JP2014047121A - 石炭灰造粒体および造粒体混合物 - Google Patents

石炭灰造粒体および造粒体混合物 Download PDF

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智芳 小山
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雅彦 吉田
Takanobu Sato
貴宣 佐藤
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Abstract

【課題】比較的長期間重金属類の溶出を抑制しうる石炭灰造粒体および造粒体混合物を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である重金属不溶化材と、石炭灰と、セメントとが含まれている石炭灰造粒体等である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、石炭灰が含まれている石炭灰造粒体および該石炭灰造粒体が含まれている造粒体混合物に関する。
石炭火力発電所から排出される石炭灰は、盛土材、埋め戻し材、土壌改良材、コンクリート混和材、道路材、建材等の土木建築用材料として利用されている。石炭灰をかかる土木建築用材料として用いる場合、粉体のまま用いる他に、人工砕石や、造粒体等のような成形体として用いることが行なわれている。
例えば、特許文献1には、石炭灰の一種であるフライアッシュと、セメントと、水とを混合してプレス成形し固化させた成形体が粉砕されてなる人工砕石が記載されている。
また、特許文献2には、石炭灰と、セメントと、石灰と、水と、多硫化カルシウム等の重金属の還元剤とが混合され、該混合物が造粒装置等によって造粒されてなる石炭灰造粒砂が記載されている。
一方、石炭灰中には、ホウ素等が含有されている場合がある。また、前述のように人工砕石や造粒砂とする際にセメントを混合することで、セメント水和反応の進行に伴い6価クロムが生成されることがある。従って、前記特許文献1または2に記載の人工砕石や造粒砂を、土木建築材料として用いた場合、雨水などによって土壌や設置場所等の環境にホウ素や6価クロム等の重金属類が溶出するおそれがある。
また、特許文献1に記載の人工砕石の場合、プレス成形時に重金属類を含む水が排出されるため、製造時に排出される排水から重金属類を除去する処理が必要となる。
これに対し、特許文献2には、多硫化カルシウム等の6価クロムや6価セレン等を還元する作用を有する還元剤を混合することで、石炭灰やセメントから溶出される6価クロムや6価セレン等の重金属を還元し、有害な重金属として環境に溶出することを抑制することが記載されている。しかし、還元剤による還元効果は比較的短時間しか続かないため、長期間にわたって有毒な重金属類の溶出を抑制することは困難である。
特開平10−291848号公報 特開2007−119341号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を鑑みて、土木建築用材料として使用した場合に比較的長期間環境中への重金属類の溶出を抑制しうる石炭灰造粒体および造粒体混合物を提供することを課題とする。
本発明に係る石炭灰造粒体は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である重金属不溶化材と、石炭灰と、セメントとが含まれている。
前記本発明によれば、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である重金属不溶化材と、石炭灰と、セメントとが含まれているため、石炭灰およびセメントに重金属類が含まれている場合でも、前記重金属不溶化材が重金属類に作用して溶出を抑制することができる。前記重金属不溶化材は、比較的長期間安定的に重金属類に作用して溶出を抑制する性質を有する。従って、石炭灰を砕石や砂に代えて土木建築用材料として利用することができると同時に、環境への重金属類の溶出を比較的長期間にわたって抑制することができる。
本発明において、前記重金属不溶化材は、前記石炭灰100重量部に対して1重量部以上100重量部以下含まれていてもよい。
本発明の石炭灰造粒体に、前記範囲の量の前記重金属不溶化材が含まれている場合には、重金属の溶出がより抑制できると同時に、石炭灰造粒体の強度が低下することを抑制できる。よって、石炭灰造粒体を土木建築用材料として利用する際に、重金属の溶出を抑制できると同時に土木建築用材料として必要な強度が得られる。
造粒体混合物にかかる本発明は、前記各石炭灰造粒体と、還元剤とが混合されてなる。
前記各石炭灰造粒体と、還元剤とが混合されてなる造粒体混合物であるため、例え、前記石炭灰造粒体からわずかに重金属類が溶出されても、前記還元剤によって重金属類を還元することができ、有害な重金属類が環境に溶出することを抑制できる。
尚、本発明において「還元剤」とは、重金属類を還元する物質を意味し、例えば、6価クロムを3価クロムに、6価セレンを4価セレンに還元するような還元剤が挙げられる。
この場合、前記還元剤が、前記石炭灰造粒体100重量部に対して、0.5重量部以上10重量部以下混合されていることが好ましい。
前記範囲の量の前記還元剤が混合されている場合には、より効果的に有毒な重金属類が環境に溶出することを抑制できる。
以上のように、本発明によれば、土木建築用材料として使用した場合に比較的長期間環境中への重金属類の溶出を抑制しうる石炭灰造粒体および造粒体混合物を提供することができる。
以下に、本発明にかかる石炭灰造粒体および造粒体混合物について説明する。
本実施形態の石炭灰造粒体は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である重金属不溶化材と、石炭灰と、セメントとが含まれているものである。
前記重金属不溶化材は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である。これらは、単独であるいは2種以上を混合して用いても良い。
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムは、例えば、試薬のように市販されているものの他、これらを主成分として含む鉱物等の天然物、あるいは、前記天然物に、粉砕、焼成、精製等の加工を施したもの等を用いることができる。
前記鉱物としては、ドロマイト、マグネサイト等が挙げられる。また、これらの鉱物を、粉砕、焼成あるいは精製等の加工を施したものであってもよい。ドロマイトは、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムを主成分とする鉱物であり、マグネサイトは、炭酸マグネシウムを主成分とする鉱物である。
前記鉱物に加工を施した物としては、ドロマイトを焼成することで得られる軽焼ドロマイト等が挙げられる。軽焼ドロマイトは、酸化マグネシウムと酸化カルシウムを主成分とするものである。
前記重金属不溶化材としては、酸化マグネシウム、ドロマイトが重金属類の溶出抑制効果の観点から好ましい。
尚、本明細書において重金属類とは、土壌汚染対策法に定める特定有害物質のうちの第2種特定有害物質に含まれる物質をいう。
前記重金属不溶化材は、これに含まれるマグネシウムイオンまたはカルシウムイオンが、ポゾラン反応やゲル化反応を起こすことによって重金属類と作用して、前記重金属類を溶出しにくい形にする(不溶化する)と考えられる。かかる重金属類に対する作用は比較的長期間にわたって安定的に働くため、例えば、本実施形態の石炭灰造粒体が土木材料として土壌中に埋められた場合や、建築材料として施工された場合にも、比較的長期間、重金属類が土壌中や施工場所等の環境中に溶出することを抑制できる。
前記石炭灰としては、石炭火力発電所から排出されるフライアッシュやクリンカアッシュ等が挙げられる。
前記石炭灰としては、最大径が9.5mm以下、好ましくは4.75mm以下の石炭灰を用いることが好ましい。尚、前記最大径は、JIS Z 8801−1「試験用網ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定された試験用ふるいを用いて行う分級によって測定される径をいう。
前記石炭灰は、従来からセメント原料や、埋め戻し材等の土木建築用材料として用いられているが、石炭灰の種類によっては、重金属類を含むものがある。
前記石炭灰中に含まれる可能性のある重金属類としては、例えば、クロム(6価)、砒素、セレン(6価)、ホウ素、フッ素等が挙げられる。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記重金属不溶化材は、例えば、前記石炭灰100重量部に対して1重量部以上100重量部以下、より好ましくは10重量部以上80重量部以下含まれている。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記範囲の量の前記重金属不溶化材が含まれている場合には、重金属類を不溶化させる効果が十分に得られると同時に、造粒体とした際に強度が低下することを抑制できる。
尚、本実施形態において、前記重金属不溶化材の重量部は、重金属不溶化材中の酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムの合計量に換算した重量部をいう。
前記セメントとしては、特に制限されるものではなく、公知の各種セメントを使用できる。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント;白色ポルトランドセメント;高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメント;アルミナセメント;アーウィン系セメント;低熱セメント;超速硬セメント等が挙げられる。特に、普通ポルトランドセメント、高炉セメント等が入手しやすさ、価格、強度が安定していること等観点から好ましく用いられる。
前記セメントは単独で又は2種以上を混合して用いても良い。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記セメントは、例えば、前記石炭灰100重量部に対して9重量部以上115重量部以下、より好ましくは10重量部以上110重量部以下、特に好ましくは15重量部以上100重量部以下含まれている。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記範囲の量のセメントが含まれている場合には、重金属類を不溶化させる効果が得られると同時に、造粒体の強度を向上させることができる。
本実施形態の石炭灰造粒体においては、さらに、重金属吸着材を含んでいてもよい。
重金属吸着材を含む場合には、前記重金属不溶化材の作用で不溶化された重金属類を前記重金属吸着材がさらに吸着することで、あるいは、前記重金属不溶化材が作用しなかった重金属類を前記重金属吸着材が吸着することで、より確実に重金属類が環境に溶出することを抑制できる。
前記重金属吸着材とは、重金属類、例えば、クロム、砒素、セレン、ホウ素、フッ素等を吸着する性質を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ゼオライト、アタパルジャイト、セピオライト、活性アルミナ、珪藻土、アロフェン、活性アルミナ、活性白土等の無機多孔質体、活性炭、炭粉末等の有機多孔質体等が挙げられる。特に、無機多孔質体が、造粒物の強度の安定性の観点から好ましい。
前記重金属吸着材は、単独で又は2種以上を混合して用いても良い。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記重金属吸着材は、前記石炭灰100重量部に対して5重量部以上100重量部以下、より好ましくは10重量部以上80重量部以下、特に好ましくは20重量部以上60重量部以下含まれている。
本実施形態の石炭灰造粒体において、前記範囲の量の重金属吸着材が含まれている場合には、重金属類をより不溶化させる効果も得られると同時に、造粒体の強度の低下を抑制できる。
本実施形態の石炭灰造粒体においては、必要に応じて、他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分としては、例えば、セッコウ、スラグ、石灰等が挙げられる。
他の成分として、セッコウ、石灰を含む場合には、特に、フッ素およびホウ素の溶出抑制効果を向上させることができる。
尚、これらの他の成分は、前記セメントと混合された固化材として配合されていてもよい。
本実施形態の石炭灰造粒体が前記セッコウを含む場合には、前記セッコウの量は、前記石炭灰100重量部に対して5重量部以上100重量部以下、より好ましくは8重量部以上20重量部以下程度であることが好ましい。
本実施形態の石炭灰造粒体が前記スラグを含む場合には、前記スラグの量は、前記石炭灰100重量部に対して5重量部以上100重量部以下、より好ましくは10重量部以上100重量部以下程度である。
本実施形態の石炭灰造粒体が前記石灰を含む場合には、前記石灰の量は、前記石炭灰100重量部に対して5重量部以上100重量部以下、より好ましくは10重量部以上60重量部以下程度であることが好ましい。
本実施形態の石炭灰造粒体は、前記各成分に加えて、さらに水を含んでいてもよい。
前記水は、前記各成分を造粒するために加えるものである。
前記水は、前記石炭灰、セメントおよびその他の粉体成分と、水との比が0.1以上1.5以下、好ましくは0.2以上1.0以下、より好ましくは0.3以上0.8以下となるように配合されていてもよい。前記量の水を加えることで、造粒体の強度を所望の範囲に維持しつつ、造粒が容易に行なえる。
本実施形態の石炭灰造粒体は、例えば、径0.075mm以上125mm以下、であることが好ましい。
中でも、本実施形態の石炭灰造粒体を、路盤材として使用する場合には、前記径が2mm以上53mm以下程度の粒子に成形されることが好ましい。
尚、本実施形態において、前記粒子の径とは、JIS Z 8801−1「試験用網ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定された試験用ふるいを用いて行う分級によって測定される粒径をいう。
本実施形態の石炭灰造粒体は、このまま、砕石や砂の代わりに、土木建築用材料として用いることができる。
次に、本発明にかかる造粒体混合物の一実施形態について説明する。
本実施形態の造粒体混合物は、前記石炭灰造粒体と、還元剤とが混合されてなる。
前記石炭灰造粒体と還元剤とが混合されていることにより、仮に、わずかな重金属類が、前記石炭灰造粒体から溶出された場合にも、前記還元剤によって、前記重金属類を還元することによって、環境中に有害な重金属類が溶出することを抑制できる。
本実施形態における造粒体混合物において、前記還元剤は、例えば、前記石炭灰造粒体100重量部に対して、0.5重量部以上10重量部以下、好ましくは、1重量部以上8重量部以下混合されている。
前記範囲の量の還元剤が混合されることにより、重金属類の溶出をより抑制できると同時に、造粒体の強度が低下することを抑制できる。
前記還元剤としては、例えば、6価クロムや6価セレン等の重金属を、3価クロム、4価セレン等に還元可能な物質であれな、特に限定されるものではない
例えば、硫酸第一鉄、亜硫酸カルシウム等が挙げられる。特に、硫酸第一鉄を用いることが溶出抑制効果が高く、且つ取り扱いが容易であるため好ましい。
前記還元剤は、単独で又は2種以上を混合して用いても良い。
本実施形態の造粒体混合物には、さらに、必要に応じてキレート剤などが混合されていてもよい。
本実施形態の造粒体混合物は、前記石炭灰造粒体と同様に、砕石や砂の代わりに、土木材料や建築用材料として用いることができる。
次に、前述したような本実施形態の石炭灰造粒体および造粒体混合物を製造する方法について説明する。
例えば、水以外の石炭灰造粒体の材料である前記重金属不溶化材、前記石炭灰、前記セメントおよび必要に応じてセッコウ、スラグ、石灰等の他の成分を混合する。前記各材料を混合しながら、前記所定の量の水を少しずつ添加して、混合しつつ造粒する。
前記混合しながら造粒する方法としては、公知の造粒装置等を用いて、所定の径の粒子状に造粒することができる。前記造粒装置としては、例えば、ミキサーR05T(アイリッヒ社製)等が挙げられる。
あるいは、まず、水を含む石炭灰造粒体の材料を混合することで混合物を得て、次に、該混合物を粒子状に成形することで造粒してもよい。
前記造粒後、さらに、7日間〜28日間程度、通常の温度で養生させることで、本実施形態の石炭灰造粒体が得られる。
本実施形態の石炭灰造粒体にさらに還元剤を混合することで、本実施形態の造粒体混合物が得られる。前記造粒体混合物と、前記還元剤とを混合するためには、例えば、ミキサー等の公知の混合手段が採用できる。
尚、本実施形態にかかる石炭灰造粒体および造粒体混合物は以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下に実施例を示して、本発明にかかる石炭灰造粒体および造粒体混合物についてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び2)
石炭灰造粒体の材料として以下のものを用いた。

『材料』
石炭灰:石炭火力発電所 クリンカアッシュ
セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
重金属不溶化材:酸化マグネシウム(試薬 キシダ化学社製)
重金属吸着材:ゼオライト(日東粉化社製)
水:水道水
尚、前記石炭灰中には、以下の重金属類が含有されていた。重金属類の含有量は下記の方法で測定した。

『重金属類の含有量』
Cr(VI):1.1mg/kg
Se :3.5mg/kg
As :23mg/kg
F :30mg/kg
B :1500mg/kg

『重金属類の測定方法』
Cr(VI):JCAS I―51―1981 「セメント及びセメント原料中の微量成分の定量方法」
F :JCAS I―52―1981 「セメント及びセメント原料中の微量成分の定量方法」
As :JCAS I―52―2000 「ICP発光分光分析及び電気加熱式原子吸光分析によるセメント中の微量成分の定量方法」で検液作成 水素化物発生電気原子吸光法で分析
Se :JCAS I―52―2000 「ICP発光分光分析及び電気加熱式原子吸光分析によるセメント中の微量成分電気加熱原子吸光法で分析
B :試料0.5gを(1+50)硝酸で溶解し、ろ液を250mlに定容し検液とする。ICP発光分析法方法で分析
前記各材料を表1に示す配合で混合して実施例1及び2の石炭灰造粒体を作製した。作製方法は、まず、水以外の材料を、ミキサーR05T(アイリッヒ社製)に入れて、回転させながら混合し、そこに水を少しずつ投入する。5分間攪拌することによって、造粒体が得られた。
得られた造粒体は、20±2℃で28日間養生した後に、JIS Z 8801−1「試験用網ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定された試験用ふるいであって、公称目開き0.075mmおよび53mmのふるいを用いて、粒径0.075mm以上53mm以下の石炭灰造粒体を得た。
Figure 2014047121
(造粒物強度の測定)
実施例1及び2の石炭灰造粒体を解きほぐし、セメント協会標準試験方法(JCAS L−01「セメント系固化材による改良体の強さ試験」)に従って、直径5cm高さ10cmの円筒形供試体を作成し、20℃で封緘養生を行い、28日後にJIS A 1206「土の一軸圧縮試験方法」に従って、強度試験を行なった。
尚、強度の基準値は500kN/m2とし、これ以上であれば、必要な強度を満たしていると判断した。結果を表2に示す。
(重金属類の溶出試験)
実施例1及び2の石炭灰造粒体から4.75mm篩を通過し0.425mm篩に残留したものを試料とした。試料各100gを1リットルの蒸留水(温度約20℃)に28日間浸漬した。その後、蒸留水中の重金属類(6価クロム、砒素、セレン、ホウ素、フッ素)の濃度をJIS K 0102に基づいて測定した。
尚、表中の各重金属類濃度の基準値は、土壌環境基準である、環境庁告示第46号に記載された各重金属の「検液1Lあたりのmg」である。
結果を表2に示す。
Figure 2014047121
表2から明らかなように実施例及び2の石炭灰造粒体は、いずれも強度の基準を上回り、且つ各重金属類の溶出量も基準未満であった。
(不溶化材の量の影響:実施例3〜6、参考例1、比較例1)
前記実施例1及び2と同様の材料のうち、普通ポルトランドセメントを高炉セメントB種(住友大阪セメント社製)に代え、各材料を表3の配合で用いた他は、前記実施例1〜5と同様にして実施例2〜6、参考例1、及び比較例1の石炭灰造粒体を作製した。
Figure 2014047121
得られた実施例3〜6、参考例1、及び比較例1の石炭灰造粒体を用いて、前記実施例1〜5と同様に、強度試験および溶出試験を行なった結果を表4に示す。
尚、造粒物強度(kN/m2)、各重金属類の溶出量(mg/L)の基準値は表2に示す値と同じである。
Figure 2014047121
表4から、重金属不溶化材としての酸化マグネシウムを配合しなかった比較例1では重金属類すべてについて基準値を上回った。一方、石炭灰に対する酸化マグネシウムの量が多くなると、造粒物強度は高くなるが、造粒性がやや困難になり、石炭灰110重量部の参考例1では各実施例と同じ製造方法では造粒できなかった。
(不溶化材および還元剤の影響:実施例7〜12、比較例2)
以下の材料を表5に示す配合で用いて、前記実施例1〜6と同様にして実施例7〜121、及び比較例2の石炭灰造粒体を作製した。高炉セメントおよび石炭灰は前記実施例3乃至6と同様のものを用いた。但し、比較例では高炉セメントに代えて、普通セメント+無水石膏(タイ産天然無水石膏)を9:1の割合で混合した、セメント混合物を用いた。
『材料』
軽焼ドロマイト:河合石灰製
硫酸第一鉄、亜硫酸カルシウム:試薬 関東化学社製
Figure 2014047121
得られた実施例7〜22、及び比較例2の石炭灰造粒体を用いて、前記実施例1〜5と同様に、強度試験および溶出試験を行なった結果を表6に示す。
尚、造粒物強度(kN/m2)、各重金属類の溶出量(mg/L)の基準値は表2に示す値と同じである。
Figure 2014047121
表6から、重金属不溶化材としての酸化マグネシウムを配合しなかった比較例2では、各実施例に比べて、重金属類の溶出量が多く、基準値を上回る溶出量の重金属類もあった。
また、還元剤を配合した各実施例では、特に、6価クロムの溶出量が低減できた。
(長期間溶出試験:実施例4、比較例2)
前記実施例4および比較例2について、前記溶出試験を、それぞれ蒸留水(温度約20℃)に浸漬する日数(養生期間)を28日、56日、91日、1年、2年に代えて、重金属類の溶出試験を行なった。
尚、各重金属類の溶出量(mg/L)の基準値は表2に示す値と同じである。
結果を表7に示す。
Figure 2014047121
比較例2では、養生期間が長くなると、さらに溶出量が増加し、1年後ではすべての重金属類の溶出量が基準値を超えているのに対して、実施例4では、養生期間が2年でも、重金属類の溶出が基準値以下に抑制されている。
(水の量の影響:実施例13〜20、参考例2)
前記実施例1および2と同じ材料および同様の方法を用いて、水の分量を変化させた表8の配合で石炭灰造粒体を作製し、重金属類の溶出試験および強度試験を行なった。
尚、造粒物強度(kN/m2)、各重金属類の溶出量(mg/L)の基準値は表2に示す値と同じである。
結果を表9に示す。
Figure 2014047121
Figure 2014047121
実施例13〜20および参考例2はいずれも重金属類の溶出効果は基準値以下であったが、水の量が粉体材料に対して200重量%を超える参考例2では強度が基準値に満たなかった。
(重金属吸着材の種類の影響:実施例21〜24)
前記実施例1および2と同様の材料および同様の方法を用いて、表10の配合で石炭灰造粒体を作製し、重金属類の溶出試験および強度試験を行なった。
尚、重金属吸着材として、アタパルジャイト(林化成社製)も用いた。
また、造粒物強度(kN/m2)、各重金属類の溶出量(mg/L)の基準値は表2に示す値と同じである。
結果を表11に示す。
Figure 2014047121
Figure 2014047121
重金属吸着材が配合されていない実施例21に比べて、実施例22〜24では重金属類の溶出量が低減されていた。

Claims (4)

  1. 酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1以上である重金属不溶化材と、石炭灰と、セメントとが含まれている石炭灰造粒体。
  2. 前記重金属不溶化材は、前記石炭灰100重量部に対して1重量部以上100重量部以下含まれている請求項1に記載の石炭灰造粒体。
  3. 請求項1または2に記載の石炭灰造粒体と、還元剤とが混合されてなる造粒体混合物。
  4. 前記還元剤が、前記石炭灰造粒体100重量部に対して、0.5重量部以上10重量部以下混合されている請求項3に記載の造粒体混合物。
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