JP2014125161A - 車両懸架制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の内外の環境に応じて、車両の挙動を適切に制御することが可能な車両懸架制御装置を提供する。
【解決手段】車両懸架制御装置1は、左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する演算部120を備える。演算部120は、対角荷重差に基づいて、車輪の荷重を制御する。対角荷重差と、目標値との差が減少するように制御する。演算部120の車両状態推定部122は、各種センサによって検出された値を入力して、車両の状態を推定する。前後輪ロールモーメント演算部124は、車両の状態に応じて、対角荷重差に基づく制御量を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両懸架制御装置に関する。
従来、車両の重心位置に偏りがある場合に、前後の左右輪における接地荷重を変更するためにアクティブスタビライザを用いて、制動時の安定性を向上させる車両制御装置がある。このような車両制御装置では、例えば目標ヨーレートと実際のヨーレートとを近づけるように、前後の左右輪における接地荷重を変更する。特許文献1に記載の制御装置は、車両の直進制動時の偏向を抑制するため、車両に発生する偏向量を予測し、予測した偏向量を減少させるように、サスペンションのストローク量を変更する制御を行う。
特開2012−40946号公報
従来の技術では、接地荷重を変更する制御を実行しているが、タイヤの特性によって、制御による効果が小さく、改善の余地がある。本発明は、車両の内外の環境に応じて、車両の挙動を適切に制御することが可能な車両懸架制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両懸架制御装置は、車両の車輪にかかる荷重を制御可能な車両懸架制御装置であって、各車輪にかかる荷重を検出する荷重検出部と、左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する演算部と、当該演算部によって算出された対角荷重差に基づいて、車輪の荷重を制御可能な制御部と、を備えることを特徴としている。
本発明の車両懸架制御装置によれば、左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する演算部を備え、当該演算部によって算出された対角荷重差に基づいて、車輪の荷重を制御することができる。これにより、対角荷重差に基づき、車両の内外の環境に応じて、車両の挙動を適切に制御することができる。
制御部は、対角荷重差を所定の値になるように、各車輪の荷重を変更することが好ましい。このように、各車輪の荷重を変更して、対角荷重差を所定の値にして、車両の挙動を適切に制御することができる。
また、荷重検出部は、車両の静止状態において、各車輪にかかる荷重を検出し、演算部は、車両の静止状態に検出した荷重に基づいて、対角荷重差を算出し、制御部は、車両の静止状態における対角荷重差に基づいて、車輪の荷重を制御することが好適である。これにより、車両の静止状態における対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御し、車両の挙動を適切に制御することができる。
また、車両の諸元データを記憶する記憶部を備え、演算部は、記憶部に記憶された諸元データ、及び荷重検出部によって検出された車輪にかかる荷重に基づいて、車両の重心の左右のずれ量を算出してもよい。
また、車両の重心の左右のオフセットが生じ、且つ、車両に前後加速度が生じている場合に、制御部は、外前輪から外後輪へ荷重を移動させるように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御することが好ましい。これにより、車両の重心が左右にオフセットしている場合に、車両に前後加速度が作用しても、車両の直進性が阻害されにくくなる。
また、車両の重心の左右のオフセットが生じ、これにより、車両の旋回時の横加速度の左右差が生じ得る場合に、制御部は、車両の静止状態における左右前輪の荷重が均等になるように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御することが好ましい。これにより、車両の重心が左右にオフセットしている場合に、車両の旋回時の横加速度の左右差を低減することができ、運転者の違和感を低減すると共に、車両の挙動を適切に制御することができる。車両懸架制御装置は、静止状態における荷重の値を参照して、旋回時において制御する際に、静止状態において検出された値の左右差を均等にするように、車輪の荷重を制御する。
また、車両懸架制御装置は、外部環境によって車両の直進性を阻害する外力が生じている場合に、制御部は、ステアリング軸周りのトルクの左右差が減少するように、対角荷重差に応じて、車両の前記荷重を制御することが好適である。これにより、路面の横断勾配、又は横風などの外部環境によって車両に外力が生じていても、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御することで、車両の偏向を抑制することができる。
本発明によれば、車両の内外の環境に応じて、車両の挙動を適切に制御することが可能な車両懸架制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の車両懸架制御装置のブロック構成図である。 前後ロールモーメント演算部を示すブロック構成図である。 車両に対角荷重差を生じさせた状態におけるタイヤ荷重の配分を示す概略図である。 ヨーモーメントを減少させる制御による効果について、シミュレーションで検証した結果を示している。 重心が右側へオフセットしている車両のタイヤ荷重を示す概略図である。 車両の重心が中心から右側へ25mmオフセットしている場合の限界横加速度の左右差を例示するグラフである。 両の重心が中心から右側へ25mmオフセットしている場合において、対角荷重差>0とした車両の限界横加速度の左右差を例示するグラフである。 路面上を走行する車両を示す正面図であり、直進走行に影響を及ぼす主な外力を示している。
以下、本発明による車両懸架制御装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す車両懸架制御装置1は、車両に搭載され、車両の車輪にかかる荷重を制御して、車両の挙動を安定させる装置である。車両懸架制御装置1は、車両の各種情報を取得する複数のセンサを備え、これらのセンサによって取得された情報に基づいて制御を行う。車両懸架制御装置1は、センサによって取得された情報に基づいて制御を行う制御部120を有する。また、車両懸架制御装置1は、車輪にかかる荷重を制御可能な動作部を備えている。
(各種センサ)
車両懸架制御装置1は、車両の状態を検出する複数のセンサとして、車速センサ100、ハンドル角センサ102、ハンドルトルクセンサ104、ヨーレートセンサ106、前後加速度センサ108、横加速度センサ110、ブレーキ踏力センサ112、アクセルペダルストロークセンサ114、及びサスペンションストロークセンサ116を有する。これらの各種センサによって検出された情報は、制御部120に出力される。
車両懸架制御装置1は、各輪のタイヤにかかる荷重を検出するタイヤ荷重センサ(荷重検出部)を備えている。タイヤ荷重センサによって検出されたタイヤ荷重は、制御部120に出力される。車両懸架制御装置1は、各種センサによって検出された値に基づいて、各輪のタイヤにかかる荷重を検出してもよい。
車速センサ100は、車速を検出する。ハンドル角センサ102は、車両を操舵するハンドルの回転角(ハンドル角)を検出する。ハンドルトルクセンサ104は、ハンドルに作用するトルクを検出する。ヨーレートセンサ106は、車両に作用するヨーレートを検出する。前後加速度センサ108は、車両に作用する前後方向の加速度を検出する。横加速度センサ110は、車両に作用する車幅方向の加速度(横加速度)を検出する。
ブレーキ踏力センサ112は、ブレーキペダルに作用する踏力を検出する。ブレーキ踏力センサ112は、運転者によった操作されたブレーキペダルの操作量を検出する。アクセルペダルストロークセンサ114は、アクセルペダルの変位量を検出する。アクセルペダルストロークセンサ114は、運転者によって操作されたアクセルペダルの操作量を検出する。サスペンションストロークセンサ116は、各車輪のサスペンションの変位量を検出する。
制御部120は、車両の状態の推定、又は各種制御量の演算を行う。制御部120は、車両状態推定部122、前後輪ロールモーメント演算部124、及びサスペンションアクチュエータ制御部126を備えている。また、車両懸架制御装置1は、車両の諸元データを記憶する記憶部を有する。
制御部120は、ECU(電子制御ユニット)によって構成されている。ECUは、演算処理を行うCPU、記憶部となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成されている。ECUでは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、車両状態推定部122、前後輪ロールモーメント演算部124、及びサスペンションアクチュエータ制御部126が構築されている。
車両状態推定部122は、各種センサから入力した情報に基づいて、車両の状態を推定する。車両状態推定部122は、車両状態として、(ケース1)車両の重心がずれているか否かを推定する。車両状態推定部122は、車両状態として、(ケース2)車両の旋回時に車両の挙動に左右差が有るか否かを推定する。車両状態推定部122は、車両状態として、(ケース3)車両の外部環境による外力によって、車両の直進性を阻害されているか否かを推定する。車両状態推定部122は、車両状態として、上記のケース1〜3のうちの複合的なものが発生しているか否かを推定する。
車両状態推定部122は、車両の諸元データ、各種センサによって検出された値、及び各輪に作用するタイヤ荷重に基づいて、車両の重心の左右のずれ量を算出し、車両の状態を推定してもよい。
前後ロールモーメント演算部124は、図2示すように、制駆動時制御量演算部124a、旋回時制御量演算部124b、直進時制御量演算部124c、及び制御量調停部124dを有する。
前後ロールモーメント演算部124は、左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する演算部として機能する。対角荷重差ΔFは、下記式(1)によって表現できる。
ΔF=(FL+RR)−(FR+RL)…(1)
ここで、FLは、左側前輪のタイヤ荷重、RRは、右側後輪のタイヤ荷重、FRは、右側前輪のタイヤ荷重、RLは、左側後輪のタイヤ荷重である。
制駆動時制御量演算部124aは、車両状態として、(ケース1)車両の重心が左右にオフセットしているときに車両に前後加速度が作用した場合に、車両の直進性が阻害される状態を緩和すべく、制御量を演算する。制御部120は、前後加速度センサ108によって検出された値に基づいて、車両に前後加速度が作用しているか否かを判断する。車両の重心の左右のオフセットが生じ、且つ、車両に前後加速度が生じている場合に、制御部120は、外前輪から外後輪へ荷重を移動させるように、対角荷重差に応じて、車両の荷重を制御する。
ここで、(ケース1)車両の重心が左右にオフセットしているときに、車両に前後加速度が作用した場合に、車両の直進性を阻害するメカニズムについて説明する。
通常の車両は、直進時の駆動力の左右差を最小限に抑えるように設計されている。また、通常の車両は、直進時の制動力の左右差を最小限に抑えるように設計されている。すなわち、左右輪に作用する合力は、ほぼ車両の中央に働くようになっている。
一方、慣性力は車両の重心に発生するので、車両の重心が車両の左右中央にない場合(すなわち、車両の重心が左右のいずれかにオフセットしている場合)は、車両に前後加速度が作用すると、慣性力によってヨーモーメントが発生することになる。このヨーモーメントが、車両の直進制動時における直進性を阻害する。
このヨーモーメントの大きさは、慣性力及びオフセット量で決まるので、オフセット量をゼロに近づけることで、減少させることができる。ヨーモーメントの大きさをゼロにするには、左右のオフセット量をゼロにする必要がある。
しかし、車両単体の重心の左右のオフセット量を完全にゼロにすることは困難であり、仮に車両単体の重心の左右のオフセット量をゼロにすることができたとしても、車両の乗員および積荷が、左右非対称であることが通常である。このため、乗員および積荷などを含めた車両の重心の左右のオフセット量をある程度許容して、左右のオフセットに基づく影響を低減することが求められている。
車両の重心の左右のオフセットをある程度許容すると、車両の前後加速度に伴うヨーモーメントの発生を減少させる(キャンセルする)ためのメカニズムを強化することが必要になる。この強化が求められるメカニズムの主な原動力はタイヤの横力である。
次に、タイヤの対角荷重差を制御してヨーモーメントを減少させるメカニズムについて説明する。直進時にヨーモーメントを受けた車両は、旋回と似た状態になる。旋回時の走行安定性を向上させるための方法の一つとして、後輪のタイヤの能力を前輪のタイヤの能力と比較して増大させることが挙げられる。タイヤの能力は、タイヤに作用する荷重を大きくすることで、増大させることができる。
図3は、車両に対角荷重差を生じさせた状態を示すものである。各タイヤの位置に示された円の大きさは、当該タイヤに作用する接地荷重(タイヤ荷重)の大きさを示している。図3(a)では、対角荷重差=0の場合の接地荷重の大きさを示し、図3(b)では、対角荷重差>0の場合の接地荷重の大きさを示している。
図3(b)に示すように、対角荷重差>0の場合、右側のタイヤFR,RRについて、後右タイヤRRの能力>前右タイヤFRの能力となる。対角荷重差>0の場合、左側のタイヤFL,RLについて、前左タイヤFLの能力>後左タイヤRLの能力となる。FLは左前輪、FRは右前輪、RLは左後輪、RRは右後輪を示す。
このとき、前輪の左右のタイヤFL,FRの能力の和は、後輪の左右のタイヤRL,RRの能力の和と等しい。ここで、車両の旋回時には、内輪(旋回方向の内側の車輪)から外輪(旋回方向の外側の車輪)への荷重移動が起こるので、外輪側の接地荷重が増大する。このため、外輪側の前タイヤの能力と後タイヤの能力との関係が、車両の挙動において支配的となる。
したがって、左旋回の場合、対角荷重差>0とすると、車両の安定性が増すことになる。例えば、トーインが設けられたサスペンションを備えた車両においては、対角荷重差>0とする制御によって、車両の安定性を向上させる効果が一層顕著になる。旋回時の内輪から外輪への荷重移動量は、ロール剛性配分によるものであり、前後のタイヤで等しいとは限らない。前後のタイヤにおいて内輪から外輪への荷重移動量が異なるため、旋回状態における対角荷重差も生じる。本実施形態でいう対角荷重差とは、車両が静止しているときの値であり、制御装置1は、様々な車両の走行状態において、対角荷重差に応じてバイアスを変化させて制御する。
車両の重心が右側にオフセットしているとき、車両を制動させた場合には、左旋回を誘発するヨーモーメントが発生することになり、車両を加速させた場合には、右旋回を誘発するヨーモーメントが発生することになる。したがって、車両を制動させた場合に右側が旋回外側に、車両を加速させた場合には左側が旋回外側になる。そのため、制御装置1は、車両を制動する時に、対角荷重差>0とする制御を行い、車両を加速する時に、対角荷重差<0とする制御を行う。これにより、制御装置1は、ヨーモーメントを減少させることができる。図4は、ヨーモーメントを減少させる制御による効果について、シミュレーションで検証した結果を示している。図4では、車両の重心が右へ25mm、中心からずれている場合に急制動した時のヨーレートを示している。
旋回時制御量演算部124bは、車両状態として、(ケース2)車両の重心が左右にオフセットしているときであり、旋回時に車両に作用する横加速度が中程度から限界までである場合に、車両の挙動に左右差が生じる状態を緩和すべく、制御量を演算する。横加速度が中程度とは、例えば限界横加速度が、9m/s程度である場合には、4.5m/s程度となる。車両の重心の左右のオフセットが生じ、これにより、車両の旋回時の横加速度の左右差が生じ得る場合に、制御部120は、車両の静止状態における左右前輪の荷重が均等になるように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御する。
ここで、(ケース2)車両の重心が左右にオフセットしているときにおいて、横加速度が中程度から限界までの旋回時に、車両の挙動に左右差が生じるメカニズムについて説明する。
タイヤの能力は荷重に応じて変化する。タイヤの能力の変化は線形ではなく一般には上に凸の2次曲線によって表現される。すなわち、左右の荷重移動が発生すると、内輪で失うタイヤの能力が、外輪で増加するタイヤの能力を上回るため、左右のタイヤの能力の和としては、低下することになる。
車両の重心が左右にオフセットしている場合には、車両の直進状態でも荷重移動することになる(図5(a)参照)。したがって、このオフセット分だけ旋回による荷重移動に偏りが生じるので、限界横加速度に左右差が生じる。一般に、旋回限界は、前輪のタイヤの能力が飽和することで発生するので、静止時の前輪のタイヤの荷重を左右均等にすることで、限界横加速度の左右差を減少させることができる(図5(b)参照)。
図6及び図7は、限界横加速度の計算結果を示している。図6では、車両の重心が中心から右側へ25mmオフセットしている場合の限界横加速度の左右差を例示している。図7では、車両の重心が中心から右側へ25mmオフセットしている場合において、対角荷重差>0とした車両の限界横加速度の左右差を例示している。対角荷重差>0となるように、対角荷重差を所定の目標値に近づけることで、車両の限界横加速度の左右差を少なくすることができる。
直進時制御量演算部124cは、車両状態として、(ケース3)路面の横断勾配や横風などの外部環境によって、車両に横力が作用した場合に、車両の直進性が阻害される状態を緩和すべく、制御量を演算する。外部環境によって車両の直進性を阻害する外力が生じている場合に、制御部120は、ステアリング軸周りのトルクの左右差が減少するように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御する。
ここで、(ケース3)路面の横断勾配や横風などの外部環境によって、車両の直進性が阻害されるメカニズムについて説明する。
車両の直進走行に影響を及ぼす主な外力として横風による空力F1、路面の横断勾配による重力の成分F2、タイヤ構造によって発生するタイヤの直進時発生力F3がある(図8参照)。路面の横断勾配や横風は場所、時間によって変動するため、車両に働く外力同士が偶発的に取り消し合うことは期待できず、こられの外力と釣り合いを取れる車両の内力を使用するか、外力の影響を受けにくくするのが通常である。
制御可能な車両の内力の例として電気式パワーステアリングの制御などがある。前輪の荷重に左右差がある場合には、ステアリング軸周りのトルクに左右差が生じ、ステアリング系に入力が生じることになる。この入力量は、車輪の荷重を制御可能なサスペンションペンを備える場合には可変であるので、このような荷重制御が可能なサスペンションは、車両の直進性の向上のために使うことができる。
制御量調停部124dは、制動駆動時制御量演算部124a、旋回時制御量演算部124b、及び直進時制御量演算部124cから出力された制御量を入力する。制御量調停部124dは、入力された複数の制御量に関する情報に基づいて、ロールモーメント目標値を決定する。制御量調停部124dは、その他の制御量を考慮して、ロールモーメント目標値を決定することができる。その他の制御量としては、例えば、既存のステアリング制御に関する制御量が挙げられる。
サスペンションペンアクチュエータ制御部126は、前後ロールモーメント演算部124から出力されたロールモーメント目標値を入力し、サスペンション20FL,20FR,20RL,20RRのアクチュエータ、及びアクティブスタビライザ30F,30Rのアクチュエータの制御量を決定する。サスペンションアクチュエータ制御部126は、対角荷重差を目標値に近づけるための制御量を算出し、各アクチュエータに制御量を送信する。
アクティブサスペンション20FL,20FR,20RL,20RRは、各輪を支持するサスペンションに油圧駆動部を有する。油圧駆動部を制御することにより、各輪にかかるタイヤ荷重を変化させることができる。アクティブサスペンション20FL,20FR,20RL,20RRは、サスペンションアクチュエータ制御部126から出力された指令信号に従い作動し、対角荷重差を目標値に近づける。
なお、エアサスペンションを備える車両においては、エアサスペンションの駆動部を制御して、各輪にかかるタイヤ荷重を変化させてもよい。
アクティブスタビライザ30F,30Rは、左右のサスペンションに連結されたトーションバーを有する。トーションバーには、バーのねじれを制御する駆動部が設けられている。アクティブスタビライザ30F,30Rの駆動部は、左右のアーム部32FR,32FL,32RR,32RLを逆方向に回転させる。アクティブスタビライザ30F,30Rは、サスペンションアクチュエータ制御部126から出力された指令信号に従い作動し、対角荷重差を目標値に近づける。
次に、本実施形態の車両懸架制御装置の作用について説明する。まず、車両懸架制御装置1は、静止時において、車両の重心の左右のオフセットを検出し、検出されたオフセット量を記憶部に記憶する。車両懸架制御装置1は、車両の重心のずれ量を検出する。製造時の車両の重心は、車両の諸元データに基づいて算出する。また、乗員の配置、及び積載された荷物の配置に基づく車両の重心のオフセットは、各輪に作用するタイヤ荷重に基づいて検出可能である。
車両の走行時において、車両懸架制御装置は、走行時の車両の状態を推定し、推定された車両の状態に応じて、アクティブサスペンション20FL,20FR,20RL,20RR、及びアクティブスタビライザ30F,30Rを制御する。
本実施形態に係る車両懸架制御装置によれば、左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する制御部120を備え、当該制御部120によって算出された対角荷重差に基づいて、車輪の荷重を制御することができる。これにより、対角荷重差に基づき、車両の内外の環境に応じて、車両の挙動を適切に制御することができる。
また、車両懸架制御装置は、車両の重心の左右のオフセットが生じ、且つ、車両に前後加速度が生じている場合に、制御部が、外前輪から外後輪へ荷重を移動させるように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御するので、車両の重心が左右にオフセットしている場合に、車両に前後加速度が作用しても、車両の直進性が阻害されにくくなり、車両を直進させることができる。
また、車両懸架制御装置は、車両の重心の左右のオフセットが生じ、これにより、車両の旋回時の横加速度の左右差が生じ得る場合に、制御部120が、車両の静止状態における左右前輪の荷重が均等になるように、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御するので、これにより、車両の重心が左右にオフセットしている場合に、車両の旋回時の横加速度の左右差を低減することができ、運転者の違和感を低減すると共に、車両の挙動を適切に制御することができる。
また、車両懸架制御装置は、外部環境によって車両の直進性を阻害する外力が生じている場合に、制御部120が、ステアリング軸周りのトルクの左右差が減少するように、対角荷重差を調節し、車輪の荷重を制御するので、路面の横断勾配、又は横風などの外部環境によって車両に外力が生じていても、対角荷重差に応じて、車輪の荷重を制御して、車両の偏向を抑制することができる。
以上、本発明のその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、車両の状態がケース1〜3である場合について、対角荷重差が所定の値となるように制御しているが、例えば、ケース1の場合のみ、対角荷重差に基づいて制御を行い、ケース2,3について、対角荷重差に基づいて制御を行わない車両懸架制御装置でもよい。また、ケース1及びケース2について、対角荷重差に基づいて制御を行い、ケース3について制御を行わない車両懸架制御装置でもよい。
1…車両懸架制御装置、120…制御部、122…車両状態推定部、124…前後輪ロールモーメント演算部、126…サスペンションアクチュエータ制御部。

Claims (7)

  1. 車両の車輪にかかる荷重を制御可能な車両懸架制御装置であって、
    各車輪にかかる荷重を検出する荷重検出部と、
    左前輪及び右後輪にかかる荷重の和と、右前輪及び左後輪にかかる荷重の和との差分である対角荷重差を算出する演算部と、
    前記演算部によって算出された前記対角荷重差に基づいて、前記車輪の荷重を制御可能な制御部と、を備えることを特徴とする車両懸架制御装置。
  2. 前記制御部は、前記対角荷重差が所定の値になるように、前記各輪の荷重を変更することを特徴する請求項1に記載の車両懸架制御装置。
  3. 前記荷重検出部は、車両の静止状態において、各車輪にかかる荷重を検出し、
    前記演算部は、車両の静止状態に検出した前記荷重に基づいて、前記対角荷重差を算出し、
    前記制御部は、車両の静止状態における前記対角荷重差に基づいて、前記車輪の荷重を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両懸架制御装置。
  4. 車両の諸元データを記憶する記憶部を備え、
    前記演算部は、前記記憶部に記憶された前記諸元データ、及び前記荷重検出部によって検出された前記車輪にかかる前記荷重に基づいて、車両の重心の左右のずれ量を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両懸架制御装置。
  5. 車両の重心の左右のオフセットが生じ、且つ、車両に前後加速度が生じている場合に、
    前記制御部は、外前輪から外後輪へ荷重を移動させるように、前記対角荷重差に応じて、前記車輪の前記荷重を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両懸架制御装置。
  6. 車両の重心の左右のオフセットが生じ、車両の旋回時の横加速度の左右差が生じ得る場合に、
    前記制御部は、車両の静止状態における左右前輪の前記荷重が均等になるように、前記対角荷重差に応じて、前記車輪の前記荷重を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両懸架制御装置。
  7. 外部環境によって車両の直進性を阻害する外力が生じている場合に、
    前記制御部は、ステアリング軸周りのトルクの左右差が減少するように、前記対角荷重差に応じて、前記車輪の前記荷重を制御することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の車両懸架制御装置。
JP2012284949A 2012-12-27 2012-12-27 車両懸架制御装置 Pending JP2014125161A (ja)

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