JP2003225640A - 汚染土壌用固化不溶化剤 - Google Patents
汚染土壌用固化不溶化剤Info
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Abstract
を簡単にかつ的確に処理することを課題とする。 【解決手段】重金属等の有害物質類によって汚染された
土壌にMgOおよび/またはMgO含有材を添加して固
化する。MgOは植物成長に支障のないようなpH範囲
で汚染土壌を固化しかつ固化土中に該有害物質を再溶出
することなく封鎖する。
Description
汚染された土壌の固化不溶化剤に関するものである。
特に火山国である我が国の土壌には、元来各種鉱物に起
因する重金属類が含まれており、また近年、工業の発展
に併ない工場等から排出される汚染物質による土壌汚染
も顕著になってきている。
しい非汚染土壌と交換する方法、重金属類汚染土壌を高
温処理して溶融し重金属類を封鎖する方法、重金属類汚
染土壌をセメントおよびセメント系固化剤で固化不溶化
して重金属類を封じ込める方法等が採られている(例え
ば特許文献1参照)。
搬出した汚染土壌の処分場所あるいは無害化が問題とな
り、また汚染土壌の高温処理方法ではエネルギーコスト
や設備費が莫大になり、またセメントまたはセメント系
固化剤による汚染土壌の固化方法では、固化土が高アル
カリ性になり、該固化土からアルカリが溶出して動植物
に悪影響をもたらし、またアルカリによって汚染物質が
再溶出するおそれがある。
を解決するための手段として、MgOおよび/またはM
gO含有材からなる有害物質汚染土壌用固化不溶化剤を
提供するものである。MgO100質量部に対して固化
不溶化助剤を10〜300質量部添加することが好まし
く、また上記土壌用固化不溶化剤100質量部に更に有
機高分子凝集剤を0.1〜5.0質量部添加することが
好ましい。該有害物質としては重金属、シアン、リンお
よび/または窒素および/またはヒ素、含塩素有機化合
物等に適用される。
出に対する不溶化力に優れている。MgOに助剤を添加
すると、固化土は更に低アルカリ性になったり固化速度
が早くなったり、あるいは固化物の強度が向上したりす
る。また有機高分子凝集剤の添加により固化土の強度が
向上する。本発明を以下に詳細に説明する。
gOには、低温焼成品と高温焼成品とがあるが、反応性
の点からみて低温焼成品(軽焼ドロマイト)の使用が望
ましい。また本発明では軽焼ドロマイトやドロマイトプ
ラスターのようなMgOを含むものも使用出来る。軽焼
ドロマイトはドロマイト(炭酸カルシウムと炭酸マグネ
シウムの複塩で理論値として炭酸カルシウム54.27
%、炭酸マグネシウム45.73%の割合で含有)を7
00〜1000℃で焼成し炭酸マグネシウムをMgOと
し、一部の炭酸カルシウムを酸化カルシウムとしたもの
である。ドロマイトプラスターは軽焼ドロマイトを水と
反応消化させた水酸化ドロマイトを微粉砕し整粒したも
のであり、粉末化に問題のある軽焼ドロマイトよりも望
ましいMgO含有材である。上記MgOおよび/または
MgO含有材は、処理対象土壌に対しMgOとして1〜
30(質量/容量)%添加することが好ましい。
MgO含有材を土壌と混合して水中に投入した場合、固
化発現に長時間を要したり、強度が空気中より低下する
ことがある。そこで水中でも空気中と同様の固化を可能
するために固化不溶化助剤を添加することが好ましい。
また150%以上の高含水比で泥水状態の汚染土壌の場
合にはフィルタープレス等を使用して機械脱水を行なう
ことが望ましいが、この場合機械脱水を容易ならしめる
ために固化不溶化助剤を添加することが好ましい。
る)としては、例えば硫酸アルミニウム、ポリ塩化アル
ミニウム(PAC)等の酸性アルミニウム塩、硫酸第一
鉄、塩化第二鉄等の酸性鉄塩、リン酸あるいは第一リン
酸ソーダ、重過リン酸カルシウム、過リン酸カルシウム
等の酸性リン酸塩類等があり、上記第1助剤は二種以上
混合使用されてもよい。
あるいはMgOおよび/またはMgO含有材と上記固化
不溶化助剤のみでは、土壌の種類によって不溶化のため
に必要な固化強度が効率良く得られなかったり、あるい
は固化強度発現までに長時間を要する場合がある。この
場合には更なる固化不溶化助剤として固化を促進させる
ような薬剤(以下第2助剤とする)を使用することが好
ましい。
ウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム
塩、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネ
シウム等のマグネシウム塩や高炉スラグ、二酸化ケイ
素、パーライト等があり、上記第2助剤は二種以上混合
使用されてもよい。上記硫酸カルシウムとしては無水ま
たは半水石膏が例示され、特に半水石膏の使用が望まし
く、上記二酸化ケイ素としては含水非結晶型二酸化ケイ
素、無水二酸化ケイ素、シリカヒューム等がある。高炉
スラグはMgOに比べて高アルカリであるが、価格がM
gOに比べて安価であり、長期安定性にも寄与するの
で、MgO100質量部に対して10〜300質量部程
度添加することが好ましい。しかし300質量部を越え
る添加量では十分な固化強度が得られない場合がある。
吸着するような薬剤例えば活性炭、ゼオライト、ケイ藻
土等を使用してもよい(以下第3助剤と云う)。このう
ちゼオライトは特に重金属類に対する吸着効果に優れて
おり、一般にMgO100質量部に対して10〜300
質量部好ましくは10〜100質量部添加することが好
ましい。
よび添加量は対象土壌の性状、例えば有害物質の種類、
土質、含水比、粒度等によって適当に設定されるべきで
ある。例えば前記機械的脱水を行なう場合には固化不溶
化助剤として第1助剤であるポリ塩化アルミニウムおよ
び/または塩化第二鉄を選択すること好ましく、この場
合には上記固化不溶化助剤はMgO100質量部に対し
て10〜300質量部好ましくは50〜150質量部の
範囲の添加量である。
の場合には固化不溶化助剤として第1助剤である硫酸第
一鉄が良く、添加量はMgO100質量部に対して10
〜300質量部、好ましくは10〜100質量部とされ
る。硫酸第一鉄の添加量が300質量部を上回ると、M
gOの土壌に対する固化能力が著しく低下する。
50〜150%の中含水比の汚染土壌に対しては、第1
助剤である硫酸アルミニウムが有効であり、特に前記固
化を促進させるような固化不溶化助剤である第2助剤と
併用するとより効果的である。
である第2助剤は、MgO100質量部に対して10〜
300質量部、好ましくは10〜100質量部添加す
る。これに満たない添加量では該第2助剤の固化促進効
果が充分発揮されず、これを越える添加量ではコスト高
になり、場合によってはMgOの固化不溶化効果を損な
うおそれがある。
場合、含水比が50〜150%前後の汚染土壌に対して
硫酸カルシウム、二酸化ケイ素、パーライトが有用であ
り、これらを添加することによって、固化強度が増大
し、MgOの不溶化効果が助長される。またこれら第2
助剤は、前記第1助剤である硫酸アルミニウムと併用し
た場合に相乗効果が得られることも少なくない。この場
合第2助剤と硫酸アルミニウムとの混合比は、対象土壌
の性状にもよるが、一般的には第1助剤としての硫酸ア
ルミニウム100質量部に対して上記第2助剤を100
〜200質量部混合する。
含まれる有害物質には、例えばマンガン、クロム、銅、
鉛、カドミウム、水銀、セレン等の重金属、窒素、リ
ン、ホウ素、ヒ素、シアン、含塩素有機化合物等があ
る。該含塩素有機化合物としては、テトラクロロジベン
ゾパラシオキシン(ダイオキシン)、テトラクロルメタ
ン、トリクロロエチレン、塩素化ジフェニル、塩素化パ
ラフィン等が例示される。
単独で使用しても、あるいは第1助剤と第2助剤、第1
助剤と第3助剤、第2助剤と第3助剤を組合わせて使用
しても、あるいは3つすべてを組合わせて使用してもよ
い。いづれを選ぶかは、前記したように対象土壌の性
状、有害物質の種類、土質、含水比、粒度等を考慮す
る。一般的に云って上記助剤はMgO100質量部に対
して10〜300質量部の範囲で添加される。このよう
にして配合された本発明の固化不溶化助剤は対象土壌が
高含水であり、フィルタープレス等の機械的脱水固化を
行う場合は汚染土壌1m3 当たりMgOとして10〜2
00kg添加される。また一般土壌の場合は対象土壌1m
3 当たりMgOとして30〜300kg添加される。
比が例えば100%以上の場合には、土壌中のフリー水
分を吸収して処理対象土壌の固化強度の向上や土壌用固
化不溶化剤の添加量を減らすために、有機高分子凝集剤
が使用される。上記有機高分子凝集剤としては、例えば
ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、アクリル
酸ソーダ−アクリルアミド共重合体、ポリエチレンオキ
サイド等がある。
砂質土(含水比=15.3%、礫・砂分=82%、シル
ト・粘土分=18%、密度=1.81g/cm3 )の重金属
類溶出試験を下記の通り行った。上記重金属類汚染砂質
土1m3 に下記組成の固化剤Aを15(質量/容量)%
添加攪拌混合して固化せしめた。上記固化処理から28
日経過後の固化体の環境庁告示第46号による溶出試験
結果を表1に示す。 固化剤Aの組成 実施例 比較例 軽焼酸化マグネシウム 100質量部 高炉セメントB種 100質量部
合汚染土に含まれるすべての重金属類を土壌環境基準以
下に固化・不溶化することは困難である。上記固化体の
28日後の一軸圧縮強度は1,520KN/m2 、pHは1
0.1であった。
砂質土(含水比=21.5%、礫・砂分=73%、シル
ト・粘土分=27%、密度=1.76g/cm3 )の重金属
類溶出試験を下記の通り行った。上記重金属類汚染砂質
土1m3 に下記組成の固化剤Bを15(質量/容量)%
添加攪拌混合して固化せしめた。上記固化処理から28
日後の固化体の環境庁告示第46号による溶出試験結果
を表2に示す。 固化剤Bの組成 実施例 比較例 軽焼酸化マグネシウム 100質量部 − 硫酸第一鉄 50質量部 − 過リン酸石灰 50質量部 − 高炉セメントB種 100質量部
系固化剤としての高炉セメントB種を添加した比較例で
は、鉛および六価クロムの溶出濃度が土壌環境基準を上
回ったが、MgOを含有する固化剤Bを用いた実施例で
は、土壌環境基準以下に不溶化出来た。上記実施例の固
化体の28日後の一軸圧縮強度は2,050KN/m2 、p
Hは10.3であった。
ッジ(含水比=398%、比重=1.129)の性状
は、表3に示す通りであった。この試料1m3 に下記組
成の固化剤Cを4(質量/容量)%添加し、フィルター
プレス脱水・固化し、7日後に実施した環境庁告示第4
6号による溶出試験結果を表3に示す。 固化剤Cの組成 実施例 比較例 軽焼酸化マグネシウム 100質量部 PAC 50質量部 塩化第二鉄 50質量部 高炉セメントB種 100質量部
よって、脱水ケーキのシアン溶出濃度を土壌環境基準以
下に出来るが(表3)、従来技術であるセメント系固化
剤としての高炉セメントB種を使用した場合には、脱水
ケーキのシアン溶出濃度を土壌環境基準以下に出来ず、
更に濾水にセメント中に含まれていたと思われる六価ク
ロムが土壌環境基準を越えて溶出した(表4)。
水比=69.6%、砂分=35%、シルト・粘土分=6
5%、密度=1.58g/cm3 )の重金属類溶出試験結果
は表5のようであった。上記重金属類汚染土1m3 に下
記組成の固化剤を15(質量/容量)%添加攪拌混合し
て固化せしめた。上記固化処理から28日後の固化体の
環境庁告示第46号による溶出試験結果を表5に示す。 固化剤Dの組成 軽焼酸化マグネシウム 100質量部 硫酸カルシウム(半水石膏) 20質量部 二酸化ケイ素(ホワイトカーボン) 10質量部
2 、pHは9.3であった。
(含水比=183%、湿潤密度=1.283g/cm 3 、強
熱減量=17.4%)の全リンおよび全窒素の含有量は
表6に示す通りであった。上記有機質底泥1m3 に対し
て下記組成の固化剤Eを4(質量/容量)%添加し、フ
ィルタープレスで脱水・固化し、7日後に実施した環境
庁告示第46号による溶出試験結果を表6に示す。 固化剤Eの組成 軽焼酸化マグネシウム 100質量部 PAC 50質量部 塩化第2鉄 50質量部
量は、排水基準を大きく下回った。
レン)で汚染された地区の地下GL−5m地点の土壌を
コアーサンプリングしてトリクレン汚染土壌の試料とし
た。該試料の性状は下記の通りである。 含水比114%、砂分49.5%、シルト分26.0
%、粘土24.5%、密度1.413g/cm3 該試料を直ちに水質分析法に従って抽出分析を行い、ト
リクロロエチレン(トリクレン)の含有濃度を測定し
た。該試料1m3 に下記組成の固化剤Fを10(質量/
容量)%の割合で添加混合して固化せしめた。上記固化
処理から28日後の固化体を環境庁告示46号による水
質分析法に従ってトリクロロエチレンを抽出分析した。
結果を表7に示す。 固化剤Fの組成 軽焼酸化マグネシウム 3質量部 硫酸第一鉄 7質量部 水 10質量部
m2 、pH6.9であった。
レンの溶出量は原土に比べて60分の1程度と大巾に減
少した。
質によって汚染された土壌を植物成長に差支えないpH
範囲でMgOによって固化不溶化し、有害物質を再溶出
することなく固化土内に封鎖することが出来る。
Claims (7)
- 【請求項1】MgOおよび/またはMgO含有材からな
ることを特徴とする有害物質汚染土壌用固化不溶化剤 - 【請求項2】MgO100質量部に対して固化不溶化助
剤を10〜300質量部添加したことを特徴とする有害
物質汚染土壌用固化不溶化剤 - 【請求項3】請求項1または2に記載の土壌用固化不溶
化剤100質量部に更に有機高分子凝集剤を0.1〜
5.0質量部添加したことを特徴とする有害物質汚染土
壌用固化不溶化剤 - 【請求項4】該有害物質は重金属である請求項1〜3に
記載の有害物質汚染土壌用固化不溶化剤 - 【請求項5】該有害物質はシアンである請求項1〜3に
記載の有害物質汚染土壌用固化不溶化剤 - 【請求項6】該有害物質はリンおよび/または窒素およ
び/またはヒ素である請求項1〜3に記載の有害物質汚
染土壌用固化不溶化剤 - 【請求項7】該有害物質は含塩素有機化合物である請求
項1〜3に記載の有害物質汚染土壌用固化不溶化剤
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