JP2000319730A - 表面性状及び成形性に優れた熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状及び成形性に優れた熱延鋼板の製造方法

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JP2000319730A
JP2000319730A JP11126676A JP12667699A JP2000319730A JP 2000319730 A JP2000319730 A JP 2000319730A JP 11126676 A JP11126676 A JP 11126676A JP 12667699 A JP12667699 A JP 12667699A JP 2000319730 A JP2000319730 A JP 2000319730A
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steel sheet
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rolled steel
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Yuzo Takahashi
雄三 高橋
Junichi Wakita
淳一 脇田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケール疵の無い高Si鋼の熱延鋼板を製造
する方法を提供する。 【解決手段】 表層部、または全厚のMo、又はB又は
その両方の元素の濃度を高くした鋳片にデスケーリング
と熱間圧延を施すことにより表面性状及び成形性に優れ
た熱延鋼板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デスケーリング不
良に起因した表面性状不良のない表面の美麗な熱延鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃費低減の観点から、自動車への車体軽
量化への要求は年々強まっている。このため自動車用薄
鋼板に対して、高強度と高成形性が求められるようにな
った。高い強度が求められるのは薄肉化による車体剛性
の低下を防ぐためであり、高い成形性が求められるのは
高強度化による成形性の劣化を補う必要があるためであ
る。このような高強度・高成形性化のために近年、Si
を多量に含む熱延鋼板が多用されるようになっている。
DPハイテンと呼ばれるフェライトとマルテンサイトの
二相からなる鋼板や残留オーステナイトを含む鋼板の例
に見るようにSi添加によりそれらが両立されるためで
ある。
【0003】それと同時に、Siを多量に含む熱間圧延
鋼材共通の課題である「Siスケール」と呼ばれる表面
性状不良もクローズアップされるようになっている。
【0004】このSiスケールの発生メカニズムについ
て初めに説明する。
【0005】熱間圧延工程は通常、再加熱、粗圧延・デ
スケーリング、仕上げ圧延、冷却、巻き取りの工程から
なる。ここで、デスケーリングとは、高圧水等を用い再
加熱炉内での高温保持中に生成した鋳片表層の酸化層
(「一次スケール」)を除去する工程である。これは、
通常、粗圧延の各圧下の前後に行う。そして、粗圧延・
デスケーリングの後、仕上げ圧延を行い、所定厚みの表
面美麗な熱延鋼板を得る。
【0006】しかし、Si含有鋼では一次スケールが鋳
片から剥離しにくく、デスケーリングによっても除去さ
れない場合が多い。これは、硬いファイアライト(2
(FeO)SiO2)がスケール地鉄界面に生成するた
めである。その場合、デスケーリングによっても除去さ
れなかった一次スケールが鋳片表層に付着したまま仕上
げ圧延されて鋼板表層に押し込まれるため、鋼板の表面
に凹凸を生じる。これが「Siスケール」と呼ばれるS
i含有熱延鋼板特有の表面疵である。
【0007】この表面疵を有した熱延鋼板を自動車等の
部品として実使用した場合部品の美観が著しく損なわれ
るため、そのような鋼板は実使用できず、熱延鋼板の大
きな歩留りの低下を招いていた。
【0008】このSiスケールの防止方法も従来より検
討されている。一つは、デスケーリングの際に用いる高
圧水の吐出圧を高めることにより完全に一次スケールを
除去するというものである。従来、Si無添加鋼では吐
出圧が140kgf/mm2程度の高圧水で充分一次ス
ケールが除去されていたが、Siスケール対策として、
その吐出圧を著しく高めた「超高圧水デスケーリング」
も行われるようになっている。しかし、Si量が多いほ
どスケール除去は困難となるため、近年用いられるよう
になった極めてSi量の多い鋼ではこの超高圧水デスケ
ーリングによっても完全に一次スケールを除去するのは
不可能と考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点に鑑み、表面性状に優れた熱間圧延鋼板の
製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する具体
的手段としては以下の通りである。
【0011】(1) 重量%で、C:0.001%〜
0.4%、Si:0.1%〜5.0%、Mn:0.01
%〜5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、Al:
0.001%〜3.0%、N≦0.01%を含み、さら
に、Mo:0.1〜1.0%、B:0.002〜0.0
04%の内1種以上を含み、かつ不可避的不純物と残部
鉄からなる鋳片を、1000℃以上でデスケーリングを
1回以上行った後に熱間圧延することを特徴とする成形
性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
【0012】(2) 表層部と内層部の組成が異なる鋳
片を高温でのデスケーリングと熱間圧延を施して熱延鋼
板を製造する方法であって、鋳片の内層部成分が、重量
%で、C:0.001%〜0.4%、Si:0.1%〜
5.0%、Mn:0.01%〜5.0%、P≦0.1
%、S≦0.1%、Al:0.001%〜3.0%、N
≦0.01%を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄から
なり、かつ前記鋳片の表層部は、重量%で、C:0.0
01%〜0.4%、Si:0.1%〜5.0%、Mn:
0.01%〜5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、
Al:0.001%〜3.0%、N≦0.01%を含
み、さらに、Mo:0.1〜1.0%、B:0.002
〜0.004%の内1種以上を含み、かつ不可避的不純
物と残部鉄からなり、かつ前記鋳片の表層部の厚みが鋳
片表面から0.01mm以上である鋳片を1000℃以
上でデスケーリングを1回以上行った後に熱間圧延する
ことを特徴とする成形性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製
造方法。
【0013】(3) 表層部と内層部の組成が異なる鋳
片に、高温でのデスケーリングと熱間圧延を施し熱延鋼
板を製造する方法であって、鋳片の内層部が、重量%
で、C:0.001%〜0.4%、Si:0.1%〜
5.0%、Mn:0.01%〜5.0%、P≦0.1
%、S≦0.1%、Al:0.001%〜3.0%、N
≦0.01%を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄から
なり、かつ前記鋳片の表層部が、重量%で、C:0.0
01%〜0.4%、Si:0.1%〜5.0%、Mn:
0.01%〜5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、
Al:0.001%〜3.0%、N≦0.01%を含
み、さらに、Mo>1.0%、B>0.004%の内1
種以上を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄からなり、
かつ前記鋳片の表層部の厚みが前記鋳片表面から0.0
1mm〜全鋳片厚みの10%である鋳片を1000℃以
上でデスケーリングを1回以上行った後に熱間圧延する
ことを特徴とする成形性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製
造方法。
【0014】(4) 前記鋳片内層部が、重量%で、N
b≦0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr
≦1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.
0%、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0
%、Ca≦0.01%、Mo≦1.0%、B≦0.00
4%、REM≦0.1%の内1種以上を含むことを特徴
とする上記(2)または(3)に記載の成形性に優れ表
面美麗な熱延鋼板の製造方法。
【0015】(5) 前記鋳片表層部が、重量%で、N
b≦0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr
≦1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.
0%、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0
%、Ca≦0.01%、REM≦0.1%の内1種以上
を含むことを特徴とする上記(2)または(3)に記載
の成形性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
【0016】(6) 前記鋳片内層部成分が、重量%
で、Nb≦0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0
%、Cr≦1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、
W≦1.0%、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As
≦1.0%、Ca≦0.01%、Mo≦1.0%、B≦
0.004%、REM≦0.1%のうち1種以上を含
み、かつ前記鋳片表層部成分が、重量%でNb≦0.1
%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦1.0
%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.0%、C
o≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0%、Ca
≦0.01%、REM≦0.1%のうち1種以上を含む
ことを特徴とする上記(2)または(3)に記載の成形
性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】Si添加鋼でSiスケールと呼ば
れる表面性状不良が発生するのは、前述したように加熱
炉内で生じた一次スケールが圧延前のデスケーリングで
も除去されないまま圧延されるため、そのスケールが圧
延によって鋼板に押し込まれ疵になることによる。
【0018】本発明者らは、表面疵の発生の抑制方法に
ついて検討した。デスケーリングは通常、粗圧延の各パ
スでの圧下の前後に行われ、その温度はおおよそ110
0℃〜1150℃を中心とした温度域である。ファイア
ライトの凝固温度は通常約1170℃であるが、このフ
ァイライト凝固温度を低温化し、デスケーリングされる
温度域において液体として存在させれば一次スケール剥
離性が向上するとの知見がこれまで知られていたが、こ
のファイアライト融点を1000℃以下とすると完全に
一次スケールを剥離可能となり、上記Siスケール疵を
無くすことができることを新たに知見した。
【0019】さらに鋳片の組成とファイアライト凝固温
度の関係を鋭意調査し、BまたはMo、またはその両者
を添加することによりこれが低下することを発見した。
これらの元素の添加によりファイライトの融点が低温化
するのは、それらの元素自体の酸化物が低融点であるこ
とと関連しているものと考えられる。それらの元素の添
加により一次スケール剥離性が向上するが、一方でその
鋼板全厚の過多のB、Mo添加は鋼板を過度に硬質のも
のとし材質を劣化させる。
【0020】本発明は、以上の知見に基づいて為された
ものである。以下に、その実施の形態を説明する。
【0021】初めに鋳片の組成について説明する。
【0022】まず鋳片内層部組成について説明する。内
層部は成形性が良好な熱延鋼板の成分に限定する。
【0023】まずCは、鋼の強化のために必要な元素で
ある。強度を充分上昇させるために0.001%以上の
添加を必要とする。しかし、過度の添加は鋼の成形性を
劣化させるので、上限を0.4%とする。
【0024】Siは、成形性を良好に保ちながら鋼を強
化する元素として重要である。充分な成形性を得るため
に0.1%以上の添加を必要とする。しかし、過多にあ
ると強度を過度に上昇させかえって成形性を損なうた
め、鋼の成形性を良好に保つために上限を5.0%とす
る。
【0025】Mnも強化元素として必要な元素である。
強度を上昇させるためには0.01%以上の添加を必要
とする。しかし、過多にあると強度を過度に上昇させ成
形性を損なうため、鋼の成形性を良好に保つために上限
を5.0%とする。
【0026】Pは、その含有量が増加すると得られる鋼
板の成形性低下の原因になるため、添加量は極力減した
方がよく、極度の成形性性低下を回避するために上限を
0.1%とする。
【0027】Sは、MnSの生成により、延性に悪影響
を及ぼすので、上限を0.1%とする。
【0028】Alは、脱酸元素として鋼中の介在物を低
減するため、及び鋼を強化するために必要である。過度
に少ない場合は脱酸が不十分となるので下限を0.00
1%とする。しかし、過多にあるとコスト増加を招き、
また鋼が過度に強化されて成形性の劣化を招くので上限
を3.0%とする。
【0029】Nは析出物(窒化物)生成の原因となり、
そのために強度が上がり成形性の劣化を引き起こすた
め、Nの上限を0.01%とする。
【0030】以上が内層部の基本組成である。
【0031】しかし、得られる鋼板の強度を上げるため
には、鋳片全厚の成分が、上記に加え、Nb、Ti、C
u、Cr、Ni、V、W、Co、Sn、As、Ca、M
o、B、REMのうち1種以上を含むものであってもよ
い。しかしこれらの元素は過多にあると、得られる鋼板
の強度を過度に上昇させて成形性を損なうため、鋼の成
形性を良好に保つために上限は、Nb≦0.1%、Ti
≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦1.0%、Ni≦
1.0%、V≦1.0%、W≦1.0%、Co≦1.0
%、Sn≦1.0%、As≦1.0%、Ca≦0.01
%、Mo≦1.0%、B≦0.004%、REM≦0.
1%とする。
【0032】次に鋳片表層部の組成について説明する。
【0033】鋳片表層部のC、Si、Mn、P、S、A
l量は、内層部と同じく鋼板の成形性を維持する観点か
ら限定され、それらの上下限は、内層部と同じである。
【0034】鋳片表層部は、一次スケールの剥離性を向
上するため、BまたはMoまたはその両方の濃度を高く
する必要がある。充分な一次スケール剥離性を得るため
には、B≧0.002%、Mo≧0.1%のうち、一
方、または両方を鋳片表層部に含有させる必要がある。
含有量がこれ以下の場合、ファイライト融点が1000
℃以下とならず、スケール剥離が困難となるためであ
る。
【0035】ここで、表層部のMo、B量は多いほどス
ケール剥離性の観点から好ましいが、内層部に上記条件
を満たす程度に充分含まれる場合は、必ずしも表層部の
B、Mo量を内層部より高くする必要はない。
【0036】表層のB、Mo量が前記条件を満たして
も、その表層部が薄すぎる場合、表層部の厚さより酸化
されてスケールとなる地鉄の厚みの方が大きくなり、ス
ケール中に含まれるB、Moの濃度が薄くなってスケー
ル剥離性改善の効果が得られなくなる。したがって、ス
ケール剥離性を良好とするために、上記条件を満たす程
度にB、Mo量が高い表層部の厚みは、0.01mm以
上とする必要がある。
【0037】表層部が過度に厚いと強度が著しく高くな
り加工性が劣化する。したがって、最大の厚みは鋳片の
厚みの10%以下とする。しかし、表層のB、Mo量が
成形性劣化の観点から問題にならない量、即ちMo≦
1.0%、かつ、B≦0.004%であるならば、表層
部厚みの上限は規定されない。B、Mo以外の元素の含
有量の条件は内層部と同様である。また、Nb≦0.1
%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦1.0
%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.0%、C
o≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0%、Ca
≦0.01%、REM≦0.1%の元素を含んでいても
構わない。
【0038】表層にBやMo濃化層を持つ鋳片を製造す
る方法としてはクラッド材の圧延、鋳片への異材溶射、
パウダーアロイング等(例えば特開平3−226526
号公報)があるが、本技術の実施にあたっては如何なる
方法を用いてもよい。
【0039】熱間圧延に際しては、圧延を開始する前、
または圧延のパス間で高圧水によるデスケーリングを最
低一度行う必要がある。その後に圧延を行い所定厚みの
熱延鋼板とする。
【0040】デスケーリングを行う温度域は、1000
℃以上とする。この温度域よりも低い温度域でデスケー
リングを行った場合、表層のMo、B量が高くても、ス
ケール除去が困難であるためである。また、デスケーリ
ングに用いる高圧水の圧力は、通常の熱間圧延工程で用
いられる圧力以上あればよく、概ね100kgf/cm
2以上が好ましい。
【0041】
【実施例】次に、以上で説明した技術によりSiスケー
ルを防止した例を示す。
【0042】表1に、試験に用いた鋳片の内層部の組
成、表層部の組成、厚さ、及び表層部の形成方法を示
す。ここで、表1中の「表層部の組成」として記された
元素以外の元素は、表層部と内層部の含有量が同じであ
る。さらに表1において鋼番E、F及びJについては表
層部は形成させず、全厚に渡って内層部成分の鋳片であ
る。また、表層部の形成方法のうち、クラッドとは異な
る成分の鋳片を重ね合わせて圧延し、圧延による圧着の
効果を利用して板厚方向に成分の異なる熱間圧延用鋼板
を製造する技術である。スラブへの溶射とは、単一成分
の鋳片の表層に異なる成分の鋼を溶射により所定厚みに
なるまで付着させて厚み方向に成分の異なる鋳片を製造
することを意味する。
【0043】
【表1】
【0044】表2に表1の鋳片の熱延条件と得られた鋼
板の材質及び表面性状を示している。圧延は、厚さ25
0mmの鋳片を40mmまで圧下する粗圧延と40mm
厚の中間製品を最終板厚まで続けて圧延する仕上げ圧延
に分けて行った。デスケーリングは、粗圧延の各パス後
と仕上げ圧延開始直前に高圧水を用いて行った。
【0045】曲げ性は、得られた熱延鋼板を酸洗後、4
0mm×400mmの試験片を切り出し、曲げ半径R=
2×板厚で90度に曲げた後の曲げ部の表面性状(割れ
の有無)から判断した。割れの無かったものが成形性良
好であり、あったものが成形性が悪いことを意味する。
【0046】
【表2】
【0047】鋼A〜Oは本発明の技術により表面性状と
成形性の良好な鋼板を得た例である。鋼E、F、及びJ
は、鋳片全厚にMo、またはBまたはその両方が含まれ
る鋳片を用いた例である。
【0048】鋼Pでは鋳片表層のMo濃化層が所定の厚
みより薄いため、Siスケールが生成している。
【0049】鋼Qでは鋳片表層のB濃化層が所定の厚み
より薄いため、Siスケールが生成している。
【0050】鋼Rは表層のMo濃度が小さすぎるため、
Siスケールが生成している。
【0051】鋼Sは表層のB濃度が小さすぎるため、
Siスケールが生成している。
【0052】鋼Tでは、鋳片表層のMo濃化層が所定の
厚みより厚いため、加工性が劣化している。
【0053】鋼Uでは、鋳片表層のB濃化層が所定の厚
みより厚いため、加工性が劣化している。
【0054】鋼Vでは、表層のMo、B濃度が所定の濃
度より小さく、かつ表層厚みが所定の厚みより薄いた
め、Siスケールが生成している。
【0055】鋼Wでは、表層厚みは充分であるが表層の
Mo、B濃度が所定の濃度より小さいため、Siスケー
ルが生成している。
【0056】鋼Xでは、デスケーリング温度が低すぎる
ため、Siスケールが生成している。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、Siスケールにより表
面性状を劣化させることなく成形性に優れた高強度熱延
鋼板を得ることができるので、自動車用高強度鋼板の歩
留り部品改善、即ち製造コスト低減に大きく寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K037 EA00 EA01 EA02 EA04 EA05 EA09 EA10 EA11 EA13 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA23 EA25 EA27 EA28 EA31 EA32 EA33 EA36 EB02 EB06 EB08 EB09 EB11 FA02 FA03 FC03 FD04 FD05 FD08 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.001%〜0.4
    %、Si:0.1%〜5.0%、Mn:0.01%〜
    5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、Al:0.0
    01%〜3.0%、N≦0.01%を含み、さらに、M
    o:0.1〜1.0%、B:0.002〜0.004%
    の内1種以上を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄から
    なる鋳片を、1000℃以上でデスケーリングを1回以
    上行った後に熱間圧延することを特徴とする成形性に優
    れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 表層部と内層部の組成が異なる鋳片を高
    温でのデスケーリングと熱間圧延を施して熱延鋼板を製
    造する方法であって、鋳片の内層部成分が、重量%で、
    C:0.001%〜0.4%、Si:0.1%〜5.0
    %、Mn:0.01%〜5.0%、P≦0.1%、S≦
    0.1%、Al:0.001%〜3.0%、N≦0.0
    1%を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄からなり、か
    つ前記鋳片の表層部は、重量%で、C:0.001%〜
    0.4%、Si:0.1%〜5.0%、Mn:0.01
    %〜5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、Al:
    0.001%〜3.0%、N≦0.01%を含み、さら
    に、Mo:0.1〜1.0%、B:0.002〜0.0
    04%の内1種以上を含み、かつ不可避的不純物と残部
    鉄からなり、かつ前記鋳片の表層部の厚みが鋳片表面か
    ら0.01mm以上である鋳片を1000℃以上でデス
    ケーリングを1回以上行った後に熱間圧延することを特
    徴とする成形性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 表層部と内層部の組成が異なる鋳片に、
    高温でのデスケーリングと熱間圧延を施し熱延鋼板を製
    造する方法であって、鋳片の内層部が、重量%で、C:
    0.001%〜0.4%、Si:0.1%〜5.0%、
    Mn:0.01%〜5.0%、P≦0.1%、S≦0.
    1%、Al:0.001%〜3.0%、N≦0.01%
    を含み、かつ不可避的不純物と残部鉄からなり、かつ前
    記鋳片の表層部が、重量%で、C:0.001%〜0.
    4%、Si:0.1%〜5.0%、Mn:0.01%〜
    5.0%、P≦0.1%、S≦0.1%、Al:0.0
    01%〜3.0%、N≦0.01%を含み、さらに、M
    o>1.0%、B>0.004%の内1種以上を含み、
    かつ不可避的不純物と残部鉄からなり、かつ前記鋳片の
    表層部の厚みが前記鋳片表面から0.01mm〜全鋳片
    厚みの10%である鋳片を1000℃以上でデスケーリ
    ングを1回以上行った後に熱間圧延することを特徴とす
    る成形性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記鋳片内層部が、重量%で、Nb≦
    0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦
    1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.0
    %、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0
    %、Ca≦0.01%、Mo≦1.0%、B≦0.00
    4%、REM≦0.1%の内1種以上を含むことを特徴
    とする請求項2または3に記載の成形性に優れ表面美麗
    な熱延鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記鋳片表層部が、重量%で、Nb≦
    0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦
    1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.0
    %、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0
    %、Ca≦0.01%、REM≦0.1%の内1種以上
    を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の成形
    性に優れ表面美麗な熱延鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記鋳片内層部成分が、重量%で、Nb
    ≦0.1%、Ti≦0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦
    1.0%、Ni≦1.0%、V≦1.0%、W≦1.0
    %、Co≦1.0%、Sn≦1.0%、As≦1.0
    %、Ca≦0.01%、Mo≦1.0%、B≦0.00
    4%、REM≦0.1%のうち1種以上を含み、かつ前
    記鋳片表層部成分が、重量%でNb≦0.1%、Ti≦
    0.2%、Cu≦1.0%、Cr≦1.0%、Ni≦
    1.0%、V≦1.0%、W≦1.0%、Co≦1.0
    %、Sn≦1.0%、As≦1.0%、Ca≦0.01
    %、REM≦0.1%のうち1種以上を含むことを特徴
    とする請求項2または3に記載の成形性に優れ表面美麗
    な熱延鋼板の製造方法。
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