JP2008517004A - 複素環置換ノナデプシペプチド - Google Patents

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    • A61P31/04Antibacterial agents

Abstract

本発明は、ノナデプシペプチドおよびそれらの製造方法、並びに疾患、特に細菌感染疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、ノナデプシペプチド(nonadepsipeptide)およびそれらの製造方法、並びに疾患、特に細菌感染疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
細菌の細胞壁は、数々の酵素により合成され(細胞壁生合成)、微生物の生存および生殖に必須である。この巨大分子の構造およびその合成に関与するタンパク質は、細菌類内で高度に保存されている。その本質的な性質および均一性の理由で、細胞壁生合成は新規抗生物質の理想的な攻撃点である(D.W.Green, The bacterial cell wall as a source of antibacterial targets, Expert Opin. Ther. Targets, 2002, 6, 1-19)。
バンコマイシンおよびペニシリン類は、細菌の細胞壁生合成の阻害剤であり、この作用原理による抗菌力の成功例である。それらは、細菌感染、特にグラム陽性病原体による感染の処置のために、数十年間臨床的に用いられてきた。例えばメチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌(F. Baquero, Gram-positive resistance: challenge for the development of new antibiotics, J. Antimicrob. Chemother., 1997, 39, Suppl A: 1-6; A.P. Johnson, D.M. Livermore, G.S. Tillotson, Antimicrobial susceptibility of Gram-positive bacteria: what's current, what's anticipated ?, J. Hosp. Infect., 2001, (49), Suppl A: 3-11)および最近初めてのバンコマイシン耐性ブドウ球菌(B. Goldrick, First reported case of VRSA in the United States, Am. J. Nurs., 2002, 102, 17)などの耐性微生物の発生が増えているので、これらの物質はそれらの治療効力を次第に失いつつある。
本発明は、既知のクラスの抗生物質と交差耐性のない、新規のクラスの細胞壁生合成阻害剤に関する。
天然産物のリソバクチン(lysobactin)およびいくつかの誘導体は、抗菌活性を有するとUS4,754,018に記載されている。リソバクチンの単離および抗菌活性は、EP−A196042およびJP01132600にも記載されている。WO04/099239は、抗菌活性を有するリソバクチンの誘導体を記載している。
リソバクチンおよびカタノシン(katanosin)Aの抗菌活性は、O'Sullivan, J. et al., J. Antibiot. 1988, 41, 1740 - 1744, Bonner, D. P. et al., J. Antibiot. 1988, 41, 1745 - 1751, Shoji, J. et al., J. Antibiot. 1988, 41, 713 - 718 および Tymiak, A. A. et al., J. Org. Chem. 1989, 54, 1149 - 1157 にさらに記載されている。
本発明の1つの目的は、ヒトおよび動物の細菌性疾患の処置用の、同等か、または改良された抗菌活性およびより良好な耐性、例えば低い腎毒性を有する、代替的化合物を提供することである。
本発明は、式
Figure 2008517004
式中、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C10−アリールを表し
{ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員ないし7員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルアミノ、C−C10−アリールアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C10−アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい
(ここで、シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルおよび5員ないし7員の複素環からなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、5員ないし7員の複素環、C−C10−アリール、5員または6員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5員ないし7員の複素環カルボニル、C−C10−アリールカルボニル、5員または6員のヘテロアリールカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し
{ここで、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、そして、
アルキルカルボニルは、置換基アミノまたはC−C−アルキルアミノにより置換されており、そして、
アルキルカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個または2個の置換基によりさらに置換されていてもよい
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}、
は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルを表し、
は、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
を表し、
は、水素またはメチルを表す、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
本発明の化合物は、後述する式(I)および(Ic)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物、塩の溶媒和物およびプロドラッグ、後述する、式(I)および(Ic)に包含される式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物、塩の溶媒和物およびプロドラッグ、並びに、例示的実施態様として後述する、式(I)および(Ic)に包含される化合物およびそれらの塩、溶媒和物、塩の溶媒和物およびプロドラッグ(後述する、式(I)および(Ic)に含まれる化合物が既に塩、溶媒和物、塩の溶媒和物およびプロドラッグでない場合に)である。
それらの構造に依存して、本発明の化合物は、立体異性体で存在できる(エナンチオマー、ジアステレオマー)。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマー、およびそれらの各々の混合物に関する。そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、立体異性的に均一な成分を既知のやり方で単離できる。
本発明の化合物が互変異性体で生じ得るならば、本発明は、全ての互変異性体を含む。
本発明の目的上、好ましいは、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる混合塩または塩も含まれる。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、通常の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン類(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
本発明の目的上、溶媒和物は、溶媒分子との配位により固体または液体状態で錯体を形成する本発明の化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
本発明の目的上、断りの無い限り、置換基は以下の意味を有する:
アルキル自体、並びにアルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノおよびアルコキシカルボニルアミノ中の「アルコ(alk)」および「アルキル」は、通常1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルブト−1−イル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
アルコキシは、例えば、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
アルキルチオは、例えば、そして好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオおよびn−ヘキシルチオを表す。
アルケニルは、2個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルを表す。2個ないし4個、特に好ましくは2個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルが好ましい。例えば、そして好ましくは、以下のものに言及し得る:ビニル、アリル、n−プロプ−1−エン−1−イル、n−ブト−2−エン−1−イル、2−メチルプロプ−1−エン−1−イルおよび2−メチルプロプ−2−エン−1−イル。
アルキルアミノは、1個または2個の(相互に独立して選択される)アルキル置換基を有するアルキルアミノラジカル、例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。例えば、C−C−アルキル−アミノは、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノラジカルまたはアルキル置換基毎に1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノラジカルを表す。
アリールアミノは、アミノ基を介して結合しており、さらなる置換基がアミノ基に結合していることもあるアリール置換基、例えば、アリールまたはアルキル、例えば、そして好ましくは、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、フェニルメチルアミノまたはジフェニルアミノを表す。
アルキルカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルおよびn−ヘキシルカルボニルを表す。
アルコキシカルボニルは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
アルコキシカルボニルアミノは、例えば、そして好ましくは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノおよびn−ヘキソキシカルボニルアミノを表す。
シクロアルキルカルボニルは、カルボニル基を介して結合しているシクロアルキル置換基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニルを表す。
複素環カルボニルは、カルボニル基を介して結合している複素環置換基、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、ピロリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、テトラヒドロピラニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、モルホリニルカルボニルおよびペルヒドロアゼピニルカルボニルを表す。
アリールカルボニルは、カルボニル基を介して結合しているアリール置換基、例えば、そして好ましくは、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニルおよびフェナントレニルカルボニルを表す。
ヘテロアリールカルボニルは、カルボニル基を介して結合しているヘテロアリール置換基、例えば、そして好ましくは、チエニルカルボニル、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピリミジルカルボニル、ピリダジニルカルボニル、インドリルカルボニル、インダゾリルカルボニル、ベンゾフラニルカルボニル、ベンゾチオフェニルカルボニル、キノリニルカルボニルおよびイソキノリニルカルボニルを表す。
アルキルカルボニルアミノは、例えば、そして好ましくは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノおよびn−ヘキシルカルボニルアミノを表す。
アリールカルボニルアミノは、例えば、そして好ましくは、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノおよびフェナントレニルカルボニルアミノを表す。
アリールカルボニルオキシは、例えば、そして好ましくは、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシおよびフェナントレニルカルボニルオキシを表す。
アルキルアミノカルボニルは、1個または2個の(相互に独立して選択される)アルキル置換基を有するアルキルアミノカルボニルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルを表す。C−C−アルキルアミノカルボニルは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニルラジカルまたはアルキル置換基毎に1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノカルボニルラジカルを表す。
シクロアルキルは、通常3個ないし6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを表す。
アリールは、通常6個ないし14個の炭素原子を有する、単環式ないし三環式、芳香族性、炭素環式のラジカル;例えば、そして好ましくは、フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルを表す。
複素環は、通常5個ないし7個の環原子、および、N、O、S、SO、SOの系列から3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式の複素環ラジカルを表す。複素環ラジカルは、飽和または部分不飽和であり得る。O、NおよびSの系列から2個までのヘテロ原子を有する5員ないし7員の単環式飽和複素環ラジカル、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびペルヒドロアゼピニルが好ましい。
ヘテロアリールは、通常5個ないし10個、好ましくは5個ないし6個の環原子およびS、OおよびNの系列から5個まで、好ましくは4個までのヘテロ原子を有する芳香族性の単環式または二環式ラジカル、例えば、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニルおよびイソキノリニルを表す。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を表す。
図面の説明
図1:ω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのH NMR(d−ピリジン、500MHz)。
図2:ω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MS−スペクトル(陽イオン、プレカーサー(precursor)イオンm/z1340.8)
図3:ω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MSスペクトル(断片)(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1340.8)
図4:加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MSスペクトル(陽イオン)
図5:加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MS−スペクトル(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1358.8)
図6:加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MSスペクトル(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1358.8)
図7:ω.6,Nω'.6−(ペンタン[2,4]ジイル)リソバクチントリフルオロアセテート(d−ピリジン、500MHz)のH−NMR
本発明に関して好ましい化合物は、式
Figure 2008517004
式中、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C10−アリールを表し
{ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員ないし7員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルアミノ、C−C10−アリールアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C10−アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい
(ここで、シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルおよび5員ないし7員の複素環からなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}
は、水素またはC−C−アルキルを表し、
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、5員ないし7員の複素環、C−C10−アリール、5員または6員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5員ないし7員の複素環カルボニル、C−C10−アリールカルボニル、5員または6員のヘテロアリールカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し
{ここで、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、そして、
アルキルカルボニルは、置換基アミノまたはC−C−アルキルアミノにより置換されており、そして、
アルキルカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個または2個の置換基によりさらに置換されていてもよい
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}、
は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルを表し、
は、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
を表す、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、2−メチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルブト−1−イル、1−トリメチルシリルメチル、2−トリメチルシリルエト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−エチル−2−メチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジエチルブト−1−イル、フェニルメチル、1−ヒドロキシ−1−フェニルメチル、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルを表し
(ここで、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルは、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、メチル、メトキシおよびモルホリニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)、
が、水素を表し、
が、1−アミノ−3−メチルブト−1−イルカルボニル、1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルまたは1−アミノ−2−トリメチルシリルエト−1−イルカルボニルを表し、
が、水素を表し、
が、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
を表す、
化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1−トリメチルシリルメチルまたは3−ピリジルメチルを表し
(ここで、3−ピリジルメチルは、置換基トリフルオロメチルで置換されていてもよい)、
が、水素を表し、
が、1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルまたは1−アミノ−2−トリメチルシリルエト−1−イルカルボニルを表し、
が、水素を表し、
が、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
を表す、
のもの、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が、2−メチルプロプ−1−イルを表し、
が、水素を表し、
が、1−アミノ−3−メチルブト−1−イルカルボニルを表し、
が、水素を表し、
が、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルを表す)
を表す、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、
が2,2−ジメチルプロプ−1−イルを表し、
が水素を表し、
が1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルを表し、
が水素を表し、
が、式
Figure 2008517004
(式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルを表す)
を表す、
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、Rが、2−メチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルブト−1−イル、2−トリメチルシリルエト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−エチル−2−メチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジエチルブト−1−イル、フェニルメチル、1−ヒドロキシ−1−フェニルメチル、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルを表す(ここで、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルは、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、メチル、メトキシおよびモルホリニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)ものである。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、R中のアミノ酸に由来する立体中心がD配置であるものである。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、Rが2,2−ジメチルプロプ−1−イルであり、Rが水素であるものである。
好ましい式(I)の化合物は、また、式中、Rが1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルを表し、Rが水素を表すものである。
ラジカルの各々の組合せおよび好ましい組合せで詳細に示したラジカルの定義は、また、任意に、示したラジカルの個々の組合せから独立して、異なる組合せのラジカルの定義により置き換えられる。
上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せもことさら特に好ましい。
本発明はさらに、式(Ic)の化合物の製造方法に関し、その方法は、
[A]式
Figure 2008517004
(式中、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、式
Figure 2008517004
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、

Figure 2008517004
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
[B]式(Ia)の化合物を還元剤と反応させ、式
Figure 2008517004
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
のいずれかの方法に従うものである。
式(Ic)の化合物は、それ自体、式(Ia)および(Ib)の化合物からなる。
ラジカルR、R、RおよびR中の遊離アミノ基は、必要に応じて、当業者に知られている方法に従い、例えばBoc保護基またはZ保護基を用いて、反応前に保護し、それを反応後に再度除去する。
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
Figure 2008517004
(式中、Rは、上記の意味を有する)
の化合物を、式
Figure 2008517004
(式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、Xは、ハロゲン、好ましくは臭素、塩素またはフッ素、またはヒドロキシを表す)
の化合物と反応させることにより製造できる。
がハロゲンであるならば、この反応は、一般的に、不活性溶媒中、必要に応じて塩基の存在下、好ましくは−30℃ないし150℃の温度範囲で、大気圧下に行う。
不活性溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドである。好ましい不活性溶媒は、テトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。
塩基は、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンである;ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
がヒドロキシであるならば、反応は、一般的に、不活性溶媒中、脱水試薬の存在下、必要に応じて塩基の存在下、好ましくは−30℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧下に行う。
不活性溶媒は、例えば、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンなどのハロ炭化水素、ベンゼン、ニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの炭化水素である。これらの溶媒の混合物を用いることも同様に可能である。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
ここで適する脱水試薬は、例えばカルボジイミド類、例えば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチルポリスチレン(PSカルボジイミド)またはカルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、または、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−サルフェート、または2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムパークロレート、または、アシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、またはプロパンホスホン酸無水物、または、イソブチルクロロホルメート、または、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリルクロリド、または、ベンゾトリアゾリルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートまたはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、または、N−ヒドロキシスクシンイミド、またはこれらの塩基との混合物である。
塩基は、例えば、アルカリ金属炭酸塩、例えば、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭酸水素塩、またはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基である。
好ましくは、縮合は、HATUを使用して、またはHOBtの存在下でEDCを使用して実施する。
式(V)の化合物は、場合により保護基を有し、これらの場合では、式(IV)の化合物の式(V)の化合物との反応に続いて、例えば当業者に知られている方法に従いトリフルオロ酢酸を使用して保護基を除去するようにする。
式(IV)の化合物は、リソバクチン(実施例1A)から二重のエドマン分解により合成できる。
式(III)および(V)の化合物は、知られているか、既知方法により対応する出発物質から合成できる。
本発明の化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる。
合成スキーム:
Figure 2008517004
本発明の化合物は、予測し得なかった価値ある薬理活性スペクトルを示す。それらは、抗菌活性を示す。
従って、それらは、ヒトおよび動物の疾患の処置および/または予防用の医薬としての使用に適する。
本発明の化合物は、リソバクチンと比較して低い腎毒性により卓越している。
記載したノナデプシペプチドは、細菌の細胞壁生合成の阻害剤として作用する。
本発明の製剤は、細菌および細菌様微生物に対して特に有効である。それらは、従って、これらの病原体に起因するヒトの医学および獣医学における局所および全身の感染の予防および化学療法に特に適する。
原則として、本発明の製剤は、細菌細胞壁(ムレイン小嚢(Murein sacculus))または対応する酵素系を有する全ての細菌および細菌様微生物に対して、例えば以下の病原体または以下の病原体の混合物に使用できる:
グラム陰性球菌(淋菌)並びにグラム陰性桿菌、例えば腸内細菌科、例えば大腸菌、インフルエンザ菌、シュードモナス属、クレブシエラ属、シトロバクター属(C.フロインデイ、C.ジベルニス(divernis))、サルモネラ属および赤痢菌属;さらに、エンテロバクター属(E.アエロゲネス、E.アグロメランス(agglomerans))、ハフニア属、セラチア属(S.マルセセンス)、プロビデンシア属、エルシニア属、並びにアシネトバクター属、ブランハメラ属およびクラミジア属。さらに、抗菌スペクトルには、厳密に嫌気性の細菌、例えば、バクテロイデス・フラジリス、ペプトコッカス属、ペプトストレプトコッカス属およびクロストリジウム属の代表例;さらに、ミコバクテリア、例えば結核菌が含まれる。本発明の化合物は、グラム陽性球菌、例えばブドウ球菌(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、S.ヘモリティクス(haemolyticus)、S.カルノサス(carnosus))、腸球菌(フェカリス菌、E.フェシウム)および連鎖球菌(S.アガラクチア、肺炎連鎖球菌、化膿性連鎖球菌)に対して、特に明白な効果を示す。
上記の病原体のリストは、例示としてのみ解釈されるべきであり、決して限定的に解釈すべきではない。上述の病原体または混合感染に起因すると言える、そして本発明の製剤により予防、改善または治癒できる疾患は、例えば以下のものである:
ヒトの感染性疾患、例えば、非複雑性および非複雑性尿路感染、非複雑性皮膚および表在性感染、複雑性皮膚および軟部組織感染、病院または通院で獲得される肺炎、院内肺炎、慢性気管支炎の急性増悪および二次的細菌感染、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、連鎖球菌性咽頭炎、細菌性髄膜炎、非複雑性淋菌性および非淋菌性尿道炎/子宮頚管炎、急性前立腺炎、心内膜炎、非複雑性および複雑性腹腔内感染、婦人科の感染、骨盤内炎症性疾患、細菌性膣炎、急性および慢性骨髄炎、急性細菌性関節炎、熱性好中球減少性患者の経験的治療、さらに菌血症、MRSA感染、急性感染性下痢、ヘリコバクター・ピロリ感染、術後感染、歯性感染、眼科の感染、術後感染(直腸周囲膿瘍、創傷感染、胆道感染、乳腺炎および急性虫垂炎を含む)、嚢胞性線維症および気管支拡張症。
ヒトの他に、他の種でも細菌感染を処置できる。言及し得る例には、以下のものがある:
ブタ:下痢、腸毒血症、敗血症、赤痢、サルモネラ症、子宮炎−乳腺炎−アガラクチア症候群、乳腺炎;
反芻動物(ウシ、ヒツジ、ヤギ):下痢、敗血症、気管支肺炎、サルモネラ症、パスツレラ症、性器感染;
ウマ:気管支肺炎、関節の病気、産褥性および産褥後感染、サルモネラ症;
イヌおよびネコ:気管支肺炎、下痢、皮膚炎、耳炎、尿路感染、前立腺炎;
家禽(ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ハト、観賞用鳥類など):大腸菌感染、慢性呼吸器疾患、サルモネラ症、パスツレラ症、オウム病。
生産用および観賞用の魚類の飼育および維持における細菌性疾患の処置も同様に可能であり、そこでは抗菌スペクトルは前述した病原体を超えて、例えば、パスツレラ属、ブルセラ属、カンピロバクター属、リステリア属、エリシペロスリス属(Erysipelothris)、コリネバクテリウム属、ボレリア属(Borellia)、トレポネーマ属、ノカルジア属、リケッチア属、エルシニア属などのさらなる病原体に及ぶ。
本発明はさらに、疾患、特に細菌感染疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明の化合物は、好ましくは、細菌性疾患の予防および/または処置に適する医薬の製造に使用する。
本発明はさらに、本発明の化合物の抗菌的有効量を使用する、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防方法に関する。
本発明はさらに、特に上述の疾患の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明の化合物および少なくとも1種またはそれ以上のさらなる活性化合物を含む医薬に関する。組合せに好ましい活性化合物は、異なる活性スペクトル、特に補足的活性スペクトルを有する抗菌的に活性な化合物、および/または、本発明の化合物の佐薬である。
本発明の化合物は、全身的および/または局所的に作用できる。それらは、この目的のために、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜に、耳に、または、インプラントもしくはステントとして、適するやり方で投与できる。
本発明の化合物をこれらの投与経路に適する投与形で投与できる。
経口投与に適する投与は、先行技術に準じて機能し、本発明の化合物を、迅速に、かつ/または、修飾されたやり方で送達し、そして、本発明の化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有する投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、不溶であるかまたは遅れて溶解し、本発明の化合物の放出を制御する腸溶性被覆を有するもの)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤である。
非経腸投与は、吸収段階を避けて(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌散剤の形態の、注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形(なかんずく、散剤吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液、スプレー;舌に、舌下に、または頬側に投与するための、錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼用製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えばパッチなど)、ミルク、ペースト、フォーム、散布用粉末剤(dusting powder)、インプラントまたはステントである。
本発明の化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と混合することにより、それ自体既知のやり方で行うことができる。これらの補助剤には、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色料(例えば無機色素、例えば酸化鉄など)および味および/または臭気の隠蔽剤。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明の化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と共に含有する医薬、および上述の目的のためのそれらの使用に関する。
静脈内投与で約0.001ないし100mg/体重kg、好ましくは約0.1ないし10mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であると、一般に明らかになった。経口投与では、投与量は、約0.01ないし50mg/体重kg、好ましくは0.5ないし10mg/体重kgである。
それにも関わらず、必要に応じて、特に体重、投与経路、活性化合物に対する個体の応答、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、これらを1日に亘る数回の個別投与に分割するのが望ましいことがある。
以下の試験および実施例における百分率は、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度は、各場合で体積に基づく。
A.実施例
略号
Figure 2008517004
Figure 2008517004
文献
ペプチドおよびシクロデプシペプチドの命名法について、以下を参照:
1. A Guide to IUPAC Nomenclature of Organic Compounds (Recommendations 1993), 1993, Blackwell Scientific publications.
2. Nomenclature and symbolism for amino acids and peptides. Recommendations 1983. IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature, UK. Biochemical Journal 1984, 219, 345-373. および引用文献。
3. アミノ酸側鎖で誘導体化されているノナデプシペプチド誘導体の命名法について、各誘導体化部位を指定するのに、IUPACの接頭辞系を使用する(IUPAC, Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides, Names and Symbols for Derivative of Named Peptides, Section 3AA-22, Recommendations 1983-1992)。例えば、Nω.6−アセチルリソバクチンは、アミノ酸6(デプシペプチドのN末端から、即ち、ここではD−Argから計算する)で、特に末端の窒素原子でアセチル化されたリソバクチンを示す。
LC−MS、HR−MS、HPLCおよびゲルクロマトグラフィーの一般法
方法1(HPLC):装置タイプHPLC:HP 1100 Series; UV DAD カラム: Zorbax Eclipse XBD-C8 (Agilent), 150 mm x 4.6 mm, 5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0−1分10%B、1−4分10−90%B、4−5分90%B;流速:2.0ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210および254nm。
方法2(HPLC):カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
方法3(LC−MS):装置タイプMS:Micromass ZQ;装置タイプHPLC:HP 1100 Series; UV DAD; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分、1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分、2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法4(HPLC):カラム:Kromasil RP-18, 250 mm x 4 mm, 5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分5%B、10分95%B;流速:1ml/分;オーブン:40℃;UV検出:210nm。
方法5(HPLC):カラム:Kromasil RP-18, 250 mm x 4 mm, 5 μm;溶離剤A:HClO2ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;均一濃度:45%B、55%A;流速:1ml/分;オーブン:40℃;UV検出:210nm。
方法6(Sephadex LH-20 のゲルクロマトグラフィー): Sephadex LH-20 (Pharmacia) に圧力をかけずにゲルクロマトグラフィーを実施する。UV活性(254nm用のUV検出機、Knauer) に従い、分別(フラクションコレクターISCO Foxy 200)を実施する。カラム寸法:32x7cm(1000−100μmolスケール);30x4cm(100−10μmolスケール);25x2cm(10−1μmolスケール)。
方法7(分取HPLC):装置:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリポンプシステム;カラム:Reprosil ODS-3, 5 μm, 250 x 20 mm;溶離剤A:0.2%トリフルオロ酢酸を含む水、溶離剤B:アセトニトリル;流速:25ml/分;カラム温度40℃;0−12分35%B。
方法8(LC−MS):装置タイプMS:Micromass ZQ;装置タイプHPLC:HP 1100 Series; UV DAD; カラム: Phenomenex Synergi 2 μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法9(HPLC):装置タイプHPLC:HP 1050 Series; UV DAD 1100 Series; カラム SymmetryPrepTMC18, Waters, 50 x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:水/0.05%トリフルオロ酢酸、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0−9分0−100%B、9−11分100%B、11−12分100−0%B、続いてクロマトグラフィーカラムの再生。オーブン:40℃、流速:0.4ml/分、UV検出:210nm。
方法10(FT−ICR−HR−MS):質量精密測定は、7Teslaの磁石、外部のエレクトロスプレーイオン源および Unix をベースとする XMASS データシステムを備えた高分解能 Apex II フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析機 (Bruker Daltonik GmbH, Bremen)で実施する。質量分解能は約40,000(50% valley definition)である。
方法11(分取HPLC):装置:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリポンプシステム;カラム:Kromasil C-18, 5 μm, 100 Å, 250 x 20 mm;溶離剤A:0.2%トリフルオロ酢酸を含む水、溶離剤B:アセトニトリル:流速:25ml/分;0分20%B、勾配0−15分80%B、勾配、15−15.1分20%B、15.1−20分20%B。N−ブトキシカルボニル保護物質には、溶離剤中のトリフルオロ酢酸を0.05%酢酸により基本的に置き換える。
方法12(LC−MS):装置タイプMS:Micromass ZQ;装置タイプHPLC:Waters Alliance 2790;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50 x 2 mm, 3.0 μm;溶離剤A:水+50%ギ酸500μl/l;溶離剤B:アセトニトリル+50%ギ酸500μl/l;グラジエント:0.0分0%B→0.2分0%B→2.9分70%B→3.1分90%B→4.5分90%B;オーブン:45℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
方法13(TOF−HR−ESI−MS):Micromass-LCT 質量分析機(キャピラリー3.2KV、コーン42V、ソース:120℃)を使用して、TOF−HR−ESI−MSスペクトルを測定する。サンプルは、シリンジポンプ(Harvard Instrument)を使用して注入する。ロイシンエンケファリンを標準として使用する。
方法14(分取HPLC):装置:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリポンプシステム;カラム:Nucleodur C18 Gravity, Macherey-Nagel, 5 μm; 250 x 40 mm;流速:15−45mL/分;溶離剤A:水/0.1%トリフルオロ酢酸、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0−12分10%B、12−20分10−35%B、20−25分35−40%B、25−35分40%B、35−45分40−50%B、45−50分50−60%B100%B、50−60分60−100%B、60−75分100%B、続いてクロマトグラフィーカラムの再生。
方法15(MALDI−MS):TOF/TOFイオン光学系および 200 Hz Nd:YAG レーザー(355nm)を備えた 4700 Proteomics Analyzer (Applied Biosystems, Framingham, MA, USA) で、MALDI−MS/MS調査を実施する。8kVを使用してイオン源中の準分子イオンを加速し、電気的デフレクター(MS1)を使用して選択し、MS1とMS2との間に配置された衝突セル内でアルゴン原子と衝突させる。得られる分離片イオンを15kVを使用して再加速し、第2の飛行時間型質量分析機(MS2)を使用して特徴解析する。
方法16(LC−MS):装置タイプMS:Micromass ZQ;装置タイプHPLC:Waters Alliance 2790;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50 mm x 2 mm, 3.0 μm;溶離剤B:アセトニトリル+0.05%ギ酸、溶離剤A:水+0.05%ギ酸;グラジエント:0.0分5%B→2.0分40%B→4.5分90%B→5.5分90%B;オーブン:45℃;流速:0.0分0.75ml/分→4.5分0.75ml/分→5.5分1.25ml/分;UV検出:210nm。
方法17(分取HPLC):装置:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリポンプシステム;カラム:Nucleodur C18 Gravity, Macherey-Nagel, 5 μm; 250 x 21 mm;流速:20ml/分;溶離剤A:水/0.25−0.5%酢酸、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0−3分5%B、3−30分5−100%B、30−38分100%B、続いてクロマトグラフィーカラムの再生。
方法18(NMR、定量的TFA分析/絶対的含有量):溶解したフッ素含有有機物質および較正用物質(例えば1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン)を秤量し、適する溶媒を添加し、続いてサンプルの19F−NMRスペクトルを記録する(376MHz)。試験物質および較正用物質の積分値を、NMRスペクトルから決定する。これから、フッ素(またはTFA)の含有量を決定する。
方法19(MALDI−MS):TOF/TOFイオン光学系および 200 Hz Nd:YAG レーザー(355nm)を備えた 4700 Proteomics Analyzer (Applied Biosystems, Framingham, MA, USA) で、MALDI−MS/MS調査を実施する。8kVを使用してイオン源中の準分子イオンを加速し、電気的デフレクター(MS1)を使用して選択し、MS1とMS2との間に配置された衝突セル内でアルゴン原子と衝突させる。得られる分離片イオンを15kVを使用して再加速し、第2の飛行時間型質量分析機(MS2)を使用して特徴解析する。
方法20(FT−ICR−HR−MS):質量精密測定は、7Teslaの磁石、外部のエレクトロスプレーイオン源および Unix をベースとする XMASS データシステムを備えた高分解能 Apex II フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析機 (Bruker Daltonik GmbH, Bremen)で実施する。質量分解能は約40,000(50% valley definition)である。
方法21(分取HPLC):装置:Gilson Abimed HPLC;UV検出器210nm;バイナリポンプシステム;カラム:Reprosil ODS-A, 5 μm, 250 x 20 mm;溶離剤A:0.2%トリフルオロ酢酸を含む水、溶離剤B:アセトニトリル;流速:25ml/分;カラム温度40℃;0−10分20%B、10−15分80%B。
一般的実施方法
一般的実施方法1(MALDI−MS用の加水分解サンプル調製)
開環しようとするデプシペプチド(例えばリソバクチン、0.05μmol)を、最初に、微小バイアル中、ボレート−塩酸バッファー(Merck)pH8(250μl)で処理する。混合物を終夜静置し、酢酸(100μl)を添加し、サンプルを凍結乾燥する。粗生成物を、これ以上精製せずに、MALDI−MS配列解読を利用する段階により調査する。
一般的実施方法2(エドマン0.5および1.5
フェニルイソチオシアネート(50mmol)を、乾燥ピリジン(30ml)中のN−末端遊離ペプチド(0.3mmol)の溶液に、アルゴン保護気体雰囲気下で滴下して添加する。分析用HPLCによる確認(方法13)が適切な変換(>95%)を示すまで、反応混合物を37℃で撹拌する(約1時間)。温度を制御して(<40℃)、反応混合物を真空で濃縮し、次いで凍結乾燥する。
一般的実施方法3(エドマン1.0および2.0
アルゴン保護気体雰囲気下、ペプチドチオウレア(0.2mmol)を固体として乾燥トリフルオロ酢酸で激しく撹拌しながら処理し、次いで、分析用HPLCによる確認が適切な変換(>95%)を示すまで、40℃で撹拌する(約20分)。反応混合物を迅速に真空で、室温(温度制御)で濃縮する。粗生成物からさらにトリフルオロ酢酸を除くために、粗生成物をジクロロメタンに取り、再度真空で溶媒を除く。トルエンで(2回)、そしてジクロロメタンで(2回)、この方法を数回繰り返す。最後に、粗生成物を凍結乾燥する。
出発化合物
実施例1A
D−ロイシル−N−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−6−[(1S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル]−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−27−イル}−L−ロイシンアミドビストリフルオロアセテート(リソバクチン)
Figure 2008517004
発酵:
培養培地:
YM:酵母−麦芽寒天:D−グルコース(4g/l)、酵母抽出物(4g/l)、麦芽抽出物(10g/l)、Lewatit 水1l。滅菌(20分間、121℃)前に、pHを7.2に調節する。
HPM:マンニトール(5.4g/l)、酵母抽出物(5g/l)、肉ペプトン(3g/l)。
作業用一時保存物:凍結乾燥系統(ATCC53042)を、YM培地50ml中で増殖させる。
フラスコ発酵:1lの三角フラスコ中のYM培地150mlまたはHPM培地100mlを、作業用一時保存物2mlで播種し、28℃で、240rpmの振盪機上、30−48時間増殖させる。
30l発酵:フラスコ発酵物(HPM培地)300mlを使用して、無菌の栄養培地溶液(1mlの消泡剤SAG5693/l)30lを播種する。この培養物を、21時間、28℃、300rpmおよび滅菌空気0.3vvmによる通気で増殖させる。1M塩酸を使用してpHをpH=7.2に一定に保つ。培養期間中に、全部で880mlの1M塩酸を添加する。
主培養(200l):1lの三角フラスコ中のYM培地15x150mlを、作業用一時保存物2mlで播種し、振盪機上、48時間、28℃、240rpmで増殖させる。この培養物2250mlを使用して、無菌の栄養培地溶液(YM)(1mlの消泡剤SAG5693/l)200lを播種し、それを、18.5時間、28℃、150rpmおよび滅菌空気0.3vvmによる通気で増殖させる。
毎時間のサンプル(50ml)を取り、発酵過程を確認する。メタノール1ml(0.5%トリフルオロ酢酸)をこの培養ブロス2mlに添加し、0.45μmフィルターを通して混合物を濾過する。この懸濁液30μlを、HPLC(方法1および方法2)を利用して分析する。
18.5時間後、17000rpmで主培養の培養ブロスを上清と沈降物に分離する。
単離:
上清(183l)を濃トリフルオロ酢酸または水酸化ナトリウム溶液を使用してpH6.5−7に調節し、Lewapol カラム (OC 1064、60l容量)に負荷する。続いて、純水、水/メタノール1:1および続いて純粋なメタノール(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する)で溶出を実施する。この有機相を真空で濃縮し、水性残留物11.5lを残す。
残存する水相をシリカゲルC18に結合させ、分離する(MPLC, Biotage Flash 75, 75 x 30 cm, KP-C18-WP, 15-20 μm, 流速:30ml;溶離剤:アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水;グラジエント:10%、15%および40%アセトニトリル)。実施例1Aの大部分を含有する40%アセトニトリル相を真空で濃縮し、続いて凍結乾燥する(〜13g)。この固体の混合物を1.2gずつ、最初に分取用HPLC(方法3)により、続いて Sephadex LH-20 (5x70cm、アセトニトリル/水1:1、各場合で0.05%トリフルオロ酢酸を含有する)のゲル濾過により、さらに分取用HPLC(方法4)で、分離する。
この方法により、実施例1A2250mgを得る。
沈降物を4lのアセトン/水4:1に取り、Celite 2kgを添加し、トリフルオロ酢酸を使用して混合物をpH=6に調節し、撹拌し、遠心分離する。溶媒を真空で濃縮し、残渣を凍結乾燥する。得られる凍結乾燥物(89.9g)をメタノールに取り、濾過し、濃縮し、シリカゲル(方法5)で分離する。次いで、実施例1Aをゲル濾過(Sephadex LH-20、5x68cm、水/アセトニトリル9:1(0.05%トリフルオロ酢酸を含有する)、流速:2.7ml/分、画分サイズ13.5ml)により精製し、純粋な物質を得る。
この方法により実施例1A447mgを得る。
HPLC (方法 1): Rt = 6.19 分
MS (ESIpos): m/z = 1277 (M+H)+
1H NMR (500.13 MHz, d6-DMSO): δ = 0.75 (d, 3H), 0.78 (d, 6H), 0.80 (t, 3H), 0.82 (d, 3H), 0.90 (d, 3H), 0.91 (d, 3H), 0.92 (d, 3H), 0.95 (d, 3H), 0.96 (d, 3H), 1.05 (m, 1H), 1.19 (d, 3H), 1.25 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.51 (m, 2H), 1.55 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.86 (m, 1H) , 1.89 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 2.75 (m, 2H), 3.40 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 3.53 (dd, 1H), 3.64 (m, 2H), 3.66 (m, 1H), 3.68 (dd, 1H), 3.73 (m, 2H), 4.00 (dd, 1H), 4.02 (br., 1H), 4.13 (br., 1H), 4.32 (dd, 1H), 4.39 (t, 1H), 4.55 (m, 1H), 4.75 (dd, 1H), 5.19 (t, 1H), 5.29 (d, 1H), 5.30 (br., 1H), 5.58 (m, 2H), 6.68 (m, 3H), 6.89 (d, 1H), 6.93 (m, 3H), 6.94 (br., 1H), 6.98 (d, 1H), 7.12 (br., 1H), 7.20 (br., 2H), 7.23 (m, 2H), 7.42 (m, 2H), 7.54 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 8.32 (br., 1H), 9.18 (br., 1H), 9.20 (m, 2H), 9.50 (br., 1H).
13C-NMR (125.77 MHz, d6-DMSO): δ = 10.3, 15.3, 19.0, 19.2, 19.6, 20.0, 20.9, 22.0, 22.4, 23.0, 23.2, 24.3, 24.4, 25.0, 25.4, 26.0, 27.8, 30.9, 35.4, 39.5, 40.8, 40.9, 41.6, 44.1, 51.5, 52.7, 55.9, 56.2, 56.4, 57.9, 58.8, 60.2, 61.1, 62.6, 70.1, 71.6, 71.7, 75.5, 128.1, 128.6, 136.7, 156.8, 168.2, 170.1, 170.4, 171.2, 171.5, 171.9, 172.2, 172.4, 173.7.
シグナルの割当ては、文献に記載の割当てに従い実施した (T. Kato, H. Hinoo, Y. Terui, J. Antibiot., 1988, 61, 719-725)。
実施例2A
2.1−[1−メチル−3−オキソブト−1−エン−1−イル]−N7.ω,N7.ω'−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチン
Figure 2008517004
粉末状分子ふるい(4Å、10mg)および2,4−ペンタンジオン(200当量、0.2ml、2.0mmol)を、耐圧反応容器(サイズ:1ml)中、ピリジン(0.4ml)中のリソバクチンビストリフルオロアセテート(15mg、0.01mmol)の溶液に添加する。反応混合物を最初に4時間80℃で、次いで90℃で、HPLCクロマトグラムが完全な変換を示すまで加熱する(約12時間)。反応混合物をガラスフリット(孔サイズ2)を通して濾過し、まだ熱いうちに、真空で蒸発させ、高真空下に乾燥させる(12時間)。分取HPLC(例えばTFAを用いない方法17)を利用して、残渣を精製する。固体(8mg、理論値の54%)を生成物として得る。
LC-MS (方法 16): Rt = 3.43 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 712 (100) [M + 2H]2+.
MS (ESIneg.): m/z (%) = 710 (100) [M - 2H ]2-.
実施例3A
N−(アニリノカルボノチオイル)−D−ロイシル−N−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−6−[(1S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル]−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−27−イル}−L−ロイシンアミドモノトリフルオロアセテート
{N−(アニリノカルボノチオイル)リソバクチンモノトリフルオロアセテート}
Figure 2008517004
リソバクチンビストリフルオロアセテート(500mg、0.33mmol)(実施例1A)を、一般的実施方法2に従い反応させる。生成物600mg(定量的)を得、それを未精製形態でさらに反応させることができる。
さらなる精製のために、粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法6;メタノール/0.1%酢酸)できる。生成物含有画分を、真空、室温で濃縮し、次いで凍結乾燥する。生成物を収率80%で得る。
HPLC/UV-vis (方法 13): Rt = 6.84 分,
λmax (定量的) = 220 nm (s), 248 (m), 269 (m).
LC-MS (方法 11): Rt = 2.64 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 706.5 (50) [M + 2H]2+, 1412 (20) [M + H]+;
LC-MS (方法 12) : Rt = 4.95 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 1412 (100) [M + H]+.
実施例4A
−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−6−[(1S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル]−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−27−イル}−L−ロイシンアミドビストリフルオロアセテート
{デ−D−ロイシルリソバクチンビストリフルオロアセテート}
Figure 2008517004
チオウレア(実施例3A)(300mg、0.2mmol)を、一般的実施方法3に従い反応させる。粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法6;メタノール/0.25%酢酸)し、続いて分取HPLC(方法8)を利用して丁寧に精製する。生成物147mg(理論値の65%)を得る。
HPLC/UV-vis (方法 13): Rt = 4.96 分,
λmax(定量的) = 220 nm (s), 255-270 (w).
LC-MS (方法 12): Rt = 3.84 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 582.4 (100) [M + 2H]2+, 1164 (20) [M + H]+.
FT-ICR-HR-MS (方法 20):
C52H88N14O16 [M + 2H]2+ 計算値 582.32459, 実測値 582.32460;
C52H87N14NaO16 [M + H + Na]2+ 計算値 593.31556, 実測値 593.31564.
アミノ酸配列決定のために、生成物の分析用サンプルを一般的実施方法1に従い加水分解する。
MALDI-MS (方法 19): m/z (%) = 1181.7 (100) [M + H]+.
より大きい規模での代替的製造方法:
実施例1A(6.47g、4.30mmol)を、ピリジン(90ml)にアルゴン雰囲気下で溶解する。フェニルイソチオシアネート(1.16g、8.60mmol、2当量)を、次いで添加し、反応混合物を37℃で1時間撹拌する。続いて、溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、残渣を終夜油ポンプによる真空下で乾燥させる。中間体の実施例2Aを粗収量6.60gで得る。中間体を精製せずにさらに反応させる。この目的で、実施例3A(6.60g)をトリフルオロ酢酸(107ml)にアルゴン雰囲気下で溶解し、室温で30分間撹拌する。次いで、溶液を真空で、ロータリーエバポレーターで濃縮し、油ポンプによる真空下で短時間乾燥させ、メチルtert−ブチルエーテル(250ml)に取り、粉末状の無定形固体が得られるまで激しく撹拌する。これを真空濾過により回収し、メチルtert−ブチルエーテル(200ml)で洗浄し、次いでジクロロメタン(2回、100ml)で洗浄する。固体をフラスコに移し、油ポンプによる真空下で乾燥させる。実施例4Aを粗収量6.0gで得る(定量的)。生成物をこれ以上精製せずに反応させることができる。
実施例5A
−(アニリノカルボノチオイル)−N−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−6−[(1S)−2−アミノ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル]−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−27−イル}−L−ロイシンアミドモノトリフルオロアセテート
Figure 2008517004
デ−D−ロイシルリソバクチンビストリフルオロアセテート(実施例4A、255mg、0.18mmol)を、一般的実施方法2に従い反応させる。生成物322mg(定量的)を得、それを未精製形態でさらに反応させることができる。
さらなる後処理のために、粗生成物をゲルクロマトグラフィー(方法6;メタノール/0.1%酢酸)できる。生成物含有画分を真空で、室温で濃縮し、次いで凍結乾燥する。
HPLC/UV-vis (方法 13): Rt = 6.56 分,
λmax (定量的) = 220 nm (s), 245 (m), 268 (m).
LC-MS (方法 12): Rt = 4.85 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 1299 (100) [M + H]+.
実施例6A
(2S)−2−{(3S,6S,12S,15S,18R,21S,24S,27S,28R)−27−アミノ−18−(3−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}プロピル)−12−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−3−(ヒドロキシメチル)−24−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−21−イソブチル−15−[(1S)−1−メチルプロピル]−2,5,8,11,14,17,20,23,26−ノナオキソ−28−フェニル−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロオクタコサン−6−イル}−2−ヒドロキシエタンアミドビストリフルオロアセテート
{デ(1−D−ロイシル−2−L−ロイシル)リソバクチンビストリフルオロアセテート}
Figure 2008517004
チオウレア(実施例5A、66mg、34μmol)を、一般的実施方法3に従い反応させる。粗生成物を迅速なゲルクロマトグラフィー(方法6;メタノール/0.25%酢酸)により予精製できる。分取HPLC(方法8または方法9、続いてTFA(100μmol)の添加によるクロマトグラフィー生成物の複分解)により、生成物45mg(理論値の75%)を得る。
HPLC/UV-vis (方法 13): Rt = 4.71 分,
λmax (定量的) = 220 nm (s), 255-270 (w).
LC-MS (方法 11): Rt = 1.65 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 526 (100) [M + 2H]2+, 1051 (15) [M + H]+.
より大きい規模での代替的製造方法:
実施例化合物4A(6.47g、4.30mmol)を、アルゴン雰囲気下でピリジン(92ml)に溶解する。次いで、フェニルイソチオシアネート(8.75g、64.68mmol、15当量)を添加し、反応混合物を37℃で1時間撹拌する。続いて、溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、残渣を終夜油ポンプによる真空下で乾燥させる。実施例5Aを粗収量6.0gで得る。中間体を精製せずにさらに反応させる。この目的で、粗製実施例5Aをトリフルオロ酢酸(82ml)にアルゴン雰囲気下で溶解し、室温で30分間撹拌する。次いで、溶液を真空で、ロータリーエバポレーターで濃縮し、油ポンプによる真空下で短時間乾燥させ、メチルtert−ブチルエーテル(250ml)に取り、粉末状無定形固体が得られるまで激しく撹拌する。これを真空濾過により回収し、さらなるメチルtert−ブチルエーテル(200ml)で洗浄し、次いで各100mlのジクロロメタン2回分で洗浄する。固体をフラスコに移し、油ポンプによる真空下で乾燥させる。表題化合物を粗収量5.4g(定量的)で得る。生成物を分取HPLC(方法21)によりさらに精製する。表題化合物(理論値の32%)1.79gを得る。
例示的実施態様
実施例1
ω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテート
Figure 2008517004
粉末状分子ふるい(4Å、0.5g)および2,4−ペンタンジオン(40当量、3.3ml、32.1mmol)を、還流冷却器を備えた三口フラスコ中、ピリジン(55ml)中のリソバクチンビストリフルオロアセテート(2.0g、0.8mmol)の溶液に添加する。反応混合物を最初に3.5時間85℃で、次いで110℃で、HPLCクロマトグラムが完全な変換を示すまで(約4−8時間)加熱する。ガラスフリット(孔サイズ2)を通して反応混合物を濾過し、熱いうちに、真空で蒸発させ、高真空下に乾燥させる(12時間)。残渣(1.9g)を、アセトニトリル(30ml)および0.5N水性塩酸(40ml)の混合物に取り、室温でHPLCクロマトグラムが完全な変換を示すまで(約0.4時間)撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、凍結し、凍結乾燥する。切断生成物をゲルクロマトグラフィー(方法6、溶離剤メタノール/酢酸99/1)を利用して精製し、粗生成物1.5gを得る。これを続いて分取HPLC(方法7)を利用して丁寧に精製する。生成物536mg(理論値の46%)を得る。
HPLC/UV-vis (方法 9): Rt = 5.9 分,
λmax (定量的) = 220 nm (s), 310 (s).
LC-MS (方法 8): Rt = 1.45 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 671 (100) [M + 2H]2+, 1341 (10) [M + H]+.
MS (ESIneg.): m/z (%) = 669 (80), 1339 (50) [M - H]-, 1385 [M - H + HCO2H]-.
FT-ICR-HR-MS (方法 10): C63H103N15O17 [M + 2H]2+ 計算値 670.88227, 実測値 670.88169
TOF-HR-ESI-MS (方法 13): C63H102N15O17 [M + H]+ 計算値 1340.7578, 実測値 1340.7552;
アミノ酸配列決定のために、生成物の分析用サンプルを一般的実施方法1に従い加水分解する。
MALDI-MS (方法 15): m/z (%) = 1358.8 (100) [M + H]+.
TFA含有量を、19F−NMR(方法18;較正物質1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン)により決定する:計算値 TFAの重量で14.5%、実測値 TFAの重量で13.8%。
実施例2
ω.6,Nω'.6−(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチン
Figure 2008517004
粉末状分子ふるい(4Å、0.05g)および1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(10当量、70μl、480μmol)を、還流冷却器を備えた三口フラスコ中、ピリジン(5ml)中のリソバクチンビストリフルオロアセテート(10.0mg、0.05mmol)の溶液に添加する。反応混合物を最初に48時間85℃で、次いで95℃でHPLCクロマトグラムが完全な変換を示すまで(約12時間)加熱する。ガラスフリット(孔サイズ2)を通して反応混合物を濾過し、熱いまま、真空で蒸発させ、高真空下に乾燥させる(12時間)。残渣をアセトニトリル(3ml)および0.5N水性塩酸(4ml)の混合物に取り、HPLCクロマトグラムが完全な変換を示すまで(約0.5時間)室温で撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、凍結し、凍結乾燥する。切断生成物を分取HPLC(方法11)を利用して精製する。生成物3.5mg(理論値の4.6%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 2.68 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 725 (100) [M + 2H]2+, 1449 (20) [M + H]+.
MS (ESIneg.): m/z (%) = 687 (50), 1447 (100) [M - H]-, 1493 (15) [M - H + HCO2H]-.
FT-ICR-HR-MS (方法 10): C63H95F6N15O17 [M + 2H]2+ 計算値 724.85400, 実測値 724.85427
実施例3
ω.6,Nω'.6−(ペンタン[2,4]ジイル)リソバクチン
Figure 2008517004
ω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテート(205mg、0.14mmol)、2−プロパノール(10ml)、水(10ml)、炭素上のパラジウム(10%、100mg)および濃塩酸(1.8ml)の混合物を、大気圧下に室温で水素化する。HPLCクロマトグラムが完全な変換を示したら(約24時間)、水素化を停止する。Celite を通して反応混合物を濾過し(ここでそれを2−プロパノールで数回洗浄する)、続いて真空で濃縮する。粗生成物を分取HPLC(方法14)を利用して精製し、凍結乾燥する。固体(52mg、理論値の25%)を生成物として得る。
HPLC/UV-vis (方法 9): Rt = 6.0 分,
λmax (定量的) = 220 nm (s), 260 (m).
LC-MS (方法 8): Rt = 1.59 分;
MS (ESIpos.): m/z (%) = 673 (100) [M + 2H]2+, 1345 (10) [M + H]+.
MS (ESIneg.): m/z (%) = 671 (80) [M - 2H]2-, 1343 (40) [M - H]-, 1390 (100) [M - H + HCO2H]-
TOF-HR-ESI-MS (方法 13): C63H106N15O17 [M + H]+ 計算値 1344.7891, 実測値 1344.7867
B.生理活性の評価
本発明の化合物のインビトロの活性は、以下のアッセイで示すことができる:
最低阻害濃度(MIC)の決定:
NCCLSのガイドラインに準じる液体希釈試験でMICを決定する。黄色ブドウ球菌133、エンテロコッカス・フェカリス27159、E.フェシウム4147および肺炎連鎖球菌G9aの終夜培養物を、1:2希釈系列の記載した試験物質と共に培養する。MIC決定は、Isosensitest 培地 (Difco, Irvine/USA)中、1ml当たり10個の微生物の細胞数で実施し、肺炎連鎖球菌は例外とし、これは10%ウシ血清を含有するBHIブロス (Difco, Irvine/USA) 中、微生物の細胞数10個で試験する。培養物を37℃で18−24時間、肺炎連鎖球菌は10%COの存在下で、培養する。
各場合でもはや視認できる細菌の増殖がない最低の物質濃度をMICと定義する。MIC値は、μg/mlで報告する。
本発明の化合物の代表的インビトロ活性データを表Aに示す:
表A
Figure 2008517004
細菌感染の処置に対する本発明の化合物の適合性は、以下の動物モデルで示すことができる:
黄色ブドウ球菌133による全身感染:
黄色ブドウ球菌133の細胞を、BHIブロス(Oxoid, New York/USA)中で終夜増殖させる。終夜培養物を新鮮なBHIブロス中で1:100に希釈し、3時間培養する。そのとき対数増殖期にある細胞を、遠心分離し、緩衝生理塩水で2回洗浄する。次いで、塩水中の細胞の懸濁液を、測光法で吸光度50に調節する。希釈段階の後(1:15)、この懸濁液を10%ムチン溶液と1:1で混合する。この感染溶液0.25ml/マウス20gを腹腔内投与する(微生物1x10個/マウスに相当する)。感染の30分後に、腹腔内または静脈内で治療を行う。雌のCFW1マウスを感染実験に使用する。動物の生存を6日間記録する。
腎耐性に関する本発明の化合物の特性は、以下の動物モデルで示すことができる:
腎毒性作用の決定のためのマウスモデル:
ノナデプシペプチドの腎毒性の副作用を、特定用量の複数回投与後のマウスおよび/またはラットの腎臓の組織病理学的調査により分析する。このために、5−6匹の動物を、静脈内(i.v.)または腹腔内(i.p.)で、水性溶液に、または Solutol を添加して溶解した物質により毎日処置する。腎臓のヘマトキシリンおよびエオジン(H&E)染色パラフィン切片の光学顕微鏡による評価で腎毒性作用を決定する。糖タンパク質のより良好な可視化のために、「過ヨウ素酸シッフ(PAS)」反応を実施することもある。各動物について腎毒性作用を、尿細管の好塩基球増加症および変性/再生の発生の重篤度(重篤度:0=作用なし;1=最小の作用;2=僅かな作用;3=中度の作用;4=重篤な病変)として、準定量的に決定する。尿細管の変性/再生の平均重篤度および発生率(関係する動物の数)を各動物群または誘導体について算出する。尿細管の拡張および壊死並びに壊死性物質の蓄積など、これを超えて進行する腎臓の変化を同様に列挙する。
C.医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下のやり方で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germany)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよびデンプンの混合物を、5%PVP水溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥し、次いで、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機を使用して打錠する(錠剤の形状は上記参照)。打錠に使用する打錠力のガイドラインは、15kNである。
経口投与できる懸濁液:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
経口懸濁液10mlは、本発明の化合物の単回用量100mgに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、活性化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。混合物を約6時間、Rhodigel の膨張が完了するまで撹拌する。
静脈内投与できる液剤:
組成:
実施例1の化合物100−200mg、ポリエチレングリコール400 15gおよび注射用の水250g。
製造:
実施例1の化合物をポリエチレングリコール400と共に水に撹拌しながら溶解する。溶液を濾過滅菌し(孔の直径0.22μm)、無菌条件下で加熱滅菌した点滴瓶に分配する。後者を点滴ストッパーおよびクリンプキャップで閉じる。
図1は、Nω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのH NMR(d−ピリジン、500MHz)である。 図2は、Nω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MS−スペクトル(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1340.8)である。 図3は、Nω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MSスペクトル(断片)(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1340.8)である。 図4は、加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MSスペクトル(陽イオン)である。 図5は、加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MS−スペクトル(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1358.8)である。 図6は、加水分解により開環したNω.6,Nω'.6−(ペント[2]エン[2]イル[4]イリデン)リソバクチントリフルオロアセテートのMALDI−MS/MSスペクトル(陽イオン、プレカーサーイオンm/z1358.8)である。 図7は、Nω.6,Nω'.6−(ペンタン[2,4]ジイル)リソバクチントリフルオロアセテート(d−ピリジン,500MHz)のH NMRである。

Claims (13)


  1. Figure 2008517004
    式中、
    は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C10−アリールを表し
    {ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員ないし7員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルアミノ、C−C10−アリールアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C10−アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい
    (ここで、シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルおよび5員ないし7員の複素環からなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}
    は、水素またはC−C−アルキルを表し、
    は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、5員ないし7員の複素環、C−C10−アリール、5員または6員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5員ないし7員の複素環カルボニル、C−C10−アリールカルボニル、5員または6員のヘテロアリールカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し
    {ここで、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、そして、
    アルキルカルボニルは、置換基アミノまたはC−C−アルキルアミノにより置換されており、そして、
    アルキルカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個または2個の置換基によりさらに置換されていてもよい
    (ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}、
    は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルを表し、
    は、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
    を表し、
    は、水素またはメチルを表す、
    の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。

  2. Figure 2008517004
    式中、
    は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C10−アリールを表し
    {ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C10−アリール、5員ないし7員の複素環、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルアミノ、C−C10−アリールアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C10−アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい
    (ここで、シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルおよび5員ないし7員の複素環からなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}
    は、水素またはC−C−アルキルを表し、
    は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、5員ないし7員の複素環、C−C10−アリール、5員または6員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5員ないし7員の複素環カルボニル、C−C10−アリールカルボニル、5員または6員のヘテロアリールカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し
    {ここで、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、複素環カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよく、そして、
    アルキルカルボニルは、置換基アミノまたはC−C−アルキルアミノにより置換されており、そして、
    アルキルカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員ないし10員のヘテロアリール、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルアミノ、C−C10−アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノからなる群から相互に独立して選択される0個、1個または2個の置換基によりさらに置換されていてもよい
    (ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびフェニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)}、
    は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルを表し、
    は、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
    を表す、
    に相当することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  3. 式中、
    が、2−メチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルブト−1−イル、1−トリメチルシリルメチル、2−トリメチルシリルエト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2−エチル−2−メチルブト−1−イル、1−ヒドロキシ−2,2−ジエチルブト−1−イル、フェニルメチル、1−ヒドロキシ−1−フェニルメチル、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルを表し
    (ここで、2−ピリジルメチルまたは3−ピリジルメチルは、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、メチル、メトキシおよびモルホリニルからなる群から相互に独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基により置換されていてもよい)、
    が、水素を表し、
    が、1−アミノ−3−メチルブト−1−イルカルボニル、1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルまたは1−アミノ−2−トリメチルシリルエト−1−イルカルボニルを表し、
    が、水素を表し、
    が、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
    を表す、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  4. 式中、
    が、2−メチルプロプ−1−イルを表し、
    が、水素を表し、
    が、1−アミノ−3−メチルブト−1−イルカルボニルを表し、
    が、水素を表し、
    が、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルを表す)
    を表す、
    ことを特徴とする、請求項2または請求項3のいずれかに記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  5. 式中、
    が2,2−ジメチルプロプ−1−イルを表し、
    が水素を表し、
    が1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルを表し、
    が水素を表し、
    が、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルを表す)
    を表す、
    ことを特徴とする、請求項2または請求項3のいずれかに記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  6. 式中、
    が、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1−トリメチルシリルメチルまたは3−ピリジルメチルを表し
    (ここで、3−ピリジルメチルは、置換基トリフルオロメチルで置換されていてもよい)、
    が、水素を表し、
    が、1−アミノ−3,3−ジメチルブト−1−イルカルボニルまたは1−アミノ−2−トリメチルシリルエト−1−イルカルボニルを表し、
    が、水素を表し、
    が、式
    Figure 2008517004
    (式中、*は、窒素原子への結合部位であり、
    およびRは、相互に独立して、C−C−アルキルまたはトリフルオロメチルを表す)
    を表す、
    ことを特徴とする、請求項2または請求項3のいずれかに記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  7. 請求項1に記載の式(Ic)の化合物の製造方法であって、
    方法[A]に従い、式
    Figure 2008517004
    (式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物を、式
    Figure 2008517004
    (式中、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物と反応させ、式
    Figure 2008517004
    (式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物を得るか、
    または、
    方法[B]に従い、式(Ia)の化合物を還元剤と反応させ、式
    Figure 2008517004
    (式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物を得る、
    ことを特徴とする方法。
  8. 疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物。
  9. 疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物の使用。
  10. 細菌感染の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物の使用。
  11. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
  12. 細菌感染の処置および/または予防用の請求項11に記載の医薬。
  13. 抗菌的に有効な量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の化合物、請求項11に記載の医薬、または請求項9または請求項10により得られる医薬を投与することによる、ヒトおよび動物における細菌感染の制御方法。
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