JP6371157B2 - イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 - Google Patents
イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6371157B2 JP6371157B2 JP2014156541A JP2014156541A JP6371157B2 JP 6371157 B2 JP6371157 B2 JP 6371157B2 JP 2014156541 A JP2014156541 A JP 2014156541A JP 2014156541 A JP2014156541 A JP 2014156541A JP 6371157 B2 JP6371157 B2 JP 6371157B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- cation
- och
- represented
- redox flow
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Description
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、下記手段<2>〜<12>により、上記課題は解決された。
<1>下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、カチオンを含む、イオン液体;
式(1)
式(2)
<2>カチオンが、アミノ基を有する、<1>に記載のイオン液体。
<3>カチオンが、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択される、<1>に記載のイオン液体。
<4>アニオンが、式(1)で表されるアニオンである、<1>〜<3>のいずれかに記載のイオン液体。
<5><1>〜<4>のいずれかに記載のイオン液体を含む、レドックスフロー二次電池用電解液。
<6>さらに、有機溶媒を含む、<5>に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
<7>実質的に、溶媒を含まない、<5>に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
<8><5>〜<7>のいずれかに記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の少なくとも一方に含む、レドックスフロー二次電池。
<9><5>〜<7>のいずれかに記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の両方に含む、レドックスフロー二次電池。
<10>下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、
下記式(3)で表されるカチオン、下記式(4)で表されるカチオン、下記式(5)で表されるカチオン、下記式(6)で表されるカチオン、下記式(7)で表されるカチオン、および、下記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種とからなる塩;
式(1)
式(2)
式(3)
式(4)
式(5)
式(6)
式(7)
式(8)
<11>式(3)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(4)で表されるカチオンが、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(5)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピペリジニウムカチオンから選択され、
式(6)で表されるカチオンが、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−ヘキシルピリジニウムカチオン、1−メトキシメチルピリジニウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチルピリジニウムカチオンから選択され、
式(7)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンから選択され、
式(8)で表されるカチオンが、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオン、および、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムカチオンから選択される、<10>に記載の塩。
<12>アニオンが、式(1)で表され、アニオンが、式(7)または式(8)で表される、<10>または<11>に記載の塩。
本発明のイオン液体は、式(1)で表されるアニオンおよび式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、カチオンを含むことを特徴とする。
式(1)
式(2)
より具体的には、本発明のイオン液体は、例えば、下記スキーム1に示す酸化還元反応を行う。
スキーム1
ここで、(a)の状態において、アニオンが2つの電子を放出すると、上記スキーム1の(b)の状態となる。この状態では、アニオンは、4価のアニオンとなる。4価のアニオン(b)1モルは、4モルのカチオンと中和している。
さらに、(b)の状態において、アニオンが4つの電子を放出すると、上記スキーム1の(c)の状態となる。
従って、本発明のイオン液体において、式(1)においてnが0の化合物、すなわち、上記スキーム1の(c)の状態の化合物も含まれうる。
本発明のイオン液体に含まれるカチオンは、特に定めるものでは無く、公知のカチオンを用いることができる。具体的には、特開2014−70035号公報の段落0040〜0061に記載のカチオン、特開2012−144441号公報の段落0016〜0026の記載のカチオンを用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明のイオン液体に含まれるカチオンは、好ましくは、アミノ基を有する。アミノ基を有するカチオンとしては、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択されるカチオンが好ましい。
また、本発明はカチオンとして、ホスホニウムカチオンも好ましい。
式(3)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のアルキル基のいずれであってもよく、直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。
Xは、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基またはn−プロピル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
Yは、炭素数3〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3が好ましく、炭素数3〜6の直鎖のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3がさらに好ましい。
式(3)で表されるカチオンの具体例としては、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンを挙げることができる。
式(4)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(4)で表されるカチオンの具体例としては、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンを挙げることができる。
式(5)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
具体例としては、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピぺリジニウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピぺリジニウムカチオンを挙げることができる。
式(6)中、Xは、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。Xは、式(3)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(6)で表されるカチオンの具体例としては、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−ヘキシルピリジニウムカチオン、1−メトキシメチルピリジニウムカチオン、1−(2−メトキシエトキシ)−メチルピリジニウムカチオンを挙げることができる。
式(7)中、XおよびYは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、式(3)におけるX、Yと、同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(7)で表されるカチオンの具体例としては、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンを挙げることができる。
式(8)中、W、X、Y、Zは、好ましくは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す。
式(8)の好ましい第一の実施形態は、W、X、Zは、それぞれ独立に、式(3)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様であり、Yは、式(3)におけるYと同義であり、好ましい範囲も同様である態様である。
式(8)の好ましい第二の実施形態は、W、X、Y、Zは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基である態様であり、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数3〜6の直鎖のアルキル基がより好ましく、n−ブチル基がさらに好ましい。
式(8)で表されるカチオンの具体例としては、具体例としては、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオン、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
このような粘度とすることにより、本発明のイオン液体をレドックスフロー二次電池の電解液に用いる際、溶媒の量を減らしたり、さらには、溶媒を用いなくても済むというメリットがある。
本発明のレドックスフロー二次電池用電解液(以下、単に「電解液」ということがある)は、上記イオン液体を含む。
本発明の電解液のイオン液体の濃度は、例えば、1〜100mMとすることができる。
本発明の電解液は、上記イオン液体の他、支持電解質や溶媒を含んでいても良い。しかしながら、本発明では、支持電解質および溶媒の少なくとも一方を実質的に含まない構成とすることもできる。
本発明の電解液は、上記イオン液体の他、溶媒を含んでいても良い。溶媒としては、有機溶媒が好ましい。本発明の電解液では、水ではなく、有機溶媒を溶媒として用いることができるため、レドックスフロー二次電池の放電時の電圧を1.5V以上とすることも期待できる。
本発明の電解液に含まれる有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等を用いることができる。
本発明の電解液に溶媒を配合する場合、その配合量は、電解液の25℃における粘度が、50mPa・s以下となる量が好ましく、20mPa・s以下となる量であることがより好ましい。下限値は低ければ低いほど良く、1mPa・sであってもよい。
さらに本発明の電解液では、活物質であるイオン性液体自体が液体であるため、実質的に溶媒を含まない電解液とすることもできる。ここで、「実質的に溶媒を含まない」とは、25℃の電解液に含まれる液体成分のうち、本発明のイオン性液体以外の液体成分が2質量%以下であることをいう。このように実質的に溶媒を含まない電解液とできることにより、レドックスフロー二次電池の小型化が期待できる。
本発明の電解液には、支持電解質を含んでいても良い。支持電解質としては、熱的および電気化学的に安定な物質が好ましい。
また、本発明で用いる支持電解質は、粘度が低い化合物が好ましく、例えば、25℃における粘度が、100mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・sであることがより好ましい。下限値は低ければ低いほど良く、1mPa・sであってもよい。
本発明で用いる支持電解質は、イオン性液体に含まれるカチオンと骨格が共通する化合物が好ましく、カチオンが同一であることがより好ましい。
従って、本発明で用いる支持電解質は、アミノ基を有するカチオンを含む化合物が好ましく、イミダゾリウム骨格を有するカチオン、ピペリジニウム骨格を有するカチオン、ピリジニウム骨格を有するカチオン、ピロリジニウム骨格を有するカチオン、アンモニウム骨格を有するカチオン、ピラゾリウム骨格を有するカチオン、およびグアニジニウム骨格を有するカチオンからなる群から選択されるカチオンを含む化合物がより好ましい。
本発明の電解質が、支持電解質を含む場合、その配合量は、好ましくは、イオン液体/電解質=99/1〜80/20(質量比)であり、より好ましくは、97/3〜90/10(質量比)である。
また、本発明では、支持電解質を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、本発明の電解液に含まれる支持電解質の量が、イオン液体の質量の2質量%以下であることをいう。
本発明のレドックスフロー二次電池(以下、単に、「二次電池」ということがある)は、上記電解液を正極および負極の少なくとも一方に含む。本発明のイオン性液体では、多段階の酸化還元反応を行うため、電解液を、正極および負極の両方に用いることもできる。
本発明の二次電池は、少なくとも、正極と負極、正極と負極を隔離するセパレータ、電解液、および電池容器で構成される。これらの詳細については、特開2014−70035号公報の段落0075〜0081の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明は、また、上記式(1)で表されるアニオンおよび上記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、上記式(3)で表されるカチオン、上記式(4)で表されるカチオン、上記式(5)で表されるカチオン、上記式(6)で表されるカチオン、上記式(7)で表されるカチオン、および、上記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種からなる塩を開示する。
式(1)〜式(8)の好ましい範囲は、それぞれ、上記式(1)〜式(8)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の塩における、アニオンとカチオンのモル比は、アニオンの価数に応じて調整される。
<合成例1>
以下の方法により、[N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオン(以下、[MEMmpyr]+と示す)とテトラヒドロキノンアニオン(以下、[THQ]4-と示す)からなる塩を合成した。
<粘度の測定方法>
上記で得られたイオン液体の粘度測定は、東京計器製 VISCONIC ED形 E型粘度計を用いて、40℃条件下で行った。
1H NMR(600 MHz, CDCl3, δ) 5.04 (s, 2 H), 4.06 - 4.05 (quin, J = 2.3 Hz, 2 H), 3.82 - 3.80 (m, 2 H), 3.59 - 3.56 (m, 4 H), 3.36 (s, 3 H), 3.26 (s, 3 H), 2.21 - 2.20 (d, J = 5.2 Hz, 4 H).
13C NMR(150 MHz, δ) 188.9, 160.1, 89.4, 72.2, 71.4, 60.5, 58.8, 47.1, 22.0.
IR(ATR, cm-1) 2890, 1608, 1561, 1515, 1392, 1111.
得られたイオン性液体について、熱重量分析装置(リガク製)を用い、アルゴン気流下で、32℃から、10℃/分の温度で加熱し、重量減少度(g)を測定した。10%の重量減少が認められた温度を熱分解温度とした。本願実施例のイオン液体の熱分解温度は、121℃であった。
合成例1で合成した4[MEMmpyr]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[MEMmpyr]+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[MEMmpyr][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[MEMmpyr]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
上記で得られた電解液をガラス製単槽セルに入れ、作用電極にグラッシーカーボン、対極に白金線、参照極にAg/AgNO3電極を用い、サイクリックボルタメトリー測定をアルゴン雰囲気下で行った。測定にはALS製 モデル700E 電気化学アナライザーを用い、電位は−3.0V〜1.0Vの範囲で、掃引速度は10mV/s〜100mV/sの範囲で測定を行った。
上記で得られた電解液をガラスフィルターで仕切られたガラス製二槽セルに入れ、正極、負極ともにグラッシーカーボンを用い、充放電測定をアルゴン雰囲気下で行った。測定には北斗電工製 HJ−1001 SM8 充放電装置を用い、電位は−4.0V〜0.5Vの範囲で、充電電流は5mA、放電電流は1mAで測定を行った。
<合成例2>
以下の方法により、[N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン](以下、[MOMmpyr]+と示す)と、[THQ]4-からなる塩を合成した。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 4.69 (s, 2 H), 3.60 (s, 3 H), 3.51 - 3.38 (m, 4 H),3.01 (s, 3 H), 2.10 - 2.04 (m, 4 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 188.6, 90.3, 60.2, 46.3, 21.5.
IR (ATR, cm-1) 2962, 1568, 1520, 1457, 1105.
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、125℃であった。
合成例2で合成した4[MOMmpyr]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[MOMmpyr]+と[Tf2N]-とからなる塩[MOMmpyr][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[MOMmpyr]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。図4にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に2波(−0.19V、0.43V)、還元側に4波(−2.83V、−2.69V、−1.22V、−0.30V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。図5にサイクル曲線を示す。図5から明らかなとおり、本発明の電池が、二次電池として利用可能であることが分かった。
<合成例3>
以下の方法により、[テトラブチルアンモニウムカチオン](以下、[N4444]+と示す)と[THQ]4-からなる塩を合成した。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 3.08 (tri, J = 8.4Hz, 8H), 1.53 (quin, J = 7.2Hz, 8 H), 0.84 (t, J = 7.2 Hz, 12 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 177, 58.1, 23.1, 19.1, 12.8.
IR(ATR, cm-1) 3418, 2962, 1643, 1500.
上記で得られた塩について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、182℃であった。
合成例3で合成した4[N4444]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[N4444]+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[N4444][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[N4444]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った。 図6にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に4波(−1.22V、−0.30V、0.02V、0.41V)、還元側に3波(−2.57V、−2.30V、−1.31V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
<合成例4>
(2−メトキシエトキシ)−メチル−トリブチルホスホニウムカチオン(以下、[P444MEM]+と示す)と[THQ]X-からなる塩を合成した。
1H NMR分析、13C NMR分析及びIR分析を行い、以下の結果を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3, δ) 4.82 (d, J = 5.4 Hz, 2 H), 3.84-3.82 (multi, 2 H), 3.55-3.54 (multi, 2 H), 3.35 (s, 3 H), 2.43-2.38 (multi, 6 H), 1.70-1.40 (multi, 12 H), 0.95 (t, J = 6.0 Hz, 9 H).
13C NMR (150 MHz, δ) 189.1, 168.4, 73.1 (d, J = 11.3 Hz), 71.2, 61.2 (d, J = 64.4 Hz), 58.8, 24.0 (d, J = 15.0 Hz), 23.6 (d, J = 4.5 Hz), 17.2 (d, J = 45.5 Hz), 13.4.
IR(ATR, cm-1) 2928, 2871, 1500, 1465.
上記で得られた塩について、実施例1と同様の方法で、熱分解温度を測定した。熱分解温度は、154℃であった。
合成例4で合成した4[P444MEM]+[THQ]4-に濃度が1.0Mとなるように支持電解質として[P444MEM]+と、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンアニオン(以下、[Tf2N]-と示す)とからなる塩[P444MEM][Tf2N]を配合した。上記混合物に、さらに、溶媒としてジメチルホルムアミドとを混合して4[P444MEM]+[THQ]4-の濃度が1.0mM電解液を得た。支持電解質は本発明のイオン液体が酸化還元反応する掃引範囲では酸化還元反応をしない塩である。
上記で得られたイオン液体について、実施例1と同様の方法で、電気化学測定を行った(濃度:5mM)。 図7にサイクリックボルタメトリーの結果を示す。このボルタモグラムからは酸化側に3波(−0.94V、−0.23V、0.12V)、還元側に5波(−2.42V、−2.10V、−1.26V、−0.21V、0.05V)が観測され、多段階のレドックスが確認された。
本発明のイオン液体は、有機溶媒を用いて、または、溶媒なしでレドックスフロー二次電池として用いることができるため、1.5V以上の電圧とすることも期待できる。
また、本発明のイオン液体は、酸化還元反応に関与する反応電子数が多い有機活物質を含むので、レドックスフロー二次電池のほか、有機合成反応における酸化剤または還元剤にも利用できる可能性がある。
Claims (8)
- 下記式(1)で表されるアニオンおよび下記式(2)で表されるアニオンの少なくとも1種と、
下記式(3)で表されるカチオン、下記式(4)で表されるカチオン、下記式(5)で表されるカチオン、下記式(7)で表されるカチオン、および、下記式(8)で表されるカチオンから選択される少なくとも1種のカチオンと
を含む、イオン液体を含む、レドックスフロー二次電池用電解液;
式(1)
式(2)
式(3)
式(4)
式(5)
式(7)
式(8)
- 前記式(3)で表されるカチオン、前記式(4)で表されるカチオン、前記式(5)で表されるカチオン、前記式(7)で表されるカチオン、および、前記式(8)で表されるカチオンにおいて、Xがメチル基またはエチル基あり、Yが炭素数3〜6の直鎖のアルキル基、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH3を表す、請求項1に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
- 式(3)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルイミダゾリウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(4)で表されるカチオンが、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、および、1−(2−メトキシエトキシ)−メチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオンから選択され、
式(5)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピペリジニウムカチオンから選択され、
式(7)で表されるカチオンが、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メトキシメチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、および、N−(2−メトキシエトキシ)−メチル−N−メチルピロリジニウムカチオンから選択され、
式(8)で表されるカチオンが、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(メトキシメチル)アンモニウムカチオン、および、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシ)メチルアンモニウムカチオンから選択される、請求項1に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。 - アニオンが、式(1)で表されるアニオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
- さらに、有機溶媒を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
- 実質的に、溶媒を含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の少なくとも一方に含む、レドックスフロー二次電池。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のレドックスフロー二次電池用電解液を、正極および負極の両方に含む、レドックスフロー二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014156541A JP6371157B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014156541A JP6371157B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016033117A JP2016033117A (ja) | 2016-03-10 |
JP6371157B2 true JP6371157B2 (ja) | 2018-08-08 |
Family
ID=55452198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014156541A Expired - Fee Related JP6371157B2 (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6371157B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112015003328T5 (de) | 2014-07-18 | 2017-04-13 | Board Of Trustees Of Michigan State University | Wiederaufladbare Lithiumionenzelle mit einem Redox-Shuttle-Additiv |
EP3545580A4 (en) | 2016-11-22 | 2020-12-30 | Board of Trustees of Michigan State University | RECHARGEABLE ELECTROCHEMICAL CELL |
WO2019018741A1 (en) * | 2017-07-20 | 2019-01-24 | Board Of Trustees Of Michigan State University | REDOX FLOW BATTERY |
CN110544793A (zh) * | 2019-07-25 | 2019-12-06 | 珠海冠宇电池有限公司 | 一种电解液及其制备方法和锂离子电池 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2223562A1 (fr) * | 1997-12-02 | 1999-06-02 | Hydro-Quebec | Nouveaux materiau d'electrodes derives de composes ioniques poly uinoniques, leurs utilisations comme dans les generateurs electrochimiques |
WO2009136608A1 (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-12 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | イオン液体 |
JP5781386B2 (ja) * | 2011-07-12 | 2015-09-24 | 大塚化学株式会社 | 非水電解液及び非水電解液電池 |
-
2014
- 2014-07-31 JP JP2014156541A patent/JP6371157B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016033117A (ja) | 2016-03-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mousavi et al. | Ionic liquids as electrolytes for electrochemical double-layer capacitors: structures that optimize specific energy | |
Kazemiabnavi et al. | Electrochemical stability window of imidazolium-based ionic liquids as electrolytes for lithium batteries | |
EP2748145B1 (de) | Schwefelhaltige additive für elektrochemische oder optoelektronische vorrichtungen | |
EP3332438B1 (de) | Redox-flow-zelle zur speicherung elektrischer energie und deren verwendung | |
Pringle et al. | The effect of anion fluorination in ionic liquids—physical properties of a range of bis (methanesulfonyl) amide salts | |
US9518068B2 (en) | Compounds containing hydrido-tricyano-borate anions | |
CN102015666B (zh) | 反应性离子液体 | |
JP5339542B2 (ja) | イオン液体 | |
JP6371157B2 (ja) | イオン液体、レドックスフロー二次電池用電解液、レドックスフロー二次電池および塩 | |
US11949071B2 (en) | Ionic liquids for solvating cyclic carbonates | |
TW201311709A (zh) | 電解質配方 | |
Terada et al. | Dissociation and diffusion of glyme-sodium bis (trifluoromethanesulfonyl) amide complexes in hydrofluoroether-based electrolytes for sodium batteries | |
Belhocine et al. | Azepanium ionic liquids | |
JP2009107990A (ja) | イオン性化合物および電解液材料 | |
US20210167422A1 (en) | Liquid electrolyte for battery | |
JP2015513172A (ja) | ハロゲン化有機ケイ素電解質、その使用方法及びそれを含有する電気化学装置 | |
JP2005179254A (ja) | 常温溶融塩およびその製造方法 | |
EP2824751A1 (en) | Bisamide-based electrolyte for magnesium battery | |
JP2002260729A (ja) | 非水電解液用電解質 | |
US8859800B2 (en) | Compounds containing alkyl-alkoxy-cyano-borate anions | |
JP2014080388A (ja) | イオン液体 | |
JP2012116802A (ja) | イオン液体及びその製造方法 | |
Piszcz et al. | Optimization of methylalumoxane based composite polymeric electrolytes for lithium battery applications | |
Vallana et al. | Host–Guest Interactions and Transport Mechanism in Poly (vinylidene fluoride)-Based Quasi-Solid Electrolytes for Lithium Metal Batteries | |
JP2018197225A (ja) | 還元剤及びそれを用いたギ酸の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170324 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171109 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171219 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180215 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180302 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180327 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180626 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180712 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6371157 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |