JP4833300B2 - ヘアスタイリング器具およびヘアスタイリング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドル部と、加熱およびスタイリング、特には髪のカールとウエーブ用の、好ましくはドーム形状の加熱ゾーンを有する加熱部と、スタイリングを施した髪の冷却用の冷却ゾーンを有する冷却部とを備えるヘアスタイリング器具に関する。更に、本発明は、特に本発明のヘアスタイリング器具により髪をスタイリングする方法に関する。
上記タイプの器具と方法は、現行技術水準からは周知である。例えば、ドイツ特許出願第3215232号は、加熱による髪束のスタイリング方法とその目的用のヘアスタイリング器具を開示している。この編成において、空気ブロアにより供給された空気は導かれて、その一部がフィラメント巻線を通って円筒形のカーラー部材の加熱空気チャンバに入り、半径方向の加熱空気排気開口部から出ていく。冷却空気は、加熱フイラメントの傍を通るバイパスチャネルを通ってカーラー部材の冷却空気チャンバに入る。スタイリングしようとする髪束はカーラー部材の周囲に巻かれ、その後、髪束が先ず加熱空気チャンバの外壁上を滑り、続いて冷却チャンバの外壁上を滑るのに伴って、頭から離れるように移動させられる。しかしながらこのタイプの器具では満足する結果を得ることはできない。というのも、それによってできた髪のウエーブおよび/またはカールは十分な持続性がないからである。
類似の器具と方法が、本出願人の未公開の特許出願PCT/EP97/02064にも説明されており、この出願を明示引用して本特許出願の開示中に包含させる。前記出願は、ハンドル部と、髪の加熱用の加熱ゾーンを有する加熱部と、髪のスタイリング用の冷却ゾーンおよびスタイリングエレメントとを備えるヘアスタイリング器具を開示している。スタイリングエレメントは、スタイリングエッジとして構成され、このスタイリングエッジは加熱ゾーンの後で、かつ冷却ゾーンの前に編成されるので、スタイリングされる髪束は、加熱ゾーンで加熱され、加熱された髪束はこのスタイリング用エッジでスタイリングされ、そのように再スタイリングされた髪束は冷却ゾーンで冷却される。本出願は、ヘアをスタイリングする方法、特に先の記載に従うヘアスタイリング器具で実施される方法を更に含む。
独国特許出願第3215232号明細書 特許協力条約に基づく国際出願PCT/EP97/02064号明細書
従来技術から周知のヘアスタイリング器具を用いて、持続性のあるカール又はウェーブを髪束に施すことはできない。他方、特に髪をカールしたりウェーブをかける場合は、複雑な構造が必要となり、器具の取り扱いはユーザーにとって複雑になる。
本発明の目的は、現行技術水準に比べて改良されたヘアスタイリング器具と、この器具を使用してスタイリングされた髪束、より詳細には、この器具により施された髪束のカールまたはウエーブの最大限持続性のあるセットを確保するように、ヘアスタイリング器具を使用する方法とを、それぞれ提供することである。他方、本器具の更なる目的は、必要な手操作がほんの僅かで簡単であって、ユーザーが簡単に取り扱いできるようにすることである。
本発明によれば、目的は、一方では、請求項1の前文の特徴を含むヘアスタイリング器具により達成され、そこでは、加熱ゾーンの表面温度と冷却ゾーンの表面温度との温度差は、最低80ケルビン、より詳細には100ケルビンまたはそれ以上である。他方、この目的は、本発明の器具を使用して示唆する方法でも達成できる。この種の目的は、努力も構造もほとんど必要ではなく且つ単純な設計により取り扱いが容易なヘアスタイリング器具を提供することである。好都合なことに、本発明の目的は、スタイリングされた、つまりカールさせた髪あるいはストレートにした髪の持続性の改善を達成する。スタイリングを施した髪、特には髪束のカールもしくはウエーブの「フリージング」は、加熱ゾーンと冷却ゾーンの温度差が最低80ケルビンで生ずるので、髪束のカールのかかり具合や、カール、ウエーブの持続性の改善が達成される。この温度差はこの発明の本質部分であり、結果としてカールの持続性改善をもたらす。このように、本発明の目的は、ストレートヘア、カールヘア、ウエーブヘアの処理に有利で好適なヘアスタイリング器具を開示する。
本発明の有利な態様では、加熱部と冷却部は共に、髪処理のためのスタイリング部材を提供し、スタイリング部材は一般に、円形、楕円形、またはそれらに類似する断面を有する。これは、加熱部と冷却部が単体スタイリング部材に組み込まれており、簡単な取り扱いを提供する。さらに、加熱部と冷却部のスタイリング部材の断面が、例えば、2個の半円断面をした本質的に対称編成であることにより、加熱部と冷却部を概ね同一サイズにすることができる。これにより、十分な加熱とそれに続く冷却に関して有利であることが証明された。
本発明の一改良点において、加熱ゾーンと冷却ゾーンを加熱部および冷却部の外面に編成して独特のドーム形状とし、従って、有利なことには加熱および/または冷却に使用する表面を可能な限り広く利用している。特に、加熱部と冷却部の平らな内面が、互いに対向して間隔を置くように配置され、その結果、加熱部が冷却部に及ぼす温度の影響を可及的に少なくするとともに、その逆もある。好ましくは、これら両内面の間隔は、約1.5から3mmとなる。
有利なことに、熱的に分離するエレメント、例えば絶縁体を加熱部と冷却部間に設けることにより、これら二つのコンポーネントの温度が相互に影響し合うことがほとんど解消される。
本発明の特に好ましい実施の形態では、プレス手段、例えばスタイリングされている髪に押力を働かせるための髪保持クリップが設けられる。髪束を加熱部とプレス手段の間に入れることができる。そうすることにより、髪とこの加熱部の良好な熱接触が得られる一方、他方では髪に作用する張力が生成されるが、これは、ヘアスタイリング器具を、髪の根元から始めて髪束の上まで引き上げる際に、ユーザーが行わなければならないことである。
プレス手段、より詳細にはクリップは、器具のハンドル部または加熱部へ可動に取付けられる。特にクリップの一端は、ピボットによりハンドル部または加熱部へ連結され、スプリングエレメントによって加熱部へ付勢される。また、クリップは、その無負荷不作動位置にあるとき、すなわちクリップと加熱部との間に髪が入っていないとき、クリップと加熱部との間に均一な間隙ができるように、クリップが固定されてもよい。張力は、スプリングエレメントと空隙の大きさを適切に選定して、有利に、所望の大きさに設定可能である。髪束からヘアスタイリング器具を引っ張るのに必要な張力の範囲は、1ニュートンと2ニュートンの間であることが好ましい。
本発明は、更に、髪束を好都合に加熱するように、クリップを熱伝導性材料から製造することを開示する。
本発明の好ましい態様において、加熱部は、適切な熱伝導性材料、例えば金属またはその類似材料でできた加熱部を備える。髪の中の相対湿度が約30%の髪に必要なスタイリング温度を約120℃に到達させるためには、加熱ゾーン領域にあるこの部材の表面温度は少なくとも120℃となり、しかしながら好ましくは約145℃である。
加熱部自体は、例えばPTC素子、電気加熱スパイラル又はそれらの類似部材といった電気加熱エレメントを含む。しかしながら、代替として、加熱部を、例えば触媒燃焼による加熱器具といったガス加熱器具で加熱してもよい。しかしながら、加熱部にPTC素子を配置するのがとりわけ有利である。
別の好ましい態様において、冷却部は、アルミニウムのような金属、またはプラスチックでできた部材を備えるか、或いは熱伝導性コーティングおよび/または冷却リブを有する。これによって、先ず加熱されてから冷却部全体を通される髪が最大可能な熱放散を提供することになり、カールを首尾よくスタイリングするのに必要な温度差が調整可能になる。
特に有利な点は冷却部であり、冷却部は、有効に冷却可能な冷却部材、例えば、冷却空気、ペルチェ素子、または類似素子で冷却可能な部材を備える。この種の編成は、特に優れたスタイリング結果とカールの高度な持続性とが、有効に冷却された冷却部材により達成され得るように、特に有利な方法で本発明に従って温度差の調整を可能にする。
本発明の他の実施の形態において、冷却部、および/またはクリップ、および/または加熱部が、外面上にガイディングおよび/またはスペーシング手段、より詳細にはリブを有することが提案されている。前記手段が、一方で器具のスタイリング部材の周りに巻かれるように適合された髪束を導くことを有利に可能とし、他方ではスペーシング手段としての容量内で、その手段は、ユーザーが加熱部またはクリップの高温表面それぞれに触れないようにする。
リブは、隣接する二つのリブが、加熱部および/または冷却部および/またはクリップの円周方向にあるチャネルをそれぞれのケースで形成するように、器具の主軸に対して実質的に横断方向へ編成される。有利なことに、髪束を安全に導けることを可能にしたチャネル中へ、スタイリングされる髪束を簡単に入れることができる。
ヘアスタイリング器具の少なくとも一つのリブは、加熱部周りおよび/または冷却部周りに巻かれた髪束が、加熱部、クリップ、および/または冷却部からすべり出るのを防止し、望ましい形に保持できる仕切りリブとして適している。
特別な実施例において、冷却部の二つの外部リブは、少なくともある領域において器具の主軸の横断する面内で、残りのリブ、特に冷却部のリブより上に突き出るように、仕切りリブとして設計される。これにより、ヘアスタイリング器具の或る領域の周りに巻かれるように適合された髪束を導くことができ、それにより、髪束がヘアスタイリング器具端からその前端部に向かって、またはハンドル部から後端部に向かってすべり出るのを防止する。
好ましくは、リブは、弓形、波形または矢形の構成の少なくとも一つの構成部品、特にはクリップの上へ設けられる。リブのこの設計により、この構成部品の周りに巻かれた髪束が、他の構成部品、特に冷却部上にあるときより高い摩擦を受けることが有利に達成される。その理由は、ユーザーがクリップの外面を横切って髪束を引っ張るのを防ぐためである。
特別な設計において、クリップのリブは、器具の主軸に対して概ね平行に編成される。このことは、ユーザーが髪をクリップの外面を横切って引っ張らないように、詳細には髪の摩擦抵抗を増やすことによって光学的なバリヤと機械的障害物の両方を便宜的に提供することを意味する。
特に有利な方法において、リブは、器具の主軸に対して実質的に半径方向に編成される。このように、リブは、器具外面から、特にはクリップまたは冷却部から外側に向かって実質的に垂直に延在する。
本発明の他の実施の形態において、器具、特にハンドル部は、その主軸に垂直な面内で概ね楕円形、長円形またはそれらに類似した外側輪郭を有する。このようなハンドル部の構成の利点は、ユーザーが手に持った時に握り心地をより良好に感じることであり、またユーザーは、この技術の大部分のヘアカール用アイロンに共通するように、ヘアスタイリング器具をその長手方向軸の周りに何度も回すことに心地よくないと感じることである。ハンドル部のこの構成の目的は、器具の操作が従来と異なった新規な、品格の有る優れた意匠の器具で、長手方向軸周りに何度も回され、髪をカーラ部材に巻きつけたままでユーザーの髪元から引っ張られるヘアカール用アイロン以外の、当該技術水準の用具の使用とは明確に異なる、新規なタイプの用具取扱いに資することである。
ハンドル部の断面は、ハンドルの前部から後部自由端に向かって徐々に小さくなるので、ユーザーは、有利に、不自由を感じないで優雅な手つきでに用具を掴むことができる。
同様に独立した発明を表す、本発明の特別な設計において、髪をスタイリングする方法、より詳細には本発明のヘアスタイリング器具による髪をスタイリングする方法が開示され、そこでは、スタイリングされる髪束、特には乾いた髪が先ず加熱部の加熱ゾーンで加熱され、加熱ゾーンの好ましくはド−ム形の表面を使ってスタイリングされ、続いて、加熱およびスタイリングされた髪束が冷却ゾーンで冷却される。本発明によると、加熱ゾーンと冷却ゾーンの表面温度は、両ゾーンの温度差が少なくとも80ケルビン、特には100ケルビンまたはそれ以上となるように設定される。加熱された髪束の十分な冷却、そして既にスタイリングされた髪束、特にはカールした髪束の「フリージング」を可能な限り得ることにより持続性のあるカールを有利に作り出せるようにすべく、本発明の温度差が達成されるかそれを超えさせることが必要となる。
有利には、髪は、加熱ゾーン内で、少なくともスタイリング温度まで加熱され、これに伴う後ろの方の温度(ガラス温度Tgとも称される)が例えばおよそ120℃で、髪中の相対湿度が約30%となる。加熱ゾーンの表面温度が好ましくは約145℃となると、本発明の方法により特に有利な結果が得られる。
好適なカールの結果を得るためには、髪をきつくした状態で加熱ゾーンと冷却ゾーン上に引っ張る。カールの成形は,髪のこのきつくした状態が望ましい。
髪を必要なきつさにするには、髪を、髪保持クリップのようなプレス手段と加熱部との間のクランプ域に入れて、スタイリングされる髪にクランプ力を加える。次いで、加熱された髪を、クランプ域を通して冷却ゾーンに沿って引っ張る。この動きの中で、保持クリップにより生成された保持力が、ユーザーが髪に対してヘアスタイリング器具を動かすことにより必ず生ずる張力に反作用を及ぼす。
加熱ゾーン背後(つまり髪がクランプ域を離れた後を意味する)での髪の動きの方向は、加熱ゾーン内での髪の動きの方向と同じである。このことは、均一で、有利に低い張力を髪に加えることを可能にする。このようにして、髪の動く方向の変化は有利に避けられる。カールの形と持続的なセットは、ヘアスタイリング器具、特にはスタイリング部材と髪との相対速度の影響を受ける。したがって、スタイリング部材と髪のゆっくりした動きにより小さいサイズのスタイリングカールが有利に得られ、他方、早く動かして通すと、大まかにスタイリングされたカールまたはウエーブが得られる。
有利なことに、本発明の方法は、従来周知のほとんどの方法で必要とされるカーラー部材を使用せずに、ストレートヘアを根元からその先端まで効率的にカールすることを可能にする。更にこの方法で達成されるヘアースタイリングプロセスは可逆的である。
代替として、本発明の方法は、例えば、加熱ゾーンと冷却ゾーンを前後して配置した平面域として構成することにより、カールした髪またはウエーブした髪をストレートにすることができる。
本方法の特に有利な用途に関して提案されることは、髪が、その根元近くまで加熱部と髪保持クリップとの間のクランプ域に入れられるということと、ヘアスタイリング器具をその主軸周りにおよそ約120度から180度回すことにより、髪が加熱ゾーンと、冷却部の冷却ゾーンの少なくともいくらかの領域に支えられるということである。続いて、ヘアスタイリング器具はユーザーの頭から離れて動かされる。加熱されスタイリングされた髪は冷却部の冷却ゾーンで冷却される。即ち、スタイリングされた、特にはカールをかけた髪やウエーブをかけた髪は、本発明による、加熱ゾーンと冷却ゾーンの表面温度の温度差である少なくとも80ケルビンによって「フローズン」される。
本発明のその他の特徴,利点、可能性のある応用は、付帯する図面で詳細に図解された実施の形態の下記説明で理解できるであろう。記載された、および/または図解された全ての特徴は、個々であれ、組み合わせであれ、特許請求項およびその付帯書類でのそれらの組み合わせとは関係なく、本発明の目的を成すものである。
ヘアスタイリング器具の縦断面略図である。 図1の2‐2に沿ったヘアスタイリング部材の断面拡大図である。 矢形のリブを持つ代替の実施の形態のヘアスタイリング器具の平面図である。 図3の図に類似するが長手方向リブを備えたヘアスタイリング器具の平面図である。 図3によるヘアスタイリング器具の底面図である。 図3と5によるヘアスタイリング器具の側面図である。 図6の7−7に沿って破断されたヘアスタイリング器具の図である。 図6の8‐8に沿って破断されたヘアスタイリング器具の図である。 図6に類似するヘアスタイリング器具の側面図であるが、クリップの背面に長手方向リブを備える。 代替の実施の形態のヘアスタイリング器具用スタイリング部材の透視図である。 図2の図に類似するスタイリング部材であるが、髪束が挿入されている。 図11に類似するが、図11に対して180度回転された図である。
本発明のヘアスタイリング器具1(図1)は一般的に、ハンドル部6とスタイリング部材7を含み、スタイリング部材7は、加熱部8、冷却部10、およびクリップ9を含む。カバー19は器具1の先端に設けられる。その後端で、クリップ9は、スプリングエレメント12によってハンドル部6内に支持される押ボタン11を有する。
器具をオン/オフ切り替えするための電気スイッチ13は、ハンドル部6の外面上へ押ボタン11に対向して配置される。器具の主接続線用ケーブル14は、ハンドル部6後端に設けられる。ハンドル部6の内部は、ファンホイール16を駆動するためのモータ15と、制御装置を有するプレートバー17を格納している。モータ15は分圧器を使用して交流で駆動されるか、または、例えばバッテリで駆動される。ヘアスタイリング器具1はその主軸について概ね対称構成を有する。
スタイリング部材7(図2)の断面は実質的に楕円であり、本質的に同サイズに2個の半割で形成される。スタイリング部材7の平均直径は、およそ、15mmと40mmの間の範囲にあるのが有利である。一方の半割(下側のもの)は冷却部10であり、上側半割は加熱部8である。加熱部8の上面にアーチ形クリップ9が設けられる。
PTC素子20は加熱部8の内部に配置される。加熱部8のドーム形外面は加熱ゾーン21を形成し、この加熱ゾーンは、器具の無負荷時、換言すれば、加熱部8とクリップ9との間に髪が入っていないときは、直にクリップ9の内側で有利に支持される。しかしながら、図2で示されているように、加熱ゾーン21に対して間隙22が取れるようにクリップ9を取付けることが可能である。加熱部8とクリップ9は、互いに対向して形状が実質的に合同の表面を有する。更に、クリップ9が加熱部8によって間接的に加熱されることができるように、クリップは、熱伝導性材料、例えばアルミニウムから作るのが好ましく、結果として、加熱部8とクリップ9との間の中間スペースに置かれる髪束の両面の加熱が可能となる。
冷却部10の内側には、冷却部の長さにわたって貫通する冷却チャネル23がある。冷却部10のドーム形外面は冷却ゾーン24を形成する。冷却空気は、ファンホイール16から冷却部10の内部に伝播し、そこから半径方向開口部(図面を見易くするために、図示しない)を通って外部に至る。有利なことに、出口開口部は、冷却部10に沿って空気の均一分布を達成するために軸方向に直径が変化している。この意味は、器具の先端部19に近い開口部よりも、ハンドル部6に近い開口部の方が大きいということである。有効な冷却を伴う上記設計の代替として、冷却部10の部材は、パラフインを充填したアルミニウム部材として提供可能である。
加熱部8と冷却部10の実質的に平らな2つの内面は、好ましくは空気が貫入する、相互間の間隔25を持って編成されるが、そこでは熱絶縁体26も収容できる。従って、冷却部10もまた、加熱部の放射熱で加熱されるのを避けられる。加熱部8の表面温度は約120℃から145℃が有利である。図1に示すように、冷却チャネル23を通って流れ、ファンホイール16により生成される冷却空気は、本発明による、加熱ゾーン21と冷却ゾーン24との二つの表面温度間の温度差が最低80ケルビンになるように冷却部10を原則的に室温まで冷却する。
図1と図2に示す器具は、実質的に滑らかな外面を有する加熱部8と冷却部10とで構成され、一方クリップ9は、その外面に、器具1の主軸18に対し実質的に垂直に延在するリブを有する。
図1と図2に示すヘアスタイリング器具の代替の実施の形態を、図1のビュー3に類似する、図3の平面図に示す。器具30は基本的には、ハンドル部31とスタイリング部材32を含み、クリップ33はその外面に矢形リブ35を有する。リブ35は、器具30の主軸37に関し実質的に対称に配置され、それらリブの先端は器具の前端方向に向いている。クリップ33の二つの長手方向エッジは、波型外側リブ36を有する。リブ35と36の目的は、スタイリングされる髪束をクリップ33のリブ付外面上まで引っ張らないようにユーザーに気付かせることである。クリップ33はその後端に駆動用押ボタン34を有する。ハンドル部31は、その後端に向かって連続してテ―パがついていて且つ後端が丸められた概ね円錐台形状の構成を有する。
図3に示すヘアスタイリング器具の設計の別の代替(図4)も主軸37を有するハンドル部31を含むが、スタイリング部材38には、長手方向リブ40がクリップ39の外面上に設けられている。この長手方向リブ40は、実質的に主軸に平行に延びていて、それらの設計は、ユーザーがスタイリング部材38へ髪を巻き付けないようにすることを意味する。ユーザーが自分の髪をそのクリップ上まで引っ張らないように一瞥して分かるようにするには、クリップ39の2つの長手方向エッジ上の波付外部リブ41により可能となる。
図3によるヘアスタイリング器具30の底側は、図1のビュー5に一致する。
図5の実施の形態は、器具の主軸37に対して実質的に垂直に延在する横断リブ43を備えた冷却部42を示す。このようして、リブ43は多数の平行なチャネルを形成し、これらチャネル内にスタイリングしようとする髪束が入れられて、主軸37を横断する方向へ引っ張ることができる。図1のスイッッチ13に基本的に対応するスイッチ44は、ハンドル部31の前端に配置される。
本発明のヘアスタイリング器具の先に説明した電気加熱に代わるものとして、もちろん後者の器具も、ガスの触媒燃焼により作動されてよい。そのような場合、ガスカートリッジをハンドル部31へ収納するのが好ましい。ガスカートリッジをハンドル部31へ簡単に着脱するために、後者を、取り外し可能な、前ケーシングシェル45と後ケーシングシェル46に分割してもよい。
図3と5の図解による器具の側面図(図6)には、ハンドル部31とスタイリング部材32があり、後者は冷却部42とクリップ33を含む。クリップ33の外面上の矢形リブ35は前方に傾斜している。それらの底端近傍で、これらリブ35を長手方向リブ47と相互接続でき、その結果として、ユーザーが、スタイリングされる髪束をクリップ33上まで必要以上に引っ張れないようにしている。
冷却部42は複数の平行リブ43を持っており、これらリブは前部および後部の仕切りリブ48、49を含む。リブ48、49は、中間にある残りのリブ43より、少なくとも半径方向で突き出ている。スタイリング中の髪束を導くためのチャネル50は各リブ43,48,49の中間に設けてある。
ケーシングシェル45の表面の断面がハンドル部31の後部から前部の端に向かって徐々に大きくなっていることを、図6の7−7および8−8断面図(図7、図8)に示す。ハンドル部31には、その上部に押ボタン34が、下部にスイッチ44が備えられている。
図6の図解によるヘアスタイリング器具(図9)の改良は基本的に、押ボタン34とスイッチ44を備えるハンドル部31を含む。図6の図解とは対照的にベーン型長手方向リブ51がクリップ33の上側に備えられている。リブ51は、先端部チップ52と押ボタン34間で連結することにより、ハンドル部31へ向かうにつれて徐々に高くなっている。長手方向リブ47と組合わさるこのようなタイプの長手方向リブ51もまた、スタイリングされる髪束を、スタイリング部材32の表面を横切ってユーザーが入れたり、引っ張ったりしないよう気付かせる。
本発明によるヘアスタイリング器具の他の代替の実施の形態(図10)は、ハンドル部53とスタイリング部材54を基本的に含む。一方、後者のスタイリング部材54は加熱部55と冷却部56とで構成され、両者は互いに長手方向の間隙58で互いに分離されており、その間隙に熱絶縁体を挿入することもできる。加熱部55の上側には押ボタン60を備えるクリップ57が配置され、ボタン60を押すことによりクリップ57がピン61の周りに枢動するようになされている。これが、スタイリング中の髪束を、クリップ57と加熱部55との間にできる楔形の中間スペース中へ入れることができるようにする。クリップ57の径方向反対側にある領域には、器具の主軸62を実質的に横断して延びるリブ61を冷却部56が有する。図10に示す図の特徴とするところは、スタイリング部材54の概ね円形の円筒形状であり、この点は、前カバー59の球形からも明らかになるであろう。
本発明のヘアスタイリング器具の操作の代表的モードが、図11、12に図解されている。スタイリングしようとしている髪束64を髪の根元63近傍まで、間隙22に入れて、加熱部8とクリップ9との間でクランプする。先ず、押ボタン11が器具の上側になるようにする。続いてユーザーは、ハンドル部6を回転方向65へ約180°回して、押ボタン11(図12)が器具の下側になるようにする。この編成において、スタイリングされる髪束64は、クリップ9により加熱部8の加熱ゾーン21に押しつけられる一方、他方では、髪束64が、冷却部10の冷却ゾーンのところに入れられる。カールを作るために、ヘアスタイリング器具を髪の根元63から移動方向66へ引っ張る。そうする中で、スタイリングされる髪束64は,まず加熱ゾーン21で加熱され、スタイリングされ、次に冷却部10の冷却ゾーン24の上を滑るとともに、加熱部とクリップ間で作られたカールは、加熱部8と冷却部10との間の、本発明による温度差によって「フローズン」される。
1…ヘアスタイリング器具、6…ハンドル部、7…スタイリング部材、8…加熱部、9…アーチ形クリップ、10…冷却部、11…押ボタン、12…スプリングエレメント、13…電気スイッチ、14…主接続線用ケーブル、15…モータ、16…ファンホイール、17…プレートバー、18…主軸、19…カバー(先端部)、20…素子、21…加熱ゾーン、22…間隙、23…冷却チャネル、24…冷却ゾーン、25…間隔、26…熱絶縁体、30…ヘアスタイリング器具、31…ハンドル部、32…スタイリング部材、33…クリップ、34…駆動用押ボタン、35…矢形リブ、36…波型外側リブ、37…主軸、38…スタイリング部材、39…クリップ、40…長手方向リブ、41…波付外部リブ、42…冷却部、43…横断リブ、44…スイッチ、45…前ケーシングシェル、46…後ケーシングシェル、47…長手方向リブ、48,49…仕切りリブ、50…チャネル、51…ベーン型長手方向リブ、52…先端部チップ、53…ハンドル部、54…スタイリング部材、55…加熱部、56…冷却部、57…クリップ、58…間隙、59…前カバー、60…押ボタン、61…リブ、62…主軸、63…根元、64…髪束、65…回転方向、66…移動方向。

Claims (26)

  1. 棒状の部分と、
    前記棒状の部分から延び、外面および内面を有し、当該外面が髪を加熱してカールした髪またはウエーブした髪をストレートにするための加熱ゾーンを形成する加熱部と、
    前記棒状の部分から前記加熱部の隣りに延び、外面および内面を有し、当該外面が髪を冷却するための冷却ゾーンを形成する冷却部と、を備え、
    作動中に前記加熱部の外面と前記冷却部の外面との温度差が少なくとも80ケルビンとなり、前記加熱部の内面と前記冷却部の内面は相互に対向して間隔を空けて配置され
    前記加熱部と前記冷却部とが一緒になって平面域を有する髪処理用のスタイリング部材を提供し、前記加熱部と前記冷却部とが実質的に同一な断面を有することを特徴とする、ヘアスタイリング器具。
  2. 前記加熱部および前記冷却部のそれぞれの内面が概ね平らであり、相互に1.5mm〜3mmの間隔を空けている、請求項1に記載のヘアスタイリング器具。
  3. 前記加熱部と前記冷却部を熱的に分離する熱分離エレメントが、前記加熱部と前記冷却部の間に設けられることを特徴とする、請求項1〜2の何れか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  4. 髪への押力を生成する髪保持クリップが設けられるとともに、髪が前記加熱部と前記髪保持クリップとの間に入れられるように構成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  5. 前記髪保持クリップの一端がピボットを介して前記棒状の部分または前記加熱部に可動に取り付けられ、前記髪保持クリップが、スプリングエレメントにより前記加熱部の前記加熱ゾーンに付勢される位置、および、前記髪保持クリップと前記加熱部との間に実質的に均一な間隙がつくられる不作動位置のいずれか一方に位置することを特徴とする、請求項4に記載のヘアスタイリング器具。
  6. 前記髪保持クリップが熱伝導性材料で作られ、前記加熱部による間接的な加熱が可能であることを特徴とする、請求項5に記載のヘアスタイリング器具。
  7. 前記加熱部が熱伝導性材料でできている部材を含み、前記部材が少なくとも加熱ゾーンの領域で120C°以上となる表面温度を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  8. 前記加熱部が、電気加熱素子またはガス加熱器具を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  9. 前記冷却部が金属またはプラスチックでできた部材を含み、前記冷却部が熱伝導性コーティングおよび冷却リブの少なくとも一方を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  10. 前記冷却部が、冷却空気またはペルチェ素子によって冷却されることが可能な冷却部材を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  11. 前記加熱部、前記冷却部、前記髪保持クリップの少なくとも一つが、ガイディングおよび/またはスペーシング用のリブを前記外面上に有することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  12. 前記リブが前記器具の主軸を実質的に横断するように設けられ、隣接するリブが周チャネルを形成することを特徴とする、請求項11に記載のヘアスタイリング器具。
  13. 少なくとも一つの仕切りリブが提供されることを特徴とする、請求項12に記載のヘアスタイリング器具。
  14. 前記二つの外側のリブが、仕切りリブとして設計され、前記器具の主軸を横断する面内で、少なくとも或る領域において、前記仕切りリブの中間に配置されるリブより上に突き出ることを特徴とする、請求項12に記載のヘアスタイリング器具。
  15. 前記リブが、弓形、波形または矢形の構成で、髪保持クリップ上へ設けられることを特徴とする、請求項11に記載のヘアスタイリング器具。
  16. 前記リブが、前記器具の主軸に対して概ね平行に配設されていることを特徴とする、請求項11に記載のヘアスタイリング器具。
  17. 前記リブが、前記器具の主軸から実質的に半径方向へ離れて延在することを特徴とする、請求項11に記載のヘアスタイリング器具。
  18. 前記器具の前記棒状の部分が、前記器具の主軸に垂直な面内で概ね楕円形または概ね長円形の外側輪郭を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  19. 前記棒状の部分の断面が、前端から後部自由端に向かって徐々に小さくなることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のヘアスタイリング器具を使用して、先ずスタイリングされる髪束を、加熱部の加熱ゾーンで加熱し、加熱ゾーンのドーム形表面により成形し、続いて、前記髪束を冷却ゾーンで冷却するように成した、髪をスタイリングする方法であって、
    前記加熱ゾーンと前記冷却ゾーンの表面温度差が少なくとも80ケルビンとなるように、前記加熱ゾーンと前記冷却ゾーンの表面温度が設定されることを特徴とする、髪をスタイリングする方法。
  21. 前記髪が、前記加熱ゾーン内で約120℃のスタイリング温度まで少なくとも加熱され、髪中の相対湿度が約30%となり、前記加熱ゾーンの表面温度が約145℃に設定されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 前記髪をきつくした状態で、前記加熱ゾーンと前記冷却ゾーン上に引っ張ることを特徴とする、請求項20または21の何れか一方に記載の方法。
  23. 前記髪を、髪保持クリップと前記加熱部との間のクランプ域に入れて、スタイリングされる髪にクランプ力を加え、次いで前記加熱された髪を前記クランプ域を通して、その後前記冷却ゾーンに沿って引っ張ることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記加熱ゾーンの背後での髪の動きの方向が、前記加熱ゾーン内での髪の動きの方向と同一であることを特徴とする、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. ヘアスタイリング器具と髪との相対速度が可変であることを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. カールされた髪がストレートにされることを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
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