JP4838134B2 - プロトン伝導体およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なイオン液体を有するプロトン伝導体およびこれを用いた燃料電池に関するものである。
プロトン伝導体を用いた燃料電池としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標)(以下、同様である)に代表されるフッ素系高分子膜を電解質とする固体高分子形燃料電池やリン酸型燃料電池がある。
ナフィオン(Nafion)(登録商標)は、フッ素系高分子膜に内包された水を利用してプロトンが輸送されるが、水は固体高分子形燃料電池の作動温度(60〜80℃)において徐々に蒸発し、やがて該フッ素系高分子膜が乾燥してプロトン伝導度が低下する。そのため、ナフィオン(Nafion)(登録商標)を用いた従来の固体高分子形燃料電池の系では、高いプロトン伝導性の発現に水の共存が必要となるため、供給ガスを加湿するための加湿機構が必要となる。さらに燃料電池から排出されるガスに含まれている水を回収することで、加湿機構が保有する水の容量を低減できるため、燃料電池の排ガスから水を回収する機構を付加することが望ましい。しかし、移動体用のエネルギー供給源としてみた場合、このような供給ガスの加湿機構は、燃料電池の負荷変動に応じて加湿量を精密に制御する機構を伴い、さらに排ガスからの水の回収機構を連動させた加湿水の再供給機構の付加が求められるためシステムを複雑化させ、さらにシステムの大型化にもつながるという問題があった。また、自動車の場合、フッ素系高分子膜に内包されている水は、燃料電池が作動していない状態でも、周辺環境により凍ったり(寒冷地など)、蒸発してしまう(夏季の炎天下など)おそれがあった。
リン酸型燃料電池は、SiC(シリコンカーバイド)などの多孔質材に含浸させたリン酸によりプロトンが輸送される。しかしながら、リン酸は、該リン酸型燃料電池の作動温度(200℃前後)において蒸気圧を持つため液体を補充する必要があり、例えば、JP−A−9−153371にあるように飛散したリン酸を回収、再供給するシステムが必要である。そのため、システムを複雑化させ、さらにシステムの大型化にもつながるという問題点があった。
そこで、本発明は、燃料電池の作動環境において安定してプロトン伝導を維持するために必要となる加湿機構、回収機構、再供給機構等のシステムの増設による、システム全体の複雑化及び大型化の問題を解決することのできる双性イオン型イオン液体からなる新規のプロトン伝導体を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記プロトン伝導体を使用してなる燃料電池を提供することを目的とする。
上記諸目的は、同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンを有するイオン液体と、プロトン供与体とを有してなるプロトン伝導体により達成される。
本発明のプロトン伝導体によれば、燃料電池の作動温度において、本発明のプロトン伝導体の蒸気圧は極めて低いため、伝導体が飛散しない安定したプロトン伝導体を実現することができる。また本発明のプロトン伝導体中に含まれるイオン液体は、イオン液体を構成する同一分子中にカチオンとアニオンが共存するため片方の電極に引き寄せられることがなく、本発明のプロトン伝導体中に含まれるプロトン供与体により与えられるプロトン(水素イオン:H)を選択的に移動させることができる。
また、本発明のプロトン伝導体を用いた燃料電池によれば、燃料電池の作動時においても伝導体が飛散しないため、飛散した伝導体の回収・再供給システムを省略することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るプロトン伝導体は、同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンを有するイオン液体と、プロトン供与体とを有してなるものである。
イオン液体としては、既にエチルメチルイミダゾリウムカチオンとBF 、PF 、(CFSOなどを組み合わせたエチルメチルイミダゾリウム塩などが知られている。これらの一般的なイオン液体は、蒸気圧がほとんどないため、これを燃料電池のプロトン伝導体に用いた場合、飛散する問題は解消できる。しかしながら、これらの一般的なイオン液体では、プロトン(H)を安定に存在させる場として設計されていないので、イオン液体を構成するアニオンとカチオンとが電極間に生じる電位勾配に沿って引き寄せられ、それぞれの電極周辺に移動してしまう。そのため電荷が偏ってしまい電極特性が大幅に低下するなど、プロトン伝導体としての利用は困難であった。
そこで、本発明では、イオン液体自身の移動を抑えることができれば、プロトンを選択的に移動させることができるとの考えに基づき、新たに、同一分子内にカチオンとアニオンが共存する双性イオンからなるイオン液体(以下、単に双性イオン型イオン液体ともいう)を創生したものである。該双性イオン型イオン液体では、該イオン液体を構成するカチオンとアニオンの両方が分子内に固定されており、電位勾配に沿った移動を制限でき、電極間に固定できる。そのため、目的イオンのみが移動する高速イオン伝導パスの構築ができる。電荷が偏ることがないので、電気特性を低下することがない点で有利である。更に、本発明の双性イオンからなるイオン液体は、分子内にプロトン(水素イオン源)を持たないため、燃料電池の電解質(プロトン伝導体)に用いた場合、電解質中に水素イオンを通すことができない。そこで、プロトン供与体(プロトン酸)を混ぜてH(プロトン)を加える必要がある。かかるプロトン供与体自身は燃料電池の動作温度で蒸気圧を持つため、上記イオン液体とプロトン供与体とを混ぜた液体系のプロトン伝導体でも、従来と同様にプロトン供与体が蒸発してプロトン伝導度が低下することが容易に予想された。しかしながら、後述する実施例の図3で示すように、新規な双性イオン型イオン液体とプロトン供与体との組合せでは、燃料電池の動作温度でもプロトン供与体が蒸発しなくなる現象が発現することを見出したものである。かかる知見に基づき、燃料電池での作動温度においても、蒸気圧を持たず、システムを複雑化させることのない、本発明の新規なプロトン伝導体を完成するに至ったものである。
以下、本発明のプロトン伝導体につき、詳しく説明する。
本発明のプロトン伝導体に用いられるイオン液体は、同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンからなるものであるが、該双性イオンのほか、アニオンとカチオンが結合していない通常タイプのイオン液体等を含有していてもよい。
上記双性イオン型イオン液体では、(1)蒸気圧がほとんどない、(2)イオン性であるが低粘性、(3)耐熱性であり液体温度範囲が広い、(4)一般の溶液では達成できない高いイオン密度を有し、かつイオン移動度も大きいため、極めてイオン伝導性が高い、(5)様々な塩の良溶媒である、などの特徴を有する。更にカチオンとアニオンの両方が分子内に固定されており、電位勾配に沿ってイオン液体のアニオンないしカチオンが分かれて移動し電極周辺にこれらのイオン(電荷)が偏在することがないので、使用に際し、電気特性が低下することがない。また、これにプロトン供与体を混ぜて水素イオンを加えることで、該水素イオンが移動する高速イオン伝導パス(電解質膜ないしプロトン伝導体)が構築できる点でも有利である。更に、蒸気圧を持つプロトン供与体との混合により、該プロトン供与体の蒸発を抑制する作用を効果的に発現し得るものである。ここで、効果的に発現するとしたのは、燃料電池の作動温度域でその効力を有効に発現し、また、燃料電池のプロトン伝導体として必要なイオン伝導度を確保することのできる程度にプロトン供与体を配合しても、該プロトン供与体の蒸発を抑制する作用を保持し得るためである。なお、プロトン供与体の配合比率が大きく過ぎると、双性イオン型イオン液体との相互作用によるプロトン供与体の蒸発抑制作用効果が低下し、過剰分のプロトン供与体が蒸発するが、この過剰分のプロトン供与体が蒸散すれば、双性イオン型イオン液体との相互作用による蒸発抑制作用効果が回復(発現)するようになり、プロトン供与体の蒸散はなくなるため、イオン伝導度が一定レベル以上に低下することはない。また、プロトン供与体の蒸発抑制作用効果が保たれる双性イオン型イオン液体とプロトン供与体の配合比率に関しては、図3に示す熱重量減少率を調べることで事前に確認することができるので、こうした過剰分のプロトン供与体の蒸発を招くことも問題なく防止することができる。
上記同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオン型イオン液体は、本発明者が創生したものであり、既存のイオン液体とは上記したようにプロトン伝導体として利用した際の挙動(特徴)が異なるものである。ただし、一般的なイオン液体と基本的な特徴(上記(1)〜(5)等)は変わらない。かかる双性イオン型イオン液体としては、後述する製造方法(合成法)等により所望のイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩等の双性イオン型イオン液体を合成(設計)し得るものであり、特に制限されるものではない。以下に好適な双性イオン型イオン液体の例を説明する。
上記双性イオン型イオン液体のカチオン部として好ましくは、オニウムカチオンである。
上記オニウムカチオンとしては、例えば、窒素、硫黄、酸素、リン、セレン、錫、ヨウ素、アンチモン等の孤立電子対を有する元素を含んだ化合物に陽イオン型の原子団が配位して生ずる少なくとも一つの有機基を有するカチオンであればよく、特に制限されない。本発明で使用できる有機オニウムイオンを例示すれば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン等の対称アンモニウムカチオン類;エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ビニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリエチルイソプロピルアンモニウムカチオン、N、N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−エチルピロリジニウムカチオン、トリエチルメトキシメチルアンモニウムカチオン等の最短の置換基の炭素数が最長の置換基の炭素数の50%以上100%未満である(以下擬対称ともいう。)アンモニウムカチオン類;トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルイソプロピルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、アリルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメトキシエトキシメチルアンモニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン等の非対称アンモニウムカチオン類;ヘキサメトニウムカチオン等の2価アンモニウムカチオン類;1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジプロピルイミダゾリウムカチオン等の対称イミダゾリウムカチオン類;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−イソプロピル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−tert−ブチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン等の非対称イミダゾリウムカチオン類;N−エチルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン類;トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオントリブチルスルホニウムカチオン等の対称スルホニウムカチオン類;ジエチルメチルスルホニウムカチオン等の擬対称スルホニウムカチオン類;ジメチルプロピルスルホニウム、ジメチルヘキシルスルホニウム等の非対称スルホニウムカチオン類;テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン等の対称ホスホニウムカチオン類;トリメチルエチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン等の擬対称ホスホニウムカチオン類;ヘキシルトリメチルホスホニウムカチオン、トリメチルオクチルホスホニウムカチオン等の非対称ホスホニウムカチオン類等を挙げることができる。なお、上記に具体的に例示したオニウムカチオンと、下記に示す構造式1’や構造式1で表されるオニウムカチオンは区別することなく例示している。そのため上記に具体的に例示したオニウムカチオンが、下記に示す構造式1’や構造式1で表されるオニウムカチオンに含まれるケースもあるが、これにより本発明が何ら制限されるべきものではない。
即ち、本発明で使用できる有機オニウムイオンとしては、下記に例示する構造式1’
で表されるもの、更には後述する構造式1で表されるものなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
上記構造式1’中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、複素環基およびアラルキル基をそれぞれ表す。これらのR、R、R及びR10は、その構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよく、またR、R、R及びR10は、それぞれが結合して環を形成してもよく、さらには隣接するカチオンのR、R、R及びR10は、それぞれが結合して、ポリマー状になってもよい。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜30の直鎖または分枝を有するものが挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トルイル基、キシリル基などが挙げられる。
上記アリール基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、カルボキシル基、アセチル基、プロパノイル基、チオール基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの置換基を1ないし複数個有していてもよい。
上記複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などが挙げられる。
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
また、上記R、R、R及びR10は、一分子内で結合して環を成したピロリジニウム、ピペリジニウムなどであってもよい。
さらに、上記R、R、R及びR10が隣接する他のカチオンのR、R、R及びR10と結合して鎖を成した構造であっても良い。
また、上記R、R、R及びR10のうち、後述するアニオン部と結合する基は、上記に示す1価の基から、更に水素原子が1つ外れた2価の基である。
オニウムカチオンとしてより好ましくは、下記構造式1
で表されるものである。
ここで、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。R’は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基あり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基である。R”は、炭素数1〜18のアルキレン基、アリーレン基、複素環基またはアラルキレン基であり、好ましくは炭素数1〜18のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基である。また、R、R及びR”は、その構造中に置換基、ヘテロ原子を持っていてもよい。またR、R及びR”は、それぞれが結合して環を形成してもよく、さらには隣接するカチオンのR、R、R”は、それぞれが結合して、ポリマー状になってもよい。
上記炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜18の直鎖または分枝を有するものが挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トルイル基、キシリル基などが挙げられる。
上記複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などが挙げられる。
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
また、後述するアニオン部と結合するR”基は、上記に示す1価のR基から、更に水素原子が1つ外れた2価の基である。
具体的には、上記炭素数1〜18のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基などの炭素数1〜18の直鎖または分枝を有するものが挙げられる。
上記アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、トルイレン基、キシリレン基などが挙げられる。
上記複素環基としては、ピリジレン基、チエニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、オキサゾリレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、モルホリニレン基などが挙げられる。
上記アラルキレン基としては、ベンジレン基、フェネチレン基などが挙げられる。
また、上記R、R及びR”は、一分子内で結合して環を成したピロリジニウム、ピペリジニウムなどであってもよい。
さらに、上記R、R及びR”が隣接する他のカチオンのR、R及びR”と結合して鎖を成した構造であっても良い。
更に、本発明の双性イオン型イオン液体の特性を損なわない範囲内であれば、R、R及びR”の構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよい。かかる置換基として、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、カルボキシル基、アセチル基、プロパノイル基、チオール基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などが挙げられる。R、R及びR”では、これらの置換基を1ないし複数個有していてもよい。
また、該双性イオンのアニオン部としては、好ましくは、下記構造式2
で表される群から選ばれてなるものである。
ここで、上記式中、R及びRは、それぞれ独立で、置換若しくは非置換の一価の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基をそれぞれ表す。ただし、これらに制限されるものではない。
上記R及びRは、それぞれ独立で、置換若しくは非置換の一価の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基(−(CFF)であれば特に限定されないが、耐酸化性が高いという理由からは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、特に好ましくはフッ素置換炭化水素基であるのが好適である。これらフッ素置換炭化水素基を具体的に例示すると、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロイソブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基等のフルオロアルキル基類、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のフルオロアリール基類、ヘプタフルオロベンジル基、1,1−ジフルオロベンジル基等のフルオロアラルキル基等を挙げることができる。これらの中でも、イオン伝導度が高いという理由から、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のパーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、炭素数7〜9のパーフルオロアラルキル基であるのが特に好適である。更に、上記R及びRとしては、オニウム塩の電気伝導度が高いという理由からは、炭素数1〜6の電子吸引性を有する基(電子吸引基ともいう。)又は電子吸引基を有する基であるのが好適である。なお、ここで電子吸引基とは、Hammett則に於ける置換基定数が、水素原子より高い基を意味する。これら好適な電子吸引基ないしこれらを有する基を具体的に例示すると、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロイソブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基等のフルオロアルキル基類、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のフルオロアリール基類、ヘプタフルオロベンジル基、1,1−ジフルオロベンジル基等のフルオロアラルキル基類等のフッ化炭化水素基類(フッ素置換された炭化水素基);ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基等のアシル基類;トリフルオロアセチル基、2,2−ジフルオロプロピオニル基、パーフルオロプロピオニル基、パーフルオロブチリル基、パーフルオロイソブチリル基、パーフルオロバレリル基等のフッ化アシル基類(フッ素置換されたアシル基);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、パーフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロ−tert−ブトキシカルボニル基等のフッ素以外の置換基を有する置換アシル基類;メタンスルホニル基、エタンスルフォニル基、プロパンスルフォニル基、tert−ブタンスルフォニル基等のスルフォニル基類;トリフルオロメタンスルフォニル基、ペンタフルオロエタンスルフォニル基、ヘプタフルオロプロパンスルフォニル基、ノナフルオロブタンスルフォニル基、ヘプタフルオロイソプロパンスルフォニル基、ノナフルオロイソブタンスルフォニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルフォニル基、1,1−ジフルオロエタンスルフォニル基等のフッ化スルフォニル基類(フッ素置換されたスルフォニル基);ペンタフルオロベンゼンスルフォニル基、2,4,6−トリフルベンゼンスルフォニル基等のフッ化ベンゼンスルフォニル基類等を挙げることができる。ここでも、上記に具体的に例示したフッ素置換炭化水素基と、電子吸引基ないしこれらを有する基は区別することなく例示している。そのため上記に具体的に例示したフッ素置換炭化水素基が、電子吸引基ないしこれらを有する基に含まれるケースもあるが、これにより本発明が何ら制限されるべきものではない。
次に、本発明のプロトン伝導体に用いられるプロトン供与体としては、特に制限されるべきものではない。好ましくは、下記構造式3
で表される群から選ばれてなるものである。ただし、これらに制限されるものではなく、酸(Hを与える物質)であればよく、使用目的に応じて適宜選択すればよい。
ここで、上記Rは、炭素数1から5の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基(−(CFF)であり、好ましくは炭素数1から2の炭化水素基である。Rとして具体的には、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
は、炭素数1から5の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基(−(CFF)であり、好ましくは炭素数1から2の炭化水素基である。Rとして具体的には、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
上記RとRは、それぞれ独立で、置換若しくは非置換の一価の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基(−(CFF)である。このうちR及びRの一方は、耐酸化性が高いという理由から、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、特に好ましくはフッ素置換炭化水素基であるのが好適である。これらフッ素置換炭化水素基を具体的に例示すると、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロイソブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基等のフルオロアルキル基類、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のフルオロアリール基類、ヘプタフルオロベンジル基、1,1−ジフルオロベンジル基等のフルオロアラルキル基等を挙げることができる。これらの中でも、イオン伝導度が高いという理由から、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のパーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、炭素数7〜9のパーフルオロアラルキル基であるのが特に好適である。
また、上記R及びRの他方は、オニウム塩の電気伝導度が高いという理由から、炭素数1〜6の電子吸引性を有する基(電子吸引基ともいう。)又は電子吸引基を有する基であるのが好適である。なお、ここで電子吸引基とは、Hammett則に於ける置換基定数が、水素原子より高い基を意味する。これら好適な電子吸引基ないしこれらを有する基を具体的に例示すると、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロイソブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基等のフルオロアルキル基類、ペンタフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のフルオロアリール基類、ヘプタフルオロベンジル基、1,1−ジフルオロベンジル基等のフルオロアラルキル基類等のフッ化炭化水素基類(フッ素置換された炭化水素基);ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基等のアシル基類;トリフルオロアセチル基、2,2−ジフルオロプロピオニル基、パーフルオロプロピオニル基、パーフルオロブチリル基、パーフルオロイソブチリル基、パーフルオロバレリル基等のフッ化アシル基類(フッ素置換されたアシル基);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、パーフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロ−tert−ブトキシカルボニル基等のフッ素以外の置換基を有する置換アシル基類;メタンスルホニル基、エタンスルフォニル基、プロパンスルフォニル基、tert−ブタンスルフォニル基等のスルフォニル基類;トリフルオロメタンスルフォニル基、ペンタフルオロエタンスルフォニル基、ヘプタフルオロプロパンスルフォニル基、ノナフルオロブタンスルフォニル基、ヘプタフルオロイソプロパンスルフォニル基、ノナフルオロイソブタンスルフォニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルフォニル基、1,1−ジフルオロエタンスルフォニル基等のフッ化スルフォニル基類(フッ素置換されたスルフォニル基);ペンタフルオロベンゼンスルフォニル基、2,4,6−トリフルベンゼンスルフォニル基等のフッ化ベンゼンスルフォニル基類等を挙げることができる。ここでも、上記に具体的に例示したフッ素置換炭化水素基と、電子吸引基ないしこれらを有する基は区別することなく例示している。そのため上記に具体的に例示したフッ素置換炭化水素基が、電子吸引基ないしこれらを有する基に含まれるケースもあるが、これにより本発明が何ら制限されるべきものではない。これらの非常に電子吸引性の強いハロゲン原子やハロゲン化アルキル基をRとRに持つことにより、水素イオン(H)の解離を容易にする効果がある。
また、本発明の双性イオン型イオン液体である塩の構造確認は、後述する実施例で示すようにNMRなどを用いて行うことができる。また、熱力学的特性(例えば、融点やガラス転移温度や結晶化の発熱ピークの有無、ひいては室温付近(30℃)で結晶化せず、経時的に、熱力学的に安定な液体状態を呈することの確認)は、DSC(示差走査熱分析)測定を用いて行うことができる。さらに導電特性(イオン導電率(σ))は、複素インピーダンス測定により求めることができる。更に、他の諸特性として、粘度(η)、密度(ρ)、DSC測定から求めたガラス転移温度(Tg)、パルス磁場勾配NMR(PGSE−NMR)から求めた自己拡散係数(D)を得ることができる。また、インピーダンス測定から求めたモル導電率(Λimp)と自己拡散係数をNernst−Einstein式に導入して求めたモル導電率(Λdiff)との比(Haven Ratio)を算出することにより、イオンが系中でキャリヤーとして伝導に寄与する割合を見積もることができる。
次に、本発明に係る双性イオン型イオン液体の製造方法として、上記した構造式1で表されるカチオン部と、構造式2で表されるアニオン部で構成される双性イオン型イオン液体の好適な合成法の1つである、第3級アミンとアルキルスルトンの1段階反応による下記反応式(4)で示される合成法を例にとり説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。かかる合成法は、本発明者らが創生したものであって、合成の際に副生成物が生じないため精製も簡単であり、ミクロイオンの混入を防ぐことができる。即ち、イオン液体は塩をよく溶解させるため、副生成物として塩が生成された場合、この塩を完全に除去するのは困難である。そのため、以下に説明する合成法は、純粋な双性イオン型イオン液体を得る上で極めて有効であると言える。
上記反応式4に示すように、溶媒Aに第3級アミン(以下、化合物1とする)を溶解した溶液と、溶媒Bに、化合物1に対し等モル量のアルキルスルトン(以下、化合物2とする)を溶解した溶液とを、0〜10℃程度で混合し、その後10〜30℃まで温度を上げ、不活性ガス雰囲気下、当該温度にて5日間程度撹拌して反応させる。撹拌終了後、溶媒A、Bを除去し、残留物を洗浄して、無色透明な粘性液体である双性イオン型イオン液体(以下、生成物3とする)を得ることができる。
上記反応において、上記溶媒Aとしては、例えば、アセトンなどを用いることができるが、これらに制限されるものではない。溶媒Bとしては、例えば、アセトニトリル、アセトンなどを用いることができるが、これらに制限されるものではない。また、化合物1が可溶な溶媒Aと化合物2が可溶な溶媒Bとは、同一であっても異なっていても良い。両溶媒が難溶ないし不溶である場合には、反応過程で十分に攪拌を行う必要がある。
また、上記反応において、化合物1に対する化合物2の使用量は、化合物1に対し1〜2モル量の範囲であればよいが、上記反応式に示すように等モル量の反応物1、2を反応させることで、副生成物や未反応物が生じないため、精製も簡単であることから、好ましくは等モル量である。
また、上記反応において、化合物1の溶液と化合物2の溶液を混合する際、0〜10℃で行うのは、混合中に好ましくない反応が進行するのを防止するためである。上記理由から、好ましくは0〜10℃の範囲、特に好ましくは0℃程度で行うのが望ましい。
混合後、10〜30℃程度まで温度を上げ、当該温度にて反応を行うのは副生成物の生成を防止するためである。上記理由から、好ましくは10〜30℃の範囲、特に好ましくは室温まで温度を上げ、当該温度にて反応を行うのが望ましい。
また、不活性ガス雰囲気下で反応を行うのは副反応としての酸化反応を防止するためである。該不活性ガス雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などが挙げられるが、コストの理由から、好ましくは窒素雰囲気で行うのがよい。
反応時間は、反応がほぼ完結すればよく、使用する化合物1、2の種類や反応温度条件等によっても異なることから、上記5日間程度はあくまでも、その目安である。
反応終了後、上記溶媒A、Bは、例えば、真空乾燥などにより除去することができるが、これらに制限されるものではない。また、溶媒除去後の残留物は、例えば、アセトンなどにより洗浄することができるが、これらに制限されるものではない。
なお、本発明の双性イオン型イオン液体では、上記合成法により得られた生成物3の同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンをそのまま用いることができる。ただし、これらに制限されるものではなく、本発明のプロトン伝導体の作用効果、更には燃料電池の電池特性に影響を及ぼさない範囲であれば、双性イオンでない他の一般的なイオン液体を適量添加してもよい。また、製造条件によっては、反応物1および2の使用量や合成法を変えて製造することで、未反応物や副生成物が残留することもある。複雑ないし煩雑な精製操作によりこうした残留物の混入を防止することもできるが製造コストが増加する。そのため、本発明のプロトン伝導体の作用効果、更には燃料電池の電池特性に影響を及ぼさない程度であれば、こうした残留物が本発明のイオン液体に含まれていてもよい。こうしたことから、本発明のイオン液体では、同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンを有するとしたものである。
また、反応により得られた生成物3の同定及び該生成物3が双性イオン型イオン液体であることは、後述する実施例で示すNMRにより確認することができる。
次に、本発明に係るプロトン伝導体の調製方法としては、特に制限されるべきものではなく、後述する実施例に具体的に説明する方法により製造可能である。即ち、上記双性イオン型イオン液体中の双性イオンと、プロトン供与体とを所定のモル比になるよう秤量し、必要があれば、上記に示す他の添加剤を適量秤量し、溶媒C中で混合・撹拌し、溶媒Cを除去することで、目的物の双性イオン型イオン液体/プロトン供与体混合体を得ることができる。
イオン液体中の双性イオンと、プロトン供与体との配合比率(モル比)は、双性イオン型イオン液体及びプロトン供与体の種類に応じて異なるため、適宜最適な範囲を決定する事が望ましい。よって、後述する実施例で合成したBImC4S/HTFSI混合体につき、具体的な配合比率を示しているが、これらはあくまで当該組合せの場合での好適な配合比率を示しているに過ぎず、本発明はこれらに限定されない。かかる好適な配合比率は、後述する図2に示すように、プロトン伝導体の重量減少率の温度依存性を測定し、双性イオン単独での重量減少率に比してほぼ同等ないしは同等以上の重量減少率を有する配合比率(モル比)の範囲を決定すればよい。但し、図2から分かるように、プロトン供与体が過剰な場合には(図中の双性イオン型イオン液体:プロトン供与体=1:1(モル比)の重量減少率の曲線を参照のこと。)、既に説明したように該プロトン供与体が蒸発する。そのため、重量減少率が100℃あたりから徐々に減少する。しかしながら、350℃を超えた当たりで(図中の双性イオン型イオン液体:プロトン供与体=2:1や1.5:1(モル比)の重量減少率と合流する点P参照のこと。)、プロトン供与体の蒸発が無くなる。そのため、双性イオン型イオン液体:プロトン供与体=2:1や1.5:1(モル比)の重量減少率の曲線と重なるようになる。なお、燃料電池の作動温度である60〜200℃前後では蒸気圧を持たない双性イオン(BImC4S)も、300℃を超える当たりで重量減少が生じる。これは蒸発圧による蒸散というよりもむしろ熱分解することが原因と思われる。双性イオン型イオン液体:プロトン供与体=2:1や1.5:1(モル比)のプロトン伝導体(BImC4S/HTFSI混合体)では、双性イオンとプロトン供与体の相互作用により、双性イオンの熱分解反応が抑制されているために、熱重量減少率が双性イオン(BImC4S)よりも更に穏やかになっていると思われる。
上記溶媒Cとしては、後工程での除去操作で、双性イオン型イオン液体やプロトン供与体が蒸発されないように、例えば、メタノール、エタノールなどの低沸点溶媒を用いることができるが、これらに制限されるものではない。この溶媒Cが、双性イオン型イオン液体は比較的粘度が高いため、より低粘性にして、プロトン供与体との攪拌・混合を容易にするために用いるものである。よって、双性イオン型イオン液体の粘度によっては、単に双性イオン型イオン液体とプロトン供与体とを攪拌・混合するだけでも良い。
上記溶媒Cは、例えば、加熱真空乾燥などにより除去することができるが、これらに制限されるものではない。
得られた双性イオン型イオン液体/プロトン供与体混合体が、プロトン導電体であることは、実施例の図4に示すような燃料電池の単セルを組んで、実際に電池を作動させた際に、所期の電流が流れることにより簡単に確認することができる。また、図3に示すようなイオン伝導度を測定することによっても確認可能である。
次に、本発明に係る燃料電池は、上記した本発明のプロトン伝導体を使用することを特徴とするものである。これにより、燃料電池の作動環境において安定してプロトン伝導を維持するために必要となる加湿機構、回収機構、再供給機構等のシステムの増設による、システム全体の複雑化及び大型化の問題を解決することのできる燃料電池を提供することを目的とする。
よって、本発明の双性イオン型イオン液体からなるプロトン伝導体を用いた燃料電池としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標)、リン酸といったプロトン伝導体を用いていた従来公知の燃料電池に適用可能であり、固体高分子形燃料電池、リン酸型燃料電池などに適用できる。図4に本発明のプロトン伝導体である双性イオン型イオン液体を用いた燃料電池の単セル構造を示す。かかる単セル構造は、基本的に、固体高分子形やリン酸型の燃料電池と同様の構成である。
図4に示すように、本発明の燃料電池1において、本発明の双性イオン型イオン液体を用いたプロトン伝導体3は、支持用のマトリクス5に含浸して電解質膜7として使用することができる。上記マトリクス5としては、シリコンカーバイト(SiC)やシリカ(SiO)の無機系多孔質体や、フッ素系や炭化水素系などの高分子膜を使用することができる。プロトン伝導体3を浸漬したマトリクス5からなる電解質膜7の両面には白金(Pt)担持カーボンなどで形成される触媒層9が設けられ、またそのさらに外側には燃料ガスおよび空気の触媒層9への拡散を促すガス拡散層11が設けられている。これを燃料ガスおよび空気を導くための通路13が設けられたセパレータ15により挟み込む構造となっている。また、触媒層9の側面外周(周縁)部には、水素ガスや空気が電池外へリークするのを防止するために、シリコンゴムやバイトンなどのシール材17が設けられている。以上が、本発明のプロトン伝導体である双性イオン型イオン液体を用いた燃料電池の基本的な単セル構造の概略説明であるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
実施例1
(1)双性イオン型イオン液体(Zwitterionic liquid)の合成と同定
本実施例では、双性イオン型イオン液体として、1−(−1−butylimidazolio)butane−4−sulfonate(以下、BImC4Sと表す)の合成例を示す(図1参照のこと)。
図1に示す合成法にあるように、n−ブチルイミダゾール(n−butylimidazole)21.0mmolのアセトン溶液と、等モル量の1,4−ブタンスルトン(1,4−butanesultone)のアセトニトリル溶液を0℃で混合し、その後室温まで温度を上げ、窒素雰囲気下、室温にて5日間撹拌して反応させた。撹拌終了後、加熱真空乾燥して有機溶媒のアセトンおよびアセトニトリルを飛ばし、残留物をアセトンで洗浄して、無色透明な粘性液体である双性イオン型イオン液体のBImC4Sを得た。
得られた双性イオン型イオン液体の構造の確認は、H NMRにより行った。
NMRでは、分子中に存在する水素原子の結合部位によってピーク位置(化学シフト)、ピークの分裂度(多重度)が異なる。また同一の環境にある(化学的等価である)水素原子の数に比例してピークの面積強度が異なる。ピークの分裂度(多重度)は一般的に、着目する水素原子が結合する炭素原子の隣接炭素原子に接合する水素原子の数に1を加えた数に分裂する。例えば、図1の双性イオン型イオン液体の構造式中の(i)で示す水
素原子のピークは、(i)の水素原子が結合する炭素原子の隣接炭素原子に結合する水素
原子の数は2((ii)の水素原子)なので、2+1=3に分裂する。また、(i)の水素原子に相当するピークの面積強度(積分面積強度)は、等価な水素原子が3つあるので3(”3H”と記述)となる。したがって水素原子(i)に相当するピークは、多重度3、積分面積強度3Hとなる(以後、(t,3H)と示す。多重度はs=singlet(1重)、t=triplet(3重)、m=multiplet(4重以上)で示す)。したがってBImC4Sの構造から予想されるピークの多重度および面積強度は、(i)(t,3H)、(ii)(m,2H)、(iii)(m,2H)、(iv)(t,2H)、(v)(s,1H)、(vi)&(vii)(s,2H)[註:水素原子(vi)と(vii)は等価ではないので2つの(s,1H)になると予想されるが、複素環に結合する水素は等価のものとして一つのピークで現れることが多い。この系でも構造が既知の分子において、複素環の(vi)と(vii)に相当する水素のピークは分離せず、一本のピーク(s,2H)で現れる]、(viii)(t,2H)、(ix)(m,2H)、(x)(m,2H)、(xi)(t,2H)である。化学シフトは構造が既知の分子から予想することができ、構造から予想される化学シフト、多重度および面積強度は、δ=0.85(t,3H)、1.2(m,2H)、1.7(m,2H)、1.0〜2.0(m,2H)、1.0〜2.0(m,2H)、2.4(t,2H)、4.1〜4.2(t,2H)、4.1〜4.2(t,2H)、7.7(s,2H)、9.1(s,1H)となる。一方,観測されたNMRピークは、0.84(t,3H)、1.19(m,2H)、1.47(m,2H)、1.72(m,2H)、1.83(m,2H)、2.39(t,2H)、4.11(t,2H)、4.15(t,2H)、7.73(s,2H)、9.20(s,1H)で予想値とほぼ一致することから、目的物の合成を確認できた。
(2)双性イオン型イオン液体/プロトン酸混合体の製造
本実施例では、双性イオン型イオン液体に前出のBImC4Sを、プロトン供与体としてHTFSI(構造は図1参照)を使用した製造例を示す。
BImC4SとHTFSIを所定のモル比になるよう秤量し、メタノール中で混合・撹拌し、加熱真空乾燥することで、プロトン伝導体として目的物の、双性イオン型イオン液体(BImC4S)/プロトン酸(HTFSI)混合体を得た。
BImC4SとHTFSIの比率[HTFSI]/[BImC4]([ ]はモル数を表す)は、好ましくは0.5以上1.0以下、より好ましくは0.5以上0.67以下である。HTFSIの混合比が大きすぎると蒸気圧をもつHTFSIの蒸発により燃料電池の運転時にプロトン伝導体が減少する(図2参照)。逆に小さすぎると伝導体内のプロトン濃度が低くなり充分なプロトン伝導度が得られない。なお、図2については、既に本発明のプロトン伝導体の調製方法にて説明しているため、ここでの説明は省略する。
図3に[HTFSI]/[BImC4]=0.5のときのプロトン伝導体のイオン伝導度のアレニウス・プロットを示す。併せて、リン酸(HPO)のイオン伝導度の温度依存性(アレニウス・プロット)を図中、実線で示した。また、燃料電池の電解質に求められるイオン伝導度σ=0.1、更にはσ=0.2、0.3を一点破線で示した。図3より、本実施例で得られたプロトン伝導体のBImC4S/HTFSI混合体では、160℃(図中、リン酸のイオン伝導度と、プロトン伝導体のBImC4S/HTFSI混合体のイオン伝導度の交点Xでの温度)以上においてリン酸よりも高いイオン伝導度を示すことがわかる。また、図3より、[HTFSI]/[BImC4]=0.5のときのプロトン伝導体では、140℃以上になれば燃料電池の電解質に求められるイオン伝導度σ=0.1を満足させることができる。このことから、リン酸型の燃料電池は勿論のこと、フッ素系高分子膜のプロトン伝導体に水を用いているため、作動温度が100℃以下に制約されていた固体高分子形の燃料電池でも、こうした制約を受けないことから、十分に適用しえることが確認できた。即ち、既存の固体高分子形の燃料電池では、作動温度が高い方がイオン伝導度が高くなるにもかかわらず、水が蒸発しないようにわざわざ低温域で行っていただけである。従って動作温度を140℃以上にして燃料電池の構成部材の耐熱性は十分に確保できるものが既に使用ないし開発されており、すぐに適用可能である。
次に、本実施例で得られたプロトン伝導体である双性イオン型イオン液体(BImC4S)/プロトン酸(HTFSI)混合体を用いて図4に示す燃料電池の単セル構造を作製した。本実施例の燃料電池1において、本実施例で得られた双性イオン型イオン液体からなるプロトン伝導体([HTFSI]/[BImC4]=0.5のBImC4S/HTFSI混合体)3は、支持用のマトリクス5に含浸して電解質膜7として使用する。マトリクス5としては、SiCの多孔質体を使用した。プロトン伝導体3を浸漬したマトリクス5からなる電解質膜7の両面には白金(Pt)担持カーボンで形成される触媒層9を設け、またそのさらに外側には燃料ガスおよび空気の触媒層9への拡散を促すガス拡散層11を設けた。これを燃料ガスおよび空気を導くための通路13が設けられたセパレータ15により挟み込む構造とし、触媒層9の側面外周(周縁)部には、シール材17を設けた構造とした。かかる燃料電池の単セルを組んで、実際に電池を作動させた際に、所期の電流が流れることにより、得られた双性イオン型イオン液体/プロトン供与体混合体が、プロトン導電体であることを確認することができた。
実施例1で作製した双性イオン型イオン液体(BImC4S)合成の化学反応式と、実施例1で作製した双性イオン型イオン液体のH NMRによる構造確認用の説明図と、実施例1で用いたプロトン供与体であるHTFSIの構造式とを表す図面である。 実施例1で作製したプロトン伝導体であるBImC4S/HTFSI混合体の重量減少率の温度依存性を示す図面であって、温度(℃)に対する熱重量変化(TG/%)を表すグラフである。併せて、双性イオン型イオン液体(BImC4S)だけでの熱重量変化曲線を図中、実線(neat BImC4S)で示した。 実施例1で作製したプロトン伝導体であるBImC4S/HTFSI混合体の[HTFSI]/[BImC4]=0.5のときのイオン伝導度の温度依存性(アレニウス・プロット)を示す。 本実施例で得られたプロトン伝導体である双性イオン型イオン液体(BImC4S)/プロトン酸(HTFSI)混合体を用いた燃料電池の単セル構造を示す断面概略図である。

Claims (4)

  1. 同一分子中にアニオンとカチオンが共存する双性イオンを有するイオン液体と、プロトン供与体とを有してなるプロトン伝導体であって、
    前記双性イオンのカチオン部が、下記構造式1
    (ここで、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基であり、R’は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基であり、R”は、炭素数1〜18のアルキレン基である。)で表されるオニウムカチオンである、下記構造式
    を除くプロトン伝導体
  2. 前記双性イオンのアニオン部が、下記構造式2
    (ここで、式中、R及びRは、それぞれ独立で、置換若しくは非置換の一価の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基である。)で表される群から選ばれてなるものである請求項1に記載のプロトン伝導体。
  3. 前記プロトン供与体が、下記構造式3
    (ここで、式中、Rは、炭素数1から5の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基であり、Rは、炭素数1から5の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基であり、RとRは、それぞれ独立で、置換若しくは非置換の一価の炭化水素基、または炭素数1から5のフッ化炭素基である。)で表される群から選ばれてなるものである請求項1または2に記載のプロトン伝導体。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のプロトン伝導体を使用してなる燃料電池。
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