JP4842001B2 - 操縦安定性の設計支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、開発車の操縦安定性が目標性能となるようにサスペンション系、ステアリング系の設計支援を行う操縦安定性の設計支援装置に関する。
一般に、新型車(開発車)の開発段階においては、試作車の走行試験を行い、そのときの運転フィーリングから車両の操縦安定性を評価し、この評価結果に基づいて、新型車の各システム要素(サスペンション系やステアリング系のコンプライアンス等)を設定し、目標とする操縦安定性が得られるようにチューニングする。
ところで、試作車による走行試験はコストがかかるため、新型車の設計検討段階において、操縦安定性能をコンピュータ上で評価することのできる設計支援装置が種々提案されている。
例えば特許文献1(特許第3092447号公報)には、先ず、操縦安定性の目標車両性能(ヨーイング固有振動数、定常スリップゲイン、スタビリティファクタ、ヨーイング減衰比)を入力し、この目標車両性能に対応した目標等価コーナリングパワーを計算し、次いで、開発車の暫定サスペンション特性(ロールステア係数、ロールセンター高さ、サスペンション横剛性、横力コンプライアンスステア係数)を入力し、この暫定サスペンション特性に対応した暫定等価コーナリングパワーを計算する。そして、両等価コーナリングパワーの差に応じたサスペンション特性の偏差を計算し、この偏差に応じて開発車のサスペンション特性をチューニングすることで、操縦安定性の目標性能を得るようにした技術が開示されている。
特許第3092447号公報
このように、上述した公報に開示されている技術では、単に目標車両性能から算出した目標等価コーナリングパワーと、開発車の暫定サスペンション特性から算出した暫定等価コーナリングパワーとの差に応じて、開発車のサスペンション特性をチューニングするようにしている。
しかし、計算上で求めた操縦安定性の目標性能と、実際にチューニングして得られた操縦安定性能とは常に一致するとは限らず、実際に製造された開発車の操縦安定性能が目標性能から、大きくかけ離れる場合もある。実際に製造された開発車の操縦安定性能が目標性能から大きくかけ離れた場合は、再計算が必要となるため最終的な開発車が完成するまでの期間が長期化し、開発コストが嵩んでしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、開発車の操縦安定性能が目標性能から大きくかけ離れることがなく、当該開発車の操縦安定性の目標性能を設計検討段階において高い精度で設定することができ、その分、開発車の試作回数が減少し、開発期間が短縮されるばかりでなく、開発コストの低減を図ることのできる操縦安定性の設計支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、開発車の操縦安定性が目標性能となるように該開発車の設計支援を行う操縦安定性の設計支援装置において、開発車の操縦安定性が目標性能となるように該開発車の設計支援を行う操縦安定性の設計支援装置において、上記開発車の応答パラメータの目標値と車両諸元とに基づき横方向運動に関する操縦安定性の目標特性値を設定する目標特性値設定処理部と、上記開発車の暫定設計パラメータと上記車両諸元とに基づき横方向運動に関する操縦安定性の暫定特性値を設定する暫定特性値設定処理部と、上記開発車の基礎となるベース車の試験結果から得られた横方向運動に関する操縦安定性の推定特性値と該ベース車の設計パラメータから計算された横方向運動に関する操縦安定性の設計特性値との差分から算出した、上記暫定特性値に対応する補正値を記憶する記憶手段と、上記暫定特性値設定処理部で設定した上記暫定特性値を上記記憶手段に記憶されている補正値で補正して正規暫定特性値を設定する正規暫定特性値設定処理部と、
上記目標特性値設定処理部で設定した目標特性値と上記正規暫定特性値設定処理部で設定した正規暫定特性値とを比較して、該正規暫定特性値が上記目標特性値に対して許容範囲内にあるか否かを解析する解析処理部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、開発車の暫定設計パラメータと車両諸元とに基づき設定した暫定特性値が目標特性値を満足させる値を示しているか否かを評価するに際し、記憶手段に記憶されている、開発車の基礎となるベース車の試験結果から得られた推定特性値と設計特性値との差に基づいて設定した補正値を読込み、この補正値で暫定特性値を補正して正規暫定特性値を設定し、この正規暫定特性値が目標特性値に対して許容範囲内にあるか否かを解析するようにしたので、実際に製造される開発車から得られる推定特性値と当該開発車の設計特性値との誤差が予め修正され、従って、開発車の操縦安定性能が目標性能から大きくかけ離れることがなく、当該開発車の操縦安定性の目標性能を設計検討段階において高い精度で設定することができる。又、その分、開発車の試作回数が減少し、開発期間が短縮されるばかりでなく、開発コストの低減を図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1に操縦安定性の設計を支援する設計支援装置の機能ブロック図を示す。
操縦安定性の設計を支援する設計支援装置(以下、単に「設計支援装置」と称する)1は、ROM,RAM等のメモリ及びCPUを有するマイクロコンピュータを主体に構成されていると共に、HDDを代表とする不揮発性記憶手段が設けられており、後述する各処理部11,12,14,15,16の機能を実現するためのプログラムをメモリからロードして実行することにより、車両の横方向運動に関する操縦安定性の設計支援処理が行われる。尚、本形態では、車両の横方向運動に関する操縦安定性を評価する指標に、前後輪複素コーナリングコンプライアンス(以下、「複素C.C」と称する)を特性値として用いる。
図1に示すように、設計支援装置1は、入力側にキーボード、マウス等を含む入力装置2が接続され、出力側にモニタ、プリンタ等で構成された出力装置3が接続されている。又、設計支援装置1は、複素C.C目標特性値設定処理部11、複素C.C暫定特性値設定処理部12、複素C.C補正値データベース13、複素C.C正規暫定特性値設定処理部14、解析処理部15、及び出力処理部16の各機能を備えている。
複素C.C目標特性値設定処理部11は、設計者等の操作者が入力装置2から入力した車両の目標応答バラメータ、及び基本的な車両諸元(基本諸元)に基づいて前後輪の複素C.Cの目標特性値を設定する。複素C.Cは、ロール方向の運動の影響を含んだ車両の操舵に対するヨー及び横運動の伝達関数を特定すると共に、各システム要素毎に、前輪及び後輪に発生する力に関する特性値と力の発生タイミングとをモデル化するものであり、一次遅れ系等価コーナリングパワーKf,Krを軸重で除算した値の逆数Df,Dr、及び時定数Tf,Trとして表される。
又、図4の2輪モデルに示すように、複素C.Cは、前軸、及び後軸に作用する過渡的なコーナリングフォースFf(S),Fr(S)に対する横滑り角を、それぞれβf(S),βr(S)とし、前軸と後軸とがそれぞれ分担する車両質量で除算して横加速度1m/s当たりの横力が作用した際の静的な横滑り角である等価横滑り角Df,Drと、単位横加速度当たりの前後輪の横力の時間増分に対する横滑り角増分の微係数である微分時間Tf,Trとの4つのパラメータで表すことができる。以後、Df,Drを、「等価C.C」と称する。又、Tf,Trを時定数と称する。尚、同図において、Vは車速、βは車体重心の横滑り角、γはヨー角速度、δは実舵角である。
この場合、前軸側の等価横滑り角Dfと応答時間Tfとの関係は、
Ff(S)/βf(S)=Kf(S)=Kf/(1+Tf・S) …(1)
m・(Lr/L)・βf(S)/Ff(S)=Df(S)=Df(1+Tf・S) …(2)
で表され、又、後軸側の等価横滑り角Drと応答時間Trとの関係は、
Fr(S)/βr(S)=Kr(S)=Kr/(1+Tr・S) …(3)
m・(Lf/L)・βr(S)/Fr(S)=Dr(S)=Dr(1+Tr・S) …(4)
で表すことができる。ここで、Sはラプラス演算子である。
この各複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trを求めるために、操作者が入力装置2から、ハンドル角に対するヨー角速度の伝達関数の係数である応答パラメータ、及び応答パラメータの関数目標値である4つの目標値、及び演算に必要な基本車両諸元、すなわち、車両質量m、ホイールベースL、車体重心から前軸までの距離Lf、車体重心から後軸までの距離Lr、正規ヨーイング慣性モーメントIn、ステアリングギヤ比N、車速Vを入力する。
尚、ハンドル角に対するヨー角速度並びにヨー角速度の伝達関数は(5),(6)式で表わされる。
入力装置2から入力する目標応答パラメータとして、本形態では、車両のハンドル角θh(θh=δ・N)に対するヨー角速度の定常ゲインGγ θh(0)、ヨー角速度γの応答時間te、ヨーイング減衰係数比ζ、ヨーイング固有振動数ωnにヨーイング減衰係数比(ζ)を乗算した値ζωnの4つとしている。 ここで、Gγ θh(0)は(7)式で表される。
Figure 0004842001
又、車両のヨー角速度の応答時間teは、次の(8)〜(10)式で求められる。
Figure 0004842001
又、車両のヨー、横方向の固有振動数ωnは、次の(11)式で表される。
Figure 0004842001
又、車両の固有振動数にヨーイング減衰係数比を乗算した値ζωnは、次の(12)式で表される。
Figure 0004842001
(7)〜(11)式において、車速V、及び基本車両諸元m,L,Lf,Lr,In,N、及び目標応答パラメータGγ θh(0),te,ζ,ζωnを代入することで、未知数として残されている複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trがそれぞれ算出できる。
尚、目標応答パラメータは、上述した組み合わせ以外に、ハンドル角θhに対する横加速度の定常ゲインGy” θh(0)、横加速度に対する重心横滑り角の定常ゲインGβ y”(0)、車両の固有振動数ωn、及び固有振動数(ωn)にヨーイング減衰係数比(ζ)を乗算した値ζωnの4つであっても良い。
この場合、各定常ゲインGy” θh(0),Gβ y”(0)は、次の(13),(14)式で表される。又、上述した2つのケース以外にも種々の組み合わせが考えられる。
更に、目標応答パラメータはヨー角速度/ハンドル角のボード線図において、定常ゲイン、1Hzでの位相、共振周波数及び減衰レベルの4つの値としても良い。
Figure 0004842001
複素C.C暫定特性値設定処理部12は、操作者が入力装置2から入力した開発車の前軸側及び後軸側の暫定設計パラメータと車両諸元m,Lf,Lr,In,Nに基づき、予め設定されているプログラム等を用いて、上述した複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対応する複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを設定する。
この暫定設計パラメータは設計上の値であり、代表的なものとしては、今後チューニングされる車両の暫定サスペンション特性がある。この暫定サスペンション特性を表すパラメータとしては、ロールステア係数、前後輪用サスペンションの横力トレッド剛性、横力コンプライアンスステア係数等があり、又、タイヤコーナリングパワー(タイヤCP)も含まれる。
又、複素C.C補正値データベース13は不揮発性記憶手段に設けられており、複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trに対応する補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrが格納されている。この補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrは、今回の開発車を開発する際の基礎となる現行量産車や試作車等の試験車(これらを「ベース車」と称する)の、周期的な操舵に対する周波数応答の実車試験結果から複素C.Cの推定値(実際に計測して得られたデータに基づいて算出した値)を求め、この推定値と、コンピュータ上で演算された複素C.Cの計算値(設計上の値)との差で表される。
尚、複素C.Cの実験推定値は、ハンドル角θhに対するヨー角速度γのボード線図、又はハンドル角θhに対する横加速度y“のボード線図から求める。或いは、ハンドル角θhに対するヨー角速度γのボード線図とハンドル角θhに対する横加速度y“のボード線図とを共に考慮して求めても良い。
例えば量産車或いは開発段階で製造された試作車を計測して実験推定値を求めると、当初の設計値との間に、ある誤差が生じる。従って、設計上得られた暫定設計パラメータに基づいて複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを設定し、この暫定特性値Df,Tf,Dr,Trと複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trとを比較し、その差が許容範囲に収まっている場合であっても、実際に製造した場合、実験推定値と設計値との間に大きな誤差の生じる懸念が有る。
そのため、本形態では、複素C.C補正値データベース13に、この推定値と設計値との差を補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrとして車種毎に蓄積しておき、後述する正規暫定特性値設定処理部14で、複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを、この補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrで補正することで、実際に製造される開発車の複素C.Cを高精度に予測するようにしている。
正規暫定特性値設定処理部14は、複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを、当該開発車の基礎となる試験車の補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrで補正して、正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'を算出する({Df',Tf',Dr',Tr'}←{Df,Tf,Dr,Tr}+{ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTr})。
又、解析処理部15は、複素C.C目標特性値設定処理部11で設定した目標特性値Df,Tf,Dr,Trと、正規暫定特性値設定処理部14で算出した複素C.Cの正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'を比較し、正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'が目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して、許容範囲に収まっているか否かを解析し、その結果を出力処理部16へ出力する。
すなわち、例えば目標特性値Df,Tf,Dr,Trと正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'との差分の絶対値|Df−Df'|,|Tf−Tf'|,|Dr−Dr'|,|Tr−Tr'|と許容値α1,α2,α3,α4とをそれぞれ比較し、全てが許容値以内のとき(|Df−Df'|≦α1,|Tf−Tf'|≦α2,|Dr−Dr'|≦α3,|Tr−Tr'|≦α4)、暫定設計パラメータを今回の設計値として設定する。一方、1つでも許容範囲から外れている場合は、暫定設計パラメータの入力変更を決定する。
尚、この解析に際し、モニタ上に、前後輪の複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trと暫定特性値Df,Tf,Dr,Trとを積み重ね棒グラフ等で分析表示し、暫定設計パラメータの影響度合いを視覚的に認識でできるようにしても良い。更に、これに同級の比較対象車両の実験推定値や比較対象車両の設計パラメータを調査分析の上、各システム毎の設計値として積み重ねて表示させることで、他車種との比較を視覚的に認識できるようにしても良い。
出力処理部16では、解析処理部15で解析した結果を、モニタ、プリンタ等の出力装置3へ出力する。すなわち、目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'が許容範囲に収まっているときは、暫定設計パラメータを今回の設計値として登録する旨のメッセージを表示し、又、1つでも許容範囲から外れているときは、暫定設計パラメータの入力変更を促す旨のメッセージを表示する。
モニタに暫定設計パラメータの入力変更を促す旨のメッセージが表示された場合、操作者は、変更した設計暫定バラメータを入力装置2を介して複素C.C暫定特性値設定処理部12に入力し、再演算を行う。
尚、上述した各処理部11,12,14,15での演算は、コンピュータにより処理される必要はなく、それぞれ専用のハードウエアにより実現されるものであっても良い。
以上、設計支援装置1での処理内容を機能ブロック毎に説明したが、以下においては、設計支援装置1で行われる処理内容を、図2に示す設計支援処理ルーチンを参照して説明する。
先ず、設計支援装置1に接続されているモニタには、初期画面として、4つの目標応答パラメータGγθh(0),te,ζ,ζωn、及び車両諸元m,Lf,Lr,In,N,hの入力を促す画面が表示される。そして、先ず、ステップS1で、操作者がキーボード、マウス等の入力装置2を用いて、4つの目標応答パラメータGγθh(0),1/Tγωn2,ζ,ζωnを入力し、続く、ステップS2で車両諸元m,Lf,Lr,In,Nを入力する。
次いで、ステップS3において上述した(7)〜(12)式に基づき、複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trを算出する。
次いで、モニタ上に暫定設計パラメータの入力を促す画面が表示され、ステップS4において、操作者がキーボード、マウス等の入力装置2を用いて、ロールステア係数、前後輪用サスペンションの各サスペンション横剛性、横力コンプライアンスステア係数等、開発車の設計上の暫定サスペンション特性を示す、開発車の前軸側及び後軸側の暫定設計パラメータを入力する。
次いで、ステップS5へ進み、暫定設計パラメータと車両諸元m,Lf,Lr,In,N,とに基づき、予め設定されたプログラムを用いて、複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対応する複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを計算する。又、ステップS6で、複素C.C補正値データベース13に格納されている当該開発車の基礎となる現行量産車等のベース車の設計値と実験推定値との差分に基づいて設定した補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrを読込む。
そして、ステップS7で、複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrで補正して、正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'を設定する({Df',Tf',Dr',Tr'}←{Df,Tf,Dr,Tr}+{ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTr})。
その後、ステップS8で、複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trと正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'との差分の絶対値|Df−Df'|,|Tf−Tf'|,|Dr−Dr'|,|Tr−Tr'|を算出する。
次いで、ステップS9へ進み、各差分の絶対値|Df−Df'|,|Tf−Tf'|,|Dr−Dr'|,|Tr−Tr'|が予め設定した許容値α1,α2,α3,α4よりも小さいか否か、すなわち、正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'が目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して許容値α1,α2,α3,α4内か否かを調べる。
そして、全ての正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'が目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して許容値α1,α2,α3,α4内のときは(|Df−Df'|≦α1,|Tf−Tf'|≦α2,|Dr−Dr'|≦α3,|Tr−Tr'|≦α4)、ステップS10へ進み、暫定設計パラメータを、今回の開発車の設計値として設定し、ルーチンを終了する。
一方、正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'の内の少なくとも1つが、目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して許容値α1,α2,α3,α4から外れているときは(|Df−Df'|>α1,|Tf−Tf'|>α2,|Dr−Dr'|>α3,|Tr−Tr'|>α4)、ステップS4へ戻り、操作者が入力装置2を用いて新たな暫定設計パラメータを入力するまで待機する。
このように、本形態では、暫定設計パラメータと車両諸元とに基づいて設定した複素C.Cの暫定特性値Df,Tf,Dr,Trが、複素C.Cの目標特性値Df,Tf,Dr,Trに対して許容範囲に収まっているか否かを判断するに際し、先ず、この暫定特性値Df,Tf,Dr,Trを、試験車の設計値と推定値との差に基づいて設定した補正値ΔDf,ΔTf,ΔDr,ΔTrで補正することで正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'を設定したので、この正規暫定特性値Df',Tf',Dr',Tr'には、当該開発車の基礎となる現行量産車等のベース車から得られたデータが加味されている。
従って、開発車の推定値と設計値との誤差が過去のデータによって修正されているので、開発段階で製造する試作車の横方向運動に関する操縦安定性が目標性能から大きくかけ離れることがなくなり、当該開発車の操縦安定性の目標性能を設計検討段階において高い精度で設定することができる。その結果、開発車の試作回数が減少し、開発期間が短縮されるばかりでなく、開発コストの低減を図ることができる。
尚、設計支援装置1では、図1の機能ブロック図には明示されていないが、今回の暫定設計パラメータが開発車の設計値として設定された場合、この暫定設計パラメータに基づいて製造する開発車は、量産性に適しているか否か、及び、乗り心地、騒音、振動は問題ないか等を総合的に評価する機能を備えている。そして、ここで量産性に適していると評価された場合、当該設計値が最終的な量産車に適用される。
この最終評価の判定処理について、図3に示す最終評価判定ルーチンに従って簡単に説明する。
このルーチンでは、先ず、ステップS21で、上述した図2に示す設計支援処理ルーチンのステップS10で設定した設計値データを読込む。次いで、ステップS22で、この設計値データに基づき、当該開発車の量産性、乗り心地、騒音、振動等から実施可能か否かの条件を総合的に評価する。
そして、ステップS23で、全ての評価が満足されているか否か、すなわち当該開発車が実施可能か否かを判定する。そして、全ての評価が満足されて実施可能と判定したときは、ステップS24へ進み、今回の暫定設定パラメータを有効として設定し、HDD等の不揮発性記憶手段に記憶させて、ルーチンを終了する。一方、ステップS23で、評価の1つでも満足されていないときは実施不可と判定されて、ステップS25へ分岐し、暫定設計パラメータの変更をモニタ上等で要求して、ルーチンを終了する。
暫定設計パラメータの変更要求があった場合、操作者は、上述した図2の設計支援処理ルーチンにおいて、新たな暫定設計パラメータを入力して、再度演算を行う。
尚、本発明は上述した形態に限るものではなく、例えば、開発車の基礎となる試験車の試験結果から得られた補正値は、開発車の応答パラメータの目標特性値と車両諸元とに基づき設定した複素C.Cの目標特性値を補正するものであっても良く、この場合、目標特性値を補正値で補正した値と、複素C.Cの暫定特性値とを比較することで、暫定特性値が目標特性値に対して満足された値を示しているか否かを判定する。又、車両の横方向運動の操縦安定性を特定する要素として、本形態では複素C.Cを採用しているが、これに代えて複素コーナリングパワー(C.P)を適用しても良い。
設計支援装置の機能ブロック図 設計支援処理ルーチンを示すフローチャート 最終評価判定ルーチンを示すフローチャート 2輪モデルを示す説明図
符号の説明
1…設計支援装置、
2…入力装置、
3…出力装置、
11…目標特性値設定処理部、
12…暫定特性値設定処理部、
13…補正値データベース、
14…正規暫定特性値設定処理部、
15…解析処理部、
16…出力処理部

Claims (4)

  1. 開発車の操縦安定性が目標性能となるように該開発車の設計支援を行う操縦安定性の設計支援装置において、
    上記開発車の応答パラメータの目標値と車両諸元とに基づき横方向運動に関する操縦安定性の目標特性値を設定する目標特性値設定処理部と、
    上記開発車の暫定設計パラメータと上記車両諸元とに基づき横方向運動に関する操縦安定性の暫定特性値を設定する暫定特性値設定処理部と、
    上記開発車の基礎となるベース車の試験結果から得られた横方向運動に関する操縦安定性の推定特性値と該ベース車の設計パラメータから計算された横方向運動に関する操縦安定性の設計特性値との差分から算出した、上記暫定特性値に対応する補正値を記憶する記憶手段と、
    上記暫定特性値設定処理部で設定した上記暫定特性値を上記記憶手段に記憶されている補正値で補正して正規暫定特性値を設定する正規暫定特性値設定処理部と、
    上記目標特性値設定処理部で設定した目標特性値と上記正規暫定特性値設定処理部で設定した正規暫定特性値とを比較して、該正規暫定特性値が上記目標特性値に対して許容範囲内にあるか否かを解析する解析処理部と
    を備えることを特徴とする操縦安定性の設計支援装置。
  2. 上記応答パラメータの目標値は、ハンドル角に対するヨー角速度の定常ゲインと、該ヨー角速度の応答時間と、減衰係数比と、該減衰係数比に固有振動数を乗算した値との4つである
    ことを特徴とする請求項1記載の操縦安定性の設計支援装置。
  3. 上記応答パラメータの目標値は、ハンドル角に対する横加速度の定常ゲインと、該横加速度に対する重心横滑り角の定常ゲインと、固有振動数と、該固有振動数に減衰係数比を乗算した値との4つである
    ことを特徴とする請求項1記載の操縦安定性の設計支援装置。
  4. 上記応答パラメータの目標値は、ハンドル角に対するヨー角速度の周波数応答特性において、定常ゲインと1Hzでの位相と共振周波数と減衰レベルとの4つである
    ことを特徴とする請求項1記載の操縦安定性の設計支援装置。
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