JPH111745A - 耐海水腐食性に優れた構造用鋼及びその製造方法 - Google Patents

耐海水腐食性に優れた構造用鋼及びその製造方法

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JPH111745A
JPH111745A JP16354497A JP16354497A JPH111745A JP H111745 A JPH111745 A JP H111745A JP 16354497 A JP16354497 A JP 16354497A JP 16354497 A JP16354497 A JP 16354497A JP H111745 A JPH111745 A JP H111745A
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steel
corrosion resistance
seawater
less
seawater corrosion
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Masatoshi Tanaka
賢逸 田中
Toshiya Nishimura
俊弥 西村
Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水に暴露される環境において耐海水腐食性
に優れた構造用鋼。 【解決手段】 成分組成として、すくなくとも、P : 0.
03〜0.15%、Ni : 0.4〜2.0%、Mo : 0.10 〜1.50%を含有
し、かつ、Sn : 0.01〜0.5%、Sb : 0.01〜0.5%のうちの
1種または2種を含有するもので、Ni、Moと Sn やSbを
共存させて耐海水腐食を向上させた構造用鋼である。さ
らに、炭素当量(Ceq):0.4%以下、溶接割れ感受性指
数(Pcm):0.20%以下とし、また、MnとMoが、Mn×Mo≦
0.4%なる関係を満たすことが望ましく、これにより強
度、溶接性、靱性が高まる。上記成分組成の鋼を、連続
鋳造または分解圧延後、得られた鋼片を再加熱した後の
熱間圧延において、950℃以下における累積圧下率を
20%以上とし、かつ熱間圧延を750℃以上900℃
以下の温度範囲で終了することにより耐海水腐食性に優
れた溶接構造用鋼が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、桟橋や護岸、又は
船舶など、海水に直接暴露される環境において使用され
る溶接鋼構造物の建造に適した、高耐食性で高溶接性を
有し、かつ靭性の良好な構造用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】桟橋や護岸、又は船舶などの鋼構造物
は、海水を繰り返し被るため、鋼構造部分がきわめて腐
食されやすい。特に、海洋環境においては、海水中より
海水の付着ー乾燥が繰り返される潮の干満帯や海水の飛
沫の付着ー乾燥が繰り返される飛沫帯で腐食が極めて大
きい。
【0003】したがって、こうした環境で使用される海
洋構造物に、数十年に及ぶ耐久性を付与するためには、
使用する鋼材にポリエチレンライニングなどの耐久性に
優れた被覆を施すか、鋼板表面にチタンなどの高耐食金
属で被覆したチタン・クラッド鋼などを使用する必要が
ある。しかしながら、こうした防食方法は、使用される
材料自体が特に高価であるばかりでなく、溶接施工もい
ちじるしく困難であり、建設費用を高騰させる原因とな
る。
【0004】一方、安価でかつ溶接施工の比較的容易な
耐食鋼材としては、いわゆる耐海水鋼がある。耐海水鋼
は、銅、りん、クロム、ニッケル、タングステン、アル
ミニウムなどの、海水腐食に対して有効な元素を適量含
有することにより、海水中および海上における耐食性を
高めた鋼材である。しかしながら、市販されている耐海
水鋼は通常の炭素鋼に比べて、耐食性は認められるもの
の、その腐食速度は炭素鋼の腐食速度のたかだが1/2程
度に抑えられる程度であり、長期間に及ぶ耐久性の点で
は耐食性は十分とはいえない。
【0005】耐食性をさらに向上させるためには、これ
ら有効元素をさらに多量に含有することが必要である。
こうした耐海水鋼については、たとえば特開平2-138441
号公報では、5〜6%程度のAl、Crを含有した鋼が、ま
た特開平5-117812号公報では、5〜45%のMnあるいは
同量のMnとCrを同時に含有する鋼が開示されている。
【0006】しかしながら、海水腐食に対して有効な元
素を大量に含有することは、溶接性にとっては好ましい
方向ではなく、含有成分量を増やすことによって、十分
な耐食性を鋼材に付与しようとすると、溶接欠陥が生じ
易くなり、溶接部の検査と補修に多大な労力とコストが
かかる。すなわち、従来の技術によっては、海洋環境に
おいて十分な耐海水腐食性を有する構造用鋼材を安価に
製造することは、困難であった。
【0007】発明者らは、先に海岸地域に建設される橋
梁や鉄塔などの、飛来する塩分が関与した腐食環境の溶
接構造物材料に適した、高耐食性を有する耐候性鋼を発
明した(特開平8ー134587号公報)。しかし、海洋環境に
おける耐食性は、海岸地域に使用される鋼材に要求され
る耐候性よりも、一段と過酷な環境である。そこで、上
記発明を基礎にして更に検討を重ね、本発明に至った。
【0008】
【解決しようとする課題】本発明は、このような事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、海洋
環境において十分な耐海水腐食性を有するとともに、溶
接性に優れて鋼構造物の施工が容易であり、また、靭性
が良好で破壊に対する安全性の高い構造用鋼およびその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、成分組成
として、少なくとも、P : 0.03〜0.15wt%、Ni : 0.4〜
2.0wt%、Mo : 0.10 〜1.50wt%を含有し、かつ、Sn : 0.
01〜0.5wt%、Sb : 0.01〜0.5wt%のうちの1種または2
種を含有することを特徴とする耐海水腐食性に優れた構
造用鋼である。鋼材の耐海水腐食性を向上することがで
きる基本的な鋼の成分組成として、P、Ni、Mo、Sn、Sb
の成分範囲及びSnとSb関連を規定したものである。第2
の発明は、重量%の成分組成が、C : 0.15wt%以下、Si
: 0.7wt%以下、Mn : 0.20 〜1.50wt%、P : 0.03〜0.15
wt%、S : 0.020wt%以下、Al : 0.010〜0.10wt%、Cr :
0.10wt%以下、Ni : 0.4〜2.0wt%、Cu : 0.4wt%以下、Mo
: 0.10 〜1.50wt%を含有し、かつ、Sn : 0.01〜0.5wt
%、Sb : 0.01〜0.5wt%のうちの1種または2種を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物であることを特徴と
する、前記の耐海水腐食性に優れた構造用鋼である。本
発明は、鋼材の耐海水腐食性を向上するとともに溶接性
を向上することができる基本的な鋼の成分組成である。
【0010】第3の発明は、前記成分組成において、さ
らに、下記に示す炭素当量(Ceq):0.4wt%以下、溶接
割れ感受性指数(Pcm):0.20wt%以下であることを特徴
とする、前記の耐海水腐食性に優れた構造用鋼である。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Cr/5+Ni/40+Mo/4+V/14 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B 本発明により、耐海水腐食性に優れた鋼材の溶接性をさ
らに改善することができる。
【0011】第4の発明は、前記成分組成において、Mn
とMoが、Mn×Mo≦0.4(wt%)なる関係を満たすことを特徴
とする、前記の耐海水腐食性に優れた構造用鋼である。
本発明により、耐海水腐食性に優れた鋼材の靭性を向上
できる。
【0012】第5の発明は、前記成分組成において、Mn
およびMoが、Mn×Mo≦0.4(wt%)なる関係を満たし、かつ
下記に示す炭素当量(Ceq):0.4wt%以下、溶接割れ感
受性指数(Pcm):0.20wt%以下であることを特徴とす
る、前記の耐海水腐食性に優れた構造用鋼である。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Cr/5+Ni/40+Mo/4+V/14 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B 本発明により、耐海水腐食性、溶接性、靭性を兼ね備え
た鋼材を得ることができる。
【0013】第6の発明は、第1から第5の発明のいず
れか一つの成分組成を有する鋼を、連続鋳造または分解
圧延後、得られた鋼片を再加熱し、熱間圧延するに際し
て、950℃以下における累積圧下率を20%以上と
し、かつ熱間圧延を750℃以上900℃以下の温度範
囲で終了することを特徴とする、耐海水腐食性に優れた
構造用鋼の製造方法である。本発明により、耐海水腐食
性に優れた構造用鋼の製造が可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の大きな特徴は、適正量の
SnまたはSbまたは両者をMo、Niと共存させることによっ
て、鋼材の海水耐食性を著しく向上させることにある。
【0015】図3は、Sn又はSbを単独に含有する場合
と、更にNi 0.4wt% とMo 0.15wt%を含有する場合につい
て最大穴あき深さで評価する海水耐食性を比較した図で
ある。この図から、SnまたはSbのうちの1種又は2種を
Mo、Niとともに含有すると、鋼材の最大孔あき深さは半
減し、海水耐食性が著しく向上することが明らかであ
る。
【0016】構造用鋼の場合、海水耐食性とともに施工
の容易さと構造物の耐久性から強度、溶接性や靱性等が
要求され、これを満たすことが望まれる。次に、成分組
成とこれらの要求される特性との関係を説明する。
【0017】Cは、所定の強度を確保するために含有す
るが、0.15wt%を超えると溶接性および靭性が劣化する
ので、その上限を0.15wt%とする。
【0018】Siは、製鋼段階の脱酸剤および鋼材の強度
向上元素として含有するが、過剰に含有すると靭性が著
しく低下するので、その上限0.7wt%とする。
【0019】Mnは、所定の強度を確保するために0.20wt
%以上含有しなければならないが、過剰に含有すると、
ベイナイト組織が生じやすくなり、機械的特性、特に靭
性が劣化するので、その上限を1.5wt%とする。
【0020】Pは、本発明において重要な元素であり、
鋼の強度を向上させる作用があるとともに、耐食性を向
上させる効果があるので、必要量含有する。しかし0.03
wt%未満の含有では耐食性の向上に効果がなく、また含
有量が0.15wt%を超えると、溶接性が劣化するので、0.0
3〜0.15wt%とする。
【0021】Sは、耐食性に有害な元素であるので、そ
の上限を0.02wt%とする。Alは、製鋼段階の脱酸剤とし
て0.01wt%以上含有するが、過剰に含有すると腐食の起
点となる介在物が生じやすくなるので、その上限を0.1w
t%とする。
【0022】Crは、前述したように、従来の耐海水鋼で
耐食性元素として重要な役割を果たしていたが、Crによ
る耐食性改善には限界があり、溶接時の低温割れ感受性
を高める。本発明においてCrは不要な元素であり、その
含有量が0.1wt%を超えないようにする。
【0023】Niは、本発明において重要な元素であり、
Moとの共存により塩分の多い環境における耐食性を向上
させる効果がある。しかし0.4wt%未満の含有では効果が
ない。一方含有量が2.0wt%を超えると、経済性の点で不
利であり、また、ベイナイト組織が生じやすくなるた
め、機械的特性、特に靭性が劣化するので、その範囲を
0.4〜2.0wt%とする。
【0024】Cuは、耐食性を向上させる効果があり、必
要量含有するが、含有量が0.4wt%を超えると効果が飽和
し、また、熱間圧延時に疵を生じやすくなり、経済性の
点で不利であるので、その上限を0.4wt%とする。
【0025】Moは、本発明において重要な元素であり、
Niとの共存により塩分の多い環境における耐食性を向上
させる効果がある。しかし0.1wt%未満の添加では効果が
ない。一方1.5wt%を超える含有では、経済性の点で不利
であり、また、ベイナイト組織が生じやすくなり、機械
的特性、特に靭性が劣化するので、その範囲を0.1wt%〜
1.5wt%とする。
【0026】SnとSbは、何れか一種或いは共存して用い
られる重要な元素であり、適切な量のMoおよびNiととも
に含有することにより、鋼の耐食性を向上させる効果が
ある。一種の場合でも含有量が0.01wt%もあれば効果を
現す。しかし、含有量が多過ぎると鋼の粒界割れを生じ
易くするので、SnとSbが共存する場合でも両者合わせて
1wt%を超えないように、各々の含有量上限を0.5wt%とす
る。
【0027】さらに、上に述べた成分組成の限定に加え
て、含有成分間の量的関係を規制することによって、海
水耐食性を損なわずに強度と溶接性を向上させることが
できる。強度を一層向上させるために炭素等量(Ceq)を
0.4wt%以下とし、溶接性を一層向上させるために、溶接
割れ感受性指数(Pcm):0.20wt%以下とする。ここで、Ce
q及びPcmは次式で示される。
【0028】Ceq=C+Si/24+Mn/6+Cr/5+Ni/40+Mo/4+V/14 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B 鋼構造物の施工において、溶接低温割れを防止する溶接
予熱温度を実用的水準、すなわち50〜70℃以下、と
するため、炭素当量(Ceq)と溶接割れ感受性指数(Pc
m)の上限を、それぞれ0.4wt%と0.2wt%としたものであ
る。
【0029】更に、、Mn及びMoの含有量を限定するとと
もに、両者の量的関係を規制するこによって、靱性を向
上させることができる。熱間圧延を適当な温度で終了す
ることにより、鋼材に良好な靭性を付与しうる。このた
め、Mn×Mo≦0.4(wt%)とする。MnやNiおよびMoの含有
は、鋼の焼入れ性を著しく高めるため、通常の熱間圧延
の条件では、ベイナイト組織が生成し、靭性が不十分な
ものとなる。発明者らは、かかる欠点を、Mn含有量の上
限を1.50wt%とし、かつMoと合わせて、Mn×Mo≦0.4wt%
なる関係を満たす範囲に規制することによって克服し
たものである。
【0030】次に、上記特性を有する鋼の製造方法を説
明する。本発明鋼は、転炉または電気炉で溶製し、つい
で連続鋳造または鋼塊を分塊圧延法によってスラブとし
たのち、鋼片を再加熱して熱間圧延により鋼板または形
鋼とする方法により製造することができる。
【0031】このとき、鋼材の靭性を向上させるため
に、熱間圧延は、950℃以下における累積圧下率を2
0wt%以上とし、かつ熱間圧延の終了温度を750℃以
上900℃以下と比較的低温に抑制する。これにより、
靭性を損なう粗いベーナイト組織の生成を抑制して、パ
ーライト組織の生成を促進し、かつ組織を微細化する。
この結果、微細なフェライト−パーライト組織を得るこ
とができ、良好な靭性を実現する。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図4〜図
7として示す表1〜表4に、本発明鋼および比較鋼に係
る各供試材の化学組成と複合サイクル腐食試験による最
大孔あき腐食深さを示す。供試材は、各成分組成を有す
る鋼塊を溶製し、1200℃に加熱して熱間圧延を開始し、
950℃以下で30%の累積圧下率にて850℃で圧延を終了
し、厚さ25mmの鋼板とした。圧延終了後は、室温まで空
冷した。得られた鋼板は、図2に示す複合サイクル腐食
試験を実施した。
【0033】複合サイクル腐食試験による発明鋼と比較
鋼の最大孔あき深さの値を比較すると、発明鋼 A-1〜I-
3(図4、表1)は、それぞれ対応するアルファベット
小文字の比較鋼 a〜i(図7、表4)に対し、Snを0.05
〜0.5wt%含有したものである。発明鋼 A-1' 〜I-3'(図
5、表2)は、同じくSbを0.05〜0.5wt%含有したもので
ある。
【0034】又、発明鋼 A-2" 〜I-2"(図6、表3)
は、同じくSnを0.05〜0.5wt%およびSbを0.05〜0.5wt%含
有したものである。発明鋼 A-1〜I-3 、A-1'〜I-3'およ
び A-2" 〜I-2"は、いずれも対応する比較鋼 a〜iより
も最大孔あき深さが小さく、SnあるいはSbを含有するこ
とによる腐食抑制の効果が明らかである。
【0035】比較鋼 j , k , l (図7、表4)は、Ni
またはMoのいずれか一方あるいはその両方について、含
有量が本発明鋼の請求範囲を下回る鋼である。比較鋼 j
-1,j-2,j-1',j-2',k-1,k-2,k-1',k-2',l-1,l-2,l-1',l-
2'は、それぞれ比較鋼 j , k, l にSnまたはSbを添加し
たものである。それぞれ対応する比較鋼に比べて、最大
孔あき深さはほとんど変わらない。すなわち、Snあるい
はSbは、適切な量のMoおよびNiとともに添加しなけれ
ば、腐食抑制の効果が十分でないことがわかる。
【0036】図8として示す表5は、発明鋼 Eー2と比較
鋼 jを1年間海水に暴露試験し、試験片表面の錆を落と
し後、その孔あき深さを測定した結果である。供試鋼板
の製造方法は、前記と同様である。海水暴露試験片は、
幅40mm、長さ6000mmに切断して用いた。これ
を、瀬戸内海の海水暴露試験場に、長手方向を垂直に立
て、試験片の長手方向の中央部分が平均海水面の高さと
なるように暴露した。
【0037】暴露期間は1年間である。海水暴露試験の
結果を図1に示す。平均海水面からの距離と穴あき深さ
の関係として示すが、腐食はいわゆる飛沫帯で最も激し
く、孔あき深さは比較鋼j では0.91mmに達するのに対し
て、発明鋼E-2 ではわずか0.38mmであり、発明鋼は耐食
性が著しく優れている。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、桟橋や護岸、または船
舶など、海水に直接暴露される環境において高い耐食性
を有し、かつ実用的な溶接性を有する構造用鋼が、経済
的に製造することができる。また、本発明は熱間圧延ま
まの状態で鋼材を製造するものであり、熱間圧延のプロ
セスは、一般的な厚板圧延プロセスのみならず、形鋼圧
延プロセス、さらには、薄板熱間圧延プロセスであるホ
ットストリップミル圧延においても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1年間海水中に暴露した発明鋼Eと比較鋼jの腐
食量の比較を示す図である。
【図2】複合サイクル腐食試験の試験条件を示す図であ
る。
【図4】複合サイクル腐食試験により生じた穴あき腐食
の最大深さに及ぼす、Sn及びSb含有の影響を示す図であ
る。
【図4】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表1として示す
図である。
【図5】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表2として示す
図である。
【図6】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表3として示す
図である。
【図7】比較鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表4として示す
図である。
【図8】発明鋼及び比較鋼の1年間の海水暴露試験の結
果を表5として示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】1年間海水中に暴露した発明鋼Eと比較鋼jの
腐食量の比較を示す図である。
【図2】複合サイクル腐食試験の試験条件を示す図であ
る。
【図】複合サイクル腐食試験により生じた穴あき腐食
の最大深さに及ぼす、Sn及びSb含有の影響を示す図
である。
【図4】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表1として示す
図である。
【図5】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表2として示す
図である。
【図6】発明鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表3として示す
図である。
【図7】比較鋼の化学成分、複合サイクル腐食試験によ
り生じた穴あき腐食の最大深さの結果を表4として示す
図である。
【図8】発明鋼及び比較鋼の1年間の海水暴露試験の結
果を表5として示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分組成として、少なくとも、P : 0.03
    〜0.15wt%、Ni :0.4〜2.0wt%、Mo : 0.10 〜1.50wt%を
    含有し、かつ、Sn : 0.01〜0.5wt%、Sb : 0.01〜0.5wt%
    のうちの1種または2種を含有することを特徴とする耐
    海水腐食性に優れた構造用鋼。
  2. 【請求項2】 前記成分組成として、C : 0.15wt%以
    下、Si : 0.7wt%以下、Mn : 0.20wt%〜1.50wt%、P : 0.
    03〜0.15wt%、S : 0.020wt%以下、Al : 0.010〜0.10wt
    %、Cr : 0.10wt%以下、Ni : 0.4〜2.0wt%、Cu : 0.4wt%
    以下、Mo: 0.10wt%〜1.50wt%を含有し、かつ、Sn : 0.0
    1〜0.5wt%、Sb : 0.01〜0.5wt%のうちの1種または2種
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であることを
    特徴とする請求項1記載の耐海水腐食性に優れた構造用
    鋼。
  3. 【請求項3】 前記成分組成において、さらに、下記に
    示す炭素当量(Ceq):0.4wt%以下、溶接割れ感受性指
    数(Pcm):0.20wt%以下であることを特徴とする、請求
    項1又は2記載の耐海水腐食性に優れた構造用鋼。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Cr/5+Ni/40+Mo/4+V/14 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
  4. 【請求項4】 前記成分組成において、MnとMoが、Mn×
    Mo≦0.4(wt%)なる関係を満たすことを特徴とする、請求
    項1、2又は3記載の耐海水腐食性に優れた構造用鋼。
  5. 【請求項5】 前記成分組成において、MnおよびMoが、
    Mn×Mo≦0.4(wt%)なる関係を満たし、かつ下記に示す炭
    素当量(Ceq):0.4wt%以下、溶接割れ感受性指数(Pc
    m):0.20wt%以下であることを特徴とする、請求項1、
    2、3又は4記載の耐海水腐食性に優れた構造用鋼。 Ceq=C+Si/24+Mn/6+Cr/5+Ni/40+Mo/4+V/14 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかひとつに記載
    の成分組成の鋼を、連続鋳造または分解圧延後、得られ
    た鋼片を再加熱した後の熱間圧延において、950℃以
    下における累積圧下率を20%以上とし、かつ熱間圧延
    を750℃以上900℃以下の温度範囲で終了すること
    を特徴とする、耐海水腐食性に優れた構造用鋼の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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