JP5299169B2 - 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 - Google Patents
耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5299169B2 JP5299169B2 JP2009193516A JP2009193516A JP5299169B2 JP 5299169 B2 JP5299169 B2 JP 5299169B2 JP 2009193516 A JP2009193516 A JP 2009193516A JP 2009193516 A JP2009193516 A JP 2009193516A JP 5299169 B2 JP5299169 B2 JP 5299169B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- mass
- slab
- composition
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
Cを0.09〜0.20質量%、Snを0.05〜0.50質量%添加した耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造時における表面疵の発生を防止するために、
質量%で、C:0.09〜0.20%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.20〜2.50%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Al:0.003〜0.1%、Sn:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.20%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる耐食性厚板用の低合金鋼を、
質量%の成分比、Cu/Snの値を0.02以上、0.5以下、および、(Cu+Ni)/Snの値を0.04以上、0.7以下として鋳造することを主要な特徴としている。
Cは材料としての強度を確保するために必要な元素である。本発明が対象とする0.09〜0.20%の範囲は、構造材料として適した組成である。しかしながら、このC範囲は連続鋳造の割れ感受性の高まる領域である。なぜなら、このC範囲では液相〜固相にかけて凝固過程に包晶反応(L+δ→γ)を伴い、凝固(L→δ)と変態(δ→γ)の各収縮が重畳するため、初期凝固殻の不均一成長、粒界割れが生じやすく、特に縦割れが生じやすいからである。
Siは脱酸に必要な元素であり、十分な脱酸効果を得るためには0.05%以上含有させることが必要である。しかしながら1.00%を超えて含有させると、母材の靱性が損なわれる。従って、本発明では0.05〜1.00%としている。好ましい範囲は0.10〜0.50%である。
Mnは、鋼強度を高めるのに必要な元素であり、この効果を得るためには0.20%以上の含有量が必要である。しかしながら、2.50%を超えて含有させると靱性が低下する。従って、本発明では0.20〜2.50%としている。好ましい範囲は0.40〜1.5%である。
Pは、鋼中に含まれる不純物元素であり、少ない方が良い。その含有量が0.05%を超えると、溶接性を著しく低下させる。従って、本発明では0.05%以下としているが、できるだけ少ない方が良い。
Sは、鋼中に含まれる不純物元素であり、少ない方が良い。その含有量が0.02%を超えると、腐食起点となるMnS介在物量が多くなり、耐食性を低下させる。従って、本発明では0.02%以下としているが、できるだけ少ない方が良い。
Alは、脱酸に必要な元素であり、鋼中に不可避に存在している。その含有量が0.003%以上であると耐候性が向上するが、0.1%を超えると鋼が脆化し易くなる。従って、本発明では0.003〜0.1%としている。好ましい範囲は0.005〜0.06%である。
Snは、耐食性を決定する主要元素であり、その含有量が0.05%未満では所望する耐食性が得られない。本発明では、耐食性能を得るためにSnを主要な添加元素とするので、0.05%以上のSnを添加する。しかしながら、0.50%を超えても耐食性は飽和し、また、過剰な添加は鋼の靱性を低下させる。従って、本発明では0.05〜0.50%としている。好ましい範囲は0.08〜0.30%である。
Cuは、耐食性を向上させる成分であるが、鉄鋼原料のスクラップ鉄に限らず、高炉溶銑中にも少なくとも0.01%のCuが不純物として不可避に含まれ、通常の精錬では除去することが困難である。一方、耐食性の向上のみを考えると、Cuの含有量は多いほど良いことになるが、鋼中にCuが過剰に存在すると、鋼材の製造過程すなわち連続鋳造や熱間圧延の際に、いわゆるCu赤熱脆化によって表面疵が発生して問題となる。また、Snを主要な耐食性向上添加元素とする場合は、Cuの添加によって耐食性をさらに向上させる効果は小さい。そこで、本発明では、上限を0.20%とした。
Niは、耐食性を向上させる効果を有し、不可避的に鋼中に0.01%以上含有される。一方、耐食性の向上のみを考えると、Niの含有量は多いほど良いことになるが、Snを主要な耐食性向上添加元素とする本発明の場合は、耐食性をさらに向上させる効果は小さい。また、Niは、赤熱脆化を抑制する効果を有しているが、Sn、Cu共存下ではNiによる脆化抑制効果は小さくなる。さらに、Niは高価な合金元素であり、多量のNi添加はコスト増大を招く。そこで、本発明では、Ni含有量の上限を0.20%とした。
・溶鋼の過熱度:50℃以下
・鋳造速度:0.7〜1.2m/min
・二次冷却の鋳片重量1kg当りの比水量:2.4リットル以下
・使用するモールドフラックスの主な物性値:凝固温度1210〜1270℃、1300℃における粘度0.3〜1.0poise、塩基度(CaO/SiO2)1.5〜2.0
(実施例1)
2.5tonの溶鋼を用いた垂直型連続鋳造機による試験を行った。下記表1の組成条件の溶鋼を溶解炉にて溶製し、取鍋を介してタンディッシュに注入した過熱度40〜60℃の溶鋼を、浸漬ノズルから振動する内部水冷の銅板鋳型に給湯し、0.8m/minの鋳造速度にて連続鋳造を行った。使用したモールドフラックスは、凝固温度が1235℃、1300℃における粘度は0.04Pa・s、塩基度(CaO/SiO2)は1.8である。鋳型下方では、鋳片重量1kgあたり比水量2.0リットルでスプレー冷却を行い、厚さ100mm×幅800mm×長さ3500mmのスラブ鋳片を得た。
転炉にて脱炭精練した溶鋼250tonを取鍋に出鋼した後、真空精練を行い、その末期にSnを525kg添加し、下記表3のような溶鋼組成とした。
転炉にて脱炭精練した溶鋼300tonを取鍋に出鋼した後、真空精練を行い、その末期にSnを330kg添加し、下記表4のような溶鋼組成とした。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.09〜0.20%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.20〜2.50%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Al:0.003〜0.1%、Sn:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.20%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる耐食性厚板用の低合金鋼を、
質量%の成分比、Cu/Snの値を0.02以上、0.5以下、および、(Cu+Ni)/Snの値を0.04以上、0.7以下として鋳造することを特徴とする耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法。 - 連続鋳造中または連続鋳造直後の高温状態での大気による酸化によって生成した、鋳片表層部のSn、CuおよびNiが濃化する、母相であるFeと異相の組成が、少なくとも30質量%以上のFeを含有することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法を用いて鋳造された連続鋳造鋳片。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009193516A JP5299169B2 (ja) | 2009-08-24 | 2009-08-24 | 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009193516A JP5299169B2 (ja) | 2009-08-24 | 2009-08-24 | 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011042859A JP2011042859A (ja) | 2011-03-03 |
JP5299169B2 true JP5299169B2 (ja) | 2013-09-25 |
Family
ID=43830482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009193516A Active JP5299169B2 (ja) | 2009-08-24 | 2009-08-24 | 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5299169B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104884660B (zh) * | 2012-12-28 | 2017-03-15 | 新日铁住金株式会社 | 渗碳用钢 |
WO2015029994A1 (ja) | 2013-08-29 | 2015-03-05 | 新日鐵住金株式会社 | Cu-Sn共存鋼およびその製造方法 |
JP6331881B2 (ja) * | 2014-08-27 | 2018-05-30 | 新日鐵住金株式会社 | Cu−Sn共存鋼材およびその製造方法 |
JP2017190522A (ja) * | 2016-04-11 | 2017-10-19 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材 |
CN114309507A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-12 | 湖南华菱涟源钢铁有限公司 | 一种结晶器保护渣及其应用 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11264022A (ja) * | 1998-03-17 | 1999-09-28 | Nippon Steel Corp | 表面性状に優れた鋼板の製造方法 |
JP4171379B2 (ja) * | 2002-09-27 | 2008-10-22 | 新日本製鐵株式会社 | 表面性状に優れたCu含有鋼材およびその製造方法 |
JP4826542B2 (ja) * | 2007-05-01 | 2011-11-30 | 住友金属工業株式会社 | ボルト用鋼およびそれを用いた橋梁 |
-
2009
- 2009-08-24 JP JP2009193516A patent/JP5299169B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011042859A (ja) | 2011-03-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4725437B2 (ja) | 厚鋼板用連続鋳造鋳片及びその製造方法並びに厚鋼板 | |
JP6058439B2 (ja) | 冷間加工性と加工後の表面硬さに優れる熱延鋼板 | |
JP4363403B2 (ja) | 耐hic性に優れたラインパイプ用鋼材及びその鋼材を用いて製造されるラインパイプ | |
JP6245417B1 (ja) | 鋼材 | |
JP5299169B2 (ja) | 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片 | |
JP4041511B2 (ja) | 被削性に優れた低炭素硫黄快削鋼 | |
JP2019178363A (ja) | 製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼 | |
JP6809243B2 (ja) | 鋼の連続鋳造鋳片およびその製造方法 | |
JP6331881B2 (ja) | Cu−Sn共存鋼材およびその製造方法 | |
JP4160103B1 (ja) | 鍛造用鋼塊 | |
JP5089267B2 (ja) | 一体型クランク軸 | |
JP5720867B1 (ja) | Cu−Sn共存鋼およびその製造方法 | |
JP5213517B2 (ja) | 溶接熱影響部靭性に優れた鋼材 | |
JP6662174B2 (ja) | 厚鋼板 | |
JP6191783B2 (ja) | ステンレス鋼材 | |
JP2016003385A (ja) | Ni含有鋼の連続鋳造鋳片 | |
JP7187606B2 (ja) | 耐溶接高温割れ性に優れた高Ni合金 | |
JP6341053B2 (ja) | 複合非金属介在物を含有する高Siオーステナイト系ステンレス鋼 | |
JP2006200032A (ja) | 低炭素硫黄快削鋼 | |
JP6941003B2 (ja) | Fe−Ni−Cr−Mo合金およびその製造方法 | |
WO2023286338A1 (ja) | 加工性、耐食性に優れる溶接管用Ni-Cr-Mo系合金 | |
JP7124631B2 (ja) | 鋳片の置き割れ防止方法 | |
JP2024139391A (ja) | 鋳片およびその連続鋳造方法 | |
JP6086036B2 (ja) | 溶接熱影響部靱性に優れた厚板鋼材とその溶製方法 | |
WO2023166926A1 (ja) | 耐溶接高温割れ性に優れた高Ni合金厚鋼板及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110825 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121011 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121011 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130515 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130521 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130603 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5299169 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |