JPH10137716A - 廃棄物処理材および廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理材および廃棄物処理方法

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JPH10137716A
JPH10137716A JP8303274A JP30327496A JPH10137716A JP H10137716 A JPH10137716 A JP H10137716A JP 8303274 A JP8303274 A JP 8303274A JP 30327496 A JP30327496 A JP 30327496A JP H10137716 A JPH10137716 A JP H10137716A
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waste
gypsum
ash
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lead
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JP8303274A
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Kazuhiro Hara
和宏 原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属等の有害物質を含む廃棄物の安定化に
有効で、処理固化物も優れた物理的強度を有する廃棄物
処理材、および処理方法を提供する。 【解決手段】 鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、
砒素等の有害物質を含む焼却煤塵、主灰、溶融飛灰など
の都市ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、汚泥、鉱さい、
汚染土壌等の廃棄物廃棄物 100重量部対して、無水石膏
(CaSO4) 、焼き石膏(CaSO4・1/2 H2O)、石膏(CaSO4・ 2
H2O)等の石膏類を主として含有するセメント20〜95重量
%と、多孔質二酸化珪素や多孔質アルミニウムシリケー
ト等の粉体状多孔質無機吸着剤とを主成分とする処理材
3〜50重量部を混合し、必要に応じて水を添加して混練
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属などの有害
物質を含有する廃棄物焼却灰などを安定化処理するのに
有効な廃棄物処理材および廃棄物処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、日本では約4800万トン(19
88年)の一般廃棄物と約3.1億トン(1985年)
の産業廃棄物が排出されている。さらに、西暦2000
年には、一般廃棄物は約8000万トンに、産業廃棄物
は約6億トンに達すると予測されている。このうち、一
般廃棄物の約7割が焼却処理され、約3割が直接処分さ
れている。また、産業廃棄物は約4割が再生利用され、
約3割が焼却などによって減容化されて処分され、約3
割が最終処分場で直接廃棄されている。これらの廃棄物
のうち、焼却された一般廃棄物や産業廃棄物は、重金属
などの有害物質が大量に含まれているため、処分に関す
る規制が大幅に強化される方向にある。
【0003】例えば、都市ゴミ処理場の場合、ゴミの中
に含まれるカラー印刷の紙やセロファン類には、カドミ
ウム(Cd)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(H
g)、砒素(As)、銅(Cu)など、また、プラスチ
ック類にはカドミウム、鉛、亜鉛(Zn)、クロム、水
銀、砒素などが含まれており、これらのゴミを焼却する
と、前記重金属などの有害物質が濃縮された灰が発生す
る。焼却場では、この灰を、ゴミの燃えがらからなる主
灰とバクフィルターなどで回収される煤塵に分けて回収
する場合が多くなってきている。この主灰、煤塵ともに
重金属などの有害物質が含まれているが、煤塵では特に
重金属が溶出しやすくなっている。そこで、焼却場で
は、有害重金属の溶出を防ぐ目的で、煤塵をポルトラン
ド系セメントと混合し、水を加えて混練した後、養生固
化して廃棄したり、主灰と混ぜて埋め立てたりしてい
る。
【0004】前記ポルトランド系セメントによる煤塵の
固化法は、エトリンガイトを形成してセメントが硬化す
る過程において、煤塵中の重金属の吸着や固溶化を伴
い、また、ポルトランド系セメントのアルカリ成分によ
って重金属の難溶性化合物を生成して処理固化物中に包
含、固定する原理に基づいている。さらに、その処理固
化物は、透水性が低く、物理的強度が高いという性質を
有しており、ポルトランド系セメントを大量に添加する
ほど、物理的強度の向上が図られる。しかしながら、鉛
は高アルカリ性では鉛酸塩として水溶性となる。したが
って、煤塵中に鉛が高濃度に含まれている場合、ポルト
ランド系セメントはアルカリ性であるところから、この
ような煤塵に対してポルトランド系セメントを大量に添
加すると、鉛の溶出が完全には抑制されないどころか、
逆に鉛の溶出が促進される場合さえありうる。したがっ
て、単にポルトランド系セメントで固化する従来の処理
方法には種々の問題があり、用途を限定しなければ二次
公害を発生する恐れがある。
【0005】以上のように、従来のポルトランド系セメ
ント固化による廃棄物焼却灰などの廃棄物処理方法には
問題があり、処理固化物の優れた物理的強度を有しつ
つ、廃棄物中の重金属などの有害物質が再溶出しないよ
う強力に安定化することが可能な処理材および処理方法
が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来のポルトランド系セメント固化による廃棄
物処理の現状に鑑み、都市ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却
灰、シュレッダーダスト、汚泥、鉱さい、汚染土壌な
ど、重金属などの有害物質を含有する廃棄物の安定化に
有効であり、しかも、その処理固化物が必要な物理的強
度を有する廃棄物処理材、および処理方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、上記の目的
を達成しうる廃棄物処理材および処理方法を得るに至っ
た。すなわち、本発明の処理材は、石膏類を主として含
有するセメントと粉体状の多孔質無機吸着剤とを主成分
とする。
【0008】本発明におけるセメントとは、水で練った
ときに硬化性を示す無機物質、すなわち無機質接合剤の
総称を意味するものである。従来のセメント固化による
処理法では、主にポルトランド系セメントを用いて混練
処理がなされている。これに対して、本発明では、包含
固化作用に基づく処理材として、アルカリ性を示すポル
トランド系セメントなどの水硬性セメントの代わりに、
中性を示す石膏類を用い、廃棄物に対して、必要に応じ
て水とともに加えて混練した後、養生固化した場合、処
理固化物が必要な物理的強度を保ちながら、高アルカリ
性雰囲気に置かれることによる鉛の水溶性塩への変化を
防ぐことにより、鉛溶出量を低減することが可能であ
り、かつ、処理材の構成成分として多孔質無機吸着剤を
前記石膏を主として含有するセメントに組み合わせて、
積極的な吸着作用を導入することにより、鉛溶出抑制性
能を向上させることができた。
【0009】そして、本発明に係る廃棄物処理方法は、
鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、砒素のうちの少
なくとも1種の有害物質を含有する廃棄物に対して、上
記の廃棄物処理材を混合し、必要に応じて水を添加した
ものを混練し、さらに好ましくは混練物を養生固化させ
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。まず、本発明で使用する、石膏類を主として含
有するセメントについて説明する。ここでの石膏類を主
として含有するセメントには、無水石膏(CaS
4 )、焼き石膏(CaSO4 ・1/2H2 O)、石膏
(CaSO4 ・2H2 O)などの石膏類を単独で用いた
もののほか、これらの石膏類を適当に混合したもの、さ
らにその一部をポルトランド系セメントのような水硬性
セメントに置き換えたものも含まれる。この際のセメン
ト中の石膏類自体の配合比率について説明する。セメン
ト中の石膏類自体の配合比率は、対象とする廃棄物に合
わせて適宜選択すればよい。コスト的には、石膏類に比
較してポルトランド系セメントは安価であるため、低コ
ストで処理固化物の要求される物理的強度を得るという
意味においては、ポルトランド系セメントの配合量を多
くすることが有効といえる。しかし、廃棄物と混練した
処理物の、環境庁告示13号法による溶出試験での溶出
液のpHを上昇させないという意味において、石膏類自
体の配合量を多くすることが有効であり、セメント中に
おける石膏類自体の配合比率は20重量%以上の範囲と
することが好ましい。特に、環境庁告示13号法による
溶出試験での溶出液のpHが9〜10付近である廃棄物
に対しては、処理材自体にアルカリ性を示す成分を持ち
込まないために、セメントとして無水石膏、焼き石膏、
石膏などの石膏類のみを用いることが特に好ましい。
【0011】次に、本発明で使用する多孔質無機吸着剤
について説明する。多孔質無機吸着剤は、炭素以外の単
一または複数種の元素からなる高分子ということができ
る。この場合の具体的な元素としては、珪素、アルミニ
ウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウムなどが
挙げられ、具体的な化合物としては、珪酸やその塩、つ
まり二酸化珪素、アルミニウムシリケート、マグネシウ
ムシリケートなどが挙げられる。本発明で用いる多孔質
無機吸着剤は粉体状であり、その多孔質性は、単位量の
粉体中に含まれる全粒子の表面積の総和、すなわち比表
面積として表現するのがよい。比表面積の測定には成書
(粉体物性図説,粉体工学研究会,日本粉体工業協会
編,1975)にあるように、気体吸着法(BET法,
Harkins−Juraの相対法)、液相吸着法、浸
漬熱法(Harkins−Juraの絶対法)、透過法
(ブレーン法)が知られているが、それぞれ測定原理を
異にし、得られる結果の意味も必ずしも同じではない。
本発明でいう比表面積とは、BET表面積法(N2 )に
よる値である。
【0012】本発明で用いる粉体状の多孔質無機吸着剤
としては、容易に入手できるという理由から、多孔質二
酸化珪素や多孔質アルミニウムシリケートを使用するこ
とが好ましい。
【0013】前記多孔質二酸化珪素としては、結晶性、
無定形が知られているが、ここでは、粉体であれば使用
することができる。このような多孔質二酸化珪素として
は、活性白土を酸処理して得られる粘土鉱物から作られ
る珪酸、カープレックスBS304、カープレックスB
S304F、カープレックス♯67、カープレックス♯
80(いずれも、塩野義製薬(株)製)などの合成珪酸
が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0014】また、アルミニウムシリケートとは、珪酸
の珪素の一部がアルミニウムで置換されたもので、軽
石、フライアッシュ、カオリン、ベントナイト、活性白
土、珪藻土、ゼオライトなどの天然や合成のアルミニウ
ムシリケートが知られている。この中でも、合成のアル
ミニウムシリケートは、比表面積も大きく、鉛などの重
金属の吸着能力が高く、安定化することができる。この
ようなアルミニウムシリケートとしては、キョーワード
700PEL、キョーワード700PL(いずれも、協
和化学工業(株)製)などが挙げられるが、これらに限
定されるわけではない。
【0015】上記の多孔質無機吸着剤は、比表面積が大
きい方が鉛などの重金属の吸着能力が高い。しかし、そ
の比表面積があまり大きい吸着剤は嵩高く、取り扱いが
不便である。したがって、本発明で使用する多孔質無機
吸着剤の比表面積は、200m2 /g以上、700m2
/g未満であることが好ましい。
【0016】次に、処理材中における石膏類を主として
含有するセメントと多孔質無機吸着剤との配合比につい
て説明する。石膏類を主として含有するセメントと多孔
質無機吸着剤との配合比は、対象とする廃棄物からの重
金属の溶出濃度と、処理固化物の要求される物理的強度
に合わせて、適宜選択すればよい。つまり、廃棄物から
の重金属の溶出濃度が高い場合には、多孔質無機吸着剤
の配合量を多くすることが有効である。しかし、多孔質
無機吸着剤の配合量が多すぎると、処理固化物の物理的
強度が損なわれる。したがって、処理材中において、石
膏類を主とするセメントを20重量%以上、90重量%
以下の範囲とすることが好ましい。
【0017】上記のような本発明の処理材を用いる方法
としては、鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、砒素
などの有害物質を含有する廃棄物に対して、上記の廃棄
物処理材を混合し、必要に応じて水を添加したものを混
練し、さらに好ましくは、混練物を養生固化させる。一
般に、従来のセメント固化による処理方法では、廃棄物
100重量部に対して10〜30重量部のポルトランド
系セメントを添加して混練を行う。本発明の処理材を用
いる場合には、ポルトランド系セメントを同量加えた場
合より優れた重金属安定化性能が得られ、また、ポルト
ランド系セメントの場合と比べると若干劣るものの処理
固化物の強度を保つことが可能である。また、従来のポ
ルトランド系セメントでは、廃棄物100重量部に対し
て30重量部添加しても重金属の安定化が不十分な場合
が多いが、ポルトランド系セメントの場合と同量の本発
明の処理材を添加することで強力な重金属安定化効果が
期待できる。なお、処理物の減容化の観点から、廃棄物
に対する本発明の処理材の添加量は、廃棄物100重量
部に対して50重量部以下であることが望ましい。ま
た、廃棄物中の鉛などの重金属の含有量は大きく変化す
るので、安定的に処理材の効果を発現させるという観点
から、廃棄物100重量部に対して3重量部以上である
ことが望ましい。
【0018】本発明の処理材および処理方法を適用しう
る廃棄物としては、焼却灰、シュレッダーダスト、汚
泥、鉱さい、汚染土壌が好適である。焼却灰には、主
灰、焼却煤塵がある。焼却煤塵は、都市ゴミや産業廃棄
物などの焼却に伴って発生する粉状の煤塵や溶融炉から
発生する煤塵を集めたものであり、電気集塵機で集めた
EP灰や、バグフィルターで集塵したバグ灰などが挙げ
られる。主灰は、都市ゴミや産業廃棄物の焼却場で焼却
炉下部から排出される灰であり、有害な重金属を含むも
のが対象となる。さらに、本発明では、鉱山より排出さ
れる鉱さい、重金属で汚染された土壌中の重金属の安定
化、排水処理に伴って発生する重金属を含んだ汚泥につ
いても対象となる。
【0019】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理材を用いて、重金属
などの有害物質を含有する都市ゴミや産業廃棄物の焼却
炉から排出されるEP灰やバグ灰を処理すれば、有害重
金属、特に鉛が効率的に安定化され、溶出量が減少し、
安定化処理に有効であり、また、処理固化物に必要な物
理的強度を付与することが可能である。前記鉛の以外の
有害物質では、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、砒素
などを安定化できる。また、本発明の廃棄物処理材を用
いることにより、重金属などの有害物質を含む産業廃棄
物、製鋼所における電気溶融窯などの作業場での作業環
境保全用の有害集塵ダスト、あるいは埋立投棄処分など
による汚染土壌などを安定化処理することができ、この
際、有害重金属などの有害物質が安定化され、溶出量が
抑えられる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げてさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0021】〔実施例1〕酸性白土を硫酸で加熱処理し
た後、充分洗浄して、下記表1に示す粉体状の多孔質二
酸化珪素(比表面積250m2 /g)を得た。なお、表
1に示す前記多孔質二酸化珪素の成分分析は、JIS
M−8855(ろう石の分析法)に準拠して行った。
【0022】
【表1】
【0023】焼き石膏(吉野石膏(株)製)、ポルトラ
ンドセメント(中央セメント(株)製)と上記多孔質二
酸化珪素とを混合して、下記表2に示す本発明の廃棄物
処理材1を得た。また、多孔質二酸化珪素を含まずポル
トランドセメントおよび焼き石膏の少なくとも1種を配
合して比較材1−1〜1−3とした。
【0024】
【表2】
【0025】都市ゴミ焼却場から排出された、鉛を含有
する焼却煤塵(無処理時における環境庁告示13号法に
よるPb溶出量0.80mg/L,溶出液のpH10.
42)30gに対して、4.5g(前記焼却煤塵100
重量部に対して15重量部)の上記粉体処理材(処理材
1)および18g(前記焼却煤塵100重量部に対して
60重量部)の水を添加して混練を行い、20℃で7日
間養生固化させた。この処理固化物の物理的強度を評価
するために、固化物を直径2cmの棒で押して破壊し、
その際の力のかかり方で固化物強度の判定を行った。ま
た、この処理材を用いた処理方法の無害化効果を調べる
ために、環境庁告示13号法による鉛の溶出試験を行っ
た。この時の試験結果を下記表3に示す。比較例とし
て、多孔質二酸化珪素を含まずポルトランドセメントお
よび焼き石膏の少なくとも1種を配合した比較材1−1
〜1−3を焼却煤塵100重量部に対して15重量部添
加した場合の鉛溶出量、処理材を用いず水のみで焼却煤
塵を混練し、前記と同様に養生固化した場合の鉛溶出
量、および試験に用いた焼却煤塵の無処理時の鉛溶出量
を表3に併記した。
【0026】
【表3】
【0027】表3に示される試験結果より、ポルトラン
ドセメントのみで処理した場合、固化物強度は得られる
ものの、そのアルカリ性のために鉛の溶出量が逆に増加
することか分かる。そこで、ポルトランドセメントの代
わりに焼き石膏を用いることにより、固化物の物理的強
度を維持しながら、鉛溶出量を低減することが可能であ
るが、この場合には、環境庁告示13号法による排出基
準(鉛溶出量<0.3mg/L)を満たすことはできな
い。これに対して、焼き石膏に多孔質二酸化珪素を組み
合わせることにより、固化物強度は若干劣る程度に保ち
ながら、鉛の安定化性能をさらに向上させ、鉛溶出量を
排出基準である0.3mg/L以下とすることが可能で
ある。
【0028】〔実施例2〕上記実施例1で用いたと同じ
多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)と、焼き
石膏(吉野石膏(株)製)とを混合して、下記表4に示
す本発明の廃棄物処理材2−1〜2−2を得た。また、
ポルトランドセンメントと多孔質無機吸着剤を表4に示
す割合で混合したものを比較材2−1、ポルトランドセ
メントのみを比較材2−2とした。
【0029】
【表4】
【0030】亜鉛精錬工場から排出された、鉛、砒素を
含有する鉱さい(無処理時における環境庁告示13号法
によるPb溶出量2.8mg/L、As溶出量0.06
7mg/L、pH9.39)30gに対して、3g(前
記鉱さい100重量部に対して10重量部)の上記処理
材(処理材2−1、2−2)および9g(前記鉱さい1
00重量部に対して30重量部)の水を添加して混練を
行い、20℃で3日間養生固化させた。この処理材を用
いた処理方法の無害化効果を調べるために、環境庁告示
13号法による鉛、砒素の溶出試験を行った。この時の
試験結果を下記表5に示す。比較例として、ポルトラン
ドセンメントと多孔質無機吸着剤を表4に示す割合で混
合したものを比較材2−1として、前記鉱さい100重
量部に対して10重量部添加した場合、およびポルトラ
ンドセメントのみを比較材2−2として、前記鉱さい1
00重量部に対して10重量部添加した場合の鉛、砒素
の溶出量も示す。なお、表5には、試験に用いた鉱さい
の無処理時の鉛、砒素の溶出量を併記した。
【0031】
【表5】
【0032】表5に示される試験結果は、焼き石膏と多
孔質二酸化珪素を組み合わせて処理すると、鉱さい中の
鉛および砒素を安定化することが可能であることを示し
ている。この時、処理固化物の環境庁告示13号法によ
る溶出試験の溶出液(抽出液)のpHは、8台に調整さ
れている。これに対し、焼き石膏の代わりにポルトラン
ドセメントを多孔質二酸化珪素と組み合わせた場合、お
よびポルトランドセメントのみの場合には、上記の溶出
試験の抽出液のpHが10以上に上昇して、鉛および砒
素の溶出量が無処理の場合よりも増大していることが分
かる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、
    および砒素のうちの少なくとも1種の有害物質を含む廃
    棄物を処理するための処理材であって、石膏類を主とし
    て含有するセメントおよび粉体状の多孔質無機吸着剤を
    主成分とすることを特徴とする廃棄物処理材。
  2. 【請求項2】 前記石膏類を主として含有するセメント
    が、無水石膏(CaSO4 )、焼き石膏(CaSO4
    1/2H2 O)、および石膏(CaSO4 ・2H2 O)
    からなる群から選択される少なくとも1種である請求項
    1記載の廃棄物処理材。
  3. 【請求項3】 前記粉体状の多孔質無機吸着剤が、粉体
    状の多孔質二酸化珪素、および粉体状の多孔質アルミニ
    ウムシリケートの少なくとも一方であり、かつ、BET
    表面積法(N2 )による比表面積が200m2 /g以
    上、700m2/g未満である請求項1記載の廃棄物処
    理材。
  4. 【請求項4】 処理材中に、石膏類を主として含有する
    セメントを20重量%以上、95重量%以下含む請求項
    1記載の処理材。
  5. 【請求項5】 鉛、カドミウム、水銀、クロム、亜鉛、
    および砒素のうちの少なくとも1種の有害物質を含む廃
    棄物に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物
    処理材を混合し、必要に応じて水を添加したものを混練
    することからなる廃棄物処理方法。
  6. 【請求項6】 前記廃棄物に対する廃棄物処理材の混合
    割合が廃棄物100重量部に対して3〜50重量部であ
    る請求項5記載の廃棄物処理方法。
  7. 【請求項7】 前記廃棄物が、環境庁告示13号法によ
    る溶出試験での溶出液のpHが9〜10付近であり、前
    記廃棄物処理材が無水石膏、焼き石膏、石膏の少なくと
    も1種と多孔質無機吸着剤を主成分とするものである請
    求項5または請求項6に記載の廃棄物処理方法。
  8. 【請求項8】 前記廃棄物が、焼却煤塵、主灰、溶融飛
    灰などの都市ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、汚泥、鉱
    さい、または汚染土壌である請求項5〜7のいずれかに
    記載の廃棄物処理方法。
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