JP4835359B2 - 石炭灰造粒砂および石炭灰造粒砂の製造方法 - Google Patents

石炭灰造粒砂および石炭灰造粒砂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石炭灰中に含まれる重金属の溶出が抑制された石炭灰造粒砂および生産性が向上された石炭灰造粒砂の製造方法に関する。本発明により得られた石炭灰造粒砂は、盛土材や埋め戻し材等の土木材料や、細骨材やコンクリート混和材等、土木用や建築用材料として使用される。
石炭火力発電所から大量に発生する石炭灰は、埋立、地盤改良工事などに有効利用されている。ところが、石炭灰は一般的に有害な重金属を含有しており、その利用に当たっては、廃棄物処理法の規制を受け、石炭灰中の重金属溶出を抑制する処理を施す必要があることが多い。
石炭灰からの重金属溶出を抑制する処理方法としては、例えば特許文献1には焼却灰に硫化ナトリウムを添加して攪拌混合することにより重金属など有害物質を無害化する方法が記載されている。
特開昭58−67389号公報
本方法によれば、重金属をある程度無害化することができる。しかし、石炭灰の炭種によっては、石炭灰に含まれるホウ素の溶出を十分に抑制することはできない。このため、石炭灰から製造した石炭灰造粒砂を土木用や建築用材料に使用した場合に、石炭灰造粒砂からホウ素が溶出し環境に悪影響を及ぼす恐れがある。
また、近年ホウ素とともにフッ素の排出も規制されている。
さらに、今後石炭の需要が益々高まることに伴い、石炭灰の発生量も必然的に増加する。単なる埋立処分は、将来的には処分地の逼迫によって自ずと制限される。よって、増加する石炭灰を効率的に処理しつつ、かつホウ素やフッ素を含めた有害物質の溶出が抑制された石炭灰造粒砂の開発が待望されている。
本発明は、ホウ素およびフッ素の溶出が抑制された石炭灰造粒砂および生産性が向上された石炭灰造粒砂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、石炭灰に添加する添加材を探索している過程で、石灰と石膏を使用した場合に石炭灰中のホウ素の溶出を抑制することができ、かつ初期養生時間を短縮することができるという特有な効果を奏することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、石炭灰に造粒助材、石灰および/または石膏を添加したものを造粒した後養生してなる石炭灰造粒砂である。石灰および石膏の合計重量100重量部に対する石膏の割合が37.5から75重量部であることが好ましい。また別の発明としては、石炭灰に石灰および石膏を加えて造粒した後養生する石炭灰造粒砂を製造する方法において、石灰と石膏を等重量添加することを特徴とする石炭灰造粒砂の製造方法である。
本発明によれば、石炭灰造粒砂に含まれるホウ素を含む重金属の溶出を環境基準値以下まで抑制することができる。また、フッ素の溶出も抑制することができる。さらに、初期養生時間の短縮により石炭灰造粒砂の生産性を向上させることができる。これにより、石炭灰造粒砂を、盛土材や埋め戻し材等の土木材料や、細骨材やコンクリート混和材等、土木用や建築用材料として大量に有効利用することが可能となる。その結果、埋立処分地の延命化も図ることができる。
本発明で用いられる石炭灰としては、石炭火力発電所から大量に発生するフライアッシュが挙げられる。石炭灰の平均粒径は、例えば10を超え30μm以下のものが使用される。
また、本発明で用いられる造粒助材とは、石炭灰の粒子間の間隙を充填することにより充填密度を向上させること、またこれにより造粒時間を短縮させるためのものをいう。造粒助材としては、セメントキルンダスト、マグネシア製造工程から副産物として排出されるハイドロ残渣(海水に水酸化カルシウムを加えてドロマイトを得る際に副生する炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムを主成分とする無機物)、天然の粘土など平均粒径が10μm以下である無機質微粒子が挙げられる。その中で、セメントキルンダストが好適に用いられる。
セメントキルンダストとは、セメント原料調合工程からの排出ガスを電気集塵機等で処理し、回収されるダストであり、セメント原料とほぼ同様の化学組成である。本発明で使用するセメントキルンダストの平均粒径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。平均粒径が10μm以上になると、石炭灰および後述するセメントの粒子と同等ないしそれ以上の大きさとなり、これらの粒子間の間隙を充填することが困難となるため好ましくない。
本発明で用いられる石灰としては、生石灰、消石灰が挙げられる。生石灰や消石灰を主成分に含む廃棄物、例えば貝殻焼成カルシウム粉末も使用することができる。その中で、生石灰が特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏が挙げられる。その中で、無水石膏が特に好ましく用いられる。
石炭灰、造粒助材、石灰および石膏の好ましい配合割合は、石炭灰100重量部に対して造粒助材0〜90重量部、石灰1〜15重量部および石膏1〜15重量部であり、より好ましい添加量は造粒助材3〜12重量部、石灰1〜6重量部、石膏1〜6重量部である。石灰として生石灰、石膏として無水石膏以外のものを使用する場合は、それぞれ生石灰および無水石膏に換算した量を配合する。これにより、石炭灰に含まれるホウ素を含む重金属の溶出を土壌環境基準以下まで抑制することができる。
また、石炭灰には造粒助材、石灰および石膏の他にセメントを添加することができる。本発明で用いられるセメントとしては、特に限定されるものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント(A、B、C種)等が挙げられるが、潜在水硬性を有する高炉スラグを使用することも可能である。この中で、重金属の溶出を抑制することができる効果を有する高炉スラグを含み、かつ容易に入手することが可能な高炉セメントB種が好適に用いられる。セメントの配合割合は、石炭灰100重量部に対して、1〜50重量部であり、好ましくは1〜6重量部である。セメントをさらに添加することにより、重金属の溶出の抑制をさらに確実なものとするともに、石炭灰造粒砂の強度も向上させることができる。
さらに、石炭灰には造粒助材、石灰、石膏およびセメントの他にさらに還元剤を添加することも可能である。還元剤としては、多硫化カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、粉末硫黄、殺菌剤・殺虫剤として市販されている石灰硫黄合剤等の硫黄含有化合物や、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩や、硫酸第一鉄等が挙げられる。その中で、多硫化カルシウムおよび/またはチオ硫酸ナトリウムが特に好ましく用いられる。多硫化カルシウムとは、CaSを主成分とするものであり、一般に石灰硫黄合剤と呼ばれている。また、還元剤は、1種または2種類以上を混合して使用することができる。還元剤が水溶液の場合は、そのまま使用することができる。一方、固体の場合は、水に溶解または懸濁して用いることができる。これにより、六価クロムや六価セレン等特に溶出し易い重金属を還元せしめて不溶化を図ることができる。還元剤の配合割合は、石炭灰100重量部に対して0.003〜1.0重量部であり、好ましくは0.003〜0.7重量部である。
石灰および石膏の合計重量100重量部に対する石膏の割合は37.5から75重量部、好ましくは、50から75重量部である。これにより、後述するように石炭灰造粒砂に含まれるフッ素の溶出をさらに効果的に抑制することができる。
本発明者は、製造した石炭灰造粒砂のX線回折試験を行なった。その結果、図1に示すとおり2θ=9°の付近にエトリンガイト(構造式:3CaO・Al・3CaSO・32HO)と推定される代表ピークを確認することができた。
また、石灰と石膏の添加量を変えて製造した石炭灰造粒砂のX線回折試験を行なった。その結果、表1および図2に示すとおり石灰と石膏の合計添加量が増加するに従い、2θ=9°のピーク強度が大きくなった。
Figure 0004835359
さらに、石灰と石膏の添加量を変えて製造した石炭灰造粒砂のホウ素の溶出濃度を測定した。その結果、表1および図3に示すとおり2θ=9°のピーク強度とホウ素の溶出濃度には強い相関関係があることを見出した。すなわち、2θ=9°のピーク強度が大きくなると、ホウ素の溶出濃度は低くなる。石炭灰の種類と石灰と石膏の添加量を変えた場合における石炭灰造粒砂を製造し、石灰と石膏の添加量、2θ=9°のピーク強度およびホウ素の溶出濃度の関係を求めデータベース化する。この結果、石炭灰の種類に応じて石灰と石膏の添加量を最適化することが可能となる。すなわち、ホウ素の土壌環境基準濃度は1mg/l以下であるので、石炭灰Aを原料石炭灰とした場合、図3から土壌環境基準を満足するための2θ=9°のピーク強度は311となり、図2から2θ=9°のピーク強度を311とするために必要な石灰と石膏の合計添加量は、石炭灰100重量部に対して3.4重量部となる。
石炭灰100重量部に対して、石灰6重量部、石膏6重量部加えた場合と、石灰と石膏を加えない場合のそれぞれについて石炭灰造粒砂を製造し、電子顕微鏡による観察を行なった。その結果、石灰と石膏を加えた場合、エトリンガイトと推定される針状結晶がより広範囲に多量に生成していることが確認された。この結果、石灰と石膏の合計添加量に応じてエトリンガイトの生成が促進され、ホウ素の溶出濃度が低下しているものと推定される。
次に、石炭灰造粒砂の製造方法について説明する。
それぞれ計量された石炭灰、石灰および石膏が造粒装置に供給される。造粒装置は、混合操作も兼ねることのできる装置を用いる方が望ましい。この様な装置としては、転動造粒機、アイリッヒミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、円錐型スクリュー混合機、モルタルミキサー等を挙げることが出来る。この中で、円錐型スクリュー混合機が好適に用いられる。円錐型スクリュー混合機は、円錐端を下方にした円錐型本体と円錐型本体の内壁に沿って上方から下方へ向かって位置するスクリュー攪拌軸からなる。スクリュー攪拌軸は公転と自転の回転が可能である。スクリュー攪拌軸の公転速度を好ましくは1から5rpm の回転で、自転速度を好ましくは40から200rpmの回転で操作されるのが有利である。スクリュー攪拌軸は自転することによって、円錐型本体内の内容物を下方から上方へ掻揚げる作用をなし、公転することによって、内容物全体の混合、造粒を促進する。
円錐型スクリュー混合機のスクリューを回転させながら、同時に水を供給する。水の添加量は、石炭灰の性状によって異なるが、石炭灰、石灰および石膏を含む粉体の合計量100重量部に対して、15〜45重量部とするのが好ましい。石炭灰造粒砂の粒度は、使用目的に応じて変えることが可能であるが、平均粒径0.3〜1.5mmのものが好ましい。なお、ここで用いられる平均粒径とは、重量基準径を指す。
造粒装置で造粒された石炭灰造粒砂は、大気温度において初期養生がなされる。これにより、固化反応が進み石炭灰造粒砂の形状が維持される。石灰および石膏の合計重量100重量部に対する石膏の割合が37.5から75重量部、好ましくは、50から75重量部である。
これにより、石炭灰造粒砂に含まれるフッ素の溶出をさらに効果的に抑制することができる。さらに、造粒において石灰と石膏を等重量混合することにより、ホウ素を含む重金属の溶出を抑制することができることに加えて、初期養生時間を短縮することができる。これにより、石炭灰造粒砂の生産性を向上させることができる。石炭灰と石灰および石膏の配合割合は、石炭灰100重量部に対して、石灰と石膏の供給量がそれぞれ1〜15重量部、好ましくはそれぞれ1〜6重量部である。石灰として生石灰、石膏として無水石膏以外のものを使用する場合は、それぞれ生石灰および無水石膏に換算した量を配合する。
石炭灰造粒砂を製造する際に、石灰および石膏に加えて、前述の造粒助材、セメントおよび還元剤を1種類以上添加することは勿論可能である。この場合における水の添加割合も石炭灰、石灰、石膏、造粒助材およびセメントを含む粉体の合計量100重量部に対して、15〜45重量部とするのが好ましい。また、還元剤の水溶液を加える場合は、水の供給と同時に行なうことができる。この場合、水と、還元剤の水溶液の造粒装置への供給ラインを造粒装置に供給する前に共通にすると、還元剤がさらに希釈される。この結果、造粒機の内部において還元剤を均一に分散させることが可能となり、重金属の不溶化が効果的に達成される。
以下において実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能である。
[実施例1]
微粉炭焚きボイラの電気集塵機から排出された石炭灰B100重量部、高炉セメントB種6重量部、平均粒径が1.8μmであるセメントキルンダスト12重量部、生石灰2重量部、無水石膏2重量部である粉体混合物を円錐型スクリュー混合機に供給した。円錐型スクリュー混合機としては、内容積10mのナウタミキサ(型番:D2SX−10000、ホソカワミクロン株式会社製)を使用した。各材料の化学組成と含有量試験結果を表2に示す。スクリューを回転し粉体を混合し、0.2重量部の多硫化カルシウムを粉体混合物に対して30重量部の水と混合して加えながら、大気温度、大気圧力下において混合・造粒した。なお、多硫化カルシウムは市販の固形分27.5%の水溶液を用いた。混合・造粒時間は45分(混合5分+造粒40分)であった。得られた石炭灰造粒砂を円錐型スクリュー混合機から取り出して大気温度において保管して初期養生を行なった。材齢28日における石炭灰造粒砂の粒度分布と単粒子強度の測定と、重金属の溶出試験と、初期養生時間の測定を行なった。その結果を表3に示す。
ここで、粒度分布の測定方法は、土の粒度試験(JIS A 1204)に定める方法に従った。
また、単粒子強度の測定方法は、以下のとおりである。まず、石炭灰造粒砂を5.00mmの篩に通した。続いて、5.00mmの篩を通過した石炭灰造粒砂を、4.75mmの篩に通した。4.75mmの篩上に残留した粒子1個について圧縮試験を行い、粒子が破壊するまでの荷重の最大指示値を測定した。同様の操作を20個の粒子について実施した。20個の粒子の圧縮試験より得られた最大指示値の平均値を単粒子強度とした。なお、前記圧縮試験は、SV−301型引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製)を用いて行なった。加圧速度は1mm/分とした。
さらに、重金属の溶出試験は、「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年度環境庁告示46号)で定める方法に従った。なお、溶出試験におけるpHとは6時間振とう後の溶出液のpHである。
また、本発明でいう初期養生時間とは以下の時間をいう。石炭灰造粒砂を製造した直後を養生ゼロ時間とする。養生中の石炭灰造粒砂を採取して75μmの篩上で湿式洗浄を行い、篩上に残留した石炭灰造粒砂の篩上残留質量分率(A)を経時的に測定する。前記と同様な方法によって養生7日後の篩上残留質量分率(B)を求める。A/Bが0.8以上となる時間を初期養生時間とする。製造した石炭灰造粒砂は、時間が経過するに従い固化が進行する。A/Bが0.8以上となる時間は、石炭灰造粒砂の固化が十分に進行し初期養生が終了した時点と考えることができる。
なお、時間が経過するに従い硬化が進むため、洗浄により篩上に残留する石炭灰造粒砂は増加する。この結果、時間が経過するに従いA/Bが増加することになる。
篩上残留質量分率の測定方法は以下のとおりである。まず、養生中の石炭灰造粒砂50gを篩の目開きが75μmかつ内径が200mmであるステンレス製のJIS標準篩に移した。次に、篩上に移された石炭灰造粒砂に1.5〜2.5l/分の割合で水を加え、篩下部より流出する水が目視で透明になるまで篩上の石炭灰造粒砂を水洗した。その後、篩上に残留している石炭灰造粒砂を110℃で一定質量になるまで炉乾燥し、炉乾燥後の試料質量を測定し、篩上残留質量とした。篩上残留質量と洗浄操作前の全試料質量(乾燥ベース)の比を求め、篩上残留質量分率とした。
表3によると、ホウ素を含む各種重金属の溶出濃度は土壌環境基準値を満足するものであった。また、粒度分布と単粒子強度も、生石灰と無水石膏を加えない場合と比べて遜色のないものであった。
[実施例2から6]
生石灰と無水石膏の添加量を表3に示すように変化した以外は、実施例1と同様な方法で石炭灰造粒砂を製造した。結果を表3に示す。表3によると、いずれの場合も、ホウ素を含む各種重金属の溶出濃度は土壌環境基準値を満足するものであった。また、粒度分布と単粒子強度も、生石灰と無水石膏を加えない場合と比べて遜色のないものであった。また、実施例1および2の場合、初期養生時間も短縮することができた。
[比較例1]
生石灰と無水石膏を加えない以外は、実施例1と同様にして石炭灰造粒砂を製造した。その結果を表3に示す。表3によると、ホウ素の溶出濃度は土壌環境基準値を超えるものであった。
[実施例7から9]
高価な高炉セメントB種の配合量を削減することを目的に、表4に示すとおり生石灰と無水石膏の配合量を増やして、それに応じて高炉セメントB種の配合量を減少させた。混合・造粒装置としては、モルタルミキサー(株式会社篠原製作所製:小型ソイルミキサー、容量:5リットル、攪拌軸の公転速度:62rpm、攪拌軸の自転速度:140rpm)であった。粉体混合物(石炭灰C、高炉セメントB種、セメントキルンダスト、生石灰、無水石膏)1kgをモルタルミキサーに投入し、1分間混合を行った後、0.2重量部の多硫化カルシウムを粉体混合物に対して31重量部の水と混合して加え、15分間造粒を行った。得られた石炭灰造粒砂を取り出してビニル袋内で密閉養生を行なった。石炭灰造粒砂の材齢28日における溶出試験を行なった。その結果を表4に示す。表4によれば、生石灰ならびに無水石膏を各2重量部配合した条件では、高炉セメントB種の添加量を5重量部から2重量部に減じても、各重金属の溶出濃度や粒度分布、単粒子強度などの物理特性には影響しないことが確認された。また、実施例9のように、生石灰ならびに無水石膏を各4重量部に増量し、高炉セメントB種の配合量を0重量部とした場合、重金属溶出濃度は土壌環境基準を満足し、且つ物理特性も十分な数値となることが確認された。これにより、生石灰および無水石膏の配合によって、高価な高炉セメントB種の使用量を削減または全く使用しないことも可能であることが明らかとなった。
Figure 0004835359
Figure 0004835359
Figure 0004835359
[実施例10から16]
使用する石炭灰を石炭灰Dとし、石灰と石膏の配合割合を表5に示すとおり種々変化させ、粉体混合物に対して18重量部水を加えた以外は実施例7から9と同様の方法で石炭灰造粒砂を製造した。その結果を表5および図4に示す。これによれば、生石灰および無水石膏を使用する条件(実施例10から16)は生石灰および無水石膏を使用しない条件(比較例2)と比べ、いずれも石炭灰造粒砂の材齢28日におけるフッ素の溶出濃度が土壌環境基準を満足するものであった。また、図4より、石灰と石膏の合計重量100重量部に対する石膏の割合が37.5から75重量部であるおいてフッ素溶出濃度が特に低いことが明らかとなった。
[比較例2] 生石灰と無水石膏を加えない以外は、実施例10〜16と同様にして石炭灰造粒砂を製造した。その結果を表5に示す。表5によると、フッ素の溶出濃度は土壌環境基準値を超えるものであった。
Figure 0004835359
本発明は、大量の石炭灰を、盛土材や埋め戻し材等の土木材料や、細骨材やコンクリート混和材等、土木用や建築用材料として有効利用する際に利用可能である。
本発明において製造された石炭灰造粒砂のX線回折チャートである。 本発明における石灰と石膏の添加量とピーク強度の相関図である。 本発明におけるピーク強度とホウ素の溶出濃度の相関図である。 生石灰と無水石膏の合計重量100重量部に対する石膏の割合とフッ素溶出濃度の相関図を示す。

Claims (5)

  1. 石炭灰に、造粒助材および還元剤を添加するとともに、
    石灰、石膏、セメントのうちいずれか2種以上をさらに添加し、混合かつ造粒した後、養生してなる石炭灰造粒砂であって、
    前記還元剤は、多硫化カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、粉末硫黄、亜硫酸塩、硫酸第一鉄のいずれか1種または2種以上であって、
    前記石炭灰100重量部に対し、前記石灰を1〜15重量部かつ前記石膏を1〜15重量部、または前記石膏を1〜15重量部かつ前記セメントを1〜50重量部、または前記セメントを1〜50重量部かつ前記石灰を1〜15重量部、または前記石灰を1〜15重量部かつ前記石膏を1〜15重量部かつ前記セメントを1〜50重量部含み、
    前記石炭灰100重量部に対し、前記還元剤を0.003〜1.0重量部含み、
    前記石炭灰に、前記造粒助材および前記還元剤を添加するとともに、前記石灰、前記石膏、前記セメントのうちいずれか2種以上をさらに添加し、混合かつ造粒した後、空気中に保管することで養生すること
    を特徴とする石炭灰造粒砂。
  2. 請求項1に記載の石炭灰造粒砂において、
    前記石炭灰1000重量部中に含まれるフッ素は0.13重量部であって、
    前記石灰と前記石膏の合計重量100重量部に対する前記石膏の割合は、37.5〜75重量部であること
    を特徴とする石炭灰造粒砂。
  3. 請求項1に記載の石炭灰造粒砂において、
    前記石炭灰1000重量部中に含まれるホウ素は0.067〜0.18重量部であって、
    前記石炭灰100重量部に対し、前記石灰と前記石膏の合計重量は3.4〜30重量部であること
    を特徴とする石炭灰造粒砂。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の石炭灰造粒砂において、
    前記造粒助材は無機質の微粒子であって、平均粒径が10μm以下であること
    を特徴とする石炭灰造粒砂。
  5. 石炭灰に、造粒助材および還元剤を添加するとともに、石灰、石膏、セメントのうちいずれか2種以上をさらに添加し、混合かつ造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程の後、造粒された造粒砂を養生する養生工程と、を有する石炭灰造粒砂の製造方法であって、
    前記還元剤は、多硫化カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、粉末硫黄、亜硫酸塩、硫酸第一鉄のいずれか1種または2種以上であって、
    前記造粒工程では、前記石炭灰100重量部に対し、前記石灰を1〜15重量部かつ前記石膏を1〜15重量部、または前記石膏を1〜15重量部かつ前記セメントを1〜50重量部、または前記セメントを1〜50重量部かつ前記石灰を1〜15重量部、または前記石灰を1〜15重量部かつ前記石膏を1〜15重量部かつ前記セメントを1〜50重量部含み、
    前記造粒工程では、前記石炭灰に、前記造粒助材および前記還元剤を添加するとともに、前記石灰、前記石膏、前記セメントのうちいずれか2種以上をさらに添加し、混合かつ造粒し、
    前記養生工程では、前記造粒された造粒砂を空気中に保管することで養生すること
    を特徴とする石炭灰造粒砂の製造方法。
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