JP4826542B2 - ボルト用鋼およびそれを用いた橋梁 - Google Patents

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Description

本発明は、海浜地域や融雪塩が散布される地域等で飛来塩分量が多い環境下でもミニマムメンテナンス材料として使用することができる、耐候性および耐塗装剥離性に優れたボルト用鋼と、このボルト用鋼より作製されたボルトを用いてなる橋梁に関する。
一般に、耐候性鋼材は、それを大気腐食環境中に暴露すると、保護性のあるさび層が表面に形成され、それ以降の鋼材腐食が抑制されることにより耐候性を発揮する。そのため、耐候性鋼材は、塗装せずに裸のまま使用できるミニマムメンテナンス鋼材として、橋梁等の構造物に用いられている。
ところが、海浜地域はもちろん、内陸部でも融雪塩や凍結防止剤が散布される地域のように飛来塩分量が多い環境下では、耐候性鋼材の表面に保護性のあるさび層が形成されにくく、腐食を抑制する効果が発揮されにくい。そのため、これらの地域では、裸のままの耐候性鋼材を用いることができず、塗装をして用いる必要がある。
日本工業規格(JIS)で規格化された耐候性鋼(JIS G3114:溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)においても、海浜地域のように飛来塩分量がNaClとして0.05mg/dm2/day(0.05mdd)以上の地域では、ウロコ状錆や層状錆等の発生による腐食減量が大きいため、無塗装では使用できないことになっている(建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:耐候性鋼の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XX)−無塗耐候性橋梁の設計・施工要領(改訂版−1993.3)参照)。
このため、海浜地域などの塩分の多い環境下では、普通鋼材に塗装を施して使用する普通鋼の塗装使用が一般的である。しかし、河口付近の海浜地域に建設される橋梁や、融雪塩や凍結防止剤を撒く山間部等の道路に建設される橋梁では腐食が著しく、腐食による塗膜劣化のため、約10年毎に再塗装する必要がある。これらの再塗装には多大な工数がかかり、維持管理に莫大な費用がかかることから、海浜地域においても無塗装で使用できる海浜耐候性に優れた鋼材への要望が強い。
最近、Niを1〜3%程度添加したNi系高耐候性鋼が開発され、実用化されてきているが、このようなNi添加だけでは、飛来塩分量が0.3〜0.4mddを越える地域では適用が難しいことが判明している。
鋼材の腐食は、飛来塩分量が多くなるにつれて激しくなるため、耐食性と経済性の観点からは、飛来塩分量に応じた耐候性鋼材が必要になる。また、橋梁といっても、使用される場所や部位により、鋼材の腐食環境は異なる。例えば、桁外部では、降雨、結露水および日照に曝される。一方、桁内部では、結露水に曝されるが、雨掛かりはない。一般に、飛来塩分量が多い環境では、雨で洗われる桁外部より、雨掛かりのない桁内部の方が、腐食が激しいと言われている。
また、融雪塩や凍結防止剤を道路に撒く環境では、その塩が走行中の車に巻き上げられ、道路を支える橋梁に付着し、厳しい腐食環境となる。さらに、海岸から少し離れた軒下等も厳しい塩害環境に曝され、このような地域では、飛来塩分量が1mdd以上の厳しい腐食環境になる。
飛来塩分量が多い環境での腐食を防止する鋼材も従来から開発が進められてきた。
例えば、特許文献1ではクロム(Cr)の含有量を増加させた耐候性鋼材が、そして特許文献2ではニッケル(Ni)含有量を増加させた耐候性鋼材が、それぞれ提案されている。
また、本発明者らは、先に特許文献3で、Cu、NiおよびCrを複合して含有させた海浜耐候性を有する鋼材を提案している。
しかしながら、橋梁等の鋼構造物は、ボルト(汎用ボルト並びにトルシア型ボルトなど)を用い構造物として成り立っており、特にボルトの頭部分はケレンが不十分であったり、また塗装する場合にはエッジ部分に膜厚が付きにくいこともあり、最初に耐食性が問題になるのは、ボルト部分であることがわかってきている。そこで、近年の鋼道路橋塗装・防食便覧[日本道路協会橋梁委員会編(2005)]では、ボルトにも塗装仕様が記載されるようになり、ボルトの防食が重要視されてきている。ところが、実際には上記のようなボルト特有のケレン・形状の問題があり、長期の耐久性が不十分であった。
さらに、高い締め付け力に耐える高強度ボルトの場合には、例えば、特許文献4に示すように、いわゆる遅れ破壊が発生しやすくなることが知られている。この特許文献4において、水素過電圧を高めるSnは遅れ破壊性に悪影響を及ぼすとされている。なお、遅れ破壊とは、静荷重下に置かれた鋼が、一定時間経過後に脆性破断する現象であり、腐食により鋼中に侵入した水素による水素脆化の一種とされており、高飛来塩分環境下の腐食の厳しい環境においては、耐食性の劣化は上記遅れ破壊にも繋がる恐れが指摘される。
これらの対応として、例えば特許文献5に示されるように、Cu、Cr、Moを特定の割合で添加した合金成分を有する鋼が提案されている。
特開平9−176790号公報 特開平5−51668号公報 特開2000−297343号公報 特開2004−231992号公報 特開平9−78182号公報
上記の各特許文献で提案された耐候性鋼材をボルトに用いることを考えると、まず、上記特許文献1で提案されたクロム(Cr)の含有量を増加させた耐候性鋼材は、ある程度以下の飛来塩分量の領域においては耐候性を改善することができるものの、それを超える厳しい塩分環境においては逆に耐候性を劣化させる。
次に、上記特許文献2で提案されたニッケル(Ni)含有量を増加させた耐候性鋼材の場合、耐候性はある程度改善されるが、鋼材自体のコストが高くなり、橋梁等の用途に使用される材料としては高価なものになる。これを避けるため、Ni含有量を少なくすると、耐候性はさほど改善されず、飛来塩分量が多い場合には、鋼材の表面に層状の剥離さびが生成し、腐食が著しく、長期間の使用に耐えられないという問題が生じる。
そして、上記特許文献3で提案された、Cu、NiおよびCrを複合して含有させた海浜耐候性を有する鋼材では、これらの元素を数%程度含有させることによって、JIS耐候性鋼に比べれば耐候性を改善することができるものの、飛来塩分量が1mddを超えるような非常に厳しい環境では十分な耐候性を発揮することができず、さらなる改善が必要である。
さらに、上記特許文献4は自動車用鋼板の耐遅れ破壊性の改善提案がなされているだけであって、耐候性については触れられていない。そして、上記特許文献5で提案されたCu、Cr、Moを特定の割合で添加した合金成分を有する鋼では、飛来塩分量が1mddを超えるような非常に厳しい環境では十分な耐候性を発揮することができず、また、塗装寿命も短い。
さらに、橋梁分野における耐塗装剥離性が大きな問題である。すなわち上述したように、多量の塩化物が飛来する海岸環境や、融雪剤や凍結防止剤を散布する環境においては、塗装を施しても塗装が早期に剥離し、且つ腐食が進行するという問題があり、数年から十数年毎に塗装の塗り替えを実施する必要がある。特に、ボルトのような形状のものはさらに塗り替えの回数が増える。しかしながら、塗装の塗り替えを実施するためには、一度腐食した橋梁に足場を組んで再ブラスト処理を施す必要があるので多大なコストがかかる。そして、再ブラスト処理を施してもさびを完全に除去できるわけではなく、さびを完全には除去しきれていない鋼材上に再度、塗装しても、塗装寿命が著しく短くなる。
したがって、塗装の寿命を延長し、補修塗装間隔を大きく延ばすことが強く望まれていた。すなわち、塗装が必要とされる橋梁においても、ライフサイクルコストのミニマム化の要求が高く、塗装寿命を延長することは橋梁のライフサイクルマネジメントを考える上で非常に重要となる。とりわけ、上述したように、ボルト部分はそのケレン、形状から、塗装の寿命が著しく短くなることが知られている。さらに、高飛来塩分環境においては、腐食起因の遅れ破壊への懸念もある。
本発明は、従来の鋼材が内包する上述のような問題を解決すべく、高塩化物環境において、耐候性および耐塗装剥離性に優れたボルト用鋼およびそのボルト用鋼により作製された橋梁を提供することを目的とする。
本発明者らの一人が既に報告しているように(「材料と環境」第43巻(1994)第1号26頁参照)、耐候性鋼材においてさび層が保護性を有するのは、Feの一部がCrで置換された微細なα−(Fe1−xCr)OOH からなるさび層が生成することによる。
しかし、前述したように、Crの添加は飛来塩分量が比較的少ない環境では耐候性の向上に有効であるが、飛来塩分量が多い環境では、逆に耐候性を劣化させる。一方、Niの添加は、飛来塩分量の多い地域での耐候性の向上に有効であるとされてきた。
本発明者らは、これらの知見を踏まえて、飛来塩分量の多い環境での腐食について検討した結果、このような環境下では、FeCl溶液の乾湿繰り返しが腐食の本質的な条件となり、Fe3+の加水分解によりpHが低下した状態で、かつFe3+が酸化剤として作用することによって腐食が加速されることを見出した。
このときの腐食反応は、以下に示すとおりである。
カソード反応としては、主として、次の反応が起こる。
Fe3++e→Fe2+ (Fe3+の還元反応)
そして、この反応以外にも、次のカソード反応も併発する。
2HO+O+2e→4OH
2H+2e→H
一方、上記のFe3+の還元反応に対して、次のアノード反応が起こる。
アノード反応:Fe→Fe2++2e (Feの溶解反応)
従って、腐食の総括反応は、次の(1)式のとおりである。
2Fe3++Fe→3Fe2+ ・・・・・・(1)式
上記(1)式の反応により生成したFe2+は、空気酸化によってFe3+に酸化され、生成したFe3+は再び酸化剤として作用し、腐食を加速する。この際、Fe2+の空気酸化の反応速度は低pH環境では一般に遅いが、濃厚塩化物溶液中では加速され、Fe3+が生成され易くなる。このようなサイクリックな反応のため、飛来塩分量が非常に多い環境では、Fe3+が常に供給され続け、鋼の腐食が加速され、耐食性が著しく劣化することになることが判明した。
このように、飛来塩分量が非常に多い環境では、さび層による保護は期待できないため、鋼自身のアノード溶解反応を遅くすることによって、鋼の腐食を遅らせるのが有効である。すなわち、飛来塩分量が非常に多い環境では、Crを含有する鋼はアノード溶解反応が促進されるため、耐候性が劣化すると推測されるのに対して、Niを含有する鋼はアノード溶解反応を遅延させるので耐候性が向上することが期待できる。
上述の塩分環境における腐食のメカニズムを基に、種々の合金元素の耐候性への影響について検討した結果、下記の(a)〜(i)に示す知見を得た。
(a)Snは、Sn2+として溶解し、2Fe3++Sn2+→2Fe2++Sn4+なる反応によりFe3+の濃度を低下させることで、(1)式の反応を抑制する。Snには、さらにアノード溶解を抑制するという作用もある。
(b)Cuは、従来から飛来塩分の多い環境において耐食性改善効果の基本とされていた元素であり、比較的濡れ時間が長い環境において耐食性改善効果は見られる。しかしながら、塩化物濃度がさらに大きくなり、局部的にpHが下がるような環境、例えば塩分が付着し、湿度が変化することにより乾湿が繰り返され、β−FeOOHが生成するような比較的ドライな環境では、Cuはむしろ腐食を促進することを知見した。
(c)さらに、NiはSnと複合添加した場合には、飛来塩分の多い環境における耐食性改善効果が無く、多量に添加すると、逆に耐候性を劣化させることが判明した。このNiの挙動は、Ni添加量が増すほど耐候性が向上するという従来の知見とは相反するものである。
(d)Crは、単独添加した場合には、飛来塩分量の多い環境において耐候性を劣化させるが、Snと複合添加した場合には、飛来塩分量の多い環境での耐候性を向上させる効果を発揮する。
(e)Nはアンモニアとして溶解し、腐食界面のpHを上昇させる作用を有する。飛来塩分量の多い環境では、上記Fe3+の加水分解によりpHが低下するが、Nを含有させることにより、腐食界面のpH低下が抑制され、耐候性および塗膜剥離性が向上する。
(f)上記(a)〜(e)で述べた合金元素を含有させた材料に、さらに、Ti、Nb、Mo、W、V、CaおよびMgから選んだ1種または2種以上を含有させても、海浜耐候性の改善に効果がある。
(g)さらに、REMを含有させると、ボルト用鋼の溶接性が改善される。
(h)これらの海浜耐候性に優れたボルト用鋼は、表面を防食皮膜で被覆してもよく、またケレンが不十分であっても塗装寿命延長化に効果が大きい。
(i)さらに、従来から、水素過電圧を高めるSnは遅れ破壊性に悪影響を及ぼすとされていた(上記特許文献4参照)が、塩化物存在下における乾湿繰り返し環境においては、予想外に水素透過係数を著しく低下させることが判明した。
本発明は、上記の知見に基づきなされたもので、その要旨は、次の(1)〜(7)のボルト用鋼と、(8)の橋梁にある。以下、総称して、本発明ということがある。
(1) 質量%で、C:0.15〜0.6%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.1%以上、Cr:0.01%以上、(ただし、MnおよびCr:合計で0.96〜1.80%)、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cu:0.3%未満、Ni:1%未満、O:0.01%以下およびSn:0.05〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有することを特徴とするボルト用鋼。
(2) さらに、質量%で、Al:0.3%以下を含有することを特徴とする、上記(1)のボルト用鋼。
(3) さらに、質量%で、Mo:3.0%以下、W:3.0%以下およびV:0.3%以下よりなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)のボルト用鋼。
(4) さらに、質量%で、Nb:0.1%以下およびTi:0.1%以下よりなる群から選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかのボルト用鋼。
(5) さらに、質量%で、B:0.0030%以下、N:0.03%以下、Ca:0.01%以下およびMg:0.01%以下よりなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかのボルト用鋼。
(6) さらに、質量%で、REMを0.02%以下含有することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかのボルト用鋼。
(7) 表面が防食皮膜により被覆されていることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかのボルト用鋼。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかのボルト用鋼より作製されたボルトを用いた橋梁。
本発明のボルト用鋼は、飛来塩分量が多い環境下においても十分な耐候性を有している。海浜地域や、融雪塩や凍結防止剤が散布される地域における橋梁等の構造物に使用するミニマムメンテナンス材料として、土木および建築分野等において広く適用することができる。さらに、塗装を施して、船舶や橋梁等の鋼構造物に使用した場合に、欠陥部等からの腐食を著しく抑制するためメンテナンスミニマム化に寄与する材料として広く適用することができる。
以下に、本発明のボルト用鋼の化学組成の規定理由を説明する。なお、以下の「%」の表示は、いずれも「質量%」を意味する。
C:0.15〜0.6%
Cは、鋼の焼入れ性を高めるとともに、焼入れ後の強度を向上させる作用を有する。十分な焼入れ性を得るためには、0.15%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.6%を超えて含有させると過剰の微細炭化物が形成され、ボルトの成形性(冷間鍛造性)が大きく低下するだけでなく、耐食性も低下傾向を示す。したがって、C含有量は0.15〜0.6%とする。好ましい範囲は、0.15〜0.4%である。
Si:0.05〜0.5%
Siは、製鋼時の脱酸に必要な合金元素であり、耐候性を向上させる合金元素でもある。これらの観点から、Siを0.05%以上含有させる必要がある。一方、過剰に添加してもその効果は飽和するため、0.5%を上限とする。
MnおよびCr:合計で0.5〜3.5%、
MnとCrは、鋼の焼入れ性を確保し、ボルトとしての強度を確保するために必要な元素である。この目的からは、これらの元素を合計で0.5〜3.5%含有させる必要がある。
鋼中のSの含有量が低い場合には、Mnは一般に高飛来塩分環境における耐候性を向上させる作用を有する。この効果を得るには、Mnを0.1%以上含有させるのが好ましい。より好ましくは0.5%である。しかしながら、鋼中のSと結合してMnSを形成し、このMnSが腐食の起点となるので、耐食性、ひいては耐候性を劣化させる。また、機構は不明であるが、Niと共存する場合にはMnの含有量が2.0%を超えると耐候性が劣化する。したがって、Mnの含有量は2.0%以下とすることが好ましい。
Crは、飛来塩分量がそれほど多くない環境では保護性さびの形成による耐食性の向上が期待できるが、飛来塩分量が多い環境において鋼のアノード溶解反応を促進し耐候性を劣化させる。ところが、Snを含有する場合には、飛来塩分量が多い環境においても、Cr含有による耐候性の向上効果が発揮される。この効果は、Cr含有量が0.01%以上で発揮されるが、3.0%を超えると局部腐食感受性が高まる。したがって、Crの含有量は0.01〜3.0%とすることが好ましい。
P:0.05%以下
Pは、不純物として含有されるが、濃厚塩化物環境での過度のPの含有は耐候性を劣化させるため、できるだけ少なくする必要がある。また、Pは粒界に偏析し、耐遅れ破壊性を低下させる。その含有量が0.05%を超えるとその影響が顕著になるため、上限を0.05%とする。
S:0.03%以下
Sは、不純物として含有されるが、Mnと結合すると非金属介在物のMnSを形成して腐食の起点となり易く、耐候性を劣化させる。また、SもPと同様に粒界に偏析し、耐遅れ破壊性を低下させる。その含有量が0.03%を超えるとその影響が顕著になるため、上限を0.03%とする。
Cu:0.3%未満
Cuは、一般的に耐候性を向上させる基本元素とされ、全ての海浜耐候性鋼や耐食鋼に添加されているが、高飛来塩分下の比較的ドライな環境においては、むしろ耐食性を低下させる。また、Snと共存する場合には、冷間鍛造性が低下する。したがって、Cuの含有はできるだけ少なくする必要があり、不純物として含有されるとしても、Cu含有量は0.3%未満とする必要がある。
Ni:1%未満
Niは、一般的に飛来塩分量の多い環境下での海浜耐候性を著しく向上させる元素として従来から鋼中に添加され、Ni系耐候性鋼として開発され、実用化されてきている。しかし、理由は定かではないが、Snと複合添加した場合には、耐食性の改善効果がないばかりか、Snによる耐候性改善効果を低下させるという悪影響が現れる。したがって、Niの含有はできるだけ少なくする必要があり、不純物として含有されるとしても、Ni含有量は1%未満とする必要がある。
O(酸素):0.01%以下
O(酸素)は不純物として鋼中に存在し、その含有量が0.01%を超えると粗大な酸化物を形成して疲労特性等を低下させる。したがって、その上限を0.01%とする。
Sn:0.05〜0.50%
Snは、Sn2+となって溶解し、酸性塩化物溶液中でのインヒビター作用により腐食を抑制する作用を有する。また、Fe3+を速やかに還元させ、酸化剤としてのFe3+濃度を低減する作用を有することにより、Fe3+の腐食促進作用を抑制するので、高飛来塩分環境における耐候性を向上させる。
また、Snには鋼のアノード溶解反応を抑制し耐食性を向上させる作用がある。さらに、Snを含有することにより、飛来塩分が多い環境においてもCrの耐候性を向上させる効果が発揮される。
これらの作用は、Snを0.05%以上含有させることにより得られ、0.50%を超えると飽和するだけでなく、後述するように据込み性が低下する。したがって、Snの含有量は0.05〜0.50%とする。Snの含有量の望ましい範囲は0.05〜0.40%である。従来からSnの添加は、SやPb等と同様に触媒毒となり、鋼中への水素侵入を促進すると言われてきたが、高飛来塩分大気環境においては著しく水素の透過係数を抑制することが、本発明により明らかとなった。
Cu/Sn比:1以下
本願発明のようにSnを含有する鋼の場合には、Cuの含有による耐食性の低下が著しい。また、ボルトを製造する際、Cuの含有による割れの原因ともなる。このため、Cu/Sn比、すなわち、Sn含有量に対するCu含有量の比を1以下とする必要がある。
本発明のボルト用鋼は、上記の合金元素の他に、さらにAl、Mo、W、V、Nb、Ti、Zr、B、N、Ca、MgおよびREMのうちの1種または2種以上を含有してもよい。これらの元素の含有させてもよい理由とそのときの含有量は、次の通りである。
Al:0.3%以下
Alは、鋼の脱酸に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。ただし、脱酸剤としてSiを添加する場合には含有させなくてもよい。しかしながら、過剰に添加してもその効果は飽和するため、Alの上限は0.3%とする。なお、Alによる脱酸の効果を確実に発現させるためには、Alを0.005%以上含有させることが好ましい。ここで、本発明におけるAl含有量とは、酸可溶Al(いわゆる、sol.Al)を指す。
Mo:3.0%以下
Moは、必要に応じて含有させることができる。Moを含有させると、微細炭化物を形成することによって焼戻し温度を高め、耐遅れ破壊性を向上させる効果を有する。また、Moには、溶解して酸素酸イオンMoO 2−の形でさびに吸着し、さび層中の塩化物イオンの透過を抑制し、耐食性を向上させる効果もある。
しかしながら、Moの含有量が3.0%を超えるとこれらの効果が飽和するだけでなく、鋼材のコストが上昇するので、Moの含有量の上限は3.0%とする。なお、これらの効果を確実に発現させるためには、Moを0.1%以上含有させるのが好ましい。
W:3.0%以下
Wは、必要に応じて含有させることができる。Wを含有させると、Moと同様に、溶解して酸素酸イオンMoO 2−の形でさびに吸着し、さび層中の塩化物イオンの透過を抑制し、耐食性を向上させる効果がある。
しかしながら、Wの含有量が3.0%を超えると、この効果が飽和するだけでなく、鋼材のコストが上昇するので、その含有量の上限は3.0%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Wを0.1%以上含有させるのが好ましい。
V:0.3%以下
Vは、必要に応じて含有させることができる。Vを含有させると、微細炭化物を形成することによって焼戻し温度を高め、耐遅れ破壊性を向上させる効果を有する。しかしながら、Vの含有量が0.3%を超えるとこれらの効果が飽和するので、Vの含有量の上限は0.3%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Vを0.05%以上含有させるのが好ましい。
Nb:0.1%以下
Nbは、必要に応じて含有させることができる。Nbを含有させると、C、Nと結びついて炭窒化物を形成し、ピニング効果により細粒化に有効に働き、耐遅れ破壊性を改善する。しかしながら、Nbの含有量が0.1%を超えるとこれらの効果が飽和するので、Nbの含有量の上限は0.1%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Nbを0.002%以上含有させるのが好ましい。
Ti:0.1%以下
Tiは、必要に応じて含有させることができる。Tiを含有させると、Nbと同様に、C、Nと結びついて炭窒化物を形成し、ピニング効果により細粒化に有効に働き、耐遅れ破壊性を改善する。しかしながら、Tiの含有量が0.1%を超えるとこれらの効果が飽和するので、Tiの含有量の上限は0.1%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Tiを0.002%以上含有させるのが好ましい。
B:0.0030%以下
Bは、必要に応じて含有させることができる。Bを含有させると、鋼の焼入れ性を向上させ、ボルトとしての強度を更に向上させることができる。しかしながら、Bの含有量が0.0030%を超えるとこの効果が飽和するので、Bの含有量の上限は0.0030%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Bを0.0003%以上含有させるのが好ましい。
N:0.03%以下
Nは、必要に応じて含有させることができる。Nを含有させると、鋼中のAl、Nb、Ti、ZrにCとともに結びついて炭窒化物を形成し、ピニング効果により細粒化に有効に働き、耐遅れ破壊性を改善する。また、Nはアンモニアとなって溶解し、飛来塩分量の多い環境におけるFe3+の加水分解によるpH低下を抑制することで、塩分環境における耐候性を向上させる効果を有する。
しかしながら、Nの含有量が0.03%を超えるとこれらの効果が飽和するので、Nの含有量の上限は0.03%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、Nを0.003%以上含有させるのが好ましい。
Ca:0.01%以下
Caは、必要に応じて含有させることができる。Caを含有させると、鋼中のSと結びついて硫化物を形成し、介在物の形状を改善して耐SCC性を改善させる効果を有する。
また、腐食反応部における界面のpHの低下を抑制して、腐食の促進を抑える効果がある。しかしながら、Caの含有量が0.01%を超えるとこの効果が飽和するので、Caの含有量の上限は0.01%とする。なお、これらの効果を確実に発現させるためには、Caを0.0003%以上含有させるのが好ましい。
Mg:0.01%以下
Mgは、必要に応じて含有させることができる。Mgを含有させると、Caと同様に、腐食反応部における界面のpHの低下を抑制し、耐食性を向上させる効果がある。しかしながら、Mgの含有量が0.01%を超えるとこの効果が飽和するので、Mgの含有量の上限は0.01%とする。なお、これらの効果を確実に発現させるためには、Mgを0.0003%以上含有させるのが好ましい。
REMを0.02%以下
REMは、必要に応じて含有させることができる。REMを含有させると、鋼の溶接性を向上させる効果がある。しかしながら、REMの含有量が0.02%を超えるとこれらの効果が飽和するので、REMの含有量の上限は0.02%とする。なお、この効果を確実に発現させるためには、REMを0.0001%以上含有させるのが好ましい。なお、REMとは、ランタニドの15元素にYおよびScを合わせた17元素を意味する。
本発明のボルト用鋼は、上記の必須元素あるいはさらに上記の任意元素を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼材である。
本発明のボルト用鋼は、高飛来塩分環境下の耐食性に優れ、耐塗膜剥離性にも優れるため、橋梁用のボルトのみならず、自動車用や産業機械用、さらには建築構造物用のボルトとして使用することもできる。
本発明のボルト用鋼は、さらに耐候性を高める場合には、その表面を防食皮膜で覆うのが望ましい。本発明において用いる防食皮膜とは、鋼材の防食目的で施される皮膜を意味する。具体的には、耐候性鋼材において周知の各種のさび安定化処理皮膜(化成処理系と塗装系とを含む);Znめっき、Alめっき、Zn−Alめっき等の防食めっき皮膜;Zn溶射、Al溶射等の金属溶射皮膜;ビニルブチラール系、エポキシ系、ウレタン系、フタル酸系などの一般の防食塗装皮膜、さらにいわゆるC系塗装系、I系塗装系等を包含する。いずれの防食皮膜を施した場合であっても、優れた耐候性と高い防食性能を発揮することができる。これらの防食皮膜の膜厚または付着量は特に制限されず、通常の範囲内でよい。さらに、本発明のボルト用鋼は、さび付き鋼材、すなわち補修時に表面さびが除去しきれない状況で、特に塗装部耐食性を発揮するので、ケレン等でさびを完全に除去出来ない場合、例えば電動工具、ワイヤーブラシによるケレン程度で上記塗装を施しても著しく寿命を延長することができる。これは、塗装した場合に、キズ部がアノードと成りやすく、特にさび付き状態で塗装する場合に、局部的にpHが低下する現象が顕著になるために、本発明のボルト用鋼の性能が発揮されるものと考えられる。
上述の通り、本発明のボルト用鋼は、飛来塩分量が多い環境下において優れた海浜耐候性を発揮するので、特に、海浜地域における橋梁等、そして融雪塩や凍結防止剤が散布される地域における橋梁等の構造物に、塗装を必要としないミニマムメンテナンス材料として使用することができる。さらに、塗装を施す場合には、塗装部の耐剥離性・キズ部耐食性を著しく向上させることができ、ライフサイクルコストの低減に寄与する。
ボルトの実生産工程では、熱間圧延後に成形加工してボルトにした後で焼入れ、焼戻しの熱処理を施す。したがって、本来ならば、特性の評価は熱間圧延後に成形加工し、焼入れ、焼戻しの熱処理を施した鋼でおこなう必要がある。しかし、熱間圧延後に成形加工を施すことなく、焼入れ、焼戻しの熱処理を施した鋼の特性は、成形加工後に焼入れ、焼戻し熱処理を施した鋼の特性とほぼ同じであるので、ここでは、以下に示すように熱間圧延後に焼入れ、焼戻しの熱処理を施した鋼板により特性を評価した。
表1に示す化学組成を有する鋼の180kgを真空溶解炉にて溶製した。なお、本実施例で作製した鋼中に不純物として含有する酸素含有量は、0.0001〜0.005%の範囲であった。
Figure 0004826542
得られた鋳塊を1250℃に加熱し、分塊圧延および熱間圧延を施して、厚さ20mmの鋼板とした。その後、750℃で7時間保持した後、650℃まで7時間かけて冷却し、その後空冷し、熱延鋼材を得た。そして、熱延鋼材のうちの一部を12mm厚まで冷延し、再度750℃で7時間保持後、650℃まで7時間かけて冷却し、その後空冷し、冷延鋼材を得た。
この冷延鋼材から、図1に示すとおり、冷間鍛造性を評価するための据え込み試験用の試験片に加工した。据込試験片は外径φ=10mm×長さL=15mmの円柱形状であり、その外面の長さ方向に、角度30゜、深さd=0.8mm、最深部半径R=0.15mmの切欠き断面(2号切り欠き)を有する。
据込み試験は、「塑性と加工」vol.22 (1981-2) p.139に記載されている方法に従って、6mm一気に圧縮し、その後、0.3mmピッチで、それぞれの鋼材について、サンプル数n=5個を圧縮し、割れの有無を確認した。限界据込み率は、n/2が割れる時(割れ率50%)の限界圧縮率の数値を採用した。試験結果を表2に示す。なお、限界据込み率が55%を超える値となればボルトの製造上の問題はないため、限界据込み率が55%以上の値を示すときは、すべて「>55」と記した。
Figure 0004826542

次に、上記の熱延鋼材の表裏面を機械研削し、厚さ3mm×幅60mm×長さ100mmのブラスト鋼材の試験片を切り出した。ボルト塗装部の膜厚が薄い部分およびキズ部の耐塗膜剥離性を評価するために、表1に示した化学組成を有する鋼材No.1〜29に対して、汎用エポキシ樹脂塗料(商品名「バンノー200」中国塗料(株)製)を塗膜厚さが150μmになるようにスプレー塗装し、鋼面にキズがつくまで塩化ビニルカッターによりクロスにカットを入れて、SAE(Society of Automotive Engineers)J2334試験を160サイクル実施した。
別途、予めSAE J2334試験を10サイクル実施し、表面にさびを形成させた後に、ワイヤーブラシにてケレンしたさび付き鋼材に対して、汎用エポキシ樹脂塗料(商品名「バンノー200」中国塗料(株)製)を塗膜厚さが150μmになるようにスプレー塗装し、鋼面にキズがつくまで塩化ビニルカッターによりクロスにカットを入れて、SAE J2334試験を160サイクル実施した。
これらの試験の行った後、ポイントマイクロメーターを用いて、最大腐食深さを測定した。その試験結果を表2に示す。
なお、SAE J2334試験は、次の条件で行う加速試験であり、腐食形態が大気暴露試験に類似しているとされている(長野博夫、山下正人、内田仁著:環境材料学、共立出版(2004)、p.74参照)。本試験は、飛来塩分量が1mddを超えるような厳しい腐食環境を模擬する試験である。
湿潤:50℃、100%RH、6時間、
塩分付着:0.5質量%NaCl、0.1質量%CaCl、0.075質量%NaHCO水溶液浸漬、0.25時間、
乾燥:60℃、50%RH、17.75時間
を1サイクル(合計24時間)とした。
さらに、図2に示すとおり、塩化物飛来塩分環境を模擬した塩分付着乾湿サイクル水素透過試験(T. Omura, T. Kudo and S. Fujimoto, Materials Transactions, vol. 47, No. 12 (2006), p.2956-2962)を用いて、水素透過係数を測定した。なお、塩化物の付着量は0.3mg/cm、温度は60℃で実験を行った。試験結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、本発明例(試験番号1〜24)は、据え込み試験ではすべて55%以上であり、ボルト用に製造することができる。また、塗装部耐食性に非常に優れているとともに水素透過係数も小さいので、塩分付着乾湿環境においても耐食性に優れる。
これに対して、比較例の鋼材では、試験番号25および26はSnの含有量が不足するために、塗装部の最大腐食深さが大きく低下することが観察できる。そして、試験番号27および28は、Snの含有量は規定範囲にあるものの、Cu量が0.3%以上であり、またCu/Snが1を超えてしまっているため、塗装部の耐食性は優れているが、据え込み性が低下することが観察できる。さらに、試験番号29は、Snの含有量が規定範囲を超えているため、耐食性は飽和し、据込み性が低下することが観察できる。
本発明のボルト用鋼は、飛来塩分量が多い環境下においても十分な耐候性を有している。海浜地域や、融雪塩や凍結防止剤が散布される地域における橋梁等の構造物に使用するミニマムメンテナンス材料として、土木および建築分野等において広く適用することができる。さらに、塗装を施して、船舶や橋梁等の鋼構造物に使用した場合に、欠陥部等からの腐食を著しく抑制するためメンテナンスミニマム化に寄与する材料として広く適用することができる。
冷間鍛造性を評価するための据え込み試験用の試験片の一例である。 塩分付着乾湿サイクル水素透過試験の模式図である。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.15〜0.6%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.1%以上、Cr:0.01%以上、(ただし、MnおよびCr:合計で0.96〜1.80%)、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cu:0.3%未満、Ni:1%未満、O:0.01%以下およびSn:0.05〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有することを特徴とするボルト用鋼。
  2. さらに、質量%で、Al:0.3%以下を含有することを特徴とする、請求項1に記載のボルト用鋼。
  3. さらに、質量%で、Mo:3.0%以下、W:3.0%以下およびV:0.3%以下よりなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のボルト用鋼。
  4. さらに、質量%で、Nb:0.1%以下およびTi:0.1%以下よりなる群から選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載のボルト用鋼。
  5. さらに、質量%で、B:0.0030%以下、N:0.03%以下、Ca:0.01%以下およびMg:0.01%以下よりなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載のボルト用鋼。
  6. さらに、質量%で、REMを0.02%以下含有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載のボルト用鋼。
  7. 表面が防食皮膜により被覆されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれかに記載のボルト用鋼。
  8. 請求項1から7までのいずれかに記載のボルト用鋼より作製されたボルトを用いた橋梁。
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