JP2000178655A - 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents
表面性状に優れた鋼板およびその製造方法Info
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- JP2000178655A JP2000178655A JP35243398A JP35243398A JP2000178655A JP 2000178655 A JP2000178655 A JP 2000178655A JP 35243398 A JP35243398 A JP 35243398A JP 35243398 A JP35243398 A JP 35243398A JP 2000178655 A JP2000178655 A JP 2000178655A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
2〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNiに対し
て1/2×Niwt%<Cu<0.4wt%含む鋼板
を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最
高温度を1080℃以上1250℃以下にし、鋼材の加
熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ
表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧
水デスケーリングによって行う。 【効果】 熱間圧延工程で生じる表面欠陥を、新たな設
備を設置することなく、また製造プロセスを変更するこ
となく、低減する事ができ、従って表面性状に優れた鋼
板を得ることができる。
提供する。 【解決手段】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
2〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNiに対し
て1/2×Niwt%<Cu<0.4wt%含む鋼板
を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最
高温度を1080℃以上1250℃以下にし、鋼材の加
熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ
表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧
水デスケーリングによって行う。 【効果】 熱間圧延工程で生じる表面欠陥を、新たな設
備を設置することなく、また製造プロセスを変更するこ
となく、低減する事ができ、従って表面性状に優れた鋼
板を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Siが0.2wt
%以下でNiを含む熱延鋼板、冷延鋼板、電気メッキ鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板および合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板に関して、熱延工程で生成するスケールに起因する表
面欠陥の発生を低減し、表面性状の優れた鋼板を製造す
るための鋼板及びその方法に関するものである。
%以下でNiを含む熱延鋼板、冷延鋼板、電気メッキ鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板および合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板に関して、熱延工程で生成するスケールに起因する表
面欠陥の発生を低減し、表面性状の優れた鋼板を製造す
るための鋼板及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延することにより得られる熱延鋼
板の表面には、線状や筋状などの表面欠陥がしばしば見
られ、この表面欠陥は酸洗、冷間圧延、メッキ後も模様
として残存し、問題となっている。この中でも、Niや
Cuなどが含有した鋼板では、熱延前の加熱工程で発生
するスケールが表面欠陥の発生に大きな影響を及ぼすこ
とが知られており、その低減策についても様々な研究が
進められている。
板の表面には、線状や筋状などの表面欠陥がしばしば見
られ、この表面欠陥は酸洗、冷間圧延、メッキ後も模様
として残存し、問題となっている。この中でも、Niや
Cuなどが含有した鋼板では、熱延前の加熱工程で発生
するスケールが表面欠陥の発生に大きな影響を及ぼすこ
とが知られており、その低減策についても様々な研究が
進められている。
【0003】たとえば、特開平6−279923号公報
には、NiやCuが熱延工程での表面欠陥の発生原因に
なるとの知見から、鋼材中におけるそれら元素の含有量
を極力少なく抑えると共に、適量のSiを含有させるこ
とによって生成スケールのデスケーリング性を高め、熱
間圧延前に高圧水を噴射してスケール除去を行う方法が
開示されている。しかし、この方法では、表面欠陥の原
因となるNi、Cuを製鋼段階で極力少なくすることが
前提であり、既にNiやCuが混入している鋼材に対し
ては、有効に活用することはできない。
には、NiやCuが熱延工程での表面欠陥の発生原因に
なるとの知見から、鋼材中におけるそれら元素の含有量
を極力少なく抑えると共に、適量のSiを含有させるこ
とによって生成スケールのデスケーリング性を高め、熱
間圧延前に高圧水を噴射してスケール除去を行う方法が
開示されている。しかし、この方法では、表面欠陥の原
因となるNi、Cuを製鋼段階で極力少なくすることが
前提であり、既にNiやCuが混入している鋼材に対し
ては、有効に活用することはできない。
【0004】また、特開平6−346145号公報に
は、NiとCuを0.01wt%以上含み、かつ、(C
u/Ni)比が2以下で、Si含有量が0.2〜3.0
wt%である鋼材を使用し、加熱温度、および、第一回
目のデスケーリング温度を低めに抑えることによって表
面欠陥を少なくする方法が開示されている。ところが、
この方法は、低Siには適用ができない。また、特開平
9−52110号公報には、NiとCuを0.01wt
%以上含有する鋼板において、加熱時に界面凹凸に沿っ
た界面長さと直線長さの比の平均を1.5以下に抑える
方法が開示されている。ところが、実際に発生する表面
欠陥は界面長さと直線長さの比の平均値ではなく、一部
の鋼材内部に深く食い込んだスケールが表面起因の欠陥
の原因となる。
は、NiとCuを0.01wt%以上含み、かつ、(C
u/Ni)比が2以下で、Si含有量が0.2〜3.0
wt%である鋼材を使用し、加熱温度、および、第一回
目のデスケーリング温度を低めに抑えることによって表
面欠陥を少なくする方法が開示されている。ところが、
この方法は、低Siには適用ができない。また、特開平
9−52110号公報には、NiとCuを0.01wt
%以上含有する鋼板において、加熱時に界面凹凸に沿っ
た界面長さと直線長さの比の平均を1.5以下に抑える
方法が開示されている。ところが、実際に発生する表面
欠陥は界面長さと直線長さの比の平均値ではなく、一部
の鋼材内部に深く食い込んだスケールが表面起因の欠陥
の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点に着目してなされたものであって、その目的は、
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備を設置することなく、また
製造プロセスを変更することなく、低減できる技術を確
立しようとするものである。
問題点に着目してなされたものであって、その目的は、
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備を設置することなく、また
製造プロセスを変更することなく、低減できる技術を確
立しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、表面欠陥の発生原因を詳細に調査し
た。その結果、表面欠陥の発生原因は、加熱時に結晶粒
界で鋼材内部に深く食い込んだ粒界酸化が形成され、こ
の粒界酸化部が圧延時に鋼材内部に食い込まれ、線状
や、筋状の表面欠陥を生じることを実験により確認し
た。また、この粒界酸化の深さは、鋼材の成分に大きく
依存し、特に鋼材中のSiが0.2wt%以下では、N
iが粒界酸化の原因となること、また、NiにCuを複
合添加すると、粒界酸化深さが大幅に減少し、さらに、
Cuに加えてSnを複合添加すると、粒界酸化深さが大
幅に減少することを明らかにした。本発明はこのような
考え方の元に完成したものであり、その要旨構成を以下
に示す。
に、本発明者らは、表面欠陥の発生原因を詳細に調査し
た。その結果、表面欠陥の発生原因は、加熱時に結晶粒
界で鋼材内部に深く食い込んだ粒界酸化が形成され、こ
の粒界酸化部が圧延時に鋼材内部に食い込まれ、線状
や、筋状の表面欠陥を生じることを実験により確認し
た。また、この粒界酸化の深さは、鋼材の成分に大きく
依存し、特に鋼材中のSiが0.2wt%以下では、N
iが粒界酸化の原因となること、また、NiにCuを複
合添加すると、粒界酸化深さが大幅に減少し、さらに、
Cuに加えてSnを複合添加すると、粒界酸化深さが大
幅に減少することを明らかにした。本発明はこのような
考え方の元に完成したものであり、その要旨構成を以下
に示す。
【0007】(1)Siを0.2wt%以下、Niを
0.02〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNi
に対して1/2×Niwt%<Cu<0.4wt%含む
鋼板を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時
の最高温度を1080℃以上1250℃以下にし、さら
に、鋼材の加熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去
を、鋼スラブ表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MP
a以上の高圧水デスケーリングによって行うことを特徴
とする表面性状に優れた鋼板およびその製造方法。
0.02〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNi
に対して1/2×Niwt%<Cu<0.4wt%含む
鋼板を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時
の最高温度を1080℃以上1250℃以下にし、さら
に、鋼材の加熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去
を、鋼スラブ表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MP
a以上の高圧水デスケーリングによって行うことを特徴
とする表面性状に優れた鋼板およびその製造方法。
【0008】(2)Siを0.2wt%以下、Niを
0.02〜0.1wt%、Cuを0.4wt%以下含む
鋼板において、SnをNiとCuに対して(Ni−2×
Cu)/3wt%<Sn<0.1wt%含む鋼板を、熱
間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最高温度
を1000℃以上1250℃以下にし、鋼材の加熱後、
熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ表面で
の高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧水デス
ケーリングによって行うことを特徴とする表面性状に優
れた鋼板およびその製造方法である。
0.02〜0.1wt%、Cuを0.4wt%以下含む
鋼板において、SnをNiとCuに対して(Ni−2×
Cu)/3wt%<Sn<0.1wt%含む鋼板を、熱
間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最高温度
を1000℃以上1250℃以下にし、鋼材の加熱後、
熱間圧延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ表面で
の高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧水デス
ケーリングによって行うことを特徴とする表面性状に優
れた鋼板およびその製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】前述したように、NiやCuを含
有する鋼材を熱間圧延する際にその表面にできる表面欠
陥の原因は、加熱時に結晶粒界で形成される鋼材内部に
深く食い込んだ粒界酸化が、圧延時に鋼材内部に食い込
まれることによる。本発明者らは、このNiやCuを含
有する鋼材の粒界酸化深さの成分依存性を調査した結
果、Ni含有量が増加すると粒界酸化深さを増大させる
こと、また、NiにCuをある関係で添加すると、この
粒界酸化深さが減少し、さらに、CuにSnを複合添加
すると粒界酸化深さが大幅に減少し、その結果、鋼板の
表面疵の発生率は減少し、表面性状に優れた鋼板が製造
できる。この原因は以下のように考えられる。
有する鋼材を熱間圧延する際にその表面にできる表面欠
陥の原因は、加熱時に結晶粒界で形成される鋼材内部に
深く食い込んだ粒界酸化が、圧延時に鋼材内部に食い込
まれることによる。本発明者らは、このNiやCuを含
有する鋼材の粒界酸化深さの成分依存性を調査した結
果、Ni含有量が増加すると粒界酸化深さを増大させる
こと、また、NiにCuをある関係で添加すると、この
粒界酸化深さが減少し、さらに、CuにSnを複合添加
すると粒界酸化深さが大幅に減少し、その結果、鋼板の
表面疵の発生率は減少し、表面性状に優れた鋼板が製造
できる。この原因は以下のように考えられる。
【0010】Niは鉄よりも酸化しにくい。その結果、
Ni含有鋼を高温で酸化させた場合、鉄が酸化するが、
Niが酸化しないために、鋼板表面にNiが濃化し、全
体の酸化速度は減少する。しかし、粒界部分では、粒界
酸化が進行する。その結果、Ni含有量が増大すると粒
界酸化深さが増す。Ni濃度が少ない場合、他の成分を
添加しないでも粒界酸化が生じないので疵の発生率が低
い。そのため、Ni濃度の下限は0.02wt%にな
る。また、Ni濃度が高くなると粒界酸化だけでなく、
その他の部分の凹凸も激しくなり、粒界酸化のみを減少
させても疵の発生率は減少しない。よって、Ni濃度の
上限は0.1wt%とした。
Ni含有鋼を高温で酸化させた場合、鉄が酸化するが、
Niが酸化しないために、鋼板表面にNiが濃化し、全
体の酸化速度は減少する。しかし、粒界部分では、粒界
酸化が進行する。その結果、Ni含有量が増大すると粒
界酸化深さが増す。Ni濃度が少ない場合、他の成分を
添加しないでも粒界酸化が生じないので疵の発生率が低
い。そのため、Ni濃度の下限は0.02wt%にな
る。また、Ni濃度が高くなると粒界酸化だけでなく、
その他の部分の凹凸も激しくなり、粒界酸化のみを減少
させても疵の発生率は減少しない。よって、Ni濃度の
上限は0.1wt%とした。
【0011】Si含有量についてであるが、Si含有量
が多くなるとFeとSiの共晶酸化物(FeO−Fe2
SiO4 )が結晶粒界に選択的に酸化される結果、粒界
酸化を起こし、疵の発生原因となり問題となる。その結
果、Si含有量の上限は0.2wt%以下とした。ま
た、Si含有量の下限は特に定めてはいないが、Siは
鋼板の強度を出すので、できれば、0.001wt%以
上が望ましい。
が多くなるとFeとSiの共晶酸化物(FeO−Fe2
SiO4 )が結晶粒界に選択的に酸化される結果、粒界
酸化を起こし、疵の発生原因となり問題となる。その結
果、Si含有量の上限は0.2wt%以下とした。ま
た、Si含有量の下限は特に定めてはいないが、Siは
鋼板の強度を出すので、できれば、0.001wt%以
上が望ましい。
【0012】CuもNiと同様に鉄よりも酸化しにくい
元素である。しかし、CuはNiよりも融点が低い。そ
のために、NiとCuの複合添加鋼を加熱すると、Cu
の溶融層が鋼材表面に形成されるために、粒界酸化の進
行が生じにくくなり、その結果、疵の発生率が減少す
る。NiとCuの粒界酸化に及ぼす関係を考慮した結
果、CuをNi濃度の1/2以上添加させれば粒界酸化
を抑えることができる。また、Cuの添加量の上限とし
ては、Cuを多量添加すると、Cuの融点が低いことに
起因する粒界脆化が生じるので0.4wt%が上限にな
る。
元素である。しかし、CuはNiよりも融点が低い。そ
のために、NiとCuの複合添加鋼を加熱すると、Cu
の溶融層が鋼材表面に形成されるために、粒界酸化の進
行が生じにくくなり、その結果、疵の発生率が減少す
る。NiとCuの粒界酸化に及ぼす関係を考慮した結
果、CuをNi濃度の1/2以上添加させれば粒界酸化
を抑えることができる。また、Cuの添加量の上限とし
ては、Cuを多量添加すると、Cuの融点が低いことに
起因する粒界脆化が生じるので0.4wt%が上限にな
る。
【0013】鋼材の加熱温度について加熱温度の下限を
1080℃にする理由は、この温度以下ではCuの溶融
層が鋼板表面にほとんど形成されず、その結果、粒界酸
化の進行を抑制することができない。従って、疵の発生
率が高くなってしまう。また、鋼材の加熱温度を低くす
ると、熱間圧延の際の圧延加重が大きくなるという問題
や、仕上げ温度を確保できなくなる問題も発生する。加
熱温度の上限を1250℃にする理由も疵の発生率との
関係から求まる。
1080℃にする理由は、この温度以下ではCuの溶融
層が鋼板表面にほとんど形成されず、その結果、粒界酸
化の進行を抑制することができない。従って、疵の発生
率が高くなってしまう。また、鋼材の加熱温度を低くす
ると、熱間圧延の際の圧延加重が大きくなるという問題
や、仕上げ温度を確保できなくなる問題も発生する。加
熱温度の上限を1250℃にする理由も疵の発生率との
関係から求まる。
【0014】鋼材の加熱温度を高くすると、酸化速度が
早くなり、粒界酸化も深く進行する。その結果、本発明
のNi,Cuの成分では、疵の発生を抑制することがで
きなくなる。また、加熱温度を高くすると燃料原単位が
上昇するという問題点も発生する。加熱後のデスケーリ
ングについてであるが、その時のデスケーリング圧力の
下限は疵の発生の観点から求まる。デスケーリング圧力
を5MPa以下にするとデスケーリング後もスケールが
鋼板表面に残存し、疵の発生率が高くなる。また、デス
ケーリング圧力の上限については特に限定する必要はな
いが、デスケーリング圧力を高くすると、水圧により鋼
材が冷却されたり、水圧によって鋼材表面が削れて歩留
まりが悪化するので、できれば40MPa以下が望まし
い。
早くなり、粒界酸化も深く進行する。その結果、本発明
のNi,Cuの成分では、疵の発生を抑制することがで
きなくなる。また、加熱温度を高くすると燃料原単位が
上昇するという問題点も発生する。加熱後のデスケーリ
ングについてであるが、その時のデスケーリング圧力の
下限は疵の発生の観点から求まる。デスケーリング圧力
を5MPa以下にするとデスケーリング後もスケールが
鋼板表面に残存し、疵の発生率が高くなる。また、デス
ケーリング圧力の上限については特に限定する必要はな
いが、デスケーリング圧力を高くすると、水圧により鋼
材が冷却されたり、水圧によって鋼材表面が削れて歩留
まりが悪化するので、できれば40MPa以下が望まし
い。
【0015】また、SnもCuと同様に鉄よりも酸化し
にくい元素でCuよりも融点が低く、粒界酸化深さを減
少させる効果が大きい。その結果、NiとCu、Snの
複合添加鋼を加熱すると、Cu、Snの溶融層が鋼材表
面に形成されるために、粒界酸化の進行が生じにくくな
り、その結果、疵の発生率が減少する。NiとCu、S
nの粒界酸化に及ぼす関係を考慮した結果、SnをNi
とCuに対して(Ni−2×Cu)/3以上添加させれ
ば粒界酸化を抑えることができる。また、Cuの添加量
の上限としては、Cuを多量添加すると、Cuの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じるので0.4wt%
が上限になる。同様に、Snの添加量の上限としてはS
nを多量添加すると、Cuの場合と同様にSnの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じ、かつ、Snの融点
はCuよりも低いので0.1wt%が上限になる。
にくい元素でCuよりも融点が低く、粒界酸化深さを減
少させる効果が大きい。その結果、NiとCu、Snの
複合添加鋼を加熱すると、Cu、Snの溶融層が鋼材表
面に形成されるために、粒界酸化の進行が生じにくくな
り、その結果、疵の発生率が減少する。NiとCu、S
nの粒界酸化に及ぼす関係を考慮した結果、SnをNi
とCuに対して(Ni−2×Cu)/3以上添加させれ
ば粒界酸化を抑えることができる。また、Cuの添加量
の上限としては、Cuを多量添加すると、Cuの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じるので0.4wt%
が上限になる。同様に、Snの添加量の上限としてはS
nを多量添加すると、Cuの場合と同様にSnの融点が
低いことに起因する粒界脆化が生じ、かつ、Snの融点
はCuよりも低いので0.1wt%が上限になる。
【0016】鋼材の加熱温度について加熱温度の下限を
1000℃にする理由は、この温度以下ではCu、Sn
の溶融層が鋼板表面にほとんど形成されず、その結果、
粒界酸化の進行を抑制することができない。従って、疵
の発生率が高くなってしまう。また、鋼材の加熱温度を
低くすると、熱間圧延の際の圧延加重が大きくなるとい
う問題や、仕上げ温度を確保できなくなる問題も発生す
る。加熱温度の上限を1250℃にする理由も疵の発生
率との関係から求まる。鋼材の加熱温度を高くすると、
酸化速度が早くなり、粒界酸化も深く進行する。その結
果、本発明のNi、Cu、Snの成分では、疵の発生を
抑制することができなくなる。また、加熱温度を高くす
ると燃料原単位が上昇するという問題点も発生する。
1000℃にする理由は、この温度以下ではCu、Sn
の溶融層が鋼板表面にほとんど形成されず、その結果、
粒界酸化の進行を抑制することができない。従って、疵
の発生率が高くなってしまう。また、鋼材の加熱温度を
低くすると、熱間圧延の際の圧延加重が大きくなるとい
う問題や、仕上げ温度を確保できなくなる問題も発生す
る。加熱温度の上限を1250℃にする理由も疵の発生
率との関係から求まる。鋼材の加熱温度を高くすると、
酸化速度が早くなり、粒界酸化も深く進行する。その結
果、本発明のNi、Cu、Snの成分では、疵の発生を
抑制することができなくなる。また、加熱温度を高くす
ると燃料原単位が上昇するという問題点も発生する。
【0017】加熱後のデスケーリングについてである
が、その時のデスケーリング圧力の下限は疵の発生の観
点から求まる。デスケーリング圧力を5MPa以下にす
るとデスケーリング後もスケールが鋼板表面に残存し、
疵の発生率が高くなる。また、デスケーリング圧力の上
限については特に限定する必要はないが、デスケーリン
グ圧力を高くすると、水圧により鋼材が冷却されたり、
水圧によって鋼材表面が削れて歩留まりが悪化するの
で、できれば40MPa以下が望ましい。
が、その時のデスケーリング圧力の下限は疵の発生の観
点から求まる。デスケーリング圧力を5MPa以下にす
るとデスケーリング後もスケールが鋼板表面に残存し、
疵の発生率が高くなる。また、デスケーリング圧力の上
限については特に限定する必要はないが、デスケーリン
グ圧力を高くすると、水圧により鋼材が冷却されたり、
水圧によって鋼材表面が削れて歩留まりが悪化するの
で、できれば40MPa以下が望ましい。
【0018】また、その他の元素については特に規定は
しないが、以下の範囲であることが望ましい。Cは、鋼
材の材質を決定する重要な元素であるが、鋼材を加熱し
た場合の酸化時にCが脱炭し、粒界酸化の進行を抑え
る。そのため、C濃度が少ないと粒界酸化深さが増加す
るので、0.0005wt%以上が望ましい。Pは固溶
強化元素であるが、粒界酸化部に濃化し、疵の発生率が
上昇する。その結果、Pを多く含有させると、粒界酸化
深さが増加するので、0.05wt%以下であることが
望ましい。
しないが、以下の範囲であることが望ましい。Cは、鋼
材の材質を決定する重要な元素であるが、鋼材を加熱し
た場合の酸化時にCが脱炭し、粒界酸化の進行を抑え
る。そのため、C濃度が少ないと粒界酸化深さが増加す
るので、0.0005wt%以上が望ましい。Pは固溶
強化元素であるが、粒界酸化部に濃化し、疵の発生率が
上昇する。その結果、Pを多く含有させると、粒界酸化
深さが増加するので、0.05wt%以下であることが
望ましい。
【0019】SもPと同様に、粒界酸化部に濃化する。
その結果、Sも多く含有させると疵の発生率が上昇する
ので、0.05wt%以下が望ましい。Mnは粒界酸化
部には濃化しないが、MnSの存在で鋼材中に存在する
ために、Mn濃度が低い場合、フリーSが増加し、その
結果、粒界酸化深さが増大し疵の発生率が上昇するの
で、0.05wt%以上が望ましい。
その結果、Sも多く含有させると疵の発生率が上昇する
ので、0.05wt%以下が望ましい。Mnは粒界酸化
部には濃化しないが、MnSの存在で鋼材中に存在する
ために、Mn濃度が低い場合、フリーSが増加し、その
結果、粒界酸化深さが増大し疵の発生率が上昇するの
で、0.05wt%以上が望ましい。
【0020】
【実施例】(実施例1)表1は、実験に用いた試料鋼板
の化学組成を示したものである。表1に示す鋼を連続鋳
造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温
度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分と
し、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行っ
た後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このときの
仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長さ
で割った値を用いた。
の化学組成を示したものである。表1に示す鋼を連続鋳
造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温
度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分と
し、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行っ
た後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このときの
仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長さ
で割った値を用いた。
【0021】表1から明らかなように、比較鋼である鋼
Jは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のCu濃
度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外である。
また、比較鋼であるK〜Pは、Si濃度、Ni濃度又は
CuとNiの比が適正範囲から離れているために、表面
欠陥率が0.53%以上であるのに対して、これらが適
正範囲である本発明鋼A〜Iは、表面欠陥率が0.14
%以下となり良好な表面性状が得られた。
Jは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のCu濃
度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外である。
また、比較鋼であるK〜Pは、Si濃度、Ni濃度又は
CuとNiの比が適正範囲から離れているために、表面
欠陥率が0.53%以上であるのに対して、これらが適
正範囲である本発明鋼A〜Iは、表面欠陥率が0.14
%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0022】
【表1】
【0023】表1のAの組成の鋼について、表2に示す
通りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水
圧でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに
圧延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時
間80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は
630℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の
表面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率とし
ては、実施例1と同様に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイルの長さで割った値を用いた。表
2から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
通りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水
圧でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに
圧延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時
間80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は
630℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の
表面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率とし
ては、実施例1と同様に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイルの長さで割った値を用いた。表
2から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0024】
【表2】
【0025】表1のAに示す鋼を連続鋳造後、熱間圧延
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
2に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイ
ルの長さで割った値を用いた。表3から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
2に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で幅方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイ
ルの長さで割った値を用いた。表3から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
【0026】
【表3】
【0027】(実施例2)表4は、実験に用いた試料鋼
板の化学組成を示したものである。表4に示す鋼を連続
鋳造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱
温度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分
とし、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行
った後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このとき
の仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長
さで割った値を用いた。
板の化学組成を示したものである。表4に示す鋼を連続
鋳造後、熱間圧延を行った。熱間圧延の条件は、再加熱
温度1200℃、在炉時間200分で、均熱時間80分
とし、その後、15MPaの水圧でデスケーリングを行
った後に、3.0mmの厚さに圧延を行った。このとき
の仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は630℃とし
た。これらの鋼板について、熱間圧延後の表面欠陥率を
目視により観察した。表面欠陥不良率としては、熱延鋼
板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコイルの長
さで割った値を用いた。
【0028】表4から明らかなように、比較鋼である鋼
Jは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のSn、
Cu濃度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外で
ある。また、比較鋼であるK〜Pは、Si濃度、Ni濃
度又はSnとCu、Niの関係が適正範囲から離れてい
るために、表面欠陥率が0.53%以上であるのに対し
て、これらが適正範囲である本発明鋼A〜Iは、表面欠
陥率が0.14%以下となり良好な表面性状が得られ
た。
Jは、Ni量が少ないために、本発明の範囲内のSn、
Cu濃度以下でも表面欠陥率は低く、本発明の範囲外で
ある。また、比較鋼であるK〜Pは、Si濃度、Ni濃
度又はSnとCu、Niの関係が適正範囲から離れてい
るために、表面欠陥率が0.53%以上であるのに対し
て、これらが適正範囲である本発明鋼A〜Iは、表面欠
陥率が0.14%以下となり良好な表面性状が得られ
た。
【0029】
【表4】
【0030】表4の組成Aの鋼について、表5に示す通
りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水圧
でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに圧
延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時間
80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は6
30℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の表
面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率として
は、実施例1と同様に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイルの長さで割った値を用いた。表
5から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
りの加熱抽出温度で抽出し、その後、15MPaの水圧
でデスケーリングを行った後に、3.0mmの厚さに圧
延を行った。このときの在炉時間200分で、均熱時間
80分とし、仕上げ温度は900℃、巻き取り温度は6
30℃とした。これらの鋼板について、熱間圧延後の表
面欠陥率を目視により観察した。表面欠陥不良率として
は、実施例1と同様に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の
長さを熱延鋼板のコイルの長さで割った値を用いた。表
5から明らかなように、比較条件である条件4および5
は、加熱炉抽出温度が適正範囲から離れているために、
表面欠陥率が0.45%以上であるのに対して、これら
が適正範囲である本発明の条件1〜3は、表面欠陥率が
0.01%以下となり良好な表面性状が得られた。
【0031】
【表5】
【0032】表4のAに示す鋼を連続鋳造後、熱間圧延
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
6に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコ
イルの長さで割った値を用いた。表6から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
を行った。熱間圧延の条件は、再加熱温度1200℃、
在炉時間200分で、均熱時間80分とし、その後、表
6に示す水圧でデスケーリングを行った後に、3.0m
mの厚さに圧延を行った。このときの仕上げ温度は90
0℃、巻き取り温度は630℃とした。これらの鋼板に
ついて、熱間圧延後の表面欠陥率を目視により観察し
た。表面欠陥不良率としては、実施例1および2と同様
に熱延鋼板表面で長さ方向の欠陥の長さを熱延鋼板のコ
イルの長さで割った値を用いた。表6から明らかなよう
に、比較条件である条件9および10は、加熱炉抽出温
度が適正範囲から離れているために、表面欠陥率が0.
35%以上であるのに対して、これらが適正範囲である
本発明の条件6〜8は、表面欠陥率が0.1%以下とな
り良好な表面性状が得られた。
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備を設置することなく、また
製造プロセスを変更することなく、低減する事ができ、
従って表面性状に優れた鋼板を得ることができる。
Siを0.2wt%以下、Niを0.02〜0.1wt
%含む鋼板において、Niに起因して熱間圧延工程で生
じる表面欠陥を、新たな設備を設置することなく、また
製造プロセスを変更することなく、低減する事ができ、
従って表面性状に優れた鋼板を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
2〜0.1wt%含む鋼板において、CuをNiに対し
て1/2×Niwt%<Cu<0.4wt%含む鋼板
を、熱間圧延する前の鋼材の加熱において、加熱時の最
高温度を1080℃以上1250℃以下にし、さらに、
鋼材の加熱後、熱間圧延前に行われるスケール除去を、
鋼スラブ表面での高圧水ジェットの衝突圧が5MPa以
上の高圧水デスケーリングによって行うことを特徴とす
る表面性状に優れた鋼板およびその製造方法。 - 【請求項2】 Siを0.2wt%以下、Niを0.0
2〜0.1wt%、Cuを0.4wt%以下含む鋼板に
おいて、SnをNiとCuに対して(Ni−2×Cu)
/3wt%<Sn<0.1wt%含む鋼板を、熱間圧延
する前の鋼材の加熱において、加熱時の最高温度を10
00℃以上1250℃以下にし、鋼材の加熱後、熱間圧
延前に行われるスケール除去を、鋼スラブ表面での高圧
水ジェットの衝突圧が5MPa以上の高圧水デスケーリ
ングによって行うことを特徴とする表面性状に優れた鋼
板およびその製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35243398A JP2000178655A (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35243398A JP2000178655A (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000178655A true JP2000178655A (ja) | 2000-06-27 |
Family
ID=18424053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35243398A Withdrawn JP2000178655A (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 表面性状に優れた鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000178655A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039812A (ja) * | 2006-10-06 | 2007-02-15 | Jfe Steel Kk | 表面性状に優れた鋼板 |
KR101100485B1 (ko) | 2009-06-26 | 2011-12-29 | 현대제철 주식회사 | 박슬라브 열연코일의 표면품질 예측 방법 및 이를 이용한 박슬라브 열연코일의 제조방법 |
US8220525B2 (en) | 2009-06-26 | 2012-07-17 | Hyundai Steel Company | Method for predicting surface quality of thin slab hot rolled coil and method for producing thin slab hot rolled coil using the same |
CN107755440A (zh) * | 2017-09-12 | 2018-03-06 | 舞阳钢铁有限责任公司 | 一种减少钢锭成材特厚钢板轧制过程氧化铁皮的方法 |
JPWO2021157692A1 (ja) * | 2020-02-06 | 2021-08-12 |
-
1998
- 1998-12-11 JP JP35243398A patent/JP2000178655A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039812A (ja) * | 2006-10-06 | 2007-02-15 | Jfe Steel Kk | 表面性状に優れた鋼板 |
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JPWO2021157692A1 (ja) * | 2020-02-06 | 2021-08-12 | ||
WO2021157692A1 (ja) * | 2020-02-06 | 2021-08-12 | 日本製鉄株式会社 | 熱延鋼板及びその製造方法 |
CN114901849A (zh) * | 2020-02-06 | 2022-08-12 | 日本制铁株式会社 | 热轧钢板及其制造方法 |
EP4101554A4 (en) * | 2020-02-06 | 2023-02-22 | Nippon Steel Corporation | HOT ROLLED STEEL SHEET AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
CN114901849B (zh) * | 2020-02-06 | 2023-09-01 | 日本制铁株式会社 | 热轧钢板及其制造方法 |
JP7368763B2 (ja) | 2020-02-06 | 2023-10-25 | 日本製鉄株式会社 | 熱延鋼板及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |