JP7157685B2 - フライアッシュ混合材料 - Google Patents

フライアッシュ混合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP7157685B2
JP7157685B2 JP2019047364A JP2019047364A JP7157685B2 JP 7157685 B2 JP7157685 B2 JP 7157685B2 JP 2019047364 A JP2019047364 A JP 2019047364A JP 2019047364 A JP2019047364 A JP 2019047364A JP 7157685 B2 JP7157685 B2 JP 7157685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly ash
mass
less
mixed material
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019047364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020147470A (ja
Inventor
明宏 古賀
英二 丸屋
知昭 鷲尾
英喜 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2019047364A priority Critical patent/JP7157685B2/ja
Publication of JP2020147470A publication Critical patent/JP2020147470A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7157685B2 publication Critical patent/JP7157685B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、石炭火力発電所で発生するフライアッシュを主成分とした、フライアッシュ混合材料に関する。
フライアッシュは、石炭火力発電所等で石炭を燃焼したときに発生する廃棄物である。フライアッシュは大量に排出されるので、廃棄物の低減及び有効利用の観点から、セメント原料及びコンクリート混和材等の土木資材や、底質改善材及び水質浄化材等の環境資材としての利用が望まれている。しかし、フライアッシュは石炭由来の重金属等の土壌汚染物質を含んでいるので、それら重金属類の土壌への溶出を抑制する必要がある。
フライアッシュ中の重金属類の溶出を抑制する方法として、特許文献1にはフライアッシュにセメントと還元剤と消石灰を添加して硬化させる方法が記載されている。特許文献2には、フライアッシュに還元剤とセメント、石灰、石膏等を添加して造粒する方法が記載されている。
特開2016-47519号公報 特開2007-119341号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、短期的な重金属類の溶出抑制効果は期待されるが、実環境で長期にわたって重金属類の溶出を抑制するのは困難である。また、フライアッシュの中には、稀に重金属類の溶出量が多いものがあり、それを選別する必要もあった。
そこで、本発明の課題は、重金属類が溶出しやすいフライアッシュを原料として使用しても、長期にわたって重金属類の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、実環境で長期にわたって重金属類の溶出を抑制するためには、フライアッシュ混合材料の最小粒径を制御すると同時に、その最小粒径以下の細粒分を特定の無機質微粒子で置換し、粒度を適正化することが必要不可欠であると知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の粒状硬化物A及び無機質粒子Bを含有するフライアッシュ混合材料であって、篩の目開きで表して2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上20質量%以下、篩の目開きで表して2mm以下の粒群が10質量%以上30質量%以下であるフライアッシュ混合材料である。
(1)粒状硬化物A:フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を原料とし、最小粒径が篩の目開きで表して2mmを超えて10mm以下の範囲である硬化物。
(2)無機質微粒子B:六価クロム含有量が2.5mg/kg以下、pHが9以上であり、最大粒径が篩の目開きで表して1mmを超えて10mm以下の範囲である無機質微粒子。
また、本発明においては、前記粒状硬化物Aおよび無機質粒子Bの質量混合比が、60:40~90:10の範囲であることが好ましく、さらに、前記粒状硬化物Aのフライアッシュ含有量が70質量%以上であること、及び、前記無機質微粒子Bのホウ素含有量が350mg/kg以下であることも好ましい。
本発明によれば、重金属類が溶出しやすいフライアッシュを選別することなく、長期にわたって重金属類の溶出が抑制できるフライアッシュ混合材料を提供することができる。これにより、資源循環社会の構築へ貢献することができる。
図1は、フライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果(六価クロム溶出量)を示した図である。 図2は、フライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果(ホウ素溶出量)を示した図である。
本発明の好適な実施形態を以下に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書における粒子径は、篩の目開きで表したものである。
本発明のフライアッシュ混合材料は、最小粒径が2mmを超えて10mm以下の範囲である粒状硬化物A、及び最大粒径が1mmを超えて10mm以下の範囲である無機質粒子Bを含有するフライアッシュ混合材料であって、2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上20質量%以下、2mm以下の粒群が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明のフライアッシュ混合材料においては、2mm以下の粒群は全て無機質微粒子Bに由来し、2mmを超えて10mm以下の粒群は、粒状硬化物A及び無機質微粒子Bに由来し、10mmを超える粒群は全て粒状硬化物Aに由来する。このような構成とすることで、長期にわたって重金属類の溶出が抑制できるフライアッシュ混合材料となる。
本発明で用いる粒状硬化物Aは、フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を原料とし、これに水を加えて硬化させた硬化物である。
前記フライアッシュは、石炭の燃焼によって生成した微粉状の石炭灰であれば特に限定されない。例えば、石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に生成する石炭灰のうち、電気集塵機で回収されたものが挙げられる。
前記セメントは、特に限定されるものではなく、例えば普通ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等、JIS R 5210に規定されるポルトランドセメントが挙げられる。これらのうち、六価クロムを還元してその溶出を抑制する観点から、高炉セメントを用いることが好ましい。
セメントは、主として硬化材の役割を果たすが、材料コスト上昇の主因になるため、通常は3~5質量%程度の必要最低限の含有量で使用されることが多い。しかし、含有量が6質量%未満の場合、長期材齢においてホウ素や六価クロムが溶出しやすくなるほか、必要な強度に達するまでの養生期間が長くなる、あるいは、加温養生が必要になるなどの生産性低下をもたらすため好ましくない。実用上好ましい範囲は、原料に対して6質量%以上14質量%以下、更に好ましい範囲は、7質量%以上12質量%以下である。
前記石灰としては、消石灰及び生石灰が挙げられる。原料中の石灰の含有量は、消石灰を例にすると、原料に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であることが更に好ましい。また、生石灰を例にすると、原料に対して1質量%以上8質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上6質量%以下であることが更に好ましい。いずれの石灰を用いた場合でも、石灰の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
前記石膏としては、無水石膏や半水石膏、二水石膏等が挙げられる。二水石膏としては、例えば排脱二水石膏、リン酸二水石膏、フッ酸二水石膏、天然二水石膏等が挙げられる。また、JIS R 9151に規定する石膏を用いることもでき、廃石膏ボード等の石膏含有廃棄物から回収した石膏も使用できる。原料中の石膏の含有量は、二水石膏換算で、原料に対して1質量%以上11質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。石膏の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
前記還元剤としては、六価クロムを三価クロムに還元できるものであればよく、無機系還元剤及び有機系還元剤が挙げられる。無機系還元剤としては、例えば塩化第一鉄、硫酸第一鉄等の第一鉄塩、多硫化カルシウム、硫化カルシウム等の硫化物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩が挙げられる。また、有機系還元剤としては、ヒドラジン、アスコルビン酸、ヒドロキシルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。原料中の還元剤の含有量は、原料に対して0.1~7質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、0.8~4質量%が更に好ましい。還元剤の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
本発明で用いる粒状硬化物Aは、最小粒径が2mmを超えて10mm以下の範囲である。粒状硬化物Aの粒径が2mm以下である細粒分を除くことで、長期材齢における重金属、特に六価クロムの溶出を顕著に抑制できる。最小粒径が2mm以下であると、重金属の溶出抑制効果が十分に得られず好ましくない。また、10mmを超えると、重金属の溶出抑制効果が頭打ちになる一方で、フライアッシュ混合材料中の粒状硬化物Aの比率が相対的に減少し、フライアッシュの有効利用量が減少するため好ましくない。より好ましい最小粒径の範囲は2mmを超えて7mm以下であり、更に好ましくは2mmを超えて5mm以下である。
本発明で用いる粒状硬化物Aは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料と所定量の水とを混練してスラリー状にする。次いで、これを流し込み成形して成形物とし、所定期間1次養生して硬化体を得る。そして、その硬化体を破砕して破砕物とし、所定期間の2次養生を行うことにより粒状硬化物Aが得られる。必要に応じて破砕物又は粒状硬化物Aを分級することにより、所望の最小粒径に調整することができる。
無機質微粒子Bは、六価クロム含有量が2.5mg/kg以下、pHが9以上であり、最大粒径が1mmを超えて10mm以下の範囲であれば特に制限は無い。また、重金属含有量の少ないフライアッシュ(例えば、土壌溶出量基準でのホウ素の溶出量が1mg/L、六価クロムの溶出量が0.05mg/L)と、セメント、石灰、石膏及び還元剤を用いて製造した粒状硬化物Aを粉砕したものや、当該粒状硬化物Aと無機質粒子Bを用いてフライアッシュ混合材料を製造し、これを粉砕したものを、無機質微粒子B(無機質細粒分)として利用することも可能である。六価クロム含有量が上記値を超えると、長期材齢における重金属の溶出抑制が困難となるため好ましくない。より好ましい六価クロム含有量は2.0mg/kg以下、更に好ましくは1.0mg/kg以下である。
本発明においては、前記無機質微粒子BのpHは9以上である。粒状硬化物Aは、使用開始から長期間が経過すると、固定化されたホウ素が再溶出する場合があるが、これは、空気や酸性雨と接触することで、炭酸化によるセメント水和物の劣化が促進されるためと推察される。ホウ素は主にセメント水和物のひとつであるエトリンガイト中に固定化されることが知られているが、エトリンガイトはpH9以下の環境で徐々に分解する性質を持つ。このことから、アルカリ性を示す材料や、アルカリ側へのpH緩衝作用を持つ材料を無機質微粒子Bに用いることで、高い溶出抑制効果を得ることができる。粒状硬化物Aから除いた細粒分を、このような無機質微粒子Bで置換することにより、空気の侵入の抑制に加え、酸性雨等によるpH低下への抵抗性を同時に得ることができる。
無機質微粒子Bの種類とpHの例を表1に示したが、pH9以上の具体的な材料としては、石炭火力発電所で生じるクリンカアッシュや、高炉スラグ、海水から水酸化マグネシウムを製造する際に生じる残渣であるハイドロケーキが挙げられる。
ここで、材料のpHとは、蒸留水に塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び硫酸を添加してpH4.5に調製した模擬雨水を、材料に対して重量比で10倍の量添加し、6時間攪拌した後、混合液をろ過して得られた検液を対象に、ガラス電極式pH測定装置(東亜DKK社製MM-43X)を用いて測定した値である。
Figure 0007157685000001
前述のように、粒状硬化物Aの細粒分を除くことは、長期材齢における重金属、特に六価クロムの溶出を抑制するために必要である。しかし、細粒分を除いたままで土木資材や環境資材として実現場に適用すると、充填性が悪いために通気性や通水性が過大となり、炭酸化等による硬化物の劣化を招き、長期的には固定化されたホウ素が再溶出する懸念がある。
そこで本発明では、粒状硬化物Aの細粒分を、六価クロム含有量やpHが適切な値であることに加え、最大粒径が1mmを超えて10mm以下の範囲にある無機質微粒子Bで補填することで、ホウ素の再溶出を防止する。この場合、無機質微粒子Bの最大粒径が1mm以下であると、補填が不十分で重金属の抑制効果が得られず好ましくない。また、10mmを超えると、細粒分を満たすために必然的に無機質微粒子Bの量が増え、粒状硬化物Aの比率が相対的に減少して、フライアッシュの有効利用量が減少するため好ましくない。より好ましい最大粒径の範囲は1mmを超えて7mm以下であり、更に好ましくは1mmを超えて5mm以下である。
このように、フライアッシュを含有する粒状硬化物Aの細粒分を除くことと、無害な無機質微粒子Bで細粒分を補填することは、等しく重要であり、これらを併せて実施することで長期材齢における重金属、特にホウ素と六価クロムの溶出抑制を実現できる。この場合、粒状硬化物Aおよび無機質微粒子Bを含有するフライアッシュ混合材料は、2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上、2mm以下の粒群が10質量%以上であれば充填性を確保できる。好ましい含有量は、2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上20質量%以下であり、2mm以下の粒群が10質量%以上30質量%以下である。より好ましい含有量は、2mmを超えて5mm以下の粒群が7質量%以上15質量%以下、2mm以下の粒群が15質量%以上25質量%以下である。なお、5mmを超える粒群は50質量%以上85質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以上78質量%以下である。
本発明のフライアッシュ混合材料は、前記粒状硬化物Aおよび無機質粒子Bの質量混合比が、60:40~90:10の範囲であることが好ましい。質量混合比がこの範囲であれば、フライアッシュ混合材料の粒度を所定の範囲に調整しやすく、フライアッシュの有効利用と長期の重金属溶出抑制を両立させ易い。より好ましい質量混合比は、65:35~85:15の範囲であり、更に好ましくは70:30~80:20の範囲である。
本発明のフライアッシュ混合材料は、前記粒状硬化物Aのフライアッシュ含有量が70質量%以上であることが好ましい。これにより、フライアッシュの有効利用量をより高めることができる。より好ましい含有量は、75質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
本発明のフライアッシュ混合材料は、前記無機質微粒子Bのホウ素含有量が350mg/kg以下であることが好ましい。これにより、長期にわたってホウ素の溶出を抑制する効果をより向上させることができる。
本発明のフライアッシュ混合材料は、本発明の効果を阻害しない範囲で高炉スラグ、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ドロマイトなどのマグネシウム化合物等が更に含まれていてもよい。
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔1.使用したフライアッシュの品質〕
フライアッシュとして、石炭火力発電所の電気集塵機で回収された試料を使用した。使用したフライアッシュの化学成分と、ホウ素及び六価クロムの溶出量を表2に示す。ここで、化学成分はJIS R 5202「セメントの化学分析方法」に準拠した方法で測定した。また、ホウ素及び六価クロムの溶出量は、平成3年環境庁告示第46号付表に準拠して溶出試験を行って得た検液を対象に、JIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した値である。なお、表中の土壌溶出量基準は、平成3年環境庁告示第46号別表の記載の値であり、土壌含有量基準は、平成15年環境省告示19号に記載の値である。
Figure 0007157685000002
表2に示したとおり、使用したフライアッシュは、ホウ素及び六価クロムの溶出量が土壌溶出量基準を超過しており、フライアッシュ単体で資材等に用いることが非常に困難であることが分かる。
〔2.粒状硬化物Aの調製〕
フライアッシュと、セメントとして高炉セメントB種(宇部三菱セメント社製)を原料中に8質量%、石灰として消石灰(宇部マテリアルズ社製、JIS特号)を5質量%、石膏として二水石膏(排煙脱硫石膏)を5質量%、及び還元剤として塩化第一鉄(タイキ薬品工業社製)を0.8質量%となるよう混合して原料とした。該原料と、該原料100質量部に対して27.2質量部の水とを、SKミキサー(エスケーミキサー社製、型番:SK20C)に投入して、280rpmで10分間混練した。次いで、スラリー化した混練物を、型枠となる長方形容器(幅25cm×長さ37cm×深さ10cm)に流し込み、容器に振動を加えて混練物を容器内に均一に充填して成形し、18時間1次養生して硬化させた。その後、容器から脱型し、ジョークラッシャー(吉田製作所社製、型番:1021-BN)で破砕して、27日間の2次養生を行い、粒状硬化物Aを得た。
〔3.使用した無機質微粉末Bの品質〕
無機質微粉末Bとして、石炭火力発電所で発生するクリンカアッシュ(宇部興産(株)自家発電所製)を使用した。使用したクリンカアッシュのホウ素及び六価クロムの含有量およびpHを表3に示す。ホウ素の含有量は、クリンカアッシュを炭酸ナトリウムとともに溶融したのち、塩酸に溶解させ、ICP発光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製PS3520)により測定した。六価クロムの含有量は、クリンカアッシュをEDTA水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の混合溶液に溶解させ、ICP発光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製PS3520)により測定した。材料のpHは、前述のとおりpH4.5に調製した模擬雨水を、材料に対して重量比で10倍の量添加し、6時間攪拌した後、混合液をろ過して得られた検液を対象に、ガラス電極式pH測定装置(東亜DKK社製MM-43X)を用いて測定した。
Figure 0007157685000003
〔4.フライアッシュ混合材料の調製〕
調製した粒状硬化物Aについて、実施例1では2mm、実施例2では5mmの分級点で細粒分を分級し、細粒分を除去した。また、細粒分を補填するため、実施例1では最大粒径が2mmの無機質微粒子B(クリンカアッシュ)を、実施例2では最大粒径が5mmの無機質微粉末B(クリンカアッシュ)を添加混合して、実施例1~2及び比較例1~2のフライアッシュ混合材料を調製した。各試料について、粒群毎の粒状硬化物Aおよび無機質微粉末Bの含有量を表4に示す。
Figure 0007157685000004
〔5.ホウ素及び六価クロムの溶出量の測定〕
調製したフライアッシュ混合材料について、以下に示した散水型カラム試験を行い、長期的なホウ素及び六価クロムの溶出量を測定した。浸出水のホウ素及び六価クロムの濃度は、JIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した。
<散水型カラム試験>
円筒形のカラム(φ250mm、高さ300mm)にフライアッシュ混合材料を約11kg充填し充填高さ約200mm)、週に2回、散水速度0.15L/h、散水量3.84Lの条件で上部から散水し、カラムの底面から流出した浸出水の重金属濃度を測定し、フライアッシュ混合材料の質量に対する累積散水量の比(累積液固比)と重金属濃度との関係を作図した。結果を図1~3に示した。
上記の散水型カラム試験は、実環境に即した長期の重金属溶出量の測定を目的としたものである。そのため、散水速度は、実環境における平均降水量が3mm/hであると仮定して算出したものである。また、散水量は、平均年間降水量が2000mmであると仮定し、1回あたりの散水が2週間分の降水量(概ね26回で1年分の降水量)に相当するように算出したものである。
上記のフライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果を図1及び図2に示す。ここで、図中の横軸は累積液固比(L/S)を表し、縦軸は浸出水の重金属濃度を表している。
各試料の溶出挙動を比較すると、比較例1は、初期は土壌溶出量基準値以下の重金属溶出量であるが、L/Sが2を超えると六価クロムの溶出が増し、L/Sが4~10の範囲で極大を示しながら土壌溶出量基準を超過する。また、細粒分を含まない比較例2は、比較例1より六価クロムの溶出を抑えることができるものの、L/Sが10を超えると急激なホウ素の溶出が認められるため好ましくない。これは、単に細粒分を除去するだけでは不適切であることを示唆している。
一方、細粒分をクリンカアッシュで補填した実施例1および実施例2は、L/Sの増加に伴うホウ素や六価クロムの溶出量の増加はほとんど認められない。
図2においてL/Sが15に達するまで(1年半分の降雨に相当)の試料1kg当りの累積溶出量を、フライアッシュ混合材料の調製条件とともに表5に示す。これより、本発明のフライアッシュ混合材料は、長期にわたって重金属の溶出が抑えられていることがわかる。
Figure 0007157685000005
以上のとおり、本発明によれば、重金属が溶出しやすいフライアッシュを選別することなく、長期にわたって重金属の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料を提供できる。これにより、資源循環社会の構築へ貢献することができる。

Claims (4)

  1. 以下の粒状硬化物A及び無機質粒子Bを含有するフライアッシュ混合材料であって、篩の目開きで表して2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上20質量%以下、篩の目開きで表して2mm以下の粒群が10質量%以上30質量%以下であるフライアッシュ混合材料。
    (1)粒状硬化物A:フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を原料とし、最小粒径が篩の目開きで表して2mmを超えて10mm以下の範囲である硬化物。
    (2)無機質微粒子B:六価クロム含有量が2.5mg/kg以下、pHが9以上であり、最大粒径が篩の目開きで表して1mmを超えて10mm以下の範囲である無機質微粒子。
  2. 前記粒状硬化物A及び無機質粒子Bの質量混合比が、60:40~90:10の範囲である請求項1に記載のフライアッシュ混合材料。
  3. 前記粒状硬化物Aのフライアッシュ含有量が70質量%以上である請求項1又は2に記載のフライアッシュ混合材料。
  4. 前記無機質微粒子Bのホウ素含有量が350mg/kg以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のフライアッシュ混合材料。
JP2019047364A 2019-03-14 2019-03-14 フライアッシュ混合材料 Active JP7157685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047364A JP7157685B2 (ja) 2019-03-14 2019-03-14 フライアッシュ混合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047364A JP7157685B2 (ja) 2019-03-14 2019-03-14 フライアッシュ混合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147470A JP2020147470A (ja) 2020-09-17
JP7157685B2 true JP7157685B2 (ja) 2022-10-20

Family

ID=72430264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019047364A Active JP7157685B2 (ja) 2019-03-14 2019-03-14 フライアッシュ混合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7157685B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004148288A (ja) 2002-09-05 2004-05-27 Ube Ind Ltd 六価クロム溶出が抑制された石炭灰造粒砂の製造方法
JP2007119341A (ja) 2005-09-30 2007-05-17 Ube Ind Ltd 石炭灰造粒砂および石炭灰造粒砂の製造方法
JP2008143740A (ja) 2006-12-08 2008-06-26 Ube Ind Ltd 石炭灰造粒物
JP2014047121A (ja) 2012-09-03 2014-03-17 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 石炭灰造粒体および造粒体混合物
JP2018158876A (ja) 2017-03-24 2018-10-11 宇部興産株式会社 石炭灰硬化物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004148288A (ja) 2002-09-05 2004-05-27 Ube Ind Ltd 六価クロム溶出が抑制された石炭灰造粒砂の製造方法
JP2007119341A (ja) 2005-09-30 2007-05-17 Ube Ind Ltd 石炭灰造粒砂および石炭灰造粒砂の製造方法
JP2008143740A (ja) 2006-12-08 2008-06-26 Ube Ind Ltd 石炭灰造粒物
JP2014047121A (ja) 2012-09-03 2014-03-17 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 石炭灰造粒体および造粒体混合物
JP2018158876A (ja) 2017-03-24 2018-10-11 宇部興産株式会社 石炭灰硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020147470A (ja) 2020-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5599061B2 (ja) 中性固化材用の添加材、中性固化材および重金属類の溶出抑制方法
JP4835359B2 (ja) 石炭灰造粒砂および石炭灰造粒砂の製造方法
JP2010163360A (ja) セメント混和材として好適に使用される高炉徐冷スラグ粉末を選択する方法
CN102876330A (zh) 重金属污染土壤修复用固化剂、重金属污染土壤修复方法
JP4878432B2 (ja) 固化材組成物
JP4135743B2 (ja) セメント組成物
JP2010037371A (ja) 重金属溶出抑制セメント系固化材及び固化処理方法
Goh et al. Municipal solid waste fly ash as a blended cement material
JP6957922B2 (ja) 石炭灰硬化物
JP2017145294A (ja) 有害物質の溶出防止剤および溶出防止方法
JP3919648B2 (ja) 有害重金属捕集材
JP7157685B2 (ja) フライアッシュ混合材料
JP2005350337A (ja) セメント組成物
Sheshpari A review on types of binder and hydration in cemented paste backfill (CPB)
JP6922448B2 (ja) 石炭灰組成物
KR100375407B1 (ko) 폐기물의 중금속 용출방지를 위한 고형체 제조방법 및이에 의해 제조된 고형체
JP4725302B2 (ja) 溶出成分含有物質の処理方法ならびに安定化資材およびその製造方法
JP6441086B2 (ja) 石炭灰の有効利用方法
KR101743601B1 (ko) 순환유동층 보일러에서 발생하는 플라이 애시를 이용한 연약지반 강화용 고화재 및 이를 이용한 고화토 제조방법
CN110950555A (zh) 一种利用铜、铅锌冶炼废水污泥制备的硫铝酸盐水泥及其制备方法
JP7120950B2 (ja) フライアッシュ混合材料の製造方法
CN110304885A (zh) 高掺量固废制备的水泥砂浆及其制备方法
JP2003306372A (ja) 良質コンクリート
JP6385818B2 (ja) セメント添加剤及びセメント組成物
Waechter et al. Leaching investigation of coal fly ash and dry desulphurisation residues by stabilization into ash rock

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220117

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7157685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150