JP4417647B2 - モータ取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのモータハウジングをモータ取付面に対して固定するモータ取付構造に関し、特に電動パワーステアリング装置におけるモータ取付構造として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動パワーステアリング装置としては、ステアリングの操作力をモータの駆動力にてアシストすべく、車両のコラムに設けられたモータ取付面に対してモータ(モータハウジング)を固定したものがある。このようなモータ固定構造としては、ゴム製の防振部材(弾性部材)を介してモータハウジングをモータ取付面に対して固定する構造(所謂フローティング支持構造)がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このモータ取付構造では、モータハウジングには径方向(取付方向の直交方向)外側に延びる固定部が形成され、その固定部を貫通してモータ取付面に螺合されるボルトと貫通される固定部との間に弾性部材が設けられる。詳しくは、この弾性部材は、筒部と、筒部の一端から径方向外側に延びる鍔部と、筒部の他端から径方向外側に延びる鍔部とを有する。そして、筒部が固定部の孔の内周とボルトの軸部との間に介在されて径方向の衝撃を吸収する。又、一端側の鍔部がモータ取付面と固定部におけるモータ取付面側の面との間に介在されて軸方向近接側(モータ取付面に対しモータハウジングが近接する側)の衝撃を吸収する。又、他端側の鍔部がボルトの頭部と固定部における頭部側の面との間に介在されて軸方向離間側(モータ取付面に対しモータハウジングが離間する側)の衝撃を吸収する。よって、モータの駆動によるモータハウジングの振動がモータ取付面側に伝達されることは、弾性部材の各部の働きにより低減される。その結果、ステアリングに振動が伝達されることは低減される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−350397号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなモータ取付構造では、弾性部材の両端に鍔部が形成されるため、弾性部材を固定部に組み付ける際、一方の鍔部を径方向内側に大きく撓ませながら固定部の孔に挿入する必要があり、その組み付け作業が困難(特に自動組み付けが困難)であった。尚、弾性部材の鍔部を撓め易く(薄く)設定して挿入し易くする構造とした場合では、モータ全体の支持を不安定としてしまうといった弊害がある。
【0006】
又、前記弾性部材を、筒部の中間部で2つに分断し、該2つの部材を固定部の孔に両方から組み付けるようにすると、鍔部を撓める必要がなくなり、組み付け作業が容易となるが、この場合、部品点数が増大(ボルト毎に倍増)してしまうとともに、組み付け工数が増大してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数の増大を抑制しながら、容易に組み付けることができるモータ取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、出力軸を収容するための出力軸用孔が形成されたモータ取付面に対し、垂直方向に配置されるモータハウジングがボルトにて固定されるモータ取付構造であって、前記モータ取付面と前記モータハウジングとの間には、前記出力軸用孔の外側に配置され軸方向近接側の衝撃を吸収するための環状の第1弾性部材が介在され、前記モータハウジングには、前記第1弾性部材の径方向外側に延びる固定部が形成され、前記固定部と前記ボルトの頭部との間に配置される弾性鍔部、及び前記固定部の孔の内面と前記ボルトの軸部との間に配置される筒部を備え、前記弾性鍔部により軸方向離間側の衝撃を吸収するとともに前記筒部により径方向の衝撃を吸収する第2弾性部材が前記固定部に配設され、該第2弾性部材の前記モータ取付面側の端部には、前記固定部の前記孔の内径より径方向外側に突出するフック部が形成され、前記第2弾性部材と前記ボルトの前記軸部との間には、前記モータ取付面と前記ボルトの前記頭部との間隔を規定するためのカラーが配設され、該カラーの前記モータ取付面側の端部には、径方向外側に延びる鍔部が形成され、該カラーの鍔部の外径は、前記固定部の前記孔の内径以下に設定され、前記カラーにおける前記頭部側の端部の外周にはワッシャが配設され、該ワッシャは、前記モータハウジングが前記ボルトにて固定されていない状態で、前記第2弾性部材の前記弾性鍔部を軸方向に圧縮しないように設定されて前記カラーに固定されており、前記モータハウジングが前記ボルトにて固定されていない状態において、前記固定部には、前記第2弾性部材と前記カラーと前記ワッシャが、前記第2弾性部材の前記弾性鍔部を軸方向に圧縮しないように一体的に配設されている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータ取付構造において、前記第1弾性部材は、モータ取付面と前記モータハウジングとの径方向の衝撃をも吸収するように設けられた。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータ取付構造において、前記第1弾性部材には、径方向外側に延び前記ボルトと径方向に係合して前記径方向の衝撃を吸収するための延設部が一体形成された。
【0016】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、モータハウジングは、モータ取付面に対し、第1弾性部材にて軸方向近接側への衝撃が吸収されるように、且つ第2弾性部材にて軸方向離間側及び径方向への衝撃が吸収されるように固定される。そして、第1弾性部材は、モータ取付面とモータハウジングとの間で出力軸用孔の外側に配置される環状であるため、部品点数が1つとなる。しかも、第2弾性部材は、第1弾性部材の径方向外側に配置され、軸方向近接側への衝撃を吸収するためのものではないため、簡単な形状として、反モータ取付面側から固定部に容易に組み付けることができる。これらのことから、部品点数の増大を抑制しながら、モータハウジングを容易に組み付けることができる。しかも、第1弾性部材は環状であるため、出力軸が収容される出力軸用孔内への粉塵等の異物の浸入は防止される。
また、第2弾性部材とボルトの軸部との間には、モータ取付面とボルトの頭部との間隔を規定するためのカラーが配設されるため、モータ取付面とボルトの頭部との間隔が一定となる。よって、第1及び第2弾性部材が過剰に圧縮されて破損するといったことが防止されるとともに、防振効果を容易に一定とすることができる。
また、カラーのモータ取付面側の端部には、径方向外側に延びる鍔部が形成されるため、カラーとモータ取付面との接触面積が大きくなって単位面積当たりの圧力が小さくなり、カラーやモータ取付面の損傷が防止される。
また、カラーにおける頭部側の端部の外周には、ワッシャが配設されるため、ボルトがモータ取付面に対して螺合されていく際に、その頭部が第2弾性部材を押圧接触しながら捩ってしまうことが防止される。よって、第2弾性部材の損傷や第2弾性部材による防振効果の低下を防止することができる。
また、ワッシャは、モータハウジングがボルトにて固定されていない状態で、第2弾性部材を軸方向に圧縮しないように設定されてカラーに固定される。よって、カラーやワッシャが固定されボルトにて固定される前の状態で、モータハウジング側の部材、即ちモータを、例えば、保存管理したり搬送しても、第2弾性部材が損傷することが低減される。しかも、モータハウジングがボルトにて固定される前の状態では、ワッシャが第2弾性部材から押圧されないので、該ワッシャをカラーに容易に固定することができる。
また、カラーの鍔部の外径は、固定部の孔の内径以下に設定され、第2弾性部材のモータ取付面側の端部には、固定部の孔の内径より径方向外側に突出するフック部が形成される。このようにすると、カラー及び第2弾性部材を(例えば予め組み付けて)共に一方から固定部の孔に容易に挿入することができる。しかも、第2弾性部材のフック部にて第2弾性部材が反モータ取付面側に抜けてしまうことが防止され、即ち仮止めがなされる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、第2弾性部材に加え、第1弾性部材にてモータ取付面とモータハウジングとの径方向の衝撃が吸収される。このように、前記径方向の衝撃は、第1及び第2弾性部材にて径方向に異なる位置で吸収されるため、モータハウジングからモータ取付面への振動の伝達を更に低減させることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、第1弾性部材には、径方向外側に延び前記ボルトと径方向に係合して径方向の衝撃を吸収するための延設部が一体形成されるため、部品点数の増加を抑制しながら、モータハウジングからモータ取付面への振動の伝達を更に低減させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電動パワーステアリング装置におけるモータ取付構造に具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示すように、車両のコラムを構成するコラム部材1には、モータ取付面1aが形成され、該モータ取付面1aにはモータ2のモータハウジング3が固定されている。
【0026】
モータ取付面1a(コラム部材1)には、図示しないステアリングに連結される出力軸4を収容するための出力軸用孔1b及び雌ねじ部1cが形成されている。尚、本実施の形態のコラム部材1はアルミ合金よりなる。
【0027】
モータ2は、略有底筒形状に形成されるヨーク5及びヨーク5の開口部を覆うエンドハウジング6から構成される前記モータハウジング3と、ヨーク5の内周面に固着されるマグネット7と、モータハウジング3内に回転可能に保持されるロータ8等を備える。
【0028】
エンドハウジング6においてヨーク5の底部の反対側(図1中、左側)の一端面には、円筒状に膨出した膨出部6a(図3参照)が形成され、その膨出部6aの内周側には軸受9を介してロータ8の回転軸8aの一端側が回転可能に支持される。この回転軸8aは、前記出力軸4に連結されることになる。又、膨出部6aは、その外径が前記出力軸用孔1bの内径より若干小さく(即ち出力軸用孔1bに遊嵌可能に)設定されている。又、エンドハウジング6の外周には、径方向外側に延びる固定部6bが形成されている。この固定部6bには軸方向(図1中、左右方向)に貫通した孔としての固定孔6cが形成されている。本実施の形態では、固定部6bは等角度(180度)間隔で2つ形成されている。尚、図1に示す断面は、一平面を切った断面ではなく、一方の固定部6bの断面を(図1中、下側に)図示するとともに、外部からの電源供給線11近傍の断面を(図1中、上側に)図示している。
【0029】
図2に示すように、エンドハウジング6のモータ取付面1a側の端面には、前記膨出部6aに外嵌されるように環状の第1弾性部材12(図3参照)が配設される。尚、本実施の形態の第1弾性部材12はゴム材よりなる。
【0030】
又、前記固定部6bには、カラー13、第2弾性部材14及びワッシャ15が配設される。
詳しくは、カラー13は、その外径が固定孔6cの内径より小さい略円筒形状に形成され、その軸方向長さは前記固定孔6cの軸方向長さより長く形成されている。又、カラー13のモータ取付面1a側の端部(一端部)には、径方向外側に延びる鍔部13aが形成されている。この鍔部13aは、その外径が固定孔6cの内径と略同じ(内嵌可能)に設定されている。尚、本実施の形態のカラー13は、鉄鋼材等よりなる。
【0031】
第2弾性部材14は、ゴム材よりなる。第2弾性部材14は、前記カラー13に外嵌可能且つ前記固定孔6cに内嵌可能な筒部14aと、筒部14aの一端(図1及び図2中、左側端)から径方向外側に突出するフック部14bと、筒部14aの他端(図1及び図2中、右側端)から径方向外側に延びる弾性鍔部14cとを有する。尚、本実施の形態では、筒部14aと弾性鍔部14cが両間部分を構成している。フック部14bは、その最大の外径が固定孔6cの内径より若干大径となるように形成されている。又、フック部14bは、その外径が一端側に向かうほど小径とされ、第2弾性部材14を固定孔6cに一端側から挿入する際に容易に(第2弾性部材14の他端側を付勢していくだけで)撓んで挿入されるように設定されている。
【0032】
ワッシャ15は、円盤形状に形成され、その外径が前記弾性鍔部14cの外径と同じに設定され、その内径が前記カラー13の他端部に外嵌(圧入)可能に設定されている。そして、カラー13、第2弾性部材14及びワッシャ15は、予めカラー13に第2弾性部材14が外嵌され、更にワッシャ15がカラー13の他端部に外嵌(圧入固定)されて組み付けられる(ワッシャ組付工程)。そして、その部材(カラー13、第2弾性部材14及びワッシャ15)は、その一端側から固定孔6cに挿入されて組み付けられる。尚、この状態(図2参照)で、フック部14bは固定部6bの一端面と係合し、第2弾性部材14が他端側に抜けてしまうことが防止される。又、各部材の軸方向の長さは、この状態(図2参照)で、第2弾性部材14の弾性鍔部14cが軸方向に圧縮されないように設定されている。又、この状態で、第1弾性部材12は、カラー13(鍔部13a)より一端側(モータ取付面1a側)に突出するように軸方向の厚さが設定されている。
【0033】
そして、上記モータハウジング3は、固定孔6c(カラー13)を貫通してモータ取付面1aの雌ねじ部1cに螺合されるボルト16にてモータ取付面1aに対して(軸が)垂直方向に配置されるように固定される(固定工程)。
【0034】
詳しくは、ボルト16は、雄ねじが形成された軸部16aと、その端部(図1及び図2中、右側端部)に形成された頭部16bとからなる。そして、軸部16aを雌ねじ部1cに螺合していくと、頭部16bがカラー13の他端部及びワッシャ15を押圧し、該ワッシャ15を介して第2弾性部材14の弾性鍔部14cが軸方向に圧縮され、且つ弾性鍔部14c及び固定部6b等を介して第1弾性部材12が軸方向に圧縮されていく。そして、カラー13の鍔部13aがモータ取付面1aに当接すると、カラー13にてボルト16のそれ以上の移動(頭部16bのモータ取付面1a側への移動)が規制される。
【0035】
これにより、モータハウジング3(モータ2)は、モータ取付面1aに対して支持固定される。又、第1弾性部材12は、モータ取付面1aとモータハウジング3(エンドハウジング6)との間に介在され、モータ2の駆動時の振動に基づく軸方向近接側(モータ取付面1aに対しモータハウジング3が近接する側)の衝撃を吸収する。又、第2弾性部材14の弾性鍔部14cは、固定部6bとボルト16の頭部16bとの間に介在され、モータ2の駆動時の振動に基づく軸方向離間側(モータ取付面1aに対しモータハウジング3が離間する側)の衝撃を吸収する。又、第2弾性部材14の筒部14aは、固定孔6cの内周面とボルト16の軸部16a(詳しくはカラー13)との間に介在され、モータ2の駆動時の振動に基づく径方向の衝撃を吸収する。更に、本実施の形態では、第1弾性部材12は、モータ取付面1aとモータハウジング3(エンドハウジング6)とにより挟持されることと、その内周面がエンドハウジング6の膨出部6aの外周面に当接されることで、前記径方向の衝撃をも吸収する。
【0036】
よって、モータ2の駆動によるモータハウジング3の振動が減衰されモータ取付面1a側に振動が伝達されることは低減される。その結果、ステアリングに振動が伝達されることは低減される。
【0037】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)モータ取付面1aとモータハウジング3との軸方向近接側への衝撃を吸収するための第1弾性部材12は、モータ取付面1aとモータハウジング3との間で出力軸用孔1bの外側に配置される環状であるため、部品点数が1つとなる。しかも、軸方向離間側及び径方向への衝撃を吸収するための第2弾性部材14は、軸方向近接側への衝撃を吸収するためのものではないため、簡単な(一端に鍔部が形成されていない)形状として、反モータ取付面側(図1中、右側)から固定部6bに容易に組み付けること(固定孔6cに挿入すること)ができる。これらのことから、部品点数の増大を抑制しながら、モータハウジング3を容易に組み付けることができる。しかも、第1弾性部材12は環状であるため、出力軸用孔1b内への粉塵等の異物の浸入が防止される。
【0038】
(2)第1弾性部材12は、モータ取付面1aとモータハウジング3(エンドハウジング6)とにより挟持されることと、その内周面がエンドハウジング6の膨出部6aの外周面に当接されることで、径方向の衝撃をも吸収する。このように、前記径方向の衝撃は、第1及び第2弾性部材12,14にて径方向に異なる位置で吸収されるため、(従来技術に比べて)モータハウジング3からモータ取付面1aへの振動の伝達を更に低減させることができる。又、モータハウジング3をモータ取付面1aに安定して支持固定することができる。言い換えると、モータハウジング3側の部材、即ちモータ2が自重等で傾いて支持されてしまうことが低減される。
【0039】
(3)第2弾性部材14とボルト16の軸部16aとの間には、モータ取付面1aとボルト16の頭部16bとの間隔を規定するためのカラー13が配設されるため、モータ取付面1aとボルト16の頭部16bとの間隔が一定となる。よって、第1及び第2弾性部材12,14が過剰に圧縮されて破損するといったことが防止されるとともに、防振効果を容易に一定とすることができる。
【0040】
(4)カラー13の一端部(モータ取付面1a側の端部)には、径方向外側に延びる鍔部13aが形成されるため、カラー13とモータ取付面1aとの接触面積が大きくなって単位面積当たりの圧力が小さくなり、カラー13やモータ取付面1aの損傷が防止される。
【0041】
(5)カラー13における他端部の外周には、ワッシャ15が配設されるため、ボルト16(軸部16a)がモータ取付面1a(雌ねじ部1c)に対して螺合されていく際に、頭部16bはワッシャ15と当接し、頭部16bが第2弾性部材14の弾性鍔部14cを押圧接触しながら捩ってしまうことが防止される。よって、第2弾性部材14が損傷してしまうことや、第2弾性部材14の防振効果が低下してしまうことを防止することができる。
【0042】
(6)ワッシャ15は、モータハウジング3がボルト16にて固定されていない状態(固定工程前)で、第2弾性部材14の弾性鍔部14cを軸方向に圧縮しないように設定されてカラー13の他端部に固定される(ワッシャ組付工程)。よって、モータハウジング3がボルト16にて固定される前の状態で、モータハウジング3側の部材、即ちモータ2を、例えば、保存管理したり搬送しても、第2弾性部材14が損傷することが低減される。しかも、モータハウジング3がボルト16にて固定される前の状態では、ワッシャ15が第2弾性部材14から押圧されないので、ワッシャ15をカラー13に容易に固定することができる。
【0043】
(7)カラー13の鍔部13aの外径は、固定孔6cの内径と略同じ(内嵌可能)に設定され、第2弾性部材14の一端部には、固定孔6cの内径より径方向外側に突出するフック部14bが形成される。よって、カラー13及び第2弾性部材14を(予め組み付けて)共に、その一端側から固定孔6cに容易に挿入することができる。しかも、第2弾性部材14のフック部14bが固定部6bの一端面と係合することで、第2弾性部材14が他端側(反モータ取付面側)に抜けてしまうことが防止され、即ち仮止めがなされる。よって、その状態での保存管理や搬送が容易となる。
【0044】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態の第1弾性部材12は、少なくとも軸方向近接側の衝撃を吸収するためのものであればよく、第2弾性部材14は、軸方向離間側の衝撃を吸収するとともに径方向の衝撃を吸収するためのものであればよく、例えば、図4〜図6に示すように変更してもよい。
【0045】
図4〜図6に示すように、第1弾性部材21は、上記実施の形態の第1弾性部材12と同様の環状に形成された環状部21aと、その環状部21aから径方向外側に延びボルト16と径方向に係合して(詳しくは、カラー13が嵌挿されて)前記径方向の衝撃を吸収する肉薄の延設部21bとを有する。第2弾性部材22は、上記実施の形態の第2弾性部材14の一端側を削除した(フック部14b及び筒部14aの一部が形成されていない)形状であって、上記実施の形態の筒部14aより短い筒部22aと、上記実施の形態の弾性鍔部14cと同様の弾性鍔部22bとを有する。
【0046】
この例では、第1弾性部材21、カラー13、第2弾性部材22及びワッシャ15が、この順でモータハウジング3(エンドハウジング6)の固定部6bに対して組み付けられる。尚、この状態(図5参照)では、カラー13の鍔部13aが延設部21bと軸方向に係合し、カラー13の他端部に固定されたワッシャ15が第2弾性部材22の弾性鍔部22bと軸方向に係合することで、各部材(第2弾性部材22等)が脱落して(抜けて)しまうことが防止される。又、各部材の軸方向の長さは、この状態(図5参照)で、第2弾性部材22の弾性鍔部22bが軸方向に圧縮されないように設定されている。又、この状態で、第1弾性部材21の環状部21aは、カラー13(鍔部13a)より一端側(モータ取付面1a側)に突出するように軸方向の厚さが設定されている。そして、モータハウジング3は、上記実施の形態と同様に固定孔6c(カラー13)を貫通してモータ取付面1aの雌ねじ部1cに螺合されるボルト16にてモータ取付面1aに対して固定される。
【0047】
このようにすると、第1弾性部材21の延設部21bがボルト16と径方向に係合することで(詳しくは、カラー13が嵌挿されることで)前記径方向の衝撃が更に吸収される。よって、部品点数の増加を抑制しながら、モータハウジング3からモータ取付面1aへの振動の伝達を更に低減させることができる。
【0048】
・上記実施の形態では、第1弾性部材12は、その内周面がエンドハウジング6の膨出部6aの外周面に当接されること等から径方向の衝撃をも吸収するとしたが、径方向の衝撃を吸収しないようにしてもよい。尚、前記径方向の衝撃を吸収しないとは、軸方向に挟持されることの摩擦により径方向の衝撃を吸収する程度を除き、それ以上に吸収しないという意味である。即ち、第1弾性部材12がエンドハウジング6と径方向に当接していない構成としてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(3)〜(7)と同様の効果を得ることができる。
【0049】
・上記実施の形態では、第2弾性部材14とボルト16の軸部16aとの間にカラー13を配設したが、カラー13を省略した構成としてもよい。尚、この場合、固定孔6cや第2弾性部材14の筒部14aの径を変更する必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)、(2)と同様の効果を得ることができる。
【0050】
・上記実施の形態では、カラー13の一端部(モータ取付面1a側の端部)には、径方向外側に延びる鍔部13aを形成したが、鍔部13aが形成されていないカラーとしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(3)、(5)、(6)と同様の効果を得ることができる。
【0051】
・上記実施の形態では、カラー13における他端部の外周にワッシャ15を配設したが、該ワッシャ15を省略した構成としてもよい。尚、この場合、カラー13や第2弾性部材14(弾性鍔部14c)の軸方向の長さを変更する必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(4)、(7)と同様の効果を得ることができる。
【0052】
・上記実施の形態では、カラー13の鍔部13aの外径は、固定孔6cの内径と略同じ(内嵌可能)に設定されるとしたが、鍔部13aの外径を固定孔6cの内径より大きく設定してもよい。尚、この場合、カラーを固定部6b(固定孔6c)に対してモータ取付面1a側から移動させて組み付ける(例えば、第2弾性部材14、カラー及びワッシャ15をこの順で固定部6bに対して組み付ける)必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0053】
・上記実施の形態では、第1弾性部材12を環状としたが、膨出部6aの外周に間隔を有して複数設けられる第1弾性部材としてもよい。又、第2弾性部材14のフック部14bを、モータ取付面1aとモータハウジング3(固定部6b)との間に介在され軸方向近接側の衝撃を吸収するための弾性鍔部に変更してもよい。尚、この場合、弾性鍔部を撓めて組み付けたり、第2弾性部材を2つに分割する必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果(2)と同様の効果を得ることができる。
【0054】
・上記実施の形態では、電動パワーステアリング装置におけるモータ取付構造に具体化したが、同様の取付構造を有する他の装置におけるモータ取付構造に具体化してもよい。
【0055】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)前記モータ取付構造における前記モータハウジングを前記モータ取付面に固定するモータ固定方法であって、前記ワッシャを、前記モータハウジングが前記ボルトにて固定されていない状態で前記第2弾性部材を軸方向に圧縮しないように設定して前記カラーに固定するワッシャ組付工程と、前記ボルトにて固定する際に前記頭部にて前記ワッシャを介して前記第2弾性部材を軸方向に圧縮し且つ前記第2弾性部材及び前記固定部を介して前記第1弾性部材を軸方向に圧縮して前記モータハウジングを支持固定する固定工程とを備えたことを特徴とするモータ固定方法。
【0056】
このようにすると、ワッシャ組付工程が行われ固定工程が行われていないモータハウジングには、第2弾性部材が圧縮されずに配設される。よって、ワッシャ組付工程後且つ固定工程前の状態で、モータハウジング側の部材、即ちモータを、例えば、保存管理したり搬送しても、第2弾性部材が損傷することが低減される。しかも、固定工程前では、ワッシャが第2弾性部材から押圧されないので、該ワッシャを容易に固定することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、各請求項に記載の発明によれば、部品点数の増大を抑制しながら、容易に組み付けることができるモータ取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるモータ取付構造の要部断面図。
【図2】本実施の形態におけるモータ取付構造を説明するための説明図。
【図3】本実施の形態におけるモータ取付構造の一部分解斜視図。
【図4】別例におけるモータ取付構造の要部断面図。
【図5】別例におけるモータ取付構造を説明するための説明図。
【図6】別例におけるモータ取付構造の一部分解斜視図。
【符号の説明】
1a…モータ取付面、1b…出力軸用孔、3…モータハウジング、4…出力軸、6b…固定部、6c…固定孔(孔)、12,21…第1弾性部材、13…カラー、13a…鍔部、14,22…第2弾性部材、14b…フック部、15…ワッシャ、16…ボルト、16a…軸部、16b…頭部、21b…延設部。
Claims (3)
- 出力軸を収容するための出力軸用孔が形成されたモータ取付面に対し、垂直方向に配置されるモータハウジングがボルトにて固定されるモータ取付構造であって、
前記モータ取付面と前記モータハウジングとの間には、前記出力軸用孔の外側に配置され軸方向近接側の衝撃を吸収するための環状の第1弾性部材が介在され、
前記モータハウジングには、前記第1弾性部材の径方向外側に延びる固定部が形成され、
前記固定部と前記ボルトの頭部との間に配置される弾性鍔部、及び前記固定部の孔の内面と前記ボルトの軸部との間に配置される筒部を備え、前記弾性鍔部により軸方向離間側の衝撃を吸収するとともに前記筒部により径方向の衝撃を吸収する第2弾性部材が前記固定部に配設され、該第2弾性部材の前記モータ取付面側の端部には、前記固定部の前記孔の内径より径方向外側に突出するフック部が形成され、
前記第2弾性部材と前記ボルトの前記軸部との間には、前記モータ取付面と前記ボルトの前記頭部との間隔を規定するためのカラーが配設され、該カラーの前記モータ取付面側の端部には、径方向外側に延びる鍔部が形成され、該カラーの鍔部の外径は、前記固定部の前記孔の内径以下に設定され、
前記カラーにおける前記頭部側の端部の外周にはワッシャが配設され、該ワッシャは、前記モータハウジングが前記ボルトにて固定されていない状態で、前記第2弾性部材の前記弾性鍔部を軸方向に圧縮しないように設定されて前記カラーに固定されており、
前記モータハウジングが前記ボルトにて固定されていない状態において、前記固定部には、前記第2弾性部材と前記カラーと前記ワッシャが、前記第2弾性部材の前記弾性鍔部を軸方向に圧縮しないように一体的に配設されていることを特徴とするモータ取付構造。 - 請求項1に記載のモータ取付構造において、
前記第1弾性部材は、モータ取付面と前記モータハウジングとの径方向の衝撃をも吸収するように設けられたことを特徴とするモータ取付構造。 - 請求項2に記載のモータ取付構造において、
前記第1弾性部材には、径方向外側に延び前記ボルトと径方向に係合して前記径方向の衝撃を吸収するための延設部が一体形成されたことを特徴とするモータ取付構造。
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