JP4045252B2 - リチウムイオン性液体およびそれを用いた非水電解液 - Google Patents

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本発明は、新規なリチウムイオン性液体に関するものである。
リチウムイオン二次電池用電解質は、非プロトン性極性溶媒(有機溶媒)にリチウム塩を溶解させた電解質溶液が用いられている。これは、用いられているリチウム塩の融点が非常に高く、かつ、リチウム塩自身にイオン伝導性がないためである。また、溶媒として用いる有機溶媒は、揮発しやすく可燃性である。
近年、イオン性液体と呼ばれるカチオンとアニオンのみからなる液体の塩(これを、常温溶融塩とも言う)が、液体でありながら難燃性や難揮発性といった特徴を有することから、特に高温特性に優れた電解質用の溶媒として注目されており、このイオン性液体を用いたリチウムイオン二次電池についての報告がなされている(例えば、特許文献1〜4参照。)。またこのイオン性液体は、リチウム塩を高濃度まで溶解し、かつ、液体状態を保持するという性質を有する。
しかしながら、従来技術のイオン性液体を用いてリチウムイオン二次電池を構成すると、イオン性液体自身がリチウムイオンを含んでいないため、新たにリチウム塩を溶解させなければならない。すると電解液中に生じるイオンは、大部分がイオン性液体由来のカチオンとアニオンで、加えてリチウム塩由来のリチウムカチオンとアニオンが存在するといったように、系中のイオンが複雑になるという問題が起き、リチウムイオンの移動の妨げとなった。
この複雑さを避けるためには、リチウム塩自身をイオン性液体にすれば良いことはわかっていた。にもかかわらず、これまでの報告例からは、カチオンがリチウムイオンのみという観点で見ると、上記特許文献1〜4の発明より以前に、1件だけ提案されている(特許文献5参照。)が、これは2種以上のリチウム塩を混合させて得られるものであり、やはり系中に3種以上のイオンが存在する複雑さがあった。また、室温付近で液体状態となる組成範囲がかなり限られており、かつ、このリチウム塩は結晶化速度を抑制することによって得られる過冷却液体であるため、熱力学的に不安定である。すなわち、経時的に結晶化するといった問題があった。そのため、リチウム塩自身をイオン性液体にする発明に関しては、こうした問題点を解決し得るものが見出されていないため今だ新たな提案がなされていないのが現状である。
特開2002−367675号公報 特開平11−307121号公報 特開平10−92467号公報 特許第2981545号公報 特開平6−119807号公報
そこで、これとは全く異なったアプローチからこの「複雑さ」の課題を達成するための検討を行い、本発明に至った。
即ち、本発明は、こうした「複雑さ」の問題を解決し、室温付近で液体状態となる組成範囲が限定されず、熱力学的に安定であり、経時的に結晶化するといった問題のないリチウム塩自身をイオン性液体とする、新規なリチウムイオン性液体を提供することを目的とする。
本発明は、リチウム塩単独で、リチウムイオン伝導性、高解離性(自己解離性)を有することを特徴とするリチウムイオン性液体により達成される。
本発明のリチウムイオン性液体によれば、リチウム塩単独で、リチウムイオン伝導性、高解離性(自己解離性)を有することを特徴とするので、室温付近で液体状態となる組成範囲が限定されず熱力学的に安定であり、経時的に結晶化するといった問題を解決することができる。その結果、液体でありながら難燃性や難揮発性といった特徴を有し、特に高温特性に優れることから、リチウムイオン二次電池用電解質や電気二重層キャパシタ(コンデンサ)用の電解質、色素増感太陽電池の電解液、等として幅広く利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るリチウムイオン性液体は、リチウム塩単独でリチウムイオン伝導性、高解離性(自己解離性)を有するものである。これにより、溶媒等を用いずに、リチウム塩のみでイオン伝導できる。また液体でありながら難燃性や難揮発性といった特徴を有し、特に高温特性に優れることから、リチウムイオン二次電池用の電解質やキャパシタ(コンデンサ)用の電解液等として幅広く利用することができるものである。更にリチウム塩単独でリチウムイオン性液体となり得るため、従来のように系内に3種以上のイオンが存在する問題を解決でき、また室温付近で液体状態となる組成範囲が限定されず熱力学的に安定であり、経時的に結晶化するといった問題を解決してなる新規なリチウムイオン性液体を提供することができる。
また、本発明に係るリチウムイオン性液体は、リチウム塩が、下記式(1)
Figure 0004045252
(上記式中、中心元素Xは、13族元素のいずれか1種であり、R、R、R及びRは、少なくとも一つの置換基が、電子吸引性基を有する構造を持つものであり、他の少なくとも一つの置換基が、リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つものである。)で表される、リチウムカチオンと4級アニオンからなる構造を持つことを特徴とするものである。本発明では、リチウム塩自身に上記式(1)で表される骨格を有する4級アニオンとリチウムカチオンからなる構造を持たせることにより、従来のように系内に3種以上のイオンが存在する「複雑さ」の問題を解決できる。更に電子吸引性置換基を導入し、電荷を非局在化させることで、リチウムカチオンと4級アニオンとのクーロン相互作用を低減させることができ、リチウム塩自身の融点あるいはガラス転移温度を下げることができる。従ってガラス転移温度または融点(例えば、実施例では−60〜−20℃程度)以上の幅広い温度範囲において結晶化しない、経時的に、熱力学的に安定な液体状態で存在することができ、経時的に結晶化するといった問題を解決することができる。更に、アニオン構造中にリチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイトを導入することにより、リチウム塩自身により高い解離能(自己解離能)を持たせることができ、高い解離度とリチウムイオン伝導性を奏することができる(後述する実施例参照のこと。)。また、幅広い温度範囲で液体でありながら難燃性や難揮発性であるため有害な揮発性物質を出さないため安全性にも優れるといった特徴を有する。そのため、リチウムイオン二次電池用電解質やキャパシタ(コンデンサ)用の電解液等として幅広く利用することができるものである。以下、本発明の新規なリチウムイオン性液体である、上記式(1)で表されるリチウム塩につき説明する。
前記リチウム塩の4級アニオンの中心元素Xは、13族元素のいずれか1種であり、具体的には、B、Al、Ga、InまたはTlのいずれかである。好ましくは入手が容易かつ安価なものである。これらの元素の価格や入手の難易度は、新たな生産地の発見や安価な製造方法の開発等により市場取引価格や入手ルートも変動することから、その時々で最適なものを選択すればよい。
前記リチウム塩の4級アニオンのR、R、R及びRのうち少なくとも1つは、電子吸引性基を有する構造を持つ置換基である。これは、リチウム塩自身の低融点化を目的として、リチウムカチオンと4級アニオンとのクーロン相互作用を低減させるには、該4級アニオンの中心元素Xに対し電子吸引性置換基を導入し、該4級アニオン内の電荷を非局在化させることが有効かつ効果的であることがわかったためである。すなわち、上記電子吸引性基を有する構造を持つ置換基を4級アニオン側に導入することにより、4級アニオン内の電荷を分散させることができる。その結果、リチウム塩自身の融点を下げることができ、室温付近(30℃)はもちろん、実施例に示すガラス転移温度以上の幅広い温度範囲で液体状態を呈する新規なリチウムイオン性液体を提供することができるものである。該電子吸引性基を有する構造を持つ置換基の導入は、後述するように、電子吸引性含フッ素アルコールなどの電子吸引性基を有する化合物を出発原料のLiXH(Xは上記式(1)の中心元素となる13族元素である。)と反応させればよい。
上記電子吸引性基を有する構造を持つ置換基としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、フッ素原子、CF基、多フッ化フェニル基(Ar−)、多フッ化アルコラート基(RfO−)、多フッ化フェノラート基(ArO−)、カルボキラート基(ArCOO−)、スルホナート基(ArSOO−)、これらの官能基を複数個同一芳香族環上に有する置換基、多フッ化アルキル基(R−)、CFCOO−、CFSO−、(CFCHO−、(CFC(C)O−、(CF)(C)CHO−、(CC(CF)O−、(CFCO−、(CF(CH)CO−、(CF)(CHCO−、CFCFCHO−、(CF)(C)(COH)CO−、CO−、(CFSON−、(CFSOC−、CSO−、C17SO−、(CP(=O)O−、(CCHO−、C(SOO)基、(CFCO)N−、(CSON−、(CSO)(CFSO)N−、((CFCHOSON−、(CFCHOSOC−、[(CFSO)C(SOSO)C((CFSO]基、C−、C4−x(x=0、1、4)基、OCCOO基、OCFSOO基、OCC(CFO基、OCC(CFO基、CFCHO−、CCHO−、CO−、FCO−、FO−、FHO−、CO−、CFO−、(CFO−、C−、CHSO−、CSO−、CSO−、(FSO)(CFSO)N−、(C17SO)(CFSO)N−、(CFCHOSON−、(CFCFCHOSON−、(HCFCFCHOSON−、(CF−、(CF )(CF )(R)CY−[ここで、Yは、酸素原子、硫黄原子、NRまたはNR(ここで、R及びRは、それぞれ独立で、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わす。)であり、R及びRは、それぞれ独立で、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基を表わし、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数4〜20のアリール基または炭素数4〜20のハロゲン化アリール基を表わし、aは0〜3、cは0〜3(aまたはcの少なくとも一方は0ではない。)であって、a+b=3、c+d=3である。]、(R10)(R11)(R12)C(R13Z−[ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子、NR14またはNR1415(ここで、R14及びR15は、それぞれ独立で、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わす。)であり、R10、R11及びR12は、それぞれ独立で、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数4〜20のアリール基または炭素数4〜20のハロゲン化アリール基(これらのアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基は、その構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよい。)を表わし、R13は、炭素数1〜10のアルキレン基を表わし、eは0または1である。その構造中にフッ素を含有する。]、C2f+1SO−(ここで、fは1〜8を表す。)、(C2f+1SON−(ここで、fは1〜8を表す。)、(C2f+1SOC−(ここで、fは1〜8を表す。)などが挙げられる。ただし、上記に具体的に例示した置換基の他、上記一般式や多フッ化フェニル基(Ar−)のように上位概念で記載した置換基(群)も区別することなく例示している。そのため上記具体的な置換基が、上記置換基(群)に含まれるケースもあるが、これにより本発明が何ら制限されるべきものではない。また、上記電子吸引性基を有する構造を持つ置換基は、上記C(SOO)基、[(CFSO)C(SOSO)C((CFSO]基、C4−x(x=0、1、4)基、OCCOO基、OCFSOO基、OCC(CFO基、OCC(CFO基、のように2価の基であってもよいが、この場合にはR〜Rのうちの2置換基を指すものとし、これらが中心元素Xに結合しているものとする。好ましくは、CFCOO−、CFSO−、(CFCHO−、(CFC(C)O−、(CFCO−、CO−、(CFSON−及び(CFSOC−よりなる群から選ばれてなるものである。
前記リチウム塩の4級アニオンのR、R、R及びRのうち2以上が上記電子吸引性基を有する構造を持つ置換基である場合には、これら置換基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記リチウム塩の4級アニオンのR、R、R及びRのうち少なくとも1つは、リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基である。上記電子吸引性基を有する構造を持つ置換基との組み合わせにおいて本発明の効果を有効かつ効果的に発現し得るものであるが、特にルイス塩基サイト構造を持つことで、リチウム塩単独で高解離能(自己解離能)を発現させる上で有用である。
上記リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基としては、例えば、エーテル単位、エステル単位、ケトン単位、カーボネート単位から選ばれる少なくとも1種を有する構造を持つ置換基が挙げられ、具体的にはオキシアルキレン単位を有する構造を持つ置換基などが挙げられるがこれらに制限されるべきものではない。ここで、オキシアルキレン単位を有する構造を持つ置換基としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、CH(OCHCHO−(ここで、nは2以上、好ましくは2〜20である。)で表されるオキシエチレン単位を有する構造を持つ置換基、CH[OC(CH)HCHO−(ここで、nは2以上、好ましくは2〜20である。)で表されるオキシプロピレン単位を有する構造を持つ置換基等が挙げられる。
ここで、オキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン単位やオキシプロピレン単位)を有する構造としたのは、当該置換基の導入目的であるリチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つという特性を損なわない範囲内であれば、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを含むなど2種以上のオキシアルキレン単位を含むものであってもよいほか、これらオキシアルキレン単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよいし、オキシアルキレン単位の一部(主に水素原子)が他の置換基(ハロゲン原子など)で置換されたものなどを含んでいてもよいためである。
上記リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基として好ましくは、CH(OCHCHO−(ここで、nは2以上、好ましくは2〜20、より好ましくは4〜20である。)で表されるオキシエチレン単位を有する構造を持つ置換基である。ここで、n=4以上がより好ましいとしたのは、リチウム塩単独でありながら比較的高い活量を有するためである(実施例表1等参照のこと。)。
前記リチウム塩の4級アニオンのR、R、R及びRのうち2以上が上記リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基である場合には、これらの置換基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、本発明に係るリチウムイオン性液体は、30℃で液体状態を呈することを特徴とするものである。これにより、広い温度範囲で使用できる。なお、上記式(1)を有するリチウム塩では、室温近傍の30℃はもちろん、ガラス転移温度(−60〜−20℃程度)以上の幅広い温度範囲で結晶化せず、経時的に、熱力学的に安定である。よって、室温近傍(30℃)で液体状態であれば、電気自動車用主電源やハイブリッド電気自動車用電源、燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車に搭載する補助電源(ブレーキエネルギーの回収、信号停止後の発進時など大パワーが必要な時のアシスト、始動時など燃料電池のパワー不足の時のアシストなどに用いられる。バッテリやキャパシタ等)などへの実用化が図れるなど、幅広い用途において使用温度条件を制約すること無く有効利用できるものである。
また、本発明のリチウムイオン性液体であるリチウム塩の構造確認は、後述する実施例で示すようにH−NMRなどを用いて行うことができる。また、熱力学的特性(例えば、融点やガラス転移温度や結晶化の発熱ピークの有無、ひいては室温付近(30℃)で結晶化せず、経時的に、熱力学的に安定な液体状態を呈することの確認)は、DSC(示差走査熱分析)測定を用いて行うことができる。さらに導電特性(イオン導電率(σ))は、複素インピーダンス測定により求めることができる。更に、他の諸特性として、粘度(η)、密度(ρ)、DSC測定から求めたガラス転移温度(Tg)、パルス磁場勾配NMR(PGSE−NMR)から求めた自己拡散係数(D)を得ることができる。また、インピーダンス測定から求めたモル導電率(Λimp)と自己拡散係数をNernst−Einstein式に導入して求めたモル導電率(Λdiff)との比(Haven Ratio)を算出することにより、イオンが系中でキャリヤーとして伝導に寄与する割合を見積もることができる。
また、本発明に係るリチウムイオン性液体の製造方法としては、特に制限されるべきものではなく、後述する実施例に具体的に説明する方法により製造可能である。例えば、水素化ホウ素リチウム(LiBH)等のLiXH(Xは上記式(1)の中心元素となる13族元素である。)を出発原料として、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran;以下、単にTHFと略記する。)等の溶媒中、約−78℃(ドライアイスや液体窒素などの冷却剤ないしドライアイス/メタノールなどの冷溶媒を使用する)でオリゴ(アルキレングリコール)モノメチルエーテル、電子吸引性(含フッ素)アルコールの順で反応させてリチウムイオン性液体を得ることができる(下記式(2)参照)。なお、約−78℃で反応させるのは、出発物質のLiBH(のTHF溶液)等の反応性が非常に高いために発熱反応が過剰に進行して非常に高温となるおそれがあり危険なためである。よってドライアイス/メタノールの冷溶媒を用いて約−78℃に冷却して、さらにアルコールはゆっくりと滴下しながら加えることで反応の過剰進行を防止するのが望ましい。
Figure 0004045252
本発明のリチウムイオン性液体が塩自身に自己解離性・リチウムイオン伝導性を有することから、このリチウムイオン性液体を非水溶媒に溶解させた非水電解液にすることで、よりこのリチウムイオン性液体の特徴が発揮される。この非水溶媒とは、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸類、エステル類(カーボネート類、ラクトン類など)、ニトリル類、窒素化合物(アミン類、アミド類など)、硫黄化合物などの有機溶媒を指す。
従来の非水電解液では、用いているリチウム塩自身にイオン伝導性がないため、リチウムカチオンに配位し、塩を解離させる能力をもつ非プロトン性極性溶媒が用いられている。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどである。この誘電率の高い非プロトン性極性溶媒は比較的粘度が高いため、非水電解液をより高イオン伝導性・低粘性にする手段として、粘度の低い非プロトン性低極性溶媒を混合させる方法がとられている。例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが用いられている。また、非プロトン性低極性溶媒のみでは、誘電率が低く塩を解離させる能力が低いため、イオン導電率の低下を招く。しかしながら、本発明のリチウムイオン性液体が塩自身に自己解離性・リチウムイオン伝導性を有することから、粘度が低く誘電率も低い非プロトン性低極性溶媒のみを用いた非水電解液でも、より高いイオン伝導性を発現できる。またさらには、誘電率(極性)の大小にかかわらず、かつ、従来の非水電解液に用いられている非水溶媒に限られることはなく、上記に挙げた炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸類、エステル類(カーボネート類、ラクトン類など)、ニトリル類、窒素化合物(アミン類、アミド類など)、硫黄化合物などの様々な非水溶媒を選ぶことができる。これらは、低極性溶媒または無極性溶媒であっても良い。非水溶媒の例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジオキサン、四塩化炭素、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロホルム、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルエーテル、アセトン、アセトニトリル、ピリジン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどがあげられるが、これらに限られたものではない。また、上記非水溶媒はポリマーであっても良く、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー、メタクリル酸エステルポリマー、ポリアクリロニトリルなどの従来のものに加え、ポリマー自身には塩を解離させる能力がないポリシロキサンなども単独で用いることができる。
また、本発明の非水電解液に用いられる非水溶媒は、「難燃性溶媒、または、不燃性溶媒」であることが望ましい。または、本発明の非水電解液に用いられる非水溶媒は、「難揮発性溶媒、または、不揮発性溶媒」であることが望ましい。非水電解液として用いる非水溶媒が、「難燃性溶媒、または、不燃性溶媒」または、「難揮発性溶媒、または、不揮発性溶媒」であることにより、高温特性に優れた非水電解液を提供できるからである。ここで、本発明のリチウムイオン性液体が塩自身に自己解離性・リチウムイオン伝導性を有することから、上記に述べたように誘電率(極性)の大小にかかわらず、様々な非水溶媒を用いることができる。従来技術として例えば、「難燃性溶媒、または、不燃性溶媒」として含フッ素有機溶媒(フッ素を含有するカーボネート類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン酸類など)や、リン酸エステル類、ホウ酸エステル類などを用いたものが挙げられるが、これらはリチウム塩を解離させる能力が低く、イオン伝導性が低くなってしまうために単独で用いることができない。しかしながら、本発明のリチウムイオン性液体が塩自身に自己解離性・リチウムイオン伝導性を有することから、上記のような非水溶媒に加え、それ以外にも様々な「難燃性溶媒、または、不燃性溶媒」を用いることができる。これは、非水溶媒の誘電率(極性)に影響されない。例えば、CHOCOOCHCF、CHOCOOCHCFCF、CHOCOOCH(CF、(CFCHOCH、COCH、COC、CFCFHCFOCH、CFCOOC、CCOOCH、CCOOCH、CHFCNなどが挙げられるが、それ以外に、四塩化炭素のような無極性溶媒も用いることができる。もちろんこれに限られたものではない。同様に、「難揮発性溶媒、または、不揮発性溶媒」として、例えば、ポリシロキサンなどが挙げられるが、これに限られたものではない。
本発明の非水電解液として、本発明のリチウムイオン性液体を上記難燃性溶媒または不燃性溶媒に溶解して用いる場合、リチウムイオン性液体と難燃性溶媒または不燃性溶媒との好適な配合比率は、難燃性溶媒の種類によって異なる(後述する実施例の図22〜24等参照のこと)。例えば、上記難燃性溶媒または不燃性溶媒として耐熱性および耐酸化性などに優れているフッ素含有の難燃性フッ素化溶媒の1種であるメチルフルオロプロピオン酸メチル(CCOOCH;MFP)の場合には、リチウムイオン性液体とMFPのモル比が特に80:20〜95:5の範囲内でイオン導電率が極大値を示すことから、当該範囲が好適な配合比率であると言える。また、上記難燃性溶媒または不燃性溶媒として難燃性フッ素化溶媒の1種であるエチルフルオロブチルエーテル(COC;EFBE)の場合には、リチウムイオン性液体とMFPのモル比が特に60:40〜95:5の範囲内でイオン導電率が極大値を示すことから、当該範囲が好適な配合比率であると言える。ただし、本発明の非水電解液では、上記に例示した難燃性フッ素化溶媒に制限されるものではなく、また上記配合比率の範囲内に制限されるものでもない。
また、本発明の非水電解液では、イオン(リチウムイオン、アニオン)と溶媒が独立に移動していることから、この系のイオン伝導機構は、溶媒の寄与する影響が小さいことがいえる。すなわち、従来では、イオン導電率の低下を招いていた上記難燃性溶媒または不燃性溶媒を単独で用いても、本系では高イオン導電率を示す非水電解液を得ることができ、耐熱特性の良い高出力リチウムイオン二次電池を構成することができる(後述する実施例の図25では、難燃性フッ素化溶媒を用いた例を示した)。
また、本発明の非水電解液を高出力リチウムイオン二次電池の非水溶媒として用いる場合、電池の内部抵抗を小さくし、かつ、ある程度長い時間電流を流すことが要求される。このうち内部抵抗を小さくする点については「高イオン導電率」がより関係してくる。また、長い時間電流を流すには、リチウムイオンの供給が十分に必要であるため、電解質中に多くのリチウムイオンが必要、すなわち、「高解離度」であることも必要になる。よって、高出力特性を得るには、上記2つの要件を共に重要であることから、両者の最適化が図れるように、本発明のリチウムイオン性液体の濃度を適宜調整するのが望ましいと言える(後術する実施例の図22〜26参照のこと。)。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
実施例1
(1)リチウムイオン性液体の合成と同定
−78℃に冷却したLiBH(0.037mol)のTHF溶液にLiBHの2倍モル量のオリゴ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(oligo(ethylene glycol)monomethyl ether;CH(OCHCHOH(n=3、4、7.2))(0.074mol)を窒素雰囲気で40〜50分かけてゆっくり滴下し、その後室温まで温度を上げ、約8時間反応させた。そしてこの溶液を、−78℃に冷却したLiBHの2倍モル量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(1,1,1,3,3,3−Hexafluoro−2−propanol;HO−CH(CF)またはペンタフルオロフェノール(pentafluorophenol;COH)またはトリフルオロ酢酸(Trifluoroaceticacid;CFCOOH)(0.074mol)のTHF溶液に40〜50分かけてゆっくり滴下し、その後室温まで温度を上げ、約8時間反応させた。最後にTHFを留去し、真空乾燥させることで無色透明な粘性液体である9種類のリチウムイオン性液体をそれぞれ得た。これらのリチウムイオン性液体の製造過程を下記式(3)に示す。
Figure 0004045252
得られた9種類のリチウムイオン性液体の構造の確認は、H−NMR(溶媒:CDCl)および11B−NMRにより行った。9種類いずれにおいても、原料であるアルコールの水酸基のピークが消えており、かつ、生成物のプロトン比が一致していることから、目的物の合成を確認できた。H−NMRの結果を図1〜9に示す。また11B−NMRがシャープな1本のピークであることからも混合物ではない単一の目的物であることを確認できた。また、構造確認された9種類のリチウムイオン性液体(1)〜(9)の構造を下記式(4)〜(12)に示す。
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
Figure 0004045252
なお、図表等においては、上記リチウムイオン性液体(1)〜(3)をそれぞれHFIP(n=3、4または7.2)とし、リチウムイオン性液体(4)〜(6)をそれぞれPFP(n=3、4または7.2)とし、リチウムイオン性液体(7)〜(9)をそれぞれTFA(n=3、4または7.2)とも表記する。
(2)リチウムイオン性液体の熱力学的性質
得られた9種類のリチウムイオン性液体(1)〜(9)の熱分析を、DSC(differential scanning calorimetry;示差走査熱分析)測定により行った。9種類いずれにおいても融点は見られず、それぞれ単一のガラス転移温度(Tg)のみを示した。すなわち、ガラス転移温度以上の温度範囲において、結晶化の発熱ピークが全く見られないことから、室温付近(30℃)はもちろん、ガラス転移温度以上の幅広い温度範囲において結晶化しない、経時的に、熱力学的に安定な液体状態で存在するリチウムイオン性液体であることが明らかとなった。DSC測定の結果を図10〜18に示す。
(3)リチウムイオン性液体のイオン導電率
得られた9種類のリチウムイオン性液体(1)〜(9)のイオン導電率(σ)を、複素インピーダンス測定により求めた。9種類いずれにおいても、測定温度範囲100℃〜0℃のすべてにおいて結晶化せずイオン導電率を示し、30℃では10−5〜10−4Scm−1を示した。複素インピーダンス測定により求めたリチウムイオン性液体(1)〜(3)のイオン導電率を図19に、リチウムイオン性液体(4)〜(6)のイオン導電率を図20に、リチウムイオン性液体(7)〜(9)のイオン導電率を図21に示す。
(4)リチウムイオン性液体のその他の諸特性
得られた9種類のリチウムイオン性液体(1)〜(9)の30℃における諸特性を下記表1に示す。リチウムイオン性液体(1)〜(9)のいずれにおいても、構造中のエーテル繰り返し単位(オキシエチレン単位)nが増加するにつれ、密度(ρ)、モル濃度、粘度(η)、ガラス転移温度(Tg)は減少する傾向が見られた。また、イオン導電率(σ)はおよそ10−5〜10−4Scm−1、パルス磁場勾配NMR(PGSE−NMR)から求めた自己拡散係数Dはリチウム(Dlithium)、アニオン(Danion)共におよそ10−8cm−1であった。ここで、インピーダンス測定から得られたモル導電率(Λimp)と、自己拡散係数をNernst−Einstein式に導入して求めたモル導電率(Λdiff)との比(すなわちHaven Ratio)を算出することにより、イオンが系中でキャリヤーとして伝導に寄与する割合を見積もることができる。nが増加するにつれこの値が大きくなっていることから、構造中のエーテル鎖長(オキシエチレン単位)が長くなると、リチウム塩単独でありながら自己解離能が増大していくことが明らかとなった。
Figure 0004045252
なお、上記リチウムイオン性液体(3)、(6)及び(9)の繰り返し単位(オキシエチレン単位)nは、異なる繰り返し単位(オキシエチレン単位)を有する複数のリチウム塩を持つため、これらリチウム塩の繰り返し単位(オキシエチレン単位)の平均値を示す。これは、原料のCH(OCHCHOHのnに由来するものであり、原料として異なる繰り返し単位(n=6、7、8の3種で、平均値が7.2のもの)を持つものを用いることで、得られるリチウム塩も異なる繰り返し単位nを持つ複数のリチウム塩が得られるものである。
(5)リチウムイオン性液体を難燃性フッ素化溶媒に溶解した非水電解液の特性
得られたリチウムイオン性液体(1)を、難燃性かつ低粘性であるメチルフルオロプロピオン酸メチル(MFP)およびエチルフルオロブチルエーテル(EFBE)に溶解させ非水電解液を得た。図22は、リチウムイオン性液体(1)とMFPの混合比(モル比)を変化させた場合におけるイオン導電率と粘性率の変化を示し、同様に、図23は、リチウムイオン性液体(1)とEFBEの混合比(モル比)を変化させた場合におけるイオン導電率と粘性率の変化を示したものである。■がイオン導電率、○が粘性率である。両者ともに粘性率、濃度が減少するとともにイオン導電率の増加が見られ、これらは異なる組成でイオン導電率の極大値を示した。MFPの系では、リチウムイオン性液体(1)とMFPの混合比(モル比)が10:90においてイオン導電率6×10−4Scm−1で粘性率は6mPasであり、EFBEの系では、リチウムイオン性液体(1)とEFBEの混合比(モル比)が25:75においてイオン導電率2.5×10−4Scm−1で粘性率は20mPasであった。これらのイオン導電率の値はリチウムイオン性液体バルク(単独)のときに比べて約一桁増加した。
また図24は、種々のリチウムイオン性液体(1)、(3)、(4)、(6)、(7)、(9)をMFPに溶解させた非水電解液のイオン導電率をモル比に対してプロットしたものである。リチウムイオン性液体とMFPの混合比(モル比)が、いずれも、希釈度の高い10:90付近の組成においてイオン導電率の極大値を示した。
図25は、リチウムイオン性液体(1)とMFPからなる非水電解液について、リチウムイオン、アニオン、溶媒の自己拡散係数と粘性率の関係を、ワルデンプロットしたものである。リチウムイオンとアニオンの拡散係数はほぼ等しく、これらイオンと溶媒の直線の傾きは異なった。すなわち、イオンと溶媒は独立に移動していることが明らかとなった。
図26は、リチウムイオン性液体(1)およびリチウムイオン性液体(3)とMFPからなる非水電解液について、解離度とモル濃度の関係を示したものである。リチウムイオン性液体(1)の系では、解離度のモル濃度依存性はほとんど見られないが、リチウムイオン性液体(3)の系では、モル濃度減少とともに解離度の減少が見られた。
実施例1で得られたリチウムイオン性液体(1)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(2)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(3)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(4)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(5)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(6)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(7)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(8)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(9)のH−NMR測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(1)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(2)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(3)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(4)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(5)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(6)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(7)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(8)のDSC測定の結果を表す図面である。 実施例1で得られたリチウムイオン性液体(9)のDSC測定の結果を表す図面である。 複素インピーダンス測定により求めたリチウムイオン性液体(1)〜(3)のイオン導電率を表す図面である。 複素インピーダンス測定により求めたリチウムイオン性液体(4)〜(6)のイオン導電率を表す図面である。 複素インピーダンス測定により求めたリチウムイオン性液体(7)〜(9)のイオン導電率を表す図面である。 リチウムイオン性液体(1)とMFPの混合比(モル比)を変化させた場合におけるイオン導電率と粘性率の変化を示した図面である。 リチウムイオン性液体(1)とEFBEの混合比(モル比)を変化させた場合におけるイオン導電率と粘性率の変化を示した図面である。 リチウムイオン性液体(1)、(3)、(4)、(6)、(7)、(9)をMFPに溶解させた非水電解液のイオン導電率をモル比に対してプロットした図面である。 リチウムイオン性液体(1)とMFPからなる非水電解液について、リチウムイオン、アニオン、溶媒の自己拡散係数と粘性率の関係を、ワルデンプロットした図面である。 リチウムイオン性液体(1)およびリチウムイオン性液体(3)とMFPからなる非水電解液について、解離度とモル濃度の関係を示した図面である。

Claims (6)

  1. リチウム塩単独で、リチウムイオン伝導性、高解離性(自己解離性)を有することを特徴とするリチウムイオン性液体であって、
    リチウム塩が、下記式(1)
    Figure 0004045252
    (上記式中、中心元素Xは、Bであり、R 、R 、R 及びR は、少なくとも一つの置換基が、電子吸引性基を有する構造を持つものであり、他の少なくとも一つの置換基が、リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つものである。)で表される、リチウムカチオンと4級アニオンからなる構造を持つことを特徴とするリチウムイオン性液体。
  2. 前記電子吸引性基を有する構造をもつ置換基が、CFCOO−、CFSO−、(CFCHO−、(CFC(C)O−、(CFCO−、CO−、(CFSON−及び(CFSOC−よりなる群から選ばれてなるものであることを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン性液体。
  3. 前記リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基が、エーテル単位、エステル単位、ケトン単位、カーボネート単位から選ばれる少なくとも1種を有する構造を持つ置換基であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン性液体。
  4. リチウムカチオンが配位できるようなルイス塩基サイト構造を持つ置換基が、CH(OCHCHO−(nは2〜20である)で表されるオキシエチレン単位を有する構造を持つ置換基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン性液体。
  5. 30℃で液体状態を呈することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン性液体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン性液体を非水溶媒に溶解した非水電解液。
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