JP6046476B2 - 有害物質の溶出防止剤およびそれを用いた溶出防止方法 - Google Patents

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本発明は、汚染物からの有害物質の溶出を効果的に防止できる溶出防止剤およびそれを用いた溶出防止方法に関する。
近年、工場跡地等の土壌あるいは海域や河川等の浚渫工事で発生する浚渫土や津波等で陸上に滞留した堆積土などの底質において、ふっ素、ほう素および砒素、セレン等の有害物質による汚染事例が多数報告されている。このような有害物質が地下水等に拡散すると人体への健康被害などの恐れがあるため、汚染土壌や汚染底質などの汚染物については、含まれる有害物質の溶出量を抑制する必要がある。また、廃棄物処分場の逼迫や環境負荷低減という社会情勢に対応するためには、このような汚染物を土工材料等に有効利用する取り組みを進めていくことも必要である。しかし、汚染物を土工材料等に有効利用する場合は、有害物質として、主にふっ素、ほう素、砒素、セレンの溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)を超える恐れがあることが大きな課題となっている。なかでもふっ素は溶出防止が難しい有害物質であり、汚染物のpHが高いと溶出量が増加する傾向があるなど、ほう素、砒素、セレンとは異なる溶出挙動を示すため、これら4種の有害物質の溶出を同時に抑制することは極めて困難であった。表1に土壌環境基準(環境庁告示第46号)に規定されているふっ素、ほう素、砒素、セレンの溶出量を示す。
Figure 0006046476
従来、ふっ素の不溶化技術としては、消石灰などのカルシウム塩を使用して難溶性のふっ化カルシウムを生成させる方法、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を使用して水酸化マグネシウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、ほう素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩の使用、あるいは、硫酸アルミニウムと消石灰を併用することで、ほう素を吸着・不溶化する方法が知られている。また、砒素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法、塩化第二鉄などの鉄塩を使用して水酸化鉄が生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、セレンの不溶化技術としては、鉄塩などを使用した吸着・不溶化方法が知られている。
しかし、これらの不溶化技術は不溶化の効果が低いため、前記有害物質の溶出量を土壌環境基準以下に抑制することは困難であった。このような状況において、汚染物における有害物質の溶出抑制方法が提案されている。すなわち、砒素や6価クロムをキレート剤であるジチオカルバミン酸塩あるいはジチオカルバミン酸誘導体で捕捉・不溶化する技術(特許文献1、2)、汚染土壌や焼却灰にチオ硫酸化合物を添加するとともに焼却灰を加熱することで、焼却灰などに含まれる砒素やセレンなどの重金属類を不溶化する装置に関する技術(特許文献3)、土壌または焼却灰に水硬性結合材であるセメントまたは石灰を添加することで、土壌や焼却灰に含まれるふっ素やほう素の溶出を抑制する技術(特許文献4)、カルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとを含有する不溶化剤を用いたふっ素及び/又はほう素の不溶化方法であり、ふっ素及び/又はほう素を含む固形物と該不溶化剤と水を混合してから所要期間養生することでふっ素及び/ 又はほう素を不溶化する技術(特許文献5)、汚染土壌や焼却灰に対し、硫酸アルミニウムとチオ硫酸ナトリウムおよび鉄粉を必須成分として含む汚染物質の溶出防止剤を添加・混合することで、砒素やセレンなどの重金属類およびほう素やふっ素の溶出を抑制する技術(特許文献6)、リン酸水素カルシウム二水和物を用いてふっ素汚染土壌中のふっ素を不溶化する技術(特許文献7)、ふっ素汚染土壌に酸性物質を添加して汚染土壌のpHを5.5以上6.5以下とした後にリン酸カルシウム化合物をさらに添加し、汚染土壌中のふっ素を不溶化する技術(特許文献8)が報告されている。
特開1998−192870号公報 特開2001−121133号公報 特開2006−000746号公報 特開2004−089816号公報 特開2006−224025号公報 特開2002−239522号公報 特開2007−216156号公報 特開2012−081380号公報
しかしながら、これら従来の有害物質の溶出防止技術は、高価な成分を使用する、大がかりな装置を使用する、さらに一部の有害物質だけの溶出抑制ができる手段にすぎず前記4種の有害物質の溶出を同時に抑制できるものではない等の問題があった。
従って本発明の課題は、汚染物に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素、砒素及びセレンの濃度を土壌環境基準未満に低減できる経済的かつ効率的な処理技術を提供することである。
そこで本発明者は、検討を重ねた結果、有害物質としてふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上を含む汚染物を処理するに際し、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰、アルカリ金属リン酸塩、リン酸カルシウムを組み合わせた組成物を使用することで、前記4種の有害物質の溶出量を同時に土壌環境基準以下に低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[6]に係るものである。
[1]カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰、アルカリ金属リン酸塩及びリン酸カルシウムを含有することを特徴とする、汚染物からのふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出防止剤。
[2]カルシウムアルミネートが、CaOとAl23がCaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むものである[1]に記載の溶出防止剤。
[3]カルシウムアルミネートが、前記結晶質カルシウムアルミネートと、前記非晶質カルシウムアルミネートとを100:10〜100:300の質量比で含むものである[2]に記載の溶出防止剤。
[4]アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである[1]〜[3]のいずれかに記載の溶出防止剤。
[5]リン酸カルシウムが、リン酸二水素カルシウムである[1]〜[4]のいずれかに記載の溶出防止剤。
[6]ふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超える汚染物に、[1]〜[5]のいずれかに記載の溶出防止剤を添加、混合することを特徴とする、該汚染物からのふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出防止方法。
本発明の溶出防止剤で処理した汚染物は、経済的かつ効率的な処方で汚染物中に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素、砒素、及びセレンの溶出量を土壌環境基準以下に低減できるため、溶出防止処理後の汚染物を埋め戻し材等の土工材料として使用した際に環境安全性を確保することができる。よって、本発明は有害物質で汚染された汚染物の有効利用の促進に極めて有用な技術である。
本発明の溶出防止剤に用いるカルシウムアルミネートは、基本的にはCaO原料とAl23原料を熱処理することにより得られる物質である。カルシウムアルミネートは、化学成分としてCaOとAl23からなる結晶質やガラス化が進んだ構造の水和活性物質であれば良く、CaOとAl23に加えて他の化学成分が加わった化合物、固溶体、ガラス質物質又はこれらの混合物等でもよい。前者(結晶質)としては、例えば12CaO・7Al23、CaO・Al23、3CaO・Al23、CaO・2Al23、CaO・6Al23等が挙げられ、後者(ガラス質)としては、例えば、4CaO・3Al23・SO3、11CaO・7Al23・CaF2、Na2O・8CaO・3Al23等が挙げられる。
さらに、本発明で用いるカルシウムアルミネートとしては、結晶質カルシウムアルミネートと非晶質カルシウムアルミネートとを含むものが好ましく、十分な溶出防止効果を得る点から、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むものがより好ましい。
CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートは、前記のようなCaO源とAl23源をそれぞれCaO換算及びAl23換算して当該モル比の範囲になるように混合したものを、例えば1600℃で加熱し、これを徐冷すれば得られる。また、徐冷は、加熱装置内での自然放冷が一般的に採用できるが、加熱装置の構造上急激な温度低下が起こる場合は、概ね10℃/分以下の降温速度になるよう加熱調整するのが好ましい。CaO源は特に限定されないが、例えば石灰石粉、消石灰や生石灰粉を好適に挙げることができ、Al23源は、例えばボーキサイト粉、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミ残灰、アルミナ粉末等を好適に挙げることができる。該結晶質カルシウムアルミネートのブレーン比表面積は、3000〜10000cm2/gが好ましく、これと共に使用する非結晶質カルシウムアルミネートのブレーン比表面積と概ね同じものとするのが好ましい。
CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートは、CaO源とAl23源をそれぞれCaO換算及びAl23換算して当該モル比の範囲に混合したものを、例えば1400〜1900℃で加熱溶融し、これを急冷することによって得られる。急冷は、例えば溶融物の該加熱温度からの炉外取り出し、水中急冷、冷却ガスの吹き付け等の公知の急冷手法で行うことができる。また前記非晶質カルシウムアルミネートは、粉砕・分級・篩い分け等を適宜行うことによって粒度を調整し、ブレーン比表面積で3000〜10000cm2/gにしたものを用いるのが好ましい。なお、CaO源及びAl23源は、前記結晶質カルシウムアルミネートの場合と同じものが使用できる。
本発明で用いるカルシウムアルミネートは、前記のCaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートと、前記のCaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートを、100:10〜100:300の質量比で含むものが好ましく、100:50〜100:200の質量比で含むものがより好ましい。この質量比のカルシウムアルミネート混合物を用いることで、有害物質を含む廃棄物に対する溶出防止効果を特に良好に発揮することができる。
本発明に用いる硫酸アルミニウムは、化学成分としてAl2(SO43・nH2Oで表される水和物、あるいはAl2(SO43で表される無水塩の何れでも良い。好ましくは、有害物質の溶出抑制効果に優れていることからnが14〜18の水和物が良い。
本発明に用いる石灰は、化学成分としてCaOで表される酸化カルシウムを主成分とするもの、あるいは化学成分としてCa(OH)2で表される水酸化カルシウムを主成分とするものが使用でき、これら両方を含むものであっても良い。好ましくは、有害物質の溶出抑制効果に優れていることから酸化カルシウムの含有量が多い石灰が好ましい。石灰の粉末度は、ブレーン比表面積として2000cm2/g以上のものが好ましい。
本発明に用いるアルカリ金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどの易溶性の塩が挙げられる。本発明では、アルカリ金属リン酸塩を配合することにより、良好な溶出抑制効果が得られる。アルカリ金属リン酸塩としては、下記式(1)〜(3)で表されるリン酸カリウムが好ましく、溶出抑制効果に優れていることから下記式(2)で表されるリン酸二水素カリウムがより好ましい。
2HPO4 (1)
KH2PO4 (2)
3PO4 (3)
本発明に用いるリン酸カルシウムとしては、下記式(4)〜(6)で表されるリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムが好ましく、良好な溶出抑制効果が得られることから下記式(6)で表されるリン酸二水素カルシウムがより好ましい。
Ca3(PO4)2 (4)
CaHPO4 (5)
Ca(H2PO4)2 (6)
本発明の溶出防止剤において、硫酸アルミニウム、石灰、アルカリ金属リン酸塩およびリン酸カルシウムの配合割合は、カルシウムアルミネート100質量部に対して硫酸アルミニウム5〜50質量部、石灰2〜20質量部、アルカリ金属リン酸塩0.5〜10質量部及びリン酸カルシウム20〜500質量部となるように配合すると、良好な溶出防止効果が得られるため好ましい。
また、本発明の溶出防止剤には、溶出防止効果を損なわない限り、還元剤、セメント等の固化剤、タンカル粉末等の増量剤などを配合しても良い。
本発明の溶出防止剤が対象とする汚染物には、重金属等の有害物質で汚染された土壌や底質などが挙げられる。さらに、汚染物としては、ふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超えるものを対象とするのが好ましい。汚染土壌としては、工場や廃棄物処理場の跡地等において、ふっ素、ほう素、重金属等の有害物質で汚染された土壌、ふっ素、ほう素、重金属等を自然由来の有害物質として含む土壌、または下水管等を埋設するためにふっ素、ほう素、重金属等を含む土壌を推進工法などで掘削した際に発生する汚泥などが挙げられる。底質は、海域、港湾、河川、水路、湖沼などの水底の土砂やヘドロ等であり、海域や河川等の浚渫工事で発生する浚渫土や津波等で陸上に滞留した堆積土などが挙げられる。また、これらの汚染物と本発明の溶出防止剤との混合を容易に行うためには、汚染物の最大粒径は1.2mm以下が好ましい。
前記有害物質が土壌環境基準を超える汚染物を本発明の溶出防止剤で処理するには、汚染物に溶出防止剤を添加して混合すればよい。汚染物に対する溶出防止剤の添加量は、有害物質の含有量によるが汚染物100質量部に対して0.5〜15質量部とするのが好ましく、経済性の面から0.5〜5質量部とするのがより好ましい。
本発明の溶出防止剤と汚染物との混合方法は、特に制限されず、パン型ミキサーや強制二軸ミキサーなどの一般的なミキサーを用いて本発明の溶出防止剤と汚染物を混合して、有害物質の溶出防止処理を行うことができる。また、溶出防止処理を施した汚染物は、土工材料として有効利用することができ、具体的には、埋め戻し材、路盤材、盛土材、裏込材、土壌改良材、道路資材等に使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(溶出防止剤)
CaO源に石灰石(CaO含有量;56質量%)、Al23源にバン土頁岩(Al23含有量;88質量%)のそれぞれ粗砕粒(粒径約1mm以下)を用い、以下のA1〜A6で表すカルシウムアルミネートの粉末を作製した。その作製方法は、CaO源とAl23源を所定のモル比に配合したものを、電気炉で1800℃(±50℃)に加熱し、60分間保持した後、加熱を停止して炉内で自然放冷して得た(A1〜A4)。同様に1800℃(±50℃)に加熱し、60分間保持した後、温度1800℃の電気炉から加熱物を常温下に取り出し、取り出し後は直ちに加熱物表面に流量約100cc/秒で窒素ガスを吹き付けて急冷して得た(A5〜A7)。得られた冷却物はボールミルで粉砕し、ブレーン比表面積が5000±500cm2/gとなるよう粉砕時間を変えて粉末度を調整した。
A1;CaO/Al23=モル比1.0の結晶質カルシウムアルミネート
A2;CaO/Al23=モル比1.3の結晶質カルシウムアルミネート
A3;CaO/Al23=モル比1.7の結晶質カルシウムアルミネート
A4;CaO/Al23=モル比0.5の結晶質カルシウムアルミネート
A5;CaO/Al23=モル比1.7の非晶質カルシウムアルミネート
A6;CaO/Al23=モル比2.3の非晶質カルシウムアルミネート
A7;CaO/Al23=モル比2.9のガラス化率10%のカルシウムアルミネート
A1〜A7のカルシウムアルミネートと次に示すB〜Eから選定される材料を用い、表2に示す配合割合でヘンシェル型ミキサーを用いて3分間乾式混合し、溶出防止剤を作製した。
B;硫酸アルミニウム14−18水和物:関東化学社製 粉末試薬
C;酸化カルシウム:関東化学社製 粉末試薬
D;リン酸二水素カリウム:関東化学社製 粉末試薬
E;リン酸二水素カルシウム:太平化学産業社製 食品添加物用粉末
Figure 0006046476
(汚染物)
有害物質を含む汚染物として最大粒径が1.2mm以下の汚染土壌(汚泥)2種類を使用した。これらの汚染土壌について、環境庁告示第46号に準じた方法により、ふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出量を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 0006046476
(溶出量の測定)
表3に示す汚染土壌に表2の溶出防止剤を表5に示す配合割合で加え、モルタルミキサーで3分間混合して混合物を調整した。該混合物を20℃の温度で7日間風乾養生した後に、環境庁告示第46号に準じた方法でふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出量を測定した。溶出量の測定結果を表5に示す。
〔環境庁告示第46号に準じた溶出量測定方法〕
(1)7日間風乾養生した後、試料を解砕し、ふるい2mm通過分を採取混合する。
(2)容積1000mLのポリ容器に試料50gを計りとり、溶媒(純水1Lに0.5mol塩酸を加えてpH6.1に調整したもの)500gを加え、振とう機(振とう回数200回/分)で6時間振とうする。
(3)ポリ容器を30分静置した後、試料液の上澄みを孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して検液とする。
(4)採取した検液の成分を表4に示す方法で測定する。
Figure 0006046476
Figure 0006046476
表5の結果より、本発明の溶出防止剤を混合した汚染土壌は、いずれもふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)の規定値以下に抑制されており、溶出防止効果が良好に発揮されていることが分かる。また、カルシウムアルミネートとして、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを100:50〜100:200の質量比で含むものを配合したNo.2〜4、6、9〜11、13の溶出防止剤を使用した実施例2〜7、9、12〜14、16では、前記4種の有害物質に対する溶出抑制効果が特に高かった。また、本発明の溶出防止剤を用いたものは、ふっ素の溶出量が多い汚染土壌(PS−1)と砒素およびセレンの溶出量が多い汚染土壌(PS−2)のいずれに対しても溶出抑制効果が良好であることから、前記4種の有害物質の溶出量が異なる場合でも、それら有害物質の溶出を十分に抑制できることが分かる。これに対し、本発明以外の溶出防止剤を用いた場合は、前記4種の有害物質のいずれかの溶出量が土壌環境基準を超過しており、溶出防止効果は不十分であった。

Claims (6)

  1. カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰、アルカリ金属リン酸塩及びリン酸カルシウムを含有することを特徴とする、汚染物からのふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出防止剤。
  2. カルシウムアルミネートが、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=0.9〜1.4の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むものである請求項1に記載の溶出防止剤。
  3. カルシウムアルミネートが、前記結晶質カルシウムアルミネートと、前記非晶質カルシウムアルミネートとを100:10〜100:300の質量比で含むものである請求項2に記載の溶出防止剤。
  4. アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の溶出防止剤。
  5. リン酸カルシウムが、リン酸二水素カルシウムである請求項1〜4のいずれかに記載の溶出防止剤。
  6. ふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超える汚染物に、請求項1〜5のいずれかに記載の溶出防止剤を添加、混合することを特徴とする、該汚染物からのふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出防止方法。
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