JP7436216B2 - 土工資材 - Google Patents

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Description

本発明は、土工資材に関する。
廃棄物には、セレンや六価クロム等の重金属類が含まれる場合があり、この場合、埋め立て等による処分を行う前に、重金属類等の溶出を抑制する処理を行う必要がある。
廃棄物から、有害物質である重金属類の溶出を抑制する処理方法として、廃棄物に不溶化材を添加して混合し、重金属類を不溶化する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、Se含有灰に第一鉄塩を添加、混練することにより、該Se含有灰からのSeの溶出を防止するSe含有灰の処理方法において、該Se含有灰にアルカリを添加して該Se含有灰をpH11以上とした後、pH11以上を維持した状態で第一鉄塩の添加、混練を行うことを特徴とするSe含有灰の処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含むことを特徴とする固化不溶化体が記載されている。該固化不溶化体は、重金属類を含む焼却灰を含むにもかかわらず、重金属類の溶出量が低く、土工資材として使用しても、土壌が重金属類によって汚染されるおそれがないものである。
特許第3831832号公報 特開2018-158306号公報
廃棄物からの重金属類の溶出量を小さくして、廃棄物を有効活用することが求められている。
本発明の目的は、重金属類を含む廃棄物を用いているにも関わらず、重金属類の溶出量が小さい土工資材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重金属類を含む廃棄物、及び、塩化第一鉄を含む、粒状物からなる土工資材であって、該土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比が1.0~6.2であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比が0.45~2.30である土工資材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供するものである。
[1] 重金属類を含む廃棄物、及び、塩化第一鉄を含む、粒状物からなる土工資材であって、上記土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.0~6.2であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.45~2.30であることを特徴とする土工資材。
[2] 上記土工資材の粒度が0.5~50mmである前記[1]に記載の土工資材。
[3] 上記土工資材が、カルシウムアルミネートの結晶構造、及び、フリーデル氏塩の結晶構造を有するものである前記[1]又は[2]に記載の土工資材。
[4] 前記[1]~[3]のいずれかに記載の土工資材を製造する方法であって、重金属類を含む廃棄物と塩化第一鉄を混合して混合物を得る混合工程と、上記混合物を造粒して、粒状物からなる土工資材であって、上記土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.0~6.2であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.45~2.30である土工資材を得る造粒工程、を含むことを特徴とする土工資材の製造方法。
[5] 上記混合工程において、さらに、アルカリ性材料を、上記混合物中のアルカリ性材料の含有率が1~20質量%となる量で混合する前記[4]に記載の土工資材の製造方法。
[6] 上記混合工程において、さらに、水を、上記混合物中の水(ただし、上記廃棄物に含まれている水を除く。)の含有率が10~40質量%となる量で混合する前記[4]又は[5]に記載の土工資材の製造方法。
本発明の土工資材は、重金属類を含む廃棄物を用いているにも関わらず、重金属類の溶出量が小さいものである。
本発明の土工資材は、重金属類を含む廃棄物、及び、塩化第一鉄を含む、粒状物からなる土工資材であって、上記土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.0~6.2であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.45~2.30であるものである。
本明細書中、廃棄物とは、産業廃棄物または一般廃棄物をいう。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物をいう。
産業廃棄物の例としては、生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、製鉄汚泥等)、建築廃材、コンクリート廃材、各種焼却灰(例えば、石炭灰、鶏糞灰、家畜糞灰、バイオマス灰、汚泥焼却灰)、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰、各種副産物、未利用資源(使用されずに残存した材料等)等が挙げられる。
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
一般廃棄物の例としては、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。
本発明の土工資材は、廃棄物に含まれている重金属類が不溶化されたものである。
重金属類は、土壌汚染対策法(平成15年)に規定されている第二種特定有害物質である。具体的には、重金属類とは、カドミウム及びその化合物、シアン化合物、六価クロム化合物、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、ひ素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、並びに、ほう素及びその化合物である。
これらは、廃棄物中に、1種含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
なお、ふっ素、及びほう素は、重金属元素ではないが、これらの元素及びその化合物は重金属類に含まれるものとする。
重金属類の中でも、不溶化処理が難しく、比較的に問題となりやすい金属元素であるにもかかわらず、不溶化することができる観点から、セレン及びその化合物、並びに、六価クロム化合物から選ばれる少なくとも1種が、上記廃棄物に含まれている重金属類として好適である。
土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)は、1.0~6.2、好ましくは1.1~6.1、より好ましくは1.2~6.0、さらに好ましくは1.3~5.9、特に好ましくは1.5~5.9である。該比が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出量を小さくすることができる。また、該比が6.2質量%を超えると、塩化第一鉄の量が多くなり、材料にかかるコストが過度に大きくなる。
土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)は、0.45~2.30、好ましくは0.50~2.25、より好ましくは0.55~2.20、特に好ましくは0.58~2.15である。
該比が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出量を小さくすることができる。また、該比が2.30を超えると、塩化第一鉄の量が多くなり、材料にかかるコストが過度に大きくなる。
土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合は、Fe換算で、好ましくは2.0~11.0質量%、より好ましくは2.5~10.5質量%、さらに好ましくは3.0~10.0質量%、特に好ましくは4.0~10.0質量%である。該割合が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。また、該割合が11.0質量%を超えると、塩化第一鉄の量がより多くなり、材料にかかるコストが過度に大きくなる。
土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Clの割合は、好ましくは2.0~9.0質量%、より好ましくは2.2~8.8質量%、さらに好ましくは2.4~8.5質量%、特に好ましくは3.0~8.2質量%である。該割合が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。また、該割合が9.0質量%を超えると、塩化第一鉄の量が多くなり、材料にかかるコストが過度に大きくなる。
土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中の、Fe等の割合は、例えば、蛍光X線分析を用いて、水を含む土工資材の化学組成を分析することで得ることができる。
本発明の土工資材は、土工資材からの重金属類の溶出量が小さくなる観点や、汎用性等の観点から、廃棄物等の材料を造粒してなる粒状物(造粒物)である。土工資材の粒度は、土工資材の用途に応じて、適宜定めればよいが、好ましくは0.5~50mm、より好ましくは1~40mm、特に好ましくは5~35mmである。上記粒度が0.5mm以上であれば、重金属類の溶出をより小さくすることができる。上記粒度が50mm以下であれば、運搬や使用する際に、壊れにくくなる。
なお、「粒度」とは、粒状物における最大寸法(例えば、断面がだ円である粒状物においては、長軸の寸法をいう。)
土工資材は、重金属類の溶出をより抑制することができる観点から、好ましくは、カルシウムアルミネートの結晶構造(例えば、エトリンガイト、モノサルフェート、モノカーボネート、ヘミカーボネート、ハイドロガーネット、α-CAH19、α-CAH13、CAH11、α-CAH、CAH、C、CAH、及びCAH10等)、及び、フリーデル氏塩の結晶構造を有するものであり、より好ましくは、カルシウムアルミネートの結晶構造、フリーデル氏塩の結晶構造、エトリンガイト、及び、モノサルフェートの結晶構造を有するものである。
本発明の土工資材の製造方法の例としては、重金属類を含む廃棄物と塩化第一鉄を混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を造粒して、粒状物からなる土工資材であって、土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.0~6.2であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.45~2.30である土工資材を得る造粒工程、を含む製造方法が挙げられる。
以下、工程ごとに詳しく説明する。
[混合工程]
本工程は、上述した重金属類を含む廃棄物と塩化第一鉄を混合して混合物を得る工程である。
本工程において混合される塩化第一鉄の量は、混合物中の塩化第一鉄の含有率が、好ましくは0.8~20質量%、より好ましくは1.0~15質量%、さらに好ましくは1.2~10質量%、特に好ましくは1.5~8質量%となる量である。上記含有率が0.8質量%以上であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。上記含有率が20質量%以下であれば、材料にかかるコストをより小さくすることができる。
塩化第一鉄は、混合工程の前に、水と混合してスラリー状にしたものであってもよい。
本工程において、さらに、アルカリ性材料を混合してもよい。アルカリ性材料を混合することによって、得られる土工資材のpHを中性領域(例えば、5.8~8.6)とし、その用途に制限が生じないようにしたり、造粒工程において、混合物を造粒しやすくすることができる。
アルカリ性材料の例としては、セメント、生石灰、消石灰、及び高炉スラグ微粉末等が挙げられる。アルカリ性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。
本工程で混合されるアルカリ性材料の量は、混合物中のアルカリ性材料の含有率が、好ましくは0.3~20質量%、より好ましくは0.5~15質量%、さらに好ましくは0.7~10質量%、特に好ましくは1.0~8質量%となる量である。該含有率が0.3質量%以上であれば、得られる土工資材のpHを中性領域とする効果や、造粒工程において、混合物を造粒しやすくする効果をより大きくすることができる。該含有率が20質量%以下であれば、材料にかかるコストをより小さくすることができる。
アルカリ性材料のブレーン比表面積は、好ましくは2,000~10,000cm/g、より好ましくは2,500~9,500cm/g、特に好ましくは3,000~9,500cm/gである。該比表面積が2,000cm/g以上であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。該比表面積が10,000cm/g以下であれば、材料の入手が容易となる。
アルカリ性材料がセメントである場合、セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2,000~5,000cm/g、より好ましくは2,500~4,500cm/g、特に好ましくは2,800~4,300cm/gである。該比表面積が2,000cm/g以上であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。該比表面積が5,000cm/g以下であれば、材料の入手が容易となる。
アルカリ性材料が消石灰である場合、セメントのブレーン比表面積は、好ましくは5,000~10,000cm/g、より好ましくは6,000~9,000cm/g、特に好ましくは7,000~8,700cm/gである。該比表面積が5,000cm/g以上であれば、重金属類の溶出量をより小さくすることができる。該比表面積が10,000cm/g以下であれば、材料の入手が容易となる。
本工程において、さらに、水を混合してもよい。水を混合することによって、造粒工程において、混合物を造粒しやすくすることができる。
本工程で混合される水の量は、廃棄物の性状によっても異なるが、混合物中の水(ただし、廃棄物に含まれている水を除く。)の含有率が、好ましくは5~50質量%、より好ましくは10~40質量%、さらに好ましくは15~35質量%、特に好ましくは20~30質量%となる量である。水の含有率が5質量%以上であれば、より容易に造粒することができる。該含有率が50質量%以下であれば、得られる土工資材の強度をより向上することができる。
本工程において、造粒工程において造粒される土工資材の粒度の大きさや、土工資材の取り扱いや、造粒方法に応じて、造粒剤を混合してもよい。
造粒剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デンプン、グアガム、コンニャク飛粉、ベントナイト等が挙げられる。
[造粒工程]
本工程は、前工程で得られた混合物を造粒して、粒状物からなる土工資材であって、土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合がFe換算で2.0~11.0質量%であり、Clの割合が2.0~9.0質量%である土工資材を得る工程である。
造粒方法の例としては、転動造粒、撹拌造粒、圧縮造粒、押出造粒等が挙げられる。また、造粒に用いられる装置の例としては、パンペレタイザー、ミキサー、ディスクペレッター等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)廃棄物A;焼却灰、セレン及びその化合物の溶出量:0.032mg/リットル、六価クロム化合物の溶出量:0.10mg/リットル
(2)廃棄物B;焼却灰、セレン及びその化合物の溶出量:0.026mg/リットル、六価クロム化合物の溶出量:0.21mg/リットル
(3)廃棄物C;焼却灰、セレン及びその化合物の溶出量:0.012mg/リットル、六価クロム化合物の溶出量:0.16mg/リットル
(4)塩化第一鉄(表1、4中、「塩化鉄」と示す。):試薬
(5)普通ポルトランドセメント(表1中、「普通セメント」と示す。);太平洋セメント社製、ブレーン比表面積:3,350cm/g
(6)高炉セメントB種(表4中、「BBセメント」と示す。);太平洋セメント社製、ブレーン比表面積:3,750cm/g
(7)消石灰;ブレーン比表面積:8,300cm/g
廃棄物A~Cのセレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量は、環境省告示第18号に準拠して測定したものである。
[実施例1~4、比較例1~2]
廃棄物Aと塩化第一鉄と普通ポルトランドセメントを、ヘンシェルミキサを用いて混合して混合物を得た。得られた混合物に、水を加えた後、混練造粒機、(北川鉄工所社製、商品名「ペレガイヤ」)用いて造粒し、粒度が30mmである土工資材を得た。なお、各材料の配合割合を表1に示す。
得られた土工資材の化学組成を、走査型蛍光X線分析装置(リガク社製、商品名「ZSX Primus IV型」)を用いて、半定量(オーダー)分析によって分析し、土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、SiO、Al、Fe、CaO、SO、Cl及びMgOの含有率を各々測定した。また、FeとMgOの比(Fe/MgO)及び、ClとSOの比(Cl/SO)を算出した。結果を表2に示す。
また、得られた土工資材のセレン及びその化合物の溶出量(表3、6、9中、「セレン」と示す。)、並びに、六価クロム化合物の溶出量(表3、6、9中、「六価クロム」と示す。)を、環境省告示第18号に準拠して測定した。
また、X線回折装置(PANalytical社製、商品名「X´ Pert PRO
MRD」)を用いて、土工資材の結晶構造を分析した。表3において、表3に示す結晶構造を有する場合を「〇」とし、有しない場合を「-」とした。
さらに、土工資材の植害試験として、「植物に対する害に関する栽培試験の方法(59農蚕第1943号通知(抄))」に準拠して、荒木田土とピートモスを50:50の割合で混合してなる土壌100質量部に対して、10質量部となる量の、製造後7日間経過した上記土工資材を添加し、混合した後、得られた混合物にトールフェスクを播種し、30日間生育を行った。生育後のトールフェスクの質量を測定し、該質量と、対象区(土工資材を添加しない以外は同様にした土壌)において同様に生育したトールフェスクの質量の比(トールフェスクの質量/対象区で生育したトールフェスクの質量)を算出し、該比が0.6以上の場合を「〇」0.6未満の場合を「×」とした。
結果を表3に示す。
Figure 0007436216000001
Figure 0007436216000002
Figure 0007436216000003
表3から、本発明の土工資材(実施例1~4)は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量が環境基準値(セレン及びその化合物:0.01mg/リットル、六価クロム化合物:0.05mg/リットル)以下であることがわかる。また、植害試験の結果も良好であることがわかる。
一方、比較例1~2は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量の少なくとも一方が環境基準値を満たしておらず、植害試験の結果も悪いことがわかる。
[実施例5~7、比較例3~4]
廃棄物Bと塩化第一鉄と高炉セメントB種を、ヘンシェルミキサを用いて混合して混合物を得た。得られた混合物に、水を加えた後、混練造粒機、(北川鉄工所社製、商品名「ペレガイヤ」)用いて造粒し、粒度が30mmである土工資材を得た。なお、各材料の配合割合を表4に示す。
得られた土工資材のセレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量の測定等を実施例1と同様にして行った。
結果を表5~6に示す。
Figure 0007436216000004
Figure 0007436216000005
Figure 0007436216000006
表6から、本発明の土工資材(実施例5~7)は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量が環境基準値(セレン及びその化合物:0.01mg/リットル、六価クロム化合物:0.05mg/リットル)以下であることがわかる。また、植害試験の結果も良好であることがわかる。
一方、比較例3~4は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量の少なくとも一方が環境基準値を満たしておらず、植害試験の結果も悪いことがわかる。
[実施例8~9、比較例5]
廃棄物Cと、塩化第一鉄と水を混合してなる塩化第一鉄溶液(表7中、「塩化鉄溶液」と示す。塩化第一鉄溶液中、塩化第一鉄の濃度:32質量%)と消石灰を、ヘンシェルミキサを用いて混合して混合物を得た。得られた混合物に、水を加えた後、混練造粒機、(北川鉄工所社製、商品名「ペレガイヤ」)用いて造粒し、粒度が30mmである土工資材を得た。なお、各材料の配合割合を表7に示す。
得られた土工資材のセレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量の測定等を実施例1と同様にして行った。
結果を表8~9に示す。
Figure 0007436216000007
Figure 0007436216000008
Figure 0007436216000009
表9から、本発明の土工資材(実施例8~9)は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量が環境基準値(セレン及びその化合物:0.01mg/リットル、六価クロム化合物:0.05mg/リットル)以下であることがわかる。また、植害試験の結果も良好であることがわかる。
一方、比較例5は、セレン及びその化合物の溶出量、並びに、六価クロム化合物の溶出量が環境基準値を満たしておらず、植害試験の結果も悪いことがわかる。

Claims (4)

  1. 重金属類を含む焼却灰、塩化第一鉄、アルカリ性材料、及び水を含む、粒状物からなる土工資材であって、
    上記土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.5~5.9であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.58~2.15であり、Feの割合(Fe換算)が4.0~11.0質量%であり、Clの割合が2.2~9.0質量%であり、
    上記アルカリ性材料が、セメント及び消石灰の少なくともいずれか一方であり、上記土工資材中の上記アルカリ性材料の含有率が1.0~15質量%であり、
    上記土工資材の粒度が0.5~50mmであることを特徴とする土工資材。
  2. 上記土工資材が、カルシウムアルミネートの結晶構造、及び、フリーデル氏塩の結晶構造を有するものである請求項1に記載の土工資材。
  3. 上記アルカリ性材料が、セメントであり、
    上記土工資材が、エトリンガイト、及び、モノサルフェートの結晶構造を有するものである請求項2に記載の土工資材。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の土工資材を製造する方法であって、
    上記重金属類を含む焼却灰と上記塩化第一鉄と上記アルカリ性材料と上記水を混合して混合物を得る混合工程と、
    上記混合物を造粒して、粒状物からなる土工資材であって、上記土工資材の全質量から強熱減量を除いた質量100質量%中、Feの割合(Fe換算)とMgの割合(MgO換算)の比(Fe/MgO)が1.5~5.9であり、Clの割合とSの割合(SO換算)の比(Cl/SO)が0.58~2.15であり、Feの割合(Fe換算)が4.0~11.0質量%であり、Clの割合が2.2~9.0質量%であり、上記土工資材中、上記アルカリ性材料の含有率が1.0~15質量%であり、かつ、上記土工資材の粒度が0.5~50mmである土工資材を得る造粒工程、を含み、
    上記混合工程において、上記アルカリ性材料を、上記混合物中の上記アルカリ性材料の含有率が1.0~15質量%となる量で混合することを特徴とする土工資材の製造方法。
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