JP7220143B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池に関する。特に、本発明は、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)、およびプロトン交換膜燃料電池での使用に適した触媒と電解質との組み合わせに関する。
燃料電池は化学反応によって電気を発生させる装置である。
燃料電池は、アノード、カソードおよび電解質を有する。電気を発生させる反応は、典型的には電極で(すなわち、アノードおよびカソードで)起こる。これらの反応は電子(e)と荷電粒子(イオン)を形成する。動作中、電解質は一方の電極から他方の電極へのイオンの移動を促進し、一方電子は接続された外部電気回路を介して、一方の電極から他方の電極へ移動する。
プロトン交換膜燃料電池では、プロトン(H)および電子(e)がアノードで形成され、プロトンは電解質を通ってアノードからカソードに移動し、一方電子は外部電気回路を介してカソードに移動する。プロトン交換膜燃料電池において、アノードとカソードとの間に配置された膜は、アノードからカソードへのプロトンの移動を可能にするように作用するが、アノードからカソードへの電子または陰イオンの移動を妨げる。そのような膜は、電解質を介して移動させるのではなく、電子を外部電気回路を介して流す。
PEMFCのカソードで起こり得る反応の例は、酸素還元反応(ORR)であり、ここで、酸素(O)は、2電子プロセスにおいてH([O2-から)または4電子プロセスにおいてHO(2[O]2-から)に還元される。PEMFCのアノードで起こり得る反応の例は、水素(H)が酸化されてプロトン(2H)および電子(2e)を形成する水素酸化反応(HOR)である。
触媒は、一般に、カソードおよびアノードにおける反応を触媒するために必要とされる。使用される触媒は、典型的には白金などの貴金属を含む。触媒の高価格は燃料電池の用途を制限してきた。
当業者には理解されるように、燃料電池技術の開発は、単独でまたは他の構成要素と組み合わせてのいずれかで、燃料電池の任意の構成要素に関してなされ得る。例えば、開発は、燃料電池のアノード、カソード、電解質および/または膜に関して、独立してまたは燃料電池の他の構成要素と関連して行うことができる。
伝統的に、カソードに関する開発は、カソードで起こる反応の複雑な性質のために、典型的にはより遅くかつより挑戦的であった。例えば、酸素の還元は多くの中間体を含み、したがって他の幾つかの還元または酸化反応よりも本質的に複雑である。加えて、好ましくないエネルギー障壁は、水素酸化反応と比較して酸素還元反応を、典型的には比較的遅くする。
代替の燃料電池を提供することは有利であろう。本発明の少なくとも好ましい実施形態が、カソードでの還元反応を触媒するために貴金属触媒(白金など)の使用を必要としない燃料電池を提供することである場合、また有利であろう。
第1の態様において、本発明は、燃料電池であって、
- アノードと、
- カソードと、
- カソードと接触している非貴金属触媒と、
- 非貴金属触媒と接触しているプロトン性イオン液体を含む電解質と
を含む、燃料電池を提供する。
電解質は、アノードからカソードへのプロトン(または他のカチオン)の移動を可能にする。
有利には、本発明者は、Oの4電子還元経路がOの2電子還元経路よりも有利であり、HではなくHOを形成する本発明の燃料電池を製造できることを見出した。4電子還元プロセスは水(HO)を生成するので環境的観点から望ましい。さらに、Hは反応性であり、Hの存在は燃料電池の耐久性を制限する可能性がある。
一実施形態では、非貴金属触媒はFe-N/C触媒である。
一実施形態では、プロトン性イオン液体は式(A)(BH)を有し、ここで、Aは酸HAの共役塩基であり、BHは塩基Bの共役酸であり、HAとBHとの間のpKの差はΔpK)は約12~約30である。一実施形態では、ΔpKは約15~約18である。一実施形態では、塩基Bはアミンである。一実施形態では、塩基Bは式(I)で表され、
Figure 0007220143000001

ここで、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル基(例えばC1-6アルキル基)、置換されていてもよいアルケニル基(例えばC2-6アルケニル基)、および置換されていてもよいアルキニル基(例えばC2-6アルキニル基)からなる基から選択され、
ここで、R、Rおよび/またはRは任意に結合して、飽和または不飽和の置換されていてもよい複素環、飽和または不飽和の置換されていてもよい二環式複素環または飽和または不飽和の置換されていてもよい三環式複素環を形成する。
一実施形態では、塩基Bはトリアルキルアミンである。一実施形態では、塩基Bはジエチルメチルアミンである。
一実施形態では、共役塩基Aは強酸の共役塩基である。一実施形態では、共役塩基Aは非求核性である。
一実施形態では、共役塩基Aはトリフレート(TfO)である。
一実施形態では、プロトン性イオン液体は、[dema][TfO]である。
一実施形態では、Fe-N/C触媒は、p-フェニレンジアミンを含む試薬から誘導される。
一実施形態では、Fe-N/C触媒は、塩化第二鉄を含む試薬から誘導される。
一実施形態では、Fe-N/C触媒はカーボンブラックを含む試薬から誘導される。
一実施形態では、Fe-N/C触媒は、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックから誘導される。
第2の態様において、本発明は、プロトン性イオン液体を含む電解質中でOからHOへの4e還元を達成するための、燃料電池における非貴金属触媒の使用を提供する。
第3の態様において、本発明は、プロトン性イオン液体を含む電解質中でOと非貴金属触媒とを接触させることを含む、OをHOに還元する方法を提供する。
第4の態様では、本発明は、プロトン性イオン液体を含む電解質中で非貴金属触媒を使用して、OからHOへの還元を提供する。
第5の態様では、本発明は、プロトン性イオン液体を含む電解質を含む燃料電池に使用する電極を提供し、電極はその表面に非貴金属触媒を有する。
第2、第3、第4または第5の態様の一実施形態では、非貴金属触媒はFe-N/C触媒である。一実施形態では、プロトン性イオン液体は式(A)(BH)を有し、ここで、Aは酸HAの共役塩基であり、BHは塩基Bの共役酸であり、HAとBHとの間のpKの差はΔpK)は約12~約30である。
本発明は、燃料電池用のカソードと電解質との組み合わせに関する開発に関する。当業者には理解されるように、従来のアノードおよび膜(例えばプロトン交換膜)は、それらがカソードと電解質の組み合わせと適合性があるという条件で、本発明の燃料電池に使用することができる。
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して、単なる一例として以下に説明される。
作製したFe-N/Cのみの触媒の(a)SEM画像および(b)高倍率TEM画像を示す。(c)Fe-N/C触媒サーベイスキャン(catalyst survey scan)のデコンボリューションされた(deconvoluted)N 1sスペクトル、および(d)Fe-N/C触媒サーベイスキャンのデコンボリューションされたFe 2pスペクトル。 (a)異なる回転速度および0.01V s-1のスキャン速度でのO飽和[dema][TfO]中のFe-N/Cのリングディスク電極(RDE)ボルタモグラム、(b)様々な電位におけるFe-N/Cの対応するKoutecky-Levichプロット、(c)1600rpmでのFe-N/CおよびPt/Cの回転リングディスク電極(RRDE)ボルタモグラム(リング電位は-0.90Vに設定)および(d)様々な電位でのFe-N/CおよびPt/Cのパーオキシドパーセンテージ(対応するRRDEボルタモグラムから決定)を示す。 (a)O飽和[dema][TfO]における-0.50Vの電位でのFe-N/Cおよび-0.15Vの電位でのPt/C、および3M CHOHを添加した(b)のクロノアンペロメトリー応答を示す。 作製したFe-N/C触媒の(a)EDXラインスキャンおよび(b)TEM画像を示す。 作製したFe-N/CのXRDスペクトルを示す。 (a)Fe-N/C触媒のXPSスペクトルおよび(b)Fe-N/CのデコンボリューションされたS 2pスペクトルを示す。 0.1V s-1の走査速度でO飽和(実線)およびAr飽和(一点鎖線)[dema][TfO]においてガラス状カーボン電極上に加えられたカーボンブラック(CB)、Fe-N/CおよびPt/Cのサイクリックボルタモグラムを示す。 (a)異なる回転速度(スキャン速度0.01V s-1)でのO飽和[dema][TfO]におけるPt/CのRDEボルタモグラム、および(b)様々な電位におけるPt/Cの対応するKoutecky-Levichプロットを示す。 Ar飽和[dema][TfO](破線)および50mM Hを含有するAr飽和[dema][TfO](実線)におけるPtディスク電極のサイクリックボルタモグラムを示す。
第1の態様において、本発明は、燃料電池であって、
- アノードと、
- カソードと、
- カソードと接触している非貴金属触媒と、
- 非貴金属触媒と接触しているプロトン性イオン液体を含む電解質と
を含む、燃料電池を提供する。
電極
燃料電池は、アノードおよびカソード(すなわち電極)を含む。使用時には、電極は外部電気回路に電気的に接続され、外部回路に電力を供給する(すなわち動作する)。電極は、電極として機能し得る任意の材料から形成され得る。燃料電池では、電極は、電解質と外部電気回路との間を移動または輸送される電子用の電気的ブリッジまたは接続を形成する。したがって、電極として機能するためには、電極は電気を伝えることができなければならない。好ましくは、電極は、電極と接触している電解質または燃料電池内での反応によって形成された生成物中で安定であり、かつ認識できる程度には反応しない材料から形成される。好ましくは、電極は効率を最大にするために最小の抵抗を有する。典型的には、電極は金属または他の導電性基板(炭素、白金、銅、ニッケルなど)でできている。ガス成分(例えば、水素および/または酸素)を利用する実施形態では、電極は通常、ガスが電解質(例えば、アノードの水素燃料およびカソードの酸素)に拡散することを可能にするガス拡散層を含む。
一実施形態では、カソードはガラス状カーボンを含む。
一実施形態では、アノードは白金を含む。
電極は、全体が所与の材料で形成されてもよく、または異なる材料の層を含んでもよい。例えば、アノードは白金から形成されてもよく、または他の金属から形成されて白金コーティングを有してもよい。電極上に表面コーティングを有する実施形態では、表面コーティングは電極の表面を完全にコーティングしてもよく、またはその一部分のみをコーティングしてもよい。例えば、アノードは、白金で完全にコーティングされていてもよく、または白金の表面の一部のみがコーティングされていてもよい。幾つかの実施形態では、電極は、導電性材料のコーティングを使用して、ほとんど電気的に非導電性の材料で形成してもよい。
電解質
電解質は、アノードからカソードへのプロトン(または他のカチオン)の移動を可能にする。単一の電解質が(電解質中のプロトン交換膜を用いて)アノードとカソードの両方と接触していてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、プロトン性イオン液体を含む電解質は、カソードと接触している非貴金属触媒と接触していてもよく、別の電解質は、電解質の組み合わせが、アノードからカソードへのプロトン(または他のカチオン)の移動を可能にするという条件で、アノード(およびアノード上の触媒)と接触していてもよい。
幾つかの実施形態では、カソードと接触している非貴金属触媒と接触しているプロトン性イオン液体を含む電解質は、プロトン性イオン液体に加えて溶媒(例えば水)などの成分を含むことができる。幾つかの実施形態において、電解質は、ポリマー材料(例えば、スルホン化ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)を含む固体ポリマーマトリックスに組み込まれて、電解質を含む固体マトリックスを形成する。
一実施形態では、電解質は、少なくとも20%v/vのPIL、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%v/vのPILを含む。
イオン液体は液体状態の塩である。イオン液体は典型的には約100℃未満の融点を有する。プロトン性イオン液体はイオン液体の一種である。プロトン性イオン液体は、酸と塩基から形成されたイオン液体であり、プロトンが酸から塩基に移動して共役塩基と共役酸を形成する。
PILの低い蒸気圧、不燃性、高い熱的および電気化学的安定性は、PILをプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)での使用に適したものにする。これらの特性により、加湿を必要とせずにPILを水溶液系電解質よりも高い温度で動作させることができる。ナフィオンなどの幾つかの一般的に使用されるプロトン交換膜は、プロトンを輸送するために膜の液体水加湿に依存している。そのような膜を水溶液系電解質と共に使用する場合、特に約80から90℃(またはそれ以上)の温度で操作される場合、燃料ガスの加湿は膜の脱水を避けるために一般に使用され、そのような燃料電池の動作の複雑性およびコストを増加する。幾つかの実施形態では、本発明の燃料電池は、加湿なしで約90℃より高い温度で動作することができる。
プロトン性イオン液体は、式(A)(BH)で表すことができ、ここでAは酸HAの共役塩基であり、BHは塩基Bの共役酸である。
幾つかの実施形態では、HAとBHとの間のpKの差(ΔpK)は、約12~約30、例えば、約13~約25、約15~約25、約15~約20、約20~約25、約17~約20、約12~約18、約16~約19、約17~約19である。
一実施形態では、塩基Bはアミンである。
一実施形態では、塩基Bは第三級アミンである。
一実施形態では、塩基Bはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミンである。
一実施形態では、塩基Bは式(I)で表され、
Figure 0007220143000002

ここで、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル基(例えばC1-6アルキル基)、置換されていてもよいアルケニル基(例えばC2-6アルケニル基)、および置換されていてもよいアルキニル基(例えばC2-6アルキニル基)から選択され、
ここで、R、Rおよび/またはRは任意に結合して、飽和または不飽和の置換されていてもよい複素環、飽和または不飽和の置換されていてもよい二環式複素環または飽和または不飽和の置換されていてもよい三環式複素環を形成する。
幾つかの実施形態では、塩基Bはイミンである。例えば、塩基Bは、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)を含み得る。
幾つかの実施形態では、共役塩基A-は強酸の共役塩基である。強酸は、典型的には0未満、例えば約0~約-20、約0~約-15、約0~約-10、約0~約-5、約-1~約-15、約-1~約-10、約-1~約-5、約-2~約-15、約-2~約-10、約-2~約-5、約-3~約-10、約-4~約-10、約-5~約-10、約-6~約-8、約-10~約-20、約-10~約-15、約-5~約-15、または約-12~約-16のpKを有する。
一般的な酸(および一般的な塩基の共役酸)のpK値は、文献に広く報告されており、よく測定されている。例えば、EvansのpKa表(http://evans.rc.fas.harvard.edu/pdf/evans_pKa_table.pdf)やBordwell pKa表(http://www.chem.wisc.edu/areas/reich/pkatable/index.htm)は、多くの一般的な酸(および一般的な塩基の共役酸)のpK値を示す。
本発明の燃料電池に使用するプロトン性イオン液体を形成するのに有用であり得る強酸の例としては、トリフル酸(CFSOH、TfOH)および他のフッ素化アルキルスルホン酸(例えばFSOH)、メタンスルホン酸(CHSOH、MsOH)、トリフルオロ酢酸(CFCOH、TFA)およびトリフルオロメタンスルホンイミド((CFSONHで、ビストリフルイミドまたはビス(トリフルオロメタン)スルホンイミドとしても知られる)を含む。
2つ以上の酸および/または2つ以上の塩基の混合物を用いてPILを形成することができる。例えば、PILは、1つを超える共役塩基(例えば、2つ以上のTfO、FSO-、CFCO 、CHSO または(CFSO)、および/または1つを超える共役酸(例えば、2つ以上のトリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウムまたはジエチルメチルアンモニウム)を含んでもよい。そのような混合物は、2つの異なるPILを混合することによって、あるいは2つ以上の酸を塩基と、2つ以上の塩基を酸と、または2つ以上の酸と2つ以上の塩基を加えることによって、調製することができる。
適切な酸HAおよび塩基Bの対は、それらの報告されたまたは予測されたΔpK値に基づいて選択され得る。そのような実施形態では、ΔpKは、酸HAと塩基Bの対から誘導されるプロトン性イオン液体の開回路電位(OCP)を最適化するように選択され得る。OCPは、プロトン性イオン液体のΔpK値に依存し得ることが報告されている。例えば、約12~約16または約19~約21の範囲のΔpK値を有するプロトン性イオン液体は、約0.7~約0.9Vの範囲のOCPを有すると予想されるであろう。対照的に、約16~約19の範囲のΔpK値を有するプロトン性イオン液体は、約0.9~約1.1Vの範囲のOCPを有すると予想される。したがって、幾つかの実施形態において、プロトン性イオン液体は、約0.7~約1.1V、例えば、約0.9~約1.1、1.0~約1.1Vの範囲のOCPを有する。
幾つかの実施形態では、共役塩基Aは非求核性である。非求核性共役塩基は、実質的に非求核性である共役塩基(すなわち、かなりの程度まで求核剤として作用しない貧求核剤または化合物)である。理論に拘束されることを望むものではないが、非求核性共役塩基Aは、非貴金属触媒の求核部位(触媒の活性部位でもあり得る)に結合しにくいと考えられる。非求核性共役塩基の例はトリフレート(TfO)であり、これは通常トリフル酸(TfOH)から得られる。他の非求核性共役塩基としては、立体障害共役塩基が挙げられる。
一実施形態では、プロトン性イオン液体は、トリメチルメタンスルホン酸ジエチルメチルアンモニウム[dema][TfO]である。ジエチルメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート[dema][TfO]は150℃で高くかつ安定した開回路電位(OCP)(1.03V)を示し、これは同じ条件下で無水リン酸よりも良好である。[dema][TfO]の優れた電気化学的性能は、その中間N-H結合強度とΔpKaに起因すると考えられる。[dema][TfO]と同様のバルク特性を有するジエチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、[dema][NTf]は、同じ条件下で、[dema][TfO]よりも低いOCP(0.70V)を示し、比較的遅いORRおよびHORの動特性によると考えられる。[dema][NTf]のORRおよびHORに対する貧弱な電気化学的活性は、理論的により強いN-H結合から生じるより低いプロトン活性によると考えられる。ORRおよびHORの強化された動特性により、[dema][TfO]は、非加湿燃料電池用の適切な電解質である。
プロトン性イオン液体は、本発明の燃料電池の使用時には液体状態にある。当業者には理解されるように、燃料電池は様々な温度で運転することができ、プロトン性イオン液体はより低い温度で凝固することができる。プロトン性イオン液体は、燃料電池の動作温度で液体である。典型的には、プロトン性イオン液体は、約100℃未満(例えば、約80℃未満、約50℃未満または約20℃未満)の融点を有する。

プロトン交換膜燃料電池は、アノードとカソードとの間に配置された膜を含む。膜は、プロトン(または他のカチオン)が膜を通過または伝導することを可能にしながら、電子の通過または伝導を阻止または妨げるように作用する。これは、アノードとカソードとの間の電解質を通る電子の直接通過を阻止または妨げるように作用し、代わりに、それらは外部電気回路を通過しなければならない。膜は通常、燃料と酸素が通過するのを防ぎ、燃料電池内の燃料と酸素の分離を維持する。あるいは、この目的のために追加の膜を使用することができる。
膜は、例えば、ナフィオン(スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー-コポリマー)などのプロトン伝導性ポリマーから形成されてもよい。
様々なプロトン交換膜が市販されており、本発明の燃料電池に使用することができる。このような膜としては、デュポン社製のナフィオン膜(例えば、ナフィオンHP、ナフィオン211、ナフィオンXL、ナフィオン212、ナフィオンNE1035、ナフィオン115、ナフィオン117、ナフィオン1110、ナフィオンN2100TX)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(アサヒケミカル社製)、BAM(Ballard Advanced Materials Corporation製)、SEBS(Dais Analytic Corporation)が挙げられる。さらに、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびその誘導体を含む膜もまた使用され得る。
非貴金属触媒
本発明の燃料電池は、カソードと接触している非貴金属触媒を含む。
本明細書で使用するとき、用語「貴金属触媒」は、貴金属(Pt、Pd、AgまたはRh)を含む触媒を指し、用語「非貴金属触媒」は、貴金属を含まない(Pt、Pd、AgまたはRh)、または貴金属(Pt、Pd、AgまたはRh)を認識できる量で含まない触媒を指す。カソードと接触する「非貴金属触媒」は、典型的には、0.05mg/cm未満の貴金属(Pt、Pd、AgまたはRh)を含む。
本発明者らは、カソードと接触しているプロトン性イオン液体電解質および非貴金属触媒を含む燃料電池を製造できることを見出した。燃料電池の多くの潜在的用途の制限要因は、燃料電池に一般的に使用される貴金属触媒のコストであり、それ故、カソードと接触する触媒が少なくとも非貴金属触媒である燃料電池を提供することは有利である。
非貴金属触媒は、プロトン性イオン液体を含む電解質中のOの還元を触媒することができる。好ましくは、触媒は、プロトン性イオン液体を含む電解質中で酸素の水への4e還元を触媒することができる。
本発明者は、カソード上の非貴金属触媒を、非貴金属触媒と接触しているPILを含む電解質と組み合わせることによって、カソードと接触している非貴金属触媒を含む燃料電池を製造することが可能であり、非貴金属触媒は酸素の水への4e還元を触媒することができることを見出した。
発明者の知る限りでは、プロトン性イオン液体中のOの4電子還元は、これまで白金触媒を使用してのみ達成されていた。本発明者は、驚くべきことに、PIL中の酸素還元反応を触媒するために非貴金属触媒を使用できることを見出した。本発明者はまた、驚くべきことに、非貴金属触媒とPILとの組み合わせを使用して、低い過電圧でOからHOへの4e還元(2[O]2-を介して)を達成することができることを見出した。
非貴金属触媒は、酸素の還元を触媒するために燃料電池中に存在する。一実施形態では、非貴金属触媒は、Oから[O2-(2Hの添加によりHを形成し得る)への酸素の還元を触媒する。他の実施形態では、非貴金属触媒は、[O2-(またはH)の2[O]2-への還元を触媒する(したがって、2Hの添加時にHOを形成する)。他の実施形態では、非貴金属触媒は、Oから2[O]2-への酸素の還元を触媒する(したがって、4Hを添加すると2HOを形成する)。
幾つかの実施形態では、非貴金属触媒はカソードの全表面上にある(例えば全表面を覆う)。他の実施形態では、非貴金属触媒はカソードの表面の一部分の上のみにある(例えば一部分のみを覆う)。
触媒を電極と接触させる結果となる任意の手段によって、触媒を電極と接触させることができる。触媒は、電極の表面に形成されていてもよい。より典型的には、触媒は予め形成され、次いで電極の表面に塗布される。溶媒および/またはバインダー中に触媒を含む組成物を使用して、電極上に触媒の層を形成するのを支援することができる。
カソードと接触している非貴金属触媒は、Fe-N/C触媒であり得る。
したがって、一態様では、本発明は、燃料電池であって、
- アノードと、
- カソードと、
- カソードと接触しているFe-N/C触媒と、
- Fe-N/C触媒と接触しているプロトン性イオン液体を含む電解質と
を含む、燃料電池を提供する。
Fe-N/C触媒は、様々な既知の方法を用いて製造することができる。Fe-N/C触媒はまた、異なる特性(例えば、異なるPILに対する異なる許容度、温度、触媒回転など)を有するFe-N/C触媒を生じ得る、様々な異なる条件および原料を使用して製造することができる。
Fe-N/C触媒を製造するための出発原料は、典型的には鉄源、窒素源および炭素源を含む。例えば、Fe-N/C触媒を製造するのに使用できる鉄源としては、FeCl、Fe(NO、Fe(アセチルアセテート)およびFeSOなどの鉄(II)または鉄(III)塩を含む。Fe-N/C触媒を製造するのに使用できる窒素源には、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、アニリンおよび2,4,6-トリス(2-ピリジル)-s-トリアジンが含まれる。Fe-N/C触媒を製造するのに使用できる炭素源には、非晶質炭素(例えばカーボンブラック)が含まれる。他の炭素源もまた使用され得る。
Fe-N/C触媒は、典型的には原料を熱分解することによって調製される。熱分解反応が起こる温度は、Fe-N/C触媒を製造するのに使用されることになっている原料に応じて著しく変化し得る。当業者は、熱分解反応を実施するのに適した温度を決定することができるであろう。熱分解反応は、典型的には約200℃より高い、例えば約200~約2000℃、約200~約1500℃、約300~約1000℃、約500~約1000℃または約800~約1000℃で行われる。
幾つかの実施形態では、Fe-N/C触媒は、
- FeCl、Fe(NO、Fe(アセチルアセテート)およびFeSOから選択される鉄源、またはそれらの組み合わせと、
- p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、アニリンおよび2,4,6-トリス(2-ピリジル)-s-トリアジンまたはそれらの組み合わせから選択される窒素源と、
- 非晶質炭素と
を熱分解することによって調製される。
一実施形態では、Fe-N/C触媒は、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックから誘導される。一実施形態では、Fe-N/C触媒は、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックを熱分解することによって調製される。
幾つかの実施形態では、Fe-N/C触媒は、比較的均一でよく分散しているナノ構造Fe-N/C粒子を有する。幾つかの実施形態において、Fe-N/C触媒は、FeCおよびFeS部位と比較して、高い割合のピリジンのN(pyridinic N)およびグラファイトのN(graphitic N)部位を有する。当業者は、既知の技術を用いてそのような部位の割合を決定することができる。例えば、Fe-N/C触媒中のピリジンのNおよびグラファイトのN部位は、異なる技術(例えば、XRD、走査型透過電子顕微鏡法(STEM)、高分解能透過電子顕微鏡法(HRTEM)、およびXPS)の組み合わせを用いて識別され、定量化されてもよい。FeSおよびFeCは、XRDおよびSTEM/HRTEMを使用して検出できる。XPSスペクトル中のピーク強度およびピーク位置はそれぞれ、部位の量ならびに元素/化学組成に関する情報を提供する。
幾つかのPt/C触媒と比較して、Fe-N/C触媒は容易に製造することができ、および/またはより低いコストで製造することができ、したがって大規模な商業用途にとって魅力的になる。
燃料電池
動作中、燃料(例えばHガス)はアノードと接触させられ、酸素(例えば空気からの)はカソードと接触させられる(例えば電解質に溶解させることによる)。
アノードでは、化学反応によって燃料が酸化され、プロトンと電子が形成される。典型的には、触媒がアノードと接触してこの反応を触媒する。アノードと接触する触媒は、反応を触媒することができる任意の触媒であり得、貴金属触媒(例えば、Pt触媒)または非貴金属触媒であり得る。アノードと接触している電解質は、アノードからカソードへのプロトンの移動を可能にする。
カソードでは、酸素は、外部電気回路を通って移動したまたは伝導した電子およびアノードから電解質を通って移動したまたは伝導したプロトンと結合し、それによって酸素をHまたはHO、好ましくはHOに還元する。非貴金属触媒(例えば、Fe-N/C触媒)はこの反応(酸素の還元)を触媒する。水は比較的不活性で環境的に安全な生成物であるので、酸素をHOに還元することが好ましい。さらに、燃料電池内にHが存在すると、燃料電池の耐久性が低下する可能性がある。
典型的には、複数の燃料電池を直列に組み合わせ、生成された電圧を増加させる(燃料電池スタック)。燃料電池はまた、並列に組み合わせて、電流供給を増大させる(すなわち、全体の電流出力(Amp)を増大させる)こともできる。
定義
本明細書で他に定義されない限り、以下の用語は続く一般的な意味を有すると理解されるであろう。以下に言及される用語は、その用語が単独で使用される場合、およびその用語が他の用語と組み合わせて使用される場合に、他に示さない限り、続く一般的な意味を有する。それ故、例えば、「アルキル」の定義は、「アルキル」および「アリールC1-6アルキル」、「ヘテロアリールC1-6アルキル」などの「アルキル」部分にも適用される。
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の飽和ヒドロカルビル基を指す。好ましくはC1-6アルキルおよびC1-4アルキル基である。用語「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。C1-6アルキルの例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i-Pr)、ブチル(Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル(s-Bu)、tert-ブチル(t-Bu)、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが含まれる。文脈上別段の要求がない限り、「アルキル」という用語は、基が2つの位置を介して結合している、すなわち2価であるように1個少ない水素原子を含有するアルキル基も包含する。
「アルケニル」という用語は、該当する場合、E-またはZ-のいずれかの立体化学の少なくとも1つの二重結合を有する直鎖または分岐鎖ヒドロカルビル基を指す。好ましくはC2-6アルケニルおよびC2-4アルケニル基である。「C2-6アルケニル」という用語は、2~6個の炭素原子を有するアルケニル基を指す。C2-6アルケニルの例には、ビニル、1-プロペニル、1-および2-ブテニルならびに2-メチル-2-プロペニルが含まれる。文脈上別段の要求がない限り、用語「アルケニル」は、基が2つの位置を介して結合している、すなわち2価であるように、1個少ない水素原子を含有するアルケニル基も包含する。
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を有する直鎖または分岐鎖ヒドロカルビル基を指す。好ましくは、C2-6アルキニルおよびC2-4アルキニル基である。用語「C2-6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基を指す。C2-6アルキニルの例には、エチニル、1-プロピニル、1-および2-ブチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニルおよび5-ヘキシニルなどが含まれる。文脈上別段の指示がない限り、用語「アルキニル」はまた、基が2つの位置を介して結合している、すなわち二価であるように、1個少ない水素原子を含有しているアルキニル基を包含する。
「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」という用語は、基-OHを指す。
「アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシおよびペントキシなどの、O結合を介して共有結合している上記で定義したアルキル基を指す。好ましくは、C1-6アルコキシ、C1-4アルコキシおよびC1-3アルコキシ基である。
用語「カルボキシレート」または「カルボキシル」は、基-COOまたは-COOHを指す。
「エステル」という用語は、例えばアルキル基(「アルキルエステル」または「アルキルカルボニル」)、アリールまたはアラルキル基(「アリールエステル」または「アラルキルエステル」)などで置換された水素を有するカルボキシル基を指す。例えば、メチルエステル(-COMe)、エチルエステル(-COEt)およびプロピルエステル(-COPr)ならびにそれらの逆エステル(例えば、-OC(O)Me、-OC(O)Etおよび-OC(O)Pr)などのCO1-3アルキル基が好ましい。
「アミノ」という用語は、-NH基を指す。
用語「置換アミノ」または「第二級アミノ」は、例えば、アルキル基(「アルキルアミノ」)、アリールまたはアラルキル基(「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」)などで置換された水素を有するアミノ基を指す。例えば、メチルアミノ(-NHMe)、エチルアミノ(-NHEt)およびプロピルアミノ(-NHPr)などのC1-3アルキルアミノ基が好ましい。
用語「二置換アミノ」または「第三級アミノ」は、例えば、同じでも異なっていてもよいアルキル基(「ジ(アルキル)アミノ」)、アリールおよびアルキル基(「アリール(アルキル)アミノ」)などで置換された2個の水素を有するアミノ基を指す。例えばジメチルアミノ(-NMe)、ジエチルアミノ(-NEt)、ジプロピルアミノ(-NPr)およびそれらの変形(例えば-N(Me)(Et)など)等のジ(C1-3アルキル)アミノ基が好ましい。
用語「アシル」または「アルデヒド」は、基-C(=O)Hを指す。
「置換アシル」または「ケトン」という用語は、例えば、アルキル基(「アルキルアシル」または「アルキルケトン」)、アリール基(「アリールケトン」)、アラルキル基(「アラルキルケトン」)などで置換された水素を有するアシル基を指す。C1-3アルキルアシル基が好ましい。
「アミド」または「アミド」という用語は、基-C(O)NHを指す。
「アミノアシル」という用語は、-NHC(O)H基を指す。
用語「置換アミド(substituted amido)」または「置換アミド(substituted amide)」は、例えば、アルキル基(「アルキルアミド(alkylamido)」または「アルキルアミド(alkylamide)」)、アリール(「アリールアミド」)、アラルキル基(「アラルキルアミド」)などで置換された水素を有するアミド基を指す。例えば、メチルアミド(-C(O)NHMe)、エチルアミド(-C(O)NHEt)およびプロピルアミド(-C(O)NHPr)ならびにそれらの逆アミド(例えば、-NHC(O)Me、-NHC(O)Etおよび-NHC(O)Pr))などのC1-3アルキルアミド基が好ましい。
用語「二置換アミド(disubstituted amido)」または「二置換アミド(disubstituted amide)」は、例えば、アルキル基(「ジ(アルキル)アミド(di(alkyl)amido)」または「ジ(アルキル)アミド(di(alkyl)amide)」、アラルキル、およびアルキル基(「アルキル(アラルキル)アミド」)などで置換された2個の水素を有するアミド基を指す。例えば、ジメチルアミド(-C(O)NMe)、ジエチルアミド(-C(O)NEt)およびジプロピルアミド(-C(O)NPr)、ならびにそれらの変形(例えば-C(O)N(Me)Etなど)ならびにそれらの逆アミドなどのジ(C1-3アルキル)アミド基が好ましい。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される「置換されていてもよい」という用語は、アルキル(例えばC1-6アルキル)、アルケニル(例えばC2-6アルケニル)、アルキニル(例えばC2-6アルキニル)、シクロアルキル(例えばC3-8シクロアルキル)、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ(例えばC1-6アルコキシ)、アリールオキシ、アリールC1-6アルコキシ、ハロ、ハロC1-6アルキル(-CFおよび-CHFなど)、ハロC1-6アルコキシ(-OCFおよび-OCHFなど)、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、二置換アミノ、アシル、ケトン、アミド、アミノアシル、置換アミド、二置換アミド、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、アリールC2-6アルケニル、ヘテロシクリルC2-6アルケニル、アリールC2-6アルキニル、ヘテロシクリルC2-6アルキニル、ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC2-6アルケニル、ヘテロアリールC2-6アルキニル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロシクリルからなる基から独立して選択された1、2、3、4個以上の基、好ましくは1、2または3個の基、より好ましくは1または2個の基で置換されてもされなくてもよい基を指し、それらを含む基はさらに置換されていてもよい。Nを含有する複素環の場合の任意の置換基はまた、C1-6アルキル、すなわちN-C1-6アルキルを含み得るが、これらに限定されない。
置換されていてもよい「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」について、任意の1つまたは複数の置換基は好ましくは、アミノ、置換アミノ、二置換アミノ、アリール、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ヘテロシクリル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシル、オキソ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシレートおよびエステルから選択される。これらの任意の置換基のそれぞれはまた、上記の任意の置換基のいずれかで置換されていてもよい。

以下の非限定的な例を参照して、本発明をさらに以下に説明する。
例1
1 方法
1.1 材料および方法
ジエチルメチルアミン(97%)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)(98%)、p-フェニレンジアミン(p-PD)(≧99%)、ナフィオン溶液(5重量%)、塩化カリウム(KCl)(≧99%)およびPt/C(10重量%Pt)はSigma Aldrichから購入した。導電性カーボンブラック(Super C-65)はTimcalから購入した。フェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、ペルオキシ二硫酸アンモニウム(APS)(98%)、および過酸化水素(H)(30%)は、Chem Supplyから購入した。塩化第二鉄(FeCl)(97%)はStrem Chemicalsから購入し、塩酸(HCl)(32%)はRCI Labscanから購入した。酸素(高純度)およびアルゴン(高純度)はAir Liquideから購入した。
2 合成および特性解析
2.1 PILの合成
PIL、[dema][TfO]は、以前に記述された手順(A.Khan、X.Lu、L.Aldous、C.Zhao、J.Phys.Chem.C 2013、117、18334-18342、 X.Lu、G.Burrell、F.Separovic、C.Zhao、J.Phys.Chem.B 2012、116、9160~9170、C.Zhao、G.Burrell、A.A.J.Torriero、F.Separovic、N.F.Dunlop、D.R.MacFarlane、A.M.Bond、J.Phys.Chem.B 2008、112、6923-6936)を用いて合成し、特性解析した。
簡単に説明すると、等モル量(1:1mol/mol)のブレンステッド酸および塩基を激しく撹拌しながら同時に滴下して、発熱反応の熱を消散させた。各実験の前に、[dema][TfO]を真空下80℃で48時間さらに乾燥した。乾燥後、カールフィッシャー滴定をMetrohm 831 KFクーロメータ(Herisau、Switzerland)を用いて行い、PIL中の水分含有量が200ppm未満であることを確認した。[dema][TfO]の粘度および密度は、25℃の温度でAnton Paar Lovis 2000 ME Microviscometer(MEP Instruments Pty Ltd、オーストラリア)を用いて記録した。
2.2 Fe-N/C触媒の合成
Fe-N/C系触媒は、重合p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラック(Y.Zhu、B.Zhang、X.Liu、D.W.Wang、D.S.Su、Angew.Chem.Int.Ed.2014、53、10673-10677)を熱分解することによって合成した。
簡単に説明すると、酸処理カーボンブラックを0.5M HCl中のp-フェニレンジアミンに分散させ、続いて温度を10℃未満に保ちながらペルオキシ二硫酸アンモニウム水溶液をゆっくり添加した。FeClの水溶液(FeCl対フェニレンジアミンのモル比1:4)を懸濁液にゆっくり加えた。混合物を24時間連続して撹拌した後、ロータリーエバポレータを使用して溶媒を除去した。前駆体をアルゴン雰囲気下900℃で1時間熱処理し、1M HClで80℃で8時間予備浸出して不安定で不活性な種を除去し、超純水で徹底的にすすいだ。最後に、この触媒を再びアルゴン雰囲気下900℃で3時間熱処理してFe-N/C触媒を得た。
2.3 物理的特性解析
Fe-N/Cの走査型電子顕微鏡(SEM)画像は、10kVの加速電圧で作動するBruker Energy Dispersive X-ray(EDX)システムを備えたFEI Nova NanoSEM 230を用いて記録した。透過型電子顕微鏡(TEM)は、Philips CM 200を用いて200kVで行った。サンプルは、エタノール懸濁液を銅グリッド上にドロップキャスティングすることによって調製した。XRD試料は、エタノール懸濁液をガラス基板上にドロップキャスティングすることによって調製し、一方XPS測定は、単色Al KαX線源(エネルギー1,486.68eV)を使用するThermo ESCALAB250iX線光電子分光計で実施した。
2.3.1 電気化学的特性解析
全ての電気化学的測定は特注の電気化学セルにおいてCHI 760Dバイポテンショスタット(CH Instruments)で実施した。全ての電気化学実験について、ガラス状カーボン(GC)ディスク(0.125cm)およびPtリング(0.188cm)を有する回転リングディスク電極(RRDE)(ALS Co.、Ltd、日本)を作用電極として使用した。酸素またはアルゴンのいずれかの一定の流れをガスバブラーを通して溶液上に維持し、大気汚染を防ぐために一定の過圧を与えた。RRDE電極の収集効率は41%であった(1.0M KCl溶液中5mMのK[Fe(CN)]を用いて推定)。対極としてはPt線を、準参照極としてはAg線をそれぞれ用いた。Ag QREは比較的安定していることが分かった。
2.3.2 触媒の担持
Fe-N/C触媒「インク」は、9mgの触媒をイソプロパノール/水(0.2mL、3:1v/v)に分散させ、続いてナフィオン(20μL)を添加することによって調製した。次に懸濁液を30分間超音波処理して、触媒の均質な「インク」を得た。5μLの「インク」をGCディスクにドロップキャストし、空気中で放置して乾燥させた結果、1.8mg cm-2の触媒充填が得られた。Pt/Cおよびカーボンブラックの場合(不純物を除去するために6M HClで24時間処理した後)、触媒充填は1.0mg cm-2であった。全ての回転ディスク電極(RDE)およびRRDEボルタモグラムは、同じポテンショスタットを使用して95%オーム降下(iR降下)補償されたが、サイクリックボルタンメトリーおよびアンペロメトリック測定値は、iR補償なしで記録された。RDE測定では、ディスク電極を、100~1600rpmの回転速度で10mV s-1のスキャン速度でカソードスキャンした。電子数(n)は、Koutecky-Levichの式に従ってKoutecky-Levichプロットの線形フィットの傾きから計算し、
Figure 0007220143000003

Figure 0007220143000004

ここで、jは測定された電流密度、jおよびjは拡散限界および動特性電流密度、nは移動する電子の数、ωはディスクの角速度(ω=2πf、fは線形回転速度)、Fはファラデー定数(96,485C mol-1)、νは[dema][TfO]の動粘度(0.225cm-1)、Dは[dema][TfO]におけるOの拡散係数(1.1±0.2×10-5cm-1)、cは[dema][TfO]中のO2濃度(1.79±0.04×10-3mol/L)である。
RRDE測定値から、移動した電子の数およびORRの間にディスク電極で生成されたHのパーセント収率は、以下の式に従って計算され、
Figure 0007220143000005

Figure 0007220143000006

ここで、iはディスク電流、iは環電流、またNはPt環の集電効率(K[Fe(CN)]の減少から決定される0.41)である。
例2
この例では、Fe-N/C系触媒を調製し、PIL中の酸素還元反応(ORR)における触媒活性([dema][TfO])を調べ、市販のPt/C触媒と比較した。
本発明者の知る限りでは、この研究は、プロトン性イオン液体中での酸素の水への4e還元を触媒することができる最初の非貴金属系触媒を表す。
本発明者は、驚くべきことに、Fe-N/Cが、高い触媒活性で[dema][TfO]中の酸素の水への4e還元を触媒することができ、Pt/Cのものに迫り、Pt系触媒よりも高い耐久性を示すことを見出した。これらの結果は、そのようなシステムがPt系触媒および水溶液電解質の加湿に関連するコストを削減することができ、したがって本技術に基づく燃料電池の将来の大規模な実施を支援することができることを実証する。
PIL、[dema][TfO]は、例1に記述された手順を用いて合成し、特性解析した。Fe-N/C触媒は、例1に記載したように、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックを熱分解することにより製造した。SEM画像(図1a)は、比較的均一でよく分散しているナノ構造Fe-N/C粒子を示す。得られた炭素中のFeおよびNの存在は、図4aのEDXラインスキャン検出モードによって検出される。TEM画像(図4b)から、Fe-N/C試料は、50~80nmのサイズの非晶質様炭素粒子を示した。高倍率TEM(図1b)は、グラファイト格子が十分に発達しておらず、結晶質金属相または金属硫化物相は観察されないことを明らかにしている。XRDは、Fe-N/C触媒の結晶構造および相組成をさらに特性解析するために適用した。図5において、Fe-N/C触媒のXRDパターンは、18~30 2θでより広いピークを有する材料の非結晶性(または少なくとも最小結晶性)を確認した。FeCおよびFeSについての回折ピークは観察されず、TEM画像によってなされた観察を裏付けている。
本システムの開発において、触媒のORR電極触媒活性を改善するためにFe-N/C触媒の活性部位の性質を決定することは有用であった。これに関して、FeCおよびFeS部位はORRの活性部位であることは知られておらず、酸浸出プロセスの間に除去される可能性がある(それらの酸中での貧弱な安定性による)。Fe-N/C触媒を形成する際に、高温での熱分解は、P-pPD-またはP-mPD-被覆炭素およびFeClを含有する前駆体中の重合p-フェニレンジアミンの分解を誘発し、Fe、窒素および炭素の転位を生じ、カーボン支持体に結合したFeN錯体を形成する。Fe-N/Cの電気化学的活性は触媒中のFe-N錯体の存在に起因すると予想される。
ドープしたFe-N/C触媒の化学状態に関するさらなる情報はXPSにより得た。図6aのXPSサーベイスキャンは、触媒についての炭素、窒素、酸素、鉄および硫黄の結合配置を示す。図1cのN 1sスペクトルは、398.5および401.09eVで2つのピークにデコンボリューションすることができ、それらはそれぞれの結合エネルギーに対応して、それぞれピリジンNおよびグラファイト性Nに割り当てることができる。グラファイト性NおよびピリジンNの両方が酸素還元の触媒活性において決定的な役割を果たすことが以前に報告されている。Fe 2pスペクトル(図1d)は4つのピークにデコンボリューションすることができる。710.0および715.0eVの結合エネルギーを有するピークは、それぞれFe2+およびFe3+種の2p3/2軌道に起因し、一方、723.0および728.0eVにおけるピークは、それぞれFe2+およびFe3+種の2p1/2軌道の結合エネルギーに割り当てることができる。ピリジン-N原子は孤立電子対のために金属配位部位として作用することが報告されており、触媒中のピリジン-N原子の存在は、FeがFe-N/C触媒中にFe-N錯体の形態で存在し得ることを示唆する。
詳細なS 2pスペクトル(図6b)から、S-C種(163.7および164.8eV)およびSOx種(167.9および168.8eV)に関連するピークのみが観察される。FeSに関連するピークは検出されず、生成されたFeSは酸浸出プロセス中に洗い流されたことを示し、これはXRDおよびTEM分析と一致する。
図7は、それぞれ、O飽和[dema][TfO]中のCB、Fe-N/CおよびPt/Cで得られたCVを示す。Fe-N/Cの場合、Fe3+/Fe2+プロセスに起因する可逆的酸化還元プロセスが、0.5M HSO溶液中の熱分解Fe-N/C触媒について以前に報告されたものと同様に、0.33Vの形式電位で観察される。ORRはFe3+/Fe2+プロセスと著しく重なることが分かり、CBと比較してはるかに正のORR開始電位(Ag QREに対して約0.235V)を示す(Ag QREに対して約-0.30V)。CVは、[dema][TfO]中のFe-N/C触媒の有意なORR活性を示唆し、またFeの存在がFe-N/C触媒のORR活性に対して重要な役割を果たすことを示唆する。以前の研究は、Fe2+/Fe3+の酸化還元遷移に対するORR活性の強い依存性を報告している。[dema][TfO]中のPt/C触媒を用いた以前の研究と一致して、[dema][TfO]中のORRについての最低開始電位(AgQREに対して0.50V)が観察された。
図2aにおいて、Fe-N/Cの電極触媒活性を、O飽和[dema][TfO]中100rpm~1600rpmの範囲の回転速度でRDEボルタンメトリーを使用して研究し、市販のPt/Cと比較した。図2aのFe-N/Cの開始電位および半波電位(Ag QREに対して約0.235Vおよび0.165V)は、Pt/Cよりはるかに負である(図8aのAg QREに対して0.50Vおよび0.375V)。それにもかかわらず、Fe-N/C触媒で得られる限界電流密度はPt/Cと同じである。[dema][TfO]中でPtを用いたORRは、Pt電極では4e還元機構を介して進行することが報告されている。これらの結果は、[dema][TfO]中でFe-N/Cを用いたORRも4e還元経路を介して進行することを示唆している。
Koutecky-Levichの式によるRDE測定により、Fe-N/CおよびPt/Cについての移動電子数および電子移動機構をさらに調べた。図2bは、異なる電位範囲でFe-N/Cについて得られた対応するKoutecky-Levichプロットを示す。プロットは、良好な線形性と最良の線形フィットがほぼ平行であることを示しており、溶解酸素と異なる電位で移動した同数の電子の一次反応動特性を示している。Koutecky-Levichプロットの線形フィットの傾きから計算されたFe-N/C触媒のO分子あたりの移動電子数(n)は、-0.20Vから-0.40Vで3.78であり、OからHOへの4電子経路の減少と一致している。図8bで、傾きがほぼ同じままであり、計算された移動電子数が0.00V~0.20Vの電位範囲で4であるPt/C触媒についても同様の結果が得られる。全ての計算および全ての関連パラメータならびにそれらの値は、例1に示されている。
OがORRの主要生成物であることを確認するために、RRDE測定を実施してORR中のHの収率を定量した。[dema][TfO]中のHの酸化が起こる可能性を見出すために、50mMのHを含有する[dema][TfO]中のCVをPt電極で実施した。図9は、50mM Hの非存在下および存在下でのAr飽和[dema][TfO]中のPtにおけるCVを示す。H酸化ピークは、50mM H/[dema][TfO]中のAg QREに対して0.90Vで現れ、CVの形状は、[dema][TfO]において以前に報告されたものと類似している。
図2cは、1600rpmでの飽和O[dema][TfO]中のFe-N/CおよびPt/Cディスク電極およびPtリング電極についてのRRDE測定値を示し、図2dは、%のHにおける電位依存性変動を示す。Fe-N/Cの場合、-0.185Vから-0.70Vまでの全電位範囲にわたって、計算されたnは4でほぼ一定であるのに対し、Hの収率は5%未満のままであり、Fe-N/C触媒で[dema][TfO]におけるO還元の間、HOが主要生成物であることを示す。これは、Koutecky-Levichプロットを使用してRDE測定から転送された電子の数と一致している。Pt/Cについて、%H収率は4%未満であると推定され、nは0.085Vから-0.270Vで4である。H収率を推定するための手順は例1に提示される。RDEおよびRRDEの両方の結果は、ORRに対するFe-N/C触媒の高い触媒活性および選択性を示し、これは、同じ条件下での[dema][TfO]中の市販のPt/C触媒と同様である。
[dema][TfO]中のFe-N/Cの安定性をクロノアンペロメトリー法により調べた。図3aは、それぞれ-0.50Vおよび-0.15VでO飽和[dema][TfO]中のFe-N/CおよびPt/Cのクロノアンペロメトリー曲線を示している。Fe-N/C電極の電流密度は、Pt/C電極の電流密度よりもはるかに遅い減衰を示すことが分かる(図3a)。6時間後、Fe-N/C電極の電流密度の30%の減少のみが観察される。比較すると、Pt/C電極は、おそらくPt電極の表面上の酸化物の形成および[TfO]の吸着に起因して、[dema][TfO]において6時間にわたって活性の顕著な減衰(初期電流密度の75%の損失)を示す。以前の研究は、SO 2-およびS2-などの低原子価状態の硫黄含有種の吸着がFe-N/C触媒に対して有毒であることを示唆していた。しかしながら、そのような被毒効果は、Pt系触媒のそれよりもはるかに少ない。したがって、[dema][TfO]中のFe-N/C触媒の長期安定性は、Fe-N/C触媒表面上の[TfO]陰イオンの吸着および/または被毒効果の減少に起因し得る。
メタノールへの耐性は、メタノールクロスオーバーによる触媒の被毒のために、ORR触媒の性能を評価する際の注目すべき要因である。したがって、O飽和[dema][TfO]中のメタノールの存在下におけるFe-N/CおよびPt/Cの安定性もまた調べた。図3bは、-0.50Vおよび-0.15Vで3MのCHOHを含有するO飽和[dema][TfO]中で6時間、Fe-N/CおよびPt/Cで行われたクロノアンペロメトリー測定を示す。メタノールを添加すると、Fe-N/CとPt/Cの両方で電流のわずかな増加が観察される。メタノールのような弱いプロトン源を添加することによる、ILにおけるORRの増加した電流は、以前に報告されている。しかしながら、メタノール酸化反応からの寄与は無視できない。[dema][TfO]中3Mのメタノールの添加によるFe-N/C触媒の電流密度の減少は6時間後に約24%であり、これはメタノールなしの[dema][TfO]中のORRに匹敵する(図3a)。対照的に、Pt/Cで得られた電流密度は、最大約72%減少した。
これらの結果は、Fe-N/C触媒が、[dema][TfO]中のORRについて市販のPt/Cよりも著しく改善された安定性およびメタノール耐性を有することを示している。
例2において上述された結果は、カソードと接触している非貴金属触媒がプロトン性イオン液体中での4e還元を介して酸素をHOに効果的に還元することができることを実証する。したがって、当業者には明らかなように、これらの結果は、そのようなシステムがプロトン性イオン液体を含む燃料電池に使用できることを実証している。
本明細書において先行技術の刊行物が参照される場合、そのような参照は、その刊行物がオーストラリアまたは他のいかなる国においても当該技術分野における一般常識の一部を形成することの承認を構成するものではない。
以下の特許請求の範囲およびこれまでの本発明の説明では、文脈上、明示的な表現または必要な意味合いによって必要とされる場合を除き、「含む(comprise)」あるいは「含む(comprises)」または「含む(comprising)」などの変形は包括的な意味で用いられ、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。

Claims (19)

  1. 燃料電池であって、
    アノードと、
    カソードと、
    前記カソードと接触している非貴金属触媒であって、Fe-N/C触媒である前記非貴金属触媒と、
    からHOへの4e還元を達成するための前記非貴金属触媒と接触しているプロトン性イオン液体を含む電解質と
    を含
    前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpKaの差(ΔpKa)は12~30である、
    燃料電池。
  2. 前記ΔpK が15から18の間である、請求項1に記載の燃料電池
  3. 前記塩基Bがアミンである、請求項1または2に記載の燃料電池
  4. 前記塩基Bは式(I)で表され、
    Figure 0007220143000007

    ここで、R 、R およびR はそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル基(例えばC 1-6 アルキル基)、置換されていてもよいアルケニル基(例えばC 2-6 アルケニル基)、および置換されていてもよいアルキニル基(例えばC 2-6 アルキニル基)からなる前記基から選択され、
    ここで、R 、R および/またはR は任意に結合して、飽和または不飽和の置換されていてもよい複素環、飽和または不飽和の置換されていてもよい二環式複素環または飽和または不飽和の置換されていてもよい三環式複素環を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料電池
  5. 前記塩基Bがトリアルキルアミンである、請求項3に記載の燃料電池
  6. 前記塩基Bがジエチルメチルアミンである、請求項5に記載の燃料電池
  7. 前記共役塩基A が強酸の共役塩基である請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池
  8. 前記共役塩基A が非求核性である、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池
  9. 前記共役塩基A がトリフレート(TfO )である、請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料電池
  10. 前記プロトン性イオン液体が、[dema][TfO]である、請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池
  11. 前記アノードとカソードとの間に配置された膜を含み、前記膜は、プロトンが膜を通過することを可能にしながら、電子の通過または伝導を阻止または妨げる、請求項1から10のいずれか一項に記載の燃料電池
  12. プロトン性イオン液体を含む電解質中でO からH Oへの4e 還元を達成するための、燃料電池における非貴金属触媒の使用であって、前記非貴金属触媒がFe-N/C触媒であり、
    前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpK の差(ΔpK )は12~30である、
    使用
  13. プロトン性イオン液体を含む電解質中でO と非貴金属触媒とを接触させることを含む、O をH Oに還元する方法であって、前記非貴金属触媒が、O からH Oへの4e 還元を達成するためのFe-N/C触媒であり、前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpK の差(ΔpK )は12~30である、方法
  14. プロトン性イオン液体を含む電解質中で非貴金属触媒を用いることを含む、O のH Oへの還元プロセスであって、前記非貴金属触媒が、O からH Oへの4e 還元を達成するためのFe-N/C触媒であり、前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpK の差(ΔpK )は12~30である、プロセス
  15. プロトン性イオン液体を含む電解質を含む燃料電池に使用する電極であって、前記電極はその表面に非貴金属触媒を有し、前記非貴金属触媒が、O からH Oへの4e 還元を達成するためのFe-N/C触媒であり、前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpK の差(ΔpK )は12~30である、電極
  16. 表面に非貴金属触媒を有する電極を含み、前記電極がプロトン性イオン液体と接触している、燃料電池用ハーフセルであって、前記非貴金属触媒が、O からH Oへの4e 還元を達成するためのFe-N/C触媒であり、前記プロトン性イオン液体は式(A )(BH )を有し、ここで、A は酸HAの共役塩基であり、BH は塩基Bの共役酸であり、HAとBH との間のpK の差(ΔpK )は12~30である、ハーフセル
  17. 前記Fe-N/C触媒が、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックから誘導される、請求項12に記載の使用
  18. 前記Fe-N/C触媒が、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックから誘導される、請求項13に記載の方法
  19. 前記Fe-N/C触媒が、p-フェニレンジアミン、塩化第二鉄およびカーボンブラックから誘導される、請求項14に記載のプロセス
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