JP4836219B2 - コンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法及びタイヤ設計プログラム及びタイヤ設計装置 - Google Patents

コンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法及びタイヤ設計プログラム及びタイヤ設計装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシミュレーションによりタイヤの設計を自動的に行うことのできるタイヤ設計方法及びタイヤ設計プログラム及びタイヤ設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの形状やトレッドパターン等を設計するにあたり、タイヤが走行している間の変形度合いや内部応力を計算により知る必要がある。タイヤは、トレッド部やサイドウォール部等のゴム層、カーカスプライからなるカーカス層、ベルトプライからなるベルト層等により構成されており、形状・構造も複雑であることと、 タイヤ走行中はトレッド部が路面に接触して変形することから、計算が難しい非線形な解析を行わなければならない。
【0003】
そこで、コンピュータの性能が飛躍的に進歩してきたことと相まって、かかるタイヤの走行特性を解析するために有限要素法(FEM)が利用されてきている。有限要素法とは、構造体を多数の小さな要素に分割し、解析する方法である。この有限要素法によるコンピュータ解析により、複雑なタイヤ走行を解析し、タイヤの設計に反映させることができるようになった。
【0004】
例えば、特開平11−153520号公報には、有限要素法によるタイヤ性能シミュレーション方法が開示されている。このシミュレーション方法は、タイヤを有限個の多数の要素に分割した有限要素モデルを構築し、仮想路面に接地させて所定の走行条件で走行させるシミュレーションを行い、走行中の有限要素モデルから所定の情報を取得する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記タイヤの走行シミュレーションは、タイヤ単体でのシミュレーションであり、車両の種類の違い等が考慮されていない。同じタイヤであっても、 スポーツ、セダン、ミニバン、ワゴンなどの車両の違いにより、タイヤに作用する荷重や動きは異なってくる。このような、車両の違いを考慮するため、従来は、実際の車両を使用してデータ計測を広く行っていた。しかし、車種は多彩であり、そのすべてについてデータ計測を行うことは困難である。また、確実なデータを得るためには、データ計測を繰り返し行う必要があり、多大な労力を要する。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、タイヤの性能をそのタイヤが装着される車両と組み合わせて評価することで、最適なタイヤ設計を行うことのできるコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法及びタイヤ設計プログラム及びタイヤ設計装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法は、
設計しようとするタイヤを設計値に基づいてモデル化するステップと、
前記モデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行うため、所定のタイヤ走行条件が入力されるステップと、
前記走行条件に基づいて、前記タイヤの走行シミュレーションを行い、タイヤ特性データを獲得するステップと、
前記設計しようとするタイヤが装着される車両をモデル化するステップと、 前記車両の走行シミュレーションを行うため、所定の車両走行条件が入力されるステップと、
前記車両走行条件と、前記タイヤの走行シミュレーションから獲得された前記タイヤ特性データとに基づいて、前記車両の走行シミュレーションを行うステップと、
前記車両の走行シミュレーションから前記タイヤの性能を評価するための評価データを算出するステップと、
前記評価データによる評価を行った結果、目標とする性能を達成していない場合に、前記タイヤの前記設計値を変更するステップとを有し、
前記目標とする性能を達成するまで、前記タイヤの走行シミュレーション及び前記車両の走行シミュレーションとを繰り返すステップを実行することを特徴とするものである。
【0008】
この構成による設計の手順は、以下の通りであり、コンピュータにより実行される。
(1)設計しようとするタイヤを設計値(形状や寸法等)に基づいてモデル化する。有限要素法による場合は、タイヤが多数の小さな要素に分割される。
【0009】
(2)モデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行うため、所定のタイヤ走行条件が入力される。走行条件としては、例えば、タイヤ内圧等の荷重条件、タイヤ走行速度、キャンバー角等のタイヤ姿勢角等があげられる。
【0010】
(3)走行条件に基づいて、タイヤの走行シミュレーションを行い、タイヤ特性データを獲得する。タイヤ特性データとは、例えば、スリップ角とコーナリングフォースとの関係を表わすデータ、キャンバスラストとキャンバ角との関係を表わすデータなどがあげられる。
(4)設計しようとするタイヤが装着される車両をモデル化する。例えば、サスペンション、ステアリング系の機構部分をモデル化する。
【0011】
(5)車両の走行シミュレーションを行うため、所定の車両走行条件が入力される。車両走行条件とは、例えば、スラローム走行、円旋回走行のシミュレーションを実行するための条件(時刻に対する操舵角や車両の軌跡の関係を表わすデータ)である。
(6)入力された車両走行条件と、タイヤの走行シミュレーションから獲得されたタイヤ特性データとに基づいて、車両の走行シミュレーションを行う。これにより、設計しようとするタイヤを車両に装着して走行させることができる。
【0012】
(7)車両の走行シミュレーションからタイヤ及び車両の性能を評価するための評価データを算出する。例えば、スラローム走行の場合は、横加速度のデータを算出して評価する。
以上のように、タイヤの性能をタイヤ単体でなく、車両と組み合わせた評価ができる。違う車両についての評価を行いたい場合は、違う車両と組み合わせればシミュレーションを行うことができる。したがって、実際に車両を使用してデータ計測を行う必要はない。また、目標とする性能が得られなかった場合は、タイヤ設計値を変更して、 再度シミュレーションを行うことができる。その結果、最適なタイヤ設計を行うことのできるコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法を提供することができる。
【0013】
なお、以上の(1)〜(7)のステップは、これらのステップをコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータにインストールすれば実現することができる。また、上記(1)〜(7)のステップは、必ずしもこの順番に行う必要はなく、本発明の枠内で適宜変更することが可能である。
【0014】
本発明の好適な実施形態として、前記評価データによる評価を行った結果、目標とする性能を達成していない場合に、前記タイヤの前記設計値を変更するステップとを有し、
前記目標とする性能を達成するまで、前記タイヤの走行シミュレーション及び前記車両の走行シミュレーションとを繰り返すステップを実行するものがあげられる。
【0015】
評価データによる評価を行った結果、目標とする性能を達成していない場合に、タイヤの設計値を変更する。つまり、上記ステップ(1)に戻る。そして、目標とする性能を達成するまで、タイヤの走行シミュレーション及び車両の走行シミュレーションとを繰り返す。目標となる性能を達成できた時点で、タイヤの設計が終了する。これらの処理も、コンピュータにより実行することができる。これにより、多大な労力を要することなく、最適なタイヤを設計することができる。
【0016】
本発明の別の好適な実施形態として、 前記設計値を変更するステップは、最適化法により実行されるものがあげられる。
【0017】
例えば、ニューラルネットワークや、遺伝的アルゴリズム等の人工知能的方法や数理計画法やそれらを組み合わせた方法を用いることにより、効率良く設計値の変更を行うことができる。また、設計者の経験とカンに頼ることなく、設計変更しようとするパラメータとその設計値の変更を行うことができる。これにより、最適なタイヤを短時間で求めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係るコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、上記タイヤ設計を行うための装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
<タイヤ設計シミュレーション装置の構成>
図1に示される装置は、汎用のコンピュータ(パソコン等)により構成することができる。CPU1は、各部の制御を行う。キーボード2は、タイヤ走行条件や車両走行条件等のシミュレーションを行うのに必要な各種データが入力される。モニター3は、シミュレーションを実行するにあたり、各種データを入力したり、シミュレーション結果を3次元的に表示したりすることで、ヒューマンインターフェースとしての機能を発揮する。キーボード2、モニター3とデータバスとの間には、インターフェース4が介在する。
【0020】
タイヤシミュレーションプログラム5は、モデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行うためのプログラムであり、ハードディスクにインストールされる。車両シミュレーションプログラム6は、モデル化された車両の走行シミュレーションを行うためのプログラムであり、ハードディスクにインストールされる。これらのプログラムは、公知の手法によりコンピュータにインストールされ、プログラム実行時には、適宜RAMに格納される。
【0021】
入力データ格納部7には、キーボード2等から入力されたシミュレーションを行うのに必要なデータが格納される。タイヤ特性データ格納部8には、タイヤシミュレーションを行った結果のデータが格納される。このタイヤ特性データは、車両シミュレーションプログラムへと引き渡されるデータでもある。データを引き渡すための、データ引渡しプログラム10もインストールされている。なお、データ引渡しプログラム10は、独立したプログラムである必要はなく、タイヤシミュレーションプログラム5や車両シミュレーションプログラム6の機能の一部として組み込まれていてもよい。
【0022】
評価データ格納部9は、車両シミュレーションプログラム6により得られた評価データを格納する。この評価データに基づいて、タイヤの性能が評価される。最適化プログラム11は、評価データの評価結果に基づいて、入力データ格納部7に格納されている入力データのうちのタイヤ設計値を変更する。
【0023】
タイヤモデル修正プログラム12は、最適化プログラム11により修正された設計値に基づいてタイヤモデルの修正を行う。この変更されたタイヤモデルに基づいて、再度、タイヤ及び車両の走行シミュレーションを行うことができる。
【0024】
<シミュレーション手順>
次にコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法を図2のフローチャートにより説明する。
【0025】
まず、タイヤ設計値を入力する(#1)。ここでは、具体的なタイヤの各部の寸法、形状の入力を行う。次にタイヤをモデル化する(#2)。このモデル化は、 数値解析法に基づく走行シミュレーションを行うためのものである。本実施形態では、有限要素法による解析を行う。有限要素法とは、構造体を多数の小さな要素に分割し、解析する方法である。図3は、 タイヤをモデル化した例を示す。図3は、タイヤの断面図を示すものであり、トレッド部20、ショルダー部21、サイドウォール部22、 ビード部23等が多数の有限要素に分割されている。
【0026】
次に、タイヤ走行条件を入力する(#3)。タイヤ走行条件とは、タイヤ空気圧、タイヤ負荷力、タイヤ走行速度、タイヤ軸周りモーメント負荷、タイヤの路面に対する姿勢角(スリット角、キャンバー角)、仮想路面の微視的あるいは巨視的凹凸形状と寸法、路面の界面性状(乾燥路、湿潤路、雪路、氷路等)、摩擦条件等である。これらのデータは、モニターの表示画面を見ながら、キーボードで数値を入力したり、マウスを利用して画面上でデータを選択したりしながら、入力する。入力されたデータは、入力データ格納部7に格納される。
【0027】
次に、 タイヤ走行シミュレーションを行う(#4)。つまり、入力された設計値のタイヤを入力されたタイヤ走行条件で走行させる。これにより、タイヤ特性データを獲得する(#5)。このタイヤ特性データとしては種々のデータを獲得できるが、引き続いて行われる車両走行シミュレーションに必要なデータは次の通りである。
【0028】
すなわち、タイヤの縦・横バネ定数、タイヤ半径、タイヤ断面高さ、転がり抵抗係数、ダンピング係数、最大摩擦係数、 ロック摩擦係数、 スリップ剛性、タイヤ軸荷重ごとの、CF−SA,SAT−SA,CT−CA関係を表わす点列データ等である。ただし、CFはコーナリングフォース、SAはスリップ角、SATはセルフアライニングトルク、CTはキャンバスラスト、CAはキャンバー角である。なお、点列データについては、マジックフォーミュラと呼ばれるモデル式で表現するための定数一式で代用することもできる。なお、CF−SA及びSAT−SAの関係をグラフ化すると、例えば、 図4(a)(b)に示されるようになる。
【0029】
また、タイヤ走行シミュレーションを行うことで獲得できるデータとしては、次のようなものがある。すなわち、 タイヤ軸に発生する各方向の力とモーメントの定常的及び過渡的な値、タイヤ内部に発生する弾性・粘性・塑性に起因する変位・ひずみ・応力・エネルギー等、タイヤと路面間に発生する変位・相対速度・力・エネルギー等を獲得することができる。
【0030】
これらのタイヤ特性データは、一般的にはタイヤごとに実験することで得られるのが普通である。しかし、実際にタイヤを製造せずに、事前にコンピュータシミュレーションを行うことによりタイヤ設計の妥当性を検定することができる。
【0031】
次に、タイヤ走行シミュレーションにより得られたタイヤ特性データのうち、車両走行シミュレーションに必要なデータが車両シミュレーションプログラムに引き渡される(#6)。データを引き渡すときの手法であるが、データをマジックフォーミュラ係数に換算し、これらを所定のファイル形式で記述して引き渡すことができる。あるいは、CF−SA,SAT−SA,CT−CAに関しては、点列データとして引き渡し、その他のデータは単一値または点列から換算した値として得たものを所定のファイル形式で記述して引き渡すこともできる。
【0032】
次に、 車両のモデル化を行う(#7)。車両のモデル化は、走行シミュレーションに必要な機構部分のみをモデル化すればよい。例えば、サスペンション(寸法や形式やバネ定数等の機械的特性)、ステアリング系等をモデル化する。また、タイヤ軸間距離、車両の重量、重心位置等のデータも入力する。このモデル化により、商品名ADAMS等による機構解析を行うことができる。
【0033】
次に、車両走行条件を入力する(#8)。これは、車両をどのように走行させるかを入力するものであり、スラローム、制動性、円旋回、レーンチェンジ、緊急回避、高速直進、突起乗り越し等の走行シミュレーションがある。これらの走行条件を入力するには、時刻に対する操舵角や車両の軌跡の関係データを定義することで入力することができる。
【0034】
以上のようなモデル化及び必要なデータの入力を経て、 車両走行シミュレーションを行う(#9)。このシミュレーションは、最初にモデル化されたタイヤを車両に装着した状態で行われる。
【0035】
図5は、車両走行シミュレーションを行った結果をモニター画面に示した例である。この走行は、スラロームシミュレーションである。分かりやすくするため、モデル化された車両及びタイヤの拡大図もあわせて示している。この図5は、速度80km/hでスラローム走行したときの車両状態を示している。操縦安定性は、速度変化やコーナリング中の荷重変化に対して、 四輪の接地状態が安定していることが重要である。そこで、車両の動きとタイヤにかかる負荷を連続的にとらえ、その結果を用いてタイヤのシミュレーションを行うこともできる。
【0036】
図6は、ABS制動性シミュレーションを行った結果を示す。この図6では、スポーツセダンによる、初速度80km/hからのABS制御シミュレーションである。
【0037】
タイヤの性能を最大限に使い、より短い距離で止まったり、フルブレーキ状態でもハンドル操作を可能にするABS(アンチロック・ブレーキング・システム)車の安全性を高める技術が重要視されるようになってきている。従って、 現在はこのABSが多くの車種で採用されるようになってきており、ABS制動シミュレーションを行うことは重要である。なお、ABS制動性シミュレーションを行うには、ABS制御プログラムを別に組み込むようにする。
【0038】
図2のフローチャートに戻り、 車両走行シミュレーションを行った後に、評価データの算出を行う。各車両走行シミュレーションにおける評価項目の内容を下記一覧表により示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004836219
例えば、制動性シミュレーションの場合は、制動距離と前後加速度のデータにより評価を行う。スラロームシミュレーションの場合は、横加速度やヨーレートにより評価を行う。これらの評価データが目標値を達成しているか否かを判断する(#11)。この判断もコンピュータにより行われる。目標値を達成していれば、 タイヤの設計は終了し、タイヤ設計仕様が確定する(#13)。
【0040】
目標を達成していないと判断された場合は、タイヤの設計値を修正する(#12)。この設計値の修正は、設計者が経験に基づいて行うこともできるが、コンピュータにより自動的に行うようにするのが好ましい。その場合の設計変数は下記の通りである。
【0041】
すなわち、タイヤ製造金型の形状と寸法、タイヤ内面の形状と寸法、タイヤ構成部材の形状と寸法、タイヤ構成部材の弾性・粘弾性特性、トレッドパターンデザインと寸法、等があげられる。これらの設計値を変更して、ステップ#1にフィードバックし、再度、タイヤ走行シミュレーションと車両走行シミュレーションとを繰り返し、目標を達成できるまでシミュレーションを繰り返す。
【0042】
なお、設計値のフィードバックを行う場合には、コンピュータにインストールされた最適化プログラム11(図1参照)を使用した最適化技法を用いることが好ましい。具体的には、数理計画法、生態を模擬した最適化法(例えば、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム等)、統計的最適化法(例えば、実験計画法、タグチ法等)、物理現象を模擬した最適化法(例えば、焼きなまし法等)、人工知能的最適化法等を利用する。
【0043】
上記最適化法によって得た新しい設計値にしたがって、タイヤモデルを変更する必要があり、そのために別のタイヤモデル修正プログラムを用いる。ただし、タイヤの外形の形状と寸法、タイヤの構成部材の寸法と材質、トレッドパターンの形状と寸法等の設計変数の種類により、手法を使い分ける。例えば、寸法変更には、 タイヤモデルの格子点(有限要素法では節点と呼ばれる。)を単純に移動したり、 数種類の基本形状を重み付きベクトル合成するベーシスベクトル法、有限要素法で多用される形状関数等で面や中実体を写像する方法等を使用する。
【0044】
構成部材の有無やトレッドパターンのトポロジーを変更するには、二値化コーディングと特殊関数を組み合わせる方法や、 多くの小直方体連結に構造を分解するボクセル法等を使用する。
【0045】
以上のように、図2に示したフローチャートに従いコンピュータシミュレーションを行うことにより、自動車の設計特性に最も適合し、期待される車両性能(例えば、運動性、 安全性、 快適性、 高エネルギ効率性等)を最適に満たすタイヤ設計を可能にする。この点を具体的に、先ほどの走行シミュレーションの例で説明する。
【0046】
図7は、タイヤの接地状況を示すタイヤシミュレーションの結果を示す。(a)は初期設計タイヤの場合の旋回時の接地状況を示す。(b)は、最終設計タイヤの旋回時の接地状況を示す。斜線を引いている部分は、接地していない部分を示す。図の接地エリアにおいて、色が濃くなっている部分ほど接地圧が高くなっていることを示す。初期設計のタイヤでは、部分的に接地圧が高くなっているが、最終設計のタイヤでは接地圧の均一化が図られており、操縦安定性が向上することが予測される。参考のために、図8にスラローム走行での前輪タイヤの接地面の状況を示す。これは、スラローム走行中のタイヤにかかる負荷情報を基に、タイヤ走行シミュレーションを行い、 前輪の各瞬間での接地面変化を求めたものである。
【0047】
以上のように、 本発明においては、コンピュータシミュレーションを駆使することにより、タイヤ開発のコストを低減させ、開発期間を短縮させ、タイヤ設計データを一元管理することができ、その結果、設計効率を大幅に向上させることができる。
【0048】
<別実施形態>
本実施形態では、タイヤの走行シミュレーションを有限要素法に基づいて行い、車両の走行シミュレーションを機構解析プログラムにより行っているが、これに限定されるものではなく、他の方法によるシミュレーションを行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤ設計を行う装置の構成を示すブロック図
【図2】シミュレーション手順を説明するフローチャート
【図3】 有限要素法によりタイヤをモデル化した例を示す図
【図4】 スリップ角とコーナリングフォース及びセルフアライニングトルクの関係を示す図
【図5】 スラローム走行シミュレーションの結果を示す図
【図6】制動性走行シミュレーションの結果を示す図
【図7】スラロームシミュレーションにおいて、初回設計タイヤと最終設計タイヤとを比較する図
【図8】スラロームシミュレーションにおいて、前輪タイヤ接地面状況の変化を示す図
【符号の説明】
5 タイヤシミュレーションプログラム
6 車両シミュレーションプログラム
7 入力データ格納部
8 タイヤ特性データ格納部
9 評価データ格納部
10 データ引渡しプログラム
11 最適化プログラム
12 タイヤモデル修正プログラム

Claims (7)

  1. 設計しようとするタイヤを設計値に基づいてモデル化する第1ステップと、
    前記第1ステップにてモデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行うため所定のタイヤ走行条件が入力される第2ステップと、
    前記タイヤ走行条件に基づいて、前記第1ステップにてモデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行い、タイヤ特性データを獲得する第3ステップと、
    前記設計しようとするタイヤが装着される車両を、当該車両の車種に応じてモデル化する第4ステップと、
    前記第4ステップにてモデル化された車両の走行シミュレーションを行うため所定の車両走行条件が入力される第5ステップと、
    前記車両走行条件と前記タイヤ特性データとに基づいて、前記第4ステップにてモデル化された車両の走行シミュレーションを行う第6ステップと、
    前記第4ステップにてモデル化された車両の走行シミュレーションから前記タイヤの性能を評価するための評価データを算出する第7ステップとを実行することを特徴とするコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法。
  2. 前記評価データによる評価を行った結果、目標とする性能を達成していない場合に前記目標とする性能を達成するまで、前記設計しようとするタイヤの前記設計値を変更するステップを行うと共に当該変更された設計値に基づいて前記第3ステップ及び前記第6ステップを繰り返し実行することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法。
  3. 前記設計値を変更するステップは、最適化法により実行されることを特徴とする請求項に記載のコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法。
  4. 前記タイヤ特性データには、スリップ角とコーナリングフォースとの関係を表わすデータが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンピュータシミュレーションによるタイヤ設計方法。
  5. 設計しようとするタイヤを設計値に基づいてモデル化する第1処理と、
    前記第1処理にてモデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行うため所定のタイヤ走行条件が入力される第2処理と、
    前記タイヤ走行条件に基づいて、前記第1処理にてモデル化されたタイヤの走行シミュレーションを行い、タイヤ特性データを獲得する第3処理と、
    前記設計しようとするタイヤが装着される車両を、当該車両の車種に応じてモデル化する第4処理と、
    前記第4処理にてモデル化された車両の走行シミュレーションを行うため所定の車両走行条件が入力される第5処理と、
    前記車両走行条件と前記タイヤ特性データとに基づいて、前記第4処理にてモデル化された車両の走行シミュレーションを行う第6処理と、
    前記第4処理にてモデル化された車両の走行シミュレーションから前記タイヤの性能を評価するための評価データを算出する第7処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤ設計プログラム。
  6. 前記評価データによる評価を行った結果、目標とする性能を達成していない場合に前記目標とする性能を達成するまで、前記設計しようとするタイヤの前記設計値を変更する処理、並びに当該変更された設計値に基づく前記第3処理及び前記第6処理を繰り返しコンピュータに実行させることを特徴とする請求項5に記載のタイヤ設計プログラム。
  7. 請求項5又は6に記載のタイヤ設計プログラムがコンピュータにインストールされたタイヤ設計装置。
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