JP2017006911A - 不溶化剤及び不溶化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の不溶化剤よりも更に砒素やセレンの不溶化効果が高い不溶化剤および不溶化処理方法の提供。【解決手段】ヒ素やセレン等で汚染された土壌からの有害物質の溶出量を低コストで効率的に土壌溶出量基準以下に低減することができる不溶化剤および不溶化処理方法を提供する方法。軽焼酸化マグネシウムと、マンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄とを含む不溶化剤。軽焼酸化マグネシウムを無水物換算で15〜90質量%、及び硫酸第一鉄を15〜90質量%含む不溶化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒ素やセレン等の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超過する汚染土壌や岩石等に対して添加し混合することで、有害物質の溶出量を土壌溶出量基準以下に低減することができる不溶化剤及び不溶化処理方法に関する。
近年、道路・トンネル等の工事では、鉛、ヒ素、フッ素、セレン等を含有した土壌等が大量に発生するケースがある。全ての汚染土壌を掘削除去することは困難であることから、道路路体用盛土、河川築提等に有効利用されることがあり、ヒ素等で汚染された土壌を低コスト・短処理時間で不溶化できる固化材や不溶化剤が市販されている(例えば、特許文献1参照)。また、炭酸マグネシウム軽焼物に硫酸第一鉄のような水溶性硫酸塩を添加した不溶化剤では、ヒ素の不溶化効果が高くなることが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2012−184388号公報 特開2013−31795号公報
しかしながら、大量の汚染土壌等を不溶化処理する場合、従来の不溶化剤(例えば、特許文献1)を用いた場合では不溶化効果が十分ではないため、その結果として不溶化剤の添加量が多くなり、処理コストが高くなるケースがあった。
そこで、本発明は、従来の不溶化剤よりも更に砒素やセレンの不溶化効果が高い不溶化剤および不溶化処理方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、軽焼酸化マグネシウムを必須成分とする無機質粉末組成物に、特定量以上のマンガンを含む硫酸第一鉄を添加して得られた不溶化剤が、従来の不溶化剤よりもヒ素やセレンの不溶化効果がより高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、軽焼酸化マグネシウムと、マンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄とを含むことを特徴とする不溶化剤を提供する。この不溶化剤によれば、低添加量でもヒ素やセレンの不溶化が可能である。
また、本発明は、前記不溶化剤を土壌1mに対して20〜200kg添加し、混合することを含む、不溶化処理方法を提供する。この不溶化処理方法によれば、ヒ素やセレン等で汚染された土壌からの有害物質の溶出量を低コストで効率的に土壌溶出量基準以下に低減することができる。
本発明によれば、ヒ素やセレン等で汚染された土壌からの有害物質の溶出量を低コストで効率的に土壌溶出量基準以下に低減することができる不溶化剤および不溶化処理方法を提供することができる。なお、環境庁告示18号法によるヒ素およびセレンの土壌溶出量基準は0.01mg/L以下である。
以下、本発明の不溶化剤並びに不溶化処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
<不溶化剤>
本発明の不溶化剤は、軽焼酸化マグネシウムと、マンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄とを含むことを特徴とする。
ここで軽焼酸化マグネシウムとは、水酸化マグネシウム(Mg(OH))やマグネサイト鉱石(MgCO)を600〜900℃の低温で焼成することで得られる酸化マグネシウムを意味する。
不溶化剤中の軽焼酸化マグネシウムの含有率は無水物換算で15〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましく、25〜80質量%がさらに好ましく、30〜75質量%が特に好ましい。軽焼酸化マグネシウムの含有率が15質量%以上であれば、十分な強度発現性が得られるため好ましい。
工業的に生産されている硫酸第一鉄(FeSO)は、主に、酸化チタン製造の際に副生する再結晶品を精製することにより得られたり、製鉄・鋼板工場の鉄板・鋼板酸洗廃液を中和加熱の後、放冷脱水することにより得られるため、ニッケル、クロム、マンガン、銅等の不純物を含んでいる場合がある。本発明では、特定量以上のマンガンを含む硫酸第一鉄を使用する。
不溶化剤中の硫酸第一鉄の含有率は5〜70質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましく、15〜60質量%がさらに好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
硫酸第一鉄の含有率が5質量%以上であれば、ヒ素やセレンの不溶化が容易になるため好ましい。また、硫酸第一鉄の含有量が70質量%以下であれば、強度発現性が低下することもなく好ましい。
硫酸第一鉄中のマンガンの含有率は、MnO換算で0.05〜1質量%であり、好ましくは0.05〜1.00質量%であり、より好ましくは0.1〜0.9質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.8質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.7%質量%である。硫酸第一鉄中のマンガン含有量がMnO換算で0.05質量%未満ではヒ素やセレンの不溶化効果が発揮されないため、好ましくない。
硫酸第一鉄中のFeOの含有率は41〜47質量%が好ましく、42〜46.5質量%がより好ましく、43〜46.3質量%がさらに好ましい。硫酸第一鉄中のSOの含有率は48〜53質量%が好ましく、48.5〜52.5質量%がより好ましく、49〜52質量%がさらに好ましい。
なお、硫酸第一鉄中のマンガンの含有率、FeOの含有率およびSOの含有率は、以下の方法により測定することができる。硫酸第一鉄を塩酸で溶解および残渣がある場合は炭酸ナトリウムとほう素の合剤にてアルカリ溶融して、定量用の溶液を調製する。この調製した溶液を用いて、FeO含有率は吸光光度計(日立社製、U−2800A)を用い、SO含有率は重量法(硫酸バリウム沈殿生成)を用い、MnO含有率は原子吸光分光光度計(島津製作所製、AA−6300)またはICP(日立社製、Z−5000またはZ−2710)を用いて、それぞれ測定する。
軽焼酸化マグネシウムは市販の軽焼酸化マグネシウムであれば十分に使用することができるが、その酸化マグネシウムは水和活性が高いことが好ましい。例えば、そのブレーン比表面積やBET比表面積が大きい軽焼酸化マグネシウムがより好ましい。
軽焼酸化マグネシウムのブレーン比表面積は、6000〜20000cm/gであることが好ましく、7000〜20000cm/gであることがより好ましく、8000〜20000cm/gであることがさらに好ましい。ブレーン比表面積が6000cm/g以上であれば、軽焼酸化マグネシウム組成物の水和活性が高くなり、不溶化効果や固化性能が十分であるため好ましい。ブレーン比表面積が20000m2/g以下であれば、粉体やスラリーの流動性が増加し、不溶化剤の発塵性や施工性等が良くなるため好ましい。軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積は、5〜30m/gであることが好ましく、7〜30m/gであることがより好ましく、8〜30m/gであることがさらに好ましい。BET比表面積が5m/g以上であれば、軽焼酸化マグネシウム組成物の水和活性が高くなり、不溶化効果や固化性能が十分であるため好ましい。BET比表面積が30m/g以内であれば、粉体やスラリーの流動性が増加するため好ましい。
軽焼酸化マグネシウム中のMgO含有率は80質量%以上、かつCaO含有率は3質量%以下であることが好ましい。軽焼酸化マグネシウム中のMgO含有率は85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。MgO含有率が80質量%以上であれば、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下する恐れがなく、また不溶化性能が低下する恐れがないため好ましい。
また、軽焼酸化マグネシウム中のCaO含有率は2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。CaO含有率が3質量%以内であれば、処理土の周辺環境(地下水等)のpHがアルカリ性になる恐れがなく、または不溶化性能が低下する恐れがないため好ましい。
軽焼酸化マグネシウム中のMgO含有率およびCaO含有率は、JIS M 8853:1998「セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法」を参考にして測定することができる。
硫酸第一鉄は市販の硫酸第一鉄であれば十分に使用することができ、粉末状または液状のどちらでも良いが、好ましくは粉末状が良い。また、硫酸第一鉄は無水和物、1水和物または7水和物のいずれであっても良い。
本発明の不溶化剤は、軽焼酸化マグネシウムと、硫酸第一鉄とを混合することにより製造することができる。混合する方法は特に限定されないが、例えばリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムブレンダー、ロッキングミキサー等の装置を用いて混合することができる。
本発明の不溶化剤には、汚染土壌の性状に応じて、また本来の不溶化性能を損なわない範囲で、石灰石粉、珪石粉、硫酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、炭酸マグネシウム、セピオライト、キレート、鉄粉、塩化第一鉄、パーライト,廃瓦などの各種添加剤を任意に添加、混合することができる。なお、各種添加剤の添加、混合については、事前の室内配合試験の結果および/又は現地混合機を使用した配合試験の結果によって決定するのが好ましい。
<不溶化処理方法>
本発明の不溶化処理方法は、上記不溶化剤を、土壌1mに対して20〜200kg添加し、混合して、土壌中の有害物質を不溶化することを含む。
処理対象土壌に含まれる有害物質は、鉛、六価クロム、水銀、カドミウム、ヒ素、セレン、フッ素およびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である。本発明の不溶化剤は、処理対象土壌に含まれるヒ素およびセレンから選択される少なくとも1種を不溶化する効果に優れ、処理対象土壌からのヒ素およびセレンから選択される少なくとも1種の溶出量を、低コストで効率的に土壌溶出量基準以下まで低減することができる。
本発明の不溶化処理方法において、不溶化剤の添加対象となる土壌は、ヒ素およびセレンから選択される少なくとも1種の溶出量が0.011〜0.50mg/Lである。
本発明の不溶化処理方法において、不溶化剤の添加対象となる土壌は、ヒ素の溶出量が0.011〜0.50mg/Lである汚染土壌が好ましく、ヒ素の溶出量が0.011〜0.40mg/Lであることがより好ましく、0.011〜0.35mg/Lであることがさらに好ましく、0.011〜0.30mg/Lであることが特に好ましい。
また、不溶化剤の添加対象となる土壌は、セレンの溶出量が0.011〜0.50mg/Lである汚染土壌が好ましく、セレンの溶出量が0.011〜0.040mg/Lであることがより好ましく、0.011〜0.035mg/Lであることがさらに好ましく、0.011〜0.030mg/Lであることが特に好ましい。
また、不溶化剤の添加対象となる土壌は、ヒ素及びセレンの合計溶出量が0.011〜0.50mg/Lである汚染土壌がさらに好ましい。
本発明の不溶化処理方法における不溶化剤の添加量は、処理対象の土壌の種類や汚染度合によって選定されるが、土壌1mに対して20〜200kg添加すれば十分な不溶化効果が得られる。不溶化剤の添加量は、より好ましくは20〜150kg/m、さらに好ましくは20〜100kg/m、特に好ましくは20〜75kg/mである。不溶化剤の添加量が20kg/m以上であれば、不溶化剤と土壌との混合が十分にできるので好ましい。一方、不溶化剤の添加量が200kg/m以内であれば、処理コストの点で経済的であり好ましい。なお、不溶化剤の添加量は、事前の室内配合試験の結果および/又は現地混合機を使用した配合試験の結果によって決定するのが好ましい。
また、不溶化剤を土壌に添加する方法としては、粉体上の不溶化剤をそのまま土壌に添加するか、不溶化剤と水とを混合してスラリーの状態にして、土壌に添加する方法が挙げられる。不溶化剤と土壌との混合は、バックホウ、ミキシングバケット装着バックホウ、スタビライザー、自走式土質改良機、定置式ミキサー、トレンチャー型撹拌混合機、深層混合処理機、パワーブレンダー等のプラント混合に通常使用される装置を用いて混合することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
1.使用材料
軽焼酸化マグネシウムとしては宇部マテリアルズ(株)製の軽焼酸化マグネシウムを用いた。硫酸第一鉄としては酸化マンガン含有量が異なる硫酸第一鉄(いずれも市販品)を使用した。
[軽焼酸化マグネシウムの化学組成]
使用した軽焼酸化マグネシウムの化学組成を表1に示す。軽焼酸化マグネシウムの化学組成、強熱減量(Ig.loss)および酸不溶残分(insol.)は、JIS M 8853:1998「セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法」に準拠して測定した。なお、表中の単位は質量%である。
Figure 2017006911
[酸化マグネシウムのブレーン比表面積]
使用した軽焼酸化マグネシウムのブレーン比表面積は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に従い、ブレーン空気透過装置を用いて測定した。その結果を表2に示す。
[軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積]
前記軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積は、高精度ガス吸着装置(日本ベル社製、BELSORP−mini)を用いて、定容量型ガス吸着法にて測定した。その結果を表2に示す。
[軽焼酸化マグネシウムの密度]
使用した軽焼酸化マグネシウムの密度は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に従い、ルシャテリエフラスコを用いて測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2017006911
[硫酸第一鉄の化学組成]
使用した硫酸第一鉄の化学組成を表3に示す。硫酸第一鉄の化学組成は、塩酸で溶解および残渣がある場合は炭酸ナトリウムとほう素の合剤にてアルカリ溶融して調製した溶液を用いて、FeOは吸光光度計(日立社製,U−2800A)を用い、SOは重量法(硫酸バリウム沈殿生成)を用い、MnOは原子吸光分光光度計(島津製作所製,AA−6300)またはICP(日立社製,Z−5000またはZ−2710)を用いて、それぞれ測定した。
Figure 2017006911
[試料土]
試料土としては、山口県で採取した土を使用した。試料土の性状を表4に示す。含水比はJIS A 1203「土の含水比試験方法」に準拠して測定した。湿潤密度は、直径5cm、高さ10cmの型枠に試料土を充填し、充填された試料土の質量と型枠の容積から求めた。また、pHは環境庁告示18号法の検液を用いて測定し、粒度はJIS A 1204「土の粒度試験方法」に準拠して測定した。
Figure 2017006911
[模擬汚染土]
前記試料土Aに砒酸水素二ナトリウム七水和物(NaHAsO・7HO、和光純薬工業(株)製)水溶液を所定量添加し、ソイルミキサーで低速で2.5分間練り混ぜ、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で2.5分間練り混ぜた後、ポリエチレン袋で密封した状態で1日間養生することによりヒ素の模擬汚染土壌Aを作製した。
前記試料土Bにセレン酸ナトリウム(NaSeO、和光純薬工業(株)製)水溶液に硫酸(HSO、和光純薬工業(株))を添加した水溶液を所定量添加し、ソイルミキサーで低速で2.5分間練り混ぜ、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で2.5分間練り混ぜた後、ポリエチレン袋で密封した状態で7日間養生することによりセレンの模擬汚染土Bを作製した。
模擬汚染土AおよびBの性状を表5および表6に示す。含水比はJIS A 1203「土の含水比試験方法」に準拠して測定した。湿潤密度は、直径5cm、高さ10cmの型枠に試料土を充填し、充填された試料土の質量と型枠の容積から求めた。また、pHは環境庁告示18号法の検液を用いて測定し、粒度はJIS A 1204「土の粒度試験方法」に準拠して測定した。ヒ素含有量および溶出量は、環境庁告示19号法および環境庁告示18号法にて試料を調製し、測定はJIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して行った。
Figure 2017006911
Figure 2017006911
2.試験方法
[不溶化剤の種類]
軽焼酸化マグネシウムと各種硫酸第一鉄とを各比率にて混合して、4種類の不溶化剤(A〜D)を調製した。不溶化剤の種類と材料構成割合を表7に示す。
Figure 2017006911
[ヒ素の不溶化試験]
各種不溶化剤を前記ヒ素の模擬汚染土Aに30kg/m添加し、ソイルミキサーにて低速で1.5分間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で1.5分間練り混ぜることにより、不溶化処理を行った。このようにして得られた処理土は、ポリエチレン袋で密封した状態で、20℃、1日間養生した後、環境庁告示18号法に準拠して検液を作製した。その検液の重金属濃度をJIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した。
[セレンの不溶化試験]
各種不溶化剤を前記セレン模擬汚染土Bに30kg/m添加し、ソイルミキサーにて低速で1.5分間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で1.5分間練り混ぜることにより、不溶化処理を行った。このようにして得られた処理土は、ポリエチレン袋で密封した状態で、20℃、7日間養生した後、環境庁告示18号法に準拠して検液を作製した。その検液の重金属濃度をJIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した。
3.試験結果
[ヒ素の溶出試験結果]
前記ヒ素模擬汚染土Aに各種不溶化剤で処理した不溶化処理土からのヒ素溶出量を測定した結果を表8に示す。なお、不溶化処理後、ヒ素溶出量が環境庁告示18号法によるヒ素の土壌溶出量基準0.010mg/L以下にまで低減した場合は○と、0.010mg/L以下にまで低減しなかった場合は×と判定した。
Figure 2017006911
[セレンの溶出試験結果]
前記セレン模擬汚染土Bに各種不溶化剤で処理した不溶化処理土からのセレン溶出量を測定した結果を表9に示す。なお、不溶化処理後、セレン溶出量が環境庁告示18号法によるヒ素の土壌溶出量基準0.010mg/L以下にまで低減した場合は○と、0.010mg/L以下にまで低減しなかった場合は×と判定した。
Figure 2017006911
表8に示すように、本発明の軽焼酸化マグネシウムとマンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄とを含む不溶化剤BおよびC(実施例1および2)は、軽焼酸化マグネシウム単独の不溶化剤A(参考例2)やマンガン含有量の少ない硫酸第一鉄を含む不溶化剤D(比較例1)に比べ、不溶化効果が高く、不溶化処理後のヒ素溶出量が土壌溶出量基準(0.01mg/L)以下になっていることがわかる。
表9に示すように、本発明の軽焼酸化マグネシウムとマンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄とを含む不溶化剤BおよびC(実施例1および2)は、マンガン含有量の少ない硫酸第一鉄を含む不溶化剤D(比較例1)に比べ、不溶化効果が高く、不溶化処理後のセレン溶出量が土壌溶出量基準(0.01mg/L)以下になっていることがわかる。
このように、従来の不溶化剤(不溶化剤A、不溶化剤D)では30kg/m添加ではヒ素やセレンの溶出量を土壌溶出量基準にまで低減することができず、土壌溶出量基準を満たすためには不溶化剤添加量を増やすことになり、結果として処理コストが高くなる。一方、本発明の不溶化剤では30kg/mの添加量でヒ素の溶出量を土壌溶出量基準にまで低減することができ、低コストで効率的に不溶化処理を行うことができる。

Claims (6)

  1. 軽焼酸化マグネシウムと、
    マンガンをMnO換算で0.05〜1質量%含有する硫酸第一鉄と
    を含むことを特徴とする不溶化剤。
  2. 前記軽焼酸化マグネシウムを無水物換算で15〜90質量%及び前記硫酸第一鉄を5〜70質量%含む、請求項1記載の不溶化剤。
  3. 前記軽焼酸化マグネシウムのブレーン比表面積が6000〜20000cm/g、BET比表面積が5〜30m/gであり、前記軽焼酸化マグネシウム中のMgO含有率が80質量%以上、かつ、CaO含有率が3質量%以下である、請求項1又は2記載の不溶化剤。
  4. 前記硫酸第一鉄中のFeO含有率が41〜47質量%、SO3含有率が48〜53質量%である、請求項1〜3の何れか1項記載の不溶化剤。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の不溶化剤を、土壌1mに対して20〜200kg添加し、混合することを含む、不溶化処理方法。
  6. 前記不溶化処理前の土壌からのヒ素およびセレンから選択される少なくとも1種の溶出量が0.011〜0.50mg/Lである、請求項5記載の不溶化処理方法。
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