JP5976416B2 - 土工材料 - Google Patents

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Description

本発明は、底質を使用し、埋め戻し材などに利用される土工材料に関し、詳細には底質に含まれる有害物質の酸性環境下における溶出量を土壌環境基準以下に抑制した土工材料に関する。
底質とは海域、港湾、河川、水路、湖沼などの水底の土砂やヘドロ等のことである。底質の粒度組成としては一般に粒径63μm以上の砂質と粒径63〜5μmのシルトおよび粒径5μm以下の粘土から構成されており、ヘドロなどではシルトや粘土などの微粒子の割合が多い。また、底質には有機物や硫化物、さらには重金属などが含まれていることも多い。そのため、特に海域や河川等の底質の浚渫工事で発生する浚渫土、あるいは津波等で陸上に滞留した底質の堆積土などにおいては、その処理方法が大きな課題となっている。廃棄物の低減という側面からは、底質の浚渫土や堆積土を埋め戻し材などの土木材料として有効利用していくのが望ましいが、そのためには、底質からの有害物質の溶出という環境安全面の問題を解決する必要がある。具体的には、底質に含まれる主な有害物質であるふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)を超える恐れがあることが、その有効利用の妨げとなっている。表1に土壌環境基準(環境庁告示第46号)に規定されているふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量を示す。
Figure 0005976416
この課題を解決するため、従来は、底質を洗浄することにより、有害物質を除去する方法が用いられてきた(特許文献1)。しかし、この方法では、洗浄により重金属などの有害物質を含んだ排水が発生し、その排水処理も必要となることから処理工程が複雑になり経済性に劣るという問題があった。そのため、有害物質を含む底質をより効率的かつ経済的に土工材料として有効利用する技術が望まれており、具体的には、底質に含まれる有害物質を不溶化して溶出を防止することで、洗浄等の処理を行うことなく土工材料に利用できる技術が求められていた。
従来、ふっ素の不溶化技術としては、消石灰などのカルシウム塩を使用して難溶性のふっ化カルシウムを生成させる方法、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を使用して水酸化マグネシウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、ほう素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩の使用、あるいは、硫酸アルミニウムと消石灰を併用することで、ふっ素を吸着・不溶化する方法が知られている。また、砒素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法、塩化第二鉄などの鉄塩を使用して水酸化鉄が生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、鉛の不溶化技術としては、アルカリ沈殿法による水酸化物としての不溶化処理が知られている。
しかし、これらの方法では不溶化の効果が低いため、底質からのこれらの有害物質の溶出量を前記土壌環境基準以下に抑制することは困難であった。
また、底質とは異なるが、汚染土壌において特定の有害物質の溶出を抑制する方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、砒素や6価クロムをキレート剤であるジチオカルバミン酸塩で捕捉・不溶化する技術が報告されている。しかし、この技術は、ジチオカルバミン酸塩は砒素などの不溶化には有用あるが、ふっ素やほう素の溶出抑制には効果が認められないため、ふっ素、ほう素および鉛などの重金属類を有害物質として含む、底質の溶出抑制にこの技術を適用することはできない。
また、特許文献3には、汚染土壌に水硬性結合材であるセメントまたは石灰を添加することで、汚染土壌に含まれるふっ素やほう素の溶出を抑制する技術が報告されている。しかし、この技術では、重金属類の溶出防止には効果が認められないことから、ふっ素、ほう素および重金属類を有害物質として含む底質の溶出抑制にこの技術を適用することはできない。
また、有害物質を含む底質を土工材料として有効利用するためには、不溶化処理した底質における重金属等の溶出防止効果が、環境条件によらず安定的に保たれる必要がある。
底質とは異なるが、不溶化処理した汚染土壌において重金属等の有害物質が溶出する環境条件としては、pHが最も重要な要因であることが既往の調査結果から明らかになっている。pH変化に対する重金属等の溶出挙動については、重金属等で汚染した土壌を不溶化処理したものについて、pH4.0 の酸性雨に年間降雨量2,000mm で100 年間曝された場合を考慮した評価試験方法が社団法人土壌環境センターより提案されており(GEPC技術標準TS-02-S1 重金属等不溶化処理土壌のpH変化に対する安定性の相対的評価方法)、不溶化処理した底質についても、このような酸性環境下での重金属等の溶出を防止する必要がある。
このような観点から、酸性雨に曝された状況において焼却灰などの廃棄物からの有害物質の溶出を抑制する方法が提案されている。すなわち、ゴミ焼却灰を廃白土と固化材で固化して鉛やカドミウムの溶出を防ぐ技術(特許文献4)、ゴミ焼却灰等の廃棄物に鉄塩または鉄塩と鉱酸を添加混合して鉛等の重金属の溶出を防止する技術(特許文献5、6)、焼却炉で発生するアルカリ飛灰からの鉛やカドミウムの溶出を炭酸ガスとリン酸塩を用いて防止する方法(特許文献7)が報告されている。しかしながら、これらの酸性環境下で溶出防止を図る技術については、不溶化に必要な薬剤量が多い、一部の有害物質だけの溶出抑制ができる手段にすぎない、特別な処理設備が必要になる、さらには底質を対象とした技術ではない等の問題があった。そのため、これらの技術では、有害物質を含む底質を経済的かつ効率的に不溶化処理し、酸性環境下において溶出防止効果を保つことが困難であった。
特開2011−088040号公報 特開2001−121133号公報 特開2004−089816号公報 特開平5−096263号公報 特開平8−099075号公報 特開平8−192128号公報 特開平8−155417号公報
従って、本発明の課題は、底質を使用した土工材料において、底質に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素および重金属類(砒素、鉛)の酸性環境下における溶出量を土壌環境基準以下に抑制できる経済的かつ効率的な土工材料の処方を提供することにある。
本発明者は、検討を重ねた結果、ふっ素、ほう素及び重金属類(砒素、鉛)から選ばれる1種以上を含む底質を土工材料として使用するに際し、底質とカルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰及びアルカリ金属リン酸塩とを組み合わせることで、該土工材料を水と混合して得られる混合物からの有害物質の溶出量を酸性雨に長期間曝される条件を想定した酸性環境下でも土壌環境基準以下に抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[5]に係るものである。
[1](A)ふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上の酸性環境下における溶出量が土壌環境基準を超える底質、(B)CaOとAl 2 3 が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl 2 3 の含有モル比がCaO/Al 2 3 =1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むカルシウムアルミネート、(C)硫酸アルミニウム、(D)石灰及び(E)アルカリ金属リン酸塩を含有する土工材料。
[2](B)カルシウムアルミネートが、CaOとAl23が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを100:15〜100:120の質量比で含むものである[1]に記載の土工材料。
[3](E)アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである[1]又は[2]に記載の土工材料。
[4]ふっ素、ほう素、砒素及びセレンの酸性環境下における溶出量が土壌環境基準以下に抑制されたものである[1]〜[3]のいずれかに記載の土工材料。
本発明の底質を使用した土工材料は、経済的な処方で底質に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素および重金属類(ひ素、鉛)の酸性環境下での溶出量を土壌環境基準以下に抑制できるため、該土工材料が酸性雨に長期間曝されても環境安全性を保つことができる。よって、本発明は底質の有効利用の促進に極めて有用な技術である。
本発明の土工材料に用いる(A)底質とは、海域、港湾、河川、水路、湖沼などの水底の土砂やヘドロ等であり、ふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の酸性環境下における溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)を超える底質である。底質としては、前記の土砂やヘドロ等を陸上に上げたもの、すなわち、海域や河川等の浚渫工事で発生する浚渫土あるいは津波等で陸上に滞留した堆積土が特に適している。底質は、通常、砂質(粒径63μm以上)、シルト(粒径63〜5μm)及び粘土(粒径5μm以下)を含有し、これらの含有比率は問わない。
本発明の土工材料に用いる(B)カルシウムアルミネートは、基本的にはCaO原料とAl23原料を熱処理することにより得られる物質である。カルシウムアルミネートは化学成分としてCaOとAl23からなる結晶質やガラス化が進んだ構造の水和活性物質であれば良く、CaOとAl23に加えて他の化学成分が加わった化合物、固溶体、ガラス質物質又はこれらの混合物等でもよい。前者(結晶質)としては例えば12CaO・7Al23、CaO・Al23、3CaO・Al23、CaO・2Al23、CaO・6Al23等が挙げられ、後者(ガラス質)としては例えば、4CaO・3Al23・SO3、11CaO・7Al23・CaF2、Na2O・8CaO・3Al23等が挙げられる。
さらに、本発明で用いる(B)カルシウムアルミネートとしては、結晶質カルシウムアルミネートと非晶質カルシウムアルミネートとを含むものが好ましく、CaOとAl23が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むものがより好ましい。
CaOとAl23が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートは、前記のようなCaO源とAl23源をそれぞれCaO換算及びAl23換算して等モル比となるよう混合したものを、例えば1600℃で加熱し、これを徐冷すれば得られる。また、徐冷は加熱装置内での自然放冷が一般的に採用できるが、加熱装置の構造上急激な温度低下が起こる場合は、概ね10℃/分以下の降温速度になるよう加熱調整するのが好ましい。CaO源は特に限定されないが、例えば石灰石粉、消石灰や生石灰粉を好適に挙げることができ、Al23源は例えばボーキサイト粉、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミ残灰、アルミナ粉末等を好適に挙げることができる。該結晶質カルシウムアルミネートのブレーン比表面積は、3000〜10000cm2/gが好ましく、これと共に使用する非結晶質カルシウムアルミネートのブレーン比表面積と概ね同じものとするのが好ましい。
CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートは、CaO源とAl23源をそれぞれCaO換算及びAl23換算して当該モル比の範囲に混合したものを、例えば1400〜1900℃で加熱溶融し、これを急冷することによって得られる。急冷は、例えば溶融物の該加熱温度からの炉外取り出し、水中急冷、冷却ガスの吹き付け等の公知の急冷手法で行うことができる。CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.6未満では反応性が低下し、溶出防止効果が十分得られない場合がある。またモル比(CaO/Al23)が2.6を超えると、ガラス化には極めて高い融点と当該温度からの急冷操作が必要になり、製造が困難となるため実用的でない。また前記非晶質カルシウムアルミネートは、粉砕・分級・篩い分け等を適宜行うことによって粒度を調整し、ブレーン比表面積で3000〜10000cm2/gにしたものを用いるのが好ましい。なお、CaO源及びAl23源は、前記結晶質カルシウムアルミネートの場合と同じものが使用できる。
本発明で用いる(B)カルシウムアルミネートは、前記のCaOとAl23が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、前記のCaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートを、100:10〜100:200の質量比で含むものが好ましく、100:15〜100:120の質量比で含むものがより好ましい。この質量比のカルシウムアルミネート混合物を用いることで、有害物質を含む底質と組み合わせた土工材料とした場合に溶出防止効果を特に良好に発揮することができる。
本発明に用いる(C)硫酸アルミニウムは、化学成分としてAl2(SO43・nH2Oで表される水和物、あるいはAl2(SO43で表される無水塩の何れでも良い。好ましくは、有害物質の溶出抑制効果に優れていることからnが14〜18の水和物が良い。
本発明に用いる(D)石灰は、化学成分としてCaOで表される酸化カルシウムを主成分とするもの、あるいは化学成分としてCa(OH)2で表される水酸化カルシウムを主成分とするものが使用でき、これら両方を含むものであっても良い。好ましくは、有害物質の溶出抑制効果に優れていることから酸化カルシウムの含有量が多い石灰が好ましい。石灰の粉末度はブレーン比表面積として2000cm2/g以上のものが好ましい。
本発明に用いる(E)アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどの易溶性の塩が挙げられる。本発明では、アルカリ金属リン酸塩を配合することにより、良好な溶出抑制効果が得られる。アルカリ金属リン酸塩としては下記式(1)〜(3)で表されるリン酸カリウムが好ましく、溶出抑制効果に優れていることから下記式(2)で表されるリン酸二水素カリウムがより好ましい。
2HPO4 (1)
KH2PO4 (2)
3PO4 (3)
本発明において、溶出防止成分である(B)カルシウムアルミネート(C)硫酸アルミニウム、(D)石灰および(E)アルカリ金属リン酸塩の配合割合は、(B)カルシウムアルミネート100質量部に対して(C)硫酸アルミニウム3〜40質量部、(D)石灰2〜20質量部及び(E)アルカリ金属リン酸塩0.5〜4質量部となるように配合すると、良好な溶出防止効果が得られるため好ましい。
本発明の土工材料において、(A)底質と溶出防止成分である(B)カルシウムアルミネート、(C)硫酸アルミニウム、(D)石灰、(E)アルカリ金属リン酸塩の配合割合は、(A)底質100質量部に対し、(B)カルシウムアルミネート、(C)硫酸アルミニウム、(D)石灰、(E)アルカリ金属リン酸塩の合計が0.5〜10質量部となるように配合するのが好ましく、経済性の面から0.5〜5質量部とするのがより好ましい。
本発明の土工材料の用途は特に限定されず、盛土材、埋め戻し材、裏込材、土壌改良材、道路資材、コンクリートなどのセメント製品用混和材などに有効活用できる。また、本発明の土工材料の製造方法についても特に限定はされず、一般的な製造方法を用いることができる。例えば、本発明の土工材料を埋め戻し材として使用する場合は、現場でパン型ミキサーや強制二軸ミキサーなどの一般的なミキサーを用いて本発明の土工材料をスラリー状または塊状の混合物に加工して埋め戻し作業を行うことができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(A)底質
表2に示す粒度構成、含水率、強熱減量の海底浚渫土を使用した。この底質について、社団法人土壌環境センターの技術標準(GEPC TS−02−S1:重金属等不溶化処理土壌のpH変化に対する安定性の相対的評価方法)に準じた方法で測定した酸性環境下でのふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量を表3に示す。
Figure 0005976416
Figure 0005976416
(B)カルシウムアルミネート
CaO源に石灰石(CaO含有量;56質量%)、Al23源にバン土頁岩(Al23含有量;88質量%)のそれぞれ粗砕粒(粒径約1mm以下)を用い、以下のA1〜A6で表すカルシウムアルミネートの粉末を作製した。その作製方法は、CaO源とAl23源を所定のモル比に配合したものを、電気炉で1800℃(±50℃)に加熱し、60分間保持した後、加熱を停止して炉内で自然放冷して得た(B1〜B3)。同様に1800℃(±50℃)に加熱し、60分間保持した後、温度1800℃の電気炉から加熱物を常温下に取り出し、取り出し後は直ちに加熱物表面に流量約100cc/秒で窒素ガスを吹き付けて急冷して得た(B4〜B6)。得られた冷却物はボールミルで粉砕し、ブレーン比表面積が5000±500cm2/gとなるよう粉砕時間を変えて粉末度を調整した。
B1;CaO/Al23=モル比1.0の結晶質カルシウムアルミネート
B2;CaO/Al23=モル比1.7の結晶質カルシウムアルミネート
B3;CaO/Al23=モル比0.5の結晶質カルシウムアルミネート
B4;CaO/Al23=モル比1.7の非晶質カルシウムアルミネート
B5;CaO/Al23=モル比2.3の非晶質カルシウムアルミネート
B6;CaO/Al23=モル比2.9のガラス化率10%のカルシウムアルミネート
(C)硫酸アルミニウム14−18水和物:関東化学社製 粉末試薬
(D)酸化カルシウム:関東化学社製 粉末試薬
(E)リン酸二水素カリウム:関東化学社製 粉末試薬
B1〜B6のカルシウムアルミネートと上記(C)(D)(E)から選定される材料を用い、表4に示す配合割合でヘンシェル型ミキサーを用いて3分間乾式混合し、本発明の土工材料および比較品の土工材料に使用する溶出防止成分を調合した。
Figure 0005976416
(土工材料の作成、溶出量の測定)
(A)底質に表4の溶出防止成分を表6に示す配合割合で配合し、本発明の土工材料および比較品の土工材料を作成した。次に、該土工材料100質量部に対して水を60質量部加え、モルタルミキサーで3分間混合して混合物を調整した。該混合物をビニール袋内に封入して20℃の温度で養生し、養生期間1、7日経過後に、社団法人土壌環境センターの技術標準(GEPC TS−02−S1:重金属等不溶化処理土壌のpH変化に対する安定性の相対的評価方法)に準じた方法で、酸性環境下でのふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量を測定した。溶出量の測定結果を表6に示す。
〔GEPC TS−02−S1に準じた溶出量測定方法〕
(1)所定期間養生後の試料を粗砕し、ふるい2mm通過分を採取混合する。
(2)容積1000mLのポリ容器に試料50gを計りとり、溶媒として硫酸水溶液(0.769mmol/L)500gを加え、振とう機(振とう回数200回/分)で6時間振とうする。
(3)ポリ容器を30分静置した後、試料液の上澄みを孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して検液とする。
(4)採取した検液の成分を表5に示す方法で測定する。
Figure 0005976416
Figure 0005976416
表6の結果より、本発明の土工材料は、養生期間が7日の場合はいずれもふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)の規定値以下に抑制されており、酸性環境下での溶出防止効果が良好に発揮されていることが分かる。また、(A)底質100質量部に対してNo.1〜4の溶出防止成分を2質量部以上配合した本発明1および本発明3〜7では、養生期間が1日の場合でもふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量が土壌環境基準の規定値以下に抑制されており、特に溶出防止効果が良好であることが分かる。これに対し、比較品の土工材料では、No.12の溶出防止剤を使用した比較品3の養生期間が1日のほう素の溶出量および7日のほう素と砒素の溶出量を除けばいずれも土壌環境基準を超過しており、有害物質を含む底質を土工材料として使用するには溶出防止効果が不十分であった。

Claims (4)

  1. (A)ふっ素、ほう素、砒素及びセレンから選ばれる1種以上の酸性環境下における溶出量が土壌環境基準を超える底質、(B)CaOとAl 2 3 が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl 2 3 の含有モル比がCaO/Al 2 3 =1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを含むカルシウムアルミネート、(C)硫酸アルミニウム、(D)石灰、及び(E)アルカリ金属リン酸塩を含有する土工材料。
  2. (B)カルシウムアルミネートが、CaOとAl23が等モル比の結晶質カルシウムアルミネートと、CaOとAl23の含有モル比がCaO/Al23=1.6〜2.6の非晶質カルシウムアルミネートとを100:15〜100:120の質量比で含むものである請求項1に記載の土工材料。
  3. (E)アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである請求項1又は2に記載の土工材料。
  4. ふっ素、ほう素、砒素及びセレンの酸性環境下における溶出量が土壌環境基準以下に抑制されたものである請求項1〜のいずれか1項記載の土工材料。
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