JP4833005B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に所定の膜を形成する、特に焼成時に昇華物を発生する反射防止膜や下層膜を形成する基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。近年の微細加工の急速な進展に伴って、露光工程で使用する露光光の波長も短波長化してきており、従来のg線,i線と称される紫外線からKrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)が主流を占めるようになってきている。このようなエキシマレーザを使用した露光処理を行う際には、基板上に化学増幅型レジストの膜を形成する。
ところが、化学増幅型レジストの膜を形成した基板にエキシマレーザを照射して露光処理を行うと、従来(g線やi線)よりも下地からの反射の影響(定在波効果)が大きくなる。このような反射の影響を低減するために、基板上に反射防止膜を形成することが行われており、特にレジスト膜よりも下層に形成する反射防止膜はBARC(Bottom Anti-Reflection Coating)と称される。
基板上にBARCを形成するときには、BARCの塗布液をスピンコート法等によって基板上に均一に塗布した後、当該基板を加熱処理することによって反射防止膜を焼成するのであるが、この加熱処理の際に塗布液中の樹脂成分が昇華するため、排気ガス中には多量の昇華物が含まれることとなる。このような昇華物は排気管に析出して目詰まりを引き起こしたり汚染源となるおそれがあるため、特許文献1には熱処理ユニットからの排気管を加熱して昇華物の析出を防止する技術が開示されている。
特開2005−64277号公報
上述したBARCの焼成処理を行う熱処理ユニットは、通常レジスト塗布処理および現像処理を行う基板処理装置(いわゆるコータ&デベロッパ)に組み込まれていることが多い。ところが、BARCからの昇華物発生は、熱処理ユニットでの焼成処理が終了してもなおある程度継続して生じている。このため、焼成処理の終了した基板を次工程に搬送すべく熱処理ユニットから搬出すると基板処理装置内に昇華物が飛散することとなり、このような飛散した昇華物が例えば現像処理ユニット内に流入したりすると現像欠陥が生じるという問題があった。
また、近年の微細加工プロセスに対応すべく、レジスト膜の下層に塗布炭素膜(下層膜)を形成し、この下層膜をエッチングマスクとして使用する技術が開発されている。このような下層膜を形成する際にも下層膜薬液を基板上に塗布してから加熱処理によって下層膜を焼成するのであるが、このときに上記BARCの焼成時以上の多量の昇華物が発生することが知られている。よって、下層膜の焼成処理が終了した基板を次工程に搬送すべく熱処理ユニットから搬出すると上記BARCの処理と同様或いはそれ以上に深刻な昇華物飛散に起因した問題が生じることとなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板上に膜形成処理を行う基板処理装置において、基板上に加熱されることにより昇華物を発生する薬液を塗布する塗布処理部と、前記薬液が塗布された基板を加熱して基板上に膜を焼成する加熱部と、前記塗布処理部と前記加熱部との間で基板を搬送する搬送手段と、を備え、前記加熱部は、基板を載置して加熱する熱処理プレートと、前記熱処理プレートの載置面に載置されている基板を当該載置面から離間させる離間機構と、上部中央に排気口が設けられて前記熱処理プレートの上方を覆うカバーと、前記カバーの周縁部から前記熱処理プレートの中央部に向けて不活性ガスを供給するガス供給部と、を有し、前記熱処理プレートによる加熱処理が終了して前記離間機構によって前記載置面から離間された基板の温度が前記加熱部内にて前記基板上に焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度にまで降温した時点で前記搬送手段が前記加熱部から当該基板を搬出し、前記基板が前記載置面から離間してから前記搬送手段によって前記加熱部から搬出されるまでの間、前記ガス供給部から不活性ガスを供給して前記排気口から排気を行うことを特徴としている。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板処理装置において、前記カバーの内壁面は、前記排気口から前記熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面とされていることを特徴としている。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る基板処理装置において、前記薬液は、反射防止膜を形成するための塗布液であり、前記薬液が塗布された基板が前記加熱部にて加熱されることによって、当該基板上に反射防止膜が焼成されることを特徴としている。
また、請求項4の発明は、請求項2の発明に係る基板処理装置において、前記薬液は、下層膜を形成するための塗布液であり、前記薬液が塗布された基板が前記加熱部にて加熱されることによって、当該基板上に下層膜が焼成されることを特徴としている。
また、請求項5の発明は、基板上に膜形成処理を行う基板処理方法において、塗布処理部にて基板上に加熱されることにより昇華物を発生する薬液を塗布する塗布工程と、前記薬液が塗布された基板を前記塗布処理部から加熱部に搬送する搬送工程と、前記薬液が塗布された基板を前記加熱部内の熱処理プレートの載置面に載置して加熱することにより基板上に膜を焼成する加熱工程と、前記熱処理プレートによる加熱処理が終了した基板を前記載置面から離間させる離間工程と、前記載置面から離間された基板の温度が前記基板上に焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度となるまで当該基板を前記加熱部内にて待機させる待機工程と、前記昇華物の発生が停止する温度にまで降温した基板を前記加熱部から搬出する搬出工程と、を備え、前記基板が前記載置面から離間してから前記加熱部から搬出されるまでの間、前記熱処理プレートの上方を覆うカバーの周縁部から前記熱処理プレートの中央部に向けて不活性ガスを供給しつつ、前記カバーの上部中央に設けられた排気口から排気を行うことを特徴としている。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る基板処理方法において、前記カバーの内壁面は、前記排気口から前記熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面とされていることを特徴としている。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係る基板処理方法において、前記薬液は、反射防止膜を形成するための塗布液であり、前記薬液が塗布された基板が加熱されることによって、当該基板上に反射防止膜が焼成されることを特徴としている。
また、請求項8の発明は、請求項6の発明に係る基板処理方法において、前記薬液は、下層膜を形成するための塗布液であり、前記薬液が塗布された基板が加熱されることによって、当該基板上に下層膜が焼成されることを特徴としている。
また、請求項9の発明は、請求項5から請求項8のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記待機工程では、前記基板の温度が前記昇華物の発生が停止する温度となるまでに要する時間として予め計測された時間が経過するまで前記基板を前記加熱部内にて待機させることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、熱処理プレートによる加熱処理が終了して離間機構によって載置面から離間された基板の温度が加熱部内にて焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度にまで降温した時点で搬送手段が加熱部から当該基板を搬出しているため、加熱部外に搬出される時点では基板からの昇華物発生が停止しており、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、カバーの内壁面を排気口から熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面としているため、そのテーパ面に沿って円滑に気流が排気口に向かって流れ、昇華物を十分に回収して加熱部への付着を防止することができる
また、請求項3の発明によれば、基板上に反射防止膜を焼成したときに、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
また、請求項4の発明によれば、基板上に下層膜を焼成したときに、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
また、請求項5の発明によれば、熱処理プレートによる加熱処理が終了して載置面から離間された基板の温度が焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度となるまで当該基板を加熱部内にて待機させてから基板を加熱部から搬出しているため、加熱部外に搬出される時点では基板からの昇華物発生が停止しており、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
また、請求項6の発明によれば、カバーの内壁面を排気口から熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面としているため、そのテーパ面に沿って円滑に気流が排気口に向かって流れ、昇華物を十分に回収して加熱部への付着を防止することができる
また、請求項7の発明によれば、基板上に反射防止膜を焼成したときに、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
また、請求項8の発明によれば、基板上に下層膜を焼成したときに、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る基板処理装置の平面図である。また、図2は基板処理装置の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は基板載置部の周辺構成を示す図である。なお、図1から図4にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
本実施形態の基板処理装置は、半導体ウェハ等の基板に反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板に現像処理を行う装置である。なお、本発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用のガラス基板等であっても良い。
本実施形態の基板処理装置は、インデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5の5つの処理ブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5には本基板処理装置とは別体の外部装置である露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。また、本実施形態の基板処理装置および露光ユニットEXPはホストコンピュータ100とLAN回線(図示省略)を経由して接続されている。
インデクサブロック1は、装置外から受け取った未処理基板をバークブロック2やレジスト塗布ブロック3に払い出すとともに、現像処理ブロック4から受け取った処理済み基板を装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロック1は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納する基板移載機構12とを備えている。基板移載機構12は、載置台11に沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能な可動台12aを備えており、この可動台12aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム12bが搭載されている。保持アーム12bは、可動台12a上を昇降(Z軸方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。これにより、基板移載機構12は、保持アーム12bを各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
インデクサブロック1に隣接してバークブロック2が設けられている。インデクサブロック1とバークブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1とバークブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック1からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック1の基板移載機構12はキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック2の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wを基板移載機構12が受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁13の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、基板移載機構12やバークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック2について説明する。バークブロック2は、露光時に発生する反射の影響(定在波効果やハレーション)を減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成する、すなわち基板W上にBARCの形成処理を行うための処理ブロックである。バークブロック2は、基板Wの表面に反射防止膜を形成するため塗布液を薬液として塗布する下地塗布処理部BRCと、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー21,21と、下地塗布処理部BRCおよび熱処理タワー21,21に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック2においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部BRCが装置正面側に、2つの熱処理タワー21,21が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー21,21の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー21,21から下地塗布処理部BRCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
下地塗布処理部BRCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を特に区別しない場合はこれらを総称して下地塗布処理部BRCとする。各塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック22、このスピンチャック22上に保持された基板W上に薬液として反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル23、スピンチャック22を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック22上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー21には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個のホットプレートHP1〜HP6と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP1〜CP3とが設けられている。この熱処理タワー21には、下から順にクールプレートCP1〜CP3、ホットプレートHP1〜HP6が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー21には、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理部AHL1〜AHL3が下から順に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
このように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニット(バークブロック2ではホットプレートHP1〜HP6、クールプレートCP1〜CP3、密着強化処理部AHL1〜AHL3)を多段に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくしてフットプリントを削減することができる。また、2つの熱処理タワー21,21を並設することによって、熱処理ユニットのメンテナンスが容易になるとともに、熱処理ユニットに必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
上記のホットプレートHP1〜HP6は、下地塗布処理部BRCにて反射防止膜用の塗布液が塗布された基板Wを加熱して基板W上に反射防止膜を焼成するための熱処理ユニットである。図7および図8は、ホットプレートHP1の概略構成を示す側断面図である。なお、ここではホットプレートHP1について説明するが、ホットプレートHP2〜HP6についても全く同様である。ホットプレートHP1は、熱処理プレート211を有する下部チャンバー210と、上部チャンバーとして構成されたカバー240と、を備える。
熱処理プレート211は、載置面211aに基板Wを載置して加熱処理するための円盤形状のヒータであり、例えばマイカヒータによって構成されている。また、熱処理プレート211の表面には、アルミナ(Al23)等の部材から構成された複数個(例えば3個)のプロキシミティボール(図示省略)が配設されている。これらプロキシミティボールは、その上端が熱処理プレート211の表面より微小量だけ突出する状態にて配設されており、基板Wを熱処理プレート211の載置面211a上に載置したときには、基板Wと載置面211aとの間にいわゆるプロキシミティギャップと称される微小間隔が形成される。なお、プロキシミティボールを省略して基板Wを面接触の状態で熱処理プレート211の載置面211a上に直接載置するようにしても良い。
熱処理プレート211を収容する下部チャンバー210には、載置面211aに基板Wを載置したり載置面211aから基板Wを突き上げて離間させる突き上げ機構(離間機構)220が付設されている。突き上げ機構220は、複数本(本実施形態では3本)の支持ピン221、支持板223およびエアシリンダ225を備える。3本の支持ピン221は支持板223上にそれぞれ固定されて立設されている。支持板223はエアシリンダ225のピストンに連結されており、エアシリンダ225の駆動に伴って昇降する。また、熱処理プレート211および下部チャンバー210の底板には支持ピン221が挿通可能な程度の大きさの貫通孔が穿設されており、エアシリンダ225の駆動に伴って3本の支持ピン221が該貫通孔を通って昇降する。エアシリンダ225が支持板223を昇降させると、支持板223上に立設された3本の支持ピン221が一斉に昇降する。
3本の支持ピン221は、図7に示す処理位置と図8に示す待機位置との間でエアシリンダ225によって昇降される。図7に示すように、支持ピン221が処理位置にまで下降されると、その上端が熱処理プレート211の貫通孔内に埋入する。一方、図8に示すように、支持ピン221が待機位置にまで上昇されると、その上端が熱処理プレート211の載置面211aから突出する。
カバー240は、基板Wの加熱処理時に熱処理プレート211の上方を覆うことによって、加熱効率を高めるとともに、反射防止膜の塗布液からの昇華物(或いは揮発物)を回収してユニット外部に拡散するのを防止するものである。カバー240の全体は、下部を開放した円筒形状を有しており、外側カバー243と内側カバー246とで構成された二重構造を有する。
外側カバー243の外面中央部上側には給排気ブロック250が固設されている。給排気ブロック250は、給気管251を介してガス供給源255と連通接続されている。給気管251には給気弁252および流量調整弁253が介挿されている。ガス供給源255は、種々の処理ガス(例えば、窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(02)ガス等)を供給することが可能であり、本実施形態では窒素ガスを供給する。給気弁252は開閉弁であり、流量調整弁253は給気管251を通過する窒素ガスの流量を調整するバルブである。給気弁252を開放することにより、ガス供給源255から給気管251を通って給排気ブロック250に窒素ガスが送給され、その流量は流量調整弁253によって調整される。
また、給排気ブロック250の内部には排気ポート260が設けられている。排気ポート260は、排気管261を介して排気部265と連通接続されている。排気管261には排気弁262および流量調整弁263が介挿されている。排気部265としては、例えば、基板処理装置内部に排気ポンプを設けるようにしても良いし、基板処理装置外部の工場排気ユーティリティを使用するようにしても良い。排気弁262は開閉弁であり、流量調整弁263は排気管261を通過する排気ガスの流量を調整するバルブである。排気部265を作動させつつ排気弁262を開放することにより、排気ポート260に負圧が作用し、排気ポート260周辺の雰囲気を排気管261を介して排気することができ、その排気流量は流量調整弁263によって調整される。
内側カバー246は複数本(例えば6本)のボス244によって外側カバー243に取り付けられている。内側カバー246と外側カバー243との間には隙間が形成されている。外側カバー243はリフタ239によって昇降可能とされている。外側カバー243が昇降すると、それに取り付けられた内側カバー246も外側カバー243と一体的に昇降する。すなわち、リフタ239はカバー240全体を図7に示す処理位置と図8に示す待機位置との間で昇降させるものである。リフタ239としては、例えばエアシリンダやベルト駆動機構等の公知の種々の機構を採用することができる。なお、カバー240が昇降可能なように、給気管251および排気管261のうちの少なくとも給排気ブロック250の近傍は可撓性のチューブ等を用いて構成されている。
リフタ239によってカバー240が図7の処理位置まで降下したときに、内側カバー246の内側と熱処理プレート211の載置面211aとによって囲まれる熱処理空間230が形成される。すなわち、内側カバー246は熱処理空間230に直接接する。そして、本実施の形態においては、内側カバー246の熱処理空間230と接する内壁面246aがテーパ面とされている。具体的には、内側カバー246の中央部に排気口266が開口されており、内側カバー246の内壁面246aは排気口266から熱処理プレート211に向けて拡がるような(つまり下側ほど径が大きくなるような)テーパ面とされている。
内側カバー246は強度と耐熱性に優れたステンレススチールによって形成されている。内側カバー246の内壁面246aは電解研磨によって鏡面仕上げされており、その平均表面粗さ(Ra)は1.6μm以下とされている。また、内側カバー246の外側カバー243に対向する外壁面246bにはヒータ247が貼設されている。ヒータ247としては、例えばシリコンラバーヒータのような面形状のヒータが使用される。
一方、内側カバー246を覆うように設けられた外側カバー243もステンレススチールによって形成されている。外側カバー243は、主として内側カバー246から外部への放熱を緩和するための部材である。外側カバー243の上部中央には開口が形成されており、その開口部分を覆うように給排気ブロック250が取り付けられている。給排気ブロック250の内側は排気ポート260によって雰囲気分離されている。すなわち、排気口266は排気ポート260によって覆われており、給排気ブロック250の内側空間のうち排気ポート260の内側は排気経路とされる一方、外側は給気経路とされ、それらは排気ポート260によって相互に雰囲気遮断されている。
給排気ブロック250の内側空間のうち排気ポート260の外側は、給気管251に連通接続されるとともに、内側カバー246と外側カバー243との間に形成された隙間とも外側カバー243の中央開口を介して連通している。従って、ガス供給源255から給気管251を介して給排気ブロック250に送給された窒素ガスは、外側カバー243の中央開口(正確には中央開口のうち排気ポート260の周囲)を通過して内側カバー246と外側カバー243との間に形成された隙間に流れ込む。窒素ガスは、さらに当該隙間に沿って流れ、カバー240の周縁部から熱処理空間230に供給される。すなわち、内側カバー246と外側カバー243との間の隙間は外側カバー243の中央開口からカバー240の周縁部まで繋がっており、カバー240周縁部における内側カバー246と外側カバー243との間の隙間が円環状の気体供給口として機能する。
カバー240の周縁部から供給された窒素ガスは熱処理空間230内に流入し、熱処理プレート211の周縁部から中央部に向けて(つまり熱処理中の基板Wの外周側から中心部に向けて)流れる。そして、熱処理空間230に流れ込んだ窒素ガスは、内側カバー246の上部中央の排気口266を介して排気ポート260に回収され、排気管261を経て排気部265へと排気される。ここで、給排気ブロック250内は排気ポート260によって雰囲気分離されているため、給気流と排気流とが混じり合うことはない。なお、ホットプレートHP1において、下部チャンバー210およびカバー240は搬送ロボットTR1がアクセスするためのシャッターを備えた筐体(図示省略)内に収容されており、ユニット全体として搬送ロボットTR1近傍とは雰囲気分離されている。
図5は、搬送ロボットTR1を説明するための図である。図5(a)は搬送ロボットTR1の平面図であり、(b)は搬送ロボットTR1の正面図である。搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する2個の保持アーム6a,6bを上下に近接させて備えている。保持アーム6a,6bは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン7で基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。
搬送ロボットTR1の基台8は装置基台(装置フレーム)に対して固定設置されている。この基台8上に、ガイド軸9cが立設されるとともに、螺軸9aが回転可能に立設支持されている。また、基台8には螺軸9aを回転駆動するモータ9bが固定設置されている。そして、螺軸9aには昇降台10aが螺合されるとともに、昇降台10aはガイド軸9cに対して摺動自在とされている。このような構成により、モータ9bが螺軸9aを回転駆動することにより、昇降台10aがガイド軸9cに案内されて鉛直方向(Z方向)に昇降移動するようになっている。
また、昇降台10a上にアーム基台10bが鉛直方向に沿った軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10aには、アーム基台10bを旋回駆動するモータ10cが内蔵されている。そして、このアーム基台10b上に上述した2個の保持アーム6a,6bが上下に配設されている。各保持アーム6a,6bは、アーム基台10bに装備されたスライド駆動機構(図示省略)によって、それぞれ独立して水平方向(アーム基台10bの旋回半径方向)に進退移動可能に構成されている。
このような構成によって、図5(a)に示すように、搬送ロボットTR1は2個の保持アーム6a,6bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー21に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部BRCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック3について説明する。バークブロック2と現像処理ブロック4との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック3が設けられている。このレジスト塗布ブロック3とバークブロック2との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック2とレジスト塗布ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック2からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック3からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられている。
レジスト塗布ブロック3は、バークブロック2にて反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック3は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部SCと、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー31,31と、レジスト塗布処理部SCおよび熱処理タワー31,31に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック3においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部SCが装置正面側に、2つの熱処理タワー31,31が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー31,31の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー31,31からレジスト塗布処理部SCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
レジスト塗布処理部SCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を特に区別しない場合はこれらを総称してレジスト塗布処理部SCとする。各塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック32、このスピンチャック32上に保持された基板W上にレジスト液を吐出する塗布ノズル33、スピンチャック32を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック32上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー31には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個の加熱部PHP1〜PHP6が下から順に積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー31には、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP4〜CP9が下から順に積層配置されている。
各加熱部PHP1〜PHP6は、基板Wを載置して加熱処理を行う通常のホットプレートの他に、そのホットプレートと隔てられた上方位置に基板Wを載置しておく基板仮置部と、該ホットプレートと基板仮置部との間で基板Wを搬送するローカル搬送機構34(図1参照)とを備えた熱処理ユニットである。ローカル搬送機構34は、昇降移動および進退移動が可能に構成されるとともに、冷却水を循環させることによって搬送過程の基板Wを冷却する機構を備えている。
ローカル搬送機構34は、上記ホットプレートおよび基板仮置部を挟んで搬送ロボットTR2とは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、基板仮置部は搬送ロボットTR2側およびローカル搬送機構34側の双方に対して開口している一方、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口し、搬送ロボットTR2側には閉塞している。従って、基板仮置部に対しては搬送ロボットTR2およびローカル搬送機構34の双方がアクセスできるが、ホットプレートに対してはローカル搬送機構34のみがアクセス可能である。
このような構成を備える各加熱部PHP1〜PHP6に基板Wを搬入するときには、まず搬送ロボットTR2が基板仮置部に基板Wを載置する。そして、ローカル搬送機構34が基板仮置部から基板Wを受け取ってホットプレートまで搬送し、該基板Wに加熱処理が施される。ホットプレートでの加熱処理が終了した基板Wは、ローカル搬送機構34によって取り出されて基板仮置部まで搬送される。このときに、ローカル搬送機構34が備える冷却機能によって基板Wが冷却される。その後、基板仮置部まで搬送された熱処理後の基板Wが搬送ロボットTR2によって取り出される。
このように、加熱部PHP1〜PHP6においては、搬送ロボットTR2が常温の基板仮置部に対して基板Wの受け渡しを行うだけで、ホットプレートに対して直接に基板Wの受け渡しを行わないため、搬送ロボットTR2の温度上昇を抑制することができる。また、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口しているため、ホットプレートから漏出した熱雰囲気によって搬送ロボットTR2やレジスト塗布処理部SCが悪影響を受けることが防止される。なお、クールプレートCP4〜CP9に対しては搬送ロボットTR2が直接基板Wの受け渡しを行う。
搬送ロボットTR2の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR2は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー31,31に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部SCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック4について説明する。レジスト塗布ブロック3とインターフェイスブロック5との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック4が設けられている。レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック3から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック4からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられている。
現像処理ブロック4は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック4は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部SDと、現像処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー41,42と、現像処理部SDおよび熱処理タワー41,42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。なお、搬送ロボットTR3は、上述した搬送ロボットTR1,TR2と全く同じ構成を有する。
現像処理部SDは、図2に示すように、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSD1,SD2,SD3,SD4,SD5を下から順に積層配置して構成されている。なお、5つの現像処理ユニットSD1〜SD5を特に区別しない場合はこれらを総称して現像処理部SDとする。各現像処理ユニットSD1〜SD5は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック43、このスピンチャック43上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル44、スピンチャック43を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック43上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー41には、基板Wを所定の温度にまで加熱する5個のホットプレートHP7〜HP11と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP10〜CP13とが設けられている。この熱処理タワー41には、下から順にクールプレートCP10〜CP13、ホットプレートHP7〜HP11が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー42には、6個の加熱部PHP7〜PHP12とクールプレートCP14とが積層配置されている。各加熱部PHP7〜PHP12は、上述した加熱部PHP1〜PHP6と同様に、基板仮置部およびローカル搬送機構を備えた熱処理ユニットである。但し、各加熱部PHP7〜PHP12の基板仮置部およびクールプレートCP14はインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の側には開口しているが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3の側には閉塞している。つまり、加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3はアクセス不可である。なお、熱処理タワー41に組み込まれた熱処理ユニットに対しては現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3がアクセスする。
また、熱処理タワー42の最上段には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック4からインターフェイスブロック5へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック5から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
次に、インターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、現像処理ブロック4に隣接して設けられ、レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wをレジスト塗布ブロック3から受け取って本基板処理装置とは別体の外部装置である露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック4に渡すブロックである。本実施形態のインターフェイスブロック5には、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構55の他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2と、現像処理ブロック4内に配設された加熱部PHP7〜PHP12、クールプレートCP14およびエッジ露光ユニットEEW1,EEW2に対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備えている。
エッジ露光ユニットEEW1,EEW2(2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2を特に区別しない場合はこれらを総称してエッジ露光部EEWとする)は、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56や、このスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2は、インターフェイスブロック5の中央部に上下に積層配置されている。このエッジ露光部EEWと現像処理ブロック4の熱処理タワー42とに隣接して配置されている搬送ロボットTR4は上述した搬送ロボットTR1〜TR3と同様の構成を備えている。
また、図2に示すように、2つのエッジ露光ユニットEEW1,EEW2の下側には基板戻し用のリターンバッファRBFが設けられ、さらにその下側には2つの基板載置部PASS9,PASS10が上下に積層して設けられている。リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック4が基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12で露光後の加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このリターンバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。また、上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構55に基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構55から搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行う。
搬送機構55は、図2に示すように、Y方向に水平移動可能な可動台55aを備え、この可動台55a上に基板Wを保持する保持アーム55bを搭載している。保持アーム55bは、可動台55aに対して昇降移動、旋回動作および旋回半径方向への進退移動が可能に構成されている。このような構成によって、搬送機構55は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うとともに、基板載置部PASS9,PASS10に対する基板Wの受け渡しと、基板送り用のセンドバッファSBFに対する基板Wの収納および取り出しを行う。センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。
以上のインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5には常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
また、上述したインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5は、本実施形態の基板処理装置を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている。
一方、本実施形態では、基板搬送に係る搬送制御単位を機械的に分割したブロックとは別に構成している。本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板搬送を担当する搬送ロボットと、その搬送ロボットによって基板が搬送されうる搬送対象部とを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。すなわち、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、セルを構成する搬送ロボットとしては、インデクサブロック1の基板移載機構12やインターフェイスブロック5の搬送機構55も含まれる。
本実施形態の基板処理装置には、インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセルの6つのセルが含まれている。インデクサセルは、載置台11と基板移載機構12とを含み、機械的に分割した単位であるインデクサブロック1と結果的に同じ構成となっている。また、バークセルは、下地塗布処理部BRCと2つの熱処理タワー21,21と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルも、機械的に分割した単位であるバークブロック2と結果として同じ構成になっている。さらに、レジスト塗布セルは、レジスト塗布処理部SCと2つの熱処理タワー31,31と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルも、機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック3と結果として同じ構成になっている。
一方、現像処理セルは、現像処理部SDと熱処理タワー41と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー42の加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してアクセスすることができず、現像処理セルに熱処理タワー42は含まれない。この点において、現像処理セルは機械的に分割した単位である現像処理ブロック4と異なる。
また、露光後ベークセルは、現像処理ブロック4に位置する熱処理タワー42と、インターフェイスブロック5に位置するエッジ露光部EEWと搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルは、機械的に分割した単位である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱部PHP7〜PHP12と搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱部PHP7〜PHP12に搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
なお、熱処理タワー42に含まれる基板載置部PASS7,PASS8は現像処理セルの搬送ロボットTR3と露光後ベークセルの搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
インターフェイスセルは、外部装置である露光ユニットEXPに対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構55を含んで構成されている。このインターフェイスセルは、搬送ロボットTR4やエッジ露光部EEWを含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック5とは異なる構成となっている。なお、エッジ露光部EEWの下方に設けられた基板載置部PASS9,PASS10は露光後ベークセルの搬送ロボットTR4とインターフェイスセルの搬送機構55との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
次に、本実施形態の基板処理装置の制御機構について説明する。図6は、制御機構の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の基板処理装置は、メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラの3階層からなる制御階層を備えている。メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
第1階層のメインコントローラMCは、基板処理装置全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネルMPの管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、メインコントローラMCのディスプレイとして機能するものである。また、メインコントローラMCに対してはキーボードKBから種々のコマンドを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPからメインコントローラMCに入力作業を行うようにしても良い。
第2階層のセルコントローラCCは、6つのセル(インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセル)のそれぞれに対して個別に設けられている。各セルコントローラCCは、対応するセル内の基板搬送管理およびユニット管理を主に担当する。具体的には、各セルのセルコントローラCCは、所定の基板載置部に基板Wを置いたという情報を、隣のセルのセルコントローラCCに送り、その基板Wを受け取ったセルのセルコントローラCCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラCCに返すという情報の送受信を行う。このような情報の送受信はメインコントローラMCを介して行われる。そして、各セルコントローラCCはセル内に基板Wが搬入された旨の情報を搬送ロボットコントローラTCに与え、該搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットを制御してセル内で基板Wを所定の手順に従って循環搬送させる。なお、搬送ロボットコントローラTCは、セルコントローラCC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される制御部である。
また、第3階層のユニットコントローラとしては、例えばスピンコントローラやベークコントローラが設けられている。スピンコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置されたスピンユニット(塗布処理ユニットおよび現像処理ユニット)を直接制御するものである。具体的には、スピンコントローラは、例えばスピンユニットのスピンモータを制御して基板Wの回転数を調整する。また、ベークコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置された熱処理ユニット(ホットプレート、クールプレート、加熱部等)を直接制御するものである。具体的には、ベークコントローラは、例えばホットプレートに内蔵されたヒータを制御してプレート温度等を調整する。
上述したバークブロック2の塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3はバークセルのスピンコントローラによって制御されている。また、搬送ロボットTR1はバークセルの搬送ロボットコントローラTCによって制御され、ホットプレートHP1〜HP6はバークセルのベークコントローラによって制御されている。
また、基板処理装置に設けられた3階層からなる制御階層のさらに上位の制御機構として、基板処理装置とLAN回線を介して接続されたホストコンピュータ100が位置している(図1参照)。ホストコンピュータ100は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。ホストコンピュータ100には、本実施形態の基板処理装置が通常複数台接続されている。ホストコンピュータ100は、接続されたそれぞれの基板処理装置に処理手順および処理条件を記述したレシピを渡す。ホストコンピュータ100から渡されたレシピは各基板処理装置のメインコントローラMCの記憶部(例えばメモリ)に記憶される。
なお、露光ユニットEXPには、上記の基板処理装置の制御機構から独立した別個の制御部が設けられている。すなわち、露光ユニットEXPは、基板処理装置のメインコントローラMCの制御下で動作しているものではなく、単体で独自の動作制御を行っているものである。もっとも、このような露光ユニットEXPもホストコンピュータ100から受け取ったレシピに従って動作制御を行っており、露光ユニットEXPにおける露光処理と同期した処理を基板処理装置が行うこととなる。
次に、本実施形態の基板処理装置の動作について説明する。以下に説明する処理手順は、ホストコンピュータ100から受け取ったレシピの記述内容に従って図6の制御機構が各部を制御することにより実行されるものである。
まず、装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロック1に搬入される。続いて、インデクサブロック1から未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサセル(インデクサブロック1)の基板移載機構12が所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークセルの搬送ロボットTR1が保持アーム6a,6bのうちの一方を使用してその基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1は受け取った未処理の基板Wを塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットBRC1〜BRC3では、基板Wの表面に反射防止膜(本実施形態ではBARC)を形成するための塗布液が薬液として回転塗布される。塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送される。
ここでは反射防止膜用の塗布液が回転塗布された基板WがホットプレートHP1に搬送されたものとして説明を続けるが、ホットプレートHP2〜HP6に搬送された場合であっても全く同様である。搬送ロボットTR1が基板WをホットプレートHP1に搬入するときには、カバー240はリフタ239によって図8の待機位置に上昇される一方、3本の支持ピン221は図7の処理位置に下降しており、それらの上端は熱処理プレート211に埋入している。この状態にて、搬送ロボットTR1は基板Wを保持する保持アーム6a(または6b)を熱処理プレート211の上方に進出させる。続いて、3本の支持ピン221がエアシリンダ225の駆動によって図8の待機位置にまで上昇して搬送ロボットTR1から基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1が保持アーム6aをホットプレートHP1から退出させた後、3本の支持ピン221がエアシリンダ225によって処理位置にまで下降することにより、熱処理プレート211の載置面211aに基板Wが載置される。また、カバー240もリフタ239によって図7の処理位置に下降され、その結果カバー240と熱処理プレート211とによって囲まれた熱処理空間230が形成される。
熱処理プレート211はベークコントローラによる制御の下で予め所定温度(本実施形態では205℃)に昇温されている。熱処理プレート211の載置面211aに載置された基板Wは上記プレート温度にまで加熱昇温される。この加熱処理によって反射防止膜の塗布液から溶剤や樹脂成分が揮発または昇華して基板W上に反射防止膜が焼成される。
また、3本の支持ピン221およびカバー240が処理位置にまで下降している加熱処理時(図7)には、ガス供給源255から熱処理空間230に窒素ガスが供給されるとともに、熱処理空間230内の雰囲気が排気口266を介して排気部265に排気され続けている。これにより、熱処理空間230内においては、熱処理プレート211の周縁部近傍から供給された窒素ガスが排気口266に向けて流れるような気流が形成される。反射防止膜用の塗布液から発生した昇華物はこの窒素ガスの気流によってホットプレートHP1のユニット外部に排出されることとなる。
ここで本実施形態においては、内側カバー246の中央部上方に排気口266が開口され、内側カバー246の内壁面246aが排気口266から熱処理プレート211に向けて拡がるようなテーパ面とされているため、そのテーパ面に沿って窒素ガスの気流が円滑に流れ、熱処理空間230内に気流の滞留部が発生することが抑制される。その結果、反射防止膜用の塗布液から発生した昇華物も気流とともにスムースに排気ポート260から排出されることとなり、昇華物の回収効率が向上するとともに、ホットプレートHP1の内部構造(例えばカバー240)への昇華物付着を防止することができる。
また、内側カバー246の内壁面246aが電解研磨によって平滑面(平均表面粗さが1.6μm以下)とされているため、内壁面246aへの昇華物付着がより効果的に防止されることとなる。
さらに、内側カバー246の外壁面246bにはヒータ247が貼設されており、このヒータ247によって内側カバー246が所定温度に加熱されている。このため、内側カバー246の内壁面246aに昇華物が析出して付着することがより効果的に防止される。ヒータ247による内側カバー246の加熱温度としては昇華物の析出を抑制できる程度の温度であれば良い。
また、内側カバー246の内壁面246aをテーパ面とすることにより熱処理空間230内から気流の滞留部が排除された結果、熱処理空間230内の対流も抑制され、加熱処理時における基板Wの面内温度分布均一性が向上する。このため、従来よりも大流量にて熱処理空間230への給排気を行ったとしても基板Wの面内温度分布均一性を損なうことが防止される。次の表1は、基板主面の17点を測定する温度測定用基板を本実施形態のホットプレートHP1にて180℃で加熱する条件において、排気口266からの排気流量と基板の面内温度分布均一性との対応関係を示したものである。
Figure 0004833005
表1において、”Range”とは17点のうちの最大値と最小値との差であり、この値が小さいほど、基板の面内温度分布均一性が良好と言える。内側カバーと熱処理プレートとを平行にする従来形状の場合では、排気流量が1リットル/分であったとしても、”Range”は1.59℃であった。このことから、本実施形態のホットプレートHP1のように内側カバー246の内壁面246aをテーパ面とすれば、排気口266からの排気流量を20リットル/分としても従来と同程度の基板面内温度分布均一性が確保できることが明らかであり、従来よりも排気流量を大幅に増加させることが可能である。熱処理空間230からの排気流量を増やすことができれば、より確実に昇華物を回収することができ、内壁面246aへの昇華物付着をより効果的に防止することができる。
本実施形態のホットプレートHP1においては、排気流量を5リットル毎分以上にすれば排気口266からほとんどの昇華物を回収でき、その結果内壁面246aへの昇華物付着を十分に防止することができる。一方、熱処理時における基板の面内温度分布均一性に対する要求水準は年々厳しくなってきており、”Range”を1℃以下にすることが望ましく、このためには排気流量を10リットル毎分以下とすれば良い。すなわち、排気部265が熱処理空間230から排気する排気流量を5リットル毎分以上10リットル毎分以下とすれば、熱処理中の基板Wの面内温度分布均一性を損なうことなく内側カバー246の内壁面246aへの昇華物付着を十分に防止することができる。
以上のようにして塗布液から発生した昇華物を効果的に回収しつつ所定の熱処理時間が経過して基板W上に反射防止膜が形成された時点で、焼成処理が完了し、カバー240が待機位置にまで上昇するとともに、3本の支持ピン221も待機位置に上昇する。3本の支持ピン221が上昇すると、図8に示すように、熱処理プレート211の載置面211aに載置されていた基板Wがそれら支持ピン221によって突き上げられ、載置面211aから離間することとなる。その結果、3本の支持ピン221によって支持されている基板Wへの熱供給が停止されることとなり、基板温度が徐々に降下し始める。
支持ピン221が上昇した直後の段階においては、基板Wの温度が十分に降下しておらず、昇華物が発生し続けている。よって、支持ピン221が上昇してから直ちに基板WをホットプレートHP1から搬出すると、基板処理装置の搬送空間(搬送ロボットTR1が配置されている周辺空間)に昇華物が飛散し、それが基板処理装置の全体に拡散して各部を汚染するおそれがある。そして、そのような飛散した昇華物が例えば現像処理ユニットSD1〜SD5内に流入したりすると現像欠陥の原因となることは既述した通りである。
次の表2は、ある反射防止膜形成用の塗布液を塗布した基板Wを規定の処理温度と処理時間で処理した後に、さらに加熱したときの加熱温度と昇華物の発生量(粒径0.1μm以上の昇華物粒子のカウント数)との関係を示したものである。本実施形態の焼成処理温度である205℃では反射防止膜から多量の昇華物が発生し、200℃でも若干の昇華物発生が認められる。一方、加熱温度が190℃以下であれば昇華物発生は認められない。
Figure 0004833005
このため、本実施形態においては、熱処理空間230での熱処理プレート211による加熱処理が終了して突き上げ機構220によって載置面211aから突き上げられた基板Wの温度が190℃以下にまで降温した時点で搬送ロボットTR1がホットプレートHP1から基板Wを搬出する。具体的には、支持ピン221が上昇してから基板Wの温度が190℃以下となるまでの時間を予め実験やシミュレーションによって計測しておき、支持ピン221が上昇してからその時間が経過した時点で基板Wを搬出するように搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットTR1を制御する。本実施形態では、支持ピン221が上昇してから20秒が経過した時点で搬送ロボットTR1が基板WをホットプレートHP1から搬出する。
このようにすれば、ホットプレートHP1から搬出される時点では基板Wから昇華物が発生していないため、昇華物が搬送空間を介して基板処理装置の全体に飛散することが防止される。
もっとも、3本の支持ピン221が上昇してから基板WがホットプレートHP1から搬出されるまでの間は昇華物が依然として発生し続けているため、ガス供給源255からの窒素ガス供給と排気部265による排気は継続されており、発生した昇華物は排気口266から回収・排出される。また、支持ピン221が上昇して基板Wが190℃以下となるまで待機している間はホットプレートHP1の筐体のシャッタが閉じており、待機中に発生した昇華物がホットプレートHP1から漏れ出ることは防止されている。
搬送ロボットTR1が基板WをホットプレートHP1から搬出する手順は上記の搬入手順の逆となる。すなわち、搬送ロボットTR1が保持アーム6a(または6b)を支持ピン221に支持された基板Wの下方に進出させ、次いで3本の支持ピン221が処理位置にまで下降することによって基板Wが保持アーム6aに渡される。その後、搬送ロボットTR1が保持アーム6aをホットプレートHP1から退出させることによって、基板Wの搬出が完了する。
ホットプレートHP1から搬出された基板Wは次工程(レジスト塗布工程)に十分な程度には冷却されていないため、搬送ロボットTR1によってクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。なお、このときにクールプレートWCPによって基板Wを冷却するようにしても良い。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
また、反射防止膜用の塗布液を塗布する前に脱水処理を行うようにしても良い。この場合はまず、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送する。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気を供給することなく基板Wに単に脱水のための加熱処理(デハイドベーク)を行う。脱水のための加熱処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送され、反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。その後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送され、加熱処理によって基板W上に下地の反射防止膜(BARC)が形成される。このときの、ホットプレートHP1〜HP6の動作は上述と同様のものである。その後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却された後、基板載置部PASS3に載置される。
基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って塗布処理ユニットSC1〜SC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットSC1〜SC3では、反射防止膜が形成された基板Wにレジストが回転塗布される。なお、レジスト塗布処理には精密な基板温調が要求されるため、基板Wを塗布処理ユニットSC1〜SC3に搬送する直前にクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送するようにしても良い。
レジスト塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6のいずれかに搬送される。加熱部PHP1〜PHP6にて基板Wが加熱処理されることにより、レジスト中の溶媒成分が除去されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6から取り出された基板WはクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wは露光後ベークセルの搬送ロボットTR4によって受け取られ、エッジ露光ユニットEEW1,EEW2のいずれかに搬入される。エッジ露光ユニットEEW1,EEW2においては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wはインターフェイスセルの搬送機構55によって受け取られ、露光ユニットEXPに搬入され、パターン露光処理に供される。本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。なお、エッジ露光処理が終了した基板Wを露光ユニットEXPに搬入する前に、搬送ロボットTR4によってクールプレートCP14に搬入して冷却処理を行うようにしても良い。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは露光ユニットEXPから再びインターフェイスセルに戻され、搬送機構55によって基板載置部PASS10に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、露光後ベークセルの搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って加熱部PHP7〜PHP12のいずれかに搬送する。加熱部PHP7〜PHP12では、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための露光後加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは、冷却機構を備えたローカル搬送機構(加熱部PHP7〜PHP12内の搬送機構:図1参照)によって搬送されることにより冷却され、上記化学反応が停止する。続いて基板Wは、搬送ロボットTR4によって加熱部PHP7〜PHP12から取り出され、基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってクールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送する。クールプレートCP10〜CP13においては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、搬送ロボットTR3は、クールプレートCP10〜CP13から基板Wを取り出して現像処理ユニットSD1〜SD5のいずれかに搬送する。現像処理ユニットSD1〜SD5では、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によってホットプレートHP7〜HP11のいずれかに搬送され、さらにその後クールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークセルの搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置されることにより、インデクサブロック1に格納される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板Wはインデクサセルの基板移載機構12によって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
以上のようにすれば、ホットプレートHP1における加熱処理が終了した後、基板W上に焼成された反射防止膜から昇華物の発生が停止する温度以下に基板温度が降温するまでホットプレートHP1内に基板Wを待機させてから搬送ロボットTR1がホットプレートHP1から基板Wを搬出しているため、ホットプレートHP1から搬出される時点では基板Wから昇華物が発生しておらず、昇華物がホットプレートHP1の外部に飛散して搬送空間を介して基板処理装置の全体に拡散するのを抑制することができる。その結果、昇華物の飛散に起因した種々の不具合、例えば現像欠陥の発生を防止することができる。
また、ホットプレートHP1の内側カバー246の内壁面246aを排気口266から熱処理プレート211に向けて拡がるようなテーパ面としているため、熱処理空間230内の気流がそのテーパ面に沿って円滑に排気口266に向かって流れ、反射防止膜用の塗布液から発生した昇華物も気流とともに円滑に排気口266から排出されることとなり、昇華物を十分に回収してホットプレートHP1の内部構造への付着を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、塗布処理ユニットBRC1〜BRC3にて基板Wの表面に反射防止膜(本実施形態ではBARC)を形成するための塗布液を塗布し、その基板WをホットプレートHP1〜HP6にて加熱して反射防止膜を焼成していたが、これに代えて、基板Wの表面に薬液として下層膜を形成するための塗布液を塗布し、その基板WをホットプレートHP1〜HP6にて加熱することによって基板W上に下層膜を焼成するものであっても良い。下層膜とは、近年の微細加工プロセスにも対応可能なエッチングマスクとして開発されたものであり、レジスト膜の下層に形成される塗布炭素膜(SOC:Spin on Carbon Hard Mask)である。この塗布炭素膜の下層膜の特徴は、低反射率でエッチング耐性が高いことである。
このような特徴を有する下層膜を形成するプロセスは、下層膜薬液(下層膜を形成するための塗布液)を上記反射防止膜と同様の手法によって基板Wの表面に塗布し、その基板Wを加熱してカーボン以外の成分を焼き飛ばして不純物含有量が最小限のカーボン膜を焼成するというものである。使用する薬液の種類にもよるが、通常、下層膜の焼成処理温度は反射防止膜(BARC)の焼成処理温度よりも高温である。そして、下層膜の焼成処理時にカーボン以外の成分を焼き飛ばした結果として大量の(反射防止膜焼成時以上の)昇華物が発生する。
次の表3は、ある下層膜薬液を塗布した基板Wを規定の処理温度(220℃)と処理時間(60秒)で処理した後、さらに加熱したときの加熱温度と昇華物の発生量(粒径0.1μm以上の昇華物粒子のカウント数)との関係を示したものである。この下層膜薬液の焼成処理温度である220℃では下層膜から多量の昇華物が発生し、210℃でも若干の昇華物発生が認められる。一方、加熱温度が200℃以下であれば昇華物発生はほとんど認められない。
Figure 0004833005
このため、下層膜の焼成処理を実行する場合には、熱処理プレート211による加熱処理が終了して突き上げ機構220によって載置面211aから突き上げられた基板Wの温度が200℃以下にまで降温した時点で搬送ロボットTR1がホットプレートHP1から基板Wを搬出する。具体的には、支持ピン221が上昇してから基板Wの温度が200℃以下となるまでの時間を予め実験やシミュレーションによって計測しておき、支持ピン221が上昇してからその時間が経過した時点で基板Wを搬出するように搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットTR1を制御する。
このようにすれば、基板W上に下層膜形成処理を行うときにも、ホットプレートHP1から搬出される時点では基板Wから昇華物が発生していないため、昇華物が搬送空間を介して基板処理装置の全体に飛散することが防止される。
また、本発明に係る基板処理技術は、加熱処理時に昇華物が多く発生する基板上の種々の被膜に対して有効であり、上記の反射防止膜や下層膜に限定されず、加熱処理時に昇華物が多く発生するフォトレジスト膜や、カラーフィルタ用に用いられるカラーレジスト膜などにも好適に使用できる。そして、加熱処理が終了した後、基板W上に焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度以下に基板温度が降温するまでホットプレートHP1内に基板Wを待機させてから搬送ロボットTR1がホットプレートHP1から基板Wを搬出するようにすれば、基板処理装置内への昇華物の飛散を抑制することができる。すなわち、加熱されることによって昇華物を発生する薬液を基板Wに塗布し、その基板Wを加熱して所定の膜を形成するものであれば、本発明に係る技術を適用することが可能である。なお、ホットプレートHP1における加熱処理温度および基板Wを搬出する際の温度は、基板Wに塗布される薬液の種類に応じて適宜設定されるものである。
また、上記実施形態においては、内側カバー246の内壁面246aを電解研磨によって鏡面仕上げしていたが、これに代えて内壁面246aに表面自由エネルギーが小さい材質(例えば、フッ素系樹脂)のコーティングを行うようにしても良い。このようにしても、内壁面246aに昇華物が付着しにくくなり、昇華物付着をより効果的に防止することができる。
また、上記実施形態においては、内側カバー246の外壁面246bにヒータ247としてシリコンラバーヒータを貼設して内側カバー246を加熱するようにしていたが、これに代えてまたはこれと併せて、内側カバー246の温度低下を防止する種々の機構を採用することができる。例えば、内側カバー246と外側カバー243との間に断熱部材を配置して内側カバー246からの放熱を抑制するようにしても良い。また、排気ポート260を含むカバー240の全体を加熱するヒーティング機構を付加するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、所定時間の加熱処理が終了した基板Wを突き上げ機構220が載置面211aから突き上げることによって離間させていたが、これに限定されるものではなく、載置面211aから基板Wを離間させる他の手法を用いても良く、例えば加熱終了後の基板Wを載置面211aから離間させるための専用のハンドをホットプレートHP1内に設けるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、支持ピン221が上昇してから所定の待機時間が経過した時点で搬送ロボットTR1が基板WをホットプレートHP1から搬出するようにしていたが、この待機時間をなるべく短くすべく、支持ピン221に支持されている基板Wを強制的に冷却して温度降下効率を向上させるようにしても良い。例えば、排気口266からの排気流量を20リットル/分〜30リットル/分に増加して、支持ピン221に支持されている基板Wの周囲に大流量の気流を流して温度降下効率を向上させるようにしてもよい。また、カバー240の下部周縁部に冷却用ガス吐出ノズルを設け、支持ピン221に支持されている基板Wの周囲に冷却用の窒素ガスもしくは熱伝導率のよいヘリウムガスなどを吹き付けて温度降下効率を向上させるようにしても良い。さらには、排気ポート260から以外にもホットプレートHP1の側面から排気を行うポートを設け、側面からの局所排気を行うようにしてもよい。これらの手法を単独或いは併用して実行することにより、支持ピン221が上昇してからの基板Wの温度降下効率が向上し、上記実施形態よりも短時間で基板Wの温度が昇華物の発生しない温度まで降下することとなり、基板搬出までの待機時間を短縮して処理効率を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、ホットプレートHP1の熱処理プレート211をマイカヒータとしていたが、これに限定されるものではなく、例えばヒートパイプ構造を有するプレートとしても良い。
また、ガス供給源255が供給するガスとしては、窒素ガスに限らず、アルゴンやヘリウム等の他の不活性ガスを供給するようにしてもよい。もっとも、コストの観点からは、窒素ガスを使用するのが好ましい。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理の対象となる基板は半導体ウエハに限定されるものではなく、液晶ガラス基板であっても良い。
また、本発明に係る熱処理装置を組み込んだ基板処理装置の構成は図1から図4に示したような形態に限定されるものではなく、昇華物が多く発生する被膜の塗布形成を行う基板処理装置であれば種々の変形が可能である。
本発明に係る基板処理装置の平面図である。 図1の基板処理装置の液処理部の正面図である。 図1の基板処理装置の熱処理部の正面図である。 図1の基板処理装置の基板載置部の周辺構成を示す図である。 図1の基板処理装置の搬送ロボットを説明するための図である。 図1の基板処理装置の制御機構の概略を示すブロック図である。 ホットプレートの概略構成を示す側断面図である。 ホットプレートの概略構成を示す側断面図である。
符号の説明
211 熱処理プレート
211a 載置面
220 突き上げ機構
230 熱処理空間
240 カバー
243 外側カバー
246 内側カバー
246a 内壁面
246b 外壁面
247 ヒータ
250 給排気ブロック
255 ガス供給源
260 排気ポート
265 排気部
266 排気口
BRC1〜BRC3 塗布処理ユニット
TR1 搬送ロボット
HP1〜HP6 ホットプレート
W 基板

Claims (9)

  1. 基板上に膜形成処理を行う基板処理装置であって、
    基板上に加熱されることにより昇華物を発生する薬液を塗布する塗布処理部と、
    前記薬液が塗布された基板を加熱して基板上に膜を焼成する加熱部と、
    前記塗布処理部と前記加熱部との間で基板を搬送する搬送手段と、
    を備え、
    前記加熱部は、基板を載置して加熱する熱処理プレートと、前記熱処理プレートの載置面に載置されている基板を当該載置面から離間させる離間機構と、上部中央に排気口が設けられて前記熱処理プレートの上方を覆うカバーと、前記カバーの周縁部から前記熱処理プレートの中央部に向けて不活性ガスを供給するガス供給部と、を有し、
    前記熱処理プレートによる加熱処理が終了して前記離間機構によって前記載置面から離間された基板の温度が前記加熱部内にて前記基板上に焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度にまで降温した時点で前記搬送手段が前記加熱部から当該基板を搬出し、
    前記基板が前記載置面から離間してから前記搬送手段によって前記加熱部から搬出されるまでの間、前記ガス供給部から不活性ガスを供給して前記排気口から排気を行うことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1記載の基板処理装置において、
    前記カバーの内壁面は、前記排気口から前記熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面とされていることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2記載の基板処理装置において、
    前記薬液は、反射防止膜を形成するための塗布液であり、
    前記薬液が塗布された基板が前記加熱部にて加熱されることによって、当該基板上に反射防止膜が焼成されることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2記載の基板処理装置において、
    前記薬液は、下層膜を形成するための塗布液であり、
    前記薬液が塗布された基板が前記加熱部にて加熱されることによって、当該基板上に下層膜が焼成されることを特徴とする基板処理装置。
  5. 基板上に膜形成処理を行う基板処理方法であって、
    塗布処理部にて基板上に加熱されることにより昇華物を発生する薬液を塗布する塗布工程と、
    前記薬液が塗布された基板を前記塗布処理部から加熱部に搬送する搬送工程と、
    前記薬液が塗布された基板を前記加熱部内の熱処理プレートの載置面に載置して加熱することにより基板上に膜を焼成する加熱工程と、
    前記熱処理プレートによる加熱処理が終了した基板を前記載置面から離間させる離間工程と、
    前記載置面から離間された基板の温度が前記基板上に焼成された膜から昇華物の発生が停止する温度となるまで当該基板を前記加熱部内にて待機させる待機工程と、
    前記昇華物の発生が停止する温度にまで降温した基板を前記加熱部から搬出する搬出工程と、
    を備え、
    前記基板が前記載置面から離間してから前記加熱部から搬出されるまでの間、前記熱処理プレートの上方を覆うカバーの周縁部から前記熱処理プレートの中央部に向けて不活性ガスを供給しつつ、前記カバーの上部中央に設けられた排気口から排気を行うことを特徴とする基板処理方法。
  6. 請求項5記載の基板処理方法において、
    前記カバーの内壁面は、前記排気口から前記熱処理プレートに向けて拡がるテーパ面とされていることを特徴とする基板処理方法。
  7. 請求項6記載の基板処理方法において、
    前記薬液は、反射防止膜を形成するための塗布液であり、
    前記薬液が塗布された基板が加熱されることによって、当該基板上に反射防止膜が焼成されることを特徴とする基板処理方法。
  8. 請求項6記載の基板処理方法において、
    前記薬液は、下層膜を形成するための塗布液であり、
    前記薬液が塗布された基板が加熱されることによって、当該基板上に下層膜が焼成されることを特徴とする基板処理方法。
  9. 請求項5から請求項8のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記待機工程では、前記基板の温度が前記昇華物の発生が停止する温度となるまでに要する時間として予め計測された時間が経過するまで前記基板を前記加熱部内にて待機させることを特徴とする基板処理方法。
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