JP2018158306A - 固化不溶化体、及び、固化不溶化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重金属類を含む焼却灰を含むにもかかわらず、重金属類の溶出が抑制された固化不溶化体を提供する。【解決手段】重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含む固化不溶化体。該固化不溶化体中、SiO2の含有率は、好ましくは5〜65質量%、Fe2O3の含有率は、好ましくは1〜15質量%、MgOの含有率は、好ましくは0.1〜20質量%である。重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を混合して、固化不溶化体を得る固化不溶化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、固化不溶化体、及び、固化不溶化方法に関する。
火力発電所で発生する石炭灰等の焼却灰を、盛土材、埋戻し材、地盤改質材等の土工資材として有効利用する方法が検討されている。
しかし、石炭灰等の焼却灰には、カドミウム、六価クロム、シアン、水銀、セレン、鉛、ひ素、フッ素、又は、ホウ素(以下、「重金属等」ともいう。)等が含まれている場合がある。このため、焼却灰から重金属等が溶出し、土壌が重金属等で汚染されるという問題がある。
石炭灰中の重金属等の溶出を抑制する方法として、特許文献1には、石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする、石炭灰中の重金属不溶化方法が記載されている。
また、焼却灰中のフッ素、又は、ホウ素の溶出を防止する方法として、特許文献2には、フッ素あるいはホウ素が溶出する土壌又はフッ素あるいはホウ素が溶出する焼却灰に水硬性結合材を添加、混合することを特徴とする土壌又は焼却灰中のフッ素又はホウ素の固化不溶化方法が記載されている。
特開2016−47519号公報 特開2004−89816号公報
本発明の目的は、重金属類を含む焼却灰を含むにもかかわらず、重金属類の溶出が抑制された固化不溶化体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含む固化不溶化体によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[10]を提供するものである。
[1] 重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含むことを特徴とする固化不溶化体。
[2] 上記固化不溶化体中、SiOの含有率が5〜65質量%、Feの含有率が1〜15質量%、MgOの含有率が0.1〜20質量%である前記[1]に記載の固化不溶化体。
[3] 上記重金属類を含む焼却灰が石炭灰である前記[1]又は[2]に記載の固化不溶化体。
[4] 上記鉄化合物が、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、及びポリ硫酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の固化不溶化体。
[5] 上記重金属類を含む焼却灰100質量部に対して、上記酸化マグネシウム含有物質の量が0.1〜20質量部、上記鉄化合物の量が0.1〜20質量部、上記水の量が1〜50質量部である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の固化不溶化体。
[6] 上記重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を混合して、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の固化不溶化体を得る固化不溶化方法。
[7] 上記酸化マグネシウム含有物質中の酸化マグネシウムの含有率が20質量%以上である前記[6]に記載の固化不溶化方法。
[8] 上記重金属類を含む焼却灰中、SOの含有率が8.0質量%以下またはCaOの含有率が20.0質量%以下である前記[6]又は[7]に記載の固化不溶化方法。
[9] 上記重金属類を含む焼却灰と上記酸化マグネシウム含有物質を混合してなる混合物と、上記鉄化合物と上記水を混合してなる混合物を、混合して上記固化不溶化体を得る前記[6]〜[8]のいずれかに記載の固化不溶化方法。
[10] 上記重金属類を含む焼却灰と上記鉄化合物と上記水を混合して混合物を得た後、該混合物と上記酸化マグネシウム含有物質を混合して上記固化不溶化体を得る前記[6]〜[8]のいずれかに記載の固化不溶化方法。
本発明の固化不溶化体は、重金属類を含む焼却灰を含むにもかかわらず、重金属類の溶出量の低いものである。このため、本発明の固化不溶化材を、盛土材、埋戻し材及び地盤改質材等の土工資材等として使用しても、土壌が重金属類によって汚染されるおそれがない。
本発明の固化不溶化体は、重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含むものである。
重金属類としては、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、ひ素及びその化合物、フッ素及びその化合物、及び、ホウ素及びその化合物(土壌汚染対策法(平成15年)において第二種特定有害物質として挙げられているもの)が挙げられる。中でも、従来は不溶化が難しかった重金属類の不溶化を図ることができるという観点から、セレン及びひ素が好ましく、セレンがより好ましい。
本発明で用いられる重金属類を含む焼却灰の例としては、石炭灰、都市ごみ焼却灰、ペーパースラッジ焼却灰、炉清掃排出物、コークス灰、及び、重油燃焼灰等が挙げられる。
上記焼却灰中、SiOの含有率は、好ましくは30〜80質量%(より好ましくは50〜70質量%)、Alの含有率は、好ましくは10〜40質量%(より好ましくは20〜35質量%)、Feの含有率は、好ましくは1〜15質量%(より好ましくは2〜10)質量%である。SiO、Al、及び、Feの各含有率が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。
また、上記焼却灰中のSOの含有率は、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは0.1〜6.0質量%、さらに好ましくは0.2〜4.0質量%、特に好ましくは0.3〜2.0質量%である。該含有率が8.0質量%以下であれば、重金属類(特に、セレン)の溶出をより抑制することができる。
さらに、上記焼却灰中のCaOの含有率は、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは0.5〜15.0質量%、さらに好ましくは0.8〜10.0質量%、特に好ましくは1.0〜5.0質量%である。該含有率が上記数値範囲内であれば、重金属類(特に、セレン)の溶出をより抑制することができる。
本発明で用いられる酸化マグネシウム含有物質中の酸化マグネシウムの含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。該含有率が20質量%以上であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。
酸化マグネシウム含有物質の例としては、軽焼マグネシア、軽焼マグネシアの部分水和物、軽焼ドロマイト、又は、軽焼ドロマイトの部分水和物を含むもの等が挙げられる。中でも、重金属類(特に、セレン)の溶出をより抑制することができ、不純物の含有量が少なく、かつ、入手の容易さの観点から、軽焼マグネシアが好ましい。
軽焼マグネシアの例としては、炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムのいずれか一方または両方を含む原料を、好ましくは600〜1,300℃の温度で焼成することによって得られるものが挙げられる。
軽焼ドロマイトとしては、例えば、ドロマイトを、好ましくは650〜1,100℃の温度で焼成することによって得られるものが挙げられる。
軽焼マグネシアまたは軽焼ドロマイトの部分水和物は、軽焼マグネシアまたは軽焼ドロマイトを粉砕した後、当該粉砕物に水を添加して撹拌し混合するか、または、当該粉砕物を相対湿度80%以上の雰囲気下に1週間以上保持して、軽焼マグネシアまたは軽焼ドロマイトを部分的に水和させることによって得ることができる。
軽焼マグネシアの、原料、焼成温度等の製造条件の詳細は、以下のとおりである。
原料としては、例えば、マグネサイト、ドロマイト、ブルーサイト、及び、海水中のマグネシウム成分を消石灰等のアルカリで沈澱させて得た水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、塊状物でもよいし、粉粒状物でもよい。また、水酸化マグネシウムの沈殿物を含むスラリーやその脱水物でもよい。
また、原料として、マグネサイト、ブルーサイトまたは水酸化マグネシウムを使用する場合の焼成温度(加熱温度)は、好ましくは600〜1,300℃、より好ましくは750〜1,100℃、特に好ましくは800〜1,000℃である。該温度が600℃以上であると、軽焼マグネシアの生成の効率がより向上する。該温度が1,300℃以下であると、重金属等の溶出を抑制する効果がより向上する。
固形原料として、ドロマイトを使用する場合の焼成温度(加熱温度)は、好ましくは600℃以上、750℃未満である。該温度が600℃以上であると、軽焼マグネシアの生成の効率がより向上する。該温度が750℃未満であると、酸化カルシウムが生成しにくいため、酸化カルシウムの生成による重金属等(特に、セレン)の溶出を抑制する効果の低下が起こりにくくなる。
焼成時間(加熱時間)は、固形原料の仕込み量や粒度等によって異なるが、通常、30分間〜5時間である。
重金属類を含む焼却灰100質量部に対する、酸化マグネシウム含有物質の量は、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15質量部、特に好ましくは0.8〜10質量部である。該量が0.1質量部以上であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。該量が20質量部以下であれば、固化不溶化体のpHが過度に高くなる(例えば、pH12.0以上)ことを防ぐことができる。
本発明で用いられる鉄化合物の例としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、及びポリ硫酸第二鉄等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、重金属類の溶出をより抑制する観点からは、塩化第一鉄が好ましい。また、鉄化合物にかかるコスト低減の観点からは、塩化第二鉄が好ましい。
重金属類を含む焼却灰100質量部に対する、鉄化合物の量は、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは、0.3〜10質量部、特に好ましくは0.4〜5質量部である。該量が0.1質量部以上であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。該量が20質量部以下であれば、鉄化合物にかかるコストの過度の上昇を防ぐことができる。
重金属類を含む焼却灰100質量部に対する、水の量は、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは2〜40質量部、特に好ましくは3〜30質量部である。該量が1質量部以上であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。該量が50質量部以下であれば、固化不溶化体の保管や運搬がより容易となる。
本発明の固化不溶化体中、SiOの含有率は、好ましくは5〜65質量%(より好ましくは15〜60質量%、さらに好ましくは30〜58質量%、特に好ましくは35〜55質量%)、Alの含有率は、好ましくは5〜40質量%(より好ましくは10〜35質量%、特に好ましくは15〜30質量部)、Feの含有率は、好ましくは1〜15質量%(より好ましくは1.5〜10質量%、さらに好ましくは2.0〜8質量部、特に好ましくは2.5〜6質量部)、MgOの含有率は、好ましくは0.1〜20質量%(より好ましくは0.4〜15質量%、特に好ましくは0.6〜10質量%)である。SiO、Al、Fe、及び、MgOの各含有率が上記数値範囲内であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。
なお、重金属類を含む焼却灰が石炭灰である場合、重金属類の溶出をより抑制する観点から、本発明の固化不溶化体中、SiOの含有率は、好ましくは30〜65質量%(より好ましくは35〜55質量%)、Feの含有率は、好ましくは1〜15質量%(より好ましくは2〜10質量%)、MgOの含有率は、好ましくは0.1〜20質量%(より好ましくは0.4〜15質量%、特に好ましくは0.6〜10質量%)である。
また、上記固化不溶化体中のSOの含有率は、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは0.1〜6.0質量%、さらに好ましくは0.2〜4.0質量%、特に好ましくは0.3〜1.5質量%である。該含有率が8.0質量%以下であれば、重金属類(特に、セレン)の溶出をより抑制することができる。
また、上記固化不溶化体中のCaOの含有率は、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは0.5〜15.0質量%、さらに好ましくは0.8〜10.0質量%、特に好ましくは1.0〜5.0質量%である。該含有率が上記数値範囲内であれば、重金属類(特に、セレン)の溶出をより抑制することができる。
本発明の固化不溶化体は、必要に応じて助材を含んでいてもよい。焼却灰に含まれる重金属類の種類を考慮して、適宜選択した助材を用いることで、重金属類等の溶出をより抑制することができる。
助材の例としては、炭酸カルシウム、珪石粉末、ゼオライト、ベントナイト、硫酸アルミニウム、リン酸カルシウム、頁岩粉末、消石灰、半水石膏、ポリ塩化アルミニウム、及び水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重金属類を含む焼却灰100質量部に対する、助材の量は、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.4〜10質量部、特に好ましくは0.8〜6質量部である。該量が0.1質量部以上であれば、重金属類の溶出をより抑制することができる。該量が20質量部以下であれば、助材にかかるコストの過度の上昇を防ぐことができる。
本発明の固化不溶化体は、上述した重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を混合して製造することができる。
各材料を混合する際に、重金属類の溶出をより抑制する観点から、予め、鉄化合物を、水の一部または全部と混合して鉄化合物水溶液とした後、他の材料と混合することが好ましい。
各材料を混合する方法の例としては、以下の(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を同時に混合する方法
(b)重金属類を含む焼却灰と酸化マグネシウム含有物質を混合してなる混合物と、鉄化合物と水を混合してなる混合物(鉄化合物水溶液)を、混合する方法
(c)重金属類を含む焼却灰と鉄化合物と水を混合して混合物を得た後、該混合物と酸化マグネシウム含有物質を混合する方法
中でも、重金属類の溶出をより抑制する観点から、(b)または(c)の方法が好ましく、(c)の方法がより好ましい。
また、重金属類の溶出をより抑制する観点から、方法(b)において、鉄化合物と水を混合してなる混合物(鉄化合物水溶液)を、複数回(例えば、二回)に分けて、重金属類を含む焼却灰と酸化マグネシウム含有物質を混合してなる混合物に添加し、混合することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)鉄化合物a:塩化第二鉄(和光純薬工業社製、濃度40%、試薬1級)
(2)鉄化合物b:塩化第一鉄(タイキ薬品工業社製、濃度32%)
(3)鉄化合物c:ポリ硫酸第二鉄(南海化学社製、Fe3+:11%以上)
(4)鉄化合物d:硫酸第一鉄1水塩(富士チタン工業社製、商品名:FD)
(5)酸化マグネシウム含有物質a:軽焼マグネシア(太平洋セメント社製、酸化マグネシウムの含有率:92質量%以上、マグネサイトを1,000℃で3時間焼成したもの)
(6)酸化マグネシウム含有物質b:海水中のマグネシウム成分から得られた水酸化マグネシウムを焼成してなる軽焼マグネシア(タテホ化学工業社製、商品名「TATEHOMAG」、酸化マグネシウムの含有率;99質量%以上)
(7)酸化マグネシウム含有物質c:ドロマイトを、電気炉を用いて700℃で30分間焼成した軽焼マグネシア(酸化マグネシウムの含有率;23質量%以上)
(8)助材a:リン酸二カルシウム(無水)(太平化学産業社製)
(9)助材b:ベントナイト(クニミネ工業社製、商品名「クニゲルV1」)
(10)助材c:硫酸アルミニウム(大明化学工業社製、粉末硫酸アルミニウム)
(11)助材d:炭酸カルシウム(秩父太平洋セメント社製)
(12)助材e:ゼオライト(日東粉化工業社製)
(13)助材f:消石灰(奥多摩工業、商品名「特号消石灰」)
(14)助材g:珪石粉末(秩父鉱業社製)
(15)焼却灰1〜7:重金属類を含む焼却灰(各焼却灰の種類、化学組成は、表1に記載した。なお、化学組成は蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII)によって測定した。
Figure 2018158306
[実施例1〜11]
表2に示す焼却灰(実施例において使用する焼却灰)について、表4に示す種類の重金属類の溶出量を、環境庁告示第18号「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」に記載されている方法に準拠して検液作成を行い、「JIS K 0102:2013(工場排水試験方法)」に準拠して測定した。また、重金属類の溶出量の測定に用いられた検液のpHを、pHメーター(堀場製作所社製、商品名「F−52」)およびpH電極(堀場製作所社製、商品名「9615−10D」)を用いて測定した。
次いで、表2に示す種類および配合量の焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、助材、及び水を同時にソイルミキサーに投入した後、5分間混合して、固化不溶化体(混合物)を得た。
得られた固化不溶化体を20℃恒温室で3日間密封養生し、蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII)によって測定した化学組成を表3に示す。また、得られた固化不溶化体の、表4に示す種類の重金属類の溶出量、及び、重金属類の溶出量の測定に用いられた検液のpHを、上記焼却灰と同様にして測定した。
[実施例12]
表2に示す焼却灰(実施例において使用する焼却灰)について、表4に示す種類の重金属類の溶出量を、実施例1と同様にして測定した。
次いで、表2に示す種類および配合量の、焼却灰と酸化マグネシウム含有物質を混合してなる混合物Aと、鉄化合物と水を混合してなる鉄化合物水溶液を別々に作製した後、該鉄化合物水溶液全量中の50質量%となる量の鉄化合物水溶液と、混合物Aを、ソイルミキサーに投入した後、2.5分間混合して混合物Bを作製した。次いで、残りの鉄化合物水溶液を、ホバートミキサーに投入した後、2.5分間混合して固化不溶化体を得た。
得られた固化不溶化体の蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII)によって測定した化学組成を表3に示す。また、得られた固化不溶化体の、表4に示す重金属類の溶出量、及び、重金属類の溶出量の測定に用いられた検液のpHを、実施例1と同様にして測定した。
[実施例13]
表2に示す焼却灰(実施例において使用する焼却灰)について、表4に示す種類の重金属類の溶出量を、実施例1と同様にして測定した。
次いで、表2に示す種類および配合量の、焼却灰と鉄化合物と水をソイルミキサーに投入した後、2.5分間混合した後、酸化マグネシウム含有物質を投入し、さらに2.5分間混合して、固化不溶化体を得た。
得られた固化不溶化体の蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII)によって測定した化学組成を表3に示す。また、得られた固化不溶化体の、表4に示す重金属類の溶出量、及び、重金属類の溶出量の測定に用いられた検液のpHを、実施例1と同様にして測定した。
それぞれの結果を表3、4に示す。
Figure 2018158306
Figure 2018158306
Figure 2018158306
表4から、本発明の固化不溶化体(実施例1〜13)は、重金属類の溶出量が低下しており、土壌汚染対策法における指定基準を満たしていることがわかる。
なお、土壌汚染対策法における指定基準(溶出試験)は、以下のとおりである。セレン:0.01mg/リットル、ひ素:0.01mg/リットル、ホウ素:1mg/リットル、フッ素:0.8mg/リットル、鉛:0.01mg/リットル、六価クロム:0.05mg/リットル

Claims (10)

  1. 重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を含むことを特徴とする固化不溶化体。
  2. 上記固化不溶化体中、SiOの含有率が5〜65質量%、Feの含有率が1〜15質量%、MgOの含有率が0.1〜20質量%である請求項1に記載の固化不溶化体。
  3. 上記重金属類を含む焼却灰が石炭灰である請求項1又は2に記載の固化不溶化体。
  4. 上記鉄化合物が、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、及びポリ硫酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固化不溶化体。
  5. 上記重金属類を含む焼却灰100質量部に対して、上記酸化マグネシウム含有物質の量が0.1〜20質量部、上記鉄化合物の量が0.1〜20質量部、上記水の量が1〜50質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固化不溶化体。
  6. 上記重金属類を含む焼却灰、酸化マグネシウム含有物質、鉄化合物、及び水を混合して、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固化不溶化体を得る固化不溶化方法。
  7. 上記酸化マグネシウム含有物質中の酸化マグネシウムの含有率が20質量%以上である請求項6に記載の固化不溶化方法。
  8. 上記重金属類を含む焼却灰中、SOの含有率が8.0質量%以下またはCaOの含有率が20.0質量%以下である請求項6又は7に記載の固化不溶化方法。
  9. 上記重金属類を含む焼却灰と上記酸化マグネシウム含有物質を混合してなる混合物と、上記鉄化合物と上記水を混合してなる混合物を、混合して上記固化不溶化体を得る請求項6〜8のいずれか1項に記載の固化不溶化方法。
  10. 上記重金属類を含む焼却灰と上記鉄化合物と上記水を混合して混合物を得た後、該混合物と上記酸化マグネシウム含有物質を混合して上記固化不溶化体を得る請求項6〜8のいずれか1項に記載の固化不溶化方法。
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