JP2005029655A - 高分子電解質組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無水条件下、あるいは高温条件下においてもプロトン伝導性を示し、かつ、耐久性に優れた高分子電解質組成物を提供すること。
【解決手段】高分子電解質組成物は、高分子鎖と、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基と、ブレンステッド酸基とを備え、前記カチオン基、前記アニオン基及び前記ブレンステッド酸基は、それぞれ、同一又は異なる前記高分子鎖に共有結合により導入されていることを特徴とする。カチオン基は、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基又は4級アルキルアンモニウム系カチオン基が好ましい。また、アニオン基及びブレンステッド酸基に対するブレンステッド酸基のモル比は、0.1以上0.9以下が好ましい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質組成物に関し、さらに詳しくは、固体高分子型燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられる電解質膜、電極材料等として好適な高分子電解質組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料である。固体高分子電解質は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形され、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。
【0003】
例えば、固体高分子型燃料電池や水電解装置などの各種電気化学デバイスにおいて、固体高分子電解質は、膜状に成形され、その両面に電極を接合した膜電極接合体(MEA)の状態で使用される。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボン繊維、カーボンペーパー等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、白金等の触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との複合体からなる。
【0004】
このような用途に用いられる固体高分子電解質として、従来から種々の材料が知られている。例えば、過酷な条件下で使用される電気化学デバイスに用いられる電解質膜及び触媒層内電解質には、耐酸化性に優れた全フッ素系電解質膜(例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)等。)を用いるのが一般的である。また、電気化学デバイスの低コスト化を図るために、炭化水素系電解質の使用も検討されている。
【0005】
しかしながら、従来の固体高分子電解質は、いずれも、プロトン伝導性を発現するためには水を必要とする。そのため、これを例えば固体高分子型燃料電池に使用する場合には、作動温度を100℃以下とする必要があり、エネルギー効率、白金系触媒のCO被毒による性能劣化の抑制、排熱の有効利用等の点で有利な高温で作動させることができないという問題がある。また、電解質膜の含水率を一定に保つために、補機による加湿が不可欠であるという問題がある。
【0006】
そこでこの問題を解決するために、無水条件下、あるいは高温条件下においても高いイオン伝導性を示す高分子電解質について、従来から種々の提案がなされている。
【0007】
例えば、非特許文献1には、H型又はLi型のナフィオン(登録商標)膜を乾燥させ、これをイオン性液体である1−ブチル、3−メチルイミダゾリウムトリフルオロスルホン酸(BMITf)又はBMIテトラフルオロホウ酸(BMIBF)に浸漬し、ナフィオン膜にイオン性液体を含浸させた複合膜が開示されている。同文献には、H型のナフィオン(登録商標)膜N117−HにBMITfを含浸させることにより、180℃で0.1S/cmを越えるイオン伝導度を示す点が記載されている。
【0008】
また、イオン性液体を高分子化した、いわゆる溶融塩ポリマも知られている。例えば、特許文献1には、ポリメタクリル酸(−(CHCHCOOH)−)と、ポリ(ビニル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド)とを溶解させ、臭化水素を除去することにより、ゴム状の溶融塩ポリマが得られる点が記載されている。また、同文献には、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホンアミドエチル)−4(5)−ビニルイミダゾリウムリチウムをラジカル重合させることにより、リチウムイオン伝導体としてのみ機能する溶融塩ポリマが得られる点が記載されている。
【0009】
さらに、特許文献2には、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸イミド)の均一溶液に、スルホン酸残基を有するナフィオン(登録商標)膜を浸漬することにより、リチウムイオン伝導体として機能する溶融塩ポリマが得られる点が記載されている。
【0010】
【非特許文献1】
M.Doyle et al., J. Electrochem. Soc., 147(1), 34−37(2000)
【特許文献1】
特開平10−083821号公報の実施例7、実施例11
【特許文献2】
特開平11−086632号公報の実施例1
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
イオン性液体は、常温溶融塩あるいは室温溶融塩とも呼ばれており、塩でありながら融点が低いために、室温付近でも溶融し、高いイオン伝導性を示す。また、イオン性液体は、不揮発性、不燃性、高分解電圧等の優れた性質をもつ。そのため、非特許文献1に記載されるように、ナフィオン(登録商標)膜を水で膨潤させる代わりに、ナフィオン(登録商標)膜にイオン性液体を含浸させると、100℃以上の高温においても高いイオン伝導度を示す。
【0012】
しかしながら、非特許文献1に記載された複合膜は、プロトン伝導体であるかどうかは不明である。また、イオン性液体は、不揮発性ではあるが液体である。そのため、ナフィオン(登録商標)等のホスト材料にイオン性液体を含浸させた、いわゆるゲル電解質は、イオン性液体の溶出の問題がある。すなわち、このようなゲル電解質を固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いた場合には、イオン性液体が溶出することによって電解質膜の電気伝導度が徐々に低下し、十分な耐久性が得られない。
【0013】
一方、特許文献1、2に記載された溶融塩ポリマは、いずれも、リチウムイオン伝導体であり、プロトン伝導体ではない。そのため、これを固体高分子型燃料電池の電解質膜としてそのまま使用するのは困難である。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、無水条件下、あるいは高温条件下においてもプロトン伝導性を示す高分子電解質組成物を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、長期間使用してもプロトン伝導性が低下することのない耐久性に優れた高分子電解質組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る高分子電解質組成物は、高分子鎖と、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基と、ブレンステッド酸基とを備え、前記カチオン基、前記アニオン基及び前記ブレンステッド酸基は、それぞれ、同一又は異なる前記高分子鎖に共有結合により導入されていることを要旨とする。
【0016】
同一又は異なる高分子鎖内に、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基、並びにブレンステッド酸基を導入すると、ブレンステッド酸基とアニオン基との間でプロトンがホッピング移動する。そのため、無水条件下、あるいは高温条件下においても、プロトン伝導性を示す。また、カチオン基、アニオン基及びブレンステッド酸基は、いずれも高分子鎖に共有結合されているので、イオン性液体の溶出の問題がなく、優れた耐久性を示す。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る高分子電解質組成物は、高分子鎖と、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基と、ブレンステッド酸基とを備えている。
【0018】
本発明において、高分子鎖の分子構造は、特に限定されるものではない。すなわち、高分子鎖は、直鎖状であっても良く、あるいは、分岐状であっても良い。また、高分子鎖は、その分子内にC−H結合を有し、C−F結合を含まないもの(以下、これを「炭化水素系高分子鎖」という。)であっても良く、あるいは、その分子内にC−F結合を含むもの(以下、これを「フッ素系高分子鎖」という。)であっても良い。
【0019】
さらに、高分子鎖は、C−F結合及びC−H結合の双方を含むもの(以下、これを「部分フッ素系高分子鎖」という。)であっても良く、あるいは、その分子内にC−F結合を有し、かつC−H結合を含まないもの(以下、これを「全フッ素系高分子鎖」という。)であっても良い。なお、フッ素系高分子鎖には、C−Cl結合やその他の結合(例えば、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R)−等)が含まれていても良い。
【0020】
これらの中でもフッ素系高分子鎖(特に、全フッ素系高分子鎖)を含む高分子電解質組成物は、耐酸化性に優れているので、固体高分子型燃料電池等、過酷な条件下で使用される電気化学デバイス用の電解質として好適である。なお、本発明に係る高分子電解質組成物は、これらの内、いずれか1種の高分子鎖によって構成されるものであっても良く、あるいは、2種以上の高分子鎖によって構成される複合体であっても良い。
【0021】
カチオン基、アニオン基、及びブレンステッド酸基は、このような高分子鎖に共有結合により導入されている。この場合、カチオン基、アニオン基及びブレンステッド酸基は、すべて単一の高分子鎖上に導入されていても良く、あるいは、互いに別個の高分子鎖上に導入されていても良い。
【0022】
また、高分子電解質組成物が2種以上の高分子鎖を含む複合体である場合において、カチオン基、アニオン基及びブレンステッド酸基は、それぞれ、同一種類の高分子鎖上に導入されていても良く、あるいは、異なる種類の高分子鎖上に導入されていても良い。
【0023】
本発明において、カチオン基は、無水下において安定に存在し得るものである必要がある。換言すれば、無水下においてアニオン基を安定化させる性質を有するものである必要がある。また、プロトン伝導性を高めるためには、カチオン基は、アニオン基との相互作用が相対的に弱く、カチオン基が結合している近傍の高分子鎖がある程度運動できるものが好ましい。そのためには、カチオン基は、相対的に大きな分子構造を有し、電子が局在していない状態になっているものが好ましい。
【0024】
無水下でも安定に存在し得るカチオン基としては、具体的には、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基、4級アルキルアンモニウム系カチオン基等が好適な一例として挙げられる。高分子鎖には、これらのカチオン基の内、1種類が導入されていても良く、あるいは、2種以上が導入されていても良い。
【0025】
イミダゾリウム系カチオン基は、次の化1の式に示す一般式で表すことができる。イミダゾリウム系カチオン基は、複素環を構成する炭素原子又は窒素原子のうちのいずれか1つを介して高分子鎖の末端に導入されていても良く、あるいは、複素環を構成する炭素原子又は窒素原子のいずれか2以上を介して高分子鎖の中間に導入されていても良い。
【0026】
【化1】
Figure 2005029655
【0027】
化1の式に含まれるイミダゾリウム系カチオン基としては、具体的には、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムカチオン基、イミダゾリウムカチオン基、1−メチル−3−メチル−イミダゾリウムカチオン基等が好適な一例として挙げられる。
【0028】
ピリジニウム系カチオン基は、次の化2の式に示す一般式で表すことができる。ピリジニウム系カチオン基は、複素環を構成する炭素原子又は窒素原子のうちのいずれか1つを介して高分子鎖の末端に導入されていても良く、あるいは、複素環を構成する炭素原子又は窒素原子のいずれか2以上を介して高分子鎖の中間に導入されていても良い。
【0029】
【化2】
Figure 2005029655
【0030】
化2の式に含まれるピリジニウム系カチオン基としては、具体的には、1−メチル−ピリジニウムカチオン基、1−エチル−ピリジニウムカチオン基、1−プロピル−ピリジニウムカチオン基、1−ブチル−ピリジニウムカチオン基等が好適な一例として挙げられる。
【0031】
4級アルキルアンモニウム系カチオン基は、次の化3の式に示す一般式で表すことができる。4級アルキルアンモニウム系カチオン基は、窒素原子を介して高分子鎖の末端又は高分子鎖の中間に導入される。ここで、高分子鎖の中間に導入される場合には、R〜Rのいずれか1以上が高分子鎖との結合に使用される場合がある。
【0032】
【化3】
Figure 2005029655
【0033】
化3の式に含まれる4級アルキルアンモニウム系カチオン基としては、具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン基、トリエチルアンモニウムカチオン基、トリプロピルアンモニウムカチオン基、トリブチルアンモニウムカチオン基等が好適な一例として挙げられる。
【0034】
アニオン基は、プロトン伝導の過程において、プロトン受容体として機能し、かつ、プロトンを取り込んだ後は、プロトン供与体として機能するものである。アニオン基は、無水下において安定に存在し得るもの、すなわち、カチオン基によって安定化させることが可能なものであれば良い。
【0035】
アニオン基としては、具体的には、スルホニウムアニオン基(−SO )、カルボキシレートアニオン基(−COO)、ホスホニウムアニオン基(−PO 2−)、ビススルホニルイミドアニオン基(−SO−N−SO−)、カルボニルスルホニルイミドアニオン基(−CO−N−SO−)、ビスカルボニルイミドアニオン基(−CO−N−CO−)等が好適な一例として挙げられる。
【0036】
この場合、イミド系アニオン基は、その性質上、高分子鎖の中間に導入される。一方、イミド系アニオン基以外のアニオン基(非イミド系アニオン基)は、その性質上、高分子鎖の末端に導入される。
【0037】
ブレンステッド酸基は、プロトン伝導の過程において、プロトン供与体として機能し、かつ、プロトンを放出した後は、アニオン基となってプロトン受容体として機能するものである。
【0038】
ブレンステッド酸基としては、具体的には、スルホン酸基(−SOH)、カルボン酸基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO)、ビススルホニルイミド酸基(−SO−NH−SO−)、カルボニルスルホニルイミド酸基(−CO−NH−SO−)、ビスカルボニルイミド酸基(−CO−NH−CO−)等が好適な一例として挙げられる。
【0039】
この場合、イミド系ブレンステッド酸基は、その性質上、高分子鎖の中間に導入される。一方、イミド系ブレンステッド酸基以外のブレンステッド酸基(非イミド系ブレンステッド酸基)は、その性質上、高分子鎖の末端に導入される。
【0040】
無水下で安定なカチオン基とアニオン基とを形成する官能基群、及びブレンステッド酸基の組み合わせは、特に限定されるものではない。また、カチオン基、アニオン基、及びブレンステッド酸基は、それぞれ、1種類が高分子鎖に導入されていても良く、あるいは、2種以上が導入されていても良い。
【0041】
高分子鎖に導入されるカチオン基のモル数と、アニオン基のモル数は、同数であることが望ましい。また、カチオン基及びアニオン基からなる官能基群のモル数と、ブレンステッド酸基のモル数は、特に限定されるものではない。
【0042】
但し、相対的に高いプロトン伝導性を得るためには、アニオン基及びブレンステッド酸基に対するブレンステッド酸基のモル比(=Macid/(Manion+Macid)。但し、Manionはアニオン基のモル数、Macidはブレンステッド酸基のモル数。)は、0.1以上0.9以下が好ましい。モル比が0.1未満であると、高分子電解質組成物中に含まれるプロトンの数が少なすぎるために、高いプロトン伝導性は得られない。一方、モル比が0.9を越えると、プロトン受容体であるアニオン基の数が少なすぎるために、高いプロトン伝導性は得られない。ブレンステッド酸基のモル比は、さらに好ましくは、0.2以上0.8以下である。
【0043】
高分子電解質組成物は、高分子鎖、アニオン基、カチオン基及びブレンステッド酸基の組み合わせに応じて、種々の構造を取る。具体的には、以下のようなものが好適な一例として挙げられる。
【0044】
第1の具体例は、同一の高分子鎖内に、カチオン基、イミド系アニオン基及びイミド系ブレンステッド酸基を有し、かつ高分子鎖の主鎖又は側鎖の末端に次の化4の式に示す一般式で表される構造を備えたものからなる。
【0045】
【化4】
−R−(ZNHZ)−R−(Z)−R−CT、又は
−R−(Z)−R−(ZNHZ)−R−CT
(但し、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ、−SO−又は−CO−。
及びRは、それぞれ、−C2n−(1≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基。
は、なし、又は−C2n−(0≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基。
CTは、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基、又は4級アルキルアンモニウム系カチオン基。)
【0046】
図1に、化4の式で表される構造を備えた高分子電解質組成物の一例を示す。図1に示す高分子電解質組成物は、ナフィオン(登録商標)膜を改質することにより得られるものであり、エーテル側鎖の末端には、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムカチオン基、ビススルホニルイミドアニオン基、及びビススルホニルイミド酸基が導入されている。この場合、ビススルホニルイミドアニオン基は、アニオンスタビライザとして機能するイミダゾリウム系カチオン基により安定化されており、無水下においても安定に存在することができる。
【0047】
第2の具体例は、同一の高分子鎖内に、カチオン基、イミド系アニオン基、及びイミド系ブレンステッド酸基を有し、かつ高分子鎖の中間に次の化5の式に示す一般式で表される構造を備えたものからなる。
【0048】
【化5】
−(ZNHZ)−R−(Z)−R−CT−R−、又は
−(Z)−R−(ZNHZ)−R−CT−R
(但し、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ、−SO−又は−CO−。
は、−C2n−(1≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基。
及びRは、なし、又は−C2n−(0≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基。
CTは、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基又は4級アルキルアンモニウム系カチオン基。)
【0049】
図2に、化5の式で表される高分子電解質組成物の一例を示す。図2に示す高分子電解質組成物は、パーフルオロプロパンビススルホニルフルオライドのビスシリルアミド化合物と、ピリジンビスカルボニルクロライドとを共重合させることにより得られるものであり、高分子鎖中に、ピリジニウム系カチオン基、スルホニルカルボニルアニオン基、及びスルホニルカルボニル酸基を備えている。この場合、スルホニルカルボニルイミドアニオン基は、アニオンスタビライザとして機能するピリジニウム系カチオン基により安定化されており、無水下においても安定に存在することができる。
【0050】
第3の具体例は、高分子鎖のいずれかにブレンステッド酸基を有する第1の高分子化合物と、高分子鎖の中間にカチオン基及びイミド系アニオン基を有する第2の高分子化合物との複合体からなる。第1の高分子化合物は、具体的には、−(ZNHZ)−R−(但し、Z及びZは、それぞれ、−SO−又は−CO−。Rは、−C2n−(1≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基)、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルベンジルホスホン酸、ポリビニルアルキルスルホン酸、ポリビニルアルキルホスホン酸、ポリビニルアルキルカルボン酸、などが挙げられる。また、第2の高分子化合物は、具体的には、次の化6の式に示す一般式で表される構造を備えたものからなる。
【0051】
【化6】
−(Z)−R−CT−R
(但し、Z、及びZは、それぞれ、−SO−又は−CO−。
及びRは、なし、又は−C2n−(0≦n≦20)で表されるパーフルオロアルキレン基。
CTは、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基又は4級アルキルアンモニウム系カチオン基。)
【0052】
なお、化6の式に示す第2の高分子化合物と複合化させる第1の高分子化合物は、特に限定されるものではなく、非イミド系ブレンステッド酸基を備えたもの、及びイミド系ブレンステッド酸基を備えたもののいずれであっても良い。但し、相対的に高いプロトン伝導性を得るには、第1の高分子化合物に備えられ得るブレンステッド酸基は、第2の高分子化合物に含まれるイミド系アニオン基と共役関係にあるもの(例えば、イミド酸系高分子化合物、スルホン酸系高分子化合物、カルボン酸系高分子化合物など。)が好ましい。
【0053】
第4の具体例は、高分子鎖のいずれかにブレンステッド酸基を有する第1の高分子化合物と、カチオン基を有する第2の高分子化合物との複合体からなる。第2の高分子化合物は、具体的には、ポリ(4−メチルビニルピリジニウム)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム)、ポリエチレンアンモニウム系カチオン(−{CHCH(CH}−)、などが挙げられる。ここで、第1の高分子化合物のブレンステッド酸基のプロトンは、第2の高分子化合物のカチオン基により交換され、アニオン基を形成する。
【0054】
第5の具体例は、高分子鎖のいずれかにブレンステッド酸基を有する第1のモノマユニットと、第1のモノマユニットの共役塩基であるアニオン基とカチオン基とを有する第2のモノマユニットからなるものである。このような高分子の例としては、4−メチルビニルピリジン−p−スチレンスルホン酸共重合体など、種々の酸基とカチオン基を有する共重合体が挙げられる。このように、ブレンステッド酸基とアニオン基、カチオン基は、高分子上のどこにでも配置することが可能である。
【0055】
次に、本発明に係る高分子電解質組成物の作用について説明する。ナフィオン(登録商標)に代表される従来の酸性電解質は、酸が水により解離してヒドロニウムイオン(H)を形成し、このヒドロニウムイオンの泳動や、水を介してのプロトンホッピング機構によりプロトン伝導が行われる。そのため、これを無水条件下、あるいは高温条件下で使用すると、酸性電解質中の水がなくなり、十分なプロトン伝導性が得られない。
【0056】
これに対し、高分子鎖にアニオン基、及びこのアニオン基との相互作用が相対的に弱いカチオン基を導入すると、カチオン基がアニオンスタビライザとして機能し、無水下においてもアニオン基が安定に存在することができる。また、イオン同志の相互作用が比較的弱いため、カチオン基近傍の高分子鎖が運動しやすくなり、溶融塩的な挙動を示す。
【0057】
また、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基で構成される官能基群に加えて、高分子鎖にさらにブレンステッド酸基を導入すると、ブレンステッド酸基(酸基)及びアニオン基(塩基)が、それぞれ、プロトン供与体及びプロトン受容体として機能する。そのため、高分子鎖の運動によってブレンステッド酸基とアニオン基とが近接すると、両者の間でプロトンがホッピング移動することができる。その結果、無水条件下、あるいは高温条件下でもプロトン伝導性を示す。
【0058】
さらに、本発明に係る高分子電解質組成物は、カチオン基、アニオン基及びブレンステッド酸基がいずれも高分子鎖に共有結合により導入されているので、これらを含む成分の溶出のおそれが少ない。そのため、イオン性液体を含浸させたゲル電解質に比べて、優れた耐久性を示す。
【0059】
例えば、図1に示す高分子電解質組成物を固体高分子型燃料電池の電解質膜として使用した場合、以下のようなプロセスを経てプロトン伝導が行われる。すなわち、まず、アノードに供給された水素ガスが触媒層においてプロトンとなる。次いで、生成したプロトンが、イミダゾール系カチオン基によって安定化された1番目の高分子鎖のビススルホニルイミドアニオン基に取り込まれ、ビススルホニルイミド酸基となる。
【0060】
次に、高分子鎖が運動することによって、1番目の高分子鎖と2番目の高分子鎖が近接すると、余剰のプロトンを取り込んだ1番目の高分子鎖中にあるビススルホニルイミド酸基(プロトン供与体)から2番目の高分子鎖中にあるビススルホニルイミドアニオン基(プロトン受容体)に向かって、余剰のプロトンがホッピング移動する。以下、これを繰り返すことによって、プロトンがカソード側まで移動する。
【0061】
図2に示す高分子電解質組成物を固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いた場合も同様のプロセスを経てプロトンが移動する。すなわち、外部から供給されるプロトンは、ピリジニウム系カチオン基によって安定化された1番目の高分子鎖のスルホニルカルボニルイミドアニオン基に取り込まれ、スルホニルカルボニルイミド酸基となる。
【0062】
次いで、高分子鎖が運動し、第1の高分子鎖と第2の高分子鎖とが近接すると、余剰のプロトンが取り込まれた1番目の高分子鎖中にあるスルホニルカルボニルイミド酸基(プロトン供与体)から2番目の高分子鎖中にあるスルホニルカルボニルイミドアニオン基(プロトン受容体)に向かって、余剰のプロトンがホッピング移動する。そのため、水がない環境下においても、プロトン伝導性を示す。
【0063】
次に、本発明に係る高分子電解質組成物の製造方法について説明する。本発明に係る高分子電解質組成物は、種々の方法により製造することができる。具体的な製造方法は、高分子電解質組成物の分子構造に応じて最適なものを選択する。
【0064】
例えば、化4の式で表される構造を備えた高分子電解質組成物は、以下のような方法により製造することができる。すなわち、まず、主鎖又は側鎖の末端にイミド系ブレンステッド酸基(又はイミド系アニオン基)となり得る官能基Zを備えた高分子化合物(〜R−Z)と、所定の条件を満たす第1化合物とを反応させる。ここで、第1化合物とは、官能基Zと反応することによりイミド系ブレンステッド酸基(又はイミド系アニオン基)となり得る官能基Z、及びイミド系アニオン基(又はイミド系ブレンステッド酸基)となり得る官能基Zを備えた化合物(X−R−Z)をいう。
【0065】
官能基Z及び官能基Zは、それぞれ、これらの官能基を直接、又は、適当な官能基変換を行った後に反応させることにより、結果的にイミド系ブレンステッド酸基(又はイミド系アニオン基)が形成されるものであればよい。
【0066】
例えば、官能基Zがスルホン酸基、スルホニルハライド基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボニルハライド基、カルボン酸エステル基等である場合、官能基Zには、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルアミド基等を用いる。なお、官能基Zと官能基Zの組み合わせは、上記の組み合わせの逆になっていても良い。
【0067】
官能基Zを備えた高分子化合物としては、具体的には、ナフィオン(登録商標)等のスルホン酸基を備えた全フッ素系電解質又はその誘導体、スルホン酸基若しくはカルボン酸基を備えたその他の各種フッ素系電解質若しくは炭化水素系電解質又はこれらの誘導体等が好適な一例として挙げられる。また、第1化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルビススルホニルフロライド、パーフルオロアルキルビスカルボニルフロライド、パーフルオロアルキルカルボニルフロライドスルホニルフロライド等、又はこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。
【0068】
このような官能基Zを備えた高分子化合物及び官能基Zを備えた第1化合物とを反応させると、高分子鎖中にイミド系ブレンステッド酸基が導入された高分子化合物(〜R−(ZNHZ)−R−Z)が得られる。
【0069】
次に、この高分子化合物と、所定の条件を満たす第2化合物とを反応させる。ここで、第2化合物とは、カチオン基となり得る官能基CT及び官能基Zと反応することによってイミド系アニオン基となりうる官能基Zを備えた化合物(X−R−CT)をいう。この場合、官能基Zと官能基Zの組み合わせは、上述した官能基Zと官能基Zの組み合わせと同様である。また、カチオン基となりうる官能基CTは、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
【0070】
第2化合物としては、具体的には、N−エチルイミダゾールスルホニルハライド、イミダゾールスルホニルハライド、ピリジンスルホニルハライド、α、ω−アルキレントリメチルアンモニウムスルホニルハライド等、又はこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。
【0071】
このようなイミド系ブレンステッド酸基が導入された高分子化合物と第2化合物とを反応させると、高分子鎖中に、さらに2つ目のイミド系ブレンステッド酸基及び官能基CTが導入された高分子化合物(〜R−(ZNHZ)−R−(ZNHZ)−R−CT)が得られる。
【0072】
さらに、公知の方法を用いて、官能基CT内にある原子であって、非共有電子対を持つものに陽イオン型の原子団を配位させると、官能基CTがカチオン基CTに変換され、化4の式に示す構造(〜R−(ZNHZ)−R−(Z)−R−CT)を備えた高分子電解質組成物が得られる。
【0073】
また、化5の式で表される構造を備えた高分子電解質組成物は、具体的には、所定の条件を満たす第3化合物と第4化合物とを反応(共重合)させることにより得られる。ここで、第3化合物とは、反応によってイミド系ブレンステッド酸基(又は、イミド系アニオン基)となる2つの官能基Z、Zを備えた化合物(X−R−Z)をいう。また、第4化合物とは、カチオン基となりうる官能基CT及び官能基Z、Zと反応することによって、それぞれ、イミド系ブレンステッド酸基(又はイミド系アニオン基)となる2つの官能基Z、Zを備えた化合物(X−R−CT−R−Z)をいう。
【0074】
この場合、官能基Z又はZと官能基Z又はZとの組み合わせは、化4の式に示す高分子電解質組成物の場合と同様である。また、官能基CTは、少なくとも2つの官能基Z、Zを導入可能なものであれば良い。
【0075】
第3化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルビススルホニルフロライド、パーフルオロアルキルビスカルボニルフロライド、パーフルオロアルキルカルボニルフロライドするホニルフロライド等、又はこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。また、第4化合物としては、具体的には、ピリジンビスカルボニルハライド、ピリジンビススルホニルハライド、イミダゾールビススルホニルクロライド等、又はこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。
【0076】
このような第3化合物と第4化合物とを反応させると、官能基Z又はZと官能基Z又はZとがそれぞれ反応し、高分子鎖中に一般式:−(ZNHZ)−R−(ZNHZ)−R−CT−R−で表される繰り返し単位を含む高分子化合物が得られる。
【0077】
さらに、公知の方法を用いて、官能基CT内にある原子であって、非共有電子対を持つものに陽イオン型の原子団を配位させると、官能基CTがカチオン基CTに変換され、化5の式に示す構造(−(ZNHZ)−R−(Z)−R−CT−R−)を備えた高分子電解質組成物が得られる。
【0078】
なお、化5の式で表される構造を備えた高分子電解質組成物は、第3化合物及び第4化合物のみを共重合させることにより得られるものであっても良い。また、これらに他のモノマを加えて共重合させたもの、あるいは、他の高分子鎖に対して第3化合物及び第4化合物をグラフト重合させたものであっても良い。
【0079】
また、化6の式に示す構造を備えた第2の高分子化合物は、具体的には、カチオン基となりうる官能基CT、及びイミド系アニオン基となり得る少なくとも2つの官能基Z、Zとを備えた第5化合物(X−R−CT−R−Z)と、窒素供給源となる第6化合物とを反応させることにより得られる。
【0080】
この場合、第5化合物には、官能基Z及び官能基Zが、それぞれ、スルホン酸基、スルホニルハライド基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボニルハライド基、カルボン酸エステル基等であるものを用いる。
【0081】
第5化合物としては、具体的には、ピリジンビスカルボニルハライド、ピリジンビススルホニルハライド、イミダゾールビスカルボニルハライド、イミダゾールビススルホニルハライド等、又はこれらの誘導体が好適な一例として挙げられる。また、第6化合物としては、具体的には、ビス(トリメチルシリルアミド)リチウム、又はその誘導体が好適な一例として挙げられる。
【0082】
このような第5化合物と第6化合物とを反応させると、高分子鎖中に一般式:−(ZNHZ)−R−CT−R−で表される繰り返し単位を含む高分子化合物が得られる。また、公知の方法を用いて、官能基CTをカチオン基に変換すれば、化6の式に示す構造(−(Z)−R−CT−R−)を備えた第2の高分子化合物が得られる。
【0083】
さらに、このようにして得られた第2の高分子化合物と、ブレンステッド酸基を備えた第1の高分子化合物とを混合すれば、本発明に係る高分子電解質組成物が得られる。この場合、第1の高分子化合物は、スルホン酸基、カルボン酸基等を備えた各種のフッ素系電解質又は炭化水素系電解質であっても良く、あるいは、イミド系アニオン基と共役関係にあるイミド系ブレンステッド酸基を備えた化合物であっても良い。
【0084】
なお、イミド系ブレンステッド酸基を備えた第1の高分子化合物は、例えば、2個以上のスルホニルハライド基及び/又はカルボニルハライド基、あるいは、これらの誘導体を備えたパーフルオロアルキル化合物と、ビス(トリメチルシリルアミド)リチウム等の窒素含有化合物とを反応させることにより得られる。
【0085】
その他の分子構造を備えた高分子電解質組成物も同様であり、(1)所定の官能基を有するモノマを付加重合、もしくは重縮合させる方法、(2)高分子化合物の主鎖又は側鎖の末端に所定の構造を備えた原子団を付加する方法、あるいは、(3)カチオン基、アニオン基及び/又はブレンステッド酸基を有する2種以上の高分子化合物を合成し、これらを混合する方法等、公知の方法により得られる。
【0086】
【実施例】
(実施例1)
以下の手順に従い、図1に示す構造を備えた高分子電解質組成物を合成した。すなわち、まず、ナフィオン(登録商標)膜(EW=1100g/eq.)のスルホニルフルオライド体をアンモニア(NH)ガスと25℃で24時間接触させることにより、アミド膜を調整した。これを50℃でトリエチルアミン(N(C)存在下、テトラヒドロフラン(CO)中で、ビススルホニルフルオライドパーフルオロプロパン(FSO(CFSOF)と約1週間反応させた。
【0087】
次に、膜を再度アンモニア(NH)ガスと25℃で24時間接触させ、アミド膜とした。次いで、このアミド膜とN−エチルイミダゾールスルホニルクロライドとを、テトラヒドロフラン中で、50℃で1週間反応させ、イミダゾールイミド膜を得た。
【0088】
次に、イミダゾールイミド膜と水酸化ナトリウムとを反応させることによりイミド基をナトリウム塩にした後、膜をトリクロロエチレン中でCFSOCHと反応させることにより、イミダゾール基をメチル化し、イミダゾリウム系カチオン基とした。これを硝酸でイオン交換し、イミダゾリウム系カチオン基とそれと同数の安定スルホンイミドアニオン基、並びにビススルホニルイミド酸基を有する膜を得た。次の化7に、その合成スキームを示す。
【0089】
【化7】
Figure 2005029655
【0090】
本実施例の場合、得られた膜のブレンステッド酸基のモル比(=Macid/(Manion+Macid))は、0.5である。また、得られた膜について、無水160℃でのインピーダンスを、交流4端子法で測定した。その結果、膜の電気伝導度は、1×10−4S/cmであった。
【0091】
次に、EW=900g/eq.のフッ素系電解質膜を合成し、これを出発原料に用いた以外は、化7の式に示す合成スキームと同一の手順に従って膜を合成した。得られた膜について、上述の条件下で電気伝導度を測定したところ、電気伝導度は、2×10−4S/cmであった。
【0092】
(実施例2)
N−エチルイミダゾールスルホニルクロライドに代えてイミダゾールスルホニルクロライドを用いた点、並びに、水酸化ナトリウム水溶液による処理及びCFSOCHによるイミダゾール基のメチル化処理を省略した点以外は、実施例1と同一の手順に従い、膜を合成した。次の化8に、合成スキームの一部を示す。
【0093】
【化8】
Figure 2005029655
【0094】
本実施例の場合、イミダゾールスルホニルハライドが側鎖の末端に結合すると同時に、イミダゾール基とこれに隣接するビススルホニルイミド酸基との間でプロトンの授受が行われるので、特別の処理を行わなくてもイミダゾリウムカチオン基とビススルホニルイミドアニオン基となって安定化する。また、イミダゾリウムカチオン基内のイミノ基(=NH)は、ブレンステッド酸基としても機能するので、得られた膜のブレンステッド酸基のモル比は、0.67となる。
【0095】
得られた膜について、実施例1と同一の手順に従い電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、6×10−4S/cmであった。
【0096】
また、実施例1で合成したEW=900g/eq.のフッ素系電解質を用いた以外は、化8の式に示す合成スキームと同一の手順に従って膜を合成し、実施例1と同一条件下で、電気伝導度を測定した。その結果、得られた膜の電気伝導度は、8×10−4S/cmであった。
【0097】
(実施例3)
N−エチルイミダゾールスルホニルクロライドに代えてピリジンスルホニルクロライドを用いた以外は、実施例1と同一の手順に従い、膜を合成した。次の化9に、合成スキームの一部を示す。なお、本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5である。
【0098】
【化9】
Figure 2005029655
【0099】
得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、4×10−5S/cmであった。
【0100】
また、実施例1で合成したEW=900eq.のフッ素系電解質を用いた以外は、化9の式に示す合成スキームと同一の手順に従って膜を合成し、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、得られた膜の電気伝導度は、7×10−5S/cmであった。
【0101】
(実施例4)
ナフィオン(登録商標)膜(EW=1100g/eq.)のスルホニルフルオライド体をアンモニア(NH)ガスと25℃で24時間接触させることによりアミド膜を調整した。次に、このアミド膜と、イミダゾールスルホニルクロライドとをテトラヒドロフラン(CO)中で、50℃で1週間反応させ、イミダゾールイミド膜を得た。次の化10に、合成スキームの一部を示す。
【0102】
【化10】
Figure 2005029655
【0103】
本実施例の場合、イミダゾールスルホニルハライドが側鎖の末端に結合すると同時に、イミダゾール基及びこれに隣接するビススルホニルイミド酸基が、それぞれ、イミダゾリウムカチオン基とビススルホニルイミドアニオン基となって安定化する。また、イミダゾリウムカチオン基内のイミノ基(=NH)は、ブレンステッド酸基として機能するので、得られた膜のブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。
【0104】
得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、6×10−6S/cmであった。
【0105】
また、実施例1で合成したEW=900eq.のフッ素系電解質を用いた以外は、化10の式に示す合成スキームと同一の手順に従って膜を合成し、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、得られた膜の電気伝導度は、8×10−6S/cmであった。
【0106】
(実施例5)
以下の手順に従い、図2に示す構造を備えた高分子電解質組成物を合成した。すなわち、まず、ビススルホニルフロライドパーフルオロプロパン(FSO(CFSOF)をアンモニア(NH)ガスと25℃で24時間接触させることにより、ビスアミド化合物(HNSO(CFSONH)を調製した。これを、水酸化ナトリウム/エタノール/水混合溶液に浸漬し、ビスアミド化合物のナトリウム体(NaHNSO(CFSONHNa)とした。さらに、これをヘキサメチルジシラザン((CHSiNSi(CH)と反応させて、ビスシリルアミド化合物((CHSiNaNSO(CFSONNaSi(CH)とした。
【0107】
次に、このビスシリルアミド化合物とピリジンビスカルボニルクロライドとをアセトニトリル中で、50℃で1週間縮合させた。次いで、縮合物とCFSOCHとを反応させることにより、ピリジン基をメチル化し、ピリジニウム系カチオン基とした。次いで、これを硝酸でイオン交換し、ピリジニウム系カチオン基及びこれと同数の安定化スルホニルカルボニルイミドアニオン基、並びにスルホニルカルボニルイミド酸基を有する縮合系電解質を得た。次の化11に、合成スキームの一部を示す。これをアルコールに溶解してキャスト製膜することにより、膜とした。
【0108】
【化11】
Figure 2005029655
【0109】
本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。また、得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、1×10−3S/cmであった。
【0110】
(実施例6)
ピリジンビスカルボニルクロライドに代えて、ピリジンビススルホニルクロライドを用いた以外は、実施例5と同一の手順に従い、縮合系電解質膜を得た。次の化12に、合成スキームの一部を示す。
【0111】
【化12】
Figure 2005029655
【0112】
本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。また、得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、2×10−3S/cmであった。
【0113】
(実施例7)
ピリジンビスカルボニルクロライドに代えて、イミダゾールビスカルボニルクロライドを用いた以外は、実施例5と同一の手順に従い、縮合系電解質膜を得た。次の化13に、合成スキームの一部を示す。
【0114】
【化13】
Figure 2005029655
【0115】
本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。また、得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、1.5×10−3S/cmであった。
【0116】
(実施例8)
まず、化合物1(FSOCFCOF)と等モルのビス(トリメチルシリルアミド)リチウム(Si(HC)−N(Li)−Si(CH)とをテトラヒドロフラン(CO)中で重縮合し、さらに硝酸で処理することにより、スルホニルカルボニルイミド酸基を有するイミド重縮合物Aを得た。
【0117】
次に、化合物2(ピリジンビスカルボニルクロライド)と等モルの(トリメチルシリルアミド)リチウム(Si(HC)−N(Li)−Si(CH)とを反応させ、さらにこれとCFSOCHとを反応させることにより、1−メチル−ピリジニウムカチオン基と、ビスカルボニルイミドアニオン基とを備えたイミド重縮合物Bを得た。次の化14に、イミド重縮合物A及びイミド重縮合物Bの合成スキームを示す。
【0118】
【化14】
Figure 2005029655
【0119】
次に、イミド重縮合物A及びイミド重縮合物Bを、それぞれ、繰り返し単位当たりで等モルとなるようにテトラヒドロフラン(CO)中で混合し、キャスト膜を作製した。
【0120】
本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。また、得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、2×10−3S/cmであった。
【0121】
(実施例9)
化合物1(FSOCFCOF)に代えて、パーフルオロプロパンビススルホニルフルオライド(FSO(CFSOF)を用いた以外は、実施例8と同一の手順に従い、ビススルホニルイミド酸基を有するイミド重縮合物Cを作製した。次の化15に、イミド重縮合物Cの合成スキームを示す。
【0122】
【化15】
Figure 2005029655
【0123】
次に、このイミド重縮合物Cと、実施例8で得られたイミド重縮合物Bとを、繰り返し単位当たりで等モルとなるようにテトラヒドロフラン(CO)中で混合し、キャスト膜を作製した。
【0124】
本実施例の場合、ブレンステッド酸基のモル比は、0.5となる。また、得られた膜について、実施例1と同一条件下で電気伝導度を測定した。その結果、膜の電気伝導度は、1×10−3S/cmであった。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【0126】
例えば、本発明に係る高分子電解質組成物は、固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜として特に好適であるが、本発明の用途は、これに限定されるものではなく、電解装置、センサ等の各種電気化学デバイスに用いられる電解質膜、触媒層内電解質等としても用いることができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係る高分子電解質組成物は、無水下で安定なカチオン基及びアニオン基、並びにブレンステッド酸基が高分子鎖に共有結合により導入されているので、無水環境下、あるいは高温環境下においても、プロトン伝導性を示すという効果がある。また、カチオン基、アニオン基及びブレンステッド酸基が溶出するおそれがないので、優れた耐久性を示すという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高分子電解質組成物のプロトン伝導機構を説明する図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る高分子電解質組成物のプロトン伝導機構を説明する図である。

Claims (9)

  1. 高分子鎖と、
    無水下で安定なカチオン基及びアニオン基と、
    ブレンステッド酸基とを備え、
    前記カチオン基、前記アニオン基及び前記ブレンステッド酸基は、それぞれ、同一又は異なる前記高分子鎖に共有結合により導入されている高分子電解質組成物。
  2. 前記カチオン基は、イミダゾリウム系カチオン基、ピリジニウム系カチオン基、及び4級アルキルアンモニウム系カチオン基から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  3. 前記アニオン基は、前記ブレンステッド酸基の共役塩基である請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  4. 前記アニオン基は、スルホニウムアニオン基、カルボキシレートアニオン基、ビススルホニルイミドアニオン基、カルボニルスルホニルイミドアニオン基、ビスカルボニルイミドアニオン基、及びホスホニウムアニオン基から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  5. 前記ブレンステッド酸基は、スルホン酸基、カルボン酸基、ビススルホニルイミド酸基、カルボニルスルホニルイミド酸基、ビスカルボニルイミド酸基、及びホスホン酸基から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  6. 前記アニオン基及び前記ブレンステッド酸基に対する前記ブレンステッド酸基のモル比(=Macid/(Manion+Macid)。但し、Manionは、前記アニオン基のモル数。Macidは、前記ブレンステッド酸基のモル数。)が、0.1以上0.9以下である請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  7. 前記高分子鎖は、C−F結合を備えたフッ素系高分子鎖からなる請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  8. 請求項1〜7までのいずれかに記載の高分子電解質組成物を用いた電気化学デバイス。
  9. 請求項1〜7までのいずれかに記載の高分子電解質組成物を用いた燃料電池。
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