JP2615993B2 - 車両の後輪操舵制御装置 - Google Patents

車両の後輪操舵制御装置

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JP2615993B2
JP2615993B2 JP1082859A JP8285989A JP2615993B2 JP 2615993 B2 JP2615993 B2 JP 2615993B2 JP 1082859 A JP1082859 A JP 1082859A JP 8285989 A JP8285989 A JP 8285989A JP 2615993 B2 JP2615993 B2 JP 2615993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両旋回時における車体の姿勢を制御する
姿勢制御手段を有するサスペンション装置を搭載した車
両に適用され、ヨーレートに応じて後輪を操舵制御する
車両の後輪操舵制御装置に関する。
【従来の技術】
従来から、車両旋回時に車体に発生するヨーレートを
検出し、該検出ヨーレートに比例した操舵量だけ後輪を
前輪に対して同相に操舵するようにして、高速旋回時に
おける前記発生ヨーレートを抑制して車両の走行安全性
を良好にする後輪操舵制御装置は知られている。(例え
ば、特開昭63−207772号公報参照) 一方、前輪操舵角及び車速に応じて各種の荷重分担を
制御(旋回外輪側の荷重分担を多く)して、車両旋回時
における車体の姿勢を制御するようにした姿勢制御手段
を有するサスペンション装置も知られている。(例え
ば、特開昭63−11408号公報参照)
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記のようなサスペンション装置を搭載い
た車両において、上記のような後輪操舵制御を行った場
合、前記サスペンション装置内の姿勢制御手段が正常で
あれば、車両旋回時に車体に発生したヨーレートを抑制
するために検出ヨーレートに応じた後輪の操舵量を充分
大きくしても、同姿勢制御手段により車体の姿勢が制御
されるので、車体のローリングに関する問題はないが、
前記姿勢制御手段に異常が発生して車両旋回時における
車体の姿勢が制御されなくなると、前記ローリングに関
して次のような問題が発生する。 すなわち、車両旋回時には車体がロールして旋回半径
及に車速に応じたロール角が発生する。一方、車両旋回
時に車体に発生するヨーレートを抑制するために、検出
ヨーレートに応じて後輪を操舵制御すると、車両の旋回
半径が変化し、前記ロール角も変化する。かかる場合、
旋回に伴う車両の荷重移動のタイミングと検出ヨーレー
トによる後輪の操舵制御タイミングとが必ずしも一致し
ないので、発生ヨーレートを急速に抑制するために検出
ヨーレートによる後輪の操舵量を大きくすると、前記車
体のロール角の変化が大きくなり、車両旋回中に車体が
揺り返しにより左右交互にロール振動するようになって
乗り心地が良好でなくなるという問題があった。 本発明は上記問題に対処するためになされたもので、
その目的は、サスペンション装置内の姿勢制御手段に異
常が発生して車両旋回時における車体の姿勢が制御され
なくなっても、車両の乗り心地が悪化しないようにした
車両の後輪操舵制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴
は、第1図に示すように、車両旋回時における車体の姿
勢を制御する姿勢制御手段1aを有するサスペンション装
置1を搭載した車両に適用され、ヨーレートを検出する
ヨーレート検出手段2と、前記検出されたヨーレートに
応じた操舵量だけ同ヨーレートを抑制する方向に後輪RW
を操舵制御する操舵制御手段3とを備えた車両の後輪操
舵制御装置において、姿勢制御手段の異常を検出する異
常検出手段4と、異常検出手段4により姿勢制御手段1a
の異常が検出された場合には同手段1aの異常が検出され
ない場合に比べて操舵制御手段3による前記検出ヨーレ
ートに応じた後輪RWの操舵量を減少させるように操舵制
御手段3を制御する修正制御手段5とを設けたことにあ
る。
【発明の作用】
上記のように構成した本発明においては、サスペンシ
ョン装置1内の姿勢制御手段1aが正常に動作していて、
異常検出手段4が同手段1aの異常を検出しない場合に
は、操舵制御手段3がヨーレート検出手段2により検出
されたヨーレートに応じて後輪RWをヨーレートを抑制す
る方向に充分大きく操舵制御して、車両旋回時に車体に
働くヨーレートを抑制する。かかる場合、車体の姿勢は
姿勢制御手段1aにより制御されるので、前記のように後
輪RWの操舵量が大きくても、揺り返しにより車体のロー
ルが繰り返されることがない。 一方、姿勢制御手段1aが異常となって車両旋回時にお
ける車体の姿勢が制御されなくなった場合には、修正制
御手段5が異常検出手段4による異常検出に応答して操
舵制御手段3を制御し、検出ヨーレートに応じて制御さ
れる前記後輪RWの操舵量を減少させる。その結果、旋回
時における車体の旋回特性の変化が小さくなって、揺り
返しによる車体のロールの繰り返しを防止できるように
なる。
【発明の効果】
上記作用説明からも理解できるとおり、本発明によれ
ば、姿勢制御手段の異常時には、ヨーレートに応じた後
輪RWの操舵量を減少させて、揺り返しによる車体のロー
ルの繰り返しを防止するので、上述したような車両の乗
り心地の悪化がよりよく防止されて、当該車両の乗り心
地が常に良好に保たれる。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明すると、
第2図は本発明に係る車両の全体を概略的に示してい
る。 この車両は各車輪FW1,FW2,RW1,RW2と車体BDとの間に
設けられて車体BDを支持する各サスペンション機構A1〜
A4を備えている。左前輪FW1用のサスペンション機構A1
は、第2図及び第3図に示すように、一端にて車体BDに
回動可能に接続されかつ他端にてナックルアーム11に回
動可能に接続されたサスペンションアーム15を有し、同
アーム15はナックルアーム11を介して左前輪FW1を車体B
Dに接続している。このサスペンションアーム15と上端
にて車体BDに回動可能に接続された支持部材21との間に
は、スプリング25が介装されるとともに、下端にてサス
ペンションアーム15に回動可能に接続されたロッド31の
上端に固定したピストン35を収容したアクチュエータと
しての油圧シリンダ41が介装されており、同シリンダ41
内の油圧力及び前記スプリング25の弾撥力により車体BD
がサスペンションアーム15に対して支持されている。 また、右前輪FW2及び左右後輪RW1,RW2用のサスペンシ
ョン機構A2〜A4も、前記サスペンション機構A1と同様に
ナックルアーム12〜14、サスペンションアーム16〜18、
スプリング26〜28、ロッド32〜34、ピストン36〜38及び
油圧シリンダ42〜44をそれぞれ備え、車体BDを支持して
いる。 油圧シリンダ41〜44の各油室には圧力制御バルブ45〜
48がそれぞれ接続されており、各バルブ45〜48は各供給
ポートにて油圧ポンプP1に接続されるとともに各排出ポ
ートにてリザーバR1に接続され、油圧シリンダ41〜44内
の作動油圧を入力制御信号に応じた値にそれぞれ維持制
御する。また、各油圧シリンダ41〜44と各油圧制御バル
ブ45〜48とを接続する各油路と、リザーバR1に連通する
各油路との間には、電磁切り換えバルブ51〜54がそれぞ
れ介装されている。各電磁切り換えバルブ51〜54は非励
磁状態にてスプリングにより第1状態に設定されて前記
各油路間を連通させ、かつ励磁状態にて第2状態(図示
状態)に設定されて前記各油路間の連通を禁止する。 また、当該車両は左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪操
舵機構B1及び左右後輪RW1,RW2を操舵する後輪操舵機構B
2を備えている。前輪操舵機構B1はタイロッド55,56及び
ナックルアーム11,12を介して左右前輪FW1,FW2を操舵可
能に連結したラックバー57を備え、同バー57はピニオン
58及び操舵軸61を介して操舵ハンドル62に接続されてい
る。後輪操舵機構B2はタイロッド63,64及びナックルア
ーム13,14を介して左右後輪RW1,RW2を操舵可能に連結し
たリレーロッド65を備え、同ロッド65はパワーシリンダ
66により駆動されるようになっている。 パワーシリンダ66はリレーロッド65に固定したピスト
ン66aにより左右油室66b,66cに区画されており、同油室
66b,66cに対し、油圧ポンプP2及びリザーバR2に接続さ
れたサーボバルブ67が入力制御信号に応じて作動油の給
排を制御するようになっている。また、左右油室66b,66
c内には中立復帰用のスプリング68,71がプレロードの付
与された状態で組み込まれるとともに、同油室66b,66c
間には電磁切り換えバルブ72が介装されている。電磁切
り換えバルブ72は非励磁状態にてスプリングにより第1
状態に設定されて各油室66b,66c間を連通させ、かつ励
磁状態にて第2状態(図示状態)に設定されて前記各油
室66b,66c間の連通を禁止する。 さらに、当該車両は各サスペンション機構A1〜A4及び
後輪操舵機構B2を電気的に制御する電気制御回路Cを備
えており、同制御回路Cはサスペンション制御用の第1
マイクロコンピュータ73と後輪操舵制御用の第2マイク
ロコンピュータ74とをそれぞれ独立に有する。 第1マイクロコンピュータ73はバス73aに接続されたR
OM73b、CPU73c、RAM73d及びI/O73eからなる。ROM73bは
第4図のフローチャートに対応したサスペンション制御
プログラムを記憶するとともに、第5図の実線及び破線
に示すように車速Vに従って変化する各前後荷重分配率
データKfr0,Kfr1を第1及び第2テーブルの形でそれぞ
れ記憶している。CPU73cは前記プログラムを実行するも
のであり、RAM73dは前記プログラムの実行に必要な変数
を一時的に記憶するものである。 I/O73eは外部回路との信号の授受を行うもので、同I/
O73eには第1前輪操舵角センサ75、第1車速センサ76及
び油圧センサ77,78,81,82がそれぞれ接続されている。
第1前輪操舵角センサ75は操舵軸61の外周上に組み付け
られ、同軸61の回転角を計測することにより左右前輪FW
1,FW2の操舵角δf1(正により車輪の右操舵を表すとと
もに負により車輪の左操舵を表す)を検出して同操舵角
δf1を表す検出信号を出力する。第1車速センサ76は変
速機の出力軸(図示しない)の外周上に組み付けられ、
同軸の単位時間当りの回転数を計測することにより車速
V1を検出して同車速V1を表す検出信号を出力する。油圧
センサ77,78,81,82は油圧シリンダ41〜44にそれぞれ連
通する各油路内に向けて圧力制御バルブ45〜48の各出力
ポート部に組み付けられ、各油路内の油圧P1〜P4を検出
し同油圧P1〜P4を表す各検出信号をそれぞれ出力する。 また、I/O73eには駆動回路83〜86及び励磁回路87が接
続されている。各駆動回路83〜86は第1マイクロコンピ
ュータ73から供給される各目標油圧値P1*〜P4*を表す
制御データをそれぞれ記憶する機能を有し、該各記憶制
御データに応じて各目標油圧値P1*〜P4*を表す制御信
号を各圧力制御バルブ45〜48に供給する。励磁回路87は
第1マイクロコンピュータ73から供給される励磁・非励
磁データを記憶する機能を有し、該各記憶データに応じ
て各電磁切り換えバルブ51〜54を同時に励磁又は非励磁
制御する。さらに、このI/O73eには後輪操舵系の制御の
異常を表す後輪操舵フェイル信号が第2マイクロコンピ
ュータ74から入力されるようになっているとともに、同
I/O73eからはサスペンション系の制御の異常を表すサス
ペンションフェイル信号が第2マイクロコンピュータ74
及び警告ランプ88に供給されるようになっている。警告
ランプ88は運転席近傍に設けられて、サスペンション系
の制御の異常を運転者に警告するものである。 第2マイクロコンピュータ74もバス74aに接続されたR
OM74b、CPU74c、RAM74d及びI/O74eからなる。ROM74bは
第6図のフローチャートに対応した後輪操舵制御プログ
ラムを記憶するとともに、第7図の実線及び破線に示す
ように車速Vに従って変化する舵角係数データKa0,Ka1
及びヨーレート係数データKb0,Kb1を第1及び第2テー
ブルの形でそれぞれ記憶している。CPU74cは前記プログ
ラムを実行するものであり、RAM74dは前記プログラムの
実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。 I/O74eは外部回路との信号の授受を行うもので、同I/
O74eには第2前輪操舵角センサ91、第2車速センサ92、
ヨーレートセンサ93及び後輪操舵角センサ94がそれぞれ
接続されている。第2前輪操舵角センサ91及び第2車速
センサ92はそれぞれ上記第1前輪操舵角センサ75及び第
1車速センサ76と同様に構成されており、左右前輪FW1,
FW2の操舵角δf2(第1及び第2操舵角センサ75,91が共
に正常であれば上記操舵角δf1に等しい)及び車速V
2(第1及び第2車速センサ76,92が共に正常であれば上
記車速V1に等しい)を表す各検出信号を出力する。ヨー
レートセンサ93は車体BDに組み付けられ、垂直軸回りの
車体BDの回転角速度を計測することによりヨーレートγ
(正により車両の右旋回時におけるヨーレートを表すと
ともに負により車両の左旋回時におけるヨーレートを表
す)を検出して、同ヨーレートγを表す検出信号を出力
する。後輪操舵角センサ94はリレーロッド65の側部に設
けられ、同ロッド65の軸方向の変位を計測することによ
り左右後輪RW1,RW2の操舵角δr(正により右操舵を表
すとともに負により左操舵を表す)を検出して、同操舵
角δrを表す検出信号を出力する。 また、I/O74eには駆動回路95及び励磁回路96が接続さ
れている。駆動回路95は第2マイクロコンピュータ74か
ら供給される後輪操舵制御データδr*−δrを記憶す
る機能を有し、同記憶制御データδr*−δrに応じた
制御信号をサーボバルブ67に供給して、同バルブ67にお
ける作動油の給排を制御することにより左右後輪RW1,RW
2の操舵をフイードバック制御する。なお、δr*は目
標となる左右後輪RW1,RW2の操舵角である。励磁回路96
は第2マイクロコンピュータ74から供給される励磁・非
励磁データを記憶する機能を有し、同記憶データに応じ
て電磁切り換えバルブ72を励磁又は非励磁制御する。さ
らに、このI/O74eにはサスペンション系の制御の異常を
表すサスペンションフェイル信号が第1マイクロコンピ
ュータ73から入力されるようになっているとともに、同
I/O74eからは後輪操舵系の制御の異常を表す後輪操舵フ
ェイル信号が第1マイクロコンピュータ73及び警告ラン
プ97に供給されるようになっている。警告ランプ97は上
記警告ランプ88と共に運転席近傍に設けられて、後輪操
舵系の制御の異常を運転者に警告するものである。 次に、上記のように構成した実施例の動作を説明す
る。車両を発進させるためにイグニッションスイッチ
(図示しない)が閉成されると、CPU73cは第4図のステ
ップ100にてサスペンション制御プログラムの実行を開
始するとともに、CPU74cはステップ200にて後輪操舵制
御プログラムの実行を開始する。 サスペンション制御プログラムの実行においては、ス
テップ102にて励磁データが励磁回路87へ出力される。
これにより、励磁回路87が電磁切り換えバルブ51〜54を
励磁制御するので、同バルブ51〜54はそれぞれ第2状態
(第2図の状態)に設定されて、各油圧シリンダ41〜44
に連通する各油路とリザーバR1に連通す油路との連通が
それぞれ禁止される。 次に、ステップ104にて第1〜第4目標油圧値P1*〜P
4*が標準油圧値P0に設定された後、ステップ106にて前
記設定された第1〜第4目標油圧値P1*〜P4*を表す各
制御データが各駆動回路83〜86へ出力される。これによ
り、各駆動回路83〜86は前記設定された第1〜第4目標
油圧値P1*〜P4*を表す各制御信号を各圧力制御バルブ
45〜48に供給するので、同バルブ45〜48が各油圧シリン
ダ41〜44に対する作動油の給排を制御して同シリンダ41
〜44内の各油圧を前記第1〜第4目標油圧値P1*〜P4
(標準油圧値P0)に設定する。その結果、車体BDは前記
各油圧及びスプリング25〜28の弾撥力により支承される
ことになる。かかる場合、スプリング25〜28が車体BDの
正荷重のほとんどを受け持ち、各油圧が車両旋回時にお
ける車体の荷重移動分を受け持つようになっている。 前記ステップ106の処理後、ステップ108にて第1前輪
操舵角センサ75及び第1車速センサ76からの各検出信号
により表された前輪操舵角δf1及び車速V1がI/O73eを介
して取り込まれるとともに、該読み込まれた前輪操舵角
δf1及び車速V1が新前輪操舵角δfNEW及び新車速VNEW
して設定記憶されて、かかるステップ102〜108からなる
初期設定処置ルーチンの処理が終了する。 かかる初期設定ルーチンの処理後、ステップ110〜126
からなる循環処理が実行され続けて、各サスペンション
機構A1〜A4が有する機能の特性が車両の走行状態に応じ
て変更制御される。かかる循環処理においては、ステッ
プ110にて旧前輪操舵角δfOLD及び旧車速VOLDが新前輪
操舵角δfNEW及び新車速VNEWにより更新され、ステップ
112にて上記ステップ108と同じ処理により現在の前輪操
舵角δf及び車速Vが新前輪操舵角δfNEW及び新車速V
NEWとして設定され、ステップ114にて各油圧センサ77,7
8,81,82からの検出信号により表された各油圧値P1〜P4
がI/O73eを介して設定油圧値として取り込まれる。 次に、ステップ116にて下記〜のようにして、サ
スペンション制御系の作動が正常であるか否か判定がな
される。 旧前輪操舵角δfOLDと新前輪操舵角δfNEWとの差が車
両走行上有り得ない程度の変化を示している場合、新前
輪操舵角δfNEWが車両走行上有り得ない値を示している
場合等には、第1前輪操舵角センサ75の異常と判定す
る。 旧車速VOLDと新車速VNEWとの差が車両走行上有り得な
い程度の変化を示している場合、新車速VNEWが車両走行
上有り得ない値を示している場合等には、第1車速セン
サ76の異常と判定する。 各設定油圧値P1〜P4と各目標油圧値P1*〜P4*との各
差が許容制御誤差以上になった場合には、各油圧センサ
77,78,81,82、各圧力制御バルブ45〜48又は各駆動回路8
3〜86の異常と判定する。 新前輪操舵角δfNEW、新車速VNEW、設定油圧値P1〜P4
及び目標油圧値P1*〜P4*の各関係が車両走行上有り得
ない関係を有する場合、第1マイクロコンピュータ73、
各センサ75〜78,81,82、各圧力制御バルブ45〜48及び各
駆動回路83〜86等を含むサスペンション制御系のいずれ
かの部分の異常と判定する。 前記ステップ116における異常判定において「YES」す
なわちサスペンション制御系の作動が正常であると判定
されると、ステップ118にて新前輪操舵角δfNEWと新車
速VNEWと基づき車体BDに作用する遠心力が計算されると
同時に、該遠心力に応じて車両旋回時における旋回内側
車FW1,RW1(又はFW2,RW2)から旋回外側車輪FW2,RW2
(又はFW1,RW1)への荷重移動量ΔMが計算される。な
お、この荷重移動量ΔMは正負の符号により荷重の移動
方向(左右)を表す。 次に、ステップ120にて後輪操舵制御系の作動が正常
であるか否かの判定処理が実行される。なお、この判定
処理においては、後述する後輪操舵フェイル信号が第2
マイクロコンピュータ74からI/O73eへ入力されているか
否かが判定される。このステップ120の判定にて、「YE
S」すなわち後輪操舵制御系が正常であると判定される
と、ステップ122にてROM73b内の第1テーブルが参照さ
れ、車速Vに応じて第5図の実線のように変化する前後
荷重分配率データKfr0が新車速VNEWに基づき同テーブル
から読み出されるとともに、同データKfr0が前後荷重分
配率Kfrとして設定される。 次に、ステップ124にて、前記荷重移動量ΔM及び前
後荷重分配率Kfrに基づき、各車輪FW1,FW2,RW1,RW2の分
担荷重に対応した各目標油圧値P1*〜P4*が算出され、
ステップ126にて該算出された各目標油圧値P1*〜P4
を表す各制御データが各駆動回路83〜86へそれぞれ出力
される。これにより、各駆動回路83〜86は前記出力され
た各制御データを記憶するとともに、同各制御データに
対応した各制御信号すなわち前記各目標油圧値P1*〜P4
*を表す各制御信号を圧力制御バルブ45〜48へそれぞれ
供給し、同各バルブ45〜48は供給制御信号に応じた作動
油の給排制御により油圧シリンダ41〜44内の作動油圧を
前記各目標油圧値P1*〜P4*に設定する。 かかる場合、各目標油圧値P1*〜P4*は旋回外側車輪
に対応した油圧シリンダ42,44(又は油圧シリンダ41,4
3)に対するものが荷重移動量ΔMに応じて標準油圧値P
0より高くなり、かつ旋回内側車輪に対応した油圧シリ
ンダ41,43(又は油圧シリンダ42,44)に対するものが荷
重移動量ΔMに応じて標準油圧値P0より低くなるように
設定されるので、旋回に伴う荷重移動量ΔMは油圧シリ
ンダ25〜28の油圧力により賄われるようになる。これに
より、旋回時における車体BDのロールが少なくなって車
両の姿勢が常に良好に保たれるようになる。 また、左右前輪FW1,FW2側と左右後輪RW1,RW2側との前
記荷重移動量ΔMの分配に関しては、前後荷重分配率K
fr(=Kfr0)が車速Vの変化に応じて第5図のように変
化、すなわち車速Vの増加に従って左右前輪FW1,FW2側
が荷重移動量ΔMを多く負担するようになっているの
で、当該サスペンション機構A1〜A4による車両旋回時に
おけるステアリング特性は車速の増加に従ってアンダス
テア傾向を増し、低速走行時における車両の小回り性能
及び高速走行時における車両の走行安定性が良好に保た
れる。 かかる点について具体例を挙げて説明すると、車両
が、第8図(A)に示すように、直進走行している状態
にあるとき、各車輪FW1,FW2,RW1,WR2にそれぞれ対応し
た各油圧シリンダ41〜44の分担する荷重がそれぞれ「1
0」であったとする。なお、この数字「10」及に以降に
出現する分担荷重に関する数字は各油圧シリンダ41〜44
の分担する荷重の比率を示すものであって、実際の荷重
を表すものではない。 かかる直進状態から車両が左旋回し始めて、左側の車
輪FW1,RW1から右側の車輪FW2,RW2へ荷重が「8」だけ移
動したとする。かかる場合、車両が低速走行状態にあっ
て、荷重移動量ΔM(=8)に対する左右前輪FW1,FW2
の分担が左右後輪RW1,RW2の分担に比べて小さければ、
例えばその比率が1対3であれば、左右前輪FW1,FW2及
び左右後輪RW1,RW2の各分担荷重は、第8図(B)に示
すように、それぞれ「9」「11」「7」「13」となる。 ここで、左右輪FW1,FW2(又はRW1,RW2)間の荷重移動
量と各輪FW1,FW2,RW1,RW2のコーナリングパワーとの関
係を第9図を用いて説明しておく。各輪FW1,FW2,RW1,RW
2の各コーナリングパワーと各荷重との関係は、第9図
の実線で示すように、非線形性を有しているため、左右
輪のコーナリングパワーの合計は荷重移動量の増加に従
って減少する。(2a>b1+b2>c1+c2) これにより、上述のように車両の低速旋回時にあって
左右前輪FW1,FW2及び左右後輪RW1,RW2の各分担荷重がそ
れぞれ「9」「11」「7」「13」であれば、後輪RW1,RW
2側のコーナリングパワーが前輪FW1,FW2側のコーナリン
グパワーより小さくなって、左右後輪RW1,RW2が滑り易
くなるので、サスペンション機構A1〜A4による車両旋回
時におけるステア特性がオーバステア方向に変更制御さ
れて車両の小回り性能が良好となる。 また、車両が中速走行状態にあって、荷重移動量ΔM
(=8)に対する左右前輪FW1,FW2と左右後輪RW1,RW2の
各分担率が等しければ、左右前輪FW1,FW2及び左右後輪R
W1,RW2の各分担荷重は、第8図(C)に示すように、そ
れぞれ「8」「12」「8」「12」となる。その結果、か
かる場合には、前輪FW1,FW2側と後輪RW1,RW2側の各コー
ナリングパワーが等しくなって、サスペンション機構A1
〜A4による車両旋回時におけるステア特性がニュートラ
ルに保たれる。 さらに、車両が高速走行状態にあって、荷重移動量Δ
M(=8)に対する左右前輪FW1,FW2の分担が左右後輪R
W1,RW2の分担に比べて大きければ、例えばその比率が3
対1であれば、左右前輪FW1,FW2及び左右後輪RW1,RW2の
各分担荷重は、第8図(D)に示すように、それぞれ
「7」「13」「9」「11」となる。その結果、後輪RW1,
RW2側のコーナリングパワーが前輪FW1,FW2側のコーナリ
ングパワーより大きくなって、左右後輪RW1,RW2が滑り
にくくなるので、サスペンション機構A1〜A4による車両
旋回時におけるステア特性がアンダステア方向に変更制
御されて車両の旋回走行安定性が良好となる。 次に、上記サスペンション制御プログラムと並行して
実行されている後輪操舵制御プログラムについて説明す
る。 後輪操舵制御プログラムの実行においては、ステップ
202にて励磁データが励磁回路96へ出力される。これに
より、励磁回路96が電磁切り換えバルブ72を励磁制御す
るので、同バルブ72は第2状態(第2図の状態)に設定
されて、パワーシリンダ66の各油室66間の連通が禁止さ
れる。 次に、ステップ204にて第2前輪操舵角センサ91、第
2車速センサ92、ヨーレートセンサ93及び後輪操舵角セ
ンサ94からの各検出信号により表された前輪操舵各δ
f2、車速V2、ヨーレートγ及び後輪操舵角δγがI/O74e
を介して取り込まれるとともに、該取り込まれた前輪操
舵角δf2、車速V2、ヨーレートγ及に後輪操舵角δrが
新前輪操舵角δfNEW、新車速VNEW、新ヨーレートγNEW
及び新後輪操舵角δrNEWとして設定記憶される。そし
て、ステップ206にてROM74b内の第1テーブルが参照さ
れるとともに同テーブルから車速「0」に対応した舵角
比係数データKa0が読み出されて、同係数データKa0及び
新前輪操舵角δfNEWに基づいて下記演算の実行により目
標後輪操舵角δr*が算出される。 δr*=Ka0・δfNEW この目標後輪操舵角δr*の算出後、ステップ208にて
同目標後輪操舵角δr*と現在の左右後輪RW1,RW2の操
舵角をδrを表している新後輪操舵角δrNEWとの差に対
応した後輪操舵制御データδr*−δrNEWが駆動回路95
へ供給される。これにより、駆動回路95は供給された後
輪操舵制御データδr*−δrNEWに対応した制御信号を
サーボバルブ67に出力し、同バルブ67がパワーシリンダ
66の左右油室66b,66cに対する作動油の給排制御により
左右後輪RW1,RW2の操舵をフィードバック制御する。か
かる場合、前記制御データδr*−δrNEWが正(又は
負)であれば、油圧ポンプP2からの高圧作動油が右油室
66c(又は左油室66b)へ供給され、かつ左油室66b(又
は右油室66c)内の作動油がリザーバR2へ排出され、リ
レーロッド65の左方向(又は右方向)への変位により左
右後輪RW1,RW2が右方向(又は左方向)へ操舵制御され
て、同後輪RW1,RW2が目標後輪操舵角δr*に向かって
操舵制御される。 かかるステップ202〜208からなる初期節設定処理ルー
チンの終了後、ステップ210〜222からなる循環処理が実
行され続けて、後輪操舵機構B2による左右後輪RW1,RW2
の操舵制御が車両の走行状態に応じて変更制御される。
かかる循環処理においては、ステップ210にて旧前輪操
舵角δfOLD、旧車速VOLD、旧ヨーレートγOLD及び旧後
輪操舵角δrOLDが新前輪操舵角δfNEW、新車速VNEW、新
ヨーレートγNEW及び新後輪操舵角δrNEWにより更新さ
れ、ステップ212にて上記ステップ204と同じ処理により
現在の前輪操舵角δf2、車速V2、ヨーレートγ及び後輪
操舵角δが新前輪操舵角δfNEW、新車速VNEW、新ヨーレ
ートγNEW及び新後輪操舵角δrNEWとして設定される。 次に、ステップ214にて下記〜のようにして、後
輪操舵制御系の作動が正常であるか否か判定がなされ
る。 旧前輪操舵角δfOLDと新前輪操舵角δfNEWとの差が車
両走行上有り得ない程度の変化を示している場合、新前
輪操舵角δfNEWが車両走行上有り得ない値を示している
場合等には、第2前輪操舵角センサ91の異常と判定す
る。 旧車速VOLDと新車速VNEWとの差が車両走行上有り得な
い程度の変化を示している場合、新車速VNEWが車両走行
上有り得ない値を示している場合等には、第2車速セン
サ92の異常と判定する。 旧ヨーレートγOLDと新ヨーレートγNEWとの差が車両
走行上有り得ない程度の変化を示している場合、新ヨー
レートγNEWが車両走行上有り得ない値を示している場
合等には、ヨーレートセンサ93の異常と判定する。 旧後輪操舵角δrOLDと新後輪操舵角δrNEWとの差が車
両走行上有り得ない程度の変化を示している場合、新後
輪操舵角δrNEWが車両走行上有り得ない値を示している
場合等には、後輪操舵角センサ94の異常と判定する。 新前輪操舵角δfNEW、新車速VNEW、新ヨーレートγ
NEW及び新後輪操舵角δrNEWの各関係が車両走行上有り
得ない関係を有する場合、第2マイクロコンピュータ7
4、各センサ91〜94、サーボバルブ67及び駆動回路95等
を含む後輪操舵制御系のいずれかの部分の異常と判定す
る。 前記ステップ214における異常判定において「YES」す
なわち後輪操舵制御系の作動が正常であると判定される
と、ステップ216にてサスペンション制御系の作動が正
常であるか否かの判定処理が実行される。なお、この判
定処理においては、後述するサスペンションフェイル信
号が第1マイクロコンピュータ73からI/O74eへ入力され
ているか否かが判定される。このステップ216の判定に
て、「YES」すなわちサスペンション制御系が正常であ
ると判定されると、ステップ218にてROM74b内の第1テ
ーブルが参照され、新車速VNEWに基づき舵角係数データ
Ka0及びヨーレート係数データKb0(第7図の実線参照)
が同テーブルから読み出されるとともに、同各データK
a0,Kb0が舵角係数Ka及びヨーレート係数Kbとして設定さ
れる。 次に、ステップ220にて、前記設定された各係数Ka,
Kb、新前輪操舵角δfNEW及び新ヨーレートγNEWに基づ
き、下記演算の実行により目標後輪操舵角δr*が算出
される。 δr*=Ka・δfNEW+Kb・γNEW かかる目標後輪操舵角δr*の算出後、ステップ222
にて、前記ステップ208の処理と同様な処理により、後
輪操舵制御データδr*−δrNEWが駆動回路95に出力さ
れて、左右後輪RW1,RW2が目標後輪操舵角δr*に向け
て操舵制御される。 かかるステップ210〜222からなる前記循環処理によっ
て左右後輪RW1,RW2は目標後輪操舵角δrに操舵制御さ
れるが、かかる場合、舵角係数Kaは、第7図に実線で示
すように、車速Vの増加に従って所定の負の値から零に
向かって変化するように設定されているので、左右前輪
FW1,FW2が操舵されると、左右後輪RW1,RW2は前輪操舵角
δfに比例して同前輪FW1,FW2に対して逆相に操舵され
るとともに、同後輪RW1,RW2は車速Vが低いほど大きく
操舵されることになる。その結果、車両がオーバステア
方向の特性に設定されることになり、低速走行時におけ
る車両の小回り性能が良好となる。また、ヨーレート係
数Kbは、同第7図に実線で示すように、車速Vの増加に
従って零から所定の正の値に向けて変化するように設定
されているので、車両の旋回に伴い車体BDにヨーレート
が発生すると、左右後輪RW1,RW2はヨーレートγに比例
して左右前輪FW1,FW2に対して同期(アンダステア特
性)に操舵されるとともに、同後輪RW1,RW2は車速Vが
大きいほど大きく操舵されることになる。その結果、車
両がアンダステア方向の特性に設定されて、前記発生ヨ
ーレートが抑制されて、高速時における車両の走行安定
性が良好となる。なお、かかる後輪の操舵制御と上述の
サスペンション制御との両者により、総合的に車両の運
動特性が最適になるように設定されている。 かかるステップ110〜126からなるサスペンション制御
及びステップ210〜222からなる後輪操舵制御の循環処理
中、後輪操舵制御系に異常が発生すると、第6図のステ
ップ214にて「NO」と判定されて、ステップ226にて励磁
解除データが励磁回路96へ出力される。これにより、励
磁回路96は電磁切り換えバルブ72の例示を解除するの
で、同バルブ72は第1状態に設定されてパワーシリンダ
66の左右油室66b,66c間を連通させる。かかる場合、リ
レーロッド65は中立復帰用のスプリング68,71により中
立位置に復帰制御され、左右後輪RW1,RW2は操舵されな
くなって、車速Vに応じた前記車両のオーバステア方向
の特性及びアンダステア特性が停止される。 前記ステップ226の処理後、ステップ228にて後輪操舵
フェイル信号がI/O74eから第1マイクロコンピュータ73
のI/O73e及び警告ランプ97へ出力され、ステップ230に
て当該後輪操舵制御プログラムの実行が終了する。警告
ランプ97は点灯して、運転車に後輪操舵制御系の異常を
警告する。 一方、第4図のステップ110〜126からなる循環処理を
実行中のCPU73cはステップ120にて「NO」すなわち後輪
操舵制御系が正常に動作していないと判定し、以降、ス
テップ110〜120,128,124,126からなる循環処理を実行す
るようになる。この循環処理においては、ステップ128
にてROM73b内の第2テーブルが参照され、車速Vに応じ
て第5図の破線のように変化する前後荷重分配率データ
Kfr1が新車速VNEWに基づき同テーブルから読み出される
とともに、同データKfr1が前後荷重分配率Kfrとして設
定される。これにより、前後荷重分配率Kfrは、上述の
後輪操出制御系に異常が発生していない場合に比べて、
低車速領域にて後輪寄りの値に設定されるとともに、高
車速領域にて前輪寄りに設定されるので、車両の低速走
行時には、左右後輪RW1,RW2側が車両旋回に伴う荷重移
動量ΔMをより多く負担するようになるとともに、車両
の高速走行時には、左右後輪RW1,RW2側が前記荷重移動
量ΔMをより少なく負担するようになる。その結果、後
輪操舵制御系に異常が発生していない場合に比べて、当
該サスペンション機構A1〜A4による車両旋回時における
ステア特性は低速時にはオーバステア傾向を増し、かつ
高速時にはアンダステア傾向を増すようになり、前記後
輪操舵制御の停止によるステア特性の変化がサスペンシ
ョン制御系のステア特性制御により補われて、低速走行
時における車両の小回り性能及び高速走行時における車
両の走行安定性が後輪操舵制御系の異常前の状態に保た
れる。 また、かかる場合においても、車両旋回時における車
体の荷重移動量ΔMは、旋回外側車輪に対応した油圧シ
リンダ42,44(又は油圧シリンダ41,43)及び旋回内側車
輪に対応した油圧シリンダ41,43(又は油圧シリンダ42,
44)に対する各油圧制御による各油圧シリンダ25〜28の
油圧力により賄われるので、旋回時における車体BDのロ
ールが少なくなって車両の姿勢が常に良好に保たれる。 かかる点について具体例を挙げて説明すると、車両が
低速走行していて、荷重移動量ΔM(=8)に対する左
右前輪FW1,FW2の分担と左右後輪RW1,RW2の分担との比率
が例えば1対7になれば、異常前にそれぞれ設定されて
いた左右前輪FW1,FW2及び左右後輪RW1,RW2の各分担荷重
「9」「11」「7」「13」は、第8図(E)に示すよう
に、それぞれ「9.5」「10.5」「6.5」「13.5」となる。
その結果、後輪RW1,RW2側のコーナリングパワーは異常
前に比べてより小さくなって同後輪RW1,RW2が車両旋回
時により滑り易くなるとともに、左右前輪FW1,FW2側の
コーナリングパワーは異常前に比べて大きくなって同前
輪FW1,FW2が車両旋回時により滑りにくくなり、サスペ
ンション制御機構A1〜A4による車両のステア特性はより
オーバステア傾向を示すようになる。 また、車両が中速走行していて荷重移動量ΔM(=
8)に対する左右前輪FW1,FW2の分担と左右後輪RW1,RW2
の分担との比率が変わらなければ、異常後の左右前輪FW
1,FW2及び左右後輪RW1,RW2の分担荷重は、第8図(F)
に示すように、それぞれ「8」「12」「8」「12」に維
持されるので、サスペンション機構A1〜A4による車両旋
回時におけるステア特性が異常前と同じニュートラルに
保たれる。 さらに、車両が高速走行していて、荷重移動量ΔM
(=8)に対する左右前輪FW1,FW2の分担と左右後輪RW
1,RW2の分担との比率が例えば7対1になれば、異常前
にそれぞれ設定されていた左右前輪FW1,FW2及び左右後
輪RW1,RW2の各分担荷重「7」「13」「9」「11」は、
第8図(G)に示すように、それぞれ「6.5」「13.5」
「9.5」「10.5」となる。その結果、後輪RW1,RW2側のコ
ーナリングパワーは異常前に比べてより大きくなって同
後輪RW1,RW2が車両旋回時により滑りにくくなるととも
に、左右前輪FW1,WF2側のコーナリングパワーは異常前
に比べて小さくなって同前輪FW1,FW2が車両旋回時によ
り滑り易くなり、サスペンション制御機構A1〜A4による
車両のステア特性はよりアンダステア傾向を示すように
なる。 また、前記ステップ110〜126からなるサスペンション
制御及びステップ210〜222からなる後輪操舵制御の循環
処理中、サスペンション制御系に異常が発生すると、第
4図のステップ116にて「NO」と判定されて、ステップ1
30にて励磁解除データが励磁回路87へ出力される。これ
により、励磁回路87は各電磁切り換えバルブ51〜54の励
磁を解除するので、同バルブ51〜54は第1状態に設定さ
れて各油圧シリンダ41〜44の油室をリザーバR1に連通さ
せる。これにより、各油圧シリンダ41〜44により車体BD
の支持が解除され、同車体BDはスプリング25〜28のみに
より支持されるようになって、各サスペンション機構A1
〜A4による旋回時における車両の姿勢制御がなされなく
なる。 前記ステップ130の処理後、ステップ132にてサスペン
ションフェイル信号がI/O73eから第2マイクロコンピュ
ータ74のI/O74e及び警告ランプ88へ出力され、ステップ
134にて当該サスペンション制御プログラムの実行が終
了する。警告ランプ88は点灯して、運転者にサスペンシ
ョン制御系の異常を警告する。 一方、第6図のステップ210〜222からなる循環処理を
実行中のCPU74cはステップ216にて「NO」すなわちサス
ペンション制御系が正常に動作していないと判定し、以
降、ステップ210〜216,224,220,222からなる循環処理を
実行するようになる。この循環処理においては、ステッ
プ224にてROM74b内の第2テーブルが参照され、車速V
に応じて第7図の破線のように変化する舵角係数データ
Ka1及びヨーレート係数データKb1が新車速VNEWに基づき
同テーブルから読み出されるとともに、同データKa1,K
b1が舵角係数Ka及びヨーレート係数Kbとして設定され
る。 これにより、舵角係数Kaは、上述のサスペンション制
御系に異常が発生していない場合に比べて、大きな値
(絶対値の小さな負の値)に設定されるので、車両の低
速旋回時における左右後輪RW1,RW2側の左右前輪FW1,FW2
に対する逆相への操舵量が小さく操舵されることにな
る。これにより、車両の旋回特性におけるオーバステア
傾向が抑制され、車両の旋回半径が大きくなるので、車
体の荷重移動量ΔMも小さくなる。その結果、前記のよ
うに、サスペンション制御の異常に伴って車体の姿勢制
御機能が停止されても、車両旋回時における車体のロー
ル量が小さくなり、当該車両の乗り心地がそれほど悪化
することはない。 また、ヨーレート係数Kbは、上述のサスペンション制
御系に異常が発生していない場合に比べて、小さな値
(正)に設定されるので、車両が高速旋回中であってヨ
ーレートγが大きくても、左右後輪RW1,RW2側が左右前
輪FW1,WF2に対してより同相に小さく操舵されるように
なって、上記アンダステア傾向の車両旋回特性が緩和さ
れる。その結果、旋回に伴う車両の荷重移動のタイミン
グと検出ヨーレートによる左右後輪RW1,RW2の操舵制御
タイミングとが必ずしも一致しなくても、旋回中におけ
る車両の旋回特性の変更分が少なくなので、車体が揺り
返しにより左右交互にロール振動することもなくなるの
で、当該車両の乗り心地が良好となる。 なお、上記実施例においては、前後荷重分配率Kfr
車速Vに応じて変更制御するようにして、サスペンショ
ン制御による旋回時における車両のステア特性の変更を
も可能としたが、本発明はサスペンション制御により車
体の姿勢のみを制御する車両にも適用できる。すなわ
ち、車両旋回時における荷重移動量ΔMを常に左右前輪
FW1,FW2と左右後輪RW1,RW2とに一定比率で分配するよう
にするとともに、後輪操舵制御による左右後輪RW1,RW2
の操舵量をその分多くするようにした車両にも、本発明
は適用される。 また、上記実施例においては、サスペンション機構A1
〜A4及び後輪操舵機構B2を制御するために各種センサ及
びマイクロコンピュータをそれぞれ個別に設けるように
したが、これらのセンサ及びマイクロコンピュータを必
要に応じて共用することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は上記特許請求の範囲に記載した本発明の構成に
対応するクレーム対応図、第2図は本発明の一実施例を
示す車両の全体概略図、第3図は第2図の一車輪に対応
したサスペンション機構の詳細図、第4図はサスペンシ
ョン制御プログラムに対応したフローチャート、第5図
は車速に対する前後荷重分配率の変化特性図、第6図は
後輪操舵制御プログラムに対応したフローチャート、第
7図は車速に対する舵角係数及びヨーレート係数の変化
特性図、第8図(A)〜(G)はサスペンション装置に
よるステア特性を説明するための作動説明図、第9図は
車輪の分担荷重に対するコーナリングパワーの変化特性
図である。 符号の説明 A1〜A4……サスペンション機構、B1……前輪操舵機構、
B2……後輪操舵機構、C……電気制御回路、FW1,FW2…
…前輪、RW1,RW2……後輪、15〜18……サスペンション
アーム、25〜28,68,71……スプリング、41〜44……油圧
シリンダ、45〜48……圧力制御バルブ、51〜54,72……
電磁切り換えバルブ、57……ラックバー、62……操舵ハ
ンドル、65……リレーロッド、66……パワーシリンダ、
73,74……マイクロコンピュータ、75,91……前輪操舵角
センサ、76,92……車速センサ、77,78,81,82……油圧セ
ンサ、93……ヨーレートセンサ、94……後輪操舵角セン
サ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両旋回時における車体の姿勢を制御する
    姿勢制御手段を有するサスペンション装置を搭載した車
    両に適用され、ヨーレートを検出するヨーレート検出手
    段と、前記検出されたヨーレートに応じた操舵量だけ同
    ヨーレートを抑制する方向に後輪を操舵制御する操舵制
    御手段とを備えた車両の後輪操舵制御装置において、 前記姿勢制御手段の異常を検出する異常検出手段と、 前記異常検出手段により前記姿勢制御手段の異常が検出
    された場合には同姿勢制御手段の異常が検出されない場
    合に比べて前記操舵制御手段による前記検出ヨーレート
    に応じた後輪の操舵量を減少させるように同操舵制御手
    段を制御する修正制御手段と を設けたことを特徴とする車両の後輪操舵制御装置。
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