JP4211638B2 - 車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置 - Google Patents

車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置 Download PDF

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本発明は、車両に対して横方向に加わる外乱を考慮して車両の操舵のアシスト状態を制御する車両用パワーステアリング装置、及び、この外乱について推定する車両用外乱推定装置に関する。
自動車の走行時には、様々な外乱を受けるため操舵に影響が及ぶことが多い。このような点に着目して、走行中に車両が受ける外乱に応じて、車両の操舵系を制御する技術が開発されている。
例えば特許文献1には、電動パワーステアリング装置を用いた操舵アシスト制御により、車両に加わる横風等の外乱がドライバの操舵操作に影響しないようにする、いわゆる外乱抑制性能を高めることができるようにするものが提案されている。
この技術では、操舵反力(操舵アシスト力に対応する)の制御においては、操舵角に基づく操舵反力の舵角成分T1(=操舵角にゲインをかけたもの)と、操舵角速度に基づくダンピング成分T2(=操舵角速度にゲインをかけたもの)と、車両のヨーレイトに基づく第1の車両挙動抑制成分T3(=ヨーレイトにゲインをかけたもの)と、車両の横加速度に基づく第2の車両挙動抑制成分T4(=横加速度にゲインをかけたもの)と、転舵反力に基づく路面成分T5(=転舵反力にゲインをかけたもの)とを算出し、次式のように、これら操舵反力の成分T1,T2,T3,T4,T5を加算して目標操舵反力Tsを決定し、反力モータ(操舵アシスト用電動モータに対応する)の出力トルク、すなわち操向ハンドルの操舵反力をこの目標操舵反力Tsに帰還制御する。
Ts=T1+T3+T4+T5−T2
特開平5−105100号公報。
ところで、走行中に車両が受ける外乱の影響を低減するように車両の操舵系を制御するには、車両の横方向外乱を推定することが必要になる。車両の横方向外乱を推定する場合、車両の操舵−車両系モデルに基づいた車両運動の方程式を利用することになり、車両に固有の複数のパラメータ値である、車両の質量mや、車両の慣性モーメントIや、(前輪コーナリングパワーKfや、)後輪コーナリングパワーKrや、該車両の重心から前輪軸までの距離lfや、該車両の重心から後輪軸までの距離lr等を用いることになる。
このような車両に固有のパラメータ値としては、一般に、固定値が利用される。
しかしながら、車両に搭載する荷物の質量や乗員の質量やこれに応じた車両の重量バランスは常に一定ではなく、変動しうるものであるため、質量mや車両の重心位置が変化し、これに伴い慣性モーメントIや、車輪コーナリングパワーKf,Krや、車両重心から車輪軸までの距離lf,lrも変動する。このため、車両に固有のパラメータ値として固定値を用いると、車両の横方向外乱を精度良く推定することができず、操舵アシスト制御を実施する場合も、適切に行なえないという課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、車両に固有のパラメータ値を車両の載荷状態等に応じて設定して、車両の横方向外乱を精度良く推定し、操舵アシスト制御を適切に行なうことができるようにした、車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置を提供することを目的とする。
上記目標を達成するため、本発明の車両用パワーステアリング装置(請求項1)は、車両に搭載され操舵系に操舵アシストトルクを付与するアクチュエータと、該車両の車速を検出する車速検出手段と、該車両に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該車速検出手段及び該操舵トルク検出手段からの検出情報に基づいて該アクチュエータを制御する制御手段とをそなえた、パワーステアリング装置であって、該車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、該車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、該車両の車輪軸荷重に関する情報を検出する車輪軸荷重検出手段と、該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて該車両の運動に関連した該車両に固有の複数のパラメータ値のうち少なくとも一部のパラメータ値を補正する車両パラメータ値補正手段と、該車両の操舵−車両系モデルに基づいて、該車速検出手段,該操舵角検出手段,該ヨーレイト検出手段,該横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと、該車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補正された該車両に固有の複数のパラメータ値とから、該車両の横方向外乱を推定する推定手段とをそなえ、該制御手段には、該推定手段による推定結果から、該車両の横方向外乱を抑制するように該アクチュエータに発生させる該操舵アシストトルクを補正する補正手段をそなえ、該車両に固有の複数のパラメータ値には、該車両の質量mと、該車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、該車両の重心から前輪軸までの距離lfと、該車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれ、該車両パラメータ値補正手段は、少なくとも該質量mと該後輪コーナリングパワーKrとを該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて補正し、該推定手段は、該操舵角検出手段と該ヨーレイト検出手段と該横加速度検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δ f とヨーレイトγと横加速度G y と車速Vとの各状態量から、状態量である該車両の横勾配外乱と他の横方向外乱とを推定するオブザーバをそなえていることを特徴としている。
該車輪軸荷重検出手段は、例えば、該車輪軸荷重に応じて変動する車高を検出する車高センサを用いることができる
補正手段は、該推定手段による推定結果から、該車両の横方向外乱のうち主として上記他の横方向外乱を抑制するように該アクチュエータで付与する該操舵アシストトルクを補正することが好ましい(請求項)。
該車両の操舵角速度ωfを検出する操舵角速度検出手段をさらにそなえ、該推定手段は
、該車両のヨーレイトγ及び横速度vをさらに推定するように構成され、該補正手段は、該操舵角速度検出手段と該操舵角検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された舵角速度ωfと操舵角δfと車速Vと、該推定手段により推定されたヨーレイトγと横速度vとから第1補正トルクを算出し、該推定手段により推定された上記の横勾配外乱と他の横方向外乱とから第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと第2補正トルクとに基づいて該操舵アシストトルクを補正することが好ましい(請求項)。
該補正手段は、上記の操舵角δf,舵角速度ωf,ヨーレイトγ,横速度vのそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第1補正トルクを算出するとともに、上記の横勾配外乱,他の横方向外乱のそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと第2補正トルクとに基づいて該操舵アシストトルクを補正することが好ましい(請求項)。
また、本発明の車両用外乱推定装置(請求項)は、該車両の車速Vを検出する車速検出手段と、該車両の操舵角δを検出する操舵角検出手段と、該車両のヨーレイトγを検出するヨーレイト検出手段と、該車両の横加速度Gyを検出する横加速度検出手段と、該車
両の車輪軸荷重に関する情報を検出する車輪軸荷重検出手段と、該車輪軸荷重検出手段による検出情報から該車両の運動に関連した該車両に固有の複数のパラメータ値のうち少なくとも一部のパラメータ値を補正する車両パラメータ値補正手段と、該車両の操舵−車両系モデルに基づいて、該車速検出手段,該操舵角検出手段,該ヨーレイト検出手段,該横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと
横加速度Gyと、該車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補
正された該車両に固有の複数のパラメータ値とから、該車両の横方向外乱を推定する推定手段とをそなえ、該車両に固有の複数のパラメータ値には、該車両の質量mと、該車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、該車両の重心から前輪軸までの距離lfと、該車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれ、該車両パラメータ値補正手段は、少なくとも該質量mと該後輪コーナリングパワーKrとを該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて補正し、該推定手段は、該操舵角検出手段と該ヨーレイト検出手段と該横加速度検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δ f とヨーレイトγと横加速度G y と車速Vとの各状態量から、状態量である該車両の横勾配外乱と他の横方向外乱とを推定するオブザーバをそなえていることを特徴としている。
本発明の車両用パワーステアリング装置によれば、推定手段により、車両の操舵−車両系モデルに基づいて、車速検出手段,操舵角検出手段,ヨーレイト検出手段,横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと、車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補正された車両に固有の複数のパラメータ値とから、車両の横方向外乱を推定し、制御手段では、この推定結果から、車両の横方向外乱を抑制するようにアクチュエータにより発生させる操舵アシストトルクを補正するので、横方向外乱が操舵に悪影響を及ぼさないように、操舵アシストを行なうことができる。
さらに、車両の横方向外乱を推定する際に車両に固有の複数のパラメータ値を用いるが、これらのうち少なくとも一部のパラメータ値を車輪軸荷重検出手段により検出された車輪軸荷重情報に基づいて補正するので、車両の横方向外乱を精度良く推定することができる。つまり、車両に搭載する荷物の質量や乗員の質量やこれに応じた車両の重量バランスが変動したら、これらは車輪軸荷重情報として検出されるので、この検出情報に基づいて、車両に固有のパラメータ値を補正した上で、かかるパラメータ値に基づいて車両の横方向外乱の推定を行なうことにより、車両の横方向外乱を精度良く推定することができ、延いては操舵アシスト制御を適切に行なえるようになる(請求項1)。
また、上記の車両に固有の複数のパラメータ値である、車両の質量mと、車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、車両の重心から前輪軸までの距離lfと、車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれるが、この場合、少なくとも質量mと後輪コーナリングパワーKrとについて車輪軸荷重の検出情報に基づいて補正することにより、車両の横方向外乱の精度よい推定を効率よく行なうことができる(請求項)。
また、推定手段では、オブザーバによって、操舵角検出手段とヨーレイト検出手段と横加速度検出手段と車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δfとヨーレイトγと
横加速度Gyと車速Vとの各状態量から、状態量である車両の横勾配外乱φrbと他の横方
向外乱とを分離して推定することにより、横勾配外乱φrbと他の横方向外乱とを確実に分離して推定することができ、操舵の妨害になる外乱(他の横方向外乱)と寧ろ操舵を助けるための外乱(横勾配外乱φrb)とを確実に分離して把握することができ、この推定結果から、車両の横方向外乱のうち主として他の横方向外乱を抑制するようにアクチュエータで付与することにより、操舵の妨害になる外乱のみを排除するように、操舵アシスト制御を行なえるようになる(請求項1,2)。
つまり、カーブ路をスムーズに走行できるようにするために設けられた路面の横勾配等に起因する横勾配外乱φrbについては影響を抑制することなく、これ以外の横風や轍路などに起因して車両挙動に影響を及ぼし操舵の妨害になる外乱(他の横方向外乱)については影響を抑制することができ、例えばカーブ路のスムーズな走行性能を確保しながら、操舵への横力外乱の影響を抑制して、アクティブ・セーフティを向上させることができるようになる。
さらに、車両の操舵角速度ωfを検出する操舵角速度検出手段を設け、推定手段で車両のヨーレイトγ及び横速度vを推定するように構成し、補正手段で、操舵角速度検出手段と操舵角検出手段と車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δfと舵角速度ωfと車速Vと、推定手段により推定されたヨーレイトγと横速度vとから第1補正トルクを算し、推定手段により推定された横勾配外乱φrbと他の横方向外乱とから第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと第2補正トルクとに基づいて操舵アシストトルクを補正すれば、操舵アシストを適切に行なうことができる(請求項)。
さらに、補正手段が、操舵角δf,舵角速度ωf,ヨーレイトγ,横速度vのそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第1補正トルクを算出するとともに、横勾配外乱φrbと他の横方向外乱とのそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと第2補正トルクとに基づいて該操舵アシストトルクを補正することにより、操舵アシストをより適切に行なうことができる(請求項)。
また、本発明の車両用外乱推定装置によれば、車両の操舵−車両系モデルに基づいて、車速検出手段,操舵角検出手段,ヨーレイト検出手段,横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと、車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補正された車両に固有の複数のパラメータ値とから、車両の横方向外乱を推定するが、この推定に用いる、車両に固有の複数のパラメータ値のうち、少なくとも一部のパラメータ値を、車輪軸荷重検出手段により検出された車輪軸荷重情報に基づいて補正するので、車両の横方向外乱を精度良く推定することができる。つまり、車両に搭載する荷物の質量や乗員の質量やこれに応じた車両の重量バランスが変動したら、これらは車輪軸荷重情報として検出されるので、この検出情報に基づいて、車両に固有のパラメータ値を補正した上で、かかるパラメータ値に基づいて車両の横方向外乱の推定を行なうことにより、車両の横方向外乱を精度良く推定することができ、延いては操舵アシスト制御を適切に行なえるようになる(求項)。
また、上記の車両に固有の複数のパラメータ値に、車両の質量mと、車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、車両の重心から前輪軸までの距離lfと、車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれるが、この場合、少なくとも質量mと後輪コーナリングパワーKrとについて車輪軸荷重の検出情報に基づいて補正することにより、車両の横方向外乱の精度よい推定を効率よく行なうことができる(請求項)。
また、推定手段では、オブザーバによって、操舵角検出手段とヨーレイト検出手段と横加速度検出手段と車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと車速Vとの各状態量から、状態量である横勾配外乱φrbと他の外乱とを推定することで、横勾配外乱φrbと他の外乱とを確実に分離して推定することができる(請求項)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明すると、図1〜図10は本発明の第1実施形態としての車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置について示すもので、これらの図に基づいて説明する。
本実施形態にかかる車両用パワーステアリング装置は、図1に示すように、操舵アクチュエータとして電動モータ(ここでは、DCモータ)11をそなえ、車両の操舵操作状態や車両の状態を検出してこれらの検出結果からECU(電子制御ユニット)30により目標とする操舵アシスト量を設定し、この目標操舵アシスト量が得られるようにDCモータ11を制御するようになっている。
DCモータ11は、例えば図3に示すように、ステアリングホイール1,ステアリングシャフト2,ラックアンドピニオン3,タイロッド4,操舵輪(前輪)5L、5R等からなる操舵系(ここでは、ラックアンドピニオン3)に付設されている。もちろん、本装置は、ピニオンタイプの電動パワステだけでなく、油圧パワステに小型モータを追加する場合やラックアシストタイプの電動パワステにも適用することができる。
また、操舵操作状態及び車両状態を検出する手段としては、操舵角速度(前輪舵角速度)ωf_sを検出する操舵速度検出手段(前輪舵角速度検出手段)としてのハンドル角速度センサ21と、操舵角度(前輪舵角)δf_sを検出する操舵角検出手段(前輪舵角検出手段)としてのハンドル角センサ22と、車両のヨーレイトγsを検出するヨーレイト検出手段としてのヨーレイトセンサ(ヨー角速度センサ)23と、車両の横加速度Gy_sを検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ24と、車速Vを検出する車速検出手段25と、ドライバがステアリングホイール(ハンドル)を通じて加える操舵トルク(入力操舵トルク)Th_sを検出する操舵トルク検出手段(操舵トルクセンサ)26と、車輪軸荷重を検出する車輪軸荷重検出手段27とがそなえられる。
ECU30には、その機能要素として、基本操舵アシスト量(基本アシストトルク)Tm_baseを算出する基本操舵アシスト量演算部(電動パワステ制御演算部)31と、車両に加わる横方向外乱等を推定する推定手段としてのオブザーバ32と、操舵系に加わる外乱成分に応じた操舵アシスト補正量(アシストトルク補正量)を算出して、これに応じて操舵アシスト量(外乱抑制制御量)を補正する補正手段(外乱抑制補正手段)33と、オブザーバ32の演算に用いるものであって車両の運動に関連し車両に固有のパラメータ値のうちの一部を、車輪軸荷重検出手段27による検出情報に基づいて補正する車両パラメータ値補正手段36とが設けられている。
電動パワステ制御演算部31では、操舵トルク検出手段26で検出された入力操舵トルクTh_sと車速検出手段25で検出された車速Vとに基づいて基本操舵アシスト量(基本アシストトルク)Tm_baseを算出する。
オブザーバ32では、前輪舵角検出手段22,ヨーレイト検出手段23,横加速度検出手段24,車速検出手段25でそれぞれ検出された前輪舵角δf_s,ヨーレイトγs,横加速度Gy_s,車速Vに基づいて、車両に加わる横方向外乱等[具体的には、車両の横勾配外乱以外の外乱としてのヨーモーメント外乱推定値(横力によって車両を回転させようとするヨーモーメント外乱φmoの推定値)φmo_e,横勾配外乱推定値(走行路面の横傾斜によって車両に作用する横勾配外乱φrbの推定値)φrb_e,横速度推定値ve,ヨーレイト推定値γe]を推定する。この横方向外乱等を推定する機能(推定手段)と、上記の前輪舵角検出手段22,ヨーレイト検出手段23,横加速度検出手段24,車速検出手段25とから、本実施形態としての車両用外乱推定装置が構成される。
補正手段33には、補正用操舵アシスト量(補正アシストトルク)Tm_addを算出する操舵アシスト補正量演算部(外乱抑制制御演算部)34と、基本アシストトルクTm_baseに補正アシストトルクTm_addを加算する加算部35とがそなえられる。
操舵アシスト補正量演算部34は、オブザーバ32で推定されたヨーモーメント外乱推定値(以下、単に、モーメント外乱推定値ともいう)φmo_e,横勾配外乱推定値φrb_e,横速度推定値ve,ヨーレイト推定値γeと、前輪舵角速度検出手段21で検出された前輪舵角速度ωf_sと、前輪舵角速度検出手段21で検出された前輪舵角δf_sと、車速検出手段25で検出された車速Vとに基づいて、操舵系に加わる外乱成分に応じた補正アシストトルクTm_addを算出する。
つまり、操舵アシスト補正量演算部34では、前輪舵角速度ωf_sにゲインKωを掛けて前輪舵角速度対応補正量(=Kωωf_s)を、前輪舵角δf_sにゲインKδを掛けて前輪舵角対応補正量(=Kδωf_s)を、横速度推定値veにゲインKvを掛けて横速度対応補正量(=Kve)を、ヨーレイト推定値γeにゲインKrを掛けてヨーレイト対応補正量(=Krγe)を、それぞれ算出し、これらの補正量の加算値(第1補正トルク)Tm_fb(=Kωωf_s+Kδωf_s+Kve+Krγe)により基本アシストトルクTm_baseをフィードバック補正する。
また、モーメント外乱推定値φmo_eにゲインKΦ_moを掛けて横方向外乱対応補正量(第2補正トルク)Tm_mo(=KΦ_moφmo_e)を算出し、この補正量Tm_moにより基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正する。なお、図1中に示すように、横勾配外乱推定値φrb_eにゲインKΦ_rb(=微小値)を掛けて横勾配外乱対応補正量(第2補正トルク)Tm_rb(=KΦ_rbφrb_e)を算出し、この補正量により基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正してもよいが、基本的には、モーメント外乱推定値φmo_eのみに応じて、横方向外乱の影響が解消されるように、基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正することが肝要である。
したがって、オブザーバ32の推定によって分離された横勾配外乱とヨーモーメント外乱のうち、ヨーモーメント外乱の影響のみを抑制するように制御系が構成されている。
つまり、図4に示すように、一般に、カーブ路における道路の横勾配はカーブを曲がることによって生じる遠心力を打ち消してカーブでの旋回走行を容易にするために設けられている。また、直線路における横勾配は、2〜3%程度の小さい値であるが排水のために設けられている。オブザーバ32では、横方向外乱のうちこのような横勾配外乱については外乱抑制対象から除外して横風外乱の影響のみを抑制するように制御系を構成しているのである。
オブザーバ32による推定についてさらに説明すると、DCモータ11に関する各変数の関係は、図2に示すように制御ブロックにモデル化することができる。
なお、図1及び図2における各パラメータについては以下の表1に示す。
Figure 0004211638
ただし、上記のパラメータのうち、前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについては、車両パラメータ値補正手段36により、車輪軸荷重情報に基づいて補正されるようになっている。なお、ここでは、前輪と後輪とのそれぞれに車輪軸荷重情報(前輪軸荷重情報,後輪軸荷重情報)を検出しうる荷重センサが備えられている。また、この荷重センサとしては、例えば特開平11−28974号公報に記載されているような車高センサが用いられている。
つまり、図9に示すように、車輪軸荷重検出手段27としての前輪車高センサ41f,後輪車高センサ41rは、サスペンションにおける車輪に追従する部位42f,42rと車体43との間に設けられ、それぞれ前輪44f及び後輪44rと車体43との間の上下間隔を検出するように配設されている。この、車高センサ41f,41rによる検出値から、前輪部分と後輪部分とにおける車高変動ΔHf,ΔHrを求めることができる。
この車高変動ΔHf,ΔHrは、前輪の軸荷重の変動ΔWfと後輪の軸荷重の変動ΔWrとにそれぞれ比例したものになるので、前輪車高センサ41fは、前輪軸荷重Wfを求める前輪軸荷重センサとして、後輪車高センサ41rは後輪軸荷重Wrを求める後輪軸荷重センサとしてそれぞれ機能する。例えば、前輪基準車高Hf0,後輪基準車高Hr0に対してそれぞれ車高変動ΔHf,ΔHrが生じた場合、前輪基準車高Hf0に対応した前輪基準軸荷重Wf0,後輪基準車高Hr0に対応した後輪基準軸荷重Wr0は、車高変動ΔHf,ΔHrに応じた荷重分ΔWf,ΔWrだけ変動して、前輪軸荷重Wf,後輪軸荷重Wrは、それぞれ以下のようになる。
f=Wf0+ΔWf
r=Wr0+ΔWr
車輪のコーナリングパワーKf,Krと車輪軸荷重Wf,Wrとの間には、図10に示すような関係があり、車輪軸荷重Wf,Wrが増大するにしたがって車輪のコーナリングパワーKf,Krも増大する。したがって、車輪のコーナリングパワーKと車輪軸荷重との関係をマップ化し、このマップを用いて、前輪軸荷重Wf,後輪軸荷重Wrから前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKrを求めることができる。
また、車両重心と前輪との距離lf及び車両重心と後輪との距離lrは、ホイールベースをLhbとすると、次式のようになる。
f=Lhb×[Wr/(Wf+Wr)]
r=Lhb×[Wf/(Wf+Wr)]
また、車両の質量mは、次式のようになる。
m=Wf+Wr
そして、車両の慣性モーメント(ヨー慣性モーメント)Iは、上記の車両の質量mと、車両の旋回時(回頭時)の車両の中心点と車両の重心との距離rの二乗との積(=mr2)として表せ、車両重心は前輪,後輪の基準軸荷重Wf0,Wr0に応じて決まるため、距離rも算出できる。
車両パラメータ値補正手段36では、上述のようにして、車両の運動に関連し車両に固有のパラメータのうち、前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについて補正するようになっている。
図2に示す関係から、オブザーバの状態方程式として次式(A1)が導出される。
Figure 0004211638
上式(A1)において、ゲインa11,a12,a21,a22,b1,b2はいずれも車速に応じて決定し、ゲインl11,l12,l21,l22,l31,l32,l41,l42はいずれもモータの周波数特性を考慮して数式演算により適正値を設定することができる。
したがって、オブザーバ32では、前輪舵角δf_s,ヨーレイトrs,横加速度Gy_s,車速Vの各状態量を入力量として、横速度推定値veとヨーレイト推定値reとモーメント外乱推定値φmo_eと横勾配外乱推定値φrb_eとの各状態量を推定することができる。
ここで、横勾配外乱とヨーモーメント外乱とを推定するオブザーバ32について、さらに詳細に説明する。
オブザーバ32を設計するにあたって、ロバストな横制御システムを構成する必要があり、次の仮定(a)〜(d)を基本とする。
(a)センサ信号は,ステアリング角,ステアリンクトルク,ヨーレイト,横加速度を仮定する。
(b)タイヤとサスペンションの非線形性は考慮しない。
(c)横外乱に対してロバストな制御系を設計するためドライバの操作を想定しない(Th=0)。
(d)車両に生じる勾配以外の横力外乱は想定しないので、勾配以外の横力外乱はモーメント外乱推定値に含まれる。
図5に示すように、実際の操舵系は機械的な系とDCモータの系とで構成される。また、慣性系は、ステアリングホイール,DCモータ,タイヤから成り、弾性系はトーションバーとタイヤから成る。ここで、キングピン回りに微分方程式をたてると次式(1)〜(3)のようになる。
Figure 0004211638
ここで、δfは前輪実舵角、αはハンドル角(コラム軸回り)、Tsは路面からのセルフアライニンクトルク、TmはDCモータの付加トルク、Thはドライバトルク(トルクセンサ値)である。なお、系のパラメータIs,Cs,Nt,Nm,Ktについては前記の表1に記載する。
ここで、前輪実舵角δfは、センサ値であるドライバトルクThとハンドル角αとから計測可能である。
前式(2)を変形すると、次式(4)となる。
Figure 0004211638
さらに、ここでは、図6に示すような二輪モデルを車両モデルとする。前輪実舵角δfをシステム入力として定義すると、かかるモデルの車両系の運動方程式を次式のように記述できる。
Figure 0004211638
ここで、vは車両の横速度、γは車両のヨーレイト、φrbは横勾配外乱、φrbはヨーモーメント外乱である。系のパラメータIs,Cs,Nt,Nm,Ktは前記表1に記載する。
車両の横運動とヨー運動を表す微分方程式を示す上記の式(5),(6)は、一般によく知られているものである。
これらのモーメント外乱φmo,横勾配外乱φrbは式(5),(6)に外部入力として与えられるが、直接計測することはできない。そこで、これらの横方向外乱の対策として、図7に示すように、オブザーバで外乱を推定し、コントローラ(ECU30内の制御指令系)ではフィードフォワードループによって外乱の影響を近似的に打ち消す制御手法をとった。この手法では、外乱が一定値の場合積分制御と等価である。計測される出力信号である横加速度センサ値は、次式に示すように車両の状態量と横勾配外乱φrbとで表現されるが、モーメント外乱φmoは含まれない。なお、コントローラ30では横外乱以外の外乱については、車両の各状態量をフィードバックして外乱の影響を抑制している。
ところで、Gセンサの検出値Gy_sは、左右に勾配のない平坦路sでは、式(7)のようになるが、横勾配の外乱φrb。が含まれると、式(8)のようになる。
Figure 0004211638
上記の式(7)、(8)は、2つの横方向外乱φmo,φrbを分離可能であることを示しており、式(5),(6),(8)を整理すると、次の状態方程式が得られる。
Figure 0004211638
ここで、未知の状態量vと横方向外乱φmo,φrbを同時に推定するオブザーバを設計するために、次式に示すように2つの横方向外乱φmo,φrbを状態量として拡張したモデルを定義する。
Figure 0004211638
上式(11),(12)はv,γ,φmo,φrbの係数行列A,C(下式)にかかる階級(rank[C CA ・・・CAn-1T)が状態数(状態量の種類)nを満たすので、可観測であり、未知の状態量vと未知の外乱φmo,φrbをオブザーバによって推定することができる。ここで、v,γ,φmo,φrbは推定結果であり、以下のLは推定ゲイン行列である。
Figure 0004211638
このようなオブザーバのブロック図を模式的に示すと、図8のようになる。
線形ロバストを制御するにあたり、4次の微分方程式を制御対象モデルとして適用すると、この4次モデルは、操舵系モデルの2つの状態変数である前輪実舵角δfと前輪実舵角速度ωfおよび車両系の2つの状態変数である横速度vとヨーレイトγとで構成される。ここで、外乱φmo,φrbは外部入力として制御対象に与えられる。なお、前式(1)におけるドライバトルクはゼロと仮定する(Th=0)。
Figure 0004211638
そして、本ロバスト制御システムは、状態フィードバックループと外乱抑制フィードフォワードループとから構成する。状態フィードバックループは、十分な系の応答性と安定性を確保する。外乱抑制フィードフォワードループは、横風外乱の定常状態における影響を抑制する。式(14)における制御入力は、次式により定める。
Figure 0004211638
ここで,[Kω,Kδ,Kv,Kγ]は状態フィードバックゲインであり、LG制御理論によって得られる。状態フィードバックループは,主に系を安定化させることを目的とする。前輪実舵角速度ωfは、モータの付加電圧と電流から計算することができる。前輪実舵角δfは前式(4)から得られる。
v,φmo,φrbは前記のように、外乱オブザーバから推定される。一方、外乱抑制フィードフォワードループは、横風等により車両に発生するヨー運動の影響を低減することを目的し、具体的にはモーメント外乱推定値φmo_eによって生じるヨーレイトの定常値をゼロにするようにフィードフォワードゲインを定める。このフィードフォワードゲインkffを定める際、式(14)においてφrb=0と仮定する。
以上の仮定から次の状態方程式が得られる。
Figure 0004211638
定常状態(dx/dt=0)において式(18)は次式のように変形される。
Figure 0004211638
ここで、δfss,vssssは、φmoに対するδf,v,γの定常値である。従って、この方程式を直接解く次式が得られる。
Figure 0004211638
ここでは、定常値を0とする制御量なので、γss=0とすることができる。したがって、
Figure 0004211638
式(21)は、次式(21´)のように変形することができ、フィードフォワードゲインKff(=KΦ_mo)は次式(22)から得られる。
Figure 0004211638
本発明の第1実施形態としての車両用パワーステアリング装置は、上述のように構成されているので、操舵アシスト補正手段(操舵アシスト補正量演算部34及び演算部35)33により、前輪舵角速度対応補正量(=Kωωf_s)、前輪舵角対応補正量(=Kδωf_s)、横速度対応補正量(=Kve)、ヨーレイト対応補正量(=Krγe)の加算値Tm_fb(=Kωωf_s+Kδωf_s+Kve+Krγe)により基本アシストトルクTm_baseをフィードバック補正するとともに、横方向外乱対応補正量Tm_mo(=KΦmoφmo_e)により基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正するので、横方向外乱のうちから横勾配外乱を除去した横方向外乱(横風外乱等)φmoを抑制するように電動モータを制御して操舵アシストトルクを与えるので、カーブ路のスムーズな走行性能を確保しながら、操舵への横風外乱の影響を抑制して、アクティブ・セーフティを向上させることができるようになる。
しかも、推定手段のオブザーバ31では、車両の横方向外乱を推定する際に、前記の表1に示すように、車両に固有の複数のパラメータ値を用いるが、これらのうち前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについては、車輪軸荷重情報に基づいて補正されたものが用いられるようになっているので、車両の横方向外乱を精度良く推定することができる。つまり、車両に搭載する荷物の質量や乗員の質量やこれに応じた車両の重量バランスが変動したら、これらは車輪軸荷重情報として検出されるので、この検出情報に基づいて、車両に固有のパラメータ値を補正した上で、かかるパラメータ値に基づいて車両の横方向外乱の推定を行なうことにより、車両の横方向外乱を精度良く推定することができ、延いては操舵アシスト制御を適切に行なえるようになる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明すると、図11〜図15は本発明の第2実施形態としての車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置について示すもので、これらの図に基づいて説明する。
第1実施形態では、車両に生じる勾配以外の横力外乱は想定せずに、勾配以外の横力外乱はモーメント外乱推定値に含まれるものと考え、車両の横勾配外乱以外の外乱(他の横方向外乱)としてのヨーモーメント外乱φmoを推定しているが、本実施形態では、車両に生じるヨーモーメント外乱は想定せずに、車両の横勾配外乱以外の外乱(他の横方向外乱)としての横力外乱φCWを推定するようになっている。
このため、本装置は、図11に示すように構成される。車両の横勾配外乱以外の外乱が第1実施形態と異なるが、ただし、車両のパラメータのうち、前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについては、車両パラメータ値補正手段36により、車輪軸荷重情報に基づいて補正されるようになっている点は第1実施形態と同様である。
オブザーバ32については、図12及び図13〜図15に示すように制御ブロックにモデル化することができる。なお、図11及び図12,図13〜図15における各パラメータについては前記の表1に示す。
また、図12〜図15に示す関係から、オブザーバの状態方程式として次式(A2)が導出される。
Figure 0004211638
上式(A2)において、ゲインa11,a12,a21,a22,b1,b2はいずれも車速に応じて決定し、ゲインl11,l12,l21,l22,l31,l32,l41,l42はいずれもモータの周波数特性を考慮して数式演算により適正値を設定することができる。
したがって、オブザーバ32では、前輪舵角δf_s,ヨーレイトγs,横加速度Gy_s,車速Vの各状態量を入力量として、横速度推定値veとヨーレイト推定値reと横力外乱推定値φcw_eと横勾配外乱推定値φrb_eとの各状態量を推定することができる。
本発明の第2実施形態としての電動パワーステアリング装置は、上述のように構成されているので、操舵アシスト補正手段(操舵アシスト補正量演算部34及び演算部35)33により、前輪舵角速度対応補正量(=Kωωf_s)、前輪舵角対応補正量(=Kδδf_s)、横速度対応補正量(=Kve)、ヨーレイト対応補正量(=Krγe)の加算値Tm_fb(=Kωωf_s+Kδδf_s+Kve+Krγe)により基本アシストトルクTm_baseをフィードバック補正するとともに、横力外乱対応補正量Tm_cw(=KΦ_cwφcw_e)により基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正するので、横方向外乱のうちから横勾配外乱を除去した横力外乱(横風外乱等)φcwを抑制するように電動モータを制御して操舵アシストトルクを与えるので、カーブ路のスムーズな走行性能を確保しながら、操舵への横力外乱(横風外乱等)の影響を抑制して、アクティブ・セーフティを向上させることができるようになる。
しかも、推定手段のオブザーバ32では、車両の横方向外乱を推定する際に、前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについては、車輪軸荷重情報に基づいて補正されたものが用いられるようになっているので、第2実施形態と同様に、車両の横方向外乱を精度良く推定することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明すると、図13,図14は本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置及び車両用外乱推定装置について示すもので、これらの図に基づいて説明する。
第1実施形態では、車両に生じる勾配以外の横力外乱は想定せずに、勾配以外の横力外乱はモーメント外乱推定値に含まれるものと考え、車両の横勾配外乱以外の外乱としてのヨーモーメント外乱φmoを推定しているが、本実施形態では、車両に生じるヨーモーメント外乱φmoと勾配以外の横力外乱φCWとの両方を想定し、これらを推定するようになっている。
このため、本装置は、図13に示すように構成される。車両の横勾配外乱以外の外乱が第1実施形態と異なるが、ただし、車両のパラメータのうち、前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについては、車両パラメータ値補正手段36により、車輪軸荷重情報に基づいて補正されるようになっている点は第1実施形態と同様である。
オブザーバ32については、図14に示すように制御ブロックにモデル化することができる。なお、図13及び図14における各パラメータについては前記の表1に示す。
また、図14に示す関係から、オブザーバの状態方程式として次式(A3)が導出される。
Figure 0004211638
上式(A)において、ゲインa11,a12,a21,a22,b1,b2はいずれも車速に応じて決定し、ゲインll(1,1)〜ll(7,3)はいずれもモータの周波数特性を考慮して数式演算により適正値を設定することができる。
したがって、オブザーバ32では、前輪舵角δf_s,ヨーレイトγs,横加速度Gy_s,車速Vの各状態量を入力量として、横速度推定値veとヨーレイト推定値γeと横力外乱推定値φcw_eとモーメント外乱推定値φmo_eと横勾配外乱推定値φrb_eとの各状態量を推定することができる。
本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置は、上述のように構成されているので、操舵アシスト補正手段(操舵アシスト補正量演算部34及び演算部35)33により、前輪舵角速度対応補正量(=Kωωf_s)、前輪舵角対応補正量(=Kδδf_s)、横速度対応補正量(=Kve)、ヨーレイト対応補正量(=Krγe)の加算値Tm_fb(=Kωωf_s+Kδδf_s+Kve+Krγe)により基本アシストトルクTm_baseをフィードバック補正するとともに、横力外乱φcwに対応した補正量である横方向外乱対応補正量Tm_cw(=KΦ_cwφcw_e)と、モーメント外乱φmoに対応した補正量である横方向外乱対応補正量Tm_mo(=KΦ_moφmo_e)とにより基本アシストトルクTm_baseをフィードフォワード補正するので、横方向外乱のうちから横勾配外乱を除去した外乱φmo,φcwを抑制するように電動モータを制御して操舵アシストトルクを与えるので、カーブ路のスムーズな走行性能を確保しながら、操舵への横風外乱の影響を抑制して、アクティブ・セーフティを向上させることができるようになる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記の各本実施形態では、車輪軸荷重検出手段27として、前輪車高センサ41fと後輪車高センサ41rとをそなえているが、トラック等の主として後輪の軸荷重が変動する車両の場合、車輪軸荷重検出手段27として、後輪車高センサ41r等の車輪軸荷重を検出するもののみを設けて、前輪軸荷重は一定と仮定して、上記の後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントIについての補正を行ってもよい。この場合、前輪コーナリングパワーKfは一定値となる。
また、上記のパラメータ(前輪コーナリングパワーKf,後輪コーナリングパワーKr,車両重心と前輪との距離lf,車両重心と後輪との距離lr,車両の質量m,車両の慣性モーメントI)のうち、特に、オブザーバでの推定に大きく寄与するパラメータ(例えば、後輪コーナリングパワーKr及び車両の質量m)のみを補正するようにして、補正処理の簡素化を図ることも考えられる。
また、各ゲインKω,Kδ,Kv,Kr,KΦ_cw,KΦ_moについては、系の安定性や操舵フィーリングを向上させることができるように、車速に応じて適宜設定することが重要である。
本発明の第1実施形態としての車両用パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバのブロック図である。 本発明の第1実施形態としての車両用パワーステアリング装置を説明する模式図である。 走行する車両への横方向外乱を説明する図であり、(a)は走行する車両の模式的平面図、(b)は走行する車両の模式的後面図である。 本発明の第1実施形態にかかる操舵系モデルを示す模式図である。 本発明の第1実施形態にかかる車両系モデルを示す模式図である。 本発明の第1実施形態にかかるステアリング制御を説明するブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかるステアリング制御を説明するオブザーバのブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる車両パラメータ値の補正を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態にかかる車輪のコーナリングパワーと車輪軸荷重との関係を説明する図である。 本発明の第2実施形態としての車両用パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバのブロック図である。 本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバのブロック図である。 本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバの要部ブロック図であり、図14の部分P1を拡大して示したものである。 本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバの要部ブロック図であり、図14の部分P2を拡大して示したものである。 本発明の第3実施形態としての車両用パワーステアリング装置にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバの要部ブロック図であり、図14の部分P3を拡大して示したものである。
符号の説明
11 DCモータ
21 前輪舵角速度検出手段(操舵角速度検出手段)
22 前輪舵角検出手段(操舵角検出手段)
23 ヨーレイト検出手段
24 横加速度検出手段
25 車速検出手段
26 操舵トルク検出手段
27 車輪軸荷重検出手段
30 制御手段としての電子制御ユニット(ECU)
31 基本制御量設定部(電動パワステ制御演算部)
32 推定手段(オブザーバ)
33 補正手段(外乱抑制補正手段)
34 操舵アシスト補正量演算部(外乱抑制制御演算部)
35 演算部
36 車両パラメータ値補正手段

Claims (5)

  1. 車両に搭載され操舵系に操舵アシストトルクを付与するアクチュエータと、該車両の車速を検出する車速検出手段と、該車両に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該車速検出手段及び該操舵トルク検出手段からの検出情報に基づいて該アクチュエータを制御する制御手段とをそなえた、パワーステアリング装置であって、
    該車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    該車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、
    該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    該車両の車輪軸荷重に関する情報を検出する車輪軸荷重検出手段と、
    該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて該車両の運動に関連した該車両に固有の複数のパラメータ値のうち少なくとも一部のパラメータ値を補正する車両パラメータ値補正手段と、
    該車両の操舵−車両系モデルに基づいて、該車速検出手段,該操舵角検出手段,該ヨーレイト検出手段,該横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと、該車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補正された該車両に固有の複数のパラメータ値とから、該車両の横方向外乱を推定する推定手段とをそなえ、
    該制御手段には、該推定手段による推定結果から、該車両の横方向外乱を抑制するように該アクチュエータに発生させる該操舵アシストトルクを補正する補正手段をそなえ
    該車両に固有の複数のパラメータ値には、該車両の質量mと、該車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、該車両の重心から前輪軸までの距離lfと、該車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれ、
    該車両パラメータ値補正手段は、少なくとも該質量mと該後輪コーナリングパワーKrとを該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて補正し、
    該推定手段は、該操舵角検出手段と該ヨーレイト検出手段と該横加速度検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと車速Vとの各状態量から、状態量である該車両の横勾配外乱と他の横方向外乱とを推定するオブザーバをそなえている
    ことを特徴とする、車両用パワーステアリング装置
  2. 該補正手段は、該推定手段による推定結果から、該車両の横方向外乱のうち主として上記他の横方向外乱を抑制するように該アクチュエータで付与する該操舵アシストトルクを補正する
    ことを特徴とする、請求項記載の車両用パワーステアリング装置。
  3. 該車両の操舵角速度ωfを検出する操舵角速度検出手段をさらにそなえ、
    該推定手段は、該車両のヨーレイトγ及び横速度vをさらに推定するように構成され、
    該補正手段は、該操舵角速度検出手段と該操舵角検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された舵角速度ωfと操舵角δfと車速Vと、該推定手段により推定されたヨーレイトγと横速度vとから第1補正トルクを算出し、該推定手段により推定された上記の横勾配外乱と他の横方向外乱とから第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと該第2補正トルクとに基づいて該操舵アシストトルクを補正する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用パワーステアリング装置。
  4. 該補正手段は、上記の操舵角δf,舵角速度ωf,ヨーレイトγ,横速度vのそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第1補正トルクを算出するとともに、上記の横勾配外乱,他の横方向外乱のそれぞれに、車速Vに応じてそれぞれ設定されるゲインを乗算して該第2補正トルクを算出して、該第1補正トルクと該第2補正トルクとに基づいて該操舵アシストトルクを補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用パワーステアリング装置。
  5. 車両の車速Vを検出する車速検出手段と、
    該車両の操舵角δfを検出する操舵角検出手段と、
    該車両のヨーレイトγを検出するヨーレイト検出手段と、
    該車両の横加速度Gyを検出する横加速度検出手段と、
    該車両の車輪軸荷重に関する情報を検出する車輪軸荷重検出手段と、
    該車輪軸荷重検出手段による検出情報から該車両の運動に関連した該車両に固有の複数のパラメータ値のうち少なくとも一部のパラメータ値を補正する車両パラメータ値補正手段と、
    該車両の操舵−車両系モデルに基づいて、該車速検出手段,該操舵角検出手段,該ヨーレイト検出手段,該横加速度検出手段によりそれぞれ検出された該車両の車速Vと操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと、該車両パラメータ値補正手段により少なくとも一部のパラメータ値を補正された該車両に固有の複数のパラメータ値とから、該車両の横方向外乱を推定する推定手段とをそなえ
    該車両に固有の複数のパラメータ値には、該車両の質量mと、該車両の慣性モーメントIと、前輪コーナリングパワーKfと、後輪コーナリングパワーKrと、該車両の重心から前輪軸までの距離lfと、該車両の重心から後輪軸までの距離lrとが含まれ、
    該車両パラメータ値補正手段は、少なくとも該質量mと該後輪コーナリングパワーKrとを該車輪軸荷重検出手段による検出情報に基づいて補正し、
    該推定手段は、該操舵角検出手段と該ヨーレイト検出手段と該横加速度検出手段と該車速検出手段とによりそれぞれ検出された操舵角δfとヨーレイトγと横加速度Gyと車速Vとの各状態量から、状態量である該車両の横勾配外乱と他の横方向外乱とを推定するオブザーバをそなえている
    ことを特徴とする、車両用外乱推定装置
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