JP2007157379A - スペーサ及び平面パネルディスプレイ - Google Patents

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【課題】スペーサとして要求される機械強度と帯電が発生しにくい導電性を有するとともに、平面パネルディスプレイ駆動時の温度変化の影響を受けにくいスペーサ及び該スペーサを用いた平面パネルディスプレイを提供する。
【解決手段】セラミック基材10aと、セラミック基材10a表面に設けられた金属酸化物膜10bとからなり、平面パネルディスプレイの電圧が印加される2枚の基板間に配置され耐気圧構造体として用いられるスペーサ10において、セラミック基材10aは、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3(0≦x≦0.02、0.1≦y≦0.4)で表される材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子を放出する素子を用いて画像を表示する平面パネルディスプレイに用いられるスペーサ及び該スペーサを用いた平面パネルディスプレイに関するものである。
真空中におかれた金属等の導体あるいは半導体の表面に、ある閾値以上の電界を与えると、トンネル効果によって電子が障壁を通過し、常温時においても真空中に電子が放出される。この現象は電界放出(Field Emission)と呼ばれ、これによって電子を放出する素子は電界放出型素子(Field Emission Device)と呼ばれている。近年では、電界放出型の電子放出素子をエミッタとして用いたFED(Field Emission Display)が注目されている。FEDは、多数の電子放出素子がカソード基板上に半導体加工技術等を駆使して形成された表示パネルを備えるフラットディスプレイ装置(平面パネルディスプレイ、平面型の表示装置)である。このFEDでは、電気的に選択(アドレッシング)された電子放出素子から電界の集中によって電子を放出させるとともに、この電子をアノード基板側の蛍光体に衝突させて、蛍光体の励起・発光により画像を表示している。
FEDの平面パネルディスプレイは、その構造上、カソード基板とアノード基板とを微小なギャップを介して対向状態に配置し、その間のギャップ空間部を真空状態に封止している。そのため、カソード基板やアノード基板が大気圧に耐えられるよう、それらの基板の間にスペーサを介装し、このスペーサで両基板を支持している。FEDに用いられるスペーサとしては、長尺の薄板状に形成されたものが知られている。スペーサはアノード基板に組み付けられる。スペーサの寸法は、例えば、高さ寸法が1〜2mmで、厚み寸法が0.05〜0.1mmといった具合に非常にアスペクト比が高いものとなっている。
ここで、平面パネルディスプレイは内部を低圧状態にして作動する装置であり、内部の低圧状態(例えば大気圧より低い圧力)と外部の大気圧との間の圧力差によって生じる応力によって装置が破壊されるのをスペーサが装置内部から支持することにより防いでいる。また、外部からの衝撃によって生ずる応力にも対応する必要がある。そのため、スペーサにはある一定以上の機械強度が要求されている。
また一般に、FEDは、アノード電極に印加されるアノード電圧の違いによって高圧型と低圧型に大別される。高圧型FEDでは、実動作時に高圧のアノード電圧(数kV程度)が加えられるため、アノード電極とカソード電極との間の電位差が大きくなる。その際、アノード電極とカソード電極との間に介在するスペーサの電気的な抵抗値が低いと、その電極間でスペーサに流れる電流量が多くなり、FEDの消費電力が増える。そのため、スペーサ材料には、ある一定以上の高い抵抗率(比抵抗)が要求されている。
ところで、FEDでは蛍光体に衝突した電子の一部は該蛍光体から跳ね返るものがある。この跳ね返った電子がスペーサの表面(側面)に衝突すると、そこから二次電子が発生する。このとき、スペーサに衝突した電子の数とそこから発生した二次電子の数がアンバランスになると、スペーサの表面が正又は負に帯電し、周辺の電場が歪むため表示画像を乱す原因となっていた。またこれが原因でスペーサ近傍で放電が発生することがあり、FEDの表示パネルにダメージを与えることがあった。
その問題に対して、特許文献1では、スペーサ表面を酸化クロム、酸化銅、酸化チタン及び酸化バナジウムから選択される材料で被覆して、二次電子放出を低下させてスペーサ表面が帯電することを防止する技術が提案されている。
また、特許文献2では、遷移金属酸化物(例えば酸化鉄、チタニア、クロミア、酸化バナジウム、または酸化ニッケル)を電気絶縁性のセラミック(アルミナ等)に加えることによって、105乃至1010Ωcmという所望の範囲の電気抵抗率を有するセラミックからなるスペーサとし、スペーサ表面が帯電することを防止する技術が提案されている。
特表平8−508846号公報 特表平11−500856号公報
しかしながら、これらの技術を採用したとしても、平面パネルディスプレイ駆動時にはパネルが発熱するためにその環境温度が変化し、その影響を受けてスペーサの抵抗値も変化して、種々の問題が発生した。具体的にはスペーサ表面の抵抗が低くなることで該スペーサに過剰に電流が流れ熱暴走を起こした。あるいはスペーサの抵抗値が高くなることで該スペーサが帯電し電子線の軌道を曲げて画像の歪みを発生させた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、スペーサとして要求される機械強度と帯電が発生しにくい導電性を有するとともに、平面パネルディスプレイ駆動時の温度変化の影響を受けにくいスペーサ及び該スペーサを用いた平面パネルディスプレイを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、セラミック基材と、該セラミック基材表面に設けられた金属酸化物膜とからなり、平面パネルディスプレイの電圧が印加される2枚の基板間に配置され耐気圧構造体として用いられるスペーサにおいて、前記セラミック基材は、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3(0≦x≦0.02、0.1≦y≦0.4)で表される材料からなることを特徴とするスペーサである(請求項1)。
ここで、前記セラミック基材の体積抵抗率が、1.7×105〜1×1011Ω・cmであることが好ましい。
また、前記セラミック基材の25℃における抵抗温度依存性(TCR)が5%以下であることが好適である。
また、前記金属酸化物膜は、Cr酸化物、Ti酸化物、Mo酸化物から選ばれる少なくとも1つの材料を含むことが好ましい。
さらに、前記金属酸化物膜の厚さは、10nm以下であることが好適である。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、電子放出素子を有するカソード基板と、透明基板上に前記電子放出素子に対向する蛍光体層とアノード電極を有するアノード基板とが、請求項1〜5のいずれか一に記載のスペーサを介して対向配置されてなることを特徴とする平面パネルディスプレイである(請求項6)。
本発明のスペーサによれば、平面パネルディスプレイ用スペーサとして要求される機械強度と帯電が発生しにくい導電性を有するとともに、温度変化によっても抵抗値の変化が小さく平面パネルディスプレイ用途として好適なスペーサを提供することができる。
本発明の平面パネルディスプレイによれば、連続的に駆動しても安定して歪みのない画像を表示することができる。
以下に、本発明に係るスペーサの構成について説明する。
図1は、本発明に係るスペーサの構成を示す断面図である。
図1に示すように、スペーサ10は、セラミック基材10aと、セラミック基材10a表面に設けられた金属酸化物膜10bとからなり、後述の平面パネルディスプレイの電圧が印加される2枚の基板(カソード基板1、アノード基板2)間に配置され耐気圧構造体として用いられるものであり、セラミック基材10aは、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3(0≦x≦0.02、0.1≦y≦0.4)で表される材料からなることを特徴とする。
また、スペーサ10は、例えば厚み寸法が0.05〜0.1mmの薄板状をなすもので、側面から見ると横長の長方形に形成されていることが好適である。
ここで、セラミック基材10aの体積抵抗率が、1.7×105〜1×1011Ω・cmであることが好ましい。
また、セラミック基材10aの25℃における抵抗温度依存性(TCR)が5%以下であることが好ましい。なお、抵抗温度依存性(TCR)とは、体積抵抗率をR(Ω・m)、対象物の絶対温度をT(K)としたときに、次式で表されるものである。
TCR = (1/R)*(dR/dT) ・・・ (1)
ここで、抵抗温度依存性(TCR)の算出は具体的には次のように行う。
まず、セラミックの体積抵抗率Rの温度依存性は、(2)式のようなアレニウスの式で近似できる。
R=A*exp(B/T) ・・・(2)
(R:体積固有抵抗、T:絶対温度(K)、A,B:定数(なお、セラミックの抵抗は温度上昇に対して減少するので一般にBは負の値である。))
そこで、(1)式は(2)式に基づいて、つぎのようになる。
TCR=(1/R)*(dR/dT)=B/T2 ・・・ (3)
一方、1/Tに対してR(測定値)をプロットしたグラフを(2)式に適応させれば、定数Bの値を求めることができる。あるいは、(2)式は、ln(R)=B*(1/T)+ln(A)となることから、1/Tに対してln(R)をプロットしたグラフの傾きをとって定数Bの値を求めてもよい。
最後に、(3)式より、得られた定数Bの値をT2で割ることでTCRが算出される。なお、本発明では、定数Bを2982で割って、その算出値に100を乗じ、25℃(298K)におけるTCRを%として表示している。
金属酸化物膜10bは、スペーサ10に入射してくる電子の衝突により発生する二次電子を抑制するものであり、二次電子係数が小さい(例えば2より小)材料からなることが好ましい。具体的には、Cr酸化物、Ti酸化物、Mo酸化物から選ばれる少なくとも1つの材料を含むこととよい。
また、スペーサ10の帯電防止性能を発現させるために、金属酸化物膜10bがセラミック基材10aの表面を完全には被覆せずセラミック基材10aがある程度露出しているほうがよく、その厚さは2nm以上、10nm以下であることが好ましい。厚さ30nm以上では不適である。
このスペーサ10によれば、平面パネルディスプレイ用スペーサとして要求される機械強度と帯電が発生しにくい導電性を有するとともに、温度変化によっても抵抗値の変化が小さく平面パネルディスプレイ用途として好適なものとすることができる。
以上のようなスペーサ10は、従来公知の技術により作製することが可能である。例えば、まずBaCO3、TiO2、La23各粉末を目標の組成比に対応させた量で混合した後、その混合粉末を加圧成形したものを加熱焼成して平板形状のセラミック基材10とし、ついで該セラミック基材10の両主面上にスパッタ法により金属酸化物膜10bを成膜してスペーサ10を完成すればよい。
次に、本発明に係る平面パネルディスプレイの構成ついて説明する。
図2は、本発明が適用される平面パネルディスプレイの一例としてFEDの表示パネルの構成を示す断面図であり、図3はその表示パネルの構成を示す斜視図である。図2及び図3においては、平板状のカソード基板1と、同じく平板状のアノード基板2とを、所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それら2つの基板1,2の間に長方形の枠体3を介装して一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。
カソード基板1上には複数の電子放出部が形成されている。これら複数の電子放出部は、カソード基板1の有効領域(実際に表示部分として機能する領域)に2次元マトリックス状に多数形成されている。各々の電子放出部は、カソード基板1のベースとなる絶縁性の支持基板(例えば、ガラス基板)4と、この支持基板4上に積層状態で順に形成されたカソード電極5、絶縁層6及びゲート電極7と、ゲート電極7及び絶縁層6に形成されたゲートホール8と、このゲートホール8の底部に形成された電子放出素子9とによって構成されている。
カソード電極5は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極7は、各々のカソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲートホール8は、ゲート電極7に形成された第1の開口部8Aと、この第1の開口部8Aに連通する状態で絶縁層6に形成された第2の開口部8Bとから構成されている。電子放出素子9は、電子の放出源(エミッタ)となるもので、モリブデン(Mo)等の高融点金属を円錐状に形成した、いわゆるスピント型のエミッタ構造を有する。この電子放出素子9は、先ず、絶縁層6及びゲート電極7にそれぞれ開口部8A,8Bを形成した状態でゲート電極7上に例えばアルミニウムの斜め蒸着によって剥離層(不図示)を形成し、次いで、エミッタ材料となる高融点金属(Mo等)を垂直に蒸着することでホール開口径を徐々に縮めてゲートホール8の底部にエミッタ材料を円錐状に堆積させ、その後、不要なエミッタ材料を剥離層と一緒に取り除くことにより得られるものである。
一方、アノード基板2は、ベースとなる透明基板(例えば、ガラス基板)12と、この透明基板12上に形成された蛍光体層13及びブラックマトリックス14と、これら蛍光体層13及びブラックマトリックス14を覆う状態で透明基板12上に形成されたアノード電極15とを備えて構成されている。蛍光体層13は、赤色発光用の蛍光体層13Rと、緑色発光用の蛍光体層13Gと、青色発光用の蛍光体層13Bとから構成されている。ブラックマトリックス14は、各色発光用の蛍光体層13R,13G,13Bの間に形成されている。アノード電極15は、例えばアルミニウムによって構成されるもので、これは、カソード基板1の電子放出素子と対向するように、アノード基板2の有効領域の全域に積層状態で形成されている。
これらのカソード基板1とアノード基板2とは、それぞれの外周部(周縁部)で枠体3を介して接合されている。また、カソード基板1の無効領域(有効領域の外側の領域で、実際に表示部分として機能しない領域)には真空排気用の貫通孔16が設けられている。貫通孔16には、真空排気後に封じ切られるチップ管17が接続されている。ただし、図2は表示装置の組み立て完了状態を示しているため、チップ管17は既に封じ切られた状態となっている。また、図2及び図3においては、各々の基板1,2間のギャップ部分に介装される前述の真空耐圧用のスペーサ10の表示を省略している。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極5に相対的な負電圧が走査回路18から印加され、ゲート電極7には相対的な正電圧が制御回路19から印加され、アノード電極15にはゲート電極7よりも更に高い正電圧が加速電源20から印加される。かかる表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、カソード電極5に走査回路18から走査信号を入力し、ゲート電極7に制御回路19からビデオ信号を入力する。
これにより、カソード電極5とゲート電極7との間に電圧が印加され、これによって電子放出素子9の先鋭部に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて電子放出素子9から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極15に引き付けられてアノード基板2側に移動し、透明基板12上の蛍光体層13(13R,13G,13B)に衝突する。その結果、蛍光体層13が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。
図4は、本発明のスペーサ10の取付状態を示す一部破断部分を含む斜視図である。この図においては、カソード基板1とアノード基板2との対向部分(ギャップ空間部)に複数のスペーサ10が介装されている。スペーサ10は、真空容器を構成する表示パネルが大気圧の影響で変形したり破壊したりしないように支える真空耐圧用の支持部材となるもので、長尺の薄板状に形成されている。このスペーサ10は、FEDの一連の製造プロセスのなかで、アノード基板2上に予め所定数のスペーサ10を金属酸化物膜10bの面が装置内部の空間領域に曝されるように組み付けて、カソード基板1とアノード基板2とをスペーサ10を介して貼り合わせることにより、それらの基板1,2間に介装されるものである。
本発明の平面パネルディスプレイでは、このスペーサ10が適正な機械強度を有することによりカソード基板1とアノード基板2とが安定して保持される。また、当該装置駆動時における温度上昇によってもこのスペーサ10の抵抗値の変化が小さいことから、適度な絶縁性が維持されることにより該スペーサ10に過剰電流が流れることがないとともに、帯電が防止され安定して歪みのない画像を表示することができる。
以下に、本発明のスペーサに関する実施例を説明する。
(実施例1)
以下の条件でスペーサ10を構成するセラミック基材を作製した。
(S11)BaCO3粉末(昭和化学株式会社製、純度99.9%)、TiO2粉末(東邦チタニウム株式会社製、型番HT1311、純度99.9%)について混合比を変化させて混合し、乾燥させた。
(S12)ついで、この粉末混合物をライカイ機で粉砕した後、ポリビニールアルコール(PVA)のバインダを加えて1t/cm2で加圧成型した。
(S13)ステップS12の成型品について1300℃、O2雰囲気下で加熱焼成して平板形状のセラミック基材サンプルとした。
図5に、得られたセラミック基材サンプルの気孔率を調べた結果を示す。この図は、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3において、y=0としたときのセラミック基材気孔率のx依存性を示している。
その結果、1>1+x、1+x>1.02のときのセラミック基材は、気孔率が4%以上であるために、平面パネルディスプレイ用スペーサとしての強度を確保できないことがわかった。また、同時にカソード基板、アノード基板への電圧印加時に表示パネル内で放電を起こす危険もあることがわかった。一方、1.00≦1+x≦1.02のときのセラミック基材は、気孔率が4%未満となり平面パネルディスプレイ用スペーサとしての強度を確保できることがわかった。なお、1+x=1.00のときのセラミック基材と、1+x=1.02のときのセラミック基材の体積抵抗率は同じ程度であった。
(実施例2)
実施例1のステップS11において、BaCO3粉末(昭和化学株式会社製、純度99.9%)、TiO2粉末(東邦チタニウム株式会社製、型番HT1311、純度99.9%)、La23粉末(株式会社 高純度化学研究所製、純度99.9%)について混合比を変化させて混合し、乾燥させ、それ以外は実施例1と同じ条件としてセラミック基材サンプルを作製した。
図6に、得られたセラミック基材サンプルの体積抵抗率を調べた結果を示す。この図は、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3において、x=0.02としたときのセラミック基材体積抵抗率のy依存性を示している。
その結果、0.1≦y≦0.4のときに、セラミック基材の体積抵抗率が1.7×105〜1×1011Ω・cmの範囲内にあることがわかった。
図7に、得られたセラミック基材サンプルの25℃における抵抗温度依存性(TCR)を調べた結果を示す。この図は、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3において、x=0.02としたときのTCRのy依存性を示している。
その結果、体積抵抗率が1.7×105〜1×1011Ω・cmとなる0.1≦y≦0.4の範囲でTCRが5%以下となっており、抵抗の温度依存性が小さいことがわかった。
(実施例3)
実施例1のステップS11において、BaCO3粉末(昭和化学株式会社製、純度99.9%)、TiO2粉末(東邦チタニウム株式会社製、型番HT1311、純度99.9%)、La23粉末(株式会社 高純度化学研究所製、純度99.9%)について、x=0.01、y=0〜0.4となるように混合比を変化させて混合し、乾燥させ、それ以外は実施例1と同じ条件としてセラミック基材サンプルを作製した。
表1に、得られたセラミック基材サンプルの25℃における抵抗温度依存性(TCR)及び体積抵抗率を調べた結果を示す。
Figure 2007157379
(比較例1)
以下の条件で比較例1のセラミック基材を作製した。
(S21)Al23粉末(alcoa製、型番SG−16A、純度99.0%)、TiO2粉末(東邦チタニウム株式会社製、型番HT1311、純度99.9%)を用いて、Al23−1.0vol%TiO2となるように混合し、乾燥させた。
(S22)ついで、この粉末混合物をライカイ機で粉砕した後、ポリビニールアルコール(PVA)のバインダを加えて1t/cm2で加圧成型した。
(S23)ステップS22の成型品について1650℃、H2ガスとN2ガスの混合ガス雰囲気下で加熱焼成して平板形状のセラミック基材サンプルとした。なお、体積抵抗率を変化させるために、N2+H2混合比をN2:H2=3:1,1:3,1:9と変化させて焼成した。その結果、N2:H2=3:1,1:3,1:9の順番で体積抵抗率が低下する傾向が認められた。
(比較例2)
以下の条件で比較例2のセラミック基材を作製した。
(S31)Al23粉末(alcoa製、型番SG−16A、純度99.0%)、TiO2粉末(東邦チタニウム株式会社製、型番HT1311、純度99.9%)、Mo粉末(Climax製、型番AOM−A2)を用いて、Al23−1.5vol%TiO2−8.0vol%Moとなるように混合し、乾燥させた。
(S32)ついで、この粉末混合物をライカイ機で粉砕した後、ポリビニールアルコール(PVA)のバインダを加えて1t/cm2で加圧成型した。
(S33)ステップS32の成型品について1650℃、H2ガスとN2ガスの混合ガス雰囲気下で加熱焼成して平板形状のセラミック基材サンプルとした。なお、体積抵抗率を変化させるために、N2+H2混合比をN2:H2=3:1,1:3,1:9と変化させて焼成した。その結果、N2:H2=3:1,1:3,1:9の順番で体積抵抗率が低下する傾向が認められた。
図8に、実施例3、比較例1,2で得られたセラミック基材サンプルの25℃における抵抗温度依存性(TCR)及び体積抵抗率を調べた結果を示す。
本発明に係るスペーサの構成を示す断面図である。 本発明に係る平面パネルディスプレイの一例としてFEDの表示パネルの構成を示す断面図である。 本発明に係る平面パネルディスプレイの一例としてFEDの表示パネルの構成を示す斜視図である。 スペーサの取付状態を示す斜視図である。 実施例1のセラミック基材気孔率の調査結果である。 実施例2のセラミック基材の体積抵抗率の調査結果である。 実施例2のセラミック基材の抵抗温度依存性の調査結果である。 実施例3、比較例1,2のセラミック基材の体積抵抗率と抵抗温度依存性との関係を示す図である。
符号の説明
1・・・カソード基板、2・・・アノード基板、4・・・支持基板、5・・・カソード電極、6・・・絶縁層、7・・・ゲート電極、8・・・ゲートホール、9・・・電子放出素子、10・・・スペーサ、10a・・・セラミック基材、10b・・・金属酸化物膜、12・・・透明基板、13,13R,13G,13B・・・蛍光体層、14・・・ブラックマトリクス、15・・・アノード電極、16・・・貫通孔、17・・・チップ管、18・・・走査回路、19・・・制御回路、20・・・加速電流

Claims (6)

  1. セラミック基材と、該セラミック基材表面に設けられた金属酸化物膜とからなり、平面パネルディスプレイの電圧が印加される2枚の基板間に配置され耐気圧構造体として用いられるスペーサにおいて、
    前記セラミック基材は、化学式(Ba1-yLay)1-xTi1+x3(0≦x≦0.02、0.1≦y≦0.4)で表される材料からなることを特徴とするスペーサ。
  2. 前記セラミック基材の体積抵抗率が、1.7×105〜1×1011Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。
  3. 前記セラミック基材の25℃における抵抗温度依存性(TCR)が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。
  4. 前記金属酸化物膜は、Cr酸化物、Ti酸化物、Mo酸化物から選ばれる少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。
  5. 前記金属酸化物膜の厚さは、10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ。
  6. 電子放出素子を有するカソード基板と、透明基板上に前記電子放出素子に対向する蛍光体層とアノード電極を有するアノード基板とが、請求項1〜5のいずれか一に記載のスペーサを介して対向配置されてなることを特徴とする平面パネルディスプレイ。
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