JP4828993B2 - Fm送信機、ならびにそれを用いた小型電子機器 - Google Patents

Fm送信機、ならびにそれを用いた小型電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、ステレオコンポジット信号を生成し、周波数変調して出力するFM送信機に関する。
オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調器を用いて周波数変調して出力するFM送信機が知られている。このようなFM送信機は、オーディオ信号をRCAケーブルなどの配線を介さずに伝送することができるため、カーオーディオのCDチェンジャとメインのヘッドユニット間の信号の伝送などに利用されている。さらに近年、ハードディスクオーディオ機器、メモリオーディオ機器、音楽再生機能を有する携帯電話端末が著しい普及を見せているが、こうした小型電子機器に蓄えられた楽曲データを、据え置き型のオーディオコンポ等のスピーカから再生する用途にも、FM送信機が用いられている。特許文献1から3には、関連する周波数変調器や、FM送信機が開示される。
FM送信機を、携帯電話端末などの小型電子機器に内蔵する場合、回路の小型化が非常に重要な課題となる。FM送信機においては、周波数変調器より前段に、オーディオ信号の高域の周波数成分を強調するプリエンファシス回路や、高域成分を除去するローパスフィルタなどを含むフィルタ回路が設けられる(特許文献3参照)。
特開平9−069729号公報 特開平10−013370号公報 特開平9−312588号公報
フィルタ回路を抵抗素子やキャパシタ素子を用いてアナログフィルタとして構成する場合、素子の抵抗値や容量値のばらつきによって、フィルタの周波数特性が変動してしまうという問題がある。また、オーディオ信号の周波数帯域を扱うため、キャパシタの容量値が非常に大きくなり、IC(Integrated Circuit)に内蔵するのが困難となり、部品点数が増大するという問題があった。部品点数の増大は、小型電子機器への搭載を阻害する要因となりうるものである。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路規模を縮小したFM送信機の提供にある。
本発明のある態様は、入力オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調して出力するFM送信機に関する。このFM送信機は、入力オーディオ信号が入力され、帯域を補正して出力するフィルタ回路と、フィルタ回路の出力信号をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号に変換するステレオ変調器と、ステレオ変調器から出力されるステレオコンポジット信号にもとづいて、周波数変調を実行する周波数変調器と、を備える。フィルタ回路の少なくとも一部を、スイッチドキャパシタフィルタで構成する。
この態様によると、フィルタ回路をスイッチドキャパシタフィルタで構成することにより、フィルタの帯域を決定するキャパシタの容量値を小さくすることができるため、半導体基板への集積化が可能となり、回路を簡素化することができる。
フィルタ回路は、入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタを含み、このローパスフィルタをスイッチドキャパシタフィルタで構成してもよい。また、別の態様において、フィルタ回路は、入力オーディオ信号の高周波成分を強調するプリエンファシス回路を含み、このプリエンファシス回路を、スイッチドキャパシタフィルタで構成してもよい。さらに別の態様では、ローパスフィルタとプリエンファシス回路の両方をスイッチドキャパシタフィルタで構成してもよい。
ローパスフィルタをスイッチドキャパシタフィルタとして構成した場合、周波数特性を柔軟に設計することが可能となり、高次、たとえば3次から7次程度のフィルタを、数pF〜数十pFのキャパシタを数個〜十数個用いることで構成することができる。さらに、これらのキャパシタは、半導体基板への集積化が可能であるため、部品点数を削減することができる。プリエンファシス回路をスイッチドキャパシタフィルタとして構成した場合、集積化によって回路が簡素化できるとともに、外付け部品を用いた場合と比べて、回路部品の抵抗値、容量値のばらつきによる周波数特性の変動を低減することができ、安定したプリエンファシス機能を実現することができる。また、両方をスイッチドキャパシタフィルタとして構成した場合、回路をより簡素化することができるとともに、入力オーディオ信号に対する周波数補正を安定化することができる。
スイッチドキャパシタフィルタで構成されるローパスフィルタの周波数特性は、19kHzおよび38kHzにノッチを有してもよい。オーディオ信号から、ステレオ変調器の副搬送波およびパイロット信号の周波数を除去することにより、良好な周波数変調波を生成することができる。
スイッチドキャパシタフィルタで構成されるローパスフィルタの次数は、5次であり、その周波数特性は19kHzおよび38kHzにノッチを有してもよい。この場合、回路面積とFM送信機の性能のバランスを最適に設定することができる。
スイッチドキャパシタフィルタで構成されるプリエンファシス回路は、可変キャパシタを含み、可変キャパシタの容量値によって、強調する周波数(以下、プリエンファシス時定数という)が可変に構成されてもよい。この場合、容量値を変更することにより、プリエンファシス時定数の異なる複数の国や地域に対応することが可能となる。
スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号の周波数は、100kHzから1MHzの間であってもよい。この帯域のクロック信号を用いることにより、キャパシタの容量値を、集積化に最適な範囲に設定することができる。
周波数変調器は、PLL(PhaseLockedLoop)回路を含む直接変調型で構成され、スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号は、周波数変調器のPLL回路の基準クロック信号と起源を同じくする信号であってもよい。また、スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号は、ステレオ変調器において使用される38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号と、起源を同じくする信号であってもよい。
クロック信号を、他の信号と間接的、あるいは直接的に共有することにより、専用の発振器が不要となるため、回路を簡略化することができる。
ある態様のFM送信機は、本送信機が搭載されるセットのシステムクロックを分周し、スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号として出力する分周器を備えてもよい。
ステレオ変調器、周波数変調器ならびにスイッチドキャパシタフィルタで構成されるフィルタ回路の一部は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。これらの回路を1つのLSIとして集積化することにより、回路面積を削減することができる。
本発明の別の態様は、入力オーディオ信号を周波数変調する周波数変調器より前段に設けられるフィルタ回路に関する。このフィルタ回路は、入力オーディオ信号の高周波成分を強調するプリエンファシス回路と、プリエンファシス回路の前段または後段に設けられ、入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、を備える。プリエンファシス回路およびローパスフィルタの少なくとも一方は、スイッチドキャパシタフィルタで構成される。
周波数変調器は、PLL(PhaseLockedLoop)回路を含む直接変調型で構成され、スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号は、周波数変調器のPLL回路の基準クロック信号と起源を同じくする信号であってもよい。
本発明のさらに別の態様は、小型電子機器である。この小型電子機器は、上述のFM送信機と、FM送信機の出力信号を外部へと送信するためのアンテナと、所定の周波数のシステムクロックを生成する発振器と、システムクロックを第1の分周比にて分周し、FM送信機のスイッチドキャパシタフィルタに供給する第1分周器と、を備える。この小型電子機器は、システムクロックを第2の分周比にて分周し、38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号の生成のためにFM送信機のステレオ変調器に供給する第2分周器と、システムクロックを第3の分周比にて分周し、PLL回路を含む直接変調型で構成されるFM送信機の周波数変調器に対して、PLL回路の基準クロック信号として供給する第3分周器と、を備えてもよい。
この態様によると、スイッチドキャパシタフィルタを利用したFM送信機を搭載することにより、小型電子機器を小型化することができる。また、第1から第3分周器を設けることにより、ひとつのシステムクロックを共有できるため、装置を簡素化、低コスト化することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、FM送信機の回路規模を縮小することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るFM送信機100の構成を示す回路図である。以降の図において、既出の構成要素と同一または同等の構成要素には、同一の符号を付すものとし、適宜説明を省略する。FM送信機100は、入力端子102に入力されたLチャンネルとRチャンネルからなるステレオオーディオ信号S1L、S1R(以下、単に入力オーディオ信号S1ともいう)を、ステレオコンポジット信号に変換し、さらに周波数変調した後に、増幅し、出力端子104から出力する。FM送信機100は、1つの半導体基板上に機能ICとして一体集積化されている。なお、入力端子102に入力されるオーディオ信号は、モノラルであってもよい。
はじめに、FM送信機100の構成および信号処理の概要を説明する。FM送信機100は、フィルタ回路50、ステレオ変調器10、周波数変調器20、パワーアンプ30、第1プログラマブル分周器40、第2プログラマブル分周器42、第3プログラマブル分周器44を備える。フィルタ回路50には、入力オーディオ信号S1が入力される。フィルタ回路50は、入力オーディオ信号S1の帯域を補正して出力する。ステレオ変調器10は、フィルタ回路50の出力信号である帯域補正されたオーディオ信号S1L’、S1R’をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号S2に変換する。周波数変調器20は、ステレオ変調器10から出力されるステレオコンポジット信号S2にもとづいて、周波数変調を実行する。周波数変調器20は、搬送周波数を有する高周波信号S3をパワーアンプ30へと出力する。パワーアンプ30は、入力された高周波信号S3を増幅し、増幅された高周波信号S4を出力端子104から出力する。
本実施の形態が特徴的なのは、フィルタ回路50の少なくとも一部が、スイッチドキャパシタフィルタで構成される点である。詳しくは後述するが、フィルタ回路50は、入力オーディオ信号S1の高周波成分を強調するプリエンファシス回路や、入力オーディオ信号S1の高周波成分を除去するローパスフィルタなどを含んで構成される。
フィルタ回路50の一部をスイッチドキャパシタフィルタとして構成することにより、フィルタの帯域を決定するキャパシタの容量値を小さくすることができるため、半導体基板への集積化が可能となり、回路を簡素化することができる。
本実施の形態において、フィルタ回路50のスイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用される第1クロック信号CK1は、100kHzから1MHzの間に設定するのが好ましい。第1クロック信号CK1の周波数をこの範囲に設定することにより、スイッチドキャパシタフィルタを構成するキャパシタの容量値を数pF程度とすることができ、ICへの集積化が容易となる。また、第1クロック信号CK1の周波数を、100kHz以上とすることにより、後段のステレオ変調器10において使用される38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号より数倍高い周波数となるため、第1クロック信号CK1がステレオ変調におよぼす影響を低減することができ、安定なステレオ変調が実現できる。
本実施の形態において、フィルタ回路50のスイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用される第1クロック信号CK1は、ステレオ変調器10において使用される38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号と、起源を同じくする。さらに、本実施の形態において、周波数変調器20はPLL回路を用いた直接変調型で構成され、第1クロック信号CK1は、周波数変調器20のPLL回路の基準クロック信号と起源を同じくする。
以下、フィルタ回路50、ステレオ変調器10、周波数変調器20でクロック信号を共有するための技術について説明する。クロック入力端子106には、外部クロック信号CKextが入力される。この外部クロック信号CKextの周波数の条件としては予めFM送信機100の仕様として決定しておくことが望ましい。たとえば、ある態様のFM送信機100においては、外部クロック信号CKextの周波数は、10MHz〜20MHzの間で、所定の周波数幅Δfごとに刻まれた周波数のいずれかとして入力されるものとする。
第1プログラマブル分周器40は、外部から入力された外部クロック信号CKextを、予め設定された第1分周比n1で分周し、第1クロック信号CK1として、フィルタ回路50へと供給する。フィルタ回路50に入力される第1クロック信号CK1の周波数f1は、外部クロック信号CKextの周波数fextを用いて、f1=fext/n1で与えられる。第1クロック信号CK1は、フィルタ回路50内部のスイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用される。
第2プログラマブル分周器42は、外部から入力された外部クロック信号CKextを、予め設定された第2分周比n2で分周し、ステレオ変調器10へと出力する。すなわち、ステレオ変調器10に入力される第2クロック信号CK2の周波数f2は、外部クロック信号CKextの周波数fextを用いて、f2=fext/n2で与えられる。第2プログラマブル分周器42から出力される第2クロック信号CK2は、ステレオ変調器10において、ステレオコンポジット信号S2を生成するための基準クロック信号として使用される。本実施の形態において、第2分周比n2は、第2クロック信号CK2の周波数f2が38kHzに最も近い値となるように設定する。
第3プログラマブル分周器44は、外部クロック信号CKextを、予め設定した第3分周比n3で分周し、周波数変調器20へと出力する。周波数変調器20に入力される第3クロック信号CK3の周波数f3は、外部クロック信号CKextの周波数fextを用いて、f3=fext/n3で与えられる。後述のように、周波数変調器20は、PLL回路を含む直接変調型で構成される。第3プログラマブル分周器44から出力される第3クロック信号CK3は、周波数変調器20のPLL回路の基準クロック信号として使用される。
このように、3つの分周器を設けることにより、フィルタ回路50、ステレオ変調器10、周波数変調器20で使用されるクロック信号を、間接的に共有することができる。そのため、フィルタ回路50のスイッチドキャパシタフィルタ専用の発振器を設ける必要がないため、回路を簡略化することができる。
以下、各回路ブロックの構成および動作の詳細について説明する。図2は、図1のフィルタ回路50の構成例を示すブロック図である。フィルタ回路50は、Lチャンネル、Rチャンネルごとに、プリエンファシス回路52、リミッタ回路54、ローパスフィルタ56を備える。Lチャンネル、Rチャンネルは、符号に添えられたL、Rの文字にて区別される。なお、LチャンネルとRチャンネルの構成は同一であるため、以下では、Lチャンネルを例に説明する。
プリエンファシス回路52Lには、入力オーディオ信号S1のLチャンネル成分であるオーディオ信号S1Lが入力される。プリエンファシス回路52Lは、オーディオ信号S1Lの高周波成分を強調する。リミッタ回路54Lは、プリエンファシス回路52Lの出力信号のレベルが、ある値を超えないように制限する。ローパスフィルタ56Lは、リミッタ回路54の出力信号の高周波成分を除去する。
本実施の形態において、プリエンファシス回路52Lおよびローパスフィルタ56Lは、スイッチドキャパシタフィルタとして構成される。プリエンファシス回路52Lおよびローパスフィルタ56Lには、スイッチドキャパシタフィルタのスイッチング用に、第1クロック信号CK1が入力される。
なお、フィルタ回路50の構成は図2のそれに限定されるものではなく、各ブロックの順番などは、適宜変更すればよい。また、必ずしも、プリエンファシス回路52およびローパスフィルタ56の両方をスイッチドキャパシタフィルタで構成する必要はなく、いずれか一方のみをスイッチドキャパシタフィルタで構成し、他方をアクティブフィルタあるいはパッシブフィルタとして構成してもよい。また、プリエンファシス回路52の前段あるいはローパスフィルタ56の後段に、アンチエイリアシング用のフィルタを別途設けてもよい。
図3は、プリエンファシス回路52の構成例を示す回路図である。プリエンファシス回路52は、第1キャパシタC1〜第4キャパシタC4、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4、第1演算増幅器Op1を含む。第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4は、第1クロック信号CK1に応じて、第1状態と第2状態を交互に繰り返す。
第1演算増幅器Op1の非反転入力端子には、第1基準電圧Vref1が入力される。第1キャパシタC1は、第1演算増幅器Op1の出力端子と反転入力端子との間に設けられる。第1演算増幅器Op1の出力端子は、プリエンファシス回路52の出力端子114となっている。
第2キャパシタC2の第1端子には第1スイッチSW1が接続され、第2キャパシタC2の第2端子には、第2スイッチSW2が接続される。第1スイッチSW1、第2キャパシタC2、第2スイッチSW2が順に接続されてなる経路は、第1キャパシタC1と並列に設けられる。第1スイッチSW1は、第1状態において第1演算増幅器Op1の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加された基準電圧端子側にオンする。第2スイッチSW2は、第1状態において第1演算増幅器Op1の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加された基準電圧端子側にオンする。
第3キャパシタC3は、プリエンファシス回路52の入力端子112と、第1演算増幅器Op1の反転入力端子の間に設けられる。第4キャパシタC4の第1端子には第3スイッチSW3が接続され、第4キャパシタC4の第2端子には、第4スイッチSW4が接続される。第3スイッチSW3、第4キャパシタC4、第4スイッチSW4が順に接続されてなる経路は、第3キャパシタC3と並列に設けられる。第3スイッチSW3は、第1状態において、入力端子112側にオンし、第2状態において、第2基準電圧Vref2が印加された基準電圧端子側にオンする。第4スイッチSW4は、第1状態において、第1演算増幅器Op1の反転入力端子側にオンし、第2状態において、第2基準電圧Vref2が印加された基準電圧端子側にオンする。
プリエンファシス回路52は、第1クロック信号CK1に応じて第1状態と第2状態を交互に繰り返す。なお、図3に示される第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4の状態は、第1状態を示している。各スイッチSW1〜SW4が、図3とは逆側にオンした状態が第2状態である。
このように構成されたプリエンファシス回路52の周波数特性は、1+ωτで与えられる。ここでωは、入力オーディオ信号S1の角周波数、τは、プリエンファシス回路52の時定数である。
プリエンファシス回路52の時定数τは、第1クロック信号CK1の周波数f1および第1キャパシタC1〜第4キャパシタC4の容量値によって定まる。たとえば、ある実施例において、f1=500kHz、C1=C2=C4=1pFとして構成してもよい。この場合、C3=1pFのときτ=0μs、C3=25pFのときτ=50μs、C3=37.5pFのときτ=75μs、C3=50pFのときτ=100pFとなる。
なお、プリエンファシス回路52の時定数τは、FM送信機100が使用される国や地域に応じて設定する必要がある。そこで、第3キャパシタC3を可変容量として構成してもよい。図4は、可変容量である第3キャパシタC3の構成例を示す回路図である。第3キャパシタC3は、並列に設けられた第3キャパシタC3a〜第3キャパシタC3dの4つのキャパシタを含む。第3キャパシタC3bの両端には、トランスファゲートTG1が設けられる。同様に、第3キャパシタC3c、C3dの両端には、トランスファゲートTG2、TG3がそれぞれ設けられる。
たとえば、C3a=1pF、C3b=24pF、C3c=12.5pF、C3d=12.5pFとした場合、トランスファゲートTG1〜TG3がすべてオフの状態で、時定数は、τ=0μsとなる。また、トランスファゲートTG1がオンのとき、τ=50μs、トランスファゲートTG1、TG2がオンのとき、τ=75μs、トランスファゲートTG1、TG2、TG3がオンのとき、τ=100μsとなる。
図3のプリエンファシス回路52の構成は例示であり、他の構成としてもよい。たとえば、第3キャパシタC3を図4に示すような可変容量とはせずに、第3キャパシタC3のみを外付けの部品として構成してもよい。また、回路形式についても、所望のプリエンファシス特性が得られれば、他の構成としてもよい。
次に、スイッチドキャパシタフィルタで構成されたローパスフィルタ56について説明する。図5は、ローパスフィルタ56の構成例を示す回路図である。ローパスフィルタ56は、5次のチェビシェフ型ローパスフィルタをスイッチドキャパシタフィルタで構成したものである。ローパスフィルタ56は、第2演算増幅器Op2〜第6演算増幅器Op6、第5キャパシタC5〜第26キャパシタC26、複数のスイッチSW5〜SW25を含む。複数のスイッチSW5〜SW25の状態は、第1クロック信号CK1に応じて、第1状態と第2状態を交互に繰り返す。図5は、第1状態を示すものであり、各スイッチが逆側にオンした状態が第2状態である。
ローパスフィルタ56は、入力端子122に入力された信号の高周波成分を除去し、出力端子124から出力する。第2演算増幅器Op2〜第6演算増幅器Op6の非反転入力端子には、それぞれ第1基準電圧Vref1が印加される。
第2演算増幅器Op2の出力端子と反転入力端子の間には第5キャパシタC5が設けられる。第6キャパシタC6は、入力端子122と第2演算増幅器Op2の反転入力端子の間に設けられる。第7キャパシタC7の第1端子は、第2基準電圧Vref2が印加された基準電圧端子と接続され、第2端子にはスイッチSW5が接続される。スイッチSW5は、第1状態において第2演算増幅器Op2の反転入力端子側にオンし、第2状態において入力端子122側にオンする。
第8キャパシタC8の両端にはスイッチSW6、SW7が接続される。第8キャパシタC8およびスイッチSW6、SW7を含み構成される経路は、第5キャパシタC5と並列に設けられる。スイッチSW6は、第1状態において第2演算増幅器Op2の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vrefが印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW7は、第1状態において第2演算増幅器Op2の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vrefが印加される基準電圧端子側にオンする。
第9キャパシタC9の両端にはスイッチSW8、SW9が接続される。第9キャパシタC9およびスイッチSW8、SW9を含み構成される経路は、第2演算増幅器Op2の出力端子と、第3演算増幅器Op3の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW8は、第1状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンし、第2状態において第2演算増幅器Op2の出力端子側にオンする。スイッチSW9は、第1状態において第3演算増幅器Op3の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。第10キャパシタC10は、第3演算増幅器Op3の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。
第11キャパシタC11の両端にはスイッチSW10、SW11が接続される。第11キャパシタC11およびスイッチSW10、SW11を含み構成される経路は、第3演算増幅器Op3の出力端子と、第4演算増幅器Op4の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW10は、第1状態において第3演算増幅器Op3の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW11は、第1状態において第4演算増幅器Op4の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。第12キャパシタC12は、第4演算増幅器Op4の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。
第13キャパシタC13の両端にはスイッチSW12、SW13が接続される。第13キャパシタC13およびスイッチSW12、SW13を含み構成される経路は、第4演算増幅器Op4の出力端子と、第5演算増幅器Op5の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW12は、第1状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンし、第2状態において第4演算増幅器Op4の出力端子側にオンする。スイッチSW13は、第1状態において第5演算増幅器Op5の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。第14キャパシタC14は、第5演算増幅器Op5の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。
第15キャパシタC15の両端にはスイッチSW14、SW15が接続される。第15キャパシタC15およびスイッチSW14、SW15を含み構成される経路は、第5演算増幅器Op5の出力端子と、第6演算増幅器Op6の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW14は、第1状態において第5演算増幅器Op5の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW15は、第1状態において第6演算増幅器Op6の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。第16キャパシタC16は、第6演算増幅器Op6の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。
第17キャパシタC17の両端にはスイッチSW16、SW17が接続される。第17キャパシタC17およびスイッチSW16、SW17を含み構成される経路は、第6演算増幅器Op6の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW16は、第1状態において第6演算増幅器Op6の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW17は、第1状態において第6演算増幅器Op6の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。
第18キャパシタC18の両端にはスイッチSW18、SW19が接続される。第18キャパシタC18およびスイッチSW18、SW19を含み構成される経路は、第3演算増幅器Op3の出力端子と、第2演算増幅器Op2の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW18は、第1状態において第2演算増幅器Op2の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW19は、第1状態において第3演算増幅器Op3の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。
第19キャパシタC19の両端にはスイッチSW20、SW21が接続される。第19キャパシタC19およびスイッチSW20、SW21を含み構成される経路は、第5演算増幅器Op5の出力端子と、第4演算増幅器Op4の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW20は、第1状態において第4演算増幅器Op4の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW21は、第1状態において第5演算増幅器Op5の出力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。
第20キャパシタC20の両端にはスイッチSW22、SW23が接続される。第20キャパシタC20およびスイッチSW22、SW23を含み構成される経路は、第4演算増幅器Op4の出力端子と、第3演算増幅器Op3の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW22は、第1状態において第3演算増幅器Op3の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW23は、第1状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンし、第2状態において第4演算増幅器Op4の出力端子側にオンする。
第21キャパシタC21の両端にはスイッチSW24、SW25が接続される。第21キャパシタC21およびスイッチSW24、SW25を含み構成される経路は、第6演算増幅器Op6の出力端子と、第5演算増幅器Op5の反転入力端子の間に設けられる。スイッチSW24は、第1状態において第5演算増幅器Op5の反転入力端子側にオンし、第2状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンする。スイッチSW25は、第1状態において第2基準電圧Vref2が印加される基準電圧端子側にオンし、第2状態において第6演算増幅器Op6の出力端子側にオンする。
第22キャパシタC22は、第4演算増幅器Op4の出力端子と、第2演算増幅器Op2の反転入力端子の間に設けられる。第23キャパシタC23は、第6演算増幅器Op6の反転入力端子と、第4演算増幅器Op4の出力端子の間に設けられる。第24キャパシタC24は、第4演算増幅器Op4の反転入力端子と、第2演算増幅器Op2の出力端子の間に設けられる。第25キャパシタC25は、第6演算増幅器Op6の出力端子と、第4演算増幅器Op4の反転入力端子の間に設けられる。
好ましくは、ローパスフィルタ56の周波数特性は、19kHzおよび38kHzにノッチを有するように設計する。これは、第1クロック信号CK1の周波数f1=500kHzとし、C5=32pF、C6=2pF、C7=8pF、C8=4pF、C9=2pF、C10=16pF、C11=4pF、C12=32pF、C13=2pF、C14=16pF、C15=4pF、C16=11pF、C17=4pF、C18=4pF、C19=4pF、C20=2pF、C21=2pF、C22=16pF、C23=2.2pF、C24=8.8pF、C25=3pFとすることにより実現することができる。図6は、図5のローパスフィルタ56の周波数特性を示す。本実施の形態では、5次のチェビシェフ型フィルタを構成するため、15kHzまで平坦な透過特性を有し、19kHzで急激に減衰する良好なフィルタを構成することができる。このようなフィルタをアナログのアクティブフィルタで構成しようとすれば、数十nFの非常に大きなキャパシタが必要となってしまい、集積化が困難となる。本実施の形態のように、スイッチドキャパシタフィルタを用いることにより、キャパシタを半導体基板上へ集積化することが可能となる。
また、図6に示すように、19kHz、38kHzにノッチを設けた場合、後段のステレオ変調器10において、38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号との干渉が抑えられるため、良好なステレオ変調が実現できる。
もっとも、ローパスフィルタ56の構成および周波数特性は、図5、図6のそれに限定されるものではない。すなわち、ローパスフィルタ56は、FM送信機100全体として必要な特性が得られるように設計すればよいが、フィルタの次数としては3次から7次とするのが好ましい。2次程度のフィルタとして構成すれば足りる場合には、スイッチドキャパシタフィルタではなく、アナログフィルタとして構成すればよい。
図7は、図1のFM送信機100のステレオ変調器10、周波数変調器20の内部構成を示すブロック図である。ステレオ変調器10、周波数変調器20の構成、動作については、広く知られているため、ここでは簡単に説明する。
ステレオ変調器10は、加算器12、減算器13、加算器14、振幅変調器15、マルチプレクサ16、1/2分周器17を含む。加算器12は、LチャンネルとRチャンネルのステレオオーディオ信号S1L’、S1R’を加算し、和信号L+Rを生成する。減算器13は、LチャンネルとRチャンネルのステレオオーディオ信号S1L’、S1R’から差信号L−Rを生成する。振幅変調器15は、差信号L−Rを用いて、図1の第2プログラマブル分周器42から出力された38kHzの第2クロック信号CK2を振幅変調する。マルチプレクサ16は、和信号L+Rを、振幅変調器15から出力される副搬送波S1’’を合成する。1/2分周器17は、38kHzの第2クロック信号CK2を1/2分周し、19kHzのパイロット信号Spを生成する。加算器14は、マルチプレクサ16の出力信号と、パイロット信号Spを合成して、ステレオコンポジット信号S2を生成する。
周波数変調器20は、VCO22、分周器24、位相比較器26、ループフィルタ28、加算器29を含む。VCO22は、制御電圧Vcntに応じた周波数で発振する。VCO22の出力信号S3は、被変調信号として外部へと出力されるとともに、分周器24へと入力される。分周器24は、VCO22の出力信号S3の周波数frfを、1/n(nは自然数)に分周し、帰還信号Sfbを出力する。位相比較器26には、分周器24から出力される周波数frf/nの帰還信号Sfbを、基準クロック信号CKrefと比較し、2つの信号の位相差に応じた電圧(以下、位相差電圧Vpcという)を出力する。PLL回路の基準クロック信号CKrefは、上述のように、図1の第3プログラマブル分周器44から出力される第3クロック信号CK3である。
ループフィルタ28は、位相比較器26から出力される位相差電圧Vpcの高周波成分を除去し、加算器29に出力する。加算器29は、ステレオ変調器10から出力されたステレオコンポジット信号S2を、ループフィルタ28の出力信号に重畳し、制御電圧Vcntとして出力する。
VCO22の出力信号S3は、搬送周波数frf=CK2×nであり、ステレオコンポジット信号S2によって周波数変調された信号となる。ここで、PLL回路の基準クロック信号CKref(=CK3)の周波数は、周波数変調器20から出力される被変調信号S3として必要な周波数が得られる値に設定される。すなわち、被搬送波の周波数を100kHzステップで変化させたい場合、基準クロック信号CKrefの周波数は、100kHz、あるいはその約数に設定する。もし、周波数変調器20の後段に1/2分周器をさらに設け、出力信号S3を、1/2分周した後に、後段のブロックに出力する構成とした場合、基準クロック信号CKrefは、200kHz、あるいはその約数に設定する。さらに、外部クロック信号CKextの周波数fextは、PLL回路の基準クロック信号CKref(=CK3)の周波数f3の整数倍に設定するのが望ましい。
以上のように構成されたFM送信機100によれば、フィルタ回路50のスイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに用いられる第1クロック信号CK1と、ステレオコンポジット信号S2の生成用の基準クロック信号CK2と、PLL回路の基準クロック信号CK3(=CKref)とは、プログラマブル分周器を用いて同一の外部クロック信号CKextから生成する。すなわち、起源を同じくした信号となっている。その結果、専用の発振器を設ける必要がなく、回路規模を縮小することができる。また、外部クロック信号CKextの周波数が、FM送信機が搭載されるセットごとに異なる場合でも、第1プログラマブル分周器40、第2プログラマブル分周器42、第3プログラマブル分周器44の分周比n1、n2、n3を、独立に設定することができるため、フィルタ回路50、ステレオ変調器10、周波数変調器20において必要とされる所望の基準クロックを得ることができる。
また、PLL回路の基準クロック信号CKref(=CK3)は、FM送信機100の搬送波の周波数に影響するため、高精度で生成すべきであるのに対して、フィルタ回路50のスイッチドキャパシタフィルタ用の第1クロック信号CK1や、ステレオコンポジット信号生成用の基準クロック信号CK2の周波数精度は、それほど高く要求されない。そこで、外部クロック信号CKextの周波数と、PLL回路の基準クロック信号CKref(=CK3)との関係を、外部クロック信号CKextと第1クロック信号CK1、第2クロック信号CK2の関係よりも優先的に規定することにより、FM送信機全体の性能を上げることができる。
以上、実施の形態にもとづいて、FM送信機の構成および動作について説明した。次に、実施の形態に係るFM送信機100の応用例について説明する。上述のFM送信機100は、たとえば、オーディオ再生機能を有する携帯電話端末などの小型電子機器に好適に搭載することができる。図8は、実施の形態に係るFM送信機を搭載した小型電子機器の構成を示すブロック図である。
小型電子機器200は、FM送信機100、メモリ110、オーディオエンコーダ120、アンテナ130、発振器140、制御部150を備える。発振器140は、所定の発振周波数を有しており、小型電子機器200のシステムクロックCKsysを生成する。メモリ110には、オーディオデータが圧縮、あるいは非圧縮の形式で記録されている。オーディオエンコーダ120は、メモリ110からオーディオデータDAを読み出し、必要に応じてエンコードして、オーディオ信号S1L、S1Rを生成し、FM送信機100へと出力する。FM送信機100は、上述のように、ステレオ変調、周波数変調を行い、さらに増幅した高周波信号S4をアンテナ130に出力する。
オーディオエンコーダ120、制御部150は、システムクロック信号CKsysによって所定の演算処理を行う。また、このシステムクロック信号CKsysは、FM送信機100に外部クロック信号CKextとして入力される。
制御部150は、たとえばマイクロプロセッサであって、発振器140の発振周波数、すなわちシステムクロックCKsysの周波数に応じて、FM送信機100の第1プログラマブル分周器40、第2プログラマブル分周器42、第3プログラマブル分周器44の分周比n1、n2、n3等を設定する。分周比の設定は、FM送信機100にレジスタなどを用意し、外部から値を変更可能とすることに実現できる。
上述のように本実施の形態によれば、FM送信機100のフィルタ回路50をコンパクトに設計できるため、図8の小型電子機器200の小型化、低コスト化が可能となる。また、システムクロックCKsysを、FM送信機100の外部クロック信号として利用し、他の回路ブロックのクロック信号として利用するため、1つの発振器で動作させることができる。すなわち、FM送信機専用に高価な水晶振動子等を設ける必要がないため、セットの小型化、低コスト化が実現できる。また、FM送信機100が、システムクロック信号の周波数が異なるセットに搭載される場合においても第1プログラマブル分周器40、第2プログラマブル分周器42等の分周比n1、n2を適切に設定することにより、安定なステレオ変調、周波数変調を実現することができる。すなわち、FM送信機100は、搭載されるセットのシステムクロックに制限されることがなく、従来のFM送信機に比べて、汎用性が高いという利点も有する。
実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、図1に示すように、クロック入力端子106に入力された外部クロック信号CKextを分周し、第1クロック信号CK1から第3クロック信号CK3を生成したが、これには限定されない。すなわち、フィルタ回路50、ステレオ変調器10、周波数変調器20において必要な周波数で発振する発振器をそれぞれ専用に設けてもよい。この場合、各ブロックに供給される周波数を、それぞれ最適化することができるため、装置の性能の観点から有利である。
本発明の実施の形態に係るFM送信機の構成を示す回路図である。 図1のフィルタ回路の構成を示すブロック図である。 図2のプリエンファシス回路の構成例を示す回路図である。 図3の第3キャパシタを可変容量としたときの構成例を示す回路図である。 図2のローパスフィルタの構成例を示す回路図である。 図5のローパスフィルタの周波数特性を示す図である。 図1のFM送信機のステレオ変調器、周波数変調器の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るFM送信機を搭載した小型電子機器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 ステレオ変調器、 20 周波数変調器、 24 分周器、 40 第1プログラマブル分周器、 42 第2プログラマブル分周器、 44 第3プログラマブル分周器、 50 フィルタ回路、 52 プリエンファシス回路、 54 リミッタ回路、 56 ローパスフィルタ、 100 FM送信機、 130 アンテナ、 140 発振器、 200 小型電子機器。

Claims (13)

  1. 入力オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調して出力するFM送信機であって、
    前記入力オーディオ信号が入力され、帯域を補正して出力するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号に変換するステレオ変調器と、
    前記ステレオ変調器から出力されるステレオコンポジット信号にもとづいて、周波数変調を実行する周波数変調器と、
    を備え、
    前記フィルタ回路は、前記入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタを含み、当該ローパスフィルタを、スイッチドキャパシタフィルタで構成し、
    スイッチドキャパシタフィルタで構成される前記ローパスフィルタの周波数特性は、19kHzおよび38kHzにノッチを有することを特徴とするFM送信機。
  2. 前記フィルタ回路は、前記入力オーディオ信号の高周波成分を強調するプリエンファシス回路をさらに含み、当該プリエンファシス回路を、スイッチドキャパシタフィルタで構成したことを特徴とする請求項1に記載のFM送信機。
  3. 入力オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調して出力するFM送信機であって、
    前記入力オーディオ信号が入力され、帯域を補正して出力するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号に変換するステレオ変調器と、
    前記ステレオ変調器から出力されるステレオコンポジット信号にもとづいて、周波数変調を実行する周波数変調器と、
    を備え、
    前記フィルタ回路は、
    前記入力オーディオ信号の高周波成分を強調するプリエンファシス回路と、
    前記プリエンファシス回路の前段または後段に設けられ、前記入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、
    を含み、
    前記プリエンファシス回路および前記ローパスフィルタを、スイッチドキャパシタフィルタで構成し、
    スイッチドキャパシタフィルタで構成される前記ローパスフィルタの周波数特性は、19kHzおよび38kHzにノッチを有することを特徴とするFM送信機。
  4. 入力オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調して出力するFM送信機であって、
    前記入力オーディオ信号が入力され、帯域を補正して出力するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号に変換するステレオ変調器と、
    前記ステレオ変調器から出力されるステレオコンポジット信号にもとづいて、周波数変調を実行する周波数変調器と、
    を備え、
    前記フィルタ回路は、前記入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタを含み、当該ローパスフィルタを、スイッチドキャパシタフィルタで構成し、
    スイッチドキャパシタフィルタで構成される前記ローパスフィルタの次数は、5次であり、その周波数特性は19kHzおよび38kHzにノッチを有することを特徴とするFM送信機。
  5. 入力オーディオ信号をステレオコンポジット信号に変換し、周波数変調して出力するFM送信機であって、
    前記入力オーディオ信号が入力され、帯域を補正して出力するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号をステレオ変調し、ステレオコンポジット信号に変換するステレオ変調器と、
    前記ステレオ変調器から出力されるステレオコンポジット信号にもとづいて、周波数変調を実行する周波数変調器と、
    を備え、
    前記フィルタ回路は、
    前記入力オーディオ信号の高周波成分を強調するプリエンファシス回路と、
    前記プリエンファシス回路の前段または後段に設けられ、前記入力オーディオ信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、
    を含み、
    前記プリエンファシス回路および前記ローパスフィルタを、スイッチドキャパシタフィルタで構成し、
    スイッチドキャパシタフィルタで構成される前記ローパスフィルタの次数は、5次であり、その周波数特性は19kHzおよび38kHzにノッチを有することを特徴とするFM送信機。
  6. スイッチドキャパシタフィルタで構成される前記プリエンファシス回路は、可変キャパシタを含み、前記可変キャパシタの容量値によって、強調する周波数が可変に構成されることを特徴とする請求項2または3に記載のFM送信機。
  7. 前記スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号の周波数を、100kHzから1MHzの間に設定したことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のFM送信機。
  8. 前記周波数変調器は、PLL(Phase Locked Loop)回路を含む直接変調型で構成され、
    前記スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号は、前記周波数変調器のPLL回路の基準クロック信号と起源を同じくする信号であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のFM送信機。
  9. 前記スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号は、前記ステレオ変調器において使用される38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号と、起源を同じくする信号であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のFM送信機。
  10. 本FM送信機が搭載されるセットのシステムクロックを分周し、前記スイッチドキャパシタフィルタのスイッチングに使用されるクロック信号として出力する分周器を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のFM送信機。
  11. 前記ステレオ変調器、前記周波数変調器ならびにスイッチドキャパシタフィルタで構成される前記フィルタ回路の一部は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のFM送信機。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のFM送信機と、
    前記FM送信機の出力信号を外部へと送信するためのアンテナと、
    所定の周波数のシステムクロックを生成する発振器と、
    前記システムクロックを第1の分周比にて分周し、前記FM送信機のスイッチドキャパシタフィルタに供給する第1分周器と、
    を備えることを特徴とする小型電子機器。
  13. 前記システムクロックを第2の分周比にて分周し、38kHzの副搬送波および19kHzのパイロット信号の生成のために前記FM送信機のステレオ変調器に供給する第2分周器と、
    前記システムクロックを第3の分周比にて分周し、PLL(Phase Locked Loop)回路を含む直接変調型で構成される前記FM送信機の前記周波数変調器に対して、前記PLL回路の基準クロック信号として供給する第3分周器と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の小型電子機器。
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