JP4840103B2 - プロペラシャフトの支持装置及びその組付け方法 - Google Patents
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Description
このため、保持部材を別途設けることなく、ディスク状スペーサ部材という既存の部材を用いて、簡略な構造によって、弾性部材のフランジへの組付け状態を保持することができる。
なお、係合部の形状については、アンダ円筒部を下側弾性部材の穴部に挿入するだけで、アンダ円筒部の外周面に係合する形状であれば、どのようなものであってもよく、ディスク状スペーサ部材の内周全域が係合するように形成してもよいし、一部が係合するように形成してもよい。
よって、弾性部材のフランジへの組付け性を向上することができ、また係合部の係合保持力を高めることができる。
上記構成によれば、挿入するアンダ円筒部に石鹸水を塗布することで、アンダ円筒部の外周面の摩擦係数を低減したうえで、押圧力を与えてアンダ円筒部を下側弾性部材の穴部に挿入させる。これにより、アンダ円筒部の組付け作業を、より円滑に行なうことができる。
特に、塗布する液体が石鹸水であるため、アンダ円筒部の外周面が腐食等により劣化することもなく、また、組付け後、乾燥することで、アンダ円筒部の外周面の摩擦係数が当初の摩擦係数に戻るため、アンダ円筒部を抜けにくくすることができる。
よって、組付け作業前に石鹸水を塗布するという単純な工程を加えるだけで、弾性部材のフランジへの組付け性を向上し、係合保持力も高めることができる。
上記構成によれば、係合部を、ディスク状スペーサ部材の内周の全域に設けるのではなく、一部に設けているだけであるため、アンダ円筒部を挿通させ易くなり、大きな押圧力で挿入しなくても、弾性部材のフランジへの組付けを行なうことができる。
よって、弾性部材のフランジの組付け性を高めることができる。
上記構成によれば、凸部が波状湾曲形状であるため、アンダ円筒部に対して、凸部が滑らかに係合(当接)することになり、アンダ円筒部の外周面を傷つけるおそれを低減できる。また、凸部を周方向に均等に複数配置することで、挿入する押圧力を均等に低減することができる。
よって、アンダ円筒部の劣化のおそれを低減しつつ、アンダ円筒部の組付け作業性を向上することができる。
上記構成によれば、下側弾性部材を押圧しながら回転させることで、ディスク状スペーサ部材の係合部を、いわゆる、ねじ切り工具の「ダイス」のようにアンダ円筒部にネジ込むことで、ディスク状スペーサ部材の係合部を、アンダ円筒部に係合させることができる。
よって、作業者は、大きな押圧力を必要とすることなく、弾性部材を容易に組付けることができ、弾性部材のフランジへの組付け作業の作業性を向上することができる。
よって、プロペラシャフトをセンタベアリング部で車体下部に設置するプロペラシャフトの支持装置において、別途保持部材を用いることなくプロペラシャフトの組付け性の向上を図ることで、螺合締結手段の締結作業性の向上し、車両走行時のNVHの性能悪化を防ぐことができる効果がある。
よって、弾性部材のフランジへの組付け性を向上することができ、また係合部の係合保持力を高めることができる効果がある。
図1は本発明の第一実施形態のプロペラシャフトの支持装置を採用した四輪駆動車の平面スケルトン図である。図2はこのプロペラシャフトの支持装置の前部センタベアリング部近傍の一部断面を含む詳細平面図である。図3は、前部センタベアリング部の車両前方側からの正面図である。
このプロペラシャフトの支持装置は、図1に示すように、エンジンEを横置き搭載したFFベースの四輪駆動車W4で採用している。
前部センタベアリング部10Aは、図2に示すように、リアシャフト5Bの前端部、つまり中間自在継手8の後方側に隣接して設けており、リアシャフト5Bの外周側に嵌装されたベアリング11と、その外側に配設されゴム等の弾性材料によって形成された弾性サポート12と、弾性サポート12を包持するブラケット13とを備えて構成している。
この時、前述のように、上部ラバーマウント40のアンダ円筒部42に石鹸水を塗布していることから、アンダ円筒部42が、係合スペーサ54の係合部54aの先端を滑って下部ラバーマウント50の穴部51に容易に嵌合して、係合スペーサ54の係合部54aに係合固定されることになる。
以上の組付け工程を経ることで、前部センタベアリング10Aを車体下部に組付けることができる。
(a)に示すように、締結初期においては、係合スペーサ54の係合部54aは、アンダ円筒部42の下端に係合して、ラバーマウント40,50の仮組み状態を保持した状態で係合している。このため、締結フランジ組体Uは、上下方向に大きな間隔L1を有している。
この実施形態のプロペラシャフト5の支持装置は、上部ラバーマウント40が、上側に設けられるアッパ円筒部41とそのアッパ円筒部41より小径に形成されて下側に設けられるアンダ円筒部42とを有し、下部ラバーマウント50が、そのアンダ円筒部42を挿入可能な穴部51を備える円筒状の本体部52を有し、その本体部52の上側端面に、係合スペーサ54を固着して、その係合スペーサ54に、アンダ円筒部42の外周面42aに係合する係合部54aを設けている。
なお、本実施形態では、車体側にスタッドボルトSを設け、下方からナットNを締結するように構成しているが、車体側にウェルドナットを設け、下方からボルトを締結するように構成してもよい。
これにより、上部ラバーマウント40のアンダ円筒部42を、下部ラバーマウント50の穴部51に挿入する際に、アンダ円筒部42を穴部51に円滑に案内することができる。また、係合部54aの先端が下向きに傾斜しているため、先端が「かえし」状にアンダ円筒部42に引っ掛かり、抜けにくくすることができる。
よって、上部ラバーマウント40と下部ラバーマウント50の締結フランジ14への組付け性を向上することができ、また、係合部54aの係合保持力を高めることができる。
これにより、アンダ円筒部42の外周面42aの摩擦係数を低減した状態で、押圧力を与えてアンダ円筒部42を下部ラバーマウント50の穴部51に挿入させることで、アンダ円筒部42の組付け作業を、より円滑に行なうことができる。
特に、塗布する液体が石鹸水であるため、アンダ円筒部42の外周面42aが腐食等により劣化することもなく、また、組付け後、乾燥することで、アンダ円筒部42の外周面42aの摩擦係数が当初の摩擦係数に戻るため、抜けにくくすることができる。
よって、組付け作業前に石鹸水を塗布するという単純な工程を加えるだけで、ラバーマウント40,50の締結フランジ14への組付け性を向上し、係合保持力も高めることができる。
なお、その他、アンダ円筒部42の外周面42aの摩擦係数を低下させる方法として、潤滑性の水溶剤等を用いてもよい。
すなわち、係合スペーサ154の内周縁154aが凹凸形状となっているため、作業者が係合スペーサ154を、いわゆる、ねじ切り工具の「ダイス」のようにアンダ円筒部42にネジ込んでいくことで、凸部形状の係合部(154b)が、アンダ円筒部42を螺旋状に移動していき、アンダ円筒部42に対して、係合スペーサ154が係合することができる。
この実施形態のプロペラシャフト5の支持装置は、係合部(154b)を、係合スペーサ154の内周縁154aに一部突出した凸部154bで構成している。
これにより、係合部(154b)を、係合スペーサ154の内周全域に設けるのではなく、一部に設けているだけであるため、アンダ円筒部42を挿通させやすくなり、大きな押圧力で挿入しなくても、上部ラバーマウント40と下部ラバーマウント50の締結フランジ14への組付けを行なうことができる。
よって、ラバーマウント40,50の締結フランジ14の組付け性を高めることができる。
これにより、アンダ円筒部42に対して、凸部154bが滑らかに係合(当接)することになり、アンダ円筒部42の外周面42aを傷つけるおそれを低減できる。また、凸部154bを周方向に均等に4つ配置していることで、挿入する押圧力を均等に低減することができる。
よって、アンダ円筒部42の劣化のおそれを低減しつつ、アンダ円筒部42の組付け作業性を向上することができる。
これにより、下部ラバーマウント50を押圧しながら回転させることで、係合スペーサ54の係合部54aを、いわゆる、ねじ切り工具の「ダイス」のようにアンダ円筒部42にネジ込むことで、係合スペーサ54の係合部54aを、アンダ円筒部42に係合させることができる。
よって、作業者は、大きな押圧力を必要とすることなく、上部ラバーマウント40と下部ラバーマウント50を容易に組付けることができ、上部ラバーマウント40と下部ラバーマウント50の締結フランジ14への組付け作業の作業性を向上することができる。
なお、その他の作用効果については、第一実施形態と同様である。
この発明の上側弾性部材は、実施形態の上部ラバーマウント40に対応し、
以下、同様に
下側弾性部材は、下部ラバーマウント50に対応し、
螺合締結手段は、スタッドボルトSに対応し、
フランジは、締結フランジ14に対応し、
ディスク状スペーサ部材は、係合スペーサ54、154に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆるプロペラシャフトの支持装置に適用する実施形態を含むものである。
10A…前部センタベアリング部
11…ベアリング
13…ブラケット
14…締結フランジ(フランジ)
30…車体フロア
32…補強メンバ(車体側部材)
40…上部ラバーマウント(上側弾性部材)
41…アッパ円筒部
42…アンダ円筒部
50…下部ラバーマウント(下側弾性部材)
51…穴部
52…本体部
54…係合スペーサ(ディスク状スペーサ部材)
54a…係合部
154…係合スペーサ(ディスク状スペーサ部材)
154b…凸部(係合部)
S…スタッドボルト(螺合締結手段)
Claims (5)
- プロペラシャフトの中間部に取り付けられるセンタベアリングと、
該センタベアリングを抱持するブラケットと、
該ブラケットに設けられ車体側に取付けられるフランジと、
該フランジの厚さ方向両側に配置される上側弾性部材及び下側弾性部材と、
該上側弾性部材、下側弾性部材及びフランジを、上下方向に挿通して車体側部材に固定する螺合締結手段とを備えるプロペラシャフトの支持装置であって、
前記上側弾性部材が、上側に設けられるアッパ円筒部と該アッパ円筒部より小径に形成され下側に設けられるアンダ円筒部とを有し、
前記下側弾性部材が、該アンダ円筒部を挿入可能な穴部を備える円筒状の本体部を有し、
該本体部の上側端面に、ディスク状スペーサ部材を固着し、
該ディスク状スペーサ部材に、アンダ円筒部の外周面に係合する係合部を設け、
前記係合部の先端を、下向きに傾斜するように設定した
プロペラシャフトの支持装置。 - プロペラシャフトの中間部に取り付けられるセンタベアリングと、
該センタベアリングを抱持するブラケットと、
該ブラケットに設けられ車体側に取付けられるフランジと、
該フランジの厚さ方向両側に配置される上側弾性部材及び下側弾性部材と、
該上側弾性部材、下側弾性部材及びフランジを、上下方向に挿通して車体側部材に固定する螺合締結手段とを備えるプロペラシャフトの支持装置の組付け方法であって、
前記上側弾性部材が、上側に設けられるアッパ円筒部と該アッパ円筒部より小径に形成され下側に設けられるアンダ円筒部とを有し、
前記下側弾性部材が、該アンダ円筒部を挿入可能な穴部を備える円筒状の本体部を有し、
該本体部の上側端面に、ディスク状スペーサ部材を固着し、
該ディスク状スペーサ部材に、アンダ円筒部の外周面に係合する係合部を設け、
前記アンダ円筒部の外周面に石鹸水を塗布した後、
前記上側弾性部材と下側弾性部材をフランジの厚さ方向両側に配置して、
前記上側弾性部材の上方及び前記下側弾性部材の下方から中央側に押圧力を与えて、
前記ディスク状スペーサ部材の係合部を、アンダ円筒部の外周面に係合させる
プロペラシャフトの支持装置の組付け方法。 - プロペラシャフトの中間部に取り付けられるセンタベアリングと、
該センタベアリングを抱持するブラケットと、
該ブラケットに設けられ車体側に取付けられるフランジと、
該フランジの厚さ方向両側に配置される上側弾性部材及び下側弾性部材と、
該上側弾性部材、下側弾性部材及びフランジを、上下方向に挿通して車体側部材に固定する螺合締結手段とを備えるプロペラシャフトの支持装置であって、
前記上側弾性部材が、上側に設けられるアッパ円筒部と該アッパ円筒部より小径に形成され下側に設けられるアンダ円筒部とを有し、
前記下側弾性部材が、該アンダ円筒部を挿入可能な穴部を備える円筒状の本体部を有し、
該本体部の上側端面に、ディスク状スペーサ部材を固着し、
該ディスク状スペーサ部材に、アンダ円筒部の外周面に係合する係合部を設け、
前記係合部を、ディスク状スペーサ部材の内周に一部突出する凸部で構成した
プロペラシャフトの支持装置。 - 前記凸部を、波状湾曲形状で構成して、周方向に均等に複数配置した
請求項3記載のプロペラシャフトの支持装置。 - 上記請求項4に記載のプロペラシャフトの支持装置の組付け方法であって、
前記上側弾性部材と下側弾性部材をフランジの厚さ方向両側に配置して、
下側弾性部材を、上側弾性部材側に押圧しながら回転させることで、
前記ディスク状スペーサ部材の係合部を、アンダ円筒部の外周面に係合させる
プロペラシャフトの支持装置の組付け方法。
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