JP6371157B2 - イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 - Google Patents

イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 Download PDF

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Description

本発明は、イオン液体に関する。特に、レドックスフロー二次電池の活物質として有益なイオン液体に関する。また、本発明は、上記イオン液体を用いたレドックスフロー二次電池用電解液およびレドックスフロー二次電池に関する。さらに、本発明は、イオン液体の製造等に有益な新規塩に関する。
レドックスフロー二次電池としては、バナジウムイオンの酸化還元反応を利用したものが実用化されている。しかしながら、バナジウムは、資源偏在によるリスクが高い。そのため、バナジウムの代替物質として、レドックスフロー二次電池に有機活物質を用いることが検討されている。図1は、アントラキノンジスルホン酸(AQDS)の酸化還元反応を利用したレドックスフロー二次電池の一例を示す概念図である。AQDSの酸化還元反応を利用したレドックスフロー二次電池では、AQDSの反応電子数が2電子であり、分子量に対して少ないという問題がある。また、水を溶媒として用いているので、原理的に1.5V以上の電圧とすることができない。さらに、正極では、臭化水素との酸化還元反応を利用しているので、劇物の臭素が多量に必要であるという問題もある。
一方、本願出願人らは、これまでにも、レドックスフロー二次電池用のイオン液体を開示している(特許文献1および特許文献2等)。
特開2014−070035号公報 特開2012−144441号公報
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、酸化還元反応に関与する反応電子数が多い、有機活物質を含むイオン液体を提供することを目的とする。さらに、上記イオン液体を用いたレドックスフロー二次電池用電解液およびレドックスフロー二次電池を提供することを目的とする。また、上記イオン液体に好適に用いられる新規塩を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者らが検討を行った結果、所定のアニオンとカチオンを含むイオン液体を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、下記手段<2>〜<12>により、上記課題は解決された。
<1>下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、カチオンを含む、イオン液体;
式(1)
Figure 0006371157
式(1)中、nは、2、4または6を表す;
式(2)
Figure 0006371157
式(2)中、mは、2、4、6または8を表す。
<2>カチオンが、アミノ基を有する、<1>に記載のイオン液体。
<3>カチオンが、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択される、<1>に記載のイオン液体。
<4>アニオンが、式(1)で表されるアニオンである、<1>〜<3>のいずれかに記載のイオン液体。
<5><1>〜<4>のいずれかに記載のイオン液体を含む、レドックスフロー二次電池用電解液。
<6>さらに、有機溶媒を含む、<5>に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
<7>実質的に、溶媒を含まない、<5>に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
<8><5>〜<7>のいずれかに記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の少なくとも一方に含む、レドックスフロー二次電池。
<9><5>〜<7>のいずれかに記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の両方に含む、レドックスフロー二次電池。
<10>下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、
下記式(3)で表されるカチオン、下記式(4)で表されるカチオン、下記式(5)で表されるカチオン、下記式(6)で表されるカチオン、下記式(7)で表されるカチオン、および、下記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種とからなる塩;
式(1)
Figure 0006371157
式(1)中、nは、2、4または6を表す;
式(2)
Figure 0006371157
式(2)中、mは、2、4、6または8を表す;
式(3)
Figure 0006371157
式(3)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す;
式(4)
Figure 0006371157
式(4)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、Meはメチル基を表す;
式(5)
Figure 0006371157
式(5)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す;
式(6)
Figure 0006371157
式(6)中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す;
式(7)
Figure 0006371157
式(7)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す;
式(8)
Figure 0006371157
式(8)中、W、X、Y、Zは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。
<11>式(3)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(4)で表されるカチオンが、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(5)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピペリジニウムカチオンから選択され、
式(6)で表されるカチオンが、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−ヘキシルピリジニウムカチオン、1−メトキシメチルピリジニウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチルピリジニウムカチオンから選択され、
式(7)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンから選択され、
式(8)で表されるカチオンが、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオン、および、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムカチオンから選択される、<10>に記載の塩。
<12>アニオンが、式(1)で表され、アニオンが、式(7)または式(8)で表される、<10>または<11>に記載の塩。
本発明により、酸化還元反応に関与する反応電子数が多い有機活物質を含むイオン液体を提供することが可能になった。具体的には、AQDSと同程度またはそれ以下の分子量であって、多段階の酸化還元反応が可能な有機活物質を含むイオン液体を提供可能になった。さらに、本発明のイオン液体は、多段階の酸化還元反応を行うことができるため、正極と負極に同じ材料を使用することも可能になった。結果として、従来のように、臭化水素を用いなくても、レドックスフロー二次電池を形成可能になった。
アントラキノンジスルホン酸(AQDS)の酸化還元反応を利用したレドックスフロー二次電池の一例を示す概略図である。 本願実施例1で得られた電解液のサイクリックボルタメトリーの結果を示す図である。 本願実施例1で得られた電解液のサイクル曲線の結果を示す図である。 本願実施例2で得られた電解液のサイクリックボルタメトリーの結果を示す図である。 本願実施例2で得られた電解液のサイクル曲線の結果を示す図である。 本願実施例3で得られた電解液のサイクリックボルタメトリーの結果を示す図である。 本願実施例4で得られた電解液のサイクリックボルタメトリーの結果を示す図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本明願細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素数が限定されている基の場合、該炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。
<イオン液体>
本発明のイオン液体は、式(1)で表されるアニオンおよび式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、カチオンを含むことを特徴とする。
式(1)
Figure 0006371157
式(1)中、nは、2、4または6を表す;
式(2)
Figure 0006371157
式(2)中、mは、2、4、6または8を表す。
ここで、式(1)のnは、アニオンの価数を示しており、例えば、n=4のときは、4価のアニオンであることを示している。4価のアニオンは、通常、後述するスキーム1の(b)に記載のアニオンである。本発明のイオン液体においては、式(1)で表されるアニオンは、nが2の場合と、4の場合と、6の場合が混在していてもよい。式(2)についても、同様である。
上記アニオンを用いることにより、本発明のイオン液体は、4電子以上の多段階で酸化還元反応を行うことが可能になる。この結果、正極および負極の両方の活物質として、本発明のイオン液体を用いることが可能になる。
より具体的には、本発明のイオン液体は、例えば、下記スキーム1に示す酸化還元反応を行う。
スキーム1
Figure 0006371157
上記スキーム1のイオン液体において、(a)の状態は、カチオンと、6価のアニオン(a)が存在している。6価のアニオン(a)は、6モルのカチオンと中和している。
ここで、(a)の状態において、アニオンが2つの電子を放出すると、上記スキーム1の(b)の状態となる。この状態では、アニオンは、4価のアニオンとなる。4価のアニオン(b)1モルは、4モルのカチオンと中和している。
さらに、(b)の状態において、アニオンが4つの電子を放出すると、上記スキーム1の(c)の状態となる。
従って、本発明のイオン液体において、式(1)においてnが0の化合物、すなわち、上記スキーム1の(c)の状態の化合物も含まれうる。
本発明のアニオンは式(1)で表されるアニオンであることが好ましい。
本発明のイオン液体は、例えば、下記スキーム2に示す反応機構によって得られる。
スキーム2
Figure 0006371157
上記スキームでは、カチオン源となる塩(N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンとクロロアニオンからなる塩)にメタノール(MeOH)の存在下で、イオン交換樹脂を用いて、アニオン交換反応を行ったあと、メタノールの存在下で、テトラヒドロキノン(THQ)を適用し、中和反応によって、水を取り除くことによって、本発明のイオン液体が得られる。
次に、本発明のイオン液体に含まれるカチオンについて詳細に説明する。
本発明のイオン液体に含まれるカチオンは、特に定めるものでは無く、公知のカチオンを用いることができる。具体的には、特開2014−70035号公報の段落0040〜0061に記載のカチオン、特開2012−144441号公報の段落0016〜0026の記載のカチオンを用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明のイオン液体に含まれるカチオンは、好ましくは、アミノ基を有する。アミノ基を有するカチオンとしては、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択されるカチオンが好ましい。
また、本発明はカチオンとして、ホスホニウムカチオンも好ましい。
イミダゾリウム骨格を有するカチオンとしては、例えば、式(3)で表されるカチオンおよび式(4)で表されるカチオンを挙げることができる。
式(3)
Figure 0006371157
式(3)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(3)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のアルキル基のいずれであってもよく、直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。
Xは、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基またはn−プロピル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
Yは、炭素数3〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3が好ましく、炭素数3〜6の直鎖のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3がさらに好ましい。
式(3)で表されるカチオンの具体例としては、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンを挙げることができる。
式(4)
Figure 0006371157
式(4)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(4)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(4)で表されるカチオンの具体例としては、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンを挙げることができる。
ピペリジニウム骨格を有するカチオンとしては、例えば、式(5)で表されるカチオンを挙げることができる。
式(5)
Figure 0006371157
式(5)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(5)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
具体例としては、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピぺリジニウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピぺリジニウムカチオンを挙げることができる。
ピリジニウム骨格を有するカチオンとしては、例えば、式(6)で表されるカチオンを挙げることができる。
式(6)
Figure 0006371157
式(6)中、Xは、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(6)中、Xは、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。Xは、式(3)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(6)で表されるカチオンの具体例としては、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−ヘキシルピリジニウムカチオン、1−メトキシメチルピリジニウムカチオン、1−(2−メトキシエトキシ)−メチルピリジニウムカチオンを挙げることができる。
ピロリジニウム骨格を有するカチオンとしては、例えば、式(7)で表されるカチオンを挙げることができる。
式(7)
Figure 0006371157
式(7)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(7)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(7)で表されるカチオンの具体例としては、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンを挙げることができる。
アンモニウム骨格を有するカチオンとしては、中心のN+に4つの置換基が結合しているアニオンであり、例えば、下記式(8)で表されるカチオンを挙げることができる。
式(8)
Figure 0006371157
式(8)中、W、X、Y、Zは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、または、前記アルキル基のアルキル鎖中に−O−を含む基である。
式(8)中、W、X、Y、Zは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。
式(8)の好ましい第一の実施形態は、W、X、Zは、それぞれ独立に、式(3)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様であり、Yは、式(3)におけるYと同義であり、好ましい範囲も同様である態様である。
式(8)の好ましい第二の実施形態は、W、X、Y、Zは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基である態様であり、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数3〜6の直鎖のアルキル基がより好ましく、n−ブチル基がさらに好ましい。
式(8)で表されるカチオンの具体例としては、具体例としては、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオン、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
好ましいカチオン成分としては、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオンであり、より好ましくは、ピロリジニウム骨格を有するカチオンおよびアンモニウム骨格を有するカチオンであり、さらに好ましくはピロリジニウム骨格を有するカチオンである。
本発明のイオン液体は、少なくとも10〜50℃で液体であることが好ましく、少なくとも−20℃〜60℃で液体であることがより好ましい。また、本発明のイオン液体の融点は60℃以下が好ましい。
本発明のイオン液体は、25℃における粘度が、1000mPa・s以下であることが好ましく、400mPa・s以下であることがより好ましい。下限値は低ければ低いほど良く、25℃における粘度が、1mPa・sであってもよい。また、40℃における粘度が400mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがさらに好ましい。
このような粘度とすることにより、本発明のイオン液体をレドックスフロー二次電池の電解液に用いる際、溶媒の量を減らしたり、さらには、溶媒を用いなくても済むというメリットがある。
本発明のイオン液体の熱分解温度は、電池の安全性の確保の観点から、好ましくは、100℃以上である。上限値については、特に定めるものでは無いが、通常、500℃以下である。熱分解温度は、例えば熱重量分析(TGA)により測定することができる。
<レドックスフロー二次電池用電解液>
本発明のレドックスフロー二次電池用電解液(以下、単に「電解液」ということがある)は、上記イオン液体を含む。
本発明の電解液のイオン液体の濃度は、例えば、1〜100mMとすることができる。
本発明の電解液は、上記イオン液体の他、支持電解質や溶媒を含んでいても良い。しかしながら、本発明では、支持電解質および溶媒の少なくとも一方を実質的に含まない構成とすることもできる。
<<溶媒>>
本発明の電解液は、上記イオン液体の他、溶媒を含んでいても良い。溶媒としては、有機溶媒が好ましい。本発明の電解液では、水ではなく、有機溶媒を溶媒として用いることができるため、レドックスフロー二次電池の放電時の電圧を1.5V以上とすることも期待できる。
本発明の電解液に含まれる有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等を用いることができる。
本発明の電解液に溶媒を配合する場合、その配合量は、電解液の25℃における粘度が、50mPa・s以下となる量が好ましく、20mPa・s以下となる量であることがより好ましい。下限値は低ければ低いほど良く、1mPa・sであってもよい。
さらに本発明の電解液では、活物質であるイオン性液体自体が液体であるため、実質的に溶媒を含まない電解液とすることもできる。ここで、「実質的に溶媒を含まない」とは、25℃の電解液に含まれる液体成分のうち、本発明のイオン性液体以外の液体成分が2質量%以下であることをいう。このように実質的に溶媒を含まない電解液とできることにより、レドックスフロー二次電池の小型化が期待できる。
<<支持電解質>>
本発明の電解液には、支持電解質を含んでいても良い。支持電解質としては、熱的および電気化学的に安定な物質が好ましい。
また、本発明で用いる支持電解質は、粘度が低い化合物が好ましく、例えば、25℃における粘度が、100mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・sであることがより好ましい。下限値は低ければ低いほど良く、1mPa・sであってもよい。
本発明で用いる支持電解質は、イオン性液体に含まれるカチオンと骨格が共通する化合物が好ましく、カチオンが同一であることがより好ましい。
従って、本発明で用いる支持電解質は、アミノ基を有するカチオンを含む化合物が好ましく、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択されるカチオンを含む化合物がより好ましい。
本発明の電解質が、支持電解質を含む場合、その配合量は、好ましくは、イオン液体/電解質=99/1〜80/20(質量比)であり、より好ましくは、97/3〜90/10(質量比)である。
また、本発明では、支持電解質を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、本発明の電解液に含まれる支持電解質の量が、イオン液体の質量の2質量%以下であることをいう。
<レドックスフロー二次電池>
本発明のレドックスフロー二次電池(以下、単に、「二次電池」ということがある)は、上記電解液を正極および負極の少なくとも一方に含む。本発明のイオン性液体では、多段階の酸化還元反応を行うため、電解液を、正極および負極の両方に用いることもできる。
本発明の二次電池は、少なくとも、正極と負極、正極と負極を隔離するセパレータ、電解液、および電池容器で構成される。これらの詳細については、特開2014−70035号公報の段落0075〜0081の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<塩>
本発明は、また、上記式(1)で表されるアニオンおよび上記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、上記式(3)で表されるカチオン、上記式(4)で表されるカチオン、上記式(5)で表されるカチオン、上記式(6)で表されるカチオン、上記式(7)で表されるカチオン、および、上記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種からなる塩を開示する。
式(1)〜式(8)の好ましい範囲は、それぞれ、上記式(1)〜式(8)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の塩における、アニオンとカチオンのモル比は、アニオンの価数に応じて調整される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1
<合成例1>
以下の方法により、[N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオン(以下、[MEMmpyr]+と示す)とテトラヒドロキノンアニオン(以下、[THQ]4-と示す)からなる塩を合成した。
丸底フラスコ(20ml)にテトラヒドロキシ−1,4−キノン(71mg、0.41mmol)を入れ、[MEMmpyr]+とヒドロキシアニオン(HO-)からなる塩[MEMmpyr]OHの0.2Mメタノール溶液(10ml、2.0mmol)を室温(約20℃)で加え、そのまま室温で反応液を4.5時間撹拌した。その後、エバポレータでメタノールを留去し、さらに凍結乾燥によって脱水して、4[MEMmpyr]+[THQ]4-(365mg、収率84%)を赤褐色液体(イオン液体)として得た。得られたイオン液体の粘度は、40℃で、383mPa・sであった。
<粘度の測定方法>
上記で得られたイオン液体の粘度測定は、東京計器製 VISCONIC ED形 E型粘度計を用いて、40℃条件下で行った。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR(600 MHz, CDCl3, δ) 5.04 (s, 2 H), 4.06 - 4.05 (quin, J = 2.3 Hz, 2 H), 3.82 - 3.80 (m, 2 H), 3.59 - 3.56 (m, 4 H), 3.36 (s, 3 H), 3.26 (s, 3 H), 2.21 - 2.20 (d, J = 5.2 Hz, 4 H).
13C NMR(150 MHz, δ) 188.9, 160.1, 89.4, 72.2, 71.4, 60.5, 58.8, 47.1, 22.0.
IR(ATR, cm-1) 2890, 1608, 1561, 1515, 1392, 1111.
<熱安定性評価>
得られたイオン性液体について、熱重量分析装置(リガク製)を用い、アルゴン気流下で、32℃から、10℃/分の温度で加熱し、重量減少度(g)を測定した。10%の重量減少が認められた温度を熱分解温度とした。本願実施例のイオン液体の熱分解温度は、121℃であった。
<電解液の調製>
合成例1で合成した4[MEMmpyr]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[MEMmpyr]+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[MEMmpyr][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[MEMmpyr]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
<電気化学測定>
上記で得られた電解液をガラス製単槽セルに入れ、作用電極にグラッシーカーボン、対極に白金線、参照極にAg/AgNO3電極を用い、サイクリックボルタメトリー測定をアルゴン雰囲気下で行った。測定にはALS製 モデル700E 電気化学アナライザーを用い、電位は−3.0V〜1.0Vの範囲で、掃引速度は10mV/s〜100mV/sの範囲で測定を行った。
図2にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に4波(−1.22V、−0.21V、0.48V、0.71V)、還元側に3波(−2.76V、−1.29V、−0.30V)が観測され、多段階のレドックスフローが確認された。
<充放電試験>
上記で得られた電解液をガラスフィルターで仕切られたガラス製二槽セルに入れ、正極、負極ともにグラッシーカーボンを用い、充放電測定をアルゴン雰囲気下で行った。測定には北斗電工製 HJ−1001 SM8 充放電装置を用い、電位は−4.0V〜0.5Vの範囲で、充電電流は5mA、放電電流は1mAで測定を行った。
図3にサイクル曲線を示す。図3から明らかなとおり、本発明の電池が、二次電池として利用可能であることが分かった。
実施例2
<合成例2>
以下の方法により、[N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン](以下、[MOMmpyr]+と示す)と、[THQ]4-からなる塩を合成した。
丸底フラスコ(20ml)にテトラヒドロキシ−1,4−キノン(86mg、0.50mmol)を入れ、[MOMmpyr]OHの0.2Mメタノール溶液(10ml、2.0mmol)を室温(約20℃)で加え、そのまま室温で反応液を4.5時間撹拌した。その後、エバポレータでメタノールを留去し、さらに凍結乾燥によって脱水して、4[MOMmpyr]+[THQ]4-(309mg、収率90%)を赤褐色液体(イオン液体)として得た。得られたイオン液体の粘度は、実施例1と同様の方法で測定したところ、40℃で、96mPa・sであった。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 4.69 (s, 2 H), 3.60 (s, 3 H), 3.51 - 3.38 (m, 4 H),3.01 (s, 3 H), 2.10 - 2.04 (m, 4 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 188.6, 90.3, 60.2, 46.3, 21.5.
IR (ATR, cm-1) 2962, 1568, 1520, 1457, 1105.
<熱安定性評価>
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、125℃であった。
<電解液の調製>
合成例2で合成した4[MOMmpyr]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[MOMmpyr]+と[Tf2N]-とからなる塩[MOMmpyr][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[MOMmpyr]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
<電気化学測定>
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。図4にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に2波(−0.19V、0.43V)、還元側に4波(−2.83V、−2.69V、−1.22V、−0.30V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
<充放電試験>
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。図5にサイクル曲線を示す。図5から明らかなとおり、本発明の電池が、二次電池として利用可能であることが分かった。
実施例3
<合成例3>
以下の方法により、[テトラブチルアンモニウムカチオン](以下、[N4444+と示す)と[THQ]4-からなる塩を合成した。
丸底フラスコ(20ml)にテトラヒドロキシ−1,4−キノン(86mg、0.50mmol)を入れ、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド[N4444]OHの1.0Mメタノール溶液(2.0ml、2.0mmol)を室温(約20℃)で加え、そのまま室温で反応液を4.5時間撹拌した。その後、エバポレータでメタノールを留去し、さらに凍結乾燥によって脱水して、4[N4444+[THQ]4-(634mg、収率99%)を赤褐色液体として得た。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 3.08 (tri, J = 8.4Hz, 8H), 1.53 (quin, J = 7.2Hz, 8 H), 0.84 (t, J = 7.2 Hz, 12 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 177, 58.1, 23.1, 19.1, 12.8.
IR(ATR, cm-1) 3418, 2962, 1643, 1500.
<熱安定性評価>
上記で得られた塩について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、182℃であった。
<電解液の調製>
合成例3で合成した4[N4444+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[N4444+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[N4444][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[N4444+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
<電気化学測定>
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。 図6にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に4波(−1.22V、−0.30V、0.02V、0.41V)、還元側に3波(−2.57V、−2.30V、−1.31V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
実施例4
<合成例4>
(2−メトキシエトキシ)−メチル−トリブチルホスホニウムカチオン(以下、[P444MEM+と示す)と[THQ]X-からなる塩を合成した。
丸底フラスコ(20ml)にテトラヒドロキシ−1,4−キノン(70mg、0.41mmol)を入れ、(2−メトキシエトキシ)−メチル−トリブチルホスホニウムヒドロキシド[P444MEM]OHの1.0Mメタノール溶液(2.0ml、2.0mmol)を室温(約20℃)で加え、そのまま室温で反応液を4.5時間撹拌した。その後、エバポレータでメタノールを留去し、さらに凍結乾燥によって脱水して、4[P444MEM+[THQ]4-(531mg、収率99%)を赤褐色固体として得た。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 4.82 (d, J = 5.4 Hz, 2 H), 3.84-3.82 (multi, 2 H), 3.55-3.54 (multi, 2 H), 3.35 (s, 3 H), 2.43-2.38 (multi, 6 H), 1.70-1.40 (multi, 12 H), 0.95 (t, J = 6.0 Hz, 9 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 189.1, 168.4, 73.1 (d, J = 11.3 Hz), 71.2, 61.2 (d, J = 64.4 Hz), 58.8, 24.0 (d, J = 15.0 Hz), 23.6 (d, J = 4.5 Hz), 17.2 (d, J = 45.5 Hz), 13.4.
IR(ATR, cm-1) 2928, 2871, 1500, 1465.
<熱安定性評価>
上記で得られた塩について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、154℃であった。
<電解液の調製>
合成例4で合成した4[P444MEM+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[P444MEM+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[P444MEM][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[P444MEM+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
<電気化学測定>
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った(濃度:5mM)。 図7にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に3波(−0.94V、−0.23V、0.12V)、還元側に5波(−2.42V、−2.10V、−1.26V、−0.21V、0.05V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
本発明のイオン液体は、レドックスフロー二次電池に好ましく用いることができる。
本発明のイオン液体は、有機溶媒を用いて、または、溶媒なしでレドックスフロー二次電池として用いることができるため、1.5V以上の電圧とすることも期待できる。
また、本発明のイオン液体は、酸化還元反応に関与する反応電子数が多い有機活物質を含むので、レドックスフロー二次電池のほか、有機合成反応における酸化剤または還元剤にも利用できる可能性がある。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、
    下記式(3)で表されるカチオン、下記式(4)で表されるカチオン、下記式(5)で表されるカチオン、下記式(7)で表されるカチオン、および、下記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種のカチオンと
    を含む、イオン液体を含む、レドックスフロー二次電池用電解液;
    式(1)
    Figure 0006371157
    式(1)中、nは、2、4または6を表す;
    式(2)
    Figure 0006371157
    式(2)中、mは、2、4、6または8を表す。
    式(3)
    Figure 0006371157
    式(3)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、但し、XとYは同一の基ではない;
    式(4)
    Figure 0006371157
    式(4)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、Meはメチル基を表す、但し、XとYは同一の基ではない;
    式(5)
    Figure 0006371157
    式(5)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、但し、XとYは同一の基ではない
    式(7)
    Figure 0006371157
    式(7)中、XおよびYは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、但し、XとYは同一の基ではない;
    式(8)
    Figure 0006371157
    式(8)中、W、X、Y、Zは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、但し、XとYは同一の基ではない。
  2. 前記式(3)で表されるカチオン、前記式(4)で表されるカチオン、前記式(5)で表されるカチオン、前記式(7)で表されるカチオン、および、前記式(8)で表されるカチオンにおいて、Xがメチル基またはエチル基あり、Yが炭素数3〜6の直鎖のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、請求項1に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
  3. 式(3)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
    式(4)で表されるカチオンが、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
    式(5)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピペリジニウムカチオンから選択され
    式(7)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンから選択され、
    式(8)で表されるカチオンが、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、および、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオンから選択される、請求項1に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
  4. アニオンが、式(1)で表されるアニオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
  5. さらに、有機溶媒を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
  6. 実質的に、溶媒を含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の少なくとも一方に含む、レドックスフロー二次電池。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の両方に含む、レドックスフロー二次電池。
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