JPH11264022A - 表面性状に優れた鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状に優れた鋼板の製造方法

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JPH11264022A
JPH11264022A JP6642098A JP6642098A JPH11264022A JP H11264022 A JPH11264022 A JP H11264022A JP 6642098 A JP6642098 A JP 6642098A JP 6642098 A JP6642098 A JP 6642098A JP H11264022 A JPH11264022 A JP H11264022A
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Yoshihisa Takada
良久 高田
Masaharu Kameda
正春 亀田
Masayoshi Suehiro
正芳 末廣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
2〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNiに対し
て1/2×Niwt%≦Cu≦0.4wt%含む鋼板
を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最
高温度を1080℃以上1250℃以下にし、鋼材の加
熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ
表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧
水デスケーリングによって行う。Snを添加すると更に
効果が上る。 【効果】 熱間圧延工程で生じる表面欠陥を、新たな設
備の設置することなく、また製造プロセスを変更するこ
となく、低減することができ、従って表面性状に優れた
鋼板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Siが0.2wt
%以下でNiを含む熱延鋼板、冷延鋼板、電気メッキ鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板および合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板に関して、熱延工程で生成するスケールに起因する表
面欠陥の発生を低減し、表面性状の優れた鋼板を製造す
るための鋼板の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延することにより得られる熱延鋼
板の表面には、線状や筋状などの表面欠陥がしばしば見
られ、この表面欠陥は酸洗、冷間圧延、メッキ後も模様
として存在し、問題となっている。この中でも、Niや
Cuなどを含有した鋼板では、熱延前の加熱工程で発生
するスケールが表面欠陥の発生に大きな影響を及ぼすこ
とが知られており、その低減策についても様々な研究が
進められている。
【0003】たとえば、特開平6−279923号公報
には、NiやCuが熱延工程での表面欠陥の発生原因に
なるとの知見から、鋼材中におけるそれら元素の含有量
を極力少なく抑えると共に、適量のSiを含有させるこ
とによって生成スケールのデスケーリング性を高め、熱
間圧延前に高圧水を噴射してスケール除去を行う方法が
開示されている。しかし、この方法では、表面欠陥の原
因となるNi、Cuを製鋼段階で極力少なくすることが
前提であり、既にNiやCuが混入している鋼材に対し
ては、有効に活用することはできない。
【0004】また、特開平6−346145号公報に
は、NiとCuを0.01wt%以上含み、かつ、(C
u/Ni)比が2以下で、Si含有量が0.2〜3.0
wt%である鋼材を使用し、加熱温度、および、第一回
目のデスケーリング温度を低めに抑えることによって表
面欠陥を少なくする方法が開示されている。ところが、
この方法は、低Si材には適用ができない。
【0005】また、特開平9−52110号公報には、
NiとCuを0.01wt%以上含有する鋼板におい
て、加熱時に界面凹凸に沿った界面長さと直線長さの比
の平均を1.5以下に抑える方法が開示されている。と
ころが、実際に発生する表面欠陥は界面長さと直線長さ
の比の平均値ではなく、一部の鋼材内部に深く食い込ん
だスケールが表面起因の欠陥の原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点に着目してなされたものであって、その目的は、
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備を設置することなく、また
製造プロセスを大きく変更することなく、低減できる技
術を確立しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、表面欠陥の発生原因を詳細に調査し
た。その結果、表面欠陥の発生原因は、加熱時に結晶粒
界で鋼材内部に深く食い込んだ粒界酸化が形成され、こ
の粒界酸化部が圧延時に鋼材内部に食い込まれ、線状
や、筋状の表面欠陥を生じることを実験により知見し
た。また、この粒界酸化の深さは、鋼材の成分に大きく
依存し、特に鋼材中のSiが0.2wt%以下では、N
iが粒界酸化の原因となること、また、NiにCuを複
合添加すると、粒界酸化深さが大幅に減少し、さらに、
Cuに加えてSnを複合添加すると、粒界酸化深さが大
幅に減少することを明らかにした。本発明はこのような
考え方の基に完成したものであり、その要旨構成を以下
に示す。
【0008】(1)Siを0.2wt%以下、Niを
0.02〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNi
に対して1/2×Niwt%≦Cu≦0.4wt%含む
鋼板を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時
の最高温度を1080℃以上1250℃以下にし、さら
に、鋼材の加熱後、熱間圧延前に行われるデスケール除
去を鋼スラブ表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MP
a以上の高圧水デスケーリングによって行うことを特徴
とする表面性状に優れた鋼板の製造方法である。
【0009】(2)Siを0.2wt%以下、Niを
0.02〜0.1wt%、Cuを0.4wt%以下含む
鋼板において、SnをNiとCuに対して(Ni−2×
Cu)/3wt%≦Sn≦0.1wt%含む鋼板を、熱
間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最高温度
を1000℃以上1250℃以下にし、鋼材の加熱後、
熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ表面で
の高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧水デス
ケーリングによって行うことを特徴とする表面性状に優
れた鋼板の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】前述したように、NiやCuを含
有する鋼材を熱間圧延する際にその表面にできる表面欠
陥の原因は、加熱時に結晶粒界で形成される鋼材内部に
深く食い込んだ粒界酸化が、圧延時に鋼材内部に食い込
まれることによる。本発明者らは、このNiやCuを含
有する鋼材の粒界酸化深さの成分依存性を調査した結
果、Ni含有量が増加すると粒界酸化深さを増大させる
こと、また、NiにCuをある関係で添加すると、この
粒界酸化深さが減少し、さらに、CuにSnを複合添加
すると粒界酸化深さが大幅に減少し、その結果、鋼板の
表面疵の発生率は減少し、表面性状に優れた鋼板が製造
できる。この原因は以下のように考えられる。
【0011】Niは鉄よりも酸化しにくい。その結果、
Ni含有鋼を高温で酸化させた場合、鉄が酸化するが、
Niが酸化しないために、鋼板表面にNiが濃化し、全
体の酸化速度は減少する。しかし、粒界部分では、粒界
酸化が進行する。その結果、Ni含有量が増大すると粒
界酸化深さが大きくなる。Ni濃度が少ない場合、他の
成分を添加しないでも粒界酸化が生じないので疵の発生
率が低い。本発明は、Ni濃度の下限を0.02wt%
とする。また、Ni濃度が高くなると粒界酸化だけでな
く、その他の部分の凹凸も激しくなり、粒界酸化のみを
減少させても疵の発生率は減少しない。よって、Ni濃
度の上限は0.1wt%とした。
【0012】Si含有量が多くなるとFeとSiの共晶
酸化物(FeO−Fe2 SiO4 )が結晶粒界に選択的
に酸化される結果、粒界酸化を起こし、疵の発生原因と
なり問題となる。そのため、Si含有量の上限は0.2
wt%以下とした。また、Si含有量の下限は特に限定
しないが、Siは鋼板の強度を出すので、0.001w
t%以上が望ましい。CuもNiと同様に鉄よりも酸化
しにくい元素である。しかし、CuはNiよりも融点が
低い。そのために、NiとCuの複合添加鋼を加熱する
と、Cuの溶融層が鋼材表面に形成されるために、粒界
酸化の進行が生じにくくなり、その結果、疵の発生率が
減少する。NiとCuの粒界酸化に及ぼす関係を考慮し
た結果、CuをNi濃度の1/2以上添加させれば粒界
酸化を抑えることができることを知見した。
【0013】また、Cuの添加量の上限としては、Cu
を多量添加すると、Cuの融点が低いことに起因する粒
界脆化が生じるので0.4wt%を上限とする。鋼材の
加熱温度について加熱温度の下限を1080℃にする理
由は、この温度以下ではCuの溶融層が鋼板表面にほと
んど形成されず、その結果、粒界酸化の進行を抑制する
ことができない。従って、疵の発生率が高くなってしま
う。また、鋼材の加熱温度を低くすると、熱間圧延の際
の圧延加重が大きくなるという問題や、仕上げ温度を確
保できなくなる問題も発生する。加熱温度の上限を12
50℃にする理由も疵の発生率との関係に基づく。鋼材
の加熱温度を高くすると、酸化速度が速くなり、粒界酸
化も深く進行する。
【0014】その結果、本発明のNi,Cuの成分で
は、疵の発生を抑制することができなくなる。また、加
熱温度を高くすると燃料原単位が上昇するという問題点
も発生する。加熱後のデスケーリングについてである
が、その時のデスケーリング圧力の下限は疵の発生の観
点から求まる。デスケーリング圧力を5MPa以下にす
るとデスケーリング後もスケールが鋼板表面に残存し、
疵の発生率が高くなる。また、デスケーリング圧力の上
限については特に限定する必要はないが、デスケーリン
グ圧力を高くすると、水圧により鋼材が冷却されたり、
水圧によって鋼材表面が削れて歩留まりが悪化するの
で、40MPa以下が望ましい。
【0015】また、SnもCuと同様に鉄よりも酸化し
にくい元素でCuよりも融点が低く、粒界酸化深さを減
少させる効果が大きい。その結果、NiとCu、Snの
複合添加鋼を加熱すると、Cu、Snの溶融層が鋼材表
面に形成されるために、粒界酸化の進行が生じにくくな
り、その結果、疵の発生率が減少する。NiとCu、S
nの粒界酸化に及ぼす関係を考慮した結果、SnをNi
とCuに対して(Ni−2×Cu)/3以上添加させれ
ば粒界酸化を抑えることができる。また、Cuの添加量
の上限としては、Cuを多量添加すると、Cuの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じるので0.4wt%
を上限とする。同様に、Snの添加量の上限としてはS
nを多量添加すると、Cuの場合と同様にSnの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じ、かつ、Snの融点
はCuよりも低いので0.1wt%を上限とする。
【0016】鋼材の加熱温度について加熱温度の下限を
1000℃にする理由は、この温度以下ではCu、Sn
の溶融層が鋼板表面にほとんど形成されず、その結果、
粒界酸化の進行を抑制することができない。従って、疵
の発生率が高くなってしまう。また、鋼材の加熱温度を
低くすると、熱間圧延の際の圧延加重が大きくなるとい
う問題や、仕上げ温度を確保できなくなる問題も発生す
る。加熱温度の上限を1250℃にする理由も疵の発生
率との関係に基づく。鋼材の加熱温度を高くすると、酸
化速度が速くなり、粒界酸化も深く進行する。
【0017】その結果、本発明のNi、Cu、Snの成
分では、疵の発生を抑制することができなくなる。ま
た、加熱温度を高くすると燃料原単位が上昇するという
問題点も発生する。加熱後のデスケーリングについてで
あるが、その時のデスケーリング圧力の下限は疵の発生
の観点から求まる。デスケーリング圧力を5MPa以下
にするとデスケーリング後もスケールが鋼板表面に残存
し、疵の発生率が高くなる。また、デスケーリング圧力
の上限については特に限定する必要はないが、デスケー
リング圧力を高くすると、水圧により鋼材が冷却された
り、水圧によって鋼材表面が削れて歩留まりが悪化する
ので、40MPa以下が望ましい。また、その他の元素
については特に規定はしないが、以下の範囲であること
が望ましい。
【0018】Cは、鋼材の材質を決定する重要な元素で
あるが、鋼材を加熱した場合の酸化時にCが脱炭し、粒
界酸化の進行を抑える。そのため、C濃度が少ないと粒
界酸化深さが増加するので、0.0005wt%以上が
望ましい。Pは固溶強化元素であるが、粒界酸化部に濃
化し、疵の発生率が上昇する。その結果、Pを多く含有
させると、粒界酸化深さが増加するので、0.05wt
%以下であることが望ましい。
【0019】SもPと同様に、粒界酸化部に濃化する。
その結果、Sも多く含有させると疵の発生率が上昇する
ので、0.05wt%以下が望ましい。Mnは粒界酸化
部には濃化しないが、MnSの存在で鋼材中に存在する
ために、Mn濃度が低い場合、free Sが増加し、
その結果、粒界酸化深さが増大し疵の発生率が上昇する
ので、0.05wt%以上が望ましい。
【0020】
【実施例】(実施例1)表1は、実験に用いた試料鋼板
の化学組成を示したものである。表1に示す鋼を連続鋳
造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温
度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分と
し、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行っ
た後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このときの
仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長さ
で割った値を用いた。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、比較鋼である鋼
Iは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のCu濃
度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外である。
また、比較鋼であるJ〜Oは、Si濃度、Ni濃度又は
CuとNiの比が適正範囲から離れているために、表面
欠陥率が0.53%以上であるのに対して、これらが適
正範囲である本発明鋼A〜Hは、表面欠陥率が0.14
%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0023】表1のAの組成の鋼について、表2に示す
通りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水
圧でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに
圧延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時
間80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は
630℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の
表面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率とし
ては、実施例1と同様に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイル長さで割った値を用いた。表2
から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0024】
【表2】
【0025】表1のAに示す鋼を連続鋳造後、熱間圧延
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
2に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイ
ルの長さで割った値を用いた。表3から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
【0026】
【表3】
【0027】(実施例2)表4は、実験に用いた試料鋼
板の化学組成を示したものである。表4に示す鋼を連続
鋳造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱
温度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分
とし、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行
った後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このとき
の仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長
さで割った値を用いた。
【0028】
【表4】
【0029】表4から明らかなように、比較鋼である鋼
Iは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のSn、
Cu濃度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外で
ある。また、比較鋼であるJ〜Oは、Si濃度、Ni濃
度又はSnとCu、Niの関係が適正範囲から離れてい
るために、表面欠陥率が0.53%以上であるのに対し
て、これらが適正範囲である本発明鋼A〜Hは、表面欠
陥率が0.14%以下となり良好な表面性状が得られ
た。
【0030】表4の組成Aの鋼について、表5に示す通
りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水圧
でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに圧
延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時間
80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は6
30℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の表
面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率として
は、実施例1と同様に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイルの長さで割った値を用いた。表
5から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0031】
【表5】
【0032】表4のAに示す鋼を連続鋳造後、熱間圧延
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
6に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコ
イルの長さで割った値を用いた。表6から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備の設置することなく、また
製造プロセスを変更することなく、低減する事ができ、
従って表面性状に優れた鋼板を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/16 C22C 38/16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
    2〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNiに対し
    て1/2×Niwt%≦Cu≦0.4wt%含む鋼板
    を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最
    高温度を1080℃以上1250℃以下にし、さらに、
    鋼材の加熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去を、
    鋼スラブ表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以
    上の高圧水デスケーリングによって行うことを特徴とす
    る表面性状に優れた鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
    2〜0.1wt%、Cuを0.4wt%以下含む鋼板に
    おいて、SnをNiとCuに対して(Ni−2×Cu)
    /3wt%≦Sn≦0.1wt%含む鋼板を、熱間圧延
    する前の鋼材の加熱において、加熱時の最高温度を10
    00℃以上1250℃以下にし、鋼材の加熱後、熱間圧
    延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ表面での高圧
    水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧水デスケーリ
    ングによって行うことを特徴とする表面性状に優れた鋼
    板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042859A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐食性厚板用低合金鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造鋳片
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