JP5796549B2 - 耐候性ボルト用鋼材 - Google Patents

耐候性ボルト用鋼材 Download PDF

Info

Publication number
JP5796549B2
JP5796549B2 JP2012139325A JP2012139325A JP5796549B2 JP 5796549 B2 JP5796549 B2 JP 5796549B2 JP 2012139325 A JP2012139325 A JP 2012139325A JP 2012139325 A JP2012139325 A JP 2012139325A JP 5796549 B2 JP5796549 B2 JP 5796549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel material
content
steel
desirably
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012139325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014001442A (ja
Inventor
大村 朋彦
朋彦 大村
上村 隆之
隆之 上村
鹿島 和幸
和幸 鹿島
幸 英昭
英昭 幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2012139325A priority Critical patent/JP5796549B2/ja
Publication of JP2014001442A publication Critical patent/JP2014001442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5796549B2 publication Critical patent/JP5796549B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

本発明は、耐候性ボルト用鋼材に係り、特に、1000〜1200MPaの引張強さを有し、耐遅れ破壊性に優れる耐候性ボルト用鋼材に関する。
建築構造物、橋梁等に使用される厚板には、メンテナンスが不要であるという利点を有することから、大気腐食または塩害腐食に対する耐久性を持たせた耐候性鋼が用いられるようになってきた。
近年、飛来塩分量の多い環境下において、Snが耐候性向上に有効な元素であることが報告されている。例えば、特許文献1には、Snを含有し、耐候性および耐塗装剥離性に優れた橋梁用鋼材が開示されている。また、これらの厚板を締結するための鋼製ボルトには、同様の耐候性および締結力を維持するための高い強度が要求される。Snを含有したボルトとしては、例えば、特許文献2には、Snを含有した引張強さが1000MPa級の耐候性および耐塗装剥離性に優れたボルト用鋼が開示されており、特許文献3および特許文献4には、Snを含有し、1350MPa以上の引張強さを有するとともに、水素侵入抑制効果を有する超強度ボルト用鋼が開示されている。
特開2008−163374号公報 特開2008−274367号公報 特開2009−293095号公報 特開2011−117035号公報
特許文献1に記載の発明は、橋梁用鋼材に関するものであり、ボルト用鋼に関するものではない。また、特許文献2に記載の発明は、耐候性および耐塗装剥離性に優れたボルト用鋼に関するものであるが、模擬大気腐食環境における水素侵入抑制の効果について検討したものであり、万が一水素が鋼材中に侵入した場合の耐水素脆性(耐遅れ破壊性)の面で改善の余地が残されている。さらに、特許文献3および4には、Snを含有させることにより大気腐食環境に伴う水素侵入を抑制する技術が開示されているが、水素侵入は大気腐食以外の鋼材の製造・熱処理・酸洗過程でも起こり得るため、Snの含有による水素侵入抑制効果のみで遅れ破壊を完全に防止できない場合がある。
高強度鋼材の遅れ破壊は、通常、旧オーステナイト粒界において発生し進展するため、P、S、Mn等の粒界偏析作用を有する元素または粒界偏析を助長する作用を有する元素は、一般的に耐遅れ破壊性を低下させる傾向にある。したがって、Snも同様に粒界偏析元素であるため、水素脆性、すなわち遅れ破壊に対しては悪影響を及ぼす可能性がある。また、遅れ破壊は、1200MPaを超える引張強さを有する高強度鋼材からなるボルトにおいて多く報告されている。しかしながら、引張強さが1200MPa以下であっても、Snを含有させることにより遅れ破壊が起こる危険性があり、十分な耐遅れ破壊性を付与された耐候性ボルトはこれまで存在しなかった。
本発明は、1000〜1200MPaの引張強さを有し、耐候性と耐遅れ破壊性とを兼ね備えた、海岸あるいはそれに近い沿岸地域のような過酷な環境において使用可能な高強度ボルト等に用いられる鋼材を提供することを目的とする。
発明者らは、Snを含有する鋼材の耐遅れ破壊性を向上させる手法について種々の検討を行った結果、Mo、V、B等の合金元素の含有量を規定することにより、耐候性を低下させずに耐遅れ破壊性を向上させられることを見出し、本発明を完成させた。その要旨は、下記の(1)〜(5)に示す耐候性ボルト用鋼材にある。
(1)化学組成が、質量%で、C:0.20〜0.55%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、Cr:0.10〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.0030%、Sn:0.05〜0.50%、O:0.010%以下、N:0.010%以下を含有するとともに、Mo:1.00%以下およびV:0.50%以下から選択される1種または2種をMo+2V:0.10〜1.00%を満足する範囲で含有し、かつ、Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下から選択される1種または2種をTi+0.5Zr:0.005〜0.10%を満足する範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とする1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
(2)化学組成が、質量%で、C:0.20〜0.55%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、Cr:0.10〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.0030%、Sn:0.05〜0.50%、O:0.010%以下、N:0.010%以下を含有するとともに、V:0.05〜0.50%、またはV:0.05〜0.50%およびMo:1.00%以下を、Mo+2V:0.10〜1.00%を満足する範囲で含有し、かつ、Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下から選択される1種または2種をTi+0.5Zr:0.005〜0.10%を満足する範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなり、V系炭化物またはV−Mo系炭化物を断面観察において10個/μm以上含有することを特徴とする1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
(3)化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、さらにNi:3.0%以下およびCu:1.0%以下から選択される1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
(4)化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、さらにCa:0.01%以下およびMg:0.01%以下から選択される1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれかに記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
(5)旧オーステナイト結晶粒度番号が11.0以上であることを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれかに記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
本発明によれば、耐候性と耐遅れ破壊性を兼ね備えた高強度鋼材を得ることができるため、例えば海岸またはそれに近い沿岸地域のような過酷な環境で使用できる高強度ボルト等の用途にも十分な信頼性を持って用いることができる。したがって、本発明に係る耐候性ボルト用鋼材は、自動車、産業機械、建築構造物等に使用されるボルト用鋼材に好適である。
実施例で用いた陰極チャージ定荷重試験法を模式的に説明する図である。 実施例で用いた陰極チャージ水素透過試験法を模式的に説明する図である。
1.鋼材の化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.20〜0.55%
Cは、焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素である。十分な焼入れ性を得るためには、0.20%以上のCを含有させる必要がある。しかしながら、0.55%を超える量のCを含有させると焼割れの可能性が高まる。したがって、C含有量は、0.20〜0.55%とする。なお、C含有量が0.30%を超える場合には、焼入れは油焼入れ等の焼割れを防止できる徐冷であることが望ましい。経済性の観点からは焼入れは水焼入れが望ましく、この場合には、焼き割れ防止の観点からC含有量は、0.30%以下とすることが望ましい。
Si:1.0%以下
Siは、脱酸ならびに焼入れ性および強度の向上に有効な元素である。しかしながら、1.0%を超えて含有させてもその効果は飽和し、また冷間鍛造する場合のボルトや部品への成形性が著しく低下する。したがって、Si含有量は、1.0%以下とする。Si含有量は、0.30%以下であるのが望ましい。なお、上記の効果を得るためには、0.05%以上含有させることが望ましい。
Mn:2.0%以下
Mnは、焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、2.0%を超えて含有させると粒界に偏析し、粒界割れ型の遅れ破壊を促進するため、Mn含有量は、2.0%以下とする。Mn含油量は、1.5%以下とすることが望ましく、1.0%以下とすることがより望ましい。なお、上記の効果を得るためには、0.5%以上含有させることが望ましく、0.6%以上含有させることがより望ましい。
P:0.030%以下
Pは、粒界に偏析し、靱性および耐遅れ破壊性を低下させ、特に、その含有量が0.030%を超えると、靱性や耐遅れ破壊性を低下が顕著になる。したがって、P含有量は、0.030%以下とする。P含有量は、0.020%以下であることが望ましく、0.015%以下であることがより望ましい。
S:0.030%以下
Sは、Pと同様に粒界に偏析し、耐遅れ破壊性を低下させ、特に、その含有量が0.030%を超えると、耐遅れ破壊性の低下が顕著になる。したがって、S含有量は、0.030%以下とする。S含有量は、0.020%以下であることが望ましく、0.010%以下であることがより望ましい。
Al:0.10%以下
Alは、鋼の脱酸に有効な元素である。しかしながら、0.10%を超えて含有させてもその効果は飽和し、またフェライト相の生成が促進され耐遅れ破壊性が低下するため、Al含有量は、0.10%以下とする。上記の効果を十分に確保するためには、0.005%以上含有させることが望ましい。なお、本発明のAl含有量とは酸可溶Al(いわゆる「sol.Al」)を指す。
Cr:0.10〜0.50%
Crは、焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素である。この観点から0.10%以上のCrを含有させる必要がある。しかしながら、0.50%を超える量のCrを含有させると塩害環境における腐食を促進し、特に、Sn含有鋼においては、Snの大気腐食抑制・水素侵入抑制効果を低減させる。そのため、Cr含有量は、0.10〜0.50%とする。Cr含有量は、0.20%以上であることが望ましく、0.35%以下であることが望ましい。
Nb:0.005〜0.10%
Nbは、焼入れ時に微細なNb系炭窒化物を形成し、旧オーステナイト粒径を微細化し、耐遅れ破壊性を改善する効果を有する。この効果を得るためには、0.005%以上のNbを含有させる必要がある。しかしながら、0.10%を超える量のNbを含有させてもその効果は飽和し、かつ、過剰なNb系炭窒化物の生成により冷間鍛造性が低下する。そのため、Nb含有量は、0.005〜0.10%とする。Nb含有量は、0.01%以上であることが望ましく、0.04%以下であることが望ましい。
B:0.0003〜0.0030%
Bは、焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素である。この観点から0.0003%以上のBを含有させる必要がある。しかしながら、0.0030%を超える量のBを含有させてもその効果は飽和し、かつ、粒界に粗大なM23(C,B)(Mは、Fe、CrまたはMo)を生成し、耐遅れ破壊性を低下させる。そのため、B含有量は、0.0003〜0.0030%とする。B含有量は、0.0010%以上であることが望ましく、0.0020%以下であることが望ましい。
Sn:0.05〜0.50%
Snは、本発明において最も重要な元素であり、塩化物環境において鋼の腐食を低減し、かつ水素侵入を抑制する効果を発現する。この効果を得るためには、0.05%以上のSnを含有させる必要がある。しかしながら、0.50%を超える量のSnを含有させてもその効果は飽和し、かつ、冷間鍛造性の低下の問題が生じる。そのため、Sn含有量は、0.05〜0.50%とする。Sn含有量は、0.07%以上であることが望ましく、0.25%以下であることが望ましい。
O:0.010%以下
Oは、不純物として鋼に不可避的に存在し、Alと結びついて酸化物を形成する。過剰に酸化物が生成すると鋼材の靭性が低下するなどの問題が起こる。したがって、O含有量は、0.010%以下とする。O含有量は、極力少ない方が望ましい。
N:0.010%以下
Nは、不純物として鋼に不可避的に存在し、Ti、ZrまたはBと結びついて窒化物を形成する。Nを過剰に含むと、TiおよびZrで固定しきれないNがBと結びついてB窒化物(BN)を形成し、Bが焼入れ性の向上に有効に働かなくなる。したがって、N含有量は、0.010%以下とする。N含有量は、極力少ない方が望ましい。
Mo:1.00%以下およびV:0.50%以下から選択される1種または2種をMo+2V:0.10〜1.00%
MoおよびVは、焼入れ性を高めて強度を向上させるのに有効な元素である。さらに焼戻し軟化抵抗を高め、焼入れ後の焼戻し温度を高めることで耐遅れ破壊性を改善する効果を有するため、本発明では重要な元素であり、少なくともどちらか一方を含有させる必要がある。しかしながら、MoおよびVは、過剰に含有させてもその効果は飽和し、かつ、鋼材のコスト上昇の要因となる。そのため、MoおよびVの含有量は、Mo:1.00%以下およびV:0.50%以下とする。MoまたはVの一方を含有させる場合、Moは0.10%以上、Vは0.05%以上含有させる必要がある。また、MoおよびVの両方を含有させる場合、Mo+2V:0.10〜1.00%を満足する範囲で含有させる必要がある。Mo+2Vは、0.15%以上であることが望ましく、0.80%以下であることが望ましい。Moを含有させる場合、その含有量は、0.15%以上であることが望ましい。また、Mo含有量は、0.80%以下であることが望ましく、0.50%以下であることがより望ましい。後述のV系炭化物またはV−Mo系炭化物を析出させるためには、Vを含有させるのが望ましく、その場合、V含有量は、0.05%以上であることが望ましく、0.08%以上であることがより望ましい。また、V含有量は、0.30%以下であることが望ましく、0.20%以下であることがより望ましい。
Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下から選択される1種または2種をTi+0.5Zr:0.005〜0.10%
TiおよびZrは、窒素を炭窒化物として固定し、Bが窒化物(BN)として消費されるのを防ぎ、鋼材の焼入れ性を確保するのに有効な元素である。また、焼入れ時に微細な炭化物を形成し旧オーステナイト結晶粒径を微細化して、耐遅れ破壊性を改善する効果を有する。そのため、TiおよびZrの少なくともどちらか一方を含有させる必要がある。しかしながら、TiおよびZrは、過剰に含有させてもその効果は飽和し、また、過剰なTi系炭窒化物およびZr系窒化物の生成により冷間鍛造性が低下する。そのため、TiおよびZrの含有量は、Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下とする。TiまたはZrの一方を含有させる場合、Tiは0.005%以上、Zrは0.010%以上含有させる必要がある。また、TiおよびZrの両方を含有させる場合、Ti+0.5Zr:0.005〜0.10%を満足する範囲で含有させる必要がある。Ti+0.5Zrは、0.010%以上であることが望ましく、0.020%以下であることが望ましい。Tiを含有させる場合、その含有量は、0.010%以上であることが望ましい。また、Ti含有量は、0.020%以下であることが望ましく、0.016%以下であることがより望ましい。Zrを含有させる場合、その含有量は、0.020%以上であることが望ましい。また、Zr含有量は、0.040%以下であることが望ましく、0.030%以下であることがより望ましい。
本発明に係る耐候性ボルト用鋼材は、上記の各元素を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するものである。ここで「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。本発明に係る耐候性ボルト用鋼材は、Feの一部に代えて、さらに以下に示す量のNi、Cu、CaおよびMgから選択される1種以上を含有させても良い。
Ni:3.0%以下
Niは、腐食生成物による保護効果を強化し、Snほどではないが水素侵入を抑制する効果を有するので、必要に応じて含有させても良い。しかしながら、3.0%を超える量のNiを含有させてもその効果は飽和し、また、コスト上昇を招くおそれがある。したがって、Niを含有させる場合、3.0%以下とする。Ni含有量は、1.0%以下とすることがより望ましい。上記の効果を得るためには、Ni含有量は、0.2%以上であることが望ましい。
Cu:1.0%以下
Cuは、Niと同様に、腐食生成物による保護効果を強化し、水素侵入を抑制する効果を有するので、必要に応じて含有させても良い。しかしながら、1.0%を超える量のCuを含有させてもその効果は飽和し、また、冷間鍛造性が低下するおそれがある。したがって、Cuを含有させる場合、1.0%以下とする。Cu含有量は、0.5%以下とすることがより望ましい。上記の効果を得るためには、Cu含有量は、0.05%以上であることが望ましい。
Ca:0.01%以下
Caは、鋼中のSと結合して硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を改善させる効果を有するので、必要に応じて含有させても良い。しかしながら、0.01%を超える量のCaを含有させてもその効果は飽和し、また、溶解性のCa系酸化物が過剰に生成し、孔食の起点となって耐遅れ破壊性が低下するおそれがある。したがって、Caを含有させる場合、0.01%以下とする。Ca含有量は、0.003%以下であることがより望ましい。上記の効果を得るためには、Ca含有量は、0.0003%以上であることが望ましい。
Mg:0.01%以下
Mgは、Caと同様に、鋼中のSと結合して硫化物を形成し、鋼の熱間加工性を改善させる効果を有するので、必要に応じて含有させても良い。しかしながら、0.01%を超える量のMgを含有させてもその効果は飽和し、また、溶解性のMg系酸化物が過剰に生成し、孔食の起点となって耐遅れ破壊性が低下するおそれがある。したがって、Mgを含有させる場合、0.01%以下とする。Mg含有量は、0.003%以下であることがより望ましい。上記の効果を得るためには、Mg含有量は、0.0003%以上であることが望ましい。
2.鋼材の組織
本発明の耐候性ボルト用鋼材は、V系炭化物またはV−Mo系炭化物を断面観察において10個/μm以上含有する組織を有することが望ましい。Vは、微細なV系炭化物を形成し、Moとともに含有させた場合には、微細なV−Mo系炭化物を形成する。薄膜法による電子顕微鏡観察で、1μmの広さの視野中に10個以上の微細なV系炭化物またはV−Mo系炭化物を含有させれば、十分な耐遅れ破壊性改善効果を得ることができるため望ましい。ここで、V系炭化物またはV−Mo系炭化物とは、VおよびC、またはV、MoおよびCを主体とするNaCl構造のMX型炭化物を意味する。Mを構成する主要合金元素はVおよびMoであるが、その一部の極微量がNb、Ti、Zrで置換されていても良い。また、Xを構成する主要元素はCであるが、その一部がNで置換されていても良い。
なお、本発明における薄膜法による電子顕微鏡観察では、精度の問題から、V系炭化物またはV−Mo系炭化物の析出数(個/μm)は、1の位を四捨五入した値であり、10個/μmとは、5〜14個/μmの範囲であることを意味する。
また、本発明の耐候性ボルト用鋼材は、耐遅れ破壊性を向上させるためには、旧オーステナイト粒は細かいほど望ましく、旧オーステナイト結晶粒度番号が11.0以上である組織を有することが望ましい。
3.熱処理条件
本発明に係る耐候性ボルト用鋼材を製造するに際し、十分な強度および均一な組織を得るためには、焼入れ焼戻しの熱処理を行うことが望ましい。焼入れ時にMo、V等の炭化物生成元素を十分固溶させ、その後、微細炭化物として析出させるためには、焼入れのための加熱温度は、880℃以上とすることが望ましい。
また、焼戻し時に、V系炭化物またはV−Mo系炭化物を断面観察において10個/μm以上析出させるためには、焼入れのための加熱温度は、900℃以上とすることがより望ましく、920℃以上とすることがさらに望ましい。一方、950℃を超えると組織が粗粒化し耐遅れ破壊性が低下するため、焼入れのための加熱温度は950℃とすることが望ましい。さらに、前述の旧オーステナイト結晶粒度番号を高くするためには、複数回の焼入れ処理を施すことが有効である。
焼入れ時に導入された転位密度を低減し、かつ炭化物を球状化し耐遅れ破壊性を向上させるためには、焼戻し温度は高い方が望ましく、特に、400℃〜Ac点の温度範囲で行うのが望ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学成分を有する鋼No.A〜Qおよびa〜iの全26種の鋼を溶製し、この鋼塊を1250℃に加熱し、熱間鍛造および熱間圧延により厚さ15mmの板材とした。その後、表2に示す温度で45分保持後、C含有量が0.30%以下の鋼材に対しては水焼入れを行い、0.30%を超える鋼材に対しては油焼入れを行った。焼入れ後、表2に示す温度で1時間保持後、放冷の焼戻し処理を行い、1000〜1200MPaの引張強さに調整した。
Figure 0005796549
Figure 0005796549
上記の鋼材の表裏面を機械研削し、厚さ3mm×幅60mm×長さ100mmの試験片を切り出し、SAE(Society of Automotive Engineers)J2334試験を120サイクル実施した。1サイクルのパターンは、
・湿潤:50℃、相対湿度100%、6時間
・塩分付着:0.5質量%NaCl、0.1質量%CaCl、0.075質量%NaHCO水溶液浸漬、0.25時間
・乾燥:60℃、相対湿度50%、17.75時間
の合計24時間とした。
鋼材の耐遅れ破壊性の評価は、以下の要領により行った。焼入れ焼戻し処理を行った厚さ15mmの鋼板の板厚中央部から、圧延方向に平行に、平行部の直径が6.56mm、平行部の長さが25.4mmで、平行部長さの中央部に深さ1.42mmで0.1mmRの切欠きを設けた切欠き付き丸棒引張試験片を採取し、実環境よりも過酷な陰極チャージ定荷重試験を実施した。なお、上記の切欠き付き丸棒引張試験片は、ボルトのねじ底の応力集中を模擬した試験片であり、切欠き底の応力集中係数は5である。
なお、陰極チャージ定荷重試験は、図1の模式図に示すように、3質量%の食塩水中で応力を負荷しつつ、銀−塩化銀参照電極に対して定電位を負荷した状態で200時間保持し、試験片の破断の有無を確認することで実施した。このときの負荷応力は、高強度ボルトの使用条件を考慮し、各鋼材について表2に示した引張強さの90%とした。そして、この時の負荷電位を−0.8Vから−1.5Vの範囲で変え、試験片が破断しない限界の負荷電位をまず求めた。
一方、上記の陰極チャージ定荷重試験で負荷した電位は、材料に関わらず水素侵入の観点からの環境の厳しさ(すなわち、その環境における水素透過係数)に一義的に対応することが分かっている。
そこで、上記の陰極チャージ定荷重試験で試験片が破断した時の負荷電位に対応する水素透過係数JLthを求めるために、次の陰極チャージ水素透過試験を行った。
焼入れ焼戻し処理を行った厚さ15mm鋼板の板厚中央部から、直径が70mmで厚さが0.5mmの円板試験片を採取し、図2に示すいわゆる「ダブルセル型」の陰極チャージ水素透過試験装置を用いて試験を行った。
図2の左側のセル、すなわち3%NaCl水溶液を充填したセルでは、円板試験片の電位を銀−塩化銀参照電極に対してマイナスの定電位に保持した場合、試験片表面では水素が発生する。発生した水素の一部は水素原子として試験片を透過し、右側セルである1NのNaOH水溶液を充填したセル内で水素イオンに酸化され、その酸化電流値が右側のセルのポテンショスタットで測定される。右側のセルでは試験片を参照電極(銀−塩化銀電極)に対して0Vに定電位保持し、透過した水素原子を水素イオンにすべて酸化する。測定された酸化電流値を試験面積(23.7cm)で除して水素透過電流J(μA/cm)を求め、Jに円板試験片の厚さL(0.05cm)を乗じて水素透過係数JL(μA/cm)を算出した。そして、この時の負荷電位を−0.8Vから−1.5Vの範囲で変えて試験を行い、負荷電位と水素透過係数の相関を求め、前述の陰極チャージ定荷重試験で試験片が破断しない限界の負荷電位に対応する水素透過係数を限界水素透過係数JLthとした。
評価結果を表2に示す。耐候性の評価においては、腐食減量が平均板厚減少で1mm以下の鋼材を耐候性良好、板厚減量が1mmを超える鋼材を耐候性不芳とした。また、耐遅れ破壊性の評価においては、限界水素透過係数JLthが0.30μA/cm以上の鋼材が最も良好、0.10μA/cm以上0.30μA/cm未満の鋼材が良好、0.10μA/cm未満の鋼材は耐遅れ破壊性が不芳とした。また、表2には、V系炭化物またはV−Mo系炭化物の析出数(個/μm)も示している。これら微細炭化物の析出数は、薄膜法による電子顕微鏡観察によって、10万倍の倍率で1μmの視野を各鋼材につき10視野観察して計測した後、平均値を求めた。なお、精度の観点から表2には、1の位を四捨五入した値を示した。さらに、表2には、焼入れままの鋼材を樹脂埋め研磨し、ピクリン酸にて腐食後に求めた旧オーステナイト結晶粒度番号も示した。ただし、焼戻し後の鋼材を用いる場合は、EBSD(Electron Back Scattered Diffraction)等の方法を用いて、結晶の方位関係から旧オーステナイト結晶粒度番号を求めても良い。
表2から、本発明例である試験No.1〜31は、いずれも耐候性および耐遅れ破壊性に優れていることが分かる。また、V系炭化物またはV−Mo系炭化物を規定量以上含有する鋼材である試験No.5、6、9、10、13、15〜17、19、20、25、26、30および31、ならびに、旧オーステナイト粒度番号が11.0以上の鋼材である試験No.2、4、6、8、10、20、22、24、26、29および31はいずれも極めて優れた耐遅れ破壊性を示し、その双方の規定を満たす試験No.6、10、20、26および31は、特に優れる耐遅れ破壊性を示した。一方、比較例である試験No.32〜40は、いずれも耐候性および/または耐遅れ破壊性に劣る結果となった。
上述の実施例は、焼入れ焼戻し熱処理された板材を用いた実験結果である。一方、実際のボルトは、線材からボルトの形状に冷間転造され、その後焼入れ焼戻し処理が施されることから、本実施例とは厳密には異なる製造工程を経ることになる。しかしながら、最終的な組織および強度は、鋼材の化学組成と焼入れ焼戻し条件で決定され、途中の製造工程にはほとんど依存しないことから、今回の実施例はボルトとして製造した場合の性能と同程度であると考えられる。
本発明によれば、耐候性と耐遅れ破壊性を兼ね備えた高強度鋼材を得ることができるため、例えば海岸またはそれに近い沿岸地域のような過酷な環境で使用できる高強度ボルト等の用途にも十分な信頼性を持って用いることができる。したがって、本発明に係る耐候性ボルト用鋼材は、自動車、産業機械、建築構造物等に使用されるボルト用鋼材に好適である。

Claims (5)

  1. 化学組成が、質量%で、C:0.20〜0.55%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、Cr:0.10〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.0030%、Sn:0.05〜0.50%、O:0.010%以下、N:0.010%以下を含有するとともに、Mo:1.00%以下およびV:0.50%以下から選択される1種または2種をMo+2V:0.10〜1.00%を満足する範囲で含有し、かつ、Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下から選択される1種または2種をTi+0.5Zr:0.005〜0.10%を満足する範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とする1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
  2. 化学組成が、質量%で、C:0.20〜0.55%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.10%以下、Cr:0.10〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.0030%、Sn:0.05〜0.50%、O:0.010%以下、N:0.010%以下を含有するとともに、V:0.05〜0.50%、またはV:0.05〜0.50%およびMo:1.00%以下を、Mo+2V:0.10〜1.00%を満足する範囲で含有し、かつ、Ti:0.10%以下およびZr:0.20%以下から選択される1種または2種をTi+0.5Zr:0.005〜0.10%を満足する範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなり、V系炭化物またはV−Mo系炭化物を断面観察において10個/μm以上含有することを特徴とする1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
  3. 化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、さらにNi:3.0%以下およびCu:1.0%以下から選択される1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
  4. 化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、さらにCa:0.01%以下およびMg:0.01%以下から選択される1種または2種を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
  5. 旧オーステナイト結晶粒度番号が11.0以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の1000〜1200MPaの引張強さを有する耐候性ボルト用鋼材。
JP2012139325A 2012-06-21 2012-06-21 耐候性ボルト用鋼材 Active JP5796549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139325A JP5796549B2 (ja) 2012-06-21 2012-06-21 耐候性ボルト用鋼材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139325A JP5796549B2 (ja) 2012-06-21 2012-06-21 耐候性ボルト用鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014001442A JP2014001442A (ja) 2014-01-09
JP5796549B2 true JP5796549B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=50034878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012139325A Active JP5796549B2 (ja) 2012-06-21 2012-06-21 耐候性ボルト用鋼材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5796549B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6461672B2 (ja) * 2015-03-27 2019-01-30 株式会社神戸製鋼所 冷間圧造性、および焼入れ焼戻し後の耐遅れ破壊性に優れたボルト用鋼線、並びにボルト
CN105132810B (zh) * 2015-09-03 2017-04-19 慈溪市龙山汽配有限公司 一种电机外壳用合金及其加工工艺
JP6693130B2 (ja) * 2016-01-07 2020-05-13 日本製鉄株式会社 耐水素脆化特性評価方法
JP6500848B2 (ja) * 2016-06-22 2019-04-17 Jfeスチール株式会社 ボルト用鋼材
CN107587063B (zh) * 2016-07-08 2019-04-02 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种含钒钛氮耐大气腐蚀型钢钢水和耐大气腐蚀型钢及其生产方法
CN107587036B (zh) * 2016-07-08 2019-04-02 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种耐大气腐蚀型钢钢水和含钒钛氮耐大气腐蚀型钢及其生产方法
JP7155644B2 (ja) * 2018-06-18 2022-10-19 日本製鉄株式会社 ボルト

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3905332B2 (ja) * 2001-07-10 2007-04-18 株式会社住友金属小倉 高強度ボルト用鋼
JP4332066B2 (ja) * 2004-05-24 2009-09-16 新日本製鐵株式会社 溶接部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手および液相拡散接合用高強度鋼材並びにその液相拡散接合方法
JP4826542B2 (ja) * 2007-05-01 2011-11-30 住友金属工業株式会社 ボルト用鋼およびそれを用いた橋梁
JP5449925B2 (ja) * 2009-08-27 2014-03-19 株式会社神戸製鋼所 耐遅れ破壊性の改善された高強度ボルト及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014001442A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5796549B2 (ja) 耐候性ボルト用鋼材
JP6040753B2 (ja) 強度と耐水素脆性に優れたホットスタンプ成形体及びその製造方法
JP5697125B2 (ja) 優れた耐遅れ割れ性を有する鉄−炭素−マンガンオーステナイト系鋼板の製造方法、およびそのようにして製造された鋼板
EP3483297A1 (en) Hot forming member having excellent crack propagation resistance and ductility, and method for producing same
CA3018162C (en) Nb-containing ferritic stainless steel sheet and manufacturing method therefor
KR101943240B1 (ko) 내후성이 우수한 구조용 강재
JP6137434B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP5907320B1 (ja) ステンレス冷延鋼板用素材およびその製造方法
JP2011246811A (ja) ばね鋼およびその製造方法
JP6190298B2 (ja) 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼および高強度ボルト
JP5347925B2 (ja) 高強度ボルト用鋼
JP6460239B2 (ja) 鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板、並びにそれらの製造方法
KR20070011007A (ko) 도금 부착성 및 성형성이 뛰어난 변태유기소성강의 용융아연 도금강판 및 그 제조방법
JP6460238B2 (ja) 鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板、並びにそれらの製造方法
JP5282451B2 (ja) 高強度ボルト用鋼
JP2019173160A (ja) 耐水素脆化特性に優れた低合金鋼
JP4430559B2 (ja) 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼及び高強度ボルト
JP7457234B2 (ja) ボルト及びボルトの製造方法
JP6500848B2 (ja) ボルト用鋼材
JP5136174B2 (ja) 耐候性、耐遅れ破壊特性に優れた高強度ボルト用鋼
JP6729265B2 (ja) 低合金鋼
JP6601140B2 (ja) 高強度ボルト及び高強度ボルト用鋼
JP7464832B2 (ja) ボルト、及びボルト用鋼材
JP7273295B2 (ja) ボルト用鋼、ボルト、及びボルトの製造方法
KR102599767B1 (ko) 볼트, 및 볼트용 강재

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150630

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150803

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5796549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350