範囲で行なわれる。
不活性溶媒は、例えば、ハロ炭化水素、例えばジクロロメタンまたはトリクロロメタン、炭化水素、例えばベンゼン、ニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルである。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
本発明による適切な脱水試薬は、塩基の存在下における、例えば、カルボジイミド、例えばN,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)またはカルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、または1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−スルフェートまたは2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムペルクロレート、またはアシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、またはプロパンホスホン酸無水物、またはイソブチルクロロホルメート、またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリドまたはベンゾトリアゾリルオキシ−トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート、またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、またはN−ヒドロキシスクシンイミド、またはそれらの混合物である。
塩基は、例えば、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸または炭酸水素ナトリウムまたはカリウム、または有機塩基、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンである。
好ましくは、縮合は、HATUを用いるか、またはHOBtの存在下EDCを用いて実施される。
式(III)で示される化合物は所望により保護基をもっていてもよく、そのためこれらの場合では、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物の反応の後、当業者に周知の方法に従ってトリフルオロ酢酸により保護基が除去される。
式(I)で示される化合物の塩の遊離塩基は、例えば塩基の付加およびそれに続く化合物の抽出または沈澱により、または当業者に公知の方法によるクロマトグラフィーでの分離により、特にポリマー結合塩基、例えばポリマー結合炭酸水素の使用により得られる。
さらに本発明は、請求項1記載の式(I)で示される化合物またはそれらの溶媒和物の製造方法であって、化合物の塩または化合物の塩の溶媒和物が塩基を加えることにより同化合物に変換される方法に関するものである。
式(II)の化合物は、実験の項における実施例2A記載の要領で、二重エドマン分解法によりリソバクチンから合成され得る(実施例1A)。
式(III)の化合物は、公知であるか、または公知方法により対応する出発材料から合成され得る。
本発明化合物の製造法は、以下の合成スキームにより説明され得る。
合成スキーム:
Figure 0004843614
本発明化合物は、予測され得なかった貴重なスペクトルの薬理学的および薬物動態効果を示す。それらは抗菌効果を示す。
従って、それらは、ヒトおよび動物における疾患の処置および/または予防を目的とする医薬としての使用に適切である。
本発明化合物は、リソバクチンと比べて低い神経傷害性を特徴とする。
本発明化合物は、リソバクチンと比べて優れた薬物動態を特徴とする。薬理学的活性が同じかまたは改善されており、同化合物は生体内でより良好な分布を示すため、治療有効量が低用量ですみ、治療的処置の領域が広いものとなる。
本発明化合物は、リソバクチンより高い血漿中での非結合型分率(f)を有する。
報告されたノナデプシペプチドは、細菌細胞壁生合成の阻害剤として作用する。
本発明の調製物は、細菌および細菌様微生物に対して特に有効である。従って、それらは、ヒトおよび動物の医学分野においてこれらの病原体により誘発される局所および全身感染症の予防および化学療法に特に適切である。
原則として、本発明調製物は、細菌細胞壁(ムレイン・サックラス)または関連性のある酵素系を有する全ての細菌および細菌様微生物、例えば以下の病原体または以下の病原体の混合物に対して使用され得る:
グラム陰性球菌(ナイセリア・ゴノロエエ(Neisseria gonorrhoeae))およびグラム陰性桿菌、例えばエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、例えばエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、シュードモナス(Pseudomonas)、クレブシエラ(Klebsiella)、シトロバクター(Citrobacter)(シトロバクター・フロインディ(C.freundii)、シトロバクター・ディベルニス(C.divernis))、サルモネラ(Salmonella)およびシゲラ(Shigella);さらにはエンテロバクター(Enterobacter)(エンテロバクター・アエロゲネス(E.aerogenes)、エンテロバクター・アグロメランス(E.agglomerans))、ハフニア(Hafnia)、セラチア(Serratia)(セラチア・マルセッセンス(S.marcescens))、プロビデンシア(Providencia)、エルシニア(Yersinia)、並びにアシネトバクター(Acinetobacter)、ブランハメラ(Branhamella)およびクラミジア属。さらに、抗菌スペクトルは、厳密に嫌気性の細菌、例えばバクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、ペプトコッカス(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)属、並びにクロストリジウム(Clostridium)属を代表するもの;さらにはマイコバクテリア(Mycobacteria)、例えばマイコバクテリア・ツベルクロスス(M.tuber culosus)を含む。本発明化合物は、グラム陽性球菌、例えばスタフィロコッカス(Staphylococci)((スタフィロコッカス・アウレウス(S.aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(S.epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(S.haemolyticus)、スタフィロコッカス・カルノスス(S.carnosus))、エンテロコッカス(enterococci)(エンテロコッカス・フェカリス(E.faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E.faecium))およびストレプトコッカス(streptococci)(ストレプトコッカス・アガラクチエ(S.agalactiae)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(S.pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(S.pyogenes))に対して特に顕著な効果を示す。
病原体の上記リストは、例として挙げられたものに過ぎず、いかなる意味にせよ限定的なものと解釈すべきではない。上記病原体または混合感染により誘発され、本発明調製物により予防、改善または治療され得る疾患としては、例えば以下のものが挙げられる:
ヒトにおける感染性疾患、例えば非複雑型および複雑型尿路感染症、非複雑型皮膚および表在性感染症、複雑型皮膚および柔組織感染症、病院で外来患者として感染した肺炎、院内感染による肺炎、慢性気管支炎の急性増悪および二次細菌感染、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、連鎖球菌性咽頭炎、細菌性髄膜炎、非複雑型淋菌性および非淋菌性尿道炎/子宮頚炎、急性前立腺炎、心内膜炎、非複雑型および複雑型腹腔内感染症、婦人科感染症、骨盤炎症性疾患、細菌性膣炎、急性および慢性骨髄炎、急性細菌性関節炎、有熱好中球減少症患者における経験療法、さらには菌血症、MRSA感染、急性伝染性下痢、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、術後感染症、歯原性感染症、眼科感染症、術後感染症(肛門周囲膿瘍、創傷感染、胆管感染、乳腺炎および急性虫垂炎を含む)、嚢胞性線維症および気管支拡張症。
ヒトの場合以外に、細菌感染症はまた、他の種においても処置され得る。挙げられるものとしては、例えば以下のものがある:
ブタ:下痢、腸性毒血症、敗血症、赤痢、サルモネラ症、乳腺炎−子宮炎−アガラクシア症候群、乳腺炎;
反芻動物(ウシ、ヒツジ、ヤギ):下痢、敗血症、気管支肺炎、サルモネラ症、パスツレラ症、生殖器感染症;
ウマ:気管支肺炎、子ウマの関節炎、産褥および産褥後感染症、サルモネラ症;
イヌおよびネコ:気管支肺炎、下痢、皮膚炎、耳炎、尿路感染症、前立腺炎;
家禽(ニワトリ、七面鳥、ウズラ、ハト、観賞用鳥類など):エシェリキア・コリ(E.coli)感染症、慢性気道疾患、サルモネラ症、パスツレラ症、オウム病。
同様に、養殖および観賞魚を飼育および管理する上で細菌性疾患を処置することも可能であるため、抗菌スペクトルは、上記病原体に加えて、さらなる病原体、例えばパスツレラ(Pasteurella)、ブルセラ(Brucella)、カンピロバクター(Campylobacter)、リステリア(Listeria)、エリジペロスリス(Erysipelothris)、コリネバクテリア(Corynebacteria)、ボレリア(Borellia)、トレポネマ(Treponema)、ノカルディア(Nocardia)、リケッチア(Rickettsia)、エルシニア(Yersinia)をも包含する。
さらに本発明は、疾患、特に細菌感染性疾患の処置および/または予防を目的とする本発明化合物の使用に関するものである。
さらに本発明は、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防を目的とする本発明化合物の使用に関するものである。
さらに本発明は、疾患、特に上記疾患の処置および/または予防用の医薬の製造を目的とする本発明化合物の使用に関するものである。
本発明化合物は、好ましくは細菌性疾患の予防および/または処置に適切な医薬の製造に使用される。
さらに本発明は、抗菌有効量の本発明化合物を用いることによる、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防方法に関するものである。
さらに本発明は、特に上述の疾患の処置および/または予防を目的とする、少なくとも1種の本発明化合物および少なくとも1種またはそれ以上のさらなる活性化合物を含む医薬に関するものである。併用に好ましい活性化合物は、抗菌活性化合物であり、それらは異なる活性スペクトル、特に補助的活性スペクトルを有し、および/または本発明化合物と相乗作用を示す。
本発明化合物は、全身的および/または局所的に作用し得る。この目的の場合、それらは、適切な方法、例えば経口、非経口、肺、鼻、舌下、舌側、頬側、直腸、皮膚、経皮、結膜、耳経路または移植片またはステントとして投与され得る。
本発明化合物は、これらの投与経路に適切な投与形態で投与され得る。
経口投与に適切なのは、先行技術に従って機能し、本発明化合物を迅速に、および/または修飾した形で送達し、本発明化合物を結晶および/または非結晶型および/または溶解形態で含む投与形態、例えば錠剤(非コーティングまたはコーティング錠剤、例えば腸溶コーティングまたは遅延型で溶解するかまたは不溶性であり、本発明化合物の放出を制御するコーティングを有するもの)、口腔内で急速に崩壊する錠剤またはフィルム/カシェ剤、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、散剤、エマルジョン、懸濁液、エーロゾルまたは溶液である。
非経口投与は、吸収段階を回避(例、静脈内、動脈内、心臓内、脊椎内または腰椎内)するかまたは吸収を封入(例、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)して行われ得る。非経口投与に適切な投与形態は、特に、溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥物または滅菌粉末形態の注射および注入用調製物である。
他の投与経路に適切なのは、例えば、吸入用医薬形態(特に粉末吸入器、ネブライザー)、点鼻薬、溶液、スプレー、舌側、舌下または頬側投与用の錠剤、フィルム/カシェ剤またはカプセル剤、坐剤、耳または眼用調製物、膣用カプセル剤、水性懸濁液(ローション、振とう混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えばパッチ)、ミルク、ペースト、泡沫、散布剤、移植片またはステントである。
本発明化合物は、上述の投与形態に変換され得る。これは、不活性非毒性の医薬上許容される賦形剤と混合することにより自体公知の方法で行われ得る。これらの賦形剤には、特に担体(例えば微晶性セルロース、乳糖、マンニトール)、溶媒(例、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸)、着色料(例、無機顔料、例えば酸化鉄)並びに風味および/または臭気矯正剤がある。
さらに本発明は、少なくとも1種の本発明化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性非毒性の医薬上許容される賦形剤と一緒に含む医薬、および上記目的についてのそれらの使用に関するものである。
一般に、有効な成果を挙げるのに、静脈内投与では体重に基づいて約0.001〜100mg/kg、好ましくは約0.1〜10mg/kgの量を投与すると有利であることが判明しており、経口投与では、用量は、体重に基づくと約0.01〜50mg/kg、好ましくは0.5〜10mg/kgである。
それにもかかわらず、適切な場合には、特に体重、投与経路、有効成分に対する個々の行動、調製のタイプおよび投与が行われる時間または間隔の関数として、上記の量から逸脱することも必要であり得る。すなわち、上述の最少量に満たない量で十分な場合もあれば、上述の上限を超えなければならない場合もあり得る。大量投与の場合、1日の間にこれらを複数の個別用量に分割して投与するのが賢明であり得る。
以下の試験および実施例におけるパーセンテージデータは、特記しない場合、重量によるパーセンテージであり、部とあるは重量部である。液体/液状溶液についての溶媒比、希釈率および濃度データは、それぞれの場合において体積に基づいている。
A.実施例
略語
Figure 0004843614
Figure 0004843614
参考文献
ペプチドおよびシクロペプチドの命名法については、下記参照:
1.A Guide to IUPAC Nomenclature of Organic Compounds(Recommendations 1993)、1993、ブラックウェル・サイエンティフィック・パブリケーションズ。
2.Nomenclature and symbolism for amino acids and peptides.Recommendations 1983.IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature、イギリス国、Biochemical Journal、1984、219、345−373、および引用文献。
一般的GC−MS、LC−MS、HR−MS、HPLCおよびゲルクロマトグラフィー方法
方法1(TOF−HR−MS):Micromass LCT器具(キャピラリー電圧:3.2KV、コーン電圧:42V、ソース温度:120℃、デソルベーション(脱溶媒和)温度:280℃)を用いて、TOF−HR−MS−ESI+スペクトルを記録する。この目的のため、シリンジポンプ(Harvard Apparatus)を試料導入に用いる。ロイシンエンセファリン(Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu)を標準として用いる。
方法2(分取HPLC):器具:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリーポンプシステム;カラム:Waters Symmetry-Prep(登録商標)C18、7μm、300×19mm、溶離液A:水中0.2%のトリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル;流速:25ml/分;カラム温度RT;0分20%B、ランプ0〜10分70%B、ランプ10〜10.1分20%B、15分20%B。
方法3(Sephadex LH−20でのゲルクロマトグラフィー):Sephadex LH−20(Pharmacia)を加圧せずにゲルクロマトグラフィーを実施する。分画(ISCO Foxy 200フラクションコレクター)は、UV活性に従って実施される(254nmについてのUV検出器、Knauer)。カラム寸法:32×7cm(1000−100μmolスケール);30×4cm(100−10μmolスケール);25×2cm(10−1μmolスケール)。80×30cm寸法のカラムを、1mmol〜11mmolのスケールについて用いる。この場合、上流UV検出器を用いずにフラクションを手動で集める。フラクションをHPLCにより割当てる(方法9)。
方法4(分取HPLC;Kromasil、酢酸):器具:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリーポンプシステム;カラム:Kromasil−100A C18、5μm;250×20mm;流速:25ml/分;溶離液A:水/0.25〜0.5%酢酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜3分5%B、3〜30分5〜100%B、30〜38分100%B、次いでクロマトグラフィーカラムの再生。
方法5(LC‐MS):器具:Micromass Quattro LCZ mit HPLC Agilent シリーズ1100;カラム:Phenomenex Synergi2μ Hydro−RP Mercury 20mm×4mm;溶離液A:1リットルの水+0.5mlの50%蟻酸、溶離液B:1リットルのアセトニトリル+0.5mlの50%蟻酸;勾配;0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208〜400nm。
方法6(LC‐MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20mm×4mm;溶離液A:1リットルの水+0.5mlの50%蟻酸、溶離液B:1リットルのアセトニトリル+0.5mlの50%蟻酸;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法7(LC‐MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RPMercury 20mm×4mm;溶離液A:1リットルの水+0.5mlの50%蟻酸、溶離液B:1リットルのアセトニトリル+0.5mlの50%蟻酸;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法8(分析HPLC):HPLC器具タイプ:HP1050シリーズ;UV DAD1100シリーズ;カラム:Kromasil C18、60×2mm、3.5μm;溶離液A:水/0.5%過塩素酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜0.5分2%B、0.5〜4.5分2〜90%B、4.5〜9.0分90%B、9.0〜9.2分90〜2%B、9.2〜10.0分2%B;流速:0.75ml/分、オーブン:30℃、UV検出210nm。
方法9(分析HPLC、Agilent Zorbax C):器具:DAD(G1315B)を備えたAgilent 1100、バイナリーポンプ(G1312A)、オートサンプラー(G1313A)、溶媒脱気装置(G1379A)およびカラムサーモスタット(G1316A);カラム:Agilent Zorbax Eclipse XDB−C8 4.6×150×5mm;溶離液A:0.05%水中70%の過塩素酸;溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1分10%B、ランプ、4〜5分90%B、ランプ、5.5分10%B;流速:2.00ml/分;カラム温度:30℃。
方法10(Sephadex LH−20でのゲル・クロマトグラフィー):Sephadex LH−20(Pharmacia)を加圧せずにゲルクロマトグラフィーを実施する。分画(ISCO Foxy 200フラクションコレクター)は、UV活性に従って実施される(254nmについてのUV検出器、Knauer)。カラム寸法:32×7cm(1000−100μmolスケール);30×4cm(100−10μmolスケール);25×2cm(10−1μmolスケール)。
方法11(分取HPLCシンメトリー):器具:Gilson Abimed HPLC;バイナリー・ポンプシステム;カラム:SymmetryPrep(登録商標)C18、Waters、7μm;300mm×19mm;溶離液A:水/0.2%トリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜10分15〜65%B、次いでクロマトグラフィー・カラムの再生;流速:25ml/分;UV検出210nm。
方法12(分取HPLCクロマシル):器具:Gilson Abimed HPLC;バイナリーポンプシステム;カラム:Kromasil C18、5μm、100オングストローム、250×20mm;溶離液A:水中0.05%のトリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル中0.05%のトリフルオロ酢酸;勾配:0〜3分10%B、ランプ、30〜38分90%B、38〜45分10%B;流速:20ml/分、UV検出210nm。
方法13(分取HPLC Waters Symmetry):Gilson Abimed HPLC;バイナリーポンプシステム;カラム:Waters Symmetry−Prep(登録商標)C18、7μm、300×19mm;溶離液A:水中0.05%のトリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル中0.05%のトリフルオロ酢酸;勾配:0〜3分10%B、ランプ、30〜38分90%B、38〜45分10%B;流速:20ml/分、UV検出210nm。
方法14(分取HPLC):器具:Gilson Abimed HPLC;バイナリーポンプシステム;カラム:Waters Symmetry-Prep(登録商標)C18、7μm、300×19mm;溶離液A:水/0.2%トリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜10分25〜65%B、次いでクロマトグラフィー・カラムの再生;流速:25ml/分、UV検出210nm。
方法15(キラルHPLC Daicel Chiralpak):Agilent 100HPLC;カラム:Daicel Chiralpak AD−H5μm;250×20mm;無勾配:75%イソへキサン、25%2−プロパノール+0.2%トリフルオロ酢酸および1%水;流速:1.0ml/分、オーブン:25℃;UV検出器212nm。
方法16(分取HPLC):器具:Gilson Abimed HPLC;バイナリーポンプシステム;カラム:YMC ODS−AQ 5μm、250×30mm;溶離液A:水中0.05%のトリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル中0.05%のトリフルオロ酢酸;勾配:0〜3分10%B、ランプ、30〜38分90%B、38〜45分10%B;流速:50ml/分、UV検出器210nm。
方法17(GC‐MS):器具:Micromass GCT、GC6890;カラム:Restek RTX−35MS、30m×250μm×0.25μm;勾配:60℃(0.30分間維持)、50℃/分 → 120℃、16℃/分 → 250℃、30℃/分 → 300℃(1.7分間維持);ヘリウムと共に一定の流速:0.88ml/分;オーブン:60℃;入口:250℃。
方法18(HPLC):HPLC器具タイプ:HP1100シリーズ;UV DADカラム:Zorbax Eclipse XBD−C8(Agilent)、150mm×4.6mm、5μm、溶離液A:5mlのHClO/水1リットル、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1分10%B、1〜4分10〜90%B、4〜5分90%B;流速:2.0ml/分;オーブン:30℃;UV検出210および254nm。
方法19(HPLC):カラム:Kromasil RP−18、60mm×2mm、3.5μm;溶離液A:5mlのHClO/水1リットル、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出210nm。
方法20(HPLC):カラム:Kromasil RP−18、250mm×4mm、5μm;溶離液A:5mlのHClO/水1リットル、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0分5%B、10分95%B;流速:1ml/分;オーブン:40℃;UV検出210nm。
方法21(HPLC):カラム:Kromasil RP−18、250mm×4mm、5μm;溶離液A:2mlのHClO/水1リットル、溶離液B:アセトニトリル;無勾配:45%B、55%A;流速:1ml/分;オーブン:40℃;UV検出210nm。
方法22(LC‐MS):MS器具タイプ:Micromass ZQ;HPLC器具タイプ:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Gromsil 120 ODS−4 HE 50×2mm、3.0μm;溶離液A:水/0.025%蟻酸/l、溶離液B:アセトニトリル/0.025%蟻酸;勾配:0〜2.9分0〜70%B、2.9〜3.1分70〜90%B、3.1〜4.5分70〜90%B;オーブン:50℃、流速:0.8ml/分、UV検出:210nm。
方法23(HPLC):HPLC器具タイプ:HP1050シリーズ;UV DAD 1100シリーズ;カラム SymmetryPrep(登録商標)C18、Waters、50×2.1mm、3.5μm;溶離液A: 水/0.05%トリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜9分 0〜100%B、9〜11分 100%B、11〜12分 100〜0%B、次いでクロマトグラフィーカラムの再生;オーブン:40℃、流速:0.4ml/分、UV検出:210nm。
方法24(定量的19F−NMR分光法):正確に秤量された試料物質約10mgおよび正確に秤量された1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン20mgを、ピリジンに溶かし、19F−NMR分光法により測定する。δ‐74(TFA)および−132.0(1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン)の総和を示し、比較する。TFA含有量を、試料物質の質量のTFAパーセントとして示す。
方法25(イオンクロマトグラフィー):サプレッサーシステムおよび伝導度検出器を備えたイオンクロマトグラフィーシステム;プレカラム:A SUPP4/5 Guard、分離カラム:A SUPP 5 4.0×250mm;溶離液:3.2mM炭酸ナトリウムおよび2.4mM炭酸水素ナトリウム、水中;流速:0.7ml/分。試料をメタノールに溶かし(最終試料体積の20%)、超音波浴中で3分間処理し、水を補って完全にする。試料をイオン不含有酢酸セルロースフィルター(0.45μm孔)により濾過し、注入する。外部標準に対して定量する(0.5mg/l〜10mg/l)。
出発化合物
実施例1A
D−ロイシル−N1−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−6−[(1S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル]−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−27−イル}−L−ロイシンアミドビストリフルオロアセテート(リソバクチン)
Figure 0004843614
発酵:
培養培地:
YM:酵母−麦芽寒天:D−グルコース(4g/l)、酵母抽出物(4g/l)、麦芽抽出物(10g/l)、1リットルの Lewatit 水。滅菌(121℃で20分)前、pHを7.2に調節する。
HPM:マンニトール(5.4g/l)、酵母抽出物(5g/l)、肉ペプトン(3g/l)。
実験用保存材料:凍結乾燥株(ATCC53042)を、50mlのYM培地中で生育する。
フラスコ発酵:1リットルのエルレンマイヤーフラスコ中における150mlのYM培地または100mlのHPM培地に、2mlの実験用保存材料を接種し、28℃で30〜48時間、240rpmでの振とう器において生育する。
30リットルの発酵:300mlのフラスコ発酵物(HPM培地)を用いて、滅菌30リットル栄養培地溶液(1mlの消泡剤SAG5693/l)に接種する。この培養物を、28℃、300rpmで21時間、0.3vvmでの滅菌空気で曝気しながら生長させる。pHを1M塩酸によりpH=7.2で一定に保つ。全部で、培養期間中880mlの1M塩酸を加える。
主培養物(200リットル):1リットルエルレンマイヤーフラスコにおける15×150mlのYM培地に、2mlの実験用保存材料を接種し、28℃で48時間および240rpmでの振とう器において生長させる。この培養物2250mlを用いて、滅菌200リットル栄養培地溶液(YM)(1mlの消泡剤5693/l)に接種し、28℃、150rpmで18.5時間、0.3vvmでの滅菌空気で曝気しながら生長させる。
1時間毎に試料(50ml)を採取して発酵の経過をチェックし、1mlのメタノール(0.5%トリフルオロ酢酸)をこの培養ブロス2mlに加え、混合物を0.45μmフィルターで濾過する。この懸濁液30μlを、HPLC(方法18および方法19)手段により分析する。
18.5時間後、主培養物の培養ブロスを、上清中へ分離し、17000rpmで沈降させる。
分離:
上清(183リットル)を、濃トリフルオロ酢酸または水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6.5〜7に調節し、Lewapol カラム(OC 1064、60リットル含有量)にローディングする。それに続いて、純水、水/メタノール1:1、次いで純メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶離を実施する。この有機相を真空下、残留する水性残さが11.5リットルとなるまで濃縮する。
残留水相を、シリカゲルC18に結合させ、分離する(MPLC、Biotage Flash 75、75×30cm、KP‐C18‐WP、15〜20μm、流速:30ml/分;溶離液:アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸含有水;勾配:10%、15%および40%アセトニトリル)。主たる量の実施例1Aの生成物を含む40%アセトニトリル相を、真空中で濃縮し、それに続いて凍結乾燥する(〜13g)。この固体混合物を、1.2g分量でまず分取HPLC(方法7)、次いでSephadex LH−20(5×70cm、アセトニトリル/水 1:1、それぞれの場合において0.05%トリフルオロ酢酸を含有する)でのゲル濾過およびさらなる分取HPLC(方法20)により分離する。
この工程により、実施例1Aの生成物2250mgを得る。
沈降物を4リットルのアセトン/水(4:1)中にとり、2kgのセライトを加え、トリフルオロ酢酸を用いて混合物をpH=6に調節し、攪拌し、遠心分離する。溶媒を真空中で濃縮し、残さを凍結乾燥する。得られた凍結乾燥物(89.9g)を、メタノール中に取り、濾過し、濃縮し、シリカゲルで分離する(方法21)。次いで、実施例1Aの生成物をゲル濾過(Sephadex LH‐20、5×68cm、水/アセトニトリル9:1(0.05%トリフルオロ酢酸含有)、流速:2.7ml/分、フラクションサイズ13.5ml)により精製し、純粋な物質を得る。
この工程により、447mgの実施例1A生成物を得る。
HPLC(方法18):R=6.19分(min)
MS (ESIpos): m/z = 1277 (M+H)
1H NMR (500.13 MHz, d−DMSO): δ = 0.75 (d, 3H), 0.78 (d, 6H), 0.80 (t, 3H), 0.82 (d, 3H), 0.90 (d, 3H), 0.91 (d, 3H), 0.92 (d, 3H), 0.95 (d, 3H), 0.96 (d, 3H), 1.05 (m, 1H), 1.19 (d, 3H), 1.25 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.51 (m, 2H), 1.55 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.86 (m, 1H) , 1.89 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 2.75 (m, 2H), 3.40 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 3.53 (dd, 1H), 3.64 (m, 2H), 3.66 (m, 1H), 3.68 (dd, 1H), 3.73 (m, 2H), 4.00 (dd, 1H), 4.02 (br., 1H), 4.13 (br., 1H), 4.32 (dd, 1H), 4.39 (t, 1H), 4.55 (m, 1H), 4.75 (dd, 1H), 5.19 (t, 1H), 5.29 (d, 1H), 5.30 (br., 1H), 5.58 (m, 2H), 6.68 (m, 3H), 6.89 (d, 1H), 6.93 (m, 3H), 6.94 (br., 1H), 6.98 (d, 1H), 7.12 (br., 1H), 7.20 (br., 2H), 7.23 (m, 2H), 7.42 (m, 2H), 7.54 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 8.32 (br., 1H), 9.18 (br., 1H), 9.20 (m, 2H), 9.50 (br., 1H)。
13C−NMR (125.77 MHz, d6−DMSO): δ = 10.3, 15.3, 19.0, 19.2, 19.6, 20.0, 20.9, 22.0, 22.4, 23.0, 23.2, 24.3, 24.4, 25.0, 25.4, 26.0, 27.8, 30.9, 35.4, 39.5, 40.8, 40.9, 41.6, 44.1, 51.5, 52.7, 55.9, 56.2, 56.4, 57.9, 58.8, 60.2, 61.1, 62.6, 70.1, 71.6, 71.7, 75.5, 128.1, 128.6, 136.7, 156.8, 168.2, 170.1, 170.4, 171.2, 171.5, 171.9, 172.2, 172.4, 173.7。
文献に記載された割当て法に従って、シグナルの割当てを実施した(T.Kato、H.Hinoo、Y.Terui、J.Antibiot.、1988、61、719−725)。
実施例2A
デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチンビストリフルオロアセテート(エドマン2.0分解産物)
Figure 0004843614
リソバクチンビストリフルオロアセテート(60.0g、39.88mmol)を、アルゴン雰囲気下でピリジン(840ml)に溶かす。次いで、フェニルイソチオシアネート(32.35g、239.28mmol、6当量)を加え、反応混合物を37℃で7h(時間)攪拌する。次いで、溶媒を浴温40℃のロータリー蒸発装置で蒸発させる。残さをメチル・tert−ブチルエーテル(1400ml)と混合し、30分間激しく攪拌する。次いで、ガラスフリット(孔幅3、13cm直径)を通して混合物を吸引濾過する。中間生成物(エドマン0.5分解生成物)を72gの粗収量で分離し、後処理せずにさらに反応させる。
この目的のため、粗生成物を、アルゴン雰囲気下でトリフルオロ酢酸(1026ml)に溶かし、RTで30分間攪拌する。次いで、溶液を、20℃の浴温で真空中ロータリー蒸発装置において濃縮する。残さをメチル・tert−ブチルエーテル(1400ml)中に取り、粉末状非結晶固体が生成されるまで、激しく攪拌する。これをフリット(孔幅3、18cm直径)での真空濾過により集める。次いで、固体をジエチルエーテル(1400ml)と攪拌し、再び濾過により集める。同手順を2回分量のジクロロメタン(各々900ml)で反復する。粗生成物を真空中で乾燥する。58gの粗デ(1−D−ロイシル)リソバクチンビストリフルオロアセテート(エドマン1.0分解生成物)を得る。
さらなる後処理はせずに、粗生成物をアルゴン雰囲気下でピリジン(1080ml)に溶かす。次いで、フェニルイソチオシアネート(107g、0.80mol、20当量)を加え、反応混合物を37〜40℃で7時間攪拌する。次いで、溶媒を浴温40℃のロータリー蒸発装置で蒸発させる。残さをメチル・tert−ブチルエーテル(1400ml)と混合し、激しく攪拌する。次いで、ガラスフリット(孔幅3、13cm直径)で混合物を吸引濾過する。中間生成物(エドマン1.5分解生成物)を65gの粗収量で分離し、オイルポンプ吸引下で乾燥後、アルゴン雰囲気下で直接トリフルオロ酢酸(1240ml)に溶かし、RTで30分間攪拌する。次いで、溶液を、浴温20℃で真空中ロータリー蒸発装置において濃縮する。残さをメチル・tert−ブチルエーテル(1400ml)中に取り、粉末状非結晶固体が生成されるまで、激しく攪拌する。これをフリット(孔幅3、18cm直径)での真空濾過により集める。次いで、固体をまずジエチルエーテル(1400ml)、次いでジクロロメタン(1400ml)と攪拌し、毎回濾過により集める。55gの粗生成物を得る。これを分取HPLC(方法14)により精製する。標記化合物28.55g(理論値の56%)を得る。
HPLC/UV-Vis(方法23):R= 4.71分、
λmax (定性的)= 220nm (s), 255-270(w)。
LC−MS(方法22): R=1.65分;
MS(ESIpos.): m/z(%)=526(100)[M+2H]2+, 1051(15)[M+H]+
実施例3A
メチル・(2Z)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)アクリレート
Figure 0004843614
6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボアルデヒド(4.85g、27.70mmol)および{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}(ジメトキシホスホリル)酢酸メチル(9.17g、27.70mmol、1.0当量)を、THF(70ml)に溶かし、−70℃に冷却する。−70℃で、N,N,N,N−テトラメチルグアニジン(6.38g、55.39mmol、6.95ml、2.0当量)をゆっくりと滴下し、次いで混合物を−70℃で4時間、それに続いてRTで12時間攪拌する。反応混合物を濃縮し、次いで水から酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、有機相を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。真空中で濃縮後、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:トルエン、次いでトルエン/酢酸エチル10:1)にかける。6.93g(理論値の66%)の標記化合物を得る。
HPLC/UV-Vis(方法8): R= 4.60分、
HPLC/UV-Vis(方法9): R= 4.54分。
H-NMR (400 MHz, d−DMSO): δ = 3.74 (s, 3H, OMe), 5.10 (s, 2H, CH2), 7.27 (s, 1H, PyrH), 7.33-7.38 (m, 5H, ArH), 7.94 (d,J=8.5 Hz, 1H, PyrH), 8.27 (d,J= 8.5 Hz, 1H, PyrH), 8.93 (s, 1H, β−CH), 9.51 (s, 1H, NH)。
LC−MS (方法7):R=2.44分; MS(ESIpos.): m/z(%)=381 (100) [M+H]+;MS(ESIneg.):m/z(%)= 379 (100)[M−H]-。
HR−TOF−MS (方法1): C1816243 [M+H]+ 計算値 381.1062, 実測値 381.1065。
実施例4A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
実施例3Aからの化合物(10.15g、26.69mmol)を、メタノールp.a.(100ml)に溶かす。注射針を用いて、アルゴンを約5分間通し、次いで(+)−1,2−ビス[(2S,5S)ジエチルホスホラノ]ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフレート(289mg、400μmol、0.015当量)を加える。4barの水素圧下およびRTで12時間水素添加を実施する。次いで、キーゼルグール(メタノール)による濾過の後、溶出液を濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:トルエン/酢酸エチル5:1)にかける。標記化合物9.9g(理論値の97%)を得る。
[α]20 Na=-24°(c=0.093、メタノール中).
HPLC/UV-Vis(方法8): Rt= 4.50分。
HPLC/UV-Vis(方法9): Rt= 4.49分.
1H-NMR (400MHz, d6-DMSO): δ = 2.99 (dd,J=3.5, 11.0Hz, 1H, β-CH), 3.22 (dd,J=3.5, 11.0Hz, 1H, β-CH), 3.66 (s, 3H, OMe), 4.40 (m, 1H, α-CH), 4.97 (s, 2H, CH2), 7.23 (m, 2H), 7.29-7.33 (m, 3H), 7.83 (d,J=6.5Hz, 1H), 7.93-7.98 (m, 2H), 8.65 (s, 1H, NH).
LC-MS (方法7): Rt=2.40分; MS (ESIpos.): m/z (%)=383 (100) [M+H]+; MS (ESIneg.): m/z (%)= 273 (100), 381 (50) [M−H]-.
HR−TOF−MS (方法1): C1818243 [M+H]+ 計算値 383.1219, 実測値 383.1223。
実施例5A
3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
実施例4Aの化合物(9.90g、25.89mmol)を、メタノール(100ml)に溶かす。注射針を用いて、アルゴンを約5分間通し、次いでパラジウム・炭素(10%、990mg)を加える。4barの水素圧下、RTで12時間水素添加を実施する。次いで、キーゼルグールにより濾過した後、濃縮し、オイルポンプ吸引下で乾燥する。収量:標記化合物5.8g(理論値の90%)
[α]19.9 Na=+3°(c=0.186 メタノール中)。
HPLC/UV−Vis(方法8): R=3.34分.
HPLC/UV−Vis(方法9): R=3.22分.
IR vmax (NaCl, cm-1): 3415, 1734, 1339, 1136, 1087.
1H-NMR (500MHz, d6-DMSO): δ = 2.85 (dd,J=5.5, 13.5Hz, 1H, β-CH), 3.01 (dd,J=5.5, 13.5Hz, 1H, β-CH), 3.61 (s, 3H, OMe), 3.63-3.69 (m, 1H, α-CH), 7.82 (d,J=7.5 Hz, 1H), 7.93 (d,J=7.5Hz, 1H), 8.61 (s, 1H)。
LC-MS (方法7): R=1.74分; MS (ESIpos.): m/z (%)=249 (100) [M+H]+
HR-TOF-MS (方法1): C1215323 [M+ CH3CN+H]+ 計算値 290.1116, 実測値 290.1122。
実施例6A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(tert−ブチル)−D−アラニル−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
N−メチルモルホリン(12.92g、127.72mmol、14.04ml、5当量)およびHATU(9.71g、25.54mmol、1当量)を、−30℃の乾燥DMF(240ml)中の実施例5Aからの化合物(6.34g、25.54mmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−3−tert−ブチル−D−アラニン(6.27g、25.54mmol、1.0当量)の溶液にゆっくりと加える。反応混合物がゆっくりとRTまで温まると(約3時間)、HPLC手段(方法9)により完全な変換が観察される。リン酸二水素カリウム(34.76g、255.44mmol、10当量)を加え、反応混合物を20分間攪拌し、次いで濾過し、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10:1〜2:1 シクロヘキサン/酢酸エチル勾配)で精製することにより、標記化合物9.74g(理論値の73%)を得る。
[α]19.9 Na=+7.0°(c=0.044 メタノール中).
HPLC/UV-Vis(方法8): Rt=4.89 分。
HPLC/UV-Vis(方法9): Rt=4.75 分。
IR vmax (NaCl, cm-1): 2959, 1742, 1655, 1520, 1336, 1160, 1136, 1087, 1050, 1027.
1H-NMR (500 MHz, d6-DMSO): δ = 0.74 (s, 9H, tBu), 0.97-1.00 (m, 1H, β−CH2), 1.20-1.25 (m, 1H, β−CH2), 1.35 (s, 9H, OtBu), 2.99-3.05 (m, 1H, β−CH2), 3.23-3.26 (m, 1H, β−CH2), 3.66 (s, 3H, OMe), 3.94 (m, 1H, α−CH), 4.60 (m, 1H, α−CH), 6.82 (d,J=8.5Hz, 1H, NH), 7.78 (d,J=8.0Hz, 1H, PyrH), 7.94 (d,J=8.0Hz, 1H, PyrH), 8.34 (d,J=8.5Hz, 1H, NH), 8.64 (s, 1H, PyrH)。
LC−MS (方法7): Rt=2.67分; MS (ESIpos.): m/z (%)=476 (100), [M+H]+; MS (ESIneg.): m/z (%)=400 (80), 474 (40) [M−H]-.
HR-TOF-MS (方法1): C2233353 [M+H]+ 計算値 476.2372、実測値 476.2364。
実施例7A
N−tert−ブトキシカルボニル−3−tert−ブチル−D−アラニル−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニン
Figure 0004843614
水(20ml)中の水酸化リチウム水和物(1.16g、2.5当量、48.37mmol)の溶液を、−20℃のTHF(360ml)および水(100ml)中の実施例6Aからの化合物(9.2g、1.0当量、19.35mmol)の溶液に加える。反応混合物が+15℃まで温まると(約1.5時間)、HPLC手段(方法9)により完全な変換が観察される。後処理のため、リン酸二水素カリウム(26.33g、10当量、193.5mmol)を加える(約pH7)。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮する。粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法10、移動相メタノール/アセトン 4:1)で精製することにより、4.72g(理論値の53%)の生成物を得る。
[α]20 Na=+51.3°(c=0.402 メタノール中)。
HPLC/UV-Vis(方法8): Rt=4.63 分。
HPLC/UV-Vis(方法9): Rt=4.55 分。
IR vmax (NaCl, cm-1): 3305, 2959, 1663, 1519, 1336, 1173, 1134, 1086.
1H-NMR (500MHz, d6-DMSO): δ=0.77 (s, 9H, tBu), 1.06-1.13 (m, 1H, β−CH2), 1.23-1.26 (m, 1H, β−CH2), 1.34 (s, 9H, OtBu), 3.01 (tapp,J= 11.0Hz, 1H, β−CH2), 3.23 (br d、J=11.0Hz, 1H,β−CH2), 3.94 (t,J= 8.0Hz, 1H, α−CH), 4.42 (br s, 1H, α−CH), 6.90 (d,J=8.5Hz, 1H, NH), 7.74 (d,J=7.5Hz, 1H, PyrH), 7.86 (d,J=7.5Hz, 1H, PyrH), 8.00 (br s, 1H, NH), 8.56 (s, 1H, PyrH)。
LC−MS (方法7): Rt=2.42分; MS (ESIpos.):m/z(%)=406 (100), 462 (85) [M+H]+; MS (ESIneg.):m/z(%)= 460 (100) [M−H]-。
HR−TOF−MS(方法1): C2131353 [M+H]+ 計算値 462.2216, 実測値 462.2203。
実施例8A
N−tert−ブトキシカルボニル−3−tert−ブチル−D−アラニル−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリフルオロアセテート
Figure 0004843614
N−メチルモルホリン(2.77g、3.01ml、5当量、27.38mmol)およびHATU(4.37g、2.1当量、11.50mmol)を、−30℃の乾燥DMF(119ml)中の実施例2Aからの化合物(7.00g、1.0当量、5.48mmol)および実施例7Aからの化合物(3.03g、1.2当量、6.57mmol)の溶液にゆっくりと加える。反応混合物がRTまでゆっくりと温まると(約1時間)、HPLC/UV−Vis手段(方法9)により完全な変換が観察される。リン酸二水素カリウム(7.45g、10.0当量、54.76mmol)で反応をクエンチングする。反応混合物をゲルクロマトグラフィー(方法10、移動相 メタノール/アセトン 4:1)で精製することにより、12.63g(定量的)の生成物を得る。
HPLC/UV-Vis(方法8): Rt= 4.78分.
HPLC/UV-Vis(方法9): Rt= 4.35分.
LC-MS (方法7): Rt=2.28分; MS (ESIpos.):m/z(%)=697 (100) [M+2H]2+, 1493 (15) [M+H]+; MS (ESIneg.):m/z(%)=745 (100) [M - 2H]2-, 1491 (5) [M - H]-.
HR-TOF-MS (方法1): C6710416193 [M+H]+ 計算値 1493.7616, 実測値 1493.7594。
実施例9Aおよび実施例10A
(2S)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(トリメチルシリル)アラニンおよび(2R)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(トリメチルシリル)アラニン
M.Merget、K.Gunther、M.Bernd、E.Gunther、R.Tacke、J.Organomet.Chem.2001、628、183〜194に従って合成を行う。キラル相での分取HPLC:Gilson Abimed HPLC;カラム:Daicel Chiralpak AD−H 5μm;250×20mm;溶離液A:イソへキサン、溶離液B:0.2%酢酸/1%水/2−プロパノール;無勾配;流速:15ml/分;UV検出器212nmにより、鏡像体の分離を行う。N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−3−トリメチルシリルアラニン(2R化合物、Mercachem、AMR39.260)の本物のサンプルとのHPLC比較により異性体を割当てる。
実施例9A
N−(tert−ブトキシカルボニル−D−3−トリメチルシリルアラニン(2S化合物)
Figure 0004843614
キラルHPLC(方法15):Rt= 4.16 分, e.e.>99%。
[α]D 20= +1.1 (c= 0.83 メタノール中)。
実施例10A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−3−トリメチルシリルアラニン(2R化合物)
Figure 0004843614
キラルHPLC(方法15):Rt= 9.27 分, e.e.>99%。
[α]D 20= −1.6 (c=0.66 メタノール中)。
実施例11A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
B.Neises、W.Steglich、Org.Synth.1985、63、183−187と同様にして製造する。
(2S)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(ピリジン−3−イル)アラニン(25.00g、93.88mmol)を、アルゴン下300mlのジクロロメタンに溶かす。メタノール(11.4ml、9.02g、281mmol、3当量)およびDMAPの小さな結晶を加える。次いで、混合物を0℃に冷却する。EDC(19.80g、103mmol、1.1当量)を加える。5分後、氷浴を除去し、混合物をRTで1時間攪拌する。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残さを酢酸エチルと混合し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出する。水相を酢酸エチルで1回逆抽出し、次いで有機相を合わせ、0.5Mクエン酸で洗浄し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液でもう1回洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。澄明油状物が残存し、これをオイルポンプ吸引で乾燥すると結晶化する。収量:23.60g(理論値の90%)。
HPLC/UV-Vis(方法9): R=3.28 分。
LC−MS (方法7): Rt = 1.21分, MS (ESIpos.): m/z (%)= 281 (100) [M+H]+
1H−NMR (400MHz, d6-DMSO): δ = 1.30 (s, 9H), 2.86 (m, 1H), 3.04 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 4.22 (m, 1H), 7.28 - 7.39 (m, 2H), 7.69 (d, 1H), 8.43 (m, 2H)。
実施例12A
3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステルビストリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例11Aからの化合物(11.8g、42.09mmol)を、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸(160ml、30%溶液)に溶かし、RTで30分間攪拌する。次いで、混合物を真空中で濃縮する。残さを少量の水中に取り、凍結乾燥する。次いで、凍結乾燥物をトルエンと混合し、真空中で濃縮する。最後に生成物を、オイルポンプ吸引下で恒量になるまで乾燥する。収量:17.15g(定量)。
HPLC/UV-Vis(方法9): R=0.88 分。
LC−MS (方法7): R = 0.46分, MS(ESIpos.): m/z(%)=181 (100) [M+H]+
1H−NMR (400MHz, d-DMSO): δ =2.79 (dd, 1H), 2.92 (dd, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.63 (m, 1H), 7.30 (m, 1H), 7.62 (d, 1H), 8.41 (m, 2H)。
実施例13A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
実施例9Aからの化合物(10.31g、39.4mmol)および実施例12Aからの化合物(16.10g、39.4mmol、1当量)を0℃のDMF(186ml)に溶かす。次いで、N−メチルモルホリン(17.34ml、16.00g、4当量)およびHATU(22.49g、59.16mmol、1.5当量)を加える。混合物をRTで2時間攪拌する。tert−ブチルメチルエーテルを加え、混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。水相をtert−ブチルメチルエーテルで1回逆抽出し、次いで有機相を合わせ、1Mクエン酸水溶液で洗浄し、飽和炭酸ナトリウム溶液で再度洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。シリカゲルによる濾過を実施する(シクロヘキサン/酢酸エチル2:1)。収量:14.1g(理論値の84%)
HPLC/UV-Vis(方法9): R=3.91 分。
LC−MS (方法7): R = 1.90分, MS (ESIpos.): m/z (%)=424 (100) [M+H]+
1H−NMR (400MHz, d6-DMSO): δ = -0.09 (s, 9H), 0.56 - 0.75 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 2.90 (dd, 1H), 3.09 (dd, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.98 (m, 1H), 4.49 (m, 1H), 6.68 (d, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.61 (m, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.40 (m, 2H)。
実施例14A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニン
Figure 0004843614
実施例13Aからの化合物(7.4g、17.56mmol)を、THF/水(6:4)中に取り、0℃に冷却し、水酸化リチウム一水和物(1.47g、35.13mmol、2当量)を加える。混合物を0℃で攪拌する。1時間後、さらに1当量(0.74g)の水酸化リチウム一水和物を加え、攪拌を1時間続行する。THFの大部分を減圧留出し、水相を2回分量のメチル・tert−ブチルエーテルで洗浄し、次いでクエン酸を加えることによりpH4に調節する。固体が沈澱する。混合物を3回分量の酢酸エチルで抽出することにより、固体が溶解する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。粗生成物を、ゲルクロマトグラフィー(方法3、移動相:メタノール)により精製する。収量:6.67g(理論値の93%)。
HPLC/UV-Vis(方法9): R=3.73分。
LC−MS (方法7): R = 1.68 分, MS (ESIpos.): m/z(%)=410 (40) [M+H]
H−NMR(300MHz, d−DMSO):δ= -0.090 (s, 9H), 0.56 - 0.75 (m, 2H), 1.35 (s, 9H), 2.90 (dd, 1H), 3.09 (dd, 1H), 3.98 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 6.70 (d, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.60 (m, 1H), 8.00 (d, 1H), 8.37 (m, 2H)。
実施例15A
N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例2Aからの化合物(3.00g、2.35mmol)および実施例14Aからの化合物(1.44g、3.52mmol、1.5当量)を、DMF(50ml)に溶かし、0℃に冷却する。次いで、まずDMF中の4−メチルモルホリンの1M溶液4.7ml(4.7mmol、2当量)を加える。その直後、HATU(1.52g、3.99mmol、1.7当量)を加え、混合物を0℃で15分間攪拌する。次いで、DMF中の4−メチルモルホリンの1M溶液をさらに4.7ml(4.7mmol、2当量)滴下する。次いで混合物をRTで2時間攪拌する。粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法3)にかける。それ以上精製せずに生成物を反応させる。収量:3.6g(理論値の82%)。
HPLC(方法9): R=3.90 分。
LC−MS(方法7): R=2.00 分, MS (ESIpos.): m/z (%)=721.8 (100) [M+2 H]2+; 1442.1 (5)[M+H]
別法:実施例2Aからの化合物(14.00g、10.95mmol)および実施例14Aからの化合物(5.38g、13.14mmol、1.2当量)を、DMF(280ml)に溶かし、−20℃に冷却する。次いで、N−メチルモルホリン(5.54g、6.02mmol、5当量)、それに続いてHATU(6.66g、17.52mmol、1.6当量)を加える。混合物をゆっくりとRTに温め、一晩(約16時間)攪拌する。次いで、リン酸二水素カリウム(14.91g、10当量)を攪拌しながら加え、攪拌を30分間続行する。粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法3、移動相:メタノール)にかける。それ以上精製せずに生成物を反応させる。収量:14.35g(理論値の61%)。
実施例16A
2,2−ジメチル−1−ブタナール
Figure 0004843614
2,2−ジメチル−1−ブタノール(4.0g、39mmol)を、ジクロロメタン(136ml)に溶かし、酸化アルミニウム(7.98g、78mmol、2当量)およびクロロクロム酸ピリジニウム(16.88g、78mmol、2当量)を加える。混合物をRTで1時間攪拌し、次いで一層のシリカゲルにより濾過する。濾液を注意深く濃縮し、残さを大気圧下で蒸発させる(沸点:102℃(990mbar))。収量:2.97g(理論値の75%)。
GC-MS (方法17): R = 2.21 分, MS (ESIpos.): m/z (%)= 99.9 (5) [M];
H−NMR (400MHz, CDCl) δ 0.83 (t, 3H), 1.03 (s, 6H), 1.51 (q, 2H), 9.42 (s, 1H)。
実施例17A
(2Z)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4,4−ジメチルヘキサ−2−エン酸メチル
Figure 0004843614
実施例16Aからの化合物(2.55g、25.46mmol)および{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}(ジメトキシホスホリル)酢酸メチル(8.43g、25.46mmol)を、50mlのTHFに溶かし、0℃に冷却する。N,N,N',N'−テトラメチルグアニジンを滴下し、次いで混合物をまず0℃で15分間、次いでRTで5日間攪拌する。約20gのシリカゲルを混合物に加え、それを濃縮し、クロマトグラフィーにかける(シリカゲル Biotage 40M、ZIF−SIM、シクロヘキサン/酢酸エチル87:13)。収量:1.20g(理論値の13%)。
HPLC (方法9): R=3.71 分。
MS (DCI): m/z (%) = 323.3 (100)[M+NH]。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ=0.83 (m, 3H), 1.13 (s, 6H), 1.49 (q, 2H), 3.75 (br s, 3H), 5.72 (br s, 1H), 6.58 (br s, 1H), 5.12 (s, 2H), 7.36 (m, 5H)。
実施例18A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4,4−ジメチル−D−ノルロイシンメチルエステル
Figure 0004843614
実施例17Aからの化合物(1.2g、粗生成物、3.26mmol)を、エタノールp.a.(60ml)に溶かす。注射針を使って、アルゴンを約5分間通し、次いで(+)−1,2−ビス[(2R,5R)ジエチルホスホラノ]ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフレート(28mg、0.04mmol、0.012当量)を加え、超音波浴中で溶かす。3barの水素圧下RTで24時間水素添加を行う。混合物を濃縮し、クロマトグラフィーにかける(シリカゲル Biotage 25M、シクロヘキサン/酢酸エチル9:1)。収量: 920mg(理論値の92%)。
HPLC(方法9): R = 4.96 分。
LC−MS(方法7): R = 2.76 分; MS (ESIpos.): m/z (%) = 308 (25)[M+H]
H−NMR (400MHz, CDCl): δ = 0.80 (t, 3H), 0.86 (s, 6H), 1.29 (q, 2H), 1.41 (dd, 1H), 1.73 (dd, 1H), 3.72 (s, 3H), 4.40 (m, 1H), 5.02 (d, 1H), 5.11 (m, 2H), 7.35 (m, 5H)。
実施例19A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4,4−ジメチル−D−ノルロイシン
Figure 0004843614
実施例18Aからの化合物(915mg、2.98mmol)をTHF(12ml)に溶かす。溶液を0℃に冷却し、次いで水酸化リチウム一水和物の2M水溶液3.7ml(7.4mmol、2.5当量)を加え、1時間激しく攪拌する。次いで、反応物が酸性になるまでクエン酸(1M)を滴下し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、クロマトグラフィー(方法16)にかける。収量:434mg(理論値の50%)。
HPLC(方法9): R=4.54 分。
LC−MS(方法7): R =2.44 分, MS (ESIpos.): m/z(%) = 294 (20)[M+H]
H−NMR (400MHz, d-DMSO): δ = 0.80 (t, 3H), 0.83 (s, 6H), 1.21 (q, 2H), 1.53 (dd, 1H), 1.60 (dd, 1H), 3.99 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 7.35 (m, 5H), 7.58 (d, 2H), 12.52 (br s, 1H)。
実施例20A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4,4−ジメチル−D−ノルロイシル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニンメチルエステル
Figure 0004843614
実施例19Aからの化合物(430mg、1.47mmol)および実施例12Aからの化合物(809mg、1.47mmol、1当量)を、0℃のDMF(5ml)に溶かし、次いで4−メチルモルホリン(644μl、5.86mmol、4当量)およびHATU(836mg、2.20mmol、1.5当量)を加える。混合物をRTで3時間攪拌する。酢酸エチルを加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄する。水相を酢酸エチルで1回抽出し、次いで有機相を合わせ、1Mクエン酸水溶液、そして再び飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残さをクロマトグラフィー(方法16)にかける。収量:496mg(理論値の74%)。
HPLC(方法9): R= 3.94 分。
LC−MS(方法7): R=1.85 分; MS(ESIpos.): m/z(%)= 456 (100)[M+H]
1H−NMR (300MHz, d6-DMSO): δ =0.80 (m, 9H), 1.10 (m, 3H), 1.30 (dd, 1H), 2.91 (dd, 1H), 3.12 (dd, 1H), 3.30 (s, 3H), 4.02 (m, 1H), 4.51 (m, 1H), 5.01 (d, 1H), 5.06 (d, 1H), 7.22 (dd, 1H), 7.30 (m, 5H), 7.63 (m, 1H), 8.40 (m, 2H)。
実施例21A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4,4−ジメチル−D−ノルロイシル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニン
Figure 0004843614
実施例20Aからの化合物(490mg、1.08mmol)を、THF(5ml)に溶かす。溶液を0℃に冷却し、次いで水酸化リチウム一水和物の2M水溶液1.35ml(2.7mmol、2.5当量)を加え、1時間激しく攪拌する。次いで、反応物が酸性になるまでクエン酸(1M水溶液)を滴下し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。収量:484mg(定量)。
HPLC(方法9):R=3.76 分。
LC−MS(方法7):R=1.88 分;MS(ESIpos.):m/z(%)=442 (100)[M+H]
1H−NMR (400MHz, d6-DMSO): δ = 0.70 (m, 9H), 1.14 (m, 3H), 1.30 (dd, 1H), 2.64 (d, 1H), 2.75 (d, 1H), 2.89 (dd, 1H), 3.11 (dd, 1H), 4.03 (m, 1H), 4.45 (m, 1H), 4.98 (d, 1H), 5.05 (d, 1H), 7.22 (dd, 1H), 7.30 (m, 5H), 7.61 (m, 1H), 8.40 (m, 2H)。
実施例22A
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4,4−ジメチル−D−ノルロイシル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)−リソバクチントリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例2Aからの化合物(0.28g、0.22mmol)および実施例21Aからの化合物(148mg、0.33mmol、1.5当量)をDMF(4ml)に溶かし、0℃に冷却する。次いで、まずDMF中のN−メチルモルホリンの1M溶液0.47ml(0.44mmol、2当量)を加える。その直後、HATU(141mg、0.37mmol、1.7当量)を加え、混合物を0℃で15分間攪拌する。次いで、DMF中の4−メチルモルホリンの1M溶液をさらに0.44ml(0.47mmol、2当量)滴下する。次いで、混合物をRTで一晩攪拌する。混合物をセファデックスLH20で精製する(方法3、移動相:メタノール)。粗生成物を分取HPLC(方法13)により精製する。収量:149mg(理論値の43%)。
HPLC(方法9):R=3.93 分。
LC−MS(方法7):R=2.13 分、MS(ESIpos.):m/z(%)=737.4 (100)[M+2H]2+, 1473 (2)[M+H]
具体的実施態様
実施例1
3−tert−ブチル−D−アラニル−3−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)−リソバクチンビストリフルオロアセテート
Figure 0004843614
トリフルオロ酢酸(150ml)を、RTでジクロロメタン(150ml)中の実施例8Aからの化合物(10.3g、1.0当量、4.48mmol、粗生成物)の溶液にゆっくりと滴下する。反応混合物をRTで攪拌する(10分)と、HPLC(方法9)手段により完全な変換が観察される。反応混合物をロータリー蒸発装置で濃縮し、分取HPLC(方法11)により精製し、3.48g(理論値の48%)の生成物を得る。
HPLC/UV−Vis(方法8):R=4.03分。
HPLC/UV−Vis(方法9):R=3.64分。
LC−MS(方法7):R=1.69分;MS(ESIpos.): m/z(%)=697(100)[M+2H]2+, 1393 (5)[M+H];MS(ESIneg.): m/z(%)=695(100)[M−2H]2-, 1391 (20)[M−H]
19F−NMR (400MHz, d-ピリジン):δ=-67 (Ar-CF), -74 (CF3COOH), -132 (レファレンスとして1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン)。TFA含有率:14.3重量%。
HR−MS(方法1):C629616173 [M+H] 計算値 1393.7091,実測値 1393.7119。
実施例2
3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)−リソバクチントリストリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例15Aからの化合物(9.12g、4.93mmol、粗生成物)を、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸(65ml;30%溶液)中に取る。混合物をRTで20分間攪拌する。溶媒を留出する。残さをオイルポンプ吸引下で乾燥し、次いでクロマトグラフィー(方法14)により精製する。収量:5.54g(理論値の67%)。
HPLC(方法9):R=3.32 分。
LC−MS(方法7):R=1.41 分、MS (ESIpos.): m/z(%)= 671.7 (100)[M+2H]2+
HR−TOF−MS(方法1):C60971617Si [M+H] 計算値 1341.6987、実測値 1341.7019。
H−NMR(500MHz,d-ピリジン): δ = -0.172 (s, 9H), 0.611 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.881 (d, J = 7.9Hz, 3H), 0.948 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.954 - 0.997 (m, 6H), 1.135 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.208 (m, 2H), 1.361 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.439 (m, 1H), 1.497 (m, 1H), 1.953 (m, 2H), 2.04 (m, 1H), 2.154 (m, 3H), 2.372 (m, 3H), 3.111 (m, 1H), 3.266 (m, 1H), 3.563 (d, J= 14.95 Hz, 1H), 3.726 (dd, J = 12.2, 14.95 Hz, 1H), 3.840 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.960 (m, 1H), 4.152 (m, 1H), 4.198 (m, 1H), 4.278 (m, 1H), 4.382 (m, 1H), 4.488 (m, 1H), 4.565 (dd, J = 9.5, 9.6 Hz, 1H), 4.628 (m, 1H), 4.630 (m, 1H), 4.779 (d, J= 12.2 Hz, 1H), 5.069 (m, 1H), 5.159 (dd, J = 9.3 Hz, 1H), 5.264 (m, 1H), 5.362 (s, 1H), 5.98 (d, J = 9.9 Hz, 1H),6.351 (dd, J = 8.5 Hz, J = 8.7 Hz, 1H), 7.169 (m, 1H), 7.246 (m, 1H), 7.382 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.512 (m, 2H), 7.583 - 7.614 (m, 2H), 7.728 (m, 2H), 7.90 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.126 (m, 3H), 8.341 (m, 1H), 8.576 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.695 (m, 2H), 8.793 (m, 1H), 9.139 (br s, 1H), 9.715 (m, 1H), 10.957 (br s, 1H), 11.268 (br s, 1H)。
13C−NMR (126MHz、d-ピリジン): δ = -1.8, 11.08, 15.84, 18.8, 18.8, 19.79, 20.89, 20.93, 21.65, 23.38, 24.78, 26.57, 26.88, 28.80, 31.04, 34.06, 36.84, 40.95, 41.25, 44.38, 50.94, 52.82, 55.99, 56.10, 56.74, 58.40, 59.10, 60.34, 60.72, 62.33, 62.55, 70.72, 72.06, 75.58, 75.65, 123.66, 128.25, 128.95, 129.80, 132.39, 136.77, 137.18, 149.17, 158.11, 162.15, 162.41, 162.70, 162.96, 169.01, 169.69, 170.21, 172.57, 173.27, 173.44, 173.66, 174.07, 174.36, 175.34, 175.56。
19F−NMR(400MHz,d−ピリジン): δ=−74 (CF3COOH), -132(レファレンスとして1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン)。TFA含有率:19.3重量%。構造を単結晶X線構造解析により確認する。
実施例3
3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)−リソバクチントリスメタンスルホネート
Figure 0004843614
3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート(447mg、0.27mmol)を、22mlの水に溶かす。メタンスルホン酸(70%)を加える。混合物を激しく攪拌し、次いで凍結乾燥する。凍結乾燥物を水(3.4ml)中に取り、70%メタンスルホン酸ナトリウム溶液(0.9ml)を加える。混合物をRTで10分間攪拌する。次いで、生成物を遠心分離により除去する。472mgの粗生成物を得る。
幾つかのバッチから合わせた粗生成物(合計1053mg、0.63mmol)を水(5ml)に懸濁し、RTで4日間攪拌する。遠心分離を反復し、得られた固体を真空中で乾燥する。575mg(理論値の55%)の生成物を得る。
HPLC(方法9):R =3.30 分。
LC−MS(方法7):R=1.49 分、MS(ESIpos.):m/z(%)= 671.8 (100)[M+2H]2+ , 1342.1 (5) [M+H]
H−NMR (500MHz、d5-ピリジン): δ = -0.170 (s, 9H), 0.702 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.867 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.972 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.966 - 1.069 (m, 9H), 1.186 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.315 (m, 2H), 1.448 - 1.501 (m, 6H), 2.010 (m, 1H) , 2.084 (m, 3H), 2.180 - 2.365 (m, 4H), 2.540 (m, 1H), 3.082 (s, 9H), 3.166 (m, 1H), 3.325 (m, 1H), 3.623 (d, J= 14.05 Hz, 1H), 3.865 (dd, J = 13.7, 14.05 Hz, 1H), 3.967 - 3.986 (m, 2H), 4.257 (m, 1H), 4.339 (m, 2H), 4.410 (m, 1H), 4.566 (m, 1H), 4.591 - 4.686 (m, 2H), 4.75 (d, 1 H, J = 12.1 Hz, 1H), 4.859 (m, 1H), 5.086 (m, 1H), 5.229 (m, 1H), 5.348 (m, 1H), 5.375 (s, 1H) 6.02 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.403 (m, 1H), 7.068 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.222 (m, 3H), 7.544 (m, 3H), 7.625 (m, 1H), 7.681 (m, 1H), 7.830 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.921 (d, J = 9.35 Hz, 1H), 8.071 (m, 2H), 8.188 (br s, 1H), 8.285 (br s, 1H), 8.420 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.614 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.701 (m, 1H), 8.874 (br s, 1H), 10.175 (m, 1H), 10.279 (m, 1H), 10.941 (br s, 1H)。
19F−NMR (ピリジン、 400 MHz, 方法24): δ -74.0 (s, TFA, 0.20), -132.0 (s, 1,4-ジブロモテトラフルオロベンゼン、 1000.0),TFA=0.02重量%。
別法:32gの Dowex 1X8−400(HCl形態)を、カラム(直径35mm)に充填する。約60mlの1M水酸化ナトリウム溶液をカラムに注いだ後、60mlのHPLC水を注入する。この後、1Mメタンスルホン酸60mlでコンディショニングし、それに続いて溶出液が中和反応するまで、約100mlの水で洗浄する。(Macherey & Nagel Tritest)。次いで、2.00g(1.19mmol)の3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート(実施例2)を、90mlの水に溶かし、溶液をローディングし、ゆっくりと溶出させる。カラムを約20mlの水で洗浄する。生成物含有溶出液を合わせ、精密濾過(孔サイズ0.20μm)にかけ、凍結乾燥する。カラムを再コンディショニングおよび再使用する。実施例3の生成物1.79g(1.10mmol、理論値の92%)が、実施例2の生成物2000mg(1.19mmol)から得られる。
実施例4
4,4−ジメチル−D−ノルロイシル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例22Aからの化合物(149mg、0.09mmol)を、0.05%トリフルオロ酢酸含有メタノール(10ml)に溶かす。パラジウム・活性炭(10%;20mg)を加え、次いでRTで合計2.5時間、大気圧での水素により水素添加を実施する。粗生成物を濾過することにより、触媒を除去し、濾液を濃縮する。残さをクロマトグラフィー(方法13)により精製する。収量:68mg(理論値の46%)。
HPLC(方法9):R=3.29 分。
LC−MS(方法7):R=1.49 分、MS(ESIpos.):m/z(%)=671.0 (100)[M+2H]2+, 1340 (5) [M+H]
HR−TOF−MS(方法1):C62981617[M+H]+ 計算値 1339.7369、実測値 1339.7368。
実施例5(比較例)
3−tert−ブチル−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート
Figure 0004843614
実施例6
(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリス−塩酸塩
Figure 0004843614
32gのDowex 1X8−400(HCl形態)を、カラム(直径35mm)に充填する。約60mlの1M水酸化ナトリウム溶液をカラムに注いだ後、60mlのHPLC水を注入する。この後、60mlの1M塩酸でコンディショニングし、それに続いて溶出液が中和反応するまで約100mlの水で洗浄する。(Macherey & Nagel Tritest)。次いで、2.00g(1.19mmol)の3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート(実施例2)を90mlの水に溶かし、溶液をローディングし、ゆっくりと溶出させる。カラムを約20mlの水で洗浄する。生成物含有溶出液を合わせ、精密濾過(孔サイズ0.20μm)にかけ、凍結乾燥する。カラムを再コンディショニングおよび再使用する。実施例6の生成物1.54g(1.06mmol、理論値の89%)が、実施例2の生成物2000mg(1.19mmol)から得られる。
HPLC(方法9): R =3.30 分。
LC−MS(方法7):R =1.47分、MS(ESIpos.):m/z(%)=671.5 (100) [M+2H]2+, 1341.4 (20), [M+H]
イオンクロマトグラフィー(方法25):Cl (計算値) = 7.43%, Cl 実測値 = 7.1%; TFA(実測値)< 0.1%。
H−NMR (500 MHz, d-ピリジン) δ = -0.170 (s, 9H), 0.580 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.772 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 0.920 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 0.974 - 0.985 (m, 6H), 1.147 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.250 - 1.358 (m, 2H), 1.411 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 1.468 (m, 1H), 1.604 (m, 1H), 1.959 - 2.049 (m, 3H), 2.154 - 2.228 (m, 3H), 2.380 (m, 3H), 2.935 (m, 1H), 3.120 (m, 1H), 3.300 (m, 1H), 3.607 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 3.762 (dd, J= 14.7 Hz, 1H), 3.882 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.938 (m, 1H), 4.204 (m, 1H), 4.253 (m, 1H), 4.389 (m, 1H), 4.465 (m, 1H), 4.589 - 4.661 (m, 4H), 4.806 (d, J= 12.1 Hz, 1H), 5.027 (m, 1H), 5.202 (dd, J= 9.4 Hz, 1H), 5.289 (m, 1H), 5.390 (s, 1H), 6.000 (d, J = 9.5 Hz, 1H)、6.394 (dd, J= 9.0 Hz, 1H), 7.173 (m, 2H), 7.428 (m, 1H), 7.54 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.664 - 7.973 (m, 3H), 7.767 (d, J = 8.6, 1H), 7.918 - 7.973 (m, 3H), 8.038 (br s, 2H), 8.098 (br s, 1H), 8.185 (br s, 1H), 8.253 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.582 (m, 1H), 8.684 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 8.741 (br s, 1H), 8.782 (m, 1H), 9.928 (br s, 1H), 10.272 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 10.886 (br s, 1H), 11.135 (br s, 1H)。
19F−NMR(ピリジン、400MHz、方法24):TFA<検出限界。
実施例7
(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリス−L−ラクテート
Figure 0004843614
32gのDowex 1X8−400(HCl形態)を、カラム(直径35mm)に充填する。約60mlの1M水酸化ナトリウム溶液をカラムに注いだ後、60mlのHPLC水を注入する。この後、60mlの1M乳酸でコンディショニングし、それに続いて溶出液が中和反応するまで約100mlの水で洗浄する。(Macherey & Nagel Tritest)。次いで、2.00g(1.19mmol)の3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリストリフルオロアセテート(実施例2)を90mlの水に溶かし、溶液をローディングし、ゆっくりと溶出させる。カラムを約20mlの水で洗浄する。生成物含有溶出液を合わせ、精密濾過(孔サイズ0.20μm)にかけ、凍結乾燥する。カラムを再コンディショニングおよび再使用する。実施例7の生成物1903mg(1.18mmol、理論値の99%)が、実施例2の生成物2000mg(1.19mmol)から得られる。
HPLC (方法9): R =3.29 分。
LC−MS (方法7): R= 1.38 分、MS (ESIpos.): m/z(%)= 671.7 (100) [M+2H]2+, 1341.8 (20),[M+H]
H−NMR (500 MHz,d−ピリジン): δ= -0.170 (s, 9H), 0.754 (d, J=6.3 Hz, 3H), 0.836 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.922 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.922 - 0.957 (m, 6H), 1.054 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.190 (m, 2H), 1.416 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 1.439 - 1.662 (m, 4H), 1.529 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.598 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.669 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.923 - 2.280 (m, 9H), 3.057 (m, 1H), 3.266 (m, 1H), 3.564 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 3.761 (dd, J= 13.7 Hz, 1H), 3.840 (m, 1H), 4.049 (m, 1H), 4.109 (m, 1H), 4.164 (m, 1H), 4.202 (m, 1H), 4.410 (m, 1H), 4.484 (m, 1H), 4.616 (dd, J = 6.7, 13.6 Hz, 1H), 4.656 (m, 1H), 4.669 (dd, J = 7.0, 13.9 Hz, 1H), 4.780 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 4.921 (m, 1H), 5.144 (dd, J= 9.6 Hz, 1H), 5.281 (m, 1H), 5.363 - 5.426 (m, 3H) 5.362 (s, 1H), 5.989 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 6.323 (m, 1H), 7.122 (m, 1H), 7.180 (m, 1H), 7.381 (m, 1H), 7.596 (m, 1H), 7.671 - 7.925 (m, 6H), 8.036 (br s, 1H), 8.208 (m, 3H), 8.412 (m, 1H), 8.551 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.714 (m, 2H), 8.794 (m, 1H), 10.298 (br s, 1H), 10.938 (br s, 1H).
19F−NMR(ピリジン、400MHz、方法24):TFA<検出限界。
実施例8
(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチントリス−D−タートレート
Figure 0004843614
イオン交換体のコンディショニング:溶出液がアルカリ反応を示すまで、5gの DOWEX 1X8 400(HCl塩)を1M水酸化ナトリウム溶液で洗浄する。この後、溶出液が酸性反応を示すまで、2カラム容量の水、次いで1MのD−酒石酸で洗浄する。この後、溶出液が中性になるまで水で洗浄する(Macherey & Nagel Tritest)。
次いで、実施例2の生成物100mg(59μmol)を、10mlの水に溶かし、カラムにローディングする。それに続いて、約10mlの水数回分で洗浄する。前駆物質は僅かしか溶けず、一部はカラムに残存する。生成物含有溶出液フラクションを合わせ、凍結乾燥する。57mg(31μmol、理論値の52%)の生成物を得る。H−NMRスペクトルを統合すると、(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチン:D−酒石酸について1:3という化学量論が示される。
HPLC(方法 9):R = 3.29 分。
LC−MS(方法 7):R = 1.37 分、MS (ESIpos.):m/z(%)=671.7 (100) [M+2H]2+, 1341.9 (20),[M+H]
H−NMR (500 MHz, d-ピリジン): δ = -0.172 (s, 9H), 0.597 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.776 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 0.924 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 0.954 - 0.997 (m, 6H), 1.173 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 1.303 (m, 2H), 1.434 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 1.468 (m, 1H), 1.632 (m, 1H), 1.972 (m, 2H), 2.051 (1H, m), 2.174 (m, 3H), 2.402 (m, 3H), 3.129 (m, 1H), 3.305 (m, 1H), 3.602 (d, J= 15.2 Hz, 1H), 3.799 (dd, J= 14.6 Hz, 1H), 3.893 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 3.967 (m, 1H), 4.228 (m, 1H), 4.276 (m, 1H), 4.409 (m, 1H), 4.468 (m, 1H), 4.578 - 4.669 (m, 4H), 4.791 (d, Jα,β = 11.5 Hz, 1H), 5.044 (m, 1H), 5.226 (dd, J= 9.4 Hz, 1H), 5.190 (m, 1H), 5.362 (s, 1H), 5.417 (s, 6H), 5.997 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 6.403 (dd, J= 8.9 Hz, 1H), 7.182 (m, 1H), 7.551 - 8.210 (m, 13H), 8.589 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.711 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 8.782 (m, 2H), 9.902 (br s, 1H), 10.358 (m, 1H), 10.882 (br s, 1H), 11.093 (br s, 1H)。
実施例9
(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチン
Figure 0004843614
ポリマー結合炭酸水素塩PL−HCO(Polymer Labs、容量1.8mmol/g)をカラムに充填する。396mg(12当量の炭酸水素塩に相当)の樹脂を用いて、実施例2の化合物100mg(59μmol)と反応させる。樹脂をピリジンで洗浄する。次いで、ピリジン(0.75ml)中の実施例2の溶液(100mg、59μmol)を、カラムに注入し、ゆっくりと溶出させる。カラムをまずさらなるピリジン(2ml)、次いで水(約2ml)で洗浄する。溶出液を全て合わせ、入熱せずにオイルポンプ吸引下で濃縮する。ガラス質樹脂を数滴の水に溶かし、即刻凍結乾燥する。無色非結晶性粉末として標記化合物を得る。
HPLC (方法 9): R = 3.30 分。
LC−MS (方法 7):R = 1.49 分。MS (ESIpos.): m/z(%)= 671.8 (100) [M+2H]2+, 1341.9 (10), [M+H]+, MS (ESIneg): m/z(%)= 669.9 (100) [M−2H]2-, 1340.0 (100) M−H]-
19F−NMR(ピリジン、400MHz、方法24):TFA2.9%。
実施例10
(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチンメシレートトリフルオロアセテート
Figure 0004843614
RTでTFA−ドープ水から実施例3の生成物を再結晶化することにより(溶液の緩慢な蒸発)、標記化合物が結晶性物質として得られる。
LC−MS(方法6):R =1.41 分。MS(ESIpos.):m/z(%)= 671.9 (100)[M+2H]2+, 1342.1 (10), [M+H]+, MS(ESIneg):m/z(%)=669.9 (100)[M−2H]2-, 1340.1 (80)M−H]-
HR−TOF−MS(方法1):C60971617Si[M+H]+ 計算値 1341.6982, 実測値 1341.7006。
単結晶X線構造解析により構造および塩形態を確認する。
B.生理学的活性の評価
本発明化合物のインビボ活性は、以下の検定法で立証され得る:
最小阻害濃度(MIC)の測定:
NCCLSガイドラインに従って液体希釈試験でMICを測定する。スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)133、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)27159、エンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)4147およびストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)G9aの一晩培養物を、1:2希釈系列で記載された試験物質とインキュベーションする。Isosensitest 培地(Difco、アーヴィン/米国)中1ml当たり10微生物の細胞数によりMIC測定を実施するが、ただし、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)については、1ml当たり10微生物の細胞数で10%牛血清含有BHIブロス(Difco、アーヴィン/米国)において試験する。培養物を37℃で18〜24時間、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)については10%COの存在下でインキュベーションする。
目に見える細菌の成長がそれ以上起こらないそれぞれの場合における最低物質濃度を、MICとして定義する。MIC値をμg/mlで記録する。
本発明化合物に関する典型的インビトロ活性データおよびfデータを表Aに示す:
表A
Figure 0004843614
細菌感染症の処置についての本発明化合物の適合性は、以下の動物モデルにおいて立証され得る。
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)133による全身感染
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)133の細胞を、BHIブロス(Oxoid、ニューヨーク/米国)において一晩生育する。一晩培養物を、新鮮なBHIブロス中で1:100に希釈し、3時間インキュベーションする。次いで、対数成長期にある細胞を遠心分離にかけ、緩衝生理食塩水で2回洗浄する。次いで、食塩水中の細胞懸濁液を、測光法により50単位の吸光度に調節する。希釈(1:15)段階後、懸濁液を1:1で10%ムチン溶液と混合する。この感染液0.25ml/20gマウスを、腹腔内投与する(1×10微生物/マウスに相当)。感染の30分後、腹腔内または静脈内経路により治療を実施する。雌CFW1マウスを感染実験に使用する。動物の生存を、6日間にわたって記録する。
腎臓耐容性に関する本発明化合物の特性は、以下の動物モデルにおいて立証され得る:
腎毒性作用測定用マウスモデル
ノナデプシペプチドの腎毒性副作用を、特定用量の多剤投与後のマウスにおいて腎臓の組織病理学的試験により分析する。このため、5〜6動物を、水溶液に溶かしたかまたはソルトールを加えた物質により静脈内(i.v.)または腹腔内(i.p.)経路で毎日処置する。腎臓のヘマトキシリンおよびエオシン(H & E)染色パラフィン切片の光学顕微鏡評価により、腎毒性作用を測定する。糖タンパク質の視覚化をより明確にするため、所望により「過ヨウ素酸シッフ」(PAS)反応を実施してもよい。腎細管好塩基球増加症および変性/再生発生の重症度として(重症度:0=作用無し、1=極微の作用、1=軽微な作用、3=中等度の作用、4=重症病変)腎毒性作用を各動物について半定量的に定義する。腎細管変性/再生の平均重症度および発病率(罹患動物の数)を、各動物群または誘導体について計算する。これを凌ぐ腎臓変化、例えば腎細管拡張および壊死並びに壊死物質の蓄積も同様に列挙する。
腎毒性作用測定用ラットモデル
ノナデプシペプチドの腎毒性副作用を、特定用量の多剤投与後のラットにおいて腎臓の組織病理学的試験により分析する。このため、5動物を、食塩水またはリンガー乳酸溶液に溶かした物質により静脈内(i.v.)経路で毎日処置する。腎臓のヘマトキシリンおよびエオシン(H & E)染色パラフィン切片の光学顕微鏡評価により、腎毒性作用を測定する。糖タンパク質の視覚化をより明確にするため、所望により「過ヨウ素酸シッフ」(PAS)反応を実施してもよい。腎細管好塩基球増加症および変性/再生発生の重症度として(重症度:0=作用無し、1=極微の作用、1=軽微な作用、3=中等度の作用、4=重症病変)腎毒性作用を各動物について半定量的に定義する。腎細管変性/再生の平均重症度および発病率(罹患動物の数)を、各動物群または誘導体について計算する。これを凌ぐ腎臓変化、例えば腎細管拡張および壊死並びに壊死物質の蓄積も同様に列挙する。
Transilによる非結合型分率の測定原理
試験物質の非結合型分率(f)測定についての本明細書記載の方法は、2部分に分けられる:
a)Transil(登録商標)緩衝液(pH7.4)分散液中で試験物質をインキュベーションし、それに続いて分散液および緩衝液上清における濃度を測定することによる、Transil(登録商標)/緩衝液分配比(MAbuffer)の測定。
b)Transil(登録商標)血漿分散液中で試験物質をインキュベーションし、それに続いて分散液および血漿中における濃度を測定することによる、Transil(登録商標)/血漿分配比(MAplasma)の測定。
2つの分配比の商によりfが与えられる。
物質が高度タンパク質結合している場合、通常、血漿を等張リン酸緩衝液(pH7.4)で希釈し、次いで Transil(登録商標)により懸濁する。この希釈タンパク質溶液におけるf'(希釈血漿中における非結合型分率)の測定も、fの測定と同じ要領で行う。未希釈血漿における非結合型分率を、f’および希釈係数から計算する。
この方法に関しては、以下の文献についても参照:Shuhmacher、Joachim; Kohlsdorfer、Christian; Buehner、Klaus; Brandenburger、Tim; Kruk、Renate、“High-throughput determination of the free fraction of drugs strongly bound to plasma proteins”、Journal of Pharmaceutical Sciences 2004、93、816−830。
Transil(登録商標)および緩衝液間での分配(MAbuffer)後における試験物質の膜親和力の測定。
インキュベーションは全て、適切なガラス容器、例えばガラス瓶、底部連結試験管中で実施される。総体積は、通常0.5〜5mlであり、Transil(登録商標)の体積は10〜100μlである。膜親和力が高いと予測される場合、Transil(登録商標)分散液は、pH7.4のリン酸緩衝液、例えばダルベッコのPBSで20倍以下に希釈され得る。pH7.4のリン酸緩衝液をインキュベーション容器に入れ、十分に混合した後、Transil(登録商標)をピペットで移す。試験物質を例えば200ng/mlの濃度、n=6でピペットにより移し入れる。有機溶媒の比率は2%以下とするべきである。混合物を室温で、30分間、約400rpm、角度約45°で小型振とう器においてインキュベーションする。例えば100μlの少なくとも1アリコートを取ることにより、100%値を決定し、残りの混合物を約1800gで約10分間遠心分離にかける。少なくとも2アリコート(例、100μl)の上清を、濃度測定用に各試料から採取する。
未希釈または希釈血漿におけるMAplasmaの測定:
総インキュベーション体積およびTransil(登録商標)の追加体積は、予測される非結合型分率により変化する。総体積は通常0.5〜1mlであり、Transil(登録商標)体積は10〜100μlである。非結合型分率が非常に低い場合、研究する種の血漿を、pH7.4の等張緩衝液で例えば10〜400倍に希釈し、次いで Transil(登録商標)を加える。後続手順は、MAbuffer値測定についての上記要領と同じである。
限外濾過による非結合型分率測定の原理:
研究する種の血漿を、半透膜により濾過する。濾液中の物質の濃度を測定し、非結合型分率fをそこから算出する。Millipore/Amicon からの Centrifree マイクロパーティションシステムを使用する。限外濾過膜は、30000Daの排除サイズを有する。1mlの血漿を、約1μg/mlの濃度の物質で処理する。溶媒の比率は2%未満とするべきである。室温で30分間インキュベーション後、血漿をピペットで限外濾過システムへ移し入れ、1800gで10分間の遠心分離にかける。限外濾液における物質濃度(C;未結合物質濃度)および遠心分離前の血漿における同濃度(C;総物質濃度)を測定する。非結合型分率を、式:f(%)=C/C100により算出する。
C.医薬組成物の実施態様
本発明化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換され得る:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、乳糖(一水和物)50mg、コーンスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF、ドイツ国ルドヴィヒシャーフェン)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製法:
有効成分、乳糖および澱粉の混合物を、水中PVPの5%溶液(m/m)により造粒する。顆粒を乾燥し、次いでステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を慣用的錠剤機により圧縮する(錠剤の形式については上記参照)。圧縮に使用される圧縮力に関するガイドラインは15kNである。
経口投与され得る懸濁液:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、ロージゲル(Rhodigel)(米国ペンシルベニア、FMCによるキサンタンガム)400mgおよび水99g。
経口懸濁液10mlは、本発明化合物100mgの単一用量に相当する。
製法:
ロージゲルをエタノールに懸濁し、活性化合物を懸濁液に加える。攪拌しながら水を加える。ロージゲルの膨張が完了するまで、混合物を約6時間攪拌する。
静脈内投与され得る溶液:
組成:
実施例1の化合物100〜200mg、15gのポリエチレングリコール400および注射用水250g。
製法:
実施例1の化合物をポリエチレングリコール400と一緒に攪拌しながら水に溶かす。溶液を濾過(孔直径0.22μm)により滅菌し、無菌条件下で加熱滅菌注入瓶へ分配する。同瓶を注入栓およびクリンプキャップで密閉する。

Claims (11)


  1. Figure 0004843614
    [式中、
    は水素を表し、
    は、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イル、2,2−ジメチルペンタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すか、または
    はトリフルオロメチルを表し、
    は、2,2−ジメチルプロパ−1−イル、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イル、2,2−ジメチルペンタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表す]
    で示される化合物またはその塩、その溶媒和物またはその塩の溶媒和物のうちの一つ。
  2. が水素を表し、Rが2,2−ジメチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すか、またはRがトリフルオロメチルを表し、Rが、2,2−ジメチルプロパ−1−イル、2,2−ジメチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すことを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  3. が水素を表し、Rが、2,2−ジメチルブタ−1−イル、2−エチル−2−メチルブタ−1−イル、2,2−ジエチルブタ−1−イルまたはトリメチルシリルメチルを表すことを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  4. 以下の構造3−(トリメチルシリル)−D−アラニル−3−(ピリジン−3−イル)−L−アラニル−デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチン
    Figure 0004843614
    を有する請求項1記載の化合物またはその塩、その溶媒和物またはその塩の溶媒和物のうちの一つ。
  5. 請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、式
    Figure 0004843614
    で示される化合物を、式
    Figure 0004843614
    [式中、
    およびRは請求項1記載の意味を有し、Xは、ハロゲン、好ましくは臭素、塩素またはフッ素、またはヒドロキシを表す]
    で示される化合物と反応させることを特徴とする、方法。
  6. 病気の処置および/または予防を目的とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
  7. 病気の処置および/または予防用の医薬の製造を目的とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物の使用。
  8. 細菌感染症の処置および/または予防用の医薬の製造を目的とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物の使用。
  9. 不活性で非毒性の医薬上許容される賦形剤と組み合わせて請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物を含む医薬。
  10. 細菌感染症の処置および/または予防を目的とする、請求項9記載の医薬。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項記載の少なくとも1種の化合物、請求項9記載の医薬または請求項7または8に従って得られる医薬の抗菌有効量を投与することによる、ヒトを除く動物における細菌感染症の制御方法。
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