JP4831911B2 - コーティングされたスペーサを備えるフラットパネルディスプレイ装置 - Google Patents

コーティングされたスペーサを備えるフラットパネルディスプレイ装置 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明の開示は、フラット・パネル・ディスプレイの分野に関する。より詳細には、特許請求された本発明は、フラット・パネル・ディスプレイのスペーサ・アセンブリに関する。1つの態様では、本開示は、二次電子放出を減少させるための、特化されたスペーサ壁コーティングに関する。
【0002】
(背景技術)
フラット・パネル・ディスプレイには、スペーサ・アセンブリを使用して、バックプレートをフェースプレートから一般に分離させたものがある。例えば高電圧を印加すると、バックプレートとフェースプレートとは、約1〜2ミリメートルの高さのスペーサ・アセンブリにより分離される。本発明の目的のため、高電圧とは、陽極と陰極との電位差が1キロボルトを超えることを意味する。1つの実施形態では、スペーサ・アセンブリは、約50ミクロンの幅を各々有する複数のストリップまたは個々の壁構造から構成される。ストリップは、平行かつ水平な列に配置され、各ストリップはフラット・パネル・ディスプレイの幅に亘って延びている。ストリップ列の間隔は、バックプレート、フェースプレート、およびストリップの強度に依存する。このため、ストリップが非常に強いことが望ましい。スペーサ・アセンブリは、いくつかの強度の物理的要件を満たさなければならない。スペーサ・アセンブリの詳細な説明が、共通の譲受人による同時係属出願である、Spindt他の米国特許出願第08/683789号「フラット・パネル・ディスプレイのスペーサ構造およびその操作方法」に見られる。Spindt他の出願は、1996年7月18日に提出されており、これを参照により背景材料として本明細書中に組み込む。
【0003】
一般のフラット・パネル・ディスプレイでは、スペーサ・アセンブリは、多くの特徴および特性に従わなければならない。より詳細には、スペーサ・アセンブリは、バックプレートとフェースプレートとを互いに対して圧縮させる大気の力に耐えるだけの充分な強度を持っていなければならない。加えて、ストリップ列が各画素列間に正確に嵌合するように、スペーサ・アセンブリの各ストリップ列の高さを等しくする必要がある。さらに、スペーサ・アセンブリの各ストリップ列を充分に平坦にして、スペーサ・アセンブリが、バックプレートおよびフェースプレートの内面に亘って均一な支持を確実に提供するようにしなければならない。
【0004】
スペーサ・アセンブリはまた、優れた安定性を持っていなければならない。より詳細には、スペーサ・アセンブリは、電子衝撃を受けた際に著しく劣化するようなものとすべきではない。さらに別の要件として、スペーサ・アセンブリは、フラット・パネル・ディスプレイの真空環境の汚染に大きく寄与するもの、または管内で発生し得る汚染を受け易いものとすべきではない。
【0005】
加えて、約1の値でとどまる二次電子放出係数(SEEC)を提供するスペーサ・アセンブリを有することが望ましい。SEECは、表面に入射する電子当たりの、表面から放出される電子の数として定義される。このような値は、様々な理由から、一般に従来のスペーサ・アセンブリでは達成されない。一例として、スペーサ・アセンブリに衝突する電子のエネルギーの変化は、スペーサ・アセンブリの長さ(陽極から陰極までの寸法)に亘って変化する傾向がある。すなわち、陰極近くのスペーサ・アセンブリに衝突する電子のエネルギーは、陽極近くのスペーサ・アセンブリに衝突する電子のエネルギーよりも一般にはるかに小さい。衝突する電子のエネルギーが変化することにより、従来のスペーサ・アセンブリの二次放出係数関数も、陰極近くのスペーサ・アセンブリの部分から陽極近くのスペーサ・アセンブリの部分へと大きく変化する。
【0006】
したがって、スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように特化されたスペーサ・アセンブリが必要である。さらに、前記の必要性を満たし、電子衝撃を受けた際に著しく劣化することのないスペーサ・アセンブリが必要である。さらに、フラット・パネル・ディスプレイの真空環境の汚染に大きく寄与することがなく、管内で発生し得る汚染を受けることの少ないスペーサ・アセンブリが必要である。
【0007】
(発明の開示)
本発明は、スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように特化されたスペーサ・アセンブリを提供する。本発明はさらに、前記の達成事項を達成し、電子衝撃を受けた際に著しく劣化することのないスペーサ・アセンブリを提供する。本発明はさらに、前記の達成事項の両方を達成し、フラット・パネル・ディスプレイの真空環境の汚染に大きく寄与することがなく、管内で発生し得る汚染を受けることの少ないスペーサ・アセンブリを提供する。
【0008】
1つの実施形態では、本発明は、関連する特定の二次電子放出係数関数を有するスペーサ構造から構成される。スペーサ構造を構成する材料は、スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように特化される。
【0009】
別の実施形態では、コーティング材料がスペーサ壁の少なくとも一部に塗布される。コーティング材料は、スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように選択される。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、関連する特定の二次電子放出係数関数を有するスペーサ構造から構成される。スペーサ・アセンブリはさらに、スペーサ構造の少なくとも一部に塗布されるコーティング材料を含む。スペーサ構造を構成する材料とコーティング材料を構成する材料との組合せは、スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように特化される。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目的および利点は、種々の図面に示す好適な実施形態についての以下の詳細な説明を読めば、当業者には当然明らかになるだろう。
【0012】
本明細書中に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0013】
本明細書中で言及する図面は、特に注釈のない限り、一律の縮尺に従わずに描かれていることを理解すべきである。
【0014】
(好適な実施形態の説明)
以下、添付図面に例を示す、本発明の好適な実施形態について詳細に言及する。本発明は好適な実施形態に関して記述されるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。反対に、本発明は、添付の請求の範囲により定義される本発明の精神および範囲に含まれる代替形態、変形形態、および等価物を包含するものである。さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解するために、多数の特定の詳細について記述されている。しかし、これらの特定の詳細なしに本発明を実施してもよいことは当業者には明らかであろう。他の例では、公知の方法、手順、構成要素および回路については、本発明の態様を不必要に曖昧にするものではないので、詳細に記述されていない。加えて、以下の説明では特にスペーサ壁について述べているが、本発明は、限定的ではないが、柱、十字部、ピン、壁の区分、T字形物体等を含むスペーサ構造として本明細書中で言及される種々の他の支持構造と合わせた使用にも、充分に適していることが理解される。本出願では、スペーサ構造という語は、限定的ではないが、前記した種々のタイプの支持構造を含むことを意図している。
【0015】
図1は、本発明の1つの実施形態によるスペーサ・アセンブリ100の概略側面断面図である。本実施形態では、スペーサ・アセンブリ100は、コーティング104が一部に塗布されたスペーサ構造102から構成される。図1の実施形態では、スペーサ構造102は材料の組合せから構成される。より詳細には、本実施形態では、スペーサ構造102は、約30パーセントの酸化クロミウム(Cr23)と、約70パーセントのアルミナ(Al23)とに、少量のチタン(Ti)を添加したものから構成される。本発明ではスペーサ構造102はこのような混合物から構成されるが、本発明は種々の他の組成または構成比を有するスペーサ壁にも充分に適している。一般に、スペーサ構造102の長さ(陰極から陽極まで)は1.25ミリメートル、幅は50ミクロンである。
【0016】
図1では、コーティング材料104がスペーサ構造102の一部に塗布されている。本実施形態では、コーティング材料104は、約3パーセントのチタンを添加したCr23から構成される。さらに、本実施形態では、コーティング材料104はスペーサ構造102に約数100オングストロームの厚さで塗布される。しかし、コーティング材料104の厚さを変更することは、本発明の範囲内である。図1に示すように、本実施形態では、コーティング材料104は、電界放出型ディスプレイ装置の106で示す陰極にスペーサ構造102が結合される位置の近くで、スペーサ構造102の下部に塗布される。さらに、本実施形態では、コーティング材料104は、電界放出型ディスプレイ装置の108で示す陽極にスペーサ構造102が結合される位置の近くでは、スペーサ構造102に塗布されない。本実施形態では、コーティング材料104は、約3パーセントのチタンを添加したCr23から構成されるが、本発明は、以下に述べる条件を満たす種々の他のコーティング材料の使用にも、充分に適している。加えて、コーティング材料104は、図1に示すようにスペーサ構造102の下部に塗布されるが、本発明は、コーティング材料104がスペーサ構造102の種々の他の部分に塗布される種々の他の構成にも充分に適している。
【0017】
図2A〜2Cは、二次電子放出係数関数(δ)と、衝突する電子のエネルギーと、図1のスペーサ・アセンブリのスペーサ・アセンブリ高さとの比較を示している。従来の電界放出型ディスプレイ装置では、増加する電圧電位を使用して、電子を陰極106から陽極108へ向けて加速させる。より詳細には、電位は、電界放出型ディスプレイ装置の陰極104近くで約0keVとなる。従って、本発明では、電圧電位は、スペーサ・アセンブリ100の底部近くで約0kevとなる。電圧電位は、電界放出型ディスプレイ装置の陽極108近くで約6keVの値になるまで徐々に増加する。従って、本発明では、電圧電位は、スペーサ・アセンブリ100の頂部近くで約6keVとなる。この増加する電圧電位は、陰極106と陽極108との間の電圧電位値をプロットした図2Bに図示されている。本実施形態のスペーサ・アセンブリ100に衝突する電子は、その点の電圧電位にほぼ等しいエネルギーを有する。従って、図2Bと図2Aとを比較することによって判定することができるように、本発明では、コーティング材料104はスペーサ構造102の底部からスペーサ・アセンブリ100に衝突する電子が約3keVのエネルギーを有する点付近まで延びている。
【0018】
図2Cは、二次電子放出係数関数(δ)のグラフ202を示している。図2Cのグラフ202では、線204は、図1および2Aのむき出しのスペーサ構造102についての、0keV〜6keVの二次放出係数関数を表す。線206は、図1および2Aのコーティング材料104についての、0keV〜6keVの二次放出係数関数を表す。スペーサ・アセンブリ100が「電気的に不可視」(すなわちバックプレート(陰極106)の列電極からフェースプレート(陽極108)の画素蛍光体へ流れる電子を偏向させることがない)のままとなるように、二次電子放出係数関数を1または1の近くの値で維持しなければならない。図2Cの線204により示すように、むき出しのスペーサ構造102についての二次電子放出係数関数は、入射電子エネルギーが約0keV〜3keV未満のときに、1.0よりもはるかに大きくなる。しかし、むき出しのスペーサ構造102についての二次電子放出係数関数は、入射電子エネルギーが約3keV超〜6keVの値のときには、1.0の値にかなり近くなる。反対に、図2Cの線206により示すように、図1および2Aのコーティング材料104についての二次電子放出係数関数は、入射電子エネルギーが約0keV〜3keV未満のときに、1.0の値にかなり近くなる。しかし、コーティング材料104についての二次電子放出係数関数は、入射電子エネルギーが約3keV超〜6keVの値のときには、1.0よりもはるかに小さくなる。
【0019】
従って、本実施形態は、スペーサ構造102の下部をコーティング材料104でコーティングすることにより、およびスペーサ構造102の上部をコーティングしない、または「むき出し」のままで残すことにより、スペーサ・アセンブリ100に衝突する可能性のある電子のエネルギーの変化を補償する。その結果、スペーサ・アセンブリ100の二次電子放出係数関数は、下部で(コーティング材料104が存在するため)1.0または1.0近くの値になり、スペーサ・アセンブリ100の二次電子放出係数関数は、上部に沿った所望の位置で(むき出しのスペーサ構造102が存在するため)1.0または1.0近くの値になる。従って、本実施形態のスペーサ・アセンブリ100は、関連する複数の二次電子放出係数関数を有する。さらに、本実施形態は、スペーサ構造102の一部をコーティング材料104でコーティングすることにより、スペーサ・アセンブリ100の二次電子放出係数関数を調整する。
【0020】
所望の位置で1.0近くの値を有するように二次電子放出係数関数を調整することにより「電気的に不可視」なスペーサ・アセンブリ100を提供することに加えて、本発明は関連する複数の他の利点を有する。一例として、本発明は、過剰な電荷をあまり集めることがないため、従来のスペーサ壁で過剰な電荷を流出させる必要のある電極または他の装置等の、製造が複雑かつ困難であり、高価であることを不要にする。従って、本発明は容易かつ安価に製造することができる。加えて、本実施形態のスペーサ・アセンブリ100は電荷の蓄積を減少させるので、スペーサ壁から流出される電荷がより少なくなる。その結果、塊状のスペーサ構造102(およびコーティング材料104)の抵抗率の規定がかなり緩和される。このような緩和された規定/要件により、スペーサ構造102およびコーティング材料104のコストが減少する。従って、本発明は製造コストを減少させることができる。充電が少ないので、壁材料の抵抗率を増加させることができ、これにより壁を通る漏出流が減少する。従って、電界放出型ディスプレイの効率が向上する。
【0021】
また、本実施形態によるスペーサ・アセンブリの製造は、関連する別個の利点を有する。例えば、図2Aの実施形態では、本発明に関連する恩恵を大きく損なうことなく、スペーサ構造102上のコーティング材料104の位置をわずかに変更することができる。その結果、性能を著しく損なうことなく、製造コストを大きく減少させるのに充分なだけ製造公差を緩めることができる。
【0022】
さらに別の利点として、スペーサ・アセンブリ100は安定性に優れている。すなわち、二次電子放出係数関数を全長に沿って1.0近くの値に調整することに加えて、スペーサ・アセンブリ100は、スペーサ構造およびコーティングに使用された材料に応じて、電子衝撃を受けた際に著しく劣化することがない。例えば、電子衝撃に対するコーティングの安定性がスペーサ構造よりも低い場合でも、図2Aに示す構成は動作中に急速に劣化することはない。これは、はるかに多くの電子がコーティングのないスペーサ上部に衝突するためである。これに注目する別の点として、コーティングの安定要件が緩和されることがある。劣化することがないので、スペーサ・アセンブリ100は電界放出型ディスプレイ装置の真空環境の汚染に大きく寄与することがない。加えて、電界放出型ディスプレイ封止プロセスの前に、本実施形態のスペーサ・アセンブリ100を構成する材料(すなわち、スペーサ構造102のCr23、Al23、Ti、およびコーティング材料104のCr23)から、汚染炭素を容易に除去または洗浄することができる。実際に、1つの実施形態では、コーティングされていないスペーサは、本発明のコーティングCr23に比べて炭素を収集する可能性が少ない。炭素の収集は、電子がその表面に衝突するときのみであれば、必ずしも有害ではない。コーティングを壁の下半分に限定することにより、炭素コーティング面に衝突する電子の数が少なくなるため、再びより安定した構成につながる。また、本実施形態のスペーサ・アセンブリ100を構成する材料は、電界放出型ディスプレイ封止プロセスの後、有害となるように炭素を収集することはない。その結果、本実施形態は従来のコーティングされないスペーサ壁に関連した、炭素関連汚染の影響を受けることがない。
【0023】
図3は、特許請求された本発明による、スペーサ・アセンブリ300の別の実施形態を示している。図1および図2Aの実施形態にあるように、本実施形態では、スペーサ・アセンブリ300は、コーティング302が一部に塗布されたスペーサ構造102から構成される。図3の実施形態では、スペーサ構造102は、図1および2Aに関して詳細に前記したものと同一の材料から構成される。しかし、本発明は種々の他の組成または構成比を有するスペーサ壁にも充分に適している。加えて、本実施形態では、コーティング材料302はCr23から構成されるが、本実施形態は種々の他のコーティング材料の使用にも充分に適している。
【0024】
図3の実施形態では、スペーサ構造102に厚さの変化するコーティング材料302が塗布されている。本実施形態では、コーティング材料302の変化する厚さは、スペーサ・アセンブリ300に衝突する電子のエネルギーに対応して変化し、コーティング材料302の二次電子放出係数関数と、下にあるスペーサ構造102の二次放出係数関数とを組み合わせて、スペーサ・アセンブリ300に沿った所望の位置で1.0または1.0近くの値を有する総二次電子放出係数関数を提供するようにしている。より詳細には、コーティング材料302が充分な厚さで付着するときは、二次電子放出係数関数はコーティング材料302の二次電子放出係数関数となる。反対に、コーティング材料302がないときは、二次電子放出係数関数はスペーサ構造102の二次電子放出係数関数となる。しかし、コーティング材料302が充分に薄い(例えば領域304で)ときは、二次電子放出係数関数は、部分的にコーティング材料302の二次電子放出係数関数、および部分的に下にあるスペーサ構造102の二次電子放出係数関数から構成される。従って本実施形態は、衝突する電子のエネルギーが、陰極106近くの領域で約0kevの値から、陽極108近くの領域で約6keVの値まで増加することを考慮している。本実施形態は、コーティング材料302の二次電子放出係数関数と、下にあるスペーサ構造102の二次電子放出係数関数との組合せにより、所望の位置で1.0または1.0近くの値を有する総二次電子放出係数関数を提供するように、コーティング材料302の厚さを調整する。従って、本実施形態は、関連する複数の位置変化する二次電子放出係数関数を有するスペーサ・アセンブリを生成する。
【0025】
図4は、スペーサ・アセンブリ400の側面概略図である。本実施形態では、スペーサ構造102の第1の部分に第1のコーティング材料402が塗布され、第2の部分に第2のコーティング材料404が塗布されている。図4の実施形態では、スペーサ構造102は、図1、2Aおよび3の実施形態に関して詳細に前記したものと同一の材料から構成される。しかし、本発明は種々の他の組成または構成比を有するスペーサ壁にも充分に適している。加えて、本実施形態では、第2のコーティング材料404はCr23から構成されるが、本実施形態は種々の他のコーティング材料の使用にも充分に適している。図4の実施形態では、第1のコーティング材料402はNd23から構成される。図4に示すように、第1のコーティング材料402は、衝突する電子が約2〜4keVのエネルギーを有するときのみ露出される。従って、このような電位範囲について、1.0または1.0近くの値を持つ二次電子放出係数関数を有する材料(例えばNd23)を選択することにより、本実施形態は、総二次電子放出係数関数を所望の値に調整する。すなわち、本実施形態は、陰極106近くに配置された低エネルギー(例えば0〜2keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つコーティング材料404を有する。次いで、本実施形態は、スペーサ構造102の中間部近くに配置された中間範囲エネルギー(例えば2〜4keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つコーティング材料402を有する。最後に、本実施形態は、陽極108近くに配置された高エネルギー(例えば4〜6keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つ露出したむき出しのスペーサ構造102を有する。本実施形態は、第1および第2のコーティングの位置、厚さ、またはこれらを構成する材料の変化に充分に適しており、結果として生じる二次電子放出係数関数を、スペーサ・アセンブリ400に沿ったいずれの所望位置にも正確に調整する。加えて、本実施形態は3つ以上のコーティング材料の使用にも充分に適しており、結果として生じる所望の二次電子放出係数関数を達成する。
【0026】
図5は、スペーサ壁の第1の部分に第1のコーティング材料502が塗布され、第2の部分に第2のコーティング材料504が塗布された、スペーサ・アセンブリ500の側面外略図である。図5の実施形態では、スペーサ構造102の全面がコーティングされている。本実施形態では、スペーサ構造102は、図1、2A、3、および4の実施形態に関して詳細に前記したものと同一の材料から構成される。しかし、本発明は種々の他の組成または構成比を有するスペーサ壁にも充分に適している。加えて、本実施形態では、第2のコーティング材料504はCr23から構成されるが、本実施形態は種々の他のコーティング材料の使用にも充分に適している。図5の実施形態では、第1のコーティング材料502はNd23から構成される。図5に示すように、第1のコーティング材料502は、衝突する電子が約3〜6keVのエネルギーを有するときのみ露出される。従って、このような電位範囲について、1.0または1.0近くの値を持つ二次電子放出係数関数を有する材料(例えばNd23)を選択することにより、本実施形態は、総二次電子放出係数関数を所望の値に調整する。すなわち、本実施形態は、陰極106近くに配置された低エネルギー(例えば0〜3keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つコーティング材料504を有する。次いで、本実施形態は、陽極108近くに配置された高エネルギー(例えば3〜6keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つ第1のコーティング材料502を有する。本実施形態では、むき出しのスペーサ構造102が露出されることはない。本実施形態は、第1および第2のコーティングの位置、厚さ、またはこれらを構成する材料の変化に充分に適しており、結果として生じる二次電子放出係数関数を、スペーサ・アセンブリ500に沿ったいずれの所望位置にも正確に調整する。加えて、本実施形態は3つ以上のコーティング材料の使用にも充分に適しており、結果として生じる所望の二次電子放出係数関数を達成する。
【0027】
図6は、特許請求された本発明による、スペーサ・アセンブリ製造中に行われるステップのフローチャート600である。図6に示すように、ステップ602では、本発明はまずスペーサ壁を設ける。本実施形態では、スペーサ壁(例えば図1、2A、3、4、および5のスペーサ構造102)は、材料の組合せから構成される。より詳細には、本実施形態では、スペーサ構造102は、約30パーセントの酸化クロミウム(Cr23)と、約70パーセントのアルミナ(Al23)とに、少量のチタン(Ti)を添加したものから構成される。本発明ではスペーサ構造102はこのような混合物から構成されるが、本発明は種々の他の組成または構成比を有するスペーサ壁にも充分に適している。一般に、スペーサ構造102の長さ(陰極から陽極まで)は1.25ミリメートル、幅は50ミクロンである。
【0028】
次に、ステップ604では、本実施形態は、第1のコーティング材料(例えば図1のコーティング材料104)を、ステップ602で設けられたスペーサ壁に塗布する。1つの実施形態では、コーティング材料はCr23から構成される。さらに、本実施形態では、コーティング材料は、下にあるスペーサ壁に約数100オングストロームの厚さで塗布される。しかし、コーティング材料の厚さを変更することは、本発明の範囲内である。本発明は、以下に述べる条件を満たす種々の他のコーティング材料の使用にも、充分に適している。加えて、本発明は、スペーサ構造102上のコーティング材料が塗布される位置を変化させることにも充分に適している。すなわち、本発明は、例えば、スペーサ壁が電界放出型ディスプレイ装置の陰極に結合される位置の近くにコーティング材料を塗布すること、および/またはスペーサ壁が電界放出型ディスプレイ装置の陽極に結合される位置の近くにコーティング材料を塗布しないことにも充分に適している。
【0029】
ステップ606に関し、本実施形態は次に、第2のコーティング材料(例えば図4のコーティング材料404)をスペーサ・アセンブリに塗布する。1つの実施形態では、第2のコーティング材料は第1のコーティング材料(例えば図4の第1のコーティング材料402)に重なる。このようにして、本発明は、総二次電子放出係数関数を所望の値に調整する。すなわち、本実施形態は、電界放出型ディスプレイ装置の陰極近くに配置された低エネルギー(例えば0〜3keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つコーティング材料(例えば第2のコーティング材料)を有する。次いで、本実施形態は、電界放出型ディスプレイ装置の陽極近くに配置された高エネルギー(例えば3〜6keV)について、1.0または1.0近くの二次電子放出係数関数を持つ別のコーティング材料(例えば第1のコーティング材料)を有する。本実施形態は、第1および第2のコーティングの位置、厚さ、組成、またはこれらを構成する材料の変化に充分に適しており、結果として生じる二次電子放出係数関数を、スペーサ・アセンブリに沿ったいずれの所望位置にも正確に調整する。
【0030】
図7は、本実施形態により使用される例示的なコンピュータ・システム700を示している。図7のシステム700は、単に例示のためのものであり、本発明は、パーソナル・コンピュータ・システム、ラップトップ・コンピュータ・システム、パーソナル・デジタル・アシスタント、電話(例えば無線携帯電話)、車載システム、汎用ネットワーク・コンピュータ・システム、内蔵コンピュータ・システム、独立型コンピュータ・システムを含む、いくつかの異なるコンピュータ・システム内で動作可能であることが認識される。さらに、以下に詳細に説明するように、コンピュータ・システム700の構成要素は、例えば、顧客のコンピュータおよび/またはコンピュータ・システム700に結合された中間装置にある。加えて、図7のコンピュータ・システム700は、例えば結合されるフロッピー(商標登録)・ディスク、コンパクト・ディスク等のコンピュータ読取り可能な媒体を有するように充分に構成される。明確にするために、このようなコンピュータ読取り可能な媒体は、図7ではコンピュータ・システム700に結合されていない。
【0031】
図7のシステム700は、情報を通信するためのアドレス/データ・バス702と、バス702に結合された、情報および支持を処理するための中央処理装置704とを含む。中央処理装置704は、例えば80×86系のマイクロプロセッサまたは種々の他のタイプの処理装置とすることができる。システム700は、バス702に結合された、中央処理装置704のための情報および指示を記憶する、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等のコンピュータ使用可能な揮発性メモリ706や、バス702に結合された、中央処理装置704のための静止情報および指示を記憶する、リード・オンリー・メモリ(ROM)等のコンピュータ使用可能な不揮発性メモリ708等のデータ記憶特性と、バス702に結合された、情報および指示を記憶するためのデータ記憶装置710(例えば、磁気または光ディスクおよびディスク・ドライブ)とを含む。本発明のシステム700はまた、バス702に結合された、情報およびコマンド選択を中央処理装置704に通信する、英数字キーおよびファンクション・キーを含むオプションの英数字入力ユニット712を含む。システム700はまた、702に結合された、ユーザ入力情報およびコマンド選択を中央処理装置704に通信する、カーソル制御装置714をオプションとして含む。本発明のシステム700はまた、702に結合された、情報を表示する電界放出型ディスプレイ装置716を含む。
【0032】
図7では、オプションのカーソル制御装置714により、コンピュータのユーザが、ディスプレイ装置716のディスプレイ画面上の、目に見える記号(カーソル)の二次元の動きを動的に伝送することができるようになる。カーソル制御装置714の多くの実施が、所与の移動方向または移動方法の動きを伝送することのできる、トラックボール、マウス、タッチパッド、ジョイスティック、または英数字入力ユニット712上の特殊キーを含む技術分野で公知である。あるいは、特殊キーおよびキー・シーケンス・コマンドを使用する、英数字入力ユニット712からの入力を介して、カーソルを方向付けおよび/または起動することができることが認識される。本発明はまた、例えば、ボイス・コマンド等の他の手段によりカーソルを方向付けすることにも充分に適している。
【0033】
図8は、本発明の1つの実施形態によるスペーサ・アセンブリ800の概略側面断面図である。本実施形態では、スペーサ・アセンブリ800は、スペーサ構造802から構成される。一般に、スペーサ構造802の長さ(陰極から陽極まで)は約1.25ミリメートル、幅は約50ミクロンである。加えて、以下の説明では特にスペーサ壁について述べているが、本発明は、限定的ではないが、柱、十字部、ピン、壁の区分、T字形物体等を含むスペーサ構造として本明細書中で言及される種々の他の支持構造と合わせた使用にも、充分に適していることが理解される。本出願では、スペーサ構造という語は、限定的ではないが、前記した種々のタイプの支持構造を含むことを意図している。さらに、以下の説明では、特に電界放出型ディスプレイ装置における本発明の種々の実施形態の使用について述べているが、本発明の種々の実施形態は、種々の他のフラット・パネル・ディスプレイ装置における使用にも充分に適している。また、コーティング材料の使用に言及する本発明の実施形態は、下にあるスペーサ構造の全部分に塗布されたコーティング材料を示しているが、本発明は、下にあるスペーサ構造の特定の部分のみにコーティング材料が塗布される、種々の他の構成にも充分に適している。
【0034】
図8に関し、壁での充電がビーム偏向につながって、壁の両側に不活性の蛍光体を生じるので、支持構造802の二次電子放出係数は、支持構造の不可視性を達成するのに重要な役割を果たす。充電をなくすかまたは非常に少なくするためには、壁材料の二次電子放出係数を、電界放出型ディスプレイ動作電圧(例えば0.5kV〜8kV)の全範囲についてほぼ1つにする必要がある。本実施形態では、支持構造802は酸化セリウムを含む。1つの実施形態では、0.5kV〜7kVの電界放出型ディスプレイ動作電圧についての酸化セリウムの測定二次電子放出係数により、約0.75〜1.77の二次電子放出係数が得られる。より詳細には、本実施形態のスペーサ構造は、酸化セリウムでドープされた純Al23である。このような実施形態では、スペーサ構造は、良好な滑らかさと高い強度とを達成する。例えば、本発明のスペーサ構造802は、Al23の硬度(モース・スケールで、Al23の硬度は7である)と、酸化セリウムの硬度(モース・スケールで、酸化セリウムの硬度は6である)との間の硬度を有する。
【0035】
図9は、本発明の別の実施形態900を示している。本実施形態では、スペーサ構造902の一部にコーティング材料904が塗布されている。本実施形態では、塗布材料904はスペーサ構造902に数オングストローム程度の厚さで塗布される。しかし、コーティング材料904の厚さを変更することは、本発明の範囲内である。加えて、図9に示すように、コーティング材料904はスペーサ構造902の全部分に塗布されているが、本発明は、コーティング材料904が、スペーサ構造902の特定の部分のみに塗布される種々の他の構成にも充分に適している。
【0036】
図9では、上述したように、フラット・パネル・ディスプレイ装置の動作電圧について約1の二次電子放出係数を達成することが望ましい。本実施形態は、高エネルギー入射あるいは一次電子の比較的弱い散乱と、低エネルギー二次電子の比較的強い散乱とを達成する。より詳細には、本実施形態では、コーティング材料904が層材料から構成される。本実施形態では、層材料は、基底面がセラミック支持構造902の面と平行になるように付着する。このようにして、本発明のコーティング材料904は、ランダム配向を持つ同等の材料よりもはるかに少ない(すなわち1の値に近い)二次電子放出係数を達成する。
【0037】
図9に関し、1つの実施形態では、コーティング材料904を構成する層材料は半金属である。さらに、1つの特定の実施形態では、コーティング材料904の層材料は、グラファイト、MoS2、およびMoSe2等の材料から構成される。
【0038】
図10は、本発明の別の実施形態1000を示している。図10の実施形態では、支持構造1002上にコーティング材料1004が配置されている。本実施形態では、コーティング材料1004は、遷移酸化金属化合物から構成される。このようなコーティング材料は、電子の脱出深さ、ラムダを減少させる。このような電子の脱出深さ、ラムダの減少は、4元酸化物中で固溶液を形成することにより達成されるので、イオン原子価、伝導帯の空きd状態、またはイオン半径のいずれかでランダムな順序付けが生じる。従って、本実施形態のコーティング材料1004により、壁の可視性が減少する(すなわち不可視性が増加する)。加えて、本実施形態のコーティング材料1004は、低い二次電子放出、高い抵抗率、高い熱安定性、電子ビーム衝撃中の高い安定性、および炭化水素汚染に対する高い耐性という、所望の必要な特性を満たしている。さらに、コーティング材料1004は、支持アセンブリ1000の電気伝導性を増加させることなく、支持アセンブリ1000の二次電子放出を減少させる。また、コーティング材料1004は、前記の特性を達成し、500℃に至る熱処理時にも劣化することがない。コーティング材料1004は、前記の特性を達成し、表示動作中に電子ビームに長時間晒されても劣化することがない。さらに別の恩恵として、本実施形態のコーティング材料1004は、前記の特性を達成し、放出型ディスプレイ特有の組立および封止プロセス中に一般に遭遇する、この種のタイプのガス状化学物質に晒されても劣化することがない。
【0039】
図10では、1つの実施形態で、コーティング材料1004は3元および4元遷移酸化金属から構成される。より詳細には、1つの実施形態では、コーティング材料1004はペロブスカイト組成、すなわち、AおよびBが遷移金属であるABO3を有する。別の実施形態では、コーティング材料1004は、例えば、「A」原子位置を構成する溶液として共に混合可能なランタニド要素のいずれかから構成される(例えば(Ndx、Pr1-x)TiO3)。さらに別の実施形態では、コーティング材料1004は、例えば、AおよびBが遷移金属であるLaxBa(2-x)CuO4等のA2BO4組成から構成される。これらのコーティング材料の特有かつ制御可能な特性の1つは、内部二次電子を散乱させ、二次電子が固体から脱出する前にこれらのエネルギーを損失させることにより、二次電子を本質的に捕集することができる点にある。加えて、この特性の特徴である「脱出長さ」ラムダを減少させる、ある4元組成を見つけることができる。従って、1つの実施形態では、コーティング材料1004は、原子が「A」位置で、交互する原子価と混合される材料から構成される。一例として、LaxBa(1-x)TiO3がある。この場合、LaとBaは同様の格子位置を占めている。Laは3+イオンであり、Baは2+イオンである。この局所的な電界のランダム性は、電子の散乱を促し、ラムダを減少させる。
【0040】
図10に関し、別の実施形態では、コーティング材料1004は、同一の原子価の金属が混合される材料であるがバンドギャップにエネルギーの異なる空き状態を有する材料から構成される。一例として、SrTixZr(1-x)3がある。本実施形態では、TiとZrの両方が構成4+を有するが、これらがギャップ内の異なるエネルギーで空きd軌道を有するので、伝導帯の底部近くに効果的な「粗さ」または「ランダム性」があり、これが電子散乱を促しラムダを減少させる。
【0041】
再び図10に関し、さらに別の実施形態では、コーティング材料1004は、大きさの異なる原子が同一の格子位置上で混合される材料から構成される。1つのこのような実施形態では、コーティング材料1004はLax(1-x)CrO3から構成される。本実施形態では、LaとYの両方が原子価3+を有するが、イオン半径は大きく異なる。その結果、格子は、Y原子の周りの相対伸長下にあり、La原子の周りの相対圧縮下にある。結果として、バンド・ギャップはランダムに変化するエネルギーを有し、これが電子散乱を促しラムダを減少させる。
【0042】
図11は、本発明の別の実施形態1100を示す。図11の実施形態では、コーティング材料1104は、支持構造1102に付着すると、充電が最小となって支持構造1102が不可視となるような、電気的特性の適切な組合せを有する。従来技術では、短い範囲のグラファイト構造を持つ炭素は、低い二次電子放出を示すことがわかっている。しかし、グラファイトの電気伝導性は、支持構造1102等の支持構造の表面に厚いコーティングを使用することを妨げる。充分な抵抗率のコーティングを得るために、15オングストローム程度の炭素膜厚が必要である。この範囲の厚さは、再現可能に付着させることが難しい。しかし、本実施形態の窒化ホウ素組成はグラファイトよりも伝導性がかなり低く、窒化ホウ素と炭素の合成物により、低い二次電子放出と充分な高さの抵抗率を持つコーティングが生成されて、はるかに厚い層の使用が可能となる。従って、本実施形態のコーティング材料1104は、約15オングストロームよりも大きい厚さを有することにも充分に適している。
【0043】
図11では、本実施形態のコーティング材料1104は、窒化ホウ素を単独で、または炭素膜と組み合わせて使用して、低い二次電子放出を生じる結晶構造を持つ材料を得ている。この前記した結晶構造に加えて、窒化ホウ素のみの、または炭素と組み合わせた本発明のコーティング材料1104は、炭素のみの場合よりも抵抗率が大きくなる。さらに別の利点として、本実施形態のコーティング材料1104(すなわち窒化ホウ素のみ、または炭素膜と組み合わせたもの)は、グラファイトと結晶構造が似ているため、多くの類似した機械的特性をグラファイトと共有している。
【0044】
図12は、本発明の別の実施形態1200を示している。本実施形態では、支持構造1202は、以下の材料、すなわちホウ化物、炭化物、および窒化物の少なくとも1つから構成される。このような実施形態では、材料は塊状に形成される(例えば焼結セラミック体として)。これらの材料は、成分の1つとして、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)を有する特定の化合物である。例えばBNは窒化ホウ素に相当する。本実施形態によるスペーサ構造として、ホウ化物、炭化物、および窒化物を使用することにより、複数の別個の利点が得られる。例えば、このような材料は共有結合性が非常に強いため、以下の一般的な特性を有する。すなわち、(i)非常に硬く、機械的に強い、(ii)融点が非常に高い、(iii)一般に耐酸化性が高い、(iv)広いバンド・ギャップを有するため、バンド・ギャップの広い半導体のように作用する、および(v)非常に高い固有の抵抗率を有する。
【0045】
図13は、本発明の別の実施形態1300を示す。本実施形態では、支持構造1302にコーティング材料1304が塗布されている(1つの実施形態では、スペーサ構造1302は、以下の材料、すなわちホウ化物、炭化物、および窒化物の少なくとも1つから構成される)。本実施形態では、コーティング材料1304は、以下の材料、すなわちホウ化物、炭化物、および窒化物の少なくとも1つから構成される。このような実施形態では、材料は薄膜として形成される。これらの材料は、成分の1つとして、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)を有する特定の化合物である。例えばBNは窒化ホウ素に相当する。本実施形態によるコーティング材料として、ホウ化物、炭化物、および窒化物を使用することにより、複数の別個の利点が得られる。例えば、このような材料は共有結合性が非常に強いため、以下の一般的な特性を有する。すなわち、(i)非常に硬く、機械的に強い、(ii)融点が非常に高い、(iii)一般に耐酸化性が高い、(iv)広いバンド・ギャップを有するため、バンド・ギャップの広い半導体のように作用する、および(v)非常に高い固有の抵抗率を有する。加えて、本発明のコーティング材料1304は、種々のプロセスを使用するスペーサ構造1302への塗布にも充分に適している。これらのプロセスには、例えば、これらの材料の薄膜を付着させるパルス・レーザ剥離がある。さらに、化学蒸着法、スパッタリング、またはさらに液体状態処理ルートを使用して、大きな領域をコーティングすることができる。
【0046】
図14は、本発明の別の実施形態1400を示す。本実施形態では、スペーサ構造1402は、酸素を放出する材料を含む。図14に関し、1つの実施形態では、スペーサ構造1402の酸素放出材料が、過塩素酸塩、過酸化物、および硝酸塩等の酸化剤から構成される。選択される材料の重要な基準は、以下の通りである。1)酸素放出の前後の両方で高い絶縁性を有するが、コーティング材料からスペーサ構造1402内への電荷の流れを妨げるほどの絶縁性はない、2)封止サイクル温度(400℃未満)を通して安定している、3)電子衝撃中にやや不安定である、4)スパッタリングにより、材料の薄い(100オングストローム程度)層を付着させることができる。
【0047】
より詳細には、1つの実施形態では、スペーサ構造1402は、表層内にKClO4等の過塩素酸塩化合物を含む。このようにして、本実施形態は、壁面の酸素の損失を防ぎ、酸化による表面の汚染をなくしている。本実施形態の酸素放出材料は、封止プロセスを通して安定しているが、ラザフォード散乱電子による衝撃中に、管の寿命に亘って徐々に放出酸素を分解する。特定の例として、KClO4は400℃で安定する。
【0048】
図14に関し、スペーサ構造1402の上に低SEECコーティング材料が配置された実施形態では、本実施形態の酸素放出材料が、コーティング材料内で混合され、またはコーティング材料の下に配置される。スペーサ構造1402の上にコーティング材料が配置されていない実施形態では、酸素放出材料は壁面上に配置される。酸素は主に、O2ガスの形ではなくOイオンの形で放出されることが好ましい。
【0049】
本実施形態の1つの特徴は、スペーサ構造1402内の損失した酸素を補充し、過剰酸素を生成して、スペーサ構造1402の炭素汚染を(COまたはCO2に対して)「焼き」払うことができる点である。COおよびCO2ガス生成物は、ディスプレイ装置のゲッタにより汲み出される。少量の過剰O2も汲み出すことができる。本実施形態で達成される、局所的に発生する酸素は、ディスプレイ装置のバックグラウンド・ガスに酸素を注入することにより優れている。酸素は、電子ビーム束の量に比例して局所的に、および電子ビームにより生じる「損傷」(酸素損失および炭質層の形成)に比例して大まかに放出される。酸素は、支持構造1402との反応または汚染前に、支持構造1402の表面に亀裂を入れなければならないO2分子としてよりも、イオンとしての方がより反応しやすい形となる。電界エミッタを劣化させ、ゲッタに負担を掛けすぎることにより、他の汚染物質の汲上げ率を減少させるため、大量の酸素をディスプレイ装置のバックグラウンド・ガス中に残すことはできない。
【0050】
次に図15は、本発明の別の実施形態1500を示す。本実施形態では、スペーサ構造1502にはコーティング材料1504が塗布されている。本実施形態では、コーティング材料1504は、酸素を放出する材料を含む。1つの実施形態では、コーティング材料1504の酸素放出材料が、過塩素酸塩、過酸化物、および硝酸塩等の酸化剤から構成される。選択される材料の重要な基準は、以下の通りである。1)酸素放出の前後の両方で高い絶縁性を有するが、コーティング材料1504からスペーサ構造1502内への電荷の流れを妨げるほどの絶縁性はない、2)封止サイクル温度(400℃未満)を通して安定している、3)電子衝撃中にやや不安定である、4)スパッタリングにより、材料の薄い(100オングストローム程度)層を付着させることができる。
【0051】
より詳細には、1つの実施形態では、コーティング材料1504は、KClO4等の過塩素酸塩化合物を含む。このようにして、本実施形態は、コーティング材料1504の酸素の損失を防ぎ、酸化による表面の汚染をなくしている。本実施形態の酸素放出材料は、封止プロセスを通して安定しているが、ラザフォード散乱電子による衝撃中に、管の寿命に亘って徐々に放出酸素を分解する。特定の例として、KClO4は400℃で安定する。
【0052】
図15に関し、本実施形態では、酸素は主に、O2ガスの形ではなくOイオンの形で放出されることが好ましい。本実施形態では、コーティング材料1504の厚さを、ディスプレイ装置の寿命に亘ってスペーサ・アセンブリ(例えば下にあるスペーサ構造1502およびコーティング材料1504)の伝導性が変化するのを防ぐのに充分な速度で酸素を放出するのに必要な、最小厚さとなるように選択すべきである。
【0053】
図16は、本発明の別の実施形態1600を示す。本実施形態では、セラミックおよび他の絶縁スペーサ構造1602は、「自由電子」がないことにより、金属支持構造よりも高い二次電子放出係数(SEEC)を有する傾向にある。本実施形態は、一般に1604で示す金属含有粒子をスペーサ構造1602上に分散させることにより、絶縁スペーサ構造(例えばスペーサ構造1602)を含むスペーサ・アセンブリのSEECを低下させる。
【0054】
図17は、金属含有粒子1604の側面断面図である。本実施形態では、金属含有粒子1604は、絶縁シェル1702内に電気的に隔離された金属材料のコア1704から構成されており、したがって、スペーサ構造1602の抵抗率は、スペーサ構造1602上に金属含有粒子1604があることによって大きく影響されることはない。1つの実施形態では、金属材料のコア1704の径は、粉末冶金を通して約1000〜10000オングストロームである。さらに1つの実施形態では、絶縁シェル1702の厚さは約20〜200オングストロームである。
【0055】
本発明の金属含有粒子1604を製造するための、少なくとも2つの方法がある。1つの実施形態では、金属含有粒子1604は、球状の金属粉末を酸素または窒素と反応させることにより生成される。金属含有粒子1604のSEEC値は、低電圧(電子の浸透深さがシェル厚さよりも小さい場合)で絶縁シェル1702のSEEC値となる。しかし、金属含有粒子1604のSEEC値は、高電圧(電子の浸透深さがシェル厚さよりも大きい場合)で金属コア1704のSEEC値に近付く。従って、遷移のエネルギーはシェル厚さに依存する。金属含有粒子でコーティングされたスペーサ構造のすべての充電動作を制御するために、シェルの厚さを約20〜200オングストロームに制御する必要がある。
【0056】
図17に関し、1つの実施形態では、金属含有粒子1604の材料の金属コア1704が、Si、Al、Ti、Cr、Zr、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択された材料から形成される。絶縁シェル1702は、材料の金属コア1704を、制御された温度で制御された時間、酸素と反応させることにより形成される。別の実施形態では、金属含有粒子1604の材料の金属コア1704が、Si、Al、Ti、Cr、Zr、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択された材料から形成され、絶縁シェル1702は、材料の金属コア1704を、制御された温度で制御された時間、窒素と反応させることにより形成される。
【0057】
図18は、金属含有粒子の別の実施形態を示している。本実施形態では、金属を多孔マトリックスに含浸させることにより「自由電子」が導入され、良好なホスト構造は、接続されたダンベルとして記述されるゼオライト1800のものとなる。例えば、一般的なゼオライト1800では、ダンベル(いわゆる方ソーダ石ケージ1802)の頭部に金属クラスタ(1〜8原子)を収容する充分な空間があるが、ダンベルのスティック(チャネル1804)には、金属原子のための空間はない。この構造1800は、隔離された金属クラスタを絶縁ホストに導入することに備えたものである。
【0058】
加えて、本実施形態は、金属含有粒子1604を支持構造1602に塗布する種々の手段の使用に充分に適している。例えば、浸漬塗装またはスプレー塗装を使用することにより、金属含有粒子1604を支持構造1602にコーティングさせることができる。金属含有粒子1604が密に凝集することが望ましい場合には、金属含有粒子1604をコロイド溶液に懸濁させ、乾燥プロセスを制御することにより、支持構造1602に、および互いに付着させる。プロセスは、金属含有粒子1604のシェルと溶液との間の表面エネルギーを安定させる「ゾル」の設計を必要とする。本技術の二次的な利点は、金属含有粒子1604の密な凝集により、「多孔コーティング」が構成され、モルフォロジにより二次放出(SEEC)がさらに減少することである。
【0059】
さらに、1つの金属含有粒子1604から別の金属含有粒子1604への電流アーク形成に関する(すなわち、絶縁シェルを通るトンネル電流が重要である)実施形態では、金属含有粒子1604が概して互いに接触しないコーティングを使用する。このような実施形態では、金属含有粒子1604は、平均の間隔が金属含有粒子1604の径よりもわずかに大きくなる密度で付着する。密なコーティング(金属含有粒子1604による50パーセント超の面コーティング率)を達成することができ、電気泳動技術により金属含有粒子1604の密集または凝集を防止することができる。この場合、コーティングが引き出される「ゾル」は、金属含有粒子1604の各々で電荷を維持し、金属含有粒子1604を、ランダムな、または密集した列ではなく、順序の整った、充分な空間のある列として付着させる。
【0060】
図19は、本発明の別の実施形態1900を示す。真空または還元雰囲気中でのアニール時に酸素を損失させるものとして、CeO2が公知である。加えて、CeO2コーティング支持構造の100℃以下での電子衝撃により、酸素が損失し、支持構造の抵抗率が大きく減少する。
【0061】
本実施形態では、CeO2をドープしてCeO2の抵抗率を増加させ、ドープされたCeO2をコーティング材料として使用する。特に、1つの実施形態では、CeO2をランタニドイオン(Y、La等)でドープし、材料を下にある支持構造1902のコーティング材料1904として使用する。ランタニドイオン(Y、La等)はCeO2のすべての電子伝導性を消滅させ、電荷キャリアとしてイオンのみ(金属置換陰イオンおよび酸素空位陽イオン)を残す。
【0062】
図19の実施形態に関し、コーティング材料1904のランタニドイオンがすべての電子電荷キャリアを補償するので、抵抗率が、酸素化学量論、酸素空位濃度、および/または酸素分圧に影響されることはなくなる。従って、本実施形態は、より安定した支持構造コーティング材料1904を提供する。
【0063】
別の実施形態では、CeO2をCrでドープし、材料を下にある支持構造1902のコーティング材料1904として使用する。CrはCeO2のすべての電子伝導性を消滅させ、電荷キャリアとしてイオンのみ(金属置換陰イオンおよび酸素空位陽イオン)を残す。さらに、本実施形態では、コーティング材料1904のCrイオンがすべての電子電荷キャリアを補償するので、抵抗率が、酸素化学量論、酸素空位濃度、および/または酸素分圧に影響されることはなくなる。従って、本実施形態は、より安定した支持構造コーティング材料1904を提供する。
【0064】
別の実施形態では、CeO2をNiでドープし、材料を下にある支持構造1902のコーティング材料1904として使用する。NiはCeO2のすべての電子伝導性を消滅させ、電荷キャリアとしてイオンのみ(金属置換陰イオンおよび酸素空位陽イオン)を残す。さらに、本実施形態では、コーティング材料1904のNiイオンがすべての電子電荷キャリアを補償するので、抵抗率が、酸素化学量論、酸素空位濃度、および/または酸素分圧に影響されることはなくなる。従って、本実施形態は、より安定した支持構造コーティング材料1904を提供する。
【0065】
図20は、本発明の別の実施形態2000を示す。本実施形態では、形成の自由エネルギー(ΔG)に基づく、スペーサ構造2002の塊状材料のための選択基準が提供される。形成の自由エネルギーが負になるほど、材料系は安定する。当然の結果として、スペーサ構造2002の材料の劣化はΔGの増加と共に進む。さらに、スペーサ構造2002の安定性を向上させる、熱アニールが公知である。支持構造2002の材料が熱力学的に安定していても(CRCハンドブックから取った結晶材料のデータに基づいて)、材料の運動学、温度、炭化水素に対する親和性、高電界、電子ビーム衝撃、および結晶化度からの偏差等の他の要因により、劣化メカニズムは異なる程度に悪化する。
【0066】
本実施形態では、支持構造2002の選択基準はその安定性に基づく。選択がこの第1の原理基準を通過した場合、支持構造2002の選択基準は、電気抵抗率、抵抗温度係数(TCR)、熱伝導性(k)、SEEC等に基づく。ここに示した分析は、単一の酸化物材料または非酸化物材料に当てはまる。しかし、本実施形態の発明は2元以上の系にも適用可能である。
【0067】
図21は、本発明の別の実施形態2100を示す。本実施形態では、形成の自由エネルギー(ΔG)に基づく、スペーサ構造2002に重なるコーティング材料2104のための選択基準が提供される。形成の自由エネルギーが負になるほど、材料系は安定する。当然の結果として、コーティング材料2104の材料の劣化はΔGの増加と共に進む。さらに、コーティング材料2104の安定性を向上させる、熱アニールが公知である。コーティング材料2104の材料が熱力学的に安定していても(CRCハンドブックから取った結晶材料のデータに基づいて)、材料の運動学、温度、炭化水素に対する親和性、高電界、電子ビーム衝撃、および結晶化度からの偏差等の他の要因により、劣化メカニズムは異なる程度に悪化する。
【0068】
本実施形態では、コーティング材料2104の選択基準はその安定性に基づく。選択がこの第1の原理基準を通過した場合、コーティング材料2104の選択基準は、電気抵抗率、抵抗温度係数(TCR)、熱伝導性(k)、SEEC等に基づく。ここに示した分析は、単一の酸化物材料または非酸化物材料に当てはまる。しかし、本実施形態の発明は2元以上の系にも適用可能である。
【0069】
熱アニールにより安定性が部分的に向上する(部分結晶化を通して)が、アニール温度よりも高い温度での塊状材料処理(焼結)の方が、スペーサ構造と上に重なるコーティング材料とを同時に形成する手法としては優れている。
【0070】
図22は、本発明の別の実施形態2200を示す。本実施形態は、下にある支持構造2202上に配置されるTiAlN(または(Ti,Al)Nおよび他の材料)の薄いコーティングを付着した、ホウ化物、炭化物、および窒化物等のコーティング材料2204を使用することによる、スペーサ・アセンブリの抵抗率の制御に関する。ベース材料、すなわちTiAlNを伴うホウ化物、炭化物、および窒化物の関連モル濃度により、混合物の有効抵抗率が判定される。
【0071】
図22に関し、窒化ホウ素は、高い抵抗率、機械的な強さ、高温でその構造的完全性および化学的完全性を維持する能力、および優れた耐酸化性等の、多くの魅力的な特徴を有する。支持構造としての使用の点で、窒化ホウ素は、望ましい二次電子放出特性を有する。例えば、1keVでのSEEC値は1.8程度であり、これは従来使用されていた支持構造材料の値と同一であるか、またはそれよりも低い。しかし、窒化ホウ素の薄膜の抵抗率が1012Ωcm以上であり、従ってこのような適用に望ましい抵抗率よりも大きいことが判定されている。本実施形態は、低いSEEC値を維持しながら、窒化ホウ素の抵抗率を体系的に制御する、効率的かつ製造性のある方法について記載している。
【0072】
再び図22に関し、1つの実施形態では、TiNまたは(Ti,Al)Nの薄膜が、支持構造2202の表面に付着した窒化ホウ素層の表面に付着している。別の実施形態では、(Ti,Al)Nの薄膜が、支持構造2202の表面に付着した窒化ホウ素層の表面に付着している。本実施形態の付着は、N2の存在下で20〜100ミリトルの分圧で行われる。TiNおよび(Ti,Al)Nはいずれも、室温で50〜100μΩcm程度の抵抗率を持つ金属である。この薄膜厚さは10〜300Aで変化し、下にある窒化ホウ素層の厚さは50〜2000Aで変化する。本実施形態でこのような寸法を挙げているが、本発明は種々の他の寸法パラメータの使用にも充分に適している。
【0073】
図22では、この付着ステップに続いて、化学的拡散を促すために、積み重なった合成物全体を高温でアニールする。アニール温度は500〜900℃であり、N2雰囲気中で行われる。窒化ホウ素と窒化チタンの化学的性質およびおそらくは構造的性質が非常に類似しているため、ラザフォード後方散乱分光実験により確認されているように、相互拡散が生じる。この拡散の結果、窒化ホウ素原子のいくつかがチタン原子に置換される。しかし、ホウ素が三価であるのに対して、チタンは一般に四価である。このチタンとホウ素との電子構造の違いは、抵抗率を体系的に変化させる主要なメカニズムである。この合金層で使用可能な余分な電子によって、発生する電子伝達のためのルートが提供され、これにより抵抗率が減少する。窒化ホウ素に合金化するTiNの量を入念に調整することにより、抵抗率のより小さい範囲またはより大きい範囲のいずれかに亘って、さらに体系的な変化を行うことができる。
【0074】
さらに別の実施形態では、コーティング材料2204が、TiNとBNの2つの材料の合金としてではなく、これらが多層をなしたものとして生成される。
【0075】
さらに別の実施形態では、支持構造2202自体をセラミック窒化ホウ素から構成し、この支持構造2202の表面を窒化チタンの薄い層であるコーティング材料2204でコーティングする。次に、このTiN層は高温でアニールされて、TiNをBN層に拡散させ、従って抵抗率の低い表面層を生成する。例えば、TiN表層の厚さおよびアニール温度に応じて、表面の抵抗率を1012Ωcmの高いバルク値から低い値に変化させることができる。本手法で使用した材料はいずれも、低コストかつ高純度のものとして入手することができる。この手法によれば、非常に容易に製造可能である。
【0076】
次に図23は、本発明の別の実施形態2300を示す。本実施形態では、下にある支持構造2302に上にコーティング材料2304が配置され、このコーティング材料はNd23から構成される。Nd23は、この材料を真空電子印加下の二次電子放出を減少させるための絶縁部品または表面コーティングとして使用することを可能にする、特性の組合せを有する。最大SEECは1.8である。抵抗率は5.0×1010Ωcmよりも大きく、1.5kVで1C/cm2の電子量下で非常に高い値のままとどまる。さらに、本実施形態のNd23のコーティング材料2304は、低SEEC、1atmで1つの原子価、および化学的安定性(湿気との反応が少なく、H2で1100℃での酸素損失がない)を有する。
【0077】
図24は、本発明の別の実施形態2400を示す。本実施形態では、SEEC、抵抗率、および電子ビームの安定性の性能を向上させるために、コーティング材料を二元から三元に広げる。より詳細には、本実施形態では、支持構造2402上にコーティング材料2404が配置され、このコーティング材料は、Cr23−Nd23、Nd23−MnO、およびCr23−MnOからなる三元系から選択される。本実施形態の三元酸化物により、SEECを減少させる構造的効果および合金化効果を活用し、抵抗率を最適にし、支持構造2402に付着する炭化水素を減少させることができるようになる。
【0078】
図25は、本発明の別の実施形態2500を示している。本実施形態では、支持構造2502上にコーティング材料2504が配置されている。本実施形態では、コーティング材料2504は、硫化金属から構成される。より詳細には、1つの実施形態では、コーティング材料2504は、MoS2とWS2とからなる群から選択される硫化金属で構成される。本実施形態のコーティング材料2504は、金属と同様に低いSEEC(最大デルタは約1)を有する。本実施形態では、硫化金属は、真空電子機器の二次電子放出を減少させるための表面コーティングとして使用される。さらに、1つの実施形態では、硫化金属被服は、酸化物コーティングをH2SとH2の混合物と反応させることにより生成される。
【0079】
図26は、本発明の別の実施形態2600を示す。本実施形態では、支持構造2602上に、2層コーティング材料2604が配置されている。本実施形態では、2層コーティングは、第1の材料層Aと第2の材料層Bとから構成され、AとBとは、Cr23とNd23等の異なる電子密度を有する。AおよびBの厚さを正確に選択することにより、本実施形態は、個々のコーティングAまたはBのSEECよりも低い、多層コーティングのSEECを達成する。本実施形態の多層コーティングは、複数の原理に基づいて設計され、例えば1つの実施形態のコーティング材料2604は、レンズからの光の反射を減少させるためのオプティカル・コーティングと同様の構造を持つように製造される。ここでは、多層コーティングの界面で反射した光は破壊的に干渉する。その結果、レンズ(支持構造2602)から反射(放出)される光(電子)は、ほとんどなくなり、(b)低エネルギー二次電子よりも高エネルギー入射電子に対してより透明性が高くなるように、多層コーティングが製造される。この場合、コーティングは一方向ガラスのように作用し、電子密度の急な変化を伴う複数の界面によって、電子の散乱が増加し、二次電子の脱出長さの減少およびより低いSEECにつながる。
【0080】
図26に関し、1つの実施形態では、コーティング材料2604は、Nd23上にCr23が重なる2層から構成される。Cr23は炭化水素に対する付着性はないが、コーティングが100Aよりも厚いときに伝導性が高くなりすぎる。一方、Nd23は、抵抗率の要件は満たしているが、炭化水素および水に対する付着性が高すぎる。従って、本実施形態では、Cr23の薄膜(例えば約30オングストローム)が、比較的厚いNd23コーティング(例えば約100オングストローム)上にコーティングされる。その結果、本実施形態は、より抵抗率が高く、炭化水素に対する付着性が低く、より耐湿性に優れたコーティングを提供する。さらに、本実施形態では、2層コーティング2604の総厚さは、充電減少コーティングのすべての恩恵を達成するのに充分な厚さである。
【0081】
前記実施形態のさらに別の利点として、スペーサ・アセンブリは安定性に優れている。すなわち、二次電子放出係数関数を全長に沿って1.0近くの値に調整することに加えて、スペーサ・アセンブリは、電子衝撃を受けた際に著しく劣化することがない。劣化することがないので、スペーサ・アセンブリは電界放出型ディスプレイ装置の真空環境の汚染に大きく寄与することがない。加えて、電界放出型ディスプレイ封止プロセスの前に、前記実施形態の種々のスペーサ・アセンブリを構成する材料の多くから、汚染炭素を容易に除去または洗浄することができる。本実施形態の種々のスペーサ・アセンブリを構成する材料の多くは、電界放出型ディスプレイ封止プロセスの後、有害となるように炭素を収集することはない。その結果、本実施形態の多くは炭素関連汚染の影響を受けることがない。
【0082】
従って、本発明は、前記スペーサ・アセンブリにフラット・パネル・ディスプレイ動作電圧を印加する際に、約1の二次電子放出係数をスペーサ・アセンブリに提供するように特化されたスペーサ・アセンブリを提供する。本発明はさらに、前記の達成事項を達成し、電子衝撃を受けた際に著しく劣化することのないスペーサ・アセンブリを提供する。本発明はさらに、前記の達成事項の両方を達成し、フラット・パネル・ディスプレイの真空環境の汚染に大きく寄与することがなく、管内で発生し得る汚染を受けることの少ないスペーサ・アセンブリを提供する。
【0083】
本発明の特定の実施形態についての前記の説明は、図示および説明の目的で示されたものである。これらは、網羅的な、本発明を開示された正確な形に限定するものではなく、前記の教示に照らして多くの修正および変更が可能であることは明らかである。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するために選択され記述されたものであり、従って、当業者が、考えられる特定の使用に合わせた種々の修正を行って、本発明および種々の実施形態を最もよく使用することが可能である。本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびその均等物により決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、スペーサ壁の一部にコーティング材料が塗布されたスペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図2A乃至図2C】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、二次電子放出係数関数(δ)と、衝突する電子のエネルギーと、図1のスペーサ・アセンブリのスペーサ・アセンブリ高さとを比較する一連の図である。
【図3】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、スペーサ壁の一部に厚さの変化するコーティング材料が塗布された、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図4】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、スペーサ壁の第1の部分に第1のコーティング材料が塗布され、第2の部分に第2のコーティング材料が塗布された、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図5】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、スペーサ壁全体がコーティングされるように、スペーサ壁の第1の部分に第1のコーティング材料が塗布され、第2の部分に第2のコーティング材料が塗布された、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図6】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、スペーサ壁の第1の部分に第1のコーティング材料が塗布され、第2の部分に第2のコーティング材料が塗布された、スペーサ・アセンブリの製造中に行われるステップのフローチャートである。
【図7】 本発明の1つの実施形態による、電界放出型ディスプレイ装置を有する例示的なコンピュータ・システムの概略図である。
【図8】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、支持構造が酸化セリウムでドープされた純Al23から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図9】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が層材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図10】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が多成分遷移酸化金属材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図11】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が窒化ホウ素材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図12】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、支持構造がホウ化物、炭化物、または窒化物からなる群から選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図13】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料がホウ化物、炭化物、または窒化物からなる群から選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図14】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、支持構造が酸素放出材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図15】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が酸素放出材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図16】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が金属含有粒子から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図17】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、図16の金属含有粒子の横断面図である。
【図18】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、図16のゼオライトタイプの金属含有粒子の横断面図である。
【図19】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料がランタニドでドープされた酸化セリウムから構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図20】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造が、材料の形成の自由エネルギーを考慮する選択基準に従って選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図21】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造上にコーティング材料が配置され、コーティング材料が材料の形成の自由エネルギーを考慮する選択基準に従って選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図22】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造上にコーティング材料が配置され、コーティング材料がTiAlNから構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図23】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造上にコーティング材料が配置され、コーティング材料がNd23から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図24】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料がCr23−Nd23、Nd23−MnO、またはCr23−MnOからなる群から選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図25】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料がMoS2とWS2とからなる群から選択された材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。
【図26】 特許請求された本発明の1つの実施形態による、支持構造にコーティング材料が塗布され、コーティング材料が2層材料から構成される、スペーサ・アセンブリの側面概略図である。

Claims (2)

  1. フェースプレートと、
    前記フェースプレートに対向して配置され、前記フェースプレートとの間に封止環境を形成するように当該フェースプレートと接続されたバックプレートと、
    前記封止環境内に配置され、相互方向に作用する力に対して、前記フェースプレートおよび前記バックプレートを支持するように構成されたスペーサ・アセンブリと、
    表示のための動作電圧を印加する手段とを備えるフラットパネルディスプレイ装置であって、
    前記スペーサ・アセンブリは、スペーサ構造体と、前記スペーサ構造体の少なくとも一部の上に設けられたコーティング材料とを有し、
    前記コーティング材料は、基底面がスペーサ構造体の面と平行になるように付着された、AおよびBが遷移金属である組成ABO を有する酸化金属の層材料から構成され、これによりフラットパネルディスプレイの表示のための動作電圧が印加されたとき1の値に近い二次電子放出係数を達成することを特徴とするフラットパネルディスプレイ装置。
  2. 電界放出型のフラットパネルディスプレイ装置であることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ装置。
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