JP4710236B2 - 電解質組成物およびリチウム二次電池 - Google Patents

電解質組成物およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池等の電解質として好適な電解質組成物に関する。また本発明は、かかる電解質組成物を用いて構築されたリチウム二次電池に関する。
リチウムイオン電池等の構成要素として、常温で液状の塩(常温溶融塩、イオン性液体等と称される。)を主体とする電解質組成物(常温溶融塩電解質)を用いることが提案されている。常温溶融塩としては、イミダゾリウム系、アンモニウム系、ピリジニウム系等のカチオンを有するものが一般的である。アンモニウム系の常温溶融塩に関する従来技術文献として下記特許文献2〜4が挙げられる。
一方、特許文献1には、オリゴエーテル基および電子求引性基をもつアルミネート構造を有するリチウム塩が記載されている。そのようなリチウム塩は、室温において単独で(例えば、非水溶剤を混合することなく)良好なイオン導電率およびリチウムイオン輸率を示す。また、常温において液状の塩、すなわちLiをカチオンとする常温溶融塩(以下、「リチウム溶融塩」ということもある。)であり得る。
特開2003−146941号公報 特開平8−245493号公報 特開平8−245828号公報 特開平10−168028号公報
本発明の一つの目的は、オリゴエーテル基をもつリチウム塩を利用して、広い温度域において良好な特性(例えば、イオン導電率、リチウムイオン輸率等のうち一または二以上の特性)を示す電解質組成物を提供することである。本発明の他の目的は、オリゴエーテル基をもつリチウム塩を利用して、より良好な特性を示す電解質組成物を提供することである。本発明のさらに他の目的は、そのような電解質組成物を備えるリチウム二次電池を提供することである。関連する他の目的は、広い温度域において良好な特性(イオン導電率、リチウムイオン輸率等)を示すイオン伝導材料を提供することである。
本発明により提供される一つのリチウム二次電池用電解質組成物は、一般式(1):LiMX(OY)4−nで表されるリチウム塩を含有する。ここで、nは1〜3であり、MはAlまたはBであり、Xは電子求引性基であり、Yはオリゴエーテル基である。この組成物は、さらにオリゴエーテル基をもたないリチウム塩(例えば、LiN(SOCF)を含有する。
一般式(1)で表されるリチウム塩(以下、「リチウム塩(I)」と表記することもある。)は、常温(室温)において良好なイオン導電性およびリチウムイオン輸率を示す。上記電解質組成物は、該リチウム塩(I)に加えて、オリゴエーテル基をもたないリチウム塩(以下、「リチウム塩(II)」と表記することもある。)を含有することから、より広い温度域において良好な特性(例えば、イオン導電率、リチウムイオン輸率、電極との界面抵抗等のうち少なくとも一つの特性)を示すものとなり得る。特に、低温域(例えば0℃以下)における特性が改善されたものとなり得る。
ここで開示されるリチウム二次電池用電解質組成物では、オリゴエーテル基をもたないリチウム塩(リチウム塩(II))が、LiClO,LiBF,LiPF,LiB(OCOCF,LiB(OC,LiCFSO,LiN(SOCFおよびLiN(SOから選択される少なくとも一種である。
本発明により提供される他の一つのリチウム二次電池用電解質組成物は、一般式(1):LiMX(OY)4−nで表されるリチウム塩のうちいずれか二種以上を含有する。ここで、nは1〜3であり、MはAlまたはBであり、Xは電子求引性基であり、Yはオリゴエーテル基である。
かかる電解質組成物は、上記一般式(1)で表されるリチウム塩(リチウム塩(I))の二種以上を含有することから、一種類のリチウム塩(I)のみを含有する組成に比べて、より良好な特性(例えば、イオン導電率、リチウムイオン輸率、電極との界面抵抗等のうち少なくとも一つの特性)を示すものとなり得る。例えば、広い温度域においてより良好な(改善された)特性を示し得る。特に、常温以上の温度域において改善された特性を示すとともに、低温域ではより顕著に改善された特性を示すものとなり得る。
ここで開示される電解質組成物の好ましい態様では、上記二種以上のリチウム塩が、MおよびXの少なくとも一方が相互に異なるリチウム塩である。このような電解質組成物は、特に良好な特性(例えばイオン導電率)を示すものとなり得る。他の好ましい態様では、前記二種以上のリチウム塩が、Yおよびnの少なくとも一方が相互に異なるリチウム塩である。
上述したいずれかの電解質組成物において、一般式(1)におけるXの好適例としては、N(SOCF,N(SO,OCOCF,OCおよびOB(OY)(ここで、Yはオリゴエーテル基である。)が挙げられる。また、一般式(1)におけるYの好適例としては、一般式(2):(R−O)m−Rで表されるオリゴアルキレンオキシド基が挙げられる。ここで、mは1〜20であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基である。また、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基である。
本発明によると、さらに、上述したいずれかのリチウム二次電池用電解質組成物を用いて構築されているリチウム電池が提供される。かかるリチウム電池は、良好な特性を示す電解質組成物を備えることから、電池性能(例えば充放電特性)に優れたものとなり得る。例えば、より広い温度範囲で良好な電池性能を示すものとなり得る。あるいは、より良好な(改善された)電池性能を示すものとなり得る。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される電解質組成物は、一般式(1):LiMX(OY)4−nで表されるリチウム塩を含有する。この一般式(1)におけるnは0<n<4であり得る。典型的にはnが1〜3である。ここで開示される電解質組成物は、一般式(1)で表されるリチウム塩のうち、nが2であるリチウム塩を含有することが特に好ましい。一般式(1)におけるMは13族元素であって、典型的にはAlまたはBである。
一般式(1)におけるXは電子求引性基であり、例えばRCO,RSO,(RSONで表される基であり得る。ここで、Rはアルキル基(例えば、炭素数1〜8のアルキル基)、フェニル基、またはそれらの基における水素(H)の一部または全部をフッ素(F)で置換したものに相当する基(パーフルオロアルキル基、ペンタフルオロフェニル基等)である。また、Xはペンタフルオロフェノキシ基、F、シアノ基(CN)等であり得る。これらのうち、XがRCO,RSO,(RSONで表される基であって、Rがアルキル基またはパーフルオロアルキル基であるものが好ましい。また、好ましいXの他の例としてFOおよび(OY)BOが挙げられる。ここで、Yはオリゴエーテル基であり、好ましくは一般式:(R−O)m−Rで表されるオリゴアルキレンオキシド基である。この一般式におけるmは1〜20(好ましくは3〜12、より好ましくは5〜9)であり、Rは炭素数1〜8(好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3、特に好ましくは2)のアルキレン基である。また、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基(例えばベンジル基)であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。好ましいXの具体例としては、(CFSON,(CSON,CFCO,FOおよび(OY)BOが挙げられる。
一般式(1)で表されるリチウム塩は、nの数に応じて1〜3個のXを有し得る。nが1よりも大きい場合、このリチウム塩は中心元素(M)上に同種のXを複数有してもよく、一つの中心元素上に異なる種類の(二種以上の)Xを有してもよい。
一般式(1)におけるYはオリゴエーテル基である。例えば、分子量が凡そ100〜550程度(より好ましくは200〜400)のオリゴエーテル基であることが好ましい。Yの好適例としては、一般式(2):(R−O)m−Rで表されるオリゴアルキレンオキシド基が挙げられる。ここで、mは1〜20であり、好ましくは3〜12、より好ましくは5〜9である。また、Rは炭素数1〜8、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。Rがエチレン基(すなわち、Yがエチレンオキシド)であることが特に好ましい。また、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基(例えばベンジル基)である。Rが炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル基)であることが特に好ましい。
一般式(1)で表されるリチウム塩は、nの数に応じて1〜3個のYを有し得る。一般式(1)におけるnが1よりも大きい場合、このリチウム塩は中心元素(M)上に同種のYを複数有してもよく、一つの中心元素上に異なる種類の(二種以上の)Yを有してもよい。例えば、一般式(1)におけるnが2であり、一般式(2)におけるm、RおよびRのうち少なくともいずれかが異なる二種類のYを一つの中心元素上に有するリチウム塩であってもよい。
ここで開示される一つの電解質組成物は、一般式(1)で表されるリチウム塩とともに、それ以外の(すなわち、リチウム塩(I)以外の)リチウム塩を含有する。かかるリチウム塩の典型例は、オリゴエーテル基をもたないことによって特徴づけられるリチウム塩、すなわち上記リチウム塩(II)である。このリチウム塩(II)は、典型的には高解離性のリチウム塩であって、各種の有機酸のリチウム塩および無機酸のリチウム塩から選択される一種または二種以上であり得る。リチウム塩(II)として選択し得る化合物の具体例としては、LiOCOCF,LiCFSO,LiCSO,LiN(SOCF(「LiTFSI」と表記されることもある。),LiN(SO(「LiBETI」と表記されることもある。),LiC(CFSO,LiOCOC,LiClO,LiBF,LiPF,LiAsF,LiSCN等が挙げられる。これらのうち、LiClO,LiBF,LiPF,LiCFSO,LiN(SOCFおよびLiN(SOから選択される一種または二種以上のリチウム塩を好ましく用いることができる。特に好ましいものは、LiCFSO,LiN(SOCFおよびLiN(SOから選択される一種または二種以上のリチウム塩である。
また、ここで開示される電解質組成物に含有されるリチウム塩(一般式(1)で表されるリチウム塩とそれ以外のリチウム塩)の好ましい組み合わせとして、一般式(1)のリチウム塩と該リチウム塩よりも構成原子数の少ないアニオンのリチウム塩との組み合わせ、一般式(1)のリチウム塩と該リチウム塩よりも分子量の小さいアニオンのリチウム塩との組み合わせ等を例示することができる。
ここで開示される電解質組成物は、一般式(1)で表されるリチウム塩(すなわちリチウム塩(I))と、それ以外のリチウム塩(例えばリチウム塩(II)、二種以上を含有する場合にはそれらの合計)とを、例えば凡そ99:1〜30:70の範囲のモル比で含有することができる。より好ましい含有比(モル比)は凡そ95:5〜50:50の範囲であり、さらに好ましい範囲は凡そ90:10〜60:40である。また、ここで開示される電解質組成物は、二種以上のリチウム塩(I)と、それ以外のリチウム塩(例えばリチウム塩(II))の一種または二種以上とを含有する組成であり得る。この場合には、二種以上のリチウム塩(I)の合計量とそれ以外のリチウム塩との含有比(モル比)が上記範囲にあることが好ましい。
ここで開示される他の一つの電解質組成物は、一般式(1):LiMX(OY)4−nで表されるリチウム塩のうちのいずれか二種以上を含有する。すなわち、この組成物は二種以上のリチウム塩(I)を含有する。リチウム塩(I)の種類を相互に異ならせる要素(相違点)としては、M(中心元素)の種類、X(電子求引性基)の種類、Y(オリゴエーテル基)の種類、nの数等が例示される。Yの種類の違いは、オリゴエーテルを構成する繰り返し単位の種類および/または繰り返し数(重合度。ただし、平均重合度として観念される場合を含む。)によって生じ得る。これらのうち一つの要素のみが異なっていてもよく、二以上の要素が異なっていてもよい。ここで開示される電解質組成物の好適例としては、Mおよび/またはXが相互に異なる二種以上のリチウム塩(I)を含む組成物が挙げられる。また、Yおよび/またはnが相互に異なる二種以上のリチウム塩(I)を含む組成物であってもよい。
好ましい態様では、二種以上のリチウム塩(I)を含む電解質組成物が、それらのリチウム塩(I)の合計量に対して、少なくとも二種のリチウム塩(I)をいずれも5モル%以上(より好ましくは10モル%、さらに好ましくは20モル%)の割合で含む。二種のリチウム塩(I)を含む電解質組成物の場合には、それらのリチウム塩(I)を、モル比が凡そ5:95〜95:5(より好ましくは凡そ10:90〜90:10、さらに好ましくは凡そ20:80〜80:20)となる範囲で含有することが好ましい。また、MおよびXの少なくとも一方が異なる二種のリチウム塩(I)を、モル比が凡そ10:90〜90:10(より好ましくは凡そ20:80〜80:20、さらに好ましくは凡そ30:70〜70:30)となる範囲で含有する態様が好ましい。
ここで開示される電解質組成物の好ましい態様では、該組成物が、常温(例えば25℃)で液状のリチウム塩(リチウム塩)の少なくとも一種を含有するリチウム溶融塩電解質である。例えば、常温で液状のリチウム塩(I)の少なくとも一種と、常温で固体状のリチウム塩(II)とを含有する電解質組成物が好ましい。二種以上のリチウム塩(I)を含む組成においては、それらのリチウム塩(I)のうち少なくとも一種が常温で液状であることが好ましく、それらのリチウム(I)のいずれもが常温で液状であることがより好ましい。そのような電解質組成物は、イオン導電率および/またはリチウムイオン輸率の高いものとなり得る。また、電解質組成物の製造(調製)が容易である。なお、ここで開示される電解質組成物は、各リチウム塩を常温で、あるいは必要に応じて加熱下で(例えば40〜80℃程度で)混合することにより調製することができる。
また、ここで開示される電解質組成物の好ましい態様では、該組成物が、リチウム塩以外の材料(例えば非水溶剤)を実質的に含有しない状態で、常温において液状である。そのような電解質組成物は、イオン導電率および/またはリチウムイオン輸率の高いものとなり得る。例えば、常温で液状のリチウム塩(I)(リチウム溶融塩)と、常温で固体状のリチウム塩(II)とを含有し、それらの混合物が常温で液状である電解質組成物が好ましい。なお、常温で固体状のリチウム塩(I)であっても、リチウム塩(II)と混合することにより常温で液状の電解質組成物を構成すればよい。あるいは、二種以上のリチウム塩(I)を含有する組成物であって、それらのリチウム塩(I)のうち一種以上が常温で固体状であり、他の一種以上が常温で液状であって、全体として常温で液状となる電解質組成物であってもよい。
上述したいずれかの電解質組成物は、リチウム塩(I)およびリチウム塩(II)のみから実質的に構成された組成とすることが可能である。また、二種以上のリチウム塩(I)のみから実質的に構成された組成とすることが可能である。このような組成であって、常温で液状の電解質組成物とすることができる。
上述したいずれかの電解質組成物は、リチウム電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)等の構成要素として好適に用いることができる。例えば、上述したいずれかの電解質組成物をそのまま(単独で、すなわち実質的にリチウム塩のみを含有する状態で)、リチウム二次電池等の電解質として使用することができる。また、該電解質組成物を例えば非水溶剤と混合したものをリチウム二次電池等の電解質として使用してもよい。非水溶剤としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の一種または二種以上を用いることができる。あるいは、リチウム溶融塩以外の常温溶融塩(例えば、イミダゾリウム系、アンモニウム系、ピリジニウム系等)と混合して使用してもよい。
さらに、ここで開示される電解質組成物は、例えばポリエチレンオキシド(PEO)、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(EO−PO)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)等の支持体とともに成形(成膜)することにより、固体電解質として利用することも可能である。
そのようなリチウム二次電池を構成する正極としては、正極集電体に正極活物質を付着させたものを用いることができる。正極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、チタン等を主体とする棒状体、板状体、箔状体等を使用することができる。あるいは、カーボンペーパー等を用いてもよい。正極活物質としては、一般的なリチウム二次電池に用いられる層状構造の酸化物系正極活物質、スピネル構造の酸化物系正極活物質等を用いることができる。例えば、リチウムコバルト系複合酸化物(典型的にはLiCoO)、リチウムニッケル系複合酸化物(典型的にはLiNiO)、リチウムマンガン系複合酸化物(LiMn)等を主成分とする正極活物質を用いることができる。このような正極活物質を、必要に応じて導電材、結着剤(バインダ)等とともに正極合材として正極集電体に付着させた形態の正極とすることができる。導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)等を用いることができる。特に限定するものではないが、正極活物質100質量部に対する導電材の使用量は、例えば1〜15質量部の範囲とすることができる。また、正極活物質100質量部に対する結着剤の使用量は、例えば約1〜10質量部の範囲とすることができる。
また、負極としては、負極集電体に負極活物質を付着させたものを用いることができる。負極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、チタン等を主体とする棒状体、板状体、箔状体等を使用することができる。あるいは、カーボンペーパー等を用いてもよい。負極活物質としては、アモルファス構造および/またはグラファイト構造の炭素材料を用いることができる。例えば、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を負極活物質として用いることができる。また、負極活物質としてSi,Sn等を用いてもよい。負極活物質としてチタン酸リチウム(例えばLiTi12)を用いてもよい。このような負極活物質を、必要に応じて結着剤(バインダ)等とともに負極合材として負極集電体に付着させた形態の負極とすることができる。結着剤としては、正極と同様のもの等を使用することができる。負極の他の構造として、Li(金属)箔、Si蒸着膜、Snメッキ箔等を採用することも可能である。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムを用いることができる。また、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布を用いてもよい。
上述したいずれかの電解質組成物を用いて構築されたリチウム二次電池は、例えば−30℃以上(典型的には、−30℃〜100℃)の温度域で好適に使用し得る。特に、常温以下(さらには0℃以下)の温度範囲において改善された特性(イオン導電率、リチウムイオン輸率等)を示すリチウムイオン二次電池となり得る。
以下、本発明に関する実験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
まず、以下の実施例において使用したリチウム塩について説明する。
<Al−Salt A>
リチウム塩(I)の一例として、下記式(A)で表されるリチウム塩を使用した。
LiAl(OY)(OCOCF ・・・(A)
[ここで、Y=CH(OCHCH、m=7.2である。]
上記式(A)で表されるリチウム塩は、一般式(1)におけるnが2であり、MがAlであり、XがOCOCFであり、Yがオリゴエチレンオキシド基である化合物に相当する。このYは、一般式(2)におけるRがエチレン基であり、Rがメチル基であり、m(平均重合度)が7.2であるオリゴエーテル基である。式(A)で表されるリチウム塩は、常温(25℃)で高粘性の液状を呈するリチウム溶融塩(常温溶融塩)である。このリチウム塩は、例えば上記特許文献1(特開2003−146941号公報)に記載された方法によって合成することができる。以下、式(A)で表されるリチウム溶融塩を「Al−Salt A(7.2)」と表記することがある。あるいは、単に「Al−Salt A」と表記することもある。
<B−Salt A>
リチウム塩(I)の他の例として、下記式(B)で表されるリチウム塩を使用した。
LiB(OY)(OCOCF ・・・(B)
[ここで、Y=CH(OCHCH、m=7.2である。]
上記式(B)で表されるリチウム塩は、一般式(1)におけるnが2であり、MがBであり、XがOCOCFであり、Yがオリゴエチレンオキシド基である化合物に相当する。このYは、一般式(2)におけるRがエチレン基であり、Rがメチル基であり、m(平均重合度)が7.2であるオリゴエーテル基である。式(B)で表されるリチウム塩は、常温(25℃)で高粘性の液状を呈するリチウム溶融塩(常温溶融塩)である。このリチウム塩は、例えば上記特許文献1(特開2003−146941号公報)に記載された方法に準じて、LiAlHの代わりにLiBHを用いて合成することができる。以下、式(B)で表されるリチウム溶融塩を「B−Salt A(7.2)」と表記することがある。あるいは、単に「B−Salt A」と表記することもある。
<Al−Salt C>
リチウム塩(I)のさらに他の例として、下記式(C)で表されるリチウム塩を使用した。
LiAl(OY)(N(SOCF ・・・(C)
[ここで、Y=CH(OCHCH、m=7.2または11.8である。]
上記式(C)で表されるリチウム塩は、一般式(1)におけるnが2であり、MがAlであり、XがN(SOCFであり、Yがオリゴエチレンオキシド基である化合物に相当する。このYは、一般式(2)におけるRがエチレン基であり、Rがメチル基であり、m(平均重合度)が7.2または11.8であるオリゴエーテル基である。式(C)で表されるリチウム塩は、常温(25℃)で高粘性の液状を呈するリチウム溶融塩(常温溶融塩)である。このリチウム塩は、例えば上記特許文献1(特開2003−146941号公報)に記載された方法によって合成することができる。以下、式(C)で表されるリチウム溶融塩を、オリゴエチレンオキシド基の平均重合度に応じてそれぞれ「Al−Salt C(7.2)」および「Al−Salt C(11.8)」と表記することがある。あるいは、それらをまとめて「Al−Salt C」と表記することもある。
<B−Salt B>
リチウム塩(I)のさらに他の例として、下記式(D)で表されるリチウム塩を使用した。
LiB(OY)(OC ・・・(D)
[ここで、Y=CH(OCHCH、m=3,7.2または11.8である。]
上記式(D)で表されるリチウム塩は、一般式(1)におけるnが2であり、MがBであり、XがOCであり、Yがオリゴエチレンオキシド基である化合物に相当する。このYは、一般式(2)におけるRがエチレン基であり、Rがメチル基であり、m(平均重合度)が3または7.2または11.8であるオリゴエーテル基である。式(D)で表されるリチウム塩は、常温(25℃)で高粘性の液状を呈するリチウム溶融塩(常温溶融塩)である。このリチウム塩は、例えば上記特許文献1(特開2003−146941号公報)に記載された方法に準じて合成することができる。以下、式(D)で表されるリチウム溶融塩を、オリゴエチレンオキシド基の平均重合度に応じてそれぞれ「B−Salt B(3)」、「B−Salt B(7.2)」、および「B−Salt B(11.8)」と表記することがある。あるいは、それらをまとめて「B−Salt B」と表記することもある。
<LiTFSI>
オリゴエーテル基をもたないリチウム塩(リチウム塩(II))の一例として、LiN(SOCF、すなわちリチウムビス(トリフロロメチルスルホニル)イミドを使用した。このリチウム塩(LiTFSI)は、常温で固体状の有機リチウム塩である。
<実験例1>
上述したリチウム塩を以下に示す割合(モル比)で含有する電解質組成物を調製した。
すなわち、Al−Salt A(7.2)と、LiTFSIとを、モル比が80:20となる割合で混合して電解質組成物(試料1)を得た。
また、B−Salt A(7.2)と、LiTFSIとを、モル比が80:20となる割合で混合して電解質組成物(試料2)を得た。
これら試料1および試料2の電解質組成物と、Al−Salt A(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt A(単体)からなる電解質組成物とにつき、それぞれイオン導電率(S/cm)を測定した。測定は、ステンレススチール電極を用いた交流インピーダンス法により−30℃〜60℃の温度条件下で行った。イオン導電率測定用セルは、アルゴン雰囲気下、90℃で1時間加熱した後に3時間室温で冷却したものを用いた。
試料1、試料2、Al−Salt AおよびB−Salt Aのイオン導電率測定結果を図1に示す。図示するように、リチウム溶融塩(I)とリチウム塩(II)とを80:20のモル比で混合してなる試料1および試料2の電解質組成物は、0℃以上の温度域では、リチウム溶融塩(I)を単独で用いた電解質組成物(Al−Salt AおよびB−Salt A)と同等以上のイオン導電性を示した。また、試料1および試料2の電解質組成物は、0℃以下の温度域では、Al−Salt AおよびB−Salt Aに比べて顕著に良好なイオン導電性を示した。
<実験例2>
Al−Salt Aと(7.2)、Al−Salt C(7.2)とを、モル比が50:50となる割合で混合し、60℃で24時間攪拌することにより電解質組成物(試料3)を調製した。この試料3は、Xの種類の異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
また、B−Salt A(7.2)と、Al−Salt C(7.2)とを、モル比が50:50となる割合で混合し、試料3と同様にして電解質組成物(試料4)を調製した。この試料4は、Xの種類およびMの種類がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
これら試料3および試料4の電解質組成物と、Al−Salt A(7.2)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt A(7.2)(単体)からなる電解質組成物と、Al−Salt C(7.2)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率(S/cm)を測定した。その結果を図2に示す。
図示するように、二種類のリチウム溶融塩(I)を50:50のモル比で含有する試料3および試料4の電解質組成物は、−30℃〜60℃の測定温度域の全範囲において、一種類のリチウム溶融塩(I)のみからなる電解質組成物(Al−Salt A(7.2)、B−Salt A(7.2)およびAl−Salt C(7.2))のいずれに比べても、より良好なイオン導電性を示した。また、一種類のリチウム溶融塩のみからなる電解質組成物と比較すると、試料3および試料4の電解質組成物はイオン導電性の温度依存性が少なかった。具体的には、試料3および試料4の電解質組成物は、常温以下の温度域において、さらには0℃以下の温度域においても、一種類のリチウム溶融塩のみからなる電解質組成物に比べてイオン導電性の低下傾向の少ないものであった。
<実験例3>
実験例2と同様にして、Al−Salt C(11.8)とB−Salt A(7.2)とをモル比4:1(試料5a)、モル比2:1(試料5b)、モル比1:1(試料5c)、モル比1:2(試料5d)、モル比1:4(試料5e)、の各割合で含有する電解質組成物をそれぞれ調製した。これらの試料5a〜5eは、Xの種類、Mの種類およびmの値(オリゴエチレンオキシド鎖の平均重合度)がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
これらの試料5a〜5eの電解質組成物と、Al−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt A(7.2)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率σ(S/cm)を測定した。その結果を図3に示す。また、−10℃、0℃、25℃および50℃の各測定温度につき、各電解質組成物におけるAl−Salt Cの含有割合(モル%)とイオン導電率σ(S/cm)との関係を図4に示す。
図3および図4から判るように、B−Salt A(7.2)(単体)からなる電解質組成物(図4の左端)およびAl−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物(図4の右端)に比べて、これらのリチウム塩の双方を含む電解質組成物(試料5a〜5e)は、Al−Salt C(11.8)の含有割合に拘らず、少なくとも−10〜50℃の温度範囲において改善されたイオン導電率を示した。なかでも、Al−Salt C(11.8)の含有割合が凡そ50モル%(試料5cの組成に相当する。)の場合に最も良好なイオン導電率が得られた。
<実験例4>
実験例2と同様にして、Al−Salt C(7.2)とB−Salt A(7.2)とをモル比2:1(試料6a)、モル比1:1(試料6b)、モル比1:2(試料6c)、の各割合で含有する電解質組成物をそれぞれ調製した。これらの試料6a〜6cは、Xの種類およびMの種類がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。なお、試料6bは実験例2の試料4に相当する組成である。
これらの試料6a〜6cの電解質組成物と、Al−Salt C(7.2)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt A(7.2)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率σ(S/cm)を測定した。その結果を図5に示す。図示するように、二種類のリチウム溶融塩を混合してなる試料6a〜6cの電解質組成物はいずれも、各リチウム溶融塩を単独で用いた電解質組成物に比べて、少なくとも−10〜60℃の温度範囲において改善されたイオン導電率を示した。
<実験例5>
実験例2と同様にして、Al−Salt C(11.8)とB−Salt B(3)とをモル比2:1(試料7a)、モル比1:1(試料7b)、モル比1:2(試料7c)、モル比1:4(試料7d)、の各割合で含有する電解質組成物をそれぞれ調製した。これらの試料7a〜7dは、Xの種類、Mの種類およびmの値がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
これらの試料7a〜7dの電解質組成物と、Al−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt B(3)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率σ(S/cm)を測定した。その結果を図6に示す。図示するように、二種類のリチウム溶融塩を混合してなる試料7a〜7cの電解質組成物はいずれも、各リチウム溶融塩を単独で用いた電解質組成物に比べて、測定温度の全範囲(少なくとも−10〜60℃の温度範囲)において改善されたイオン導電率を示した。また、B−Salt B(3)(単体)に対して20モル%程度またはそれ以上の割合でAl−Salt C(11.8)を混合した試料7a〜7dの電解質組成物によると、測定温度の全範囲(少なくとも−10〜60℃の温度範囲)においてイオン導電率が大幅に向上した。また、使用可能な温度域がより低温側に広がった。
<実験例6>
実験例2と同様にして、Al−Salt C(11.8)とB−Salt B(7.2)とをモル比2:1(試料8a)、モル比1:1(試料8b)、モル比1:2(試料8c)、モル比1:4(試料8d)の各割合で含有する電解質組成物をそれぞれ調製した。これらの試料8a〜8dは、Xの種類、Mの種類およびmの値がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
これらの試料8a〜8dの電解質組成物と、Al−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt B(7.2)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率σ(S/cm)を測定した。その結果を図7に示す。また、−20℃、0℃、25℃および50℃の各測定温度につき、各電解質組成物におけるAl−Salt Cの含有割合(モル%)とイオン導電率σ(S/cm)との関係を図8に示す。
図7および図8から判るように、B−Salt B(7.2)(単体)からなる電解質組成物(図8の左端)およびAl−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物(図8の右端)に比べて、これらのリチウム塩の双方を含む電解質組成物(試料8a〜8d)は、Al−Salt C(11.8)の含有割合に拘らず、少なくとも−20〜50℃の温度範囲において改善されたイオン導電率を示した。なかでも、Al−Salt C(11.8)の含有割合が凡そ33モル%(試料8cの組成に相当する。)の場合に最も良好なイオン導電率が得られた。
<実験例7>
実験例2と同様にして、Al−Salt C(11.8)とB−Salt B(11.8)とをモル比2:1(試料9a)、モル比1:1(試料9b)、モル比1:2(試料9c)、モル比1:4(試料9d)、の各割合で含有する電解質組成物をそれぞれ調製した。これらの試料9a〜9dは、Xの種類およびMの種類がいずれも異なる二種類のリチウム溶融塩を含有する電解質組成物である。
これらの試料9a〜9dの電解質組成物と、Al−Salt C(11.8)(単体)からなる電解質組成物と、B−Salt B(11.8)(単体)からなる電解質組成物とにつき、実験例1と同様にしてイオン導電率σ(S/cm)を測定した。その結果を図9に示す。この図から判るように、B−Salt B(11.8)に対して20モル%程度またはそれ以上の割合でAl−Salt C(11.8)を混合した試料9a〜9dの電解質組成物によると、測定温度の全範囲(少なくとも−10〜60℃の温度範囲)においてイオン導電率が大幅に向上した。また、使用可能な温度域がより低温側に広がった。
<実験例8>
Al−Salt C(11.8)およびB−Salt A(7.2)をモル比1:1の割合で含有する電解質組成物(試料5c)を用いて、正極との界面抵抗を測定した。正極としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)を85質量%、アセチレンブラックを10質量%、ポリフッ化ビニリデンを5質量%の割合で含有する正極合材の層をアルミニウム箔の表面に形成したものを用いた。セパレータとしては、厚さ約30μmのメチルセルロース製不織布を用いた。セパレータに含浸させた電解質(試料5c)を二つの正極の間に挟み、電解質と正極との間の界面抵抗を交流インピーダンス法により測定した。
また、試料5cの電解質組成物の代わりに、Al−Salt C(11.8)およびB−Salt B(7.2)をモル比1:1の割合で含有する電解質組成物(試料8b)を用いた点以外は上記と同様にして界面抵抗を測定した。
得られた結果を、界面抵抗と時間との関係として図10に示す。図示するように、試料5cおよび試料8bの電解質組成物はいずれも安定した界面抵抗値を示した。試料5cの電解質組成物を用いた場合には、試料8bの電解質組成物を用いた場合に比べてより良好な結果が得られた(すなわち、より低く安定した界面抵抗値を示した)。
<実験例9>
試料5cの電解質組成物を0.2モル/リットルの濃度でプロピレンカーボネートに溶解した溶液を用いてサイクリックボルタンメトリー測定を行った。その結果、この溶液は少なくとも0〜4.1V(対Li)の範囲で電気化学的に安定であり、試料5cの組成物がリチウム電池の電解質として適した特性を有することが示唆された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物の組成とイオン導電率との関係を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物の組成とイオン導電率との関係を示すグラフである。 電解質組成物のイオン導電率を示すグラフである。 電解質組成物と正極との界面抵抗を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるリチウム塩と、
    LiClO ,LiBF ,LiPF ,LiB(OCOCF ,LiB(OC ,LiCF SO ,LiN(SO CF およびLiN(SO から選択される少なくとも一種であるオリゴエーテル基をもたないリチウム塩とを含有する、リチウム二次電池用電解質組成物。
    LiMX(OY)4−n (1)
    (ここで、nは1〜3であり、MはAlまたはBであり、Xは電子求引性基であり、Yはオリゴエーテル基である。)
  2. 下記一般式(1)で表されるリチウム塩のうちのいずれか二種以上を含有するリチウム二次電池用電解質組成物。
    LiMX(OY)4−n (1)
    (ここで、nは1〜3であり、MはAlまたはBであり、Xは電子求引性基であり、Yはオリゴエーテル基である。)
  3. 前記二種以上のリチウム塩は、MおよびXの少なくとも一方が相互に異なるリチウム塩である請求項に記載のリチウム二次電池用電解質組成物。
  4. 前記二種以上のリチウム塩は、Yおよびnの少なくとも一方が相互に異なるリチウム塩である請求項に記載のリチウム二次電池用電解質組成物。
  5. 前記Xは、(CFSON,(CSON,CFCO,FOおよび(OY)BO(ここで、Yはオリゴエーテル基である。)からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1からのいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電解質組成物。
  6. 前記Yは、下記一般式(2)で表されるオリゴアルキレンオキシド基である請求項1からのいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電解質組成物。
    (R−O)m−R (2)
    (ここで、mは1〜20であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基である。)
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電解質組成物を用いて構築されていることを特徴とするリチウム二次電池。
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