JP4829771B2 - 球状ペルオキソチタン水和物及び球状酸化チタンの製造方法 - Google Patents

球状ペルオキソチタン水和物及び球状酸化チタンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塗料、化粧料、触媒、光触媒、熱線反射材料等に有用な球状ペルオキソチタン水和物及び球状二酸化チタンの製造方法に関する。
二酸化チタンは、塗料に配合する白色顔料、触媒、触媒担体、光触媒、化粧料等に広く用いられている。なかでも粒子形状が球状である二酸化チタンを製造する方法として種々の方法がこれまで提案されている。例えば、炭化チタン等の非酸化物原料を酸素含有プラズマによる加熱により溶解し、同時に酸化反応を起こして結晶性の球状二酸化チタンを得る方法(特許文献1参照)、過酸化水素を含有するオキシ硫酸チタンなどのチタン塩をオートクレーブ中で150〜230℃の温度で水熱処理する方法(特許文献2参照)、さらには硫酸チタニルを170℃以上の温度、加圧下で加水分解した後、400〜900℃の温度で焼成する方法(特許文献3参照)などが知られている。
特開2002‐274851号公報 特開2000‐191325号公報 特開平05‐163022号公報
上記特許文献1〜3に開示されている球状二酸化チタンの製造方法は、何れもプラズマ中での加熱、オートクレーブ中での水熱処理といった、多量にエネルギーを消費する製造方法であり、より安価に球状酸化チタンを製造することのできる方法が求められている。
本発明者らは、より安価に製造できる球状酸化チタンの製造方法を見出すべく種々検討したところ、ペルオキソチタン酸溶液を20℃以下の温度に保持すると球状ペルオキソチタン水和物が生成すること、さらに得られた球状粒子を加熱処理すると球状の二酸化チタンが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ペルオキソチタン酸溶液を20℃以下の温度に保持して球状ペルオキソチタン水和物を生成させた後、固液分離することを特徴とする球状ペルオキソチタン水和物の製造方法である。また、前記球状ペルオキソチタン水和物を加熱処理することを特徴とする球状酸化チタンの製造方法である。
本発明の球状酸化チタンの製造方法は、製造時のエネルギー消費量が少なく、したがって工業的に有利に球状酸化チタンを製造することが可能である。
本発明は、球状ペルオキソチタン水和物の製造方法であって、ペルオキソチタン酸溶液を20℃以下の温度に保持して球状粒子を生成させた後、固液分離することを特徴とする。
原料として用いるペルオキソチタン酸溶液は、例えば、金属チタン、酸化チタン等のチタン原料を過酸化水素に溶解させた後、塩基性物質を添加することで得ることができる。本発明においては、ペルオキソチタン酸溶液の濃度は、Tiのモル濃度で0.01〜1mol/lの範囲が好ましい。また、添加する塩基性物質としては、アンモニア、モノエタールアミン、水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いることができるが、本発明においてはアンモニアが好ましい。塩基性物質の添加量は、0.1〜10mol/lの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜5mol/lの範囲である。塩基性物質の添加温度は、5〜30℃の範囲が好ましく、より好ましくは10〜25℃の範囲である。チタン原料を過酸化水素に溶解させた溶液に塩基性物質を添加すると、溶液は透明溶液となり、この状態で、溶液の温度は20℃以下に保持することで、溶液中に球状ペルオキソチタン水和物が析出する。保持する時間は、少なくとも24時間は必要であり、好ましくは24〜60時間である。溶液を保持する温度が、上記範囲よりも高いと、粒子の析出が起こらず、ゲル化する。塩基性物質の添加量と析出温度を調整することにより、析出する球状ペルオキソチタン水和物の粒子径を制御することができるが、通常は0.2〜5μmの範囲の球状ペルオキソチタン水和物を得ることができる。また、固液分離は、過、水洗、乾燥により行うことができる。本発明の球状ペルオキソチタン水和物は、後記の球状酸化チタンを得るための前駆体としての用途のみならず、触媒、光触媒等の用途にも有用なものである。
次の本発明は球状酸化チタンの製造方法であって、前記の球状ペルオキソチタン水和物を加熱処理することを特徴とする。加熱の温度は、少なくとも150℃の温度があればよく、200〜1000℃の範囲が好ましい。ペルオキソチタン水和物は非晶質の粒子であるが、このものを150〜300℃の範囲の温度で加熱処理することで該水和物に含まれる結晶水が一部残存したアナタース型の球状酸化チタンが得られる。また、400〜800℃の範囲の温度で加熱処理することでアナタース型の球状酸化チタン、800〜1000℃の範囲の温度で加熱処理することで、ルチル型、或いは、ルチル型とアナタース型の混在した球状酸化チタンが得られる。アナタース型の構造を含む球状酸化チタンは触媒、光触媒に特に有用である。また、ルチル型の構造を含む球状酸化チタンは、塗料、熱線反射材料に特に有用である。本発明においては、上記温度範囲で加熱しても、加熱の前後で粒子形状の変化はほとんどなく、加熱前の球状粒子の形状が維持された酸化チタンを得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(ペルオキソチタン酸溶液の作成)
酸化チタン4g(PT−301:石原産業株式会社製高純度酸化チタン)に30%の濃度のH水溶液100mlを添加し、その後、25%の濃度のNH水溶液25mlを添加してpHを10.1に調整した後、15℃温度で保持して酸化チタンを溶解させることで、ペルオキソチタン酸溶液を得た。
(球状ペルオキソチタン水和物の生成)
得られたペルオキソチタン酸溶液を10℃の温度で36時間保持して球状ペルオキソチタン水和物を生成させた。次いで懸濁液をろ過、水洗、乾燥することで固液分離し本発明の球状ペルオキソチタン水和物(試料A)を得た。
(加熱処理)
得られた球状ペルオキソチタン水和物(試料A)を大気中600℃の温度で2時間焼加熱処理して本発明の球状酸化チタン(試料B)を得た。
比較例1
実施例1の球状ペルオキソチタン水和物の生成において、保持する温度及び時間を60℃、3時間としたところ、ゲル化して塊となった。得られたゲル化物を乾燥した。乾燥物を実施例1と同様に加熱処理した後、乳鉢で粉砕して比較試料の酸化チタン(試料C)を得た。
実施例1で得られた球状ペルオキソチタン水和物(試料A)、実施例1及び比較例1で得られた酸化チタン(試料B、C)の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、粒子形状及び平均粒子径を算出した。各試料の走査型電子顕微鏡写真をそれぞれ図1〜3に示した。図1及び2より、本発明の製造方法で得られたペルオキソチタン水和物及び酸化チタンは、その粒子形状が球状であり、平均粒子径は試料A及びBで夫々1.57μm、1.65μmであることがわかった。一方、図3として示した比較試料(試料C)の酸化チタンは、不定形の粒子形状を有していた。
なお、試料B及びCの結晶形を粉末X線回折により確認したところ、何れもアナターゼ型の構造を有していた。
本発明の製造方法で得られる球状酸化チタンは、塗料、化粧料、触媒、熱線反射材料等として有用なものである。
試料Aの粒子形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。 試料Bの粒子形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。 試料Cの粒子形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 金属チタン及び酸化チタンから選ばれる少なくとも一種のチタン原料を過酸化水素溶液に溶解し、塩基性物質を添加して得られたペルオキソチタン酸溶液を20℃以下の温度に保持して球状ペルオキソチタン水和物を生成させた後、固液分離することを特徴とする平均粒子径が0.2〜5μmの範囲(但しサブミクロンの範囲は除く)にある球状ペルオキソチタン水和物の製造方法。
  2. 少なくとも24時間保持することを特徴とする請求項1に記載の球状ペルオキソチタン水和物の製造方法。
  3. 請求項1に記載の球状ペルオキソチタン水和物を加熱処理することを特徴とする球状酸化チタンの製造方法。
  4. 200〜1000℃の範囲の温度で加熱処理することを特徴とする請求項3に記載の球状酸化チタンの製造方法。
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